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スマートキャンパスの運用に 活用する電力需要予測

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Academic year: 2021

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(1)

スマートキャンパスの運用に 活用する電力需要予測

平成

25

年度

三重大学大学院地域イノベーション学研究科 博士前期課程地域イノベーション学専攻

鈴木 雅大

(2)

1

目次

第1章 序論 ... 4

第 2 章 三重大学の電力需要と予測手法 ... 5

2.1 三重大学の電力需要 ... 5

2.2 予測手法 ... 6

2.3 予測式切替 ... 6

第 3 章 分析方法と評価方法 ... 9

3.1 分析方法 ... 9

3.1.1 相関係数分析 ... 9

3.1.2 回帰分析と最小二乗法 ... 9

3.1.3 重回帰分析 ... 11

3.2 評価方法 ... 12

3.2.1 二乗平均平方根( ) ... 12

3.2.2 平均絶対誤差率( ) ... 12

第 4 章 電力需要予測 ... 13

4.1 夏の電力需要予測 ... 13

4.1.1 はじめに ... 13

4.1.2 昼間(10:30-17:00)の予測 ... 13

4.1.3 深夜(0:30-6:00)の予測 ... 16

4.1.4 評価 ... 16

4.2 夏休みの電力需要予測 ... 20

4.2.1 はじめに ... 20

(3)

2

4.2.2 昼間(10:30-17:00)の予測 ... 20

4.2.3 深夜(0:30-6:00)の予測 ... 23

4.2.4 評価と考察 ... 23

4.3 冬の電力需要予測 ... 26

4.3.1 はじめに ... 26

4.3.2 昼間(10:30-17:00)の予測 ... 26

4.3.3 深夜(0:30-6:00)の予測 ... 29

4.3.4 評価と考察 ... 29

4.4 春の電力需要予測 ... 32

4.4.1 はじめに ... 32

4.4.2 昼間(10:30-17:00)の予測 ... 32

4.4.3 深夜(0:30-6:00)の予測 ... 33

4.4.4 評価と考察 ... 33

4.5 秋の電力需要予測 ... 35

4.5.1 はじめに ... 35

4.5.2 昼間(10:30-17:00)の予測 ... 35

4.5.3 深夜(0:30-6:00)の予測 ... 36

4.5.4 評価と考察 ... 36

第 5 章 総括 ... 38

謝辞 ... 39

参考文献 ... 40

(4)

3

Electrical Demand Forecast Utilized for Operating the Smart Campus

Masahiro Suzuki March 2014

Abstract

Mie University has been working on the project which reduces CO

2

emitted from operation and life of our university. We call this tackling a Smart Campus. We introduce the sunlight and wind power generator system which are renewable and sustainable energy, and gas cogeneration system. In addition, we introduce the storage battery for performing the electrical peak-cut and the double layer capacitor for controlling electricity of short-term fluctuation caused by renewable energy stably. In order to keep each equipment capacity to a minimum and to use it effectively, it is important to forecast electrical demand with sufficient accuracy.

The electricity demand greatly fluctuates in one day. Therefore, I suggest technique to divide a day into four, and to predict. In addition, electrical demand varies greatly maximum one by the season, too. Thus, I classified one year into five periods (spring, summer, summer vacation, autumn, winter).

At the general building, it is known that the electrical load by air-conditioning occupies

almost the half of total electrical demand. Air-conditioning load is most affected on ambient

air conditions. Then, we forecasted electrical demand from ambient air conditions originated

from temperature, humidity, and solar radiation. Analysis used statistical methods, such as

correlation coefficient analysis. As a result of comparing the measure value and predicted

one of electrical demand, the mean absolute percentage error (MAPE) of summer was 4.3%.

(5)

4

第一章 序論

今日、地球温暖化が問題となっている。地球温暖化は、人間の産業活動に伴って排出 された温室効果ガスが主因となって引き起こされている。主な温室効果ガスとしては CO2である。二酸化炭素の増加は、主に人間による化石燃料の使用が原因である。脱炭 素社会にむけてCO2 削減を達成するためには、再生可能エネルギーの利用促進を図る必 要があるが、電力の安定供給の観点からはその出力不安定を抑制することが課題となっ ている。そこで、次世代の送配電系統として発電から電力消費までをデータ通信技術を 用いることで送配電制御を行う「スマートグリッド」が注目されている。世界一の環境 先進大学を目指す三重大学では、スマートグリッドを大学単位で実現する試みとして平 23年度に経済産業省補助事業に採択された「スマートキャンパス実証事業」に取り組 んでいる。

スマートキャンパスは、大学内に再生可能エネルギーである太陽光・風力発電システ ム太、CO2排出が少ないガスコージェネレーションシステム、電力のピークカットを行 う蓄電池、電力を安定に制御するための蓄電池を導入する。さらに、電力需要を予測し、

制御することで、電力を効率的に利用する。実証事業の目的として、自然エネルギー発 電の導入による二酸化炭素排出量の削減(平成22年度比24%)、学生への節電意識の浸 透、大学内コミュニティ別のCO2削減施策モデルの作成などが掲げられている。

