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同和地区生徒を含む集団の精神的健康と交友関係 

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

同和地区生徒を含む集団の精神的健康と交友関係 

−偏見に関する基礎的アプローチ−

著者 上田 敏見, 柳川 光章

雑誌名 奈良学芸大学紀要. 人文・社会科学

10

1

ページ 105‑123

発行年 1961‑03‑15

その他のタイトル The Mental Health and Companionship in a Junior High School Which Includes the

Discriminated Group −A Fundamental Approach to Prejudice−

URL http://hdl.handle.net/10105/4791

(2)

同和地区生徒を含む集団の精神的健康と交友関係

一一r−偏見に関する基礎的アプローチ −F−

上  田   敏  見 柳  川  光  葦

I 緒      言

いわゆる部落問題は長い間の我が国の社会問題であり、18世紀に芽ばえた解放運動は、その間さ

(1,5)

まざまな変遷を経ながら、今日まで依然として続けられている。一万、部落発生から現在に至る

(3,6)       (2,4,7)

社会経済史的研究や社会問題文は教育的観点からの研究調査など数多くの研究があり、これらは 解放運動に客観的論拠を与える役割を果たして来た。長い解放運動の歴史を経過し多くの研究調 査を持って我が国の部落間迫は漸くわずかな明かるさを持ちはじめて来てはいるが、1945年以後 の人権尊重の激しい風潮の中にあっても、この問題は他の問題同様の歩みで解決の方向をたどっ てはいないかに見うけられる。 理由なき差別 といわれる差別観は、部落発生以来の長い歴史 と共に、我々の社会の機構や人の中に文化体系の一部となって抜き難い棍づよさを示しているの である。

同和地区(以下、部落をこのように呼ぶ)に住む人々に向けられる差別観(偏見)は何処から 生れるのか−これは高い社会心理学的関心を呼ぶ問題である。偏見(prejudice)の概念を規 定すれば、 客観的に承認出来る明きらかな理由なく、集団や個人又は物に対して抱く否定的な

(8)

感情又は見解 である。Newcomb,T.M.によれば偏見は、 他の人や他の集団にとって「不 利」なように知覚し、行為し、思惟し、感得する慣性 であり、 人と親密な関係をつけようと いうよりはむしろ距離を保とうとする慣性と、人を助けるというよりは人を傷けようとする慢性 の二つの点で好意的啓度と異る のである。

(9)

偏見は客観的裏づけをもたぬものである(これについては、Hartley,E.L.らが架空の人種 を含む35の国民についての好感をアメリカ大学生を対象にして調査しているし、同様に偏見の非

ぐ10)

科学生を論じたKlineberg,0.の研究がある)と共に、生物にとって生得的なものではなく学

(11)

習によって習得されるものであり(これについてはHorowitz,E.L の、アメリカに於ける黒 人への偏見の形成過程の研究がある)、機会あるごとにこじつけによって強化され、その根拠と

(10)

なる理由がつけ加えられるものである。

偏見は叉、相手の個人的特徴によって起こるものではなく、相手が属する集団に対する偏見を 個人にうつしとるところに特色がある。こうした傾向は好意的鮮度の場合にもあるのだが、いわ ゆる後背効果(haloeffecl)が個人に対する評価を変えるよりも更にきびしく、個人それ自体を

(12)

集団の性格とみなし、集団に対する偏見をそのまま個人に対して抱くのである。Lewin,K.に よれば、 (他の集団に属する)個人についての好ましい経験が幾度となくあったとしても、(そ の個人が属する)集団に対する偏見は必ずしも減少するものではない し、更に又、 仮に集団 に関する認知構造が或る個人に於いて変化しても、この集団に関するその人の感情は変らない

(知識と感情は甚だしく独立的なものである) のである。

ところで、偏見は社会集団の成員の多くが共通して持つ偏見と個人特有のものとがあり、共有

(3)

106 同和地区生徒を含む集団の精神的健陳と交友関係(上田・柳川)

されたものが制度化され、世代から世代へと伝達されるようになれば文化体系の中に位置を占め る。一部の変化は他の構成要素に影響を与えるし、又、体制そのものの変化を余儀なくする場合 もあるので、他の文化要素をそのままにしておいて偏見だけを取除くことは様々な抵抗を伴なっ て来るのである。叉、文化(人間が展開し、世代から世代へと学習されていく伝統的行動の複合 体hMead,M.)はいわばsocial syntalityであり、その社会の性格を形成するものであり、

個人は常に社会の標準的方向や性格と同一化し、それを自己の中にとり入れようとする慣性をも つ。それ故に、その社会の、その文化体系の中に在る個人は文化の被造者であると同時にその性

(14)

