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Vol.62 , No.2(2014)163大観 慈聖「インド後期仏教密教における『金剛甘露タントラ』の位置と性格 : 関連諸文献の分析と三註釈の解釈をめぐって」

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(1)

102

) 印度學佛 敏學 研究 第

62

巻 第

2

号  平成

26

3

後期

教密教

金剛甘

位置

性格

関連 諸文 献

と三

註釈

っ て一

大  観  

 

1

序 論  

稿

で は,

先行

無の 『金 剛 甘 露タ ン トラ

』 VOjramrta

−tantra (D :No .

4351P

:No .

74

, 以 下 vAT と略称 ) 1) につ い て 考 察 する .

考 察

の 主た る

資料

と し て は,

 

ヴィ マ ラバ ドラ

作 『

金 剛 甘

i語釈

』 (D :No .

1649

!P:No .

2521

2) ,

 

ヴ ィ マ ラ バ ドラ作

金 剛甘

タン トラ

複註

』(

D

No

1650

P

No

2522

3) ,

 

バ ゴ ー作 『 剛 甘露 大 タン トラ王複 註』 (

D

N

・.

1651

P

No

2523

) 4) の 三

え,

筆者

に よっ て

VAT

との

類似 並行句

確 認

さ れ た,

秘密集会

タ ン トラ

( =

GST

マ ハ ー マ ー ヤ ー ・タン トラ』(=

MMT

), さ ら に は

VAT

接引 用

GST

に対

る チ ャ ン ドラ キ ール テ ィの 註

釈 『

灯 作

明』 (≡

PU

), 

MMT

対す

る ラ トナ ー カ ラ シ ー ン 註 釈

有 功 徳 』 (謐 Gu)を用 る . した が て ,

本稿

vAr

そ の

の の 解 明の み な らず,

GST

, さ らには

MMT

とい っ た他の 仏教タ ン トラの

明を も同 時 に意 図 する もの で ある.

VAT

は小 品で 本 文の大 部 分が韻 文 (偈 頌 )で 綴ら れて お り5),

ll

構 成

さ れ てい る. 

VAT

に お い て , 世

剛甘露

は 三

と さ れる.明妃 はマ ーマ キ ー .

VAT

は世

と 明妃マ ーマ キ ー との 対 話で あ

, 世 尊 が終 始一貫 して 一 人 称で語 る とい

述形

上 の特 徴が ある . こ の よ

か ら,

VAT

はその 叙 述 形

上, サ ン ヴ ァ ラ

系密

文献

MMT

な どの

仏教

タ ン トラ と同様に,

者の提 唱 する 「論 的な仏 教 タン トラ

ω に属 する .

2

GST

関 係

筆 者の調査 に よれ ば ,『金剛 甘 露 タン トラ』 に基づ い て灌 頂 された修

法者

(= 金 剛 阿 闍梨)の

功徳

説 く

VAT

 

ag

 

11

章第

21

22

(D ;

27a3

41P

28a5

6

) は , 

GST

17

章の 記 述 ([Matsunaga ]p.

105

) と 類似 並 行 す る , こ の 両 記 述 は

タ ン トラ 』 吻

1

α一tantra (

D

N

・.

466

P

N

・.

102

!大正:

N

・.

890

, 以 下 MJT と略称 )

1

の 記述 との 関

か らも重 要で ある 7) . 一

, 三

註釈

GST

を 比 較 的に

く引 用 し8), ま た

GST

関連 の 文

に言 及 して い る 9) . 