本研究の目的は、電力需要の高精度な予測である。それは、スマートキャンパス実証 事業における導入設備を最小限にし、有効に活用するためである。そして、大学のEMS

(Energy Management System)に、本研究結果を取り入れることを目標としている。

電気事業者は、発電所の運転計画や供給予備電力の確保を目的として、最高気温・最低 気温や湿度などを用い、重回帰手法により、1日の中で電力最大値(kWh)を求める 予測を行っている。しかし、私たちの取り組みである電力ピークカットを行うためには、

長時間の予測が必要となる。そして、特に、電力需要が高い昼間の予測精度を高めるこ とが重要である。

(6)

5

第二章 三重大学の電力需要と予測手法

分析には、201210月から20139月までの1年間のデータ(電力・気温・湿度・

日射)を用いる。

2.1 三重大学の電力需要

4 季別 1 日の電力需要の推移を図 2.1.1 に示す。これより、春と夏の昼間では約 3,000[kW]の電力差があることが分かる。夏は冷房、冬は暖房のための空調設備の使用 と考えられる。また、1 日の中でも大きく電力需要は変化することが分かる。昼間は大 学利用者が多く、深夜の時間帯は少ないためと考えられる。

2.1.1 1日の電力推移

1年間の最大電力需要の推移を図2.1.2に示す。昼間の平均空気エンタルピーの推移を

2.1.3 に示す。空気エンタルピー[kcal/kg]とは、気温と湿度から定まる空気の持つエ

ネルギー量のことである。これより、空気エンタルピーが高い夏、空気エンタルピーが 低い冬に電力需要は高いことが分かる。夏の最大電力需要は 9,398[kW]、冬の最大電力

需要は 7,668[kW]であった。また、空調設備を使用しない中間期(春・秋)の最大電力

需要は約6,500[kW]であった。夏休みの期間(8月初旬~931日)は、講義が行われて

いないため大学利用者が少ないが電力需要は高い。このように、電力需要は時期により 大きく異なることが分かる。

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

4/22(月)

7/9 (火)

11/1(木)

1/11 (金)

(7)

6

2.1.2:最大電力の推移

2.1.3:空気エンタルピーの推移

2.2 予測手法

2.1 章より、電力需要は外気条件と関係があるように思われる。そこで、外気条件か ら電力需要分析を行うものとする。私は空気エンタルピーと日射量の2つのパラメータ を用い、電力需要を予測する手法を提案する。高温多湿である日本の気候は気温だけで なく湿度も空調負荷に影響を与える。そのため、空気エンタルピーを用いる。また、日 射が建物の壁や窓を通して空調負荷を増大させるので、日射量も予測に加味した。

2.1章より、1年間で最大電力需要が大きく変化することから、1つの予測式のみで予 測を行うのは困難と考え、分析期間を平日(春・夏・夏休み・秋・冬)と休日に分類し、

平日の各期間について分析を行う。

4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000

4月1日 7月1日 10月1日 12月31日 4月2日

最大電力[kW]

0 5 10 15 20 25

4月1日 7月1日 10月1日 12月31日 4月2日

タル[kcal/kg]

4/1 7/1 10/1 1/1 3/31

4/1 7/1 10/1 1/1 3/31

(8)

7

また、電力需要も1日の中で大きく変動する。そこで、1日を4つの時間帯に分けて 予測を行う。予測手順を図1に示す。初めに、学生の活動が多い昼間(10:30~17:00)

と活動が少ない深夜(0:30~6:00)の時間帯を予測する(図2.2.1)。次に、上記以外 の時間帯は線形的に電力需要が増減すると予測する(図 2.2.2)。そして、昼休み(12:30

~13:00)の間で教室の空調や照明を消灯するなどの省エネルギーの行動による電力減少 分を補正する(図2.2.2)。また、10:30とは10:00~10:3030分間を表す。

2.2.1:昼間・深夜の予測

2.2.2:上記以外の予測・昼休みの補正

2.3 予測式切替

各期間に分類された予測式は、昼間の平均空気エンタルピーの値、または、特定の日 付により変更を行う。

2.3.1は、2.1章の最大電力需要と平均空気エンタルピーのグラフを合わせて表示し

たグラフである。電力を赤丸で表し、赤線は2次近似線を表す。空気エンタルピーを青 四角で表し、青線は2次近似線を表す。2.1章の分析より、電力が6,500[kW] の時を空 調使用 [開始 / 停止] 点とした。図に黒丸で表示し、平均空気エンタルピーを予測式切 替の値とする。表2.3.1に各予測式を用いる空気エンタルピーの値、特定の日付を示す。

電力需要

時間

0 6 10 17 24 30 0 6 10 17 24 30 電力需要

時間[h]

(9)

8

2.3.1:最大電力・平均空気エンタルピーの推移

2.3.1 予測式切替

時期 空気エンタルピー[kcal/kg] 日付

13.7

夏休み 夏季休業開始日

夏休み 後期授業開始日

6.6

3.5

0 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30

5,000 5,500 6,000 6,500 7,000 7,500 8,000 8,500 9,000 9,500 10,000

4月1日 7月1日 10月1日 12月31日 4月2日 7月2日

[kW] 空気タル[kcal/kg']