格の小さな典型でもある。偏見が文化体系の中に位置を占めたとき、その除去が文化全体の問題 である故に容易でないと同様に、上述の理由から、個人にとっても容易なことではないのである。

(13)

Lewin,K.は、 彼等(差別の決定を支配する者)の決定は一面では彼等のイデオロギー−よ いとか意いとか彼等が考えることを決める価値と信条の体系一一一一に依存し、他方、特殊な事態を 彼等が知覚するその方法に依存する と言っている。

以上述べたような偏見が内包する一般原則はネグロに対するアメリカ国民の偏見と同様に、同 和地区の人々に向けて抱かれる偏見にもあてはまるものであろう。同和地区ならびにそこに住む 人々に対する偏見はどのような構造をもち、それはどのように学習されていくものであろうか。

この問題の解明は、同和問題を解決の方向に向け、同和教育を進展させるための手がかりを得る ことになろうと考えられる。

我々は、同和地区に向けられる偏見の構造そのものの研究から手をつけることを避けて、(1)

先ず同和地区を持つことによって生じている学校教育の具体的問題を分析し、その実鮭を明きら かにすると共に、(2)そのような実憩を生み出す条件を追求し、(3)偏見(差別観)がいつ どのようにしてつくられていくのかの学習過程を明きらかにし、(4)偏見をもつ集団と持たれ る集団との力動的関係をみる、というように計画を立てたのである。ところが、調査をはじめて 約1年にして、研究対象の中学校が学校統合で解散するという事態に遭遇し、同一条件の対象の 継続的研究を中断せざるを得なくなった。本報告はそのような事情のもとでなされた研究の、上 述(1)の一部に関するものである。

I 問      題

前述(1)〜(4)にわたる研究計画に沿って、第一段階−同和地区をもつことによって生 ずる、学校教育に於ける具体的問題を分析しその実態を明きらかにする−を手がける。対象に なった中学校は同和地区生徒を66%含み(奈良県下の最高率)、長欠、学業不振、暴力行為など の学習指導と生活指導両面にわたる問題が極めて多いという点で研究対象としては典型的である。

同和地区生徒には学業不振が多く、道理を無視した暴力行為が日常行われ、学級や学校の集団 の凝集性が低く、集団の秩序が大きく失われ、生活に向上的な態度が乏しい、という従来からの 実態(学校側の総体的評価)であれば、そのようなものを生み、且つそれによって生まされる精 神的不健康が必ずある筈である。又、66%という高率で同和地区生徒をもち、差別はむしろ非同 和地区生徒が受けているかに見受けられる(学校側の見解)実状であれば、交友関係にも特殊な 型と傾向が見受けられるにちがいない。このような観点から問題を次のように設定した。

(1)多数の同和地区生徒を含むことによる精神的健康の状態はどうか。

(4)

同和地区生徒を含む集団の精神的健康と交友関係(上田・柳川) 107

a.同和地区生徒と非同和地区生徒の夫々の精神的健康の程度はどちらが高いか。

b.当該校は他の学校と比較して生徒の精神的健康は低いかどうか。

C.aの両者、及びbの両者の間に相違があるとしたら、その相違は何処から生まれるのか。

(2)同和地区生徒を含むことによって交友関係はどのような特徴を示すか。

a.学級集団は同和地区、非同和地区の二つの下位集団に別けられるか、それとも、両者の 間に交錯が見られるか。

b.交友関係の近接、排斥を規定する要因は何か。

Ⅲ 手    続    き 1 材 料 と 方 法

田研式 精神健康度診断検査(日本文化科学社版)

これは総計200項目について(はい)又は(いいえ)で応答する槙準化された質問紙法で あり、a対人的親和度、b対人的技能、C集団参加度、d勉強と遊びの調和度、e生活観、

A行動の未成熟、B情緒の不安定、C不適応感、D器官劣等感、E神経質の徴候の夫々の側 面及びそれらの綜合について得点とパーセンタイルを与え、診断プロフィールをつくるよう に構成されている。(第1図参照)

ソシオメトリック テストは次の方法で行った。

(i)ソシオメトリック テストI(好きな友人の調査)

調査票には諸注意(調査票を他の人に見せてはならない、思うとおりに書くこと、好きな 友人をこのクラスの中から選んで好きな境に名前を書く、何故好きなのかの理由を5つくら

い選ぶ、等)と自分の姓名の記入欄を設け次の内容を印刷してある。

調 査 票 ∬       〔一 年 用〕

す き なわけ を こ の中から え ら ぷ(5 つ く ら い)