VAT

主 尊は世 尊 金 剛 甘 露である けれども,

 

 

くの場 合 世 尊 を 「阿 闕」 と解 釈 して い る10). なお, 阿 闕は

GST

の 主

で ある . また, 

GST

各 章

題に は 「 一 切 如 来の身体 と語と心

その もの

で あ り秘 中の秘 であ る

秘 密

集会』

」 とい

(2)

イン ド後期 仏教密 教に お け る 『金剛 甘 露 タン トラ』の位 置 と性 格   

103

表現が確 認 さ れるけ れ ども,

VAT

各章

題 に も

如 来

身体

と語と心 を 金 剛 と

る金剛甘露とい

う大楽者

金 剛甘 露 大 タン トラ』」 とい う表 現 が確 認 され

身体

と語 と心の成 就の ため に」 とい

記 述 も頻 繁に確 認さ れる. この よ う な事 実か ら,

VAT

GST

と同 様に身体 と語と心の 三 部

体 系

を基 本 と して い る こ とが 指 摘で きる.ス ヴァ ーハ ーの 効 力 を説 く

vAr

3

章 第

20

偈 ab 句 (

D

20a4

P

20b5

6

)が

GST

14

章 に対 する註 釈

PU

([

Chakravarti

p

149

) に 引 用 さ れ て い る こ と か ら,

VAT

の 成 立 は少 な くと も

pu

の著 者で ある秘 密 集 会聖 者 流の チ ャ ン ド ラ キ ール テ ィ以前 と なる. 以 上 ,

VAT

は 主 と して

GST

の体 系に基づ い て い る と結

で きる.

筆 者

の研

に よ れ ば,

MMT

wr

と同

に基 本 的に

GST

の体

に 基 づ い て お り ([大 観

2009c

]), 母 タン トラ と さ れ る

VAT

MMT

の両 者が 父 タ ン トラ で ある

GST

の大 き な影 響 下にある こと は注 意 される.

3

SYT

関係  

次に, 

VAT

の 母 タ ン トラ と して の 側 面が

考 察

さ れ なけ れ ば な ら ない .

 

に は最 初 期の タ ン トラ と さ れる 『サマ ー ヨ ー ガ ・タ ン トラ

(−

SYT

)ll)が秘 密 集 会 系の 文 献の 次に比 較 的に多 く引 用さ れ て い る.例 えば, 

VAT

1

章 第

7

偈 c 句 に対 す る  (D :

23a2

3

P:

25b8

26al

に は

SYUT

9

章 第

182

偈 (D :N・.

366

,Ka ,

176a71P

:N・.

8

, Ka , 

190b7

)が

, 

VAr

ll

章 第

18

偈 e

に 対 する

  (D :

53a3

4

!P:

61al

2

こは

SYUT

9

章 第

2

偈 (D :N・.

366

, Ka ,

167b6

!P:N・.

8

,・Ka ,

181b8

)が それぞれ引 用 されてい る 12). この

実は

VAT

の 普 及 者 ガ ン ビ ー ラ ヴ ァ ジュ ラが

SYT

に精 通 して い た とい

ターラ ナー タ の報 告 とも無 関 係で は ない (注

4

参照).

4

MMT

関係  

次に, 

MMT

との 関係 性 につ い て 考 察 する. なお, 

MMT

GST

の体 系の み な らず, 

SYT

の体 系に も基づ い て い る ([大観

2009c

])、 ラ ト ナー カ ラシ ャ ー ン テ ィ は

MMT

1

章 第

21

偈 に対 する註釈

Gu

(匚MMT &

Gu

p

18

pp

109

lll

)に お い て

VAT

7

章 第

12

偈〜第

14

偈 (D :

23b7

24a21P

24b6

8

を 引 用 してい る.

MMT

1

章 第

21

偈は 「ビ ン ドゥ ・ヨ ー ガ」 を

き, 

VAT

 

ig

 

7

14

偈 ab 句は

MMT

1

章 第

19

偈 ab 句 ([

MMT

Gu

p

14

, 

p

100

) と類似 並 行 す る こ とか ら, 「甘露の 瞑 想 」を 説 く

VAT

 

eg

 

7

章 第

12

偈 〜

14

偈 が

Gu

に 引 用 さ れ た もの と思わ れ る. こ の よ うに 微 細 瑜 伽 と して紹 介 さ れ る

VAC

所 説の 厂甘 露の 瞑想 」

MMT

所 説の ビン ゥ ・ヨ ー ガは共 通の体 系 を有して お り,

密接

な関

にある . ま た, 「五 甘 露の 成 就 」 を説 く

VAT

11

章 第

4

偈 〜

15

D

26b1

7

/P;

27b1

28al

甘 露

受 」を説 く

MMT

3

章 第

1

偈〜

6

偈 ([

MMT

Gu

]pp .