4/1 7/1 10/1 1/1 4/1 7/1 電力需要

空気エンタルピー

(10)

9

第三章 分析方法と評価方法

3.1 分析方法

電力需要と空気エンタルピーの関係性を求めるため、以下の分析を行う。

3.1.1 相関係数分析

2変量 XY に関する𝑛 個の観測値(𝑥𝑖, 𝑦𝑖) (𝑖 = 1, 2, ⋯ . 𝑛)が与えられた場合、2変量間 の“関係”を記述するための、もっとも基本的な統計量は相関係数

である。ただし、

である。相関係数は2変量の間の直線的な関係性の強さを表す尺度であり、-1から+1 の間の値をとる。直線的な関係性が弱い時には、相関係数は0に近い値をとり、強い時 は、+1あるいは-1に近い値をとる。

相関係数の2 乗 𝑅2 は決定係数あるいは寄与率といい、標本値から求めた回帰方程式 のあてはまりの良さの尺度として利用される。

3.1.2 回帰分析と最小二乗法

回帰分析とは、目的変数(従属変数)である y と説明変数(独立変数)である x の関係を調べる手法である。目的変数がひとつの説明変数で表されるとき、その関係式 をとくに単回帰モデルと呼び、ふたつ以上の説明変数で表されるとき、重回帰モデルと 呼ぶ。

表 2.1のような N個の系列からなるデータが与えられたとする。ここでは、𝑥 𝑦 r = 𝑆𝑥𝑦

𝑆𝑥𝑆𝑦

𝑠𝑥𝑦= 𝑛−1∑(𝑥𝑖− 𝑥̅)(𝑦𝑖− 𝑦̅)

𝑛

𝑖=1

𝑠𝑥2= 𝑛−1∑(𝑥𝑖− 𝑥̅)2,

𝑛

𝑖=1

𝑠𝑦2= 𝑛−1∑(𝑦𝑖− 𝑦̅)2

𝑛

𝑖=1

𝑥̅ = 𝑛−1∑ 𝑥𝑖,

𝑛

𝑖=1

𝑥̅ = 𝑛−1∑ 𝑥𝑖,

𝑛

𝑖=1

(3.2) (3.1)

(11)

10 関係が

という1次式のモデルで表せると仮定し、このときの適切なパラメタb0 , b1 を求めた い。図 2.1のように、それぞれの系列は誤差項 εを含み

で表される。この誤差項の平方和を Sとおくと、S はパラメタb0 , b1 からなる2変数 関数

であり、この関数値を最小化するための連立方程式

を解くことでパラメタの推定値

を得る。ここで 𝑏̂0, 𝑏̂1 は𝑏0, 𝑏1 の推定値を表し、𝑥̅, 𝑦̅ x , y の平均値を表す。

このように、データ‐モデル間の誤差の平方和を最小にすることでモデルのパラメタを 推定する方法である最小二乗法を用いる。

3.1 サンプルデータ

系列 目的変数 説明変数

1 𝑦1 𝑥1

2 𝑦2 𝑥2

⋮ ⋮ ⋮

N 𝑦𝑁 𝑥𝑁

(3.5) (𝑏0, 𝑏1) = ∑ ε𝑖2= ∑{𝑦1− (

𝑁

𝑖=1 𝑁

𝑖=1

𝑏0 + 𝑏1𝑥𝑖)}2

𝑦1= 𝑏0𝑏1𝑥 (3.3)

𝑦1= 𝑏0+ 𝑏1𝑥1+ ε1

𝑦2= 𝑏0+ 𝑏2𝑥2+ ε2

𝑦𝑁= 𝑏0+ 𝑏1𝑥𝑁+ ε𝑁

(3.4)

{

𝜕𝑆

𝜕𝑏0= 0

𝜕

𝜕𝑏1= 0

(3.6)

{𝑏̂1=∑𝑁𝑖=1(𝑥𝑖− 𝑥̅)(𝑦𝑖− 𝑦̅)

𝑁𝑖=1(𝑥𝑖− 𝑥̅)2 𝑏̂0= 𝑦̅ − 𝑏̂1𝑥̅

(3.7)

(12)

11

2.1 プロット例と1次式モデル

3.1.3 重回帰分析

目的変数 yと説明変数 𝑥1, 𝑥2⋯ 𝑥𝑝−1 の関係が

という重回帰モデルで表せると仮定する。このときの適切なパラメタ 𝑏0, 𝑏1, ⋯ , 𝑏𝑝−1 ついても最小二乗法により推定することができる。それぞれの系列は

で表される.ここで,この先の式展開を簡易化するために,式 (2.7) を行列・ベクトル を用いて表す。まず、

を定義する。ここで、ベクトル 𝑣 の転置を𝒗𝑻 と表す.このとき,式 (2.7) 𝐲 = X 𝐛 + 𝛆

となる。誤差の平方和は

(𝐛) = 𝜺𝑇𝜺 = (𝒚 − 𝑋𝒃)𝑇(𝒚 − 𝑋𝒃) b = (𝑏0, 𝑏1, ⋯ , 𝑏𝑝−1)𝑇

(3.8)