て以いととかここにるの左あ外

1 や さ しい 2 琶任感が弓軌、

3 きまえがよい

4 困ったとき助けてくれる 5 おもしろい

6 なんとなしに 7 勉強がよくできる

8 運動がうまい   15 親   切 9 相談にのってくれる16 気があう 10 あっさりしている 17 いっしょに遊ぶ 11はがらか    18 物をかしてくれる 12 よく話しあえる  19 正   直 13 けんかが強い

14 おとなしい

I

l

I

T

1

友人選択の理由のCheck−listは、(1)学年毎に 好ましい友人としてどのような人(属 性)を求めるか を調査し、(2)用語を統一して出現顔度の高い順に整理し、(3)その うちから高噸位のものを19乃至20選択し、(4)無作為に配列してリストをつくり、更に そ

(5)

108 同和地区生徒を含む集団の精神的健旗と交友関係(上田・柳川)

れ以外の理由 の項を設けた。このような配慮をしたのは、(1)好きな理由を問う必要が あったこと、(2)生徒に自由に理由をあげさせると相手の全特性をつかみ得ないおそれが あること、(3)教師の立場でリストを作成すると生徒の求めているものとくい違いを生ず るおそれがあること、などである。友人選択の順位1、2、3にチェックすべくあげられた 属性の内容は同じであるが順序はそれぞれ異る。

(ii) ソシオメトリック テストI(きらいな人の調査)

調査票の諸注意は調査Iに準じ、リスト作成の意図、方法も1と同じで次のようなものを 用意した。

調 査 票 亙

〔2 年 用〕

き ら いな理由 を こ の中から え ら ぶ(5 つ く ら い)

1 しゃべり 2 信頼出来ない 3 ふ く れる 4 さから う 5 気が短かい 6 上品ぶる 7 つきあいの悪い人

8 学校をさぼる      15 いじわる 9 不 親 切      16 いじめる 10 ふざける       17 じぷん勝手 11 どろほうをする    18 悪口をいう 12 なんとなく      19 いぼりたがる 13 相手になってくれない  20 不   良 14 らんぼうする

(iii) ソシオメトリック テストⅡ(好きになりたい人の調査)

この調査は、現在好きでない、仲がよくない関係でも、これから後好きになりたい、親し くしたいとの希望があるか否かの、交友関係のとり組みの憩度をみようとするものである。

3名を順番に挙げさせ、その各々について(1)何故好きになろうとしたり、好きになった 万がいいと考えるか、(2)どうして現在好きになれないのか、(3)好きになるにはどう

したらよいか、について設けられた欄に答えさせる。

ソシオメトリック テストは精神健康度診断検査を実施し(クラス単位)約一週間後に行った。

統制群としての他の中学校については精神健康度診断検査のみを行った。

2 対象と調査期間

被験者は奈良市東市中学校175名(同和地区115名、非同和地区60名)と統制群としての奈良 市三笠中学校162名(同和地区生徒約5%を含む)。

調査期間は1958年7月〜59年10月の問。

Ⅳ 処 理 と 結 果

(6)

同和地区生徒を含む集団の精神的障浜と交友関係(上田・柳川) 109

1 精神健康度診断検査について

同和地区、非同和地区(共に東市中学校)と統制群の三笠中学校について長所5項目とその 合計、短所5項目とその合計及び総計の全校の得点の平均、パーセンタイル、及び得点平均の 有意差の検定(T検定)の結果を示したものが第1図である。

第1図  精神健浜診断プロフィール(三群の全校平均)

得    有  意  20 30  40  50  60 70 . l   l   l   l         l 同  和 非 同和 統制詳

長  所  合  6 1 6 3 6 7 統 一非,統 一同 擁  °  ●

γ 蝿、

ヽヽ

.X

責   °  ●

Xl

l

l

ヽ    ヽヽヽ「く

蝿  °    ●

.      1

a 対 人 的 親 和 度 1 1 1 3 1 4 ㌻統一同,非一同 b 対 人 的 技 能 1 1 1 2 14 ㌻統一非,統一同 C 集 団 参 加 度 1 2 1 2 12

d 勉 強 ・遊 び の

詞 _  和  1 1 1 1 1 1 e 生  活  15 1 5 1 5

短  所  合  5 7 6 0 6 4 髄統一非,統 一同 非一同

A 行 動 の 未 成 熟 1 1 1 3 1 3 統 一同,非一同 B 情 緒 の 不 安 定 9 1 0 10

C 不  適 応  感 1 0 1 0 1 2 薔普統 一同,統 一 D 器 官 劣 等 感 1 3 14 1 6 ㌻統一同,統一非 E 神 経 質 の 徴 候 1 3 14 1 4

総   得   1 1 7 1 2 3 1 3 1 綿統一同 統 一

キ有意水準5% e−一二一二二3 非同和 鯖節ク 1形l文一一一一気 同 和

$ ̄   3 統制群

これによれば、(1)非同和地区は精神健康度において同和地区よりも高く、この二群の何 れに対しても三笠中は高いことが長所合計、短所合計、総得点のどれにも示されている。(2)

