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企業結合会計基準 に関す る一考察

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Academic year: 2021

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神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』第9 20053 117

『 修士論文要 旨

企業結合会計基準 に関す る一考察

一 日本 ・米国 ・国際会計基準の比較 と国際的収敵 について‑

ConsiderationoftheAccountingforBusinessCombination

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

川 嶋 寛 武

HiromuKawashima

『キーワー ド

20世紀末か らの長引 く日本の平成不況 を克服す るための切 り札の一つ として金融 ビッグ・バ ン(大 改革)が行われて きた。 この金融 ビッグ ・バ ンは、

金融機 関だけでな く、 日本の社会経済的側面や 日 本人の思考 その ものに も大 きなインパ ク トを与 え つつ ある。

これに関連 して、独禁法、商法、税法、証券取 引法、会計などにつ いて も大改革 がな されつつ あ

日本企業の国際的な競争力 を維持 ・促進す るた めのインフラの整備の一つ として、種 々の企業再 編制度の整備がな されて きている。例 えば、独禁 法では、従来禁止 されていた持株会社の設立が解 禁 され、商法では簡易合併、株式交換、株式移転 などの制度 が導入 され、税法では企業再編税制や 連結納税制度 などが導入 された。 また、会計では 企業結合会計基準 などの導入が行われた。

わが国企業の

M

&A (合併 と買収) に対す る企 業マイン ドは確実に変化 してきている。従来、企 業合併は業績悪化企業の救済 目的に行われ る傾向

にあったが、それがよ り積極的な成長戦略の一手 段 として シフ トし、現在の ような 日本経済の低迷 期 においては、企業のス リム化や効率化等の戦略

として多彩 な役割 を担 う。

その中で、近年、企業結合 を含む組織再編成 に 係 るさまざまな法制度が創設 されて きた。 しか し 企業結合 に関 して、わが国は国際的な会計基準 と 大 きく異 なる部分がある。 それはわが国では持分 の結合 による持分プー リング法 を認めるとい う点 である。国際的には買収であるパ ーチェス法に会 計処理方法が一本化 されて きているのに、 なぜわ が国では敢 えて持分プ ー リング法 を残 したのか、

そ して、それによ り日本 は国際的にどの ような立 場 にいるのかを筆者 は疑問に感 じ、当論文のテー マ とす ることとした。 さらに、パ ーチェス法一本 化によ り、企業結合 にはのれんが欠かせない もの となった国際的な会計基準 では、のれんの償却 ・ 減損処理 について大 きな関心 を持つ こととなった が、 こののれんの会計処理 について も、わが国の 会計基準 と国際的な会計基準 とでは違いが見 られ

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118 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第9 20053

る。

このような背景の下で、会計 ビッグ・バ ンに伴 っ て導入 された企業結合会計について、持分プー リ ング法の認否及びのれんの要償却説 と非償却説 を 中心に述べてい く。 これ らは、実際に企業結合 の 会計処理 をす る上で、大 きな違いをもた らすか ら である。そ して、会計基準の国際的な統合 とい う 視点 を加 え、 日本 が企業会計の統合 化に向けて こ れか らどのように進むべ きか筆者の私見 を提案す る。

研究の展 開については次のよ うに進めることと す る。

は じめに、当論文のテーマを明 らかに し、企業 結合会計が改めて考 え直 されて きた背景 とともに、

論文の展開方法 を簡単 に述べている。

1章では、企業結合会計の基本的な考 え方 を 述べ る。企業結合 の意義、定義、導入の経緯の よ うな基本的な もの を米国、国際会計基準、 日本 に 分 けて紹介 し、 さらに企業結合会計導入の経緯 を 述べてい く。そこか ら、 日本の企業結合会計基準 導入に関す る論点 を大 きくパ ーチェス法の一本化 とのれんの償却 に関す ることの二つ に分けて、そ の根拠 となる考 え方 について述べ る。 そ して、そ れぞれ具体的にどの ような会計処理 を行 ってい く のかを簡単 に紹介す る。 さらに、その論点 となる 部分は国際的にはどのような傾 向 を示 しているの か を確認 し、その理 由をそれぞれ述べてい くこと とす る。

2章では、企業結合会計の会計処理 を具体的 にどのように行っているか を、基準別 に比較 して い く。 それぞれの基準 ごとに、企業結合会計の適 用範囲、企業結合 の会計処理方法、取得原価の配 分方法、 を述べてい く。 それ を踏 まえて、 日本 の 基準の問題点である、識別基準及びのれんの償却 の会計処理方法の違いを改 めて考 えい く。

3章では、上で述べて きた 日本 と国際的な基 準 との違いをもとに、会計基準の国際的収散 につ いて述べてい く。国際的な状況 とは別の道 を歩む 日本の企業結合会計基準について、 日本経団連の 意見 とともに述べてい く。

おわ りに、当論文で述べて きた、識別基準 に関 す る論点及びのれんの会計処理に関す る論点か ら、

持分プー リング法及びのれんの償却の必要性 を述 べてい く。 しか しその結果、会計基準の国際的な 統合化か ら外れて しまうこととなるが、国際的な 日本の立場 を考 えると、それ もまた会計基準の統 合 に関 して必要 なことであることを述べてい く。

参照

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