(3.9) y = 𝑏0+ 𝑏1𝑥1+ 𝑏2𝑥2+ ⋯ + 𝑏𝑝−1𝑥𝑝−1

𝑦1= 𝑏0+ 𝑏1𝑥11+ 𝑏2𝑥12+ ⋯ + 𝑏𝑝−1𝑥1𝑝−1+ 𝜀1 𝑦2= 𝑏0+ 𝑏1𝑥21+ 𝑏2𝑥22+ ⋯ + 𝑏𝑝−1𝑥2𝑝−1+ 𝜀2

𝑦𝑁= 𝑏0+ 𝑏1𝑥𝑁1+ 𝑏2𝑥𝑁2+ ⋯ + 𝑏𝑝−1𝑥𝑁𝑝−1+ 𝜀N

(3.10)

𝐲 = (𝑦1, 𝑦2, ⋯ , 𝑦𝑁)𝑇 𝛆 = (𝜀1, 𝜀2, ⋯ , 𝜀𝑁)𝑇

(3.12) (3.11) X =

(

1 𝑥11 𝑥12 ⋯ 𝑥1𝑝−1

1 𝑥21 𝑥22 ⋯ 𝑥2𝑝−1

1 𝑥⋮ 𝑁1⋮ 𝑥𝑁2 ⋯ 𝑥⋱ 𝑁𝑝−1⋮ )

ε −ε

ε

2

0

y = 𝑏

0

+ 𝑏

1

𝑥

y

(𝑥 , 𝑦 )

(𝑥 , 𝑦 ) (𝑥

2

, 𝑦

2

)

(𝑥

1

, 𝑦

1

)

−ε

1

(13)

12 であり,この関数値を最小化するための方程式

を解くことでパラメタの推定値

𝒃̂ = (𝑥𝑇𝑋)−1𝑋𝑇𝒚 を得る。

3.2 評価方法

求められた予測式は、以下の評価を行う

3.2.1 二乗平均平方根( 𝐑𝐌𝐒 )

RMS (Root Mean Square) は、統計値や確率変数の散らばり具合を表す数値である。

平均二乗偏差とも呼ばれる。誤差の差を二乗しているため、誤差が大きい場合には、よ り強調されて計算されることになる。ただ、基本統計でよく利用される分散や標準偏差 に近い計算式となっているため、それらと本質的に類似した値として捉えることができ る。

観測数:𝑛 誤差率:𝑥𝑖

3.2.2 平均絶対誤差率(MAPE)

MAPE(Mean of Absolute Percentage Error)は、予測評価としてよく利用される評価 である。誤差の絶対値の差を実測値で割っているため、実測値に対する相対的な精度の 大きさとして利用することができる。

観測数:𝑛 実測値:𝐴𝑡 予測値:𝐹𝑡

(3.13)

(3.15) (3.14)

∂𝐛= 𝟎

= √1 𝑛∑ 𝑥𝑖2

𝑛

𝑖=1

= √𝑥12+ 𝑥22+ ⋯ + 𝑥𝑛2

𝑛

[%] =100

𝑛 ∑ |𝐴𝑡− 𝐹𝑡 𝐴𝑡 |

𝑛

𝑡=1 (3.16)

(14)

13

第四章 電力需要予測

4.1 夏の電力需要予測 4.1.1 はじめに

2013624日(月) ~ 716日(火) の平日4週間(データ異常日を除く15日間)

のデータを使用して分析を行う。例年7月下旬ごろに夏の最大電力需要を記録するが、

2013717日(水) ~ 729日(月)の期間で節電運動を行っていたため、この期間 のデータは使用していない。

4.1.2 昼間(10:30-17:00)の予測

夏の平均電力の時間推移を図 4.1.1 に示す。平均電力は昼休み(12:30~13:00)の間 で減少している。これは、教室の空調や照明を消灯するなどの省エネルギーの行動によ るものと推定する。外気条件の影響度を分析するには、この行動による電力減少分を補 正しなければならない。12:00 と 13:30 の電力から、省エネ行動が行われなかった場合 の電力(非行動電力)を求め、破線で表す。平均電力と非行動電力の差から、補正値

(12:30:140kW、13:00:170kW)を求めた。

図 4.1.1:平均電力の時間推移 7,300

7,400 7,500 7,600 7,700 7,800

10:30 12:00 13:30 15:00 16:30

[kW]

時間[h]

(15)

14

日射が建物に当たっても、室内の温度は短時間に上昇しない。つまり、空調負荷と日 射の間には時間遅れがある。平均電力と遅らせた日射量で相関係数分析を行った。分析 結果を図 4.1.2 に示す。日射量に対する電力の相関が最も強く現れたのは 2.5 時間であ った。

図 4.1.2:日射の時間遅れ

平均日射量(2.5h遅れ)と平均電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.1.3 に示す。

また、図中に決定係数 𝑅2を示す。日射量は電力需要と強い相関関係にある。

図 4.1.3:平均日射量と平均電力需要の相関 0

0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

相関係数

時間遅れ[h]

R² = 0.7521

7,400 7,500 7,600 7,700 7,800

0.20 0.30 0.40 0.50 0.60

[kW]

日射量[kW/m2] 0.87

(16)