項目別に見ると、部分的には、三群又は二群が似た得点を示すと同時に、明瞭な相違がある項_

目も多い。

第2図は同和・非同和を併せた東市中と三笠中の比較である。

更に各学年毎に同和、非同和、三笠中を得点で比較したものが第1表である。

これらの結果から、(1)第1学年については部分的に同和と非同和が同じになる(項目C)・

ことや同和が優位を占める(項目d)ことがあるが、全体として非同和の方が同和よりも精神 健康度が高いといいうる。(2)第1、2学年共東市中より三笠中の方が健康度は優位を占め ている。(3)第3学年では三笠中が他の二者に対し優位を占めるものは項目a(有意差5%)

(7)

110 同和地区生徒を含む集団の精神的健康と交友関係(上田・柳川)

のみで、三群の何れが優位を占めるかは項目によって巽り、総括的には言い得ない状態である。

(4)一つの項目についての同和、非同和の差は或る学年に見られても他の学年で同じ項目に 第 2 図  精神健I衷診断プロフィール(東市中と統制群)

得    有  意 

20  30  4 0  50  60 70 l     1    1    1    1    1 東 市 中 統 制 群

長  所  合  6 2 6 7 °     

°      ●

l . 0  . ● ‥

a 対 人 的 親 和 度 1 2 1 4 b 対 人 的 技 能 1 1 1 4 亜・+ ・

C 集 団 参 加 度 1 2 1 2 d 堅 強 ・遊 び の

調   和   1 1 1 1 e 生  活  1 5 1 5

短  所  合  5 8 6 4

A 行 動 の 未 成 熟 1 1 1 3 B 惜 楢 の 不 安 定 9 1 0

C 不  適 応  1 0 1 2 D 官 劣 等 感 1 3 16 薔  肯 E 経 質 の 徴 候

1 3 1 4

総   得   1 1 9 1 3 1

1 」        l

㌣有意水準5% c−一一〇 東市中

ク 1% 〇  〇 統制群

同様の傾向が見られるとは限らない。例えばE項目の第1学年では三笠中が最高で同和は最低 であるが、第3学年になると最高が非同和であり、最低は三笠中となるし、情緒に関するB項 目についての同和・非同和の関係は第1、3学年と第2学年では逆になるというように。

丑 交友調査について

前述の調査I(好きな友達3名の選択)及び調査I(きらいな人3名の選択)は各学級毎に 第2表のようなマトリックスにまとめられた。

生徒個人(縦、横の軸の数字)を非同和と同和に別け、更に夫々を男女に別けてマトリック スを作った。これによって個人の被選択の頻度と、二つの集団(便宜上同和、非同和の二つの 集団を仮定して)が相手集団を選択する傾向をみようとした。個人の被選択数は1、2、3位 の夫々の瀕度を分母で示し、相手集団からの被選択の親展は分子で示した。被選択点は1位を 3点、2位を2点、3位を1点とし、個人の被選択点合計を分母で、相手集団からの被選択は 分子で示した。従って、きらいな人の選択の場合の被選択点は分母、分子共に被排斥点であり、

(8)

同和地区生徒を含む集団の精神的健辰と交友関係(上田・柳川)

第1襲  同和・非同和及び統制醇の得点の比較

項    目

所 合 計 a 対人的親和変 b 対人的捜能 C 賃団参加度 d 勉強・遊びの調

和産 e 生活観 短 所 合 計 A 行動の未成熟 B 情緒の不安定 C 不適応感 D 器官劣等感 E 神経質の徴候 総  得  点

VI Ul U 非一三*(UU UU

:::::確雛::

6164 70 屈 ̄三:l58 58 67

同罪同罪4

4 1       1

121313   I121112 121112  llOlOll

1

12 15 16      ;15 15 16

52 57 65罪三≡l56 54 64

10 11 13

2  5

1   1

0  3

1   1

0  2

1   1

同一三* 二二

11 12 13

三三非三二 二 同罪同同 トF

ヨプ01

史U

99  3

1

12 13 14 同一三*:14

三三三三非三二 二 二同罪同罪同罪

2 5 4 1       1       1 0 3 1 1       1       1

第 三 学 年 得    点

同和習三笠

2   3

1   1 2  1     5

1   1     1 6  3  4  2  2    56  1  1  1  1     1

111

1110 同一非*

15 非一三*

114121135同一三*[113111131罪三串8131127

〔註〕*は5%1evelで、**は1%1evelで有意差があることを示す。

好きな友人の場合は好意点となる。

マトリックスによれば好きな友人の選択では(第2表の例の如く)両集団共に自集団に多く 選択するが、他集団についても選択し、その傾向は非同和よりも同和の集団の万が強いかに見