144

147

)13), 

MMT

3

章 第

16

偈 cd句 〜

3ka

偈 (

MMT

Gu

962

(3)

104

 

イン ド後期仏教 密教におる 「金剛甘露 タン トラ』の位 置と性 格 (大

 

観)

pp

.155 −157) など と

容 的に近

似性

を示

. こ の

五 甘 露の

受 」 を 中心 に説 く

MMT

3

章は, 「五甘 露の

とい

同 内

題 を も つ

VAT

11

章の 記 述と 関係 して い る. なお,

VAT

 

ca

 

11

章と

MMT

3

に説か れ る 五 甘 露に 関

る記 述 は,

GST

6

章第

21

偈 〜

23

([

Mats

  aga ]p . 

19

) ,

15

章 第

38

([Matsunaga ]

p

74

),

16

章 第

24

偈 〜

25

([

Matsunaga

]p .

88

16

章 第

35

偈 〜第

39

偈 ([Matsunaga ]pp .

88

89

), 第

17

章 第

9

偈〜 第

11

偈 ([

Matsunaga

]p ,

97

) な ど を前 提 としてお り, この 点で も

VAT

MMT

GST

影響

下にある .

5

唯識

如 来 蔵思 想

関係  

次に ,

VAT

の 思 想 的な側 面につ い て

察 す る .

vAT 第

2

章 第

12

d

句 (D :

18b4

/P:

19a3

に は は た だの み で

か れ てお

, こ こ に唯 識 思 想が明

認 される. また,

VAr

2

章 第

12

偈 c句 (

D

18b31P

19a3

られ る な る

は ま さ

法 身

させ ,如 来 蔵 思 想 に相 通ずる ものが ある.一方, 『サン プ タ ・タ ン トラ』 第

1

の 記 述 と類 似

並行 す

MMT

1

章 第

19

cd

内容

的に唯 識 思

と関

して お り,

MMT

1

4

偈 ab

([

MMT

Gu

]p. 

4

, p. 

81

) と

MMT

1

章 第

6

偈 ab

([MMT &Gu ]p . 

6

, 

p

85

)に見 られる 「一切 を満たす 女 性 」 も まさに法 身に等 し い 存 在 である .

者 が

MMT

VAT

を新た に 「論 的 な仏 教 タ ン と評 す る

拠 も両

が 明

に唯 識 思 想 を

き, 同

に如 来蔵 思 想 を予想

る記述 を

して い る とい うまさ にこ の 点にある.

6

結 論 

以 上,

VAT

の 実 践 体 系 は

MMT

と同 様に主 と して

GST

の 体 系 にその 大 部 分が基づ い てお り, 特に微 細 瑜 伽 に 関して は

MMT

の そ れ と共 通 して い る 点,

VAT

が理 論 的に

MMT

と同様 に瑜 伽 行 派の唯 識 思 想, さ らに は瑜 伽 行 派 を基 盤 と して

立 し た如 来 蔵 思 想 に基づ い て い る点を指 摘 す るこ と がで きる .そし て ,

VAT

の成立 は, 下 限を

VAT

を引 用 するチ ャ ン ドラキ ール テ ィ (

10

世紀 頃) と ラ トナー カ ラシ ャ ー ン

11

世 紀 頃)の 活 躍 期か ら

11

世 紀 頃に, 上 限を

GST

MMT

の間, あるい は

MMT

と同 時 期の

9

10

世紀 頃

と が る .