15

(4.1.1) 空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.1.4 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。日射は電力需要と強い相関関係にある。

図 4.1.4:空気エンタルピーと電力需要の相関

以上の分析より空気エンタルピー、日射量(2.5h 遅れ)はともに電力需要と強い相関関 係にあることが分かった。最後に、電力需要に対し空気エンタルピーと日射量(2.5h遅 れ)で重回帰分析を行い、予測式を求めた。

電力需要= (αh) + (β ) + γ + σ

= (373.7h) + (1047 ) + 1032 + σ α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

β : 日射係数 [m2] : 日射量 [kW/m2]

γ : 固定値 [kW]

σ : 補正値

(12:30: -140 / 13:00: -170) [kW]

R² = 0.739

6,000 7,000 8,000 9,000 10,000

10 15 20

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(17)

16

(4.1.2) 4.1.3 深夜(0:30~6:00)の予測

空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.1.5 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と強い相関関係にある。

図 4.1.5:空気エンタルピーと電力の相関

深夜の時間帯は日射の影響がないため、空気エンタルピーと電力需要で回帰分析を行 い、予測式を求めた。

電力需要= (α・h) + γ

= (190.2h) + 753.5

α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

γ : 固定値 [kW]

4.1.4 評価・考察

夏の任意の 2 日間で実測電力と予測電力による比較結果を図 4.1.6 に示す。実測電力 を実線、予想電力を破線で表す。平均絶対誤差率は昼間 4.3%、深夜 3.7%だった。精度 が求められる昼間については、図 4.1.7 に予測誤差率を度数分布表示し、二乗平均平方 根は 5.2%であった。なお、本結果は予測対象日の気象値として実績気象を用いた場合の 評価結果である。

R² = 0.7157

2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000

12 14 16 18

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(18)

17

時間帯によっては誤差率 -13[%] と大きく実測を下回る予測結果が現れた。これは、

4.1.6 7/10(水)の16:30の誤差率である。16:00から16:30の間で、空気エンタ

ルピーが1.72[kcal/kg]低下した。これは、温度が37℃一定で、湿度が 7[%]下がったた

めである。このように、気温が37℃と異常に高い場合、湿度の少しの変化が空気エンタ ルピーに大きく影響する。気温が高い場合は、湿度が変化しても電力需要はあまり変化 しないため、気温と日射による予測を行うことにより予測精度が向上すると思われる。

7/9(火)

7/10(水)

図 4.1.6:実測電力と予測電力による比較 2,000

4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

実測電力 予測電力

実測電力 予測電力

(19)

18

図 4.1.7:予測誤差率の評価結果

次に、予測気象を用いた場合の評価結果を表示する。実測電力と予測電力による比較 結果を図 4.1.8 に示す。実測電力を実線、予想電力を破線で表す。平均絶対誤差率は昼 間 5.5%だった。図 4.1.9 に予測誤差率を度数分布表示し、二乗平均平方根は 7.6%であ った。

予測気象を用いた場合は、実測気象を用いた場合より、平均絶対誤差率、二乗平均平 方根 共に精度が低くなった。誤差率+28%と非常に大きく予測精度が低い時間も現れた。

今後は、予測気象精度についても議論していく必要がある。

7/9(火) 0

6 12 18

-15 -12 -9 -6 -3 0 3 6 9 12 15

頻度[]

誤差率[%]

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

実測電力 予測電力

(20)

19 7/10(水)

図 4.1.8:実測電力と予測電力による比較

図 4.1.9:予測誤差率の評価結果 2,000

4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

0 3 6 9 12 15 18

-15 -12 -9 -6 -3 0 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30

頻度[]

誤差率[%]

実測電力 予測電力

(21)

20 4.2 夏休みの電力需要予測

4.2.1 はじめに

夏休みの期間(8月初旬~931日)は、講義が行われていないため大学利用者が少な いが電力需要は高い。201386日(火) ~ 920日(火) の平日4週間(データ異 常日を除く15日間)のデータを使用して分析を行う。

4.2.2 昼間(10:30-17:00)の予測

夏休みの平均電力の時間推移を図 4.2.1 に示す。平均電力は昼休み(12:30~13:00)

の間で減少している。これは、教室や事務室の空調や照明を消灯するなどの省エネルギ ーの行動によるものと推定する。外気条件の影響度を分析するには、この行動による電 力減少分を補正しなければならない。12:00 と 13:30 の電力から、省エネ行動が行われ なかった場合の電力(非行動電力)を求め、破線で表す。平均電力と非行動電力の差か ら、補正値(12:30:60kW、13:00:110kW)を求めた。

図 4.2.1:平均電力の時間推移

空調負荷と日射の間の時間遅れを求めるため、平均電力と遅らせた日射量で相関係数 分析を行った。分析結果を図 4.2.2 に示す。日射量に対する電力の相関が最も強く現れ たのは 1.5 時間であった。

7,600 7,700 7,800 7,900 8,000

10:30 12:00 13:30 15:00 16:30

[kW]

時間[h]

(22)