うけられる。又、きらいな人の選択では両菓団共同和集団に於いて選択する傾向がある。これ らの憤向は調査対象の全クラス(6学級)のすべてに共通に見られるものである。第3表は各 学年及び全校について被選択数と被選択点をまとめたものである。

第3表は選択が相手集団にどのように分配されるものであるかを調べたものであり、前述の ような選択の一般的傾向が見られるのである。然しながら、非同和と同和の人員の構成が不均 衡であるので、一集団に与えられた両集団からの選択の数、選択点だけでは充分でない。そこ で、一つの集団(A)が二つの集団(AとB)に与えた選択点の総点をAの人員で除すること によって得られる価(個人が与えた選択点の乎均された重さ)を求めてみた(第4麦)。

第4表からは大略次のことが言えよう。(1)好意的選択において非同和の個人は、同和よ りも自集団に点を多く与えている。(2)又、相手集団からの点の重さをみると、非同和の男 女は同和よりも多く他集団に点を与えている。(3)排斥的選択においては、非同和は同和に 比較して相手集団に重い点を与えている。

ところで、個人が白集団に与えた選択の重きに対する、個人が相手集団に与えた選択の重き の割合はどうであろうか。第5表は、第4表よりその価を求めたものである。

(9)

112   第2表 好きな人 きらいな人 3名選択のマトリックス(2年A組)

選\し被   同  和   遥

 者

  子 [女  子   子  !  女 1回 3 回 5回 7凧 9 輌 1廟 。画 轟 柄 8両 。困 2幽 男 上  し、

  2 1 手 1j 子 T ll㊥

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8 日

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12 2I I I3  日  目 航 跡 い = ⑨Ⅱ  日  日  日日 肯 。日 日十 日 目= ㊥㈲ 1 1 「日日 ㊥日日 子 五「 斥n 「「 日 1l㊥[㊥[①i2 「  日 [日日つ i

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  〜盲一月甘 l 甘且且且 I l 廿日

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6 [2 11 25 16 4 3 4  4 6 9 3_4

〔註〕 1.縦軸、横軸の数字1−24は生徒個人を京す。

2.マトリックス中の①、㊥、㊥はきらいな人の、1、2、3は好きな人の遺択順位を示す。

3.被選択数の分母はその個人が得た選択の絵計を、分子は相手菜団から与えられた選択数を示す。

4.被選択点(1位3点、2位2点、3位1点を与えて換算)の分母はその個人が与えられた選択の 総点を、分子は相手集団から与えられた点を示す。

(10)

窮 3衷 好意的及び排斥的披選択数と嘘選択点

第 3 学 年

4  6 8・13

4  3 13 13

3  4 9  16

4 5!

10  8i 2

− 台   4 打   堅 5 0

男 女

非 同 和 男 女

同  和 男 女

14  20116 10[22 13132 28

2   4 10 11

4  1 10  8

4  1 9  3

6  4 20  6

6  4 20  8

9   5 23 10

39  25

10  8

1  2 7  4

11 25 60  47

16 12 36  29 17 11 34  24 88  62 230 148

59  56

4  11 31 38

22 15

㌫昔1昔昔

8  7 25  23

40  56 184 195

28 15 58  48

150 96

0  0 2  0

0  0 2  4

1  0 2  1

1  0

6  12 15  34

3  7 9  21

3  5 5  10 27  55 68 154

0  0 2  1

2  1 2  2

2  1 3  2

6  3

5  5 19 10

6  5 14  9

6  2 15  4 33  27 100 52

2  2 4  5

13  9 19 16

9  3 18  4

68  27 135 41

3  1 7  2

3  3 7  10

5  3 9  8

20 12 44  34

24  23 59  53 19 15 44  35 18 10 38 18 128 109 303 247

〔註〕分母は個人が与えられた瀕度と点の夫々の和、分子は相手集団から与えられたもの。

6  34 17  79 8  28 17  56 32 237 78 550

国営藤岡匪轟や翌急設嵩義義軍蟹禦景品嵐嘉︵ト現・璽≡︶

トJ u

(11)

ー ︼皐

第 4 表  白集団と相手集団の個人から与えられる点の重さ 第1 学 年 l 第 2 学 年

非同和  同 男 女 N      − 8 11 23

男 女 男 女

1

1

l

R U

23一 7  14  20

相手集団から!0.410.300.580.89!0.880.681.201.00

自 集 団 か ら[1.792.101.181.74[1.601.801.211.09

柏手集団から 0.02  01.442.89

自 集 団 か ら;0.570.480.892.16

1

0.18 0.092.201.80

0.47 0.401.970.74

16 10  22 上1 ︑ユ

59  56

1.110.710.420.9610.770.540.670.93

3・230・731・400・6中371・431・251・21

・l∴7−㌧∵l、∴−1∵l.・・l ・−.11 l・いl二∴I.;:ト∵

0.230.271.910.40;0.400,371.521.20

1

3.80 2.46

5

9

3.