GST

の影 響 は 『時 輪 タ ン トラ』 に至 るまで ほ ぼすべ て のイ ン ド後 期 仏 教 密 教 文 献に多 か れ少 なか れ広 く看 取 さ れ, 少 な くとも

11

世紀 の イ ン ドで は絶 大 なる権 威 を与 え られて い 14> ド後 期 仏 教 密 教に おける

GST

考慮

すれ ば,

GST

MMT

と類 似 並 行 す る記 述が

VAT

に存 在 し, 

VAT

MMT

と同 様 に

GST

体系

に基づ い てい る こ と が判 明 した とい

事 実は, 

VAT

の イン ド後 期 仏

教密

上にお

る重 要 性 を示

もの として

過で きない

(4)

イン ド後期仏 教密教における 『金剛 甘露タ ン トラ』の位 置と性 格 (大  観 )  (

105

1

VAT

は般若 ・母 タ ン トラ,金剛日部族の金 剛甘 露 系に属 する唯一の タ ン ト ラであ り,  梵本は

1

本だ け存 在 するが ([梵 仏研

IV

p

321

参照),校 訂 出版は まだなさ れて い ない .  本 考察は者が校 訂 し た チベ ッ ト語訳テキス トに よる.チベ ッ ト語訳 者は ギ チ ョ ・ダ  ウ ェ ウーセ ル (

11

世 紀 )で ,漢 訳は確 認さ れてい ない .

2

)  の梵 本は

1

本だ け存 在 する が (匚梵 仏 研

IV

] p.

322

参照), 校 訂 出版は ま だ な され  て い ない .本 考察は筆者が校 言∫し た チベ ス トによ る。現存の チベ ッ ト語  訳は リン ェ ン ・ドゥ プ に よ る改 訂版で, 漢訳は確認さ れ てい ない .

3

)  の 梵 本と 漢 訳 は ま だ 見っ て い ない .本考 察は筆者 が 校 訂 し た チベ ッ ト語 訳 テ  キス ト による.チベ ト語 訳 者 はス ム リテ ィ ジュ ニ ーナ キール テ ィ (

11

世紀 前半 ).   は  を 増 広 して作成 さ れ た 複 註 (

tika

)で あ り, 両 註釈は ほ ぼ 同様の本 文解 釈を 展  開 し, 同文の箇所も多い.

4

)  の 梵 本 と漢訳はまだ見つ い ない . 本 考 察は筆 者が校 訂し た チベ ッ ト語 訳テ  キス トに よ る.チベ ト語 訳は タパ ーラ と ン ・ヨ ンテ ンワル で 現存の チベ ッ  ト語訳は シーラ グヒヤ ヴァ ジュ ラ とロ ク キャ ・シェ ーラ プツ ェ ク (

1042

1136

)に よ  る 改 訂 版.ロ ク キ ・シ ェ ーラ プツ ェ クは チ ャ ク ラサン ヴァ ラの 相承者で ある く[桜  井

1996

]pp .

601

602

参照).四 門衛に関する  の記 述は ア バ ヤ ーカラ グプ タ作 『完成  せ るヨ ーガ の環 』の記 述と一致 する ([Lee ]p27 (

fbotnote

 

626

) 参 照 ).ターラ ナー   タ に よれば,

VAT

の 「請 来者 」は 『サマ ーヨーガ ・タ ン トラ』に精 通し た ガ ンビーラ  ヴァ ジュ ラ であ り,これに アム リ タ グ ヒヤが続 くが,  の著者バ ゴ ーはこ の アム リ タ  グ ヒヤの弟 子 であ り,  と  の著 者 ヴ ィマ ラ バ ドラに タン トラを 教 え た 人物 とさ れ る

 

([寺本 婉 雅 訳 「ター ラナータ印 度 佛 教 史』 (国 書 刊 行 会 ,

1974

年)]

pp

309

312

, 

p

.  