21

図 4.2.2:日射の時間遅れ

平均日射量(1.5h遅れ)と平均電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.2.3 に示す。

また、図中に決定係数 𝑅2を示す。日射量は電力需要と強い相関関係にある。

図 4.2.3:平均日射量と平均電力需要の相関

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

相関係数

時間遅れ[h]

R² = 0.6723

7,400 7,500 7,600 7,700 7,800 7,900 8,000

0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

[kW]

日射量[kW/m2] 0.87

(23)

22

(4.2.1) 空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.2.4 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と強い相関関係にある。

図 4.2.4:空気エンタルピーと電力需要の相関

以上の分析より空気エンタルピー、日射量(1.5h 遅れ)はともに電力需要と強い相関関 係があることが分かった。最後に、電力需要に対し、空気エンタルピーと日射(1.5h遅 れ)で重回帰分析を行い、予測式を求めた。

電力需要= (αh) + (β ) + γ + σ

= (346.4・h) + (757.7・ ) + 1280 + σ α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

β : 日射係数 [m2]

: 日射量 [kW/m2]

γ : 固定値 [kW]

σ : 補正値

(12:30: -60 / 13:00: -110) [kW]

R² = 0.8154

5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000

10 15 20 25

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(24)

23

(4.2.2) 4.2.3 深夜(0:30~6:00)の予測

空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.2.5 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と強い相関関係にある。

図 4.2.5:空気エンタルピーと電力の相関

深夜の時間帯は日射の影響がないため、空気エンタルピーと電力需要で回帰分析を行 い、予測式を求めた。

電力需要= (α・h) + γ = (116.4h) + 2004

α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

γ : 固定値 [kW]

4.2.4 評価・考察

夏休みの任意の 2 日間で実測電力と予測電力による比較結果を図 4.2.6 に示す。実測 電力を実線、予想電力を破線で表す。平均絶対誤差率は昼間 4.1%、深夜 2.5%だった。

精度が求められる昼間については、図 4.2.7 に予測誤差率を度数分布表示し、二乗平均 平方根は 5.0%であった。なお、本結果は予測対象日の気象値として実績気象を用いた場 合の評価結果である。

R² = 0.8827

2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000

5 10 15 20

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(25)

24

時間帯によって、夏の予測と同様に、誤差率 -12[%] と大きく実測を下回る予測結 果が現れた。これは、図4.2.6 8/23(金)の15:30、16:30の誤差率である。15:00 1530の間で、空気エンタルピーが2.14[kcal/kg]低下した。これは、温度は一定で、

湿度が約 20[%]下がったためである。このように、湿度が急激に変化しても電力需要は

変化しないため、急激な気象変化に対応できれば、予測精度が向上すると思われる。

8/23(金)

9/17(火)

図 4.2.6:実測電力と予測電力による比較 2,000

4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

実測電力 予測電力 実測電力 予測電力

(26)

25

図 4.2.7:予測誤差率の評価結果 0

5 10 15 20 25

-15 -12 -9 -6 -3 0 3 6 9 12 15

頻度[]

誤差率[%]

(27)

26 4.3 冬の電力需要予測

4.3.1 はじめに

2012123日(月) ~ 201328日(金) の平日4週間(データ異常日を除く 18日間)のデータを使用して分析を行う。例年1月下旬ごろに冬の最大電力需要を記録 するが、2013115日(火) ~ 21日(金)の期間でガスコージェネレーションシス テムの試験運転を行っていたため、電力データが取得できなかった。

4.3.2 昼間(10:30-17:00)の予測

冬の平均電力の時間推移を図 4.3.1 に示す。平均電力は昼休み(12:30~13:00)の間 で減少している。これは、教室の空調や照明を消灯するなどの省エネルギーの行動によ るものと推定する。外気条件の影響度を分析するには、この行動による電力減少分を補 正しなければならない。12:00 と 13:30 の電力から、省エネ行動が行われなかった場合 の電力(非行動電力)を求め、破線で表す。平均電力と非行動電力の差から、補正値

(12:30:100kW、13:00:160kW)を求めた。

図 4.3.1:平均電力の時間推移

空調負荷と日射の間の時間遅れを求めるため、平均電力と遅らせた日射量で相関係数 分析を行った。分析結果を図 4.3.2 に示す。日射量に対する電力の相関が最も強く現れ たのは 0.5 時間であった。

6,900 7,000 7,100 7,200 7,300

10:30 12:00 13:30 15:00 16:30

[kW]

時間[h]

(28)

27

図 4.3.2:日射の時間遅れ

平均日射量(0.5h遅れ)と平均電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.3.3 に示す。

また、図中に決定係数 𝑅2を示す。日射量は電力需要と強い相関関係にある。

図 4.3.3:平均日射量と平均電力需要の相関 -0.4

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

相関係数

時間遅れ[h]

R² = 0.7166

6,900 7,000 7,100 7,200 7,300

0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

[kW]

日射量[kW/m2] 0.85

(29)

28

(4.3.1) 空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.3.4 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と弱い相関関係にある。

図 4.3.4:空気エンタルピーと電力需要の相関

以上の分析より、日射量(0.5h 遅れ)は電力需要と強い相関関係にあることが分かり、

空気エンタルピーは電力需要と弱い相関関係にあることが分かった。最後に、電力需要 に対し、空気エンタルピーと日射量(0.5h遅れ)で重回帰分析を行い、予測式を求めた。