8

2α 77一

1

l

〔註〕相手集団からの点の重さは、相手集団から与えられた点の合計を相手集団の人数(男+女)で除したもの、

自環団からの点の重さは、同様に白集団の人数で除したものである。

2.72

国営彦岡拝辞や乎質轡輿望聖霊雲監禁品品量器 ︵け田・望三︶

(12)

同和地区生徒を含む集団の精神的健!喪と交友関係(上田・柳川)

第5表によると、相手集団に与える選 択の重きは第2学年では似たものである が、第1学年では非同和の万が同和に比 較して大きく、逆に第3学年では同和集

,団が非同和集団に大きく選択の重みをか

115

第5表 相手集団に与えた選択の重さの自集団に与 えた重さに対する割合(好意的選択)

同同 l

第1学年第2学年第3学年全 校!

0.38   0.65   0.35   0.42 0.27   0.67   0.89   0.53

けているのに非同和は小さく、その不均 衡がめだっている。

第2表〜第5表は二つの集団が相手集団と自集団にどのような選択の傾向を示すかをみよう としたものであるが、そして、両集団は程度の差こそあれ、選択を交錯させることがはっきり したが、この相手集団を選択する傾向は具体的にソシオグラムにも示きれるのである。その一 つの例として、相互選択の数を第6表に示した。

第6表 ソシオグラムに現れた相互選択の瀕度(好意的 選択)

第1学年第2学年第3学年全  校[

】(65) (49) (61) (175)

雲雲:=芸闇雲討1芸 3 呂 書‡

非同和一非同和i  9   6  11  26

第6表ではその一半をうかがいう るにすぎないが、好意的選択のソシ オグラムに現れる下位集団は(殊に 大きくまとまっているものは)同和 叉は非同和の等質的なものによって つくられているわけではない。その 成員は殆んどの場合同和、非同和の 混合である。又、排斥的選択の場合も排斥の側に立つ者は同和、非同和の混合であって、互い

に他を排斥し合うということは見られなかった。

第7表は第2表に示した学級集団のうちから被選択点の高い者をえらんで、彼等の被選択理 由を出現瀕度の高いものから配列したものである。

調査Ⅲ(好きになりたい人の調査)では噸 位別被選択瀕度、被選択点が求められたが、

最終的には同和、非同和の夫々に与える個人 の平均選択点を算出した(第8麦)。これに よれば、白集団に与える点に比べて比較的多 く相手集団に与えているのは非同和の集団 で、同和集団では白集団への重みが非常に大

きい。

(我々の調査方法の不備の為に、調査班に ついては 人名を書かせること の他には使 用出来る資料を得ることが出来なかった)

Ⅴ 考     察

1.精神健康度についての同和、非同和の集団

第7表 中心人物の被選択理由(2年A紐)

 ̄訂

副  理    由 [ 1日同でも話し合える 親切 相談相手にi︵非 なってくれる 正直 はがらか 正義 刹感をもっている 物の貸し借りをする

憲ほが霊禁禁こと孟悪霊孟笠

11︵間男︶一12︵同男︶

ほがらか 心が美しい 落着きがある らんばうをする 気が短かい 学校を さぼる いぼりたがる 自分勝手 他 人をいじめる 不良 信頼出来ぬ 気が短かい きからう 他人をいじめ

る いぼりたがる らんほうをする 自分勝手 なんとなく しゃべる を比較すると(第1図)、項目C、d、e及びB、C、Eについては同程度であるが、短所合 計と総得点では共に5%の水準で有意差があり、総括的に同和の集団は非同和に比べて精神健 康度が低いことが示されている。統制群の三笠中学と同和の集団を比較すると、項目C、d、

(13)

轟8表 面褒団に与える個人の選択点(好きになりたい人の適訳)

︵≡昼・国q︶埴監堰腐刃堪車忌定盤0坦騨急中神鰭瑚凶常置匡

柏手集団に 与える点 与える点白集団に

第 9 衷  保  護  者  の  職  業 (%)

農 業 会社員 工 員 朱 対 商 業 公務員 古物商 運送業 職 人 ガイド 無 職 僧 侶 土 木 目 線

8    27    8    3    1    6    6    6    3    1    3    6 4    1    4    14    1    2    1   1    0    1.   1   1