383

).

5

)チ ベ 語 訳

1

パ ー

7

シ ラ ル で翻 訳い る こ と, 引 用が確 認 さ れ た   pu とGu の梵 文か ら, VAT の韻律は一般 的 なシュ ロ ーカ調で ある こ とが わ かる.

6

)サン ヴァ ラ系 密教 文 献や

MMT

な ども世尊 と明妃 の対 話で あ り 何れ も世尊が終始  一貫 して一人 称 で語 る とい う叙 述 形 式 上の徴 が あ る.筆者 はこ の ような 叙 述ス タ イ  ル の 仏 教 タン トラ を 「論的 な 仏 教 タン トラ」 と呼ぶ (匚大観

2009c

コ).

7

)MJT

1

の 記 述 (D ;

95a5

6

!P:

60b2

3

/大 正 Vol.

18

;p ,

560

,上段

22

27

行 目

 

10

章の 記 述 (

D

133a1

2

P

101a6

71

大正

Vo1

18

:p.

582

,中 段

21

23

行 目) も参 照.

 

MJT

1

章の記 述は

PU

に引用され てい る ([大 観

2006

]pp . 

116

113

(pp .

53

56

)).

8

GST

の経名の みの 言及と して,

VAT

7

章に対する  (

D

13a7

P

14b7

8

 

D

:  

46bl1P

52a8

52b1

, 

VAT

 

e91

章に対する  (

D

56blfP

64b7

)の記 述 が挙 げら れる.  一方,

VAT

1

章に対 する  (

D

3b6rP

4a5

6

 

D

21b34

P

24a7

8

に ;よ

GST

 第

7

章 第

27

偈 ([

Matsunaga

]p.

22

)が , 

VAr

1

章に対 する  (

D

19b4M

22a5

6

 

に は

GST

18

章 第

40

偈 ab 句 (

Mats

  aga ]p . 

l

 

l6

)が, VAT  

aS

 

3

章に対 する  (D :

 9a3

/P:

10a4

  (D :

33a7

33bl1P

37a6

GST 第

18

章第

33

偈ab 句 ([Mats  aga ]

 p

115

)が,VAT 第

1

章と第

2

章に対する  (D :

58a4

5

72b6

71P

66b7

8

83b8

)に

 は GST 第

17

章の 記 述 ([Matsunaga ] p.

109

)が そ れ ぞ れ 引 用 さ れ てい る.

(5)

106

)  イン ド後期 仏教密 教における 『金剛甘露タン トラ』の位置と性格 (大 観)

9

vAr

1

章に対 する  (

D

20b7

21al

P

23b2

3

に は, 『秘 密 集 会の カー リ カー』

 の 中の

1

偈 (同定不能 )が 引 用 され ,

VAr

3

章 と第

7

章 に対 する  (D :

33a5

6

 

46b4

? (D に は

bya

 

ba

 

des

 sems  can _

phyin

 ci 

log

 

pa

i

P

52b6

53b3

に相 当)を欠 くた

 

め に, D にお ける当該の 引用 箇所は確 認 不能)

1P

37a3

4

53bl

2

, ヴィ タパ ー   ダ作 『秘 密 集会 成就 法利 験生宝蔵 』の中の

1

偈 (

D

No

1874

 

Pi

22b4

P

N

。.