電力需要= (αh) + (β ) + γ + σ

= (−105.2h) + (223.5 ) + 7490 + σ α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

β : 日射係数 [m2] : 日射量 [kW/m2]

γ : 固定値 [kW]

σ : 補正値

(12:30: -100 / 13:00: -160) [kW]

R² = 0.163

5,000 6,000 7,000 8,000 9,000

0 2 4 6 8

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(30)

29

(4.3.2) 4.3.3 深夜(0:30~6:00)の予測

空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.3.5 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と弱い相関関係にある。

図 4.3.5:空気エンタルピーと電力の相関

深夜の時間帯は日射の影響がないため、空気エンタルピーと電力需要で回帰分析を行 い、予測式を求めた。

電力需要= (α・h) + γ

= (−100.7h) + 3936

α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

γ : 固定値 [kW]

4.3.4 評価・考察

冬の任意の 2 日間で実測電力と予測電力による比較結果を図 4.3.6 に示す。実測電力 を実線、予想電力を破線で表す。平均絶対誤差率は昼間 3.0%、深夜 3.5%だった。精度 が求められる昼間については、図 4.3.7 に予測誤差率を度数分布表示し、二乗平均平方 根は 3.8%であった。なお、本結果は予測対象日の気象値として実績気象を用いた場合の 評価結果である。

R² = 0.3307

2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000

0 1 2 3 4 5 6 7

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(31)

30

昼の予測式について、日射係数が正の値となった。広く知られている日射量が大きく なると建物が暖まり、空調利用が減少するという結果に反するものとなった。これは、

1月下旬ごろのデータを用いることができず、日射の高いデータが不足したことが原因 と考えられる。また、夏・夏休みの評価とは異なる、大きく実測を上回る予測結果が多 く現れた。この結果は、図4.3.6 2/7(金)15:30~17:00に現れていた。2/7(木)はテ スト期間にあたる。午後の試験が少なく大学利用者が減ってしまったため、電力需要が 低下し、誤差が大きく現れたと考えられる。このように、授業数などもパラメータのひ とつに加えれば、さらに予測精度が向上すると思われる。

1/11(金) 2,000

4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

実測電力 予測電力

(32)

31 2/7(木)

図 4.3.6:実測電力と予測電力による比較

図 4.3.7:予測誤差率の評価結果 2,000

4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

0 5 10 15 20 25 30 35

-15 -12 -9 -6 -3 0 3 6 9 12 15

頻度[]

誤差率[%]

実測電力 予測電力

(33)

32

(4.4.1) 4.4 春の電力需要予測

4.4.1 はじめに

2013326日(火) ~ 531日(金) の平日4週間(データ異常日を除く18日間)

のデータを使用して分析を行う。春は電力需要が約 6,000[kw]と高くなく、高精度な予 測が求められていない。そのため、日射量データは使用せず、空気エンタルピーから電 力需要を予測する。

4.4.2 昼間(10:30-17:00)の予測

空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.4.1 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と弱い相関関係にある。

図 4.4.1:空気エンタルピーと電力需要の相関

空気エンタルピーと電力需要で回帰分析を行い、予測式を求めた。

電力需要= (α・h) + γ = (36.9h) + 5298

α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

γ : 固定値 [kW]

R² = 0.1984

4,000 5,000 6,000 7,000

0 2 4 6 8 10 12 14 16

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(34)

33

(4.4.2) 4.4.3 深夜(0:30~6:00)の予測

空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.4.2 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と弱い相関関係にある。

図 4.4.2:空気エンタルピーと電力の相関

空気エンタルピーと電力需要で回帰分析を行い、予測式を求めた。

電力需要= (αh) + γ

= (−3.32・h) + 3161

α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

γ : 固定値 [kW]

4.4.4 評価・考察

春の任意の 2 日間で実測電力と予測電力による比較結果を図 4.4.3 に示す。実測電力を 実線、予想電力を破線で表す。平均絶対誤差率は昼間 4.3%、深夜 3.9%だった。なお、

本結果は予測対象日の気象値として実績気象を用いた場合の評価結果である。

昼、深夜ともに空気エンタルピーと電力需要との相関が弱いため、予測式も空気エン タルピー係数が小さくなった。そのため、直線的な予測となった。

R² = 0.0055

2,000 3,000 4,000 5,000

0 2 4 6 8 10 12 14

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(35)

34 4/22(月)

5/27(月)

図 4.4.3:実測電力と予測電力による比較 2,000

4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

実測電力 予測電力 実測電力 予測電力

(36)

35

(4.5.1) 4.5 秋の電力需要予測

4.5.1 はじめに

20121015日(月) ~ 117日(金) の平日2週間(10日間)のデータを使用し て分析を行う。秋は電力需要が約 6,000[kw]と高くなく、高精度な予測が求められてい ない。そのため、日射量データは使用せず、空気エンタルピーから電力需要を予測する。

4.5.2 昼間(10:30-17:00)の予測

空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.5.1 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と弱い相関関係にある。