第10表 家庭におけ る文化器具の利用(実数)

i禦蒜ん電票ま芸ロバ芸雪ん鸞冷蔵障雷蔵雷ミシソ電話扇風機ラジオミ‡_テレビ 同 和 賃 団

241世帯 罪同和集団

185世帯

32    34    1    72   24    3    33    7    26   84    2    31

22    11 5     65   10    2    65 6    38    98    7

25】

(14)

同和地区生徒を含む集団の精神的健暁と交友関係(上田・柳川) 117

e、B、及びE以夕いますべて1%又は5%の水準の有意差をもって同和集団が低い。

同和集団が非同和集団の学校に比べて精神健康度が低い理由は何か。これについては、まず 彼等の生活の背後にあるもの、即ち次のような生活の諸条件とその交互作用に眼をむける必要

があろう。

(15)

(1)父兄の社会的経済的地位の低さ。第9表(以下第12表までは東市小学校の資料)にみ られるように、職種別から推測される父兄の社会的地位(そしてそこから推測される経済的地 位)は低いし、又、彼等の職種は差別による限定があるということも注意されなくてはならぬ ことであろう。

(2)差別による親の生活感情の不安定性。例を職業的差別に見るような現実にある差別に 対して、彼等はいわゆる周辺人的性格をもつか、叉は差別集団に対する桔抗反撥の憩度となる か、何れにせよその心理的緊張は高く不安定なものになるであろうことは容易に推測出来ると ころである。(3)生活に対する親の線度の着突きの不足。この着実性の乏しさ−例えば宵 ごしの金を持たぬ、といわれるような  は多くの人々が指摘するところである。第10表に示 される例のように同和地区は概して経済的に恵まれないのに日常生活における消費の程度が高 いといえよう。このことを第9表一第12表に示される他の生活の側面と比較するとき、我々は 彼等の生活の実態に或る種の異和感を抱くのである。(4)親の教育程度が一般に低く(第11 表)、又教育的関心が薄かったり或いは子供の教育に深く関与することが困難な事情があった りする(例えば第12衰)。これらの(1)−(4)の親の社会的及び経済的事情は親の生活を

第11表  現 の 教 育 程 度(%)

専門・大学

父  母

同和集団 1   0

旧申・旧巽中 父  母 Tl

4   5  】  33

3 1[ 28 25 l 53

第12表  参観日出席状況と欠席理由(%)

出 席 状 況        欠  席  理  由

一一一._.… l_二_llJ   _▼__  ___ __、.__二二  ÷___∴二.

皆出席時々出席出席せず 多忙共稼ぎの為認総譜譜禦

同和集団, 8   22   70 I  9   68    14    5

1

非同和賃料 57  32 11;20  45   0 10

不安定にするばかりでなく、同時に子の生活を不安定にすることにも関係するだろう。(5)

その上同和地区の生徒は知能程度が低く(全校平均同和地区のIQは81、非同件和地区97一束 市中学校)、家庭に於ける学習条件が感く前述の事情と第11、12表からその状況の一半を推測 することが出来る)、学業不振や学習意欲を欠い仁者が多い(知能と学業の関係については東

(15)

市小学校の調査がある)。

(6)これらの諸条件が錯綜し循環して生ずる劣等感やその誤った補償が生徒達の間に生れ

る。

(15)

118 同和地区生徒を含む集団の精神的健康と交友関係(上田・柳川)

同和地区生徒の精神的健康がすぐれていない理由については詳しい分析を必要とするが、大 略以上のような条件を考えることが出釆そうである。

2.非同和集団は同和集団に比較しては精神健康度は一応高いのであるが、他の地域の生徒と比 較すると問題がないとはいえない。第1図によれば、非同和集団と統制群との問では、項目b、

C、D、長所合計、短所合計及び総得点において1%又は5%の有意水準で差が見られる。こ れは、同和集団の精神健康度の低さに対してこの集団が無関係であり得ないことを示すもので

あろう。即ち(1)人数が同和集団の二分の一であり、(2)後述するように、同和、非同和 の交友関係は無縁ではなく、(3)無法者の存在が常に集団活動や仲間意識の成長を破壊し、

(4)生活の喜びを感ずることの出来ない、不安な、不安定な日常生活を送っている、などの一 この学校の実態が理由として考えられるのである。

3.第1表によると、同和、非同和又は統制群の間に第1〜3学年を通じて一貫した傾向をみる ことが困難で、例えば集団参加度の三群の相対的関係は各学年で異るのである。学校全体を総 括すると、前述1及び2で述べたような三群の相対的な関係が見られるが、学年によるくいち がいは、学級又は学年がつくりだす夫々の集団の雰囲気や人間関係が異るために生れてくるの、