2737

, 

Thi

 

26a4

)が引用 さ れ てい る. また, 

VAr

6

章に対 する  (

D

39b41P

44a7

8

 gSah 

ba

dus

 pα ’i sgrub  thabs zla 

ba

とい う文 献 も引用さ れてい る.

lo

)  と  で は, 「世 尊

= 阿 闕」と う解 釈 が至る とこ ろ な されて い る.例 えば , VAT

 第

1

章に対 する  の記述 (D :

lb4

, 

2b5

2b6

3a5

!P:

2a3

3a3

3a5

3b4

5

), 

VAT

3

章に

 対 する  の記 述 (

D

9b1

P

10b3

, 

VAT

5

章に対 する  の 記 述 (

D

lla5

P

12b3

),

 VAT

1

章に対 する  の 記述 (D :

18a2

 

18b4

19al

 

19b6

19b6

7

 

24bl1P

20a8

21a3

4

 

21b1

, 

22m8

, 

22bl

27b1

),  VAT 第

3

章 に 対 す る  の 記 述 (D :

34a3

/P:

38a1

), VAr 第

5

  章に対 する  の記述 (D :

38a2

3

/P:

42b2

な どを挙 げが で きる.

11

SYT

の梵 本 と漢訳は伝 存せず, 『サマ ーヨ ーガ ・続タン トラ』 (

D

No

366

!P ;

No

8

 

SYUT

)と 「サマ ー ヨーガ ・続々 タ ン トラ』 (D :No .

3671P

:No .

9

=SYUUT )が チ

  ト大蔵経 中に確認さ れ るのみで 根本タ ン トラ は伝承さ れて い ない .

12

>た だ し, SYUT 第

9

章第

2

偈の引用 につ い て は,出 典 が 明 か さ れ てい ない .な お,

 

SYUT

9

章第

2

偈は SYUT 第

1

章第

1

偈 (D :

151b1

21P

164a6

7

  SYUT 第

5

章第

 

9

偈 (

D

155b7

156alrP

169a3

4

 

SYUUT

18

章 第

2

(D :No .

367

 Ka ,

193bl1P

 No

9

, 

Ka

209a4

さ らには 『サ ンプ タ・タン トラ』 第

1

章第

3

節の中の

1

偈 ([

Skorupski

 p

233

)とも一致し, VAT 第

11

章 第

18

偈e 句に対する  (D :

17a3

41P

19a7

8

)に

  も引 用 さ れて いる.

13

) [MMT &

Gu

]で は, 「MMT 第

3

章 第

1

偈 〜MMT 第

3

章 第

7

偈 ab 句 」に相 当する.

14

) 『ク リシュ ナヤマ ーリ ・タン トラ』 第

17

章第

21

偈 cd 句に は 「タン トラの究極は 『〔秘

 

密〕集 会』で あっ て, かつ て ない もの であ り, 将来も 出て こない で あろ う」と説か れ

 

([

KYT

M

p

132

, 

p

272

こ れ はツ ォ ンカバ の 『秘 密 集会 安立次 第論 註釈』の 冒頭  部に引用さ れ てい る ([北村 ・ッ ル テ ィム]p.

4

).た だ し, [北村 ・ッ ル ティ ム]はッ ォ  ンカバ 出典 を明記て い る に もか か わらず, 出典 を不 明とする ([北村 ・ツルティム]

 

p . 

153

訳 註

3

).さらに, ラ トナ ー シ ャー ン

GST

に対 する註釈 「クス マ ー  ン ャ リ』におい て

GST

を 「特に聖 な るもの 」と評価 し ([大観

2008

pp

. 

71

70

pp

.  

118

119

)参 照),バ ヤ ーカ ラ グプタ (

ll

世紀 後 半〜

12

世紀 前 半頃)も 『ヴァ ジュ ラー  ヴァ リー』におい てバ リ や プラ テ ィ シュ ターとい っ た密教 儀礼の解説をする際, 秘密

 

集会流 (sEmajika 礼 を優先 した [森 2011 ]p.138, p.

328

註 17 参照). * 略号 と参 考 文 献】は 「『金 剛甘露 タ ン トラ』の成立 に 関する一考 察 」 と題 する拙稿 (『密教文化』第

230

号t2013 年)に準じ る. 〈キーワ ー ド〉 『金 剛甘 露タ ン トラ』 (= VAT ) , 論的 な仏教 タ ン トラ                              (京都 大 学大 学院修 了)

参照

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