図 4.5.1:空気エンタルピーと電力需要の相関

空気エンタルピーと電力需要で回帰分析を行い、予測式を求めた。

電力需要= (α・h) + γ = (30.9h) + 5447

α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

γ : 固定値 [kW]

R² = 0.1565

4,000 5,000 6,000 7,000

4 6 8 10 12 14

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(37)

36

(4.5.2) 4.5.3 深夜(0:30~6:00)の予測

空気エンタルピーと電力需要で相関分析を行った。結果を図 4.5.2 に示す。また、図 中に決定係数 𝑅2を示す。空気エンタルピーは電力需要と弱い相関関係にある。

図 4.5.2:空気エンタルピーと電力の相関

空気エンタルピーと電力需要で回帰分析を行い、予測式を求めた。

電力需要= (α・h) + γ = (−4.13h) + 3151

α : 空気エンタルピー係数 [kW・kg/kcal]

h : 空気エンタルピー [kcal/kg]

γ : 固定値 [kW]

4.5.4 評価・考察

秋の任意の 2 日間で実測電力と予測電力による比較結果を図 4.5.3 に示す。実測電力 を実線、予想電力を破線で表す。平均絶対誤差率は昼間 1.8%、深夜 3.3%だった。なお、

本結果は予測対象日の気象値として実績気象を用いた場合の評価結果である。

昼、深夜ともに空気エンタルピーと電力需要との相関が弱いため、予測式も空気エン タルピー係数が小さくなった。そのため、直線的な予測となった。

R² = 0.0042

2,000 3,000 4,000 5,000

4 6 8 10 12 14

[kW]

空気エンタルピー[kcal/kg]

(38)

37 10/15(月)

11/7(金)

図 4.5.3:実測電力と予測電力による比較 2,000

4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00

[kW]

時間[h]

実測電力 予測電力 実測電力 予測電力

(39)

38

第五章 総括

本研究は、スマートキャンパス実証事業において導入される設備を最小限にし、有効 に活用することを目的に、電力需要予測を行った。

大学の電力需要の推移より、時間・時期により大きく電力需要が変動することがわか った。そのため、1日を4つの時間帯、1年間を5つの期間 (春・夏・夏休み・秋・冬) 分類し、予測式を立てることにした。電力需要に大きく影響を与えるのは空調負荷であ るため、外気条件(空気エンタルピー、日射量)から電力需要予測式を求めた。その結 果、電力需要が高い夏の昼の予測評価として平均絶対誤差率4.3%という結果を得た。し かし、本結果は予測対象日の気象値として実績気象を用いた場合の評価結果である。実 際の運用にあたり気象予測データを使用するため、予測気象データを用いた場合につい ても評価を行った。夏の昼の平均絶対誤差率は5.5%であった。予測気象を用いた場合は 実績気象を用いた場合より精度が低くなった。今後、気象予測精度についても議論して いく必要がある。また、年々、学内の電力需要は大きく変化すると考えられるため、予 測式の係数を変化させていく必要があると考える。

(40)

39

謝辞

本研究の遂行ならびに論文作成にあたり、終始有益な御指導と御意見を賜りました三 重大学 大学院 地域イノベーション学研究科 坂内正明教授に謹んで感謝致します。

本研究を進めるにあたり、日ごろから有益な御意見、御討論を頂きました三重大学 施 設部 山下慎二氏、太田友美氏に心から感謝致します。

本研究を進めるにあたり、日ごろから有益な御意見を頂きました三重大学 大学院 地 域イノベーション学研究科 事務員 藤村愛氏に心から感謝致します。

本研究を進めるにあたり、日ごろから有益な御意見、御討論を頂きました三重大学 博 士前期課程 小鹿達仁氏、山口大貴氏、方野裕介氏に心から感謝致します。

(41)

40

参考文献

[1] “スマートキャンパス実証事業”、三重大学、三重大学環境報告書2012、pp.10-13、

2012

[2] 灰田武史、武藤昭一:“重回帰手法に基づいた最大需要予測支援システムの開発”、

オペレーションズ・リサーチ:経営の科学41(9)、pp.476-480、1996 [3] 佐和隆光:“回帰分析”、朝倉出版、pp.1-10、1987

[4] 杉山高一:“多変量データ解析入門”、朝倉出版、104-133、1983

[5] “ 見 え タ ロ ー (三 重 大 学 大 学 総 合 特 高 変 電 所)”、 環 境 形 成 戦 力 総 研 https://www.mietaro.com/mietaro/index.php 、(参照2014-01-10)

[6] “時系列分析‐予測手法の精度”、構造計画研究所

http://www2.kke.co.jp/minitab/support/newsletter/mt201005.html 、(参照 2014-01-10)

[7] “電力消費の内訳”資源エネルギー庁、

http://www.meti.go.jp/setsuden/20110513taisaku/07.pdf 、(参照2014-01-10) [8] Masahiro Suzuki、Masaaki Bannai、Hiroki YamaguchiElECTRICAL DEMAND

FORECAST IN CAMPUS IN ORDER TO UTILIZE ENERGY STABLY AND ECONOMICALLY、Innovative Materials for Processes in Energy Systems、

pp.304-308、2013

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