であろう。

第3学年になると第1、2年同様に、非同和集団が同和集団より概して精神健康度が高いと 言えるが、統制群は他の学年に見られるような優位性はなくなる。これは、統制群のサンプル 自体の問題か、それとも、学年が進むにつれて、日常生活が生活感情や行動を肯定的方向に促 進させる何かが同和、非同和集団にあるのか、今後の検討を必要とする問題であろう。

4.2でのべたように、同和集団の精神的不健康は同時に非同和集団の問題ともなっている。同 和問題が単に同和地区の人々の為にとり上げられるばかりでなく、それをとりまく社会一般の一 為に必要であるといわれる理由の一つがここに見られるのである。

5.交友関係で先ず気づくことは、同和、非同和共好意的選択を自集団に多く与えていることで ある(第2表、第3表)。両集団がこのような傾向を示すことは一応当然で、次の理由が考え られる。即ち(1)家庭の地理的近接(2)各集団内の個人のコミュニケーションが活溌であ

り、これは親達相互のコミュニケーションのあり方に大きく交配される。(3)生活程度と生 活様式の類同。(4)差別的学習(非同和)と被差別的学習(同和)が夫々の集団内で親又は 地域からなされる影響。(5)学級又は学校の集団がまとまった、強固な上位集団となり得て いない為に、より安定した集団への所属を求める集団所属性。(6)将来に対する共通した見 通し(殊に同和集団では、例えば就職範囲が限定されているから勉強しても進学しても無駄だ、

というような)をもつこと、などである。

6.然しながら両集団の間に故然とした境界があるわけではない。第2表と第3表によれば、好 意的選択において確かに両群共1位を自集団に多く選択しているし、選択点も相手集団に少く 与えているが、相当の選択数と点を相手集団に与えていることも事実である。第4麦(両集団

に人数の不均衡があるので、第3表の被選択点を個人が相手集団と自集団に与える選択点とし て換算した)によると、各学年、男女によって一様でないにしても、両集団其互いに相手に点 を与えている。全校の男女の合計では、非同和は自集団への3.80点に対し相手へ1.60点を、同 和は白集団への2.46点に対し相手へ1.30点を与えたことになる。更に、自集団への点を1とし て相手集団に与えた点の割合を見ると(第5表)、第1、2学年及び学校全体では両集団共同 程度の率で相手に点を与えているのである。

(16)

同和地区生徒を含む集団の精神的健浜と交友関係(上田・柳川) 119

これらのことから、この学校に於ける同和、非同和の問には、一般社会に於ける同和地区と その周囲との問にあるような壁はまだ出来ていないということが言えよう。事実、各学級のソ シオグラムによると、両群間の相互選択が相当数あるのである(第6表参照)。

7.排斥的選択については第3表と第4表に示されるように、(1)非同和集団は白集団に少く 選択点を与えていること(2)同和集団は白集団に多く点を与えていること、の二点が特徴的

である。即ち、二つの集団が互いに排斥し合うのでなく、排斥を共に同和集団の中に多く選ん でいることは、同和と非同和の括抗反撥以外の他の要因があると予想出来るのである。

第7表の生徒11と12はその学級で最も嫌われている二人であり、両名が排斥される理由を程 度の高いものからあげると表のようになる。これは、我々が先に予備調査し整理した当該学年 の 好ましくない人の属性 のリストの中から選ばれた個人の行動特性である。つまり、同和、

非同和集団共に、同和集団に多く排斥的選択をするのは、同和集団の中に生徒達が一般に嫌う 属性を持った者が多く存在するとか、極めて中心的な 嫌われ者 が若干あるということであ って、所謂差別や被差別の感情が直接働いているのではない。それは同和集団が非常に大きな 重みで白集団内から選択していることによっても明瞭である。

同様に、 好まれる人 が同和文は非同和集団に属する故ではないことも第2表一第7表に よって明きらかであろう。

8.考察5−7を通じて両集団の問に対立する集団としての反額がはっきりした形では見うけら れないことを述べて来たが、同様なことが小学校過程についての別の調査結果から強調されて

(15)

いる。即ち、少くとも中学までは(この地域に関する限り)差別、被差別の感情は明瞭な形で は出て来ないのである。

然しながら、第5表の第3学年での非同和の0.35、同和の0.89という、相対的に見ると非同 和の方が相手に対して大変低い点を与えていることは何を意味するものであろうか。学習され た潜在的な差別感情がこの学年に至ってこのような形で現れて来たのだろうか、それとも、考 察7でふれような事柄(排斥されるような行動や性格の者が同和集団に比較的多い)の現れな のか、此の点について我々の調査は充分な資料を持つに至らなかった。

r9. 好きになりたい 人の選択で特徴的な恒向は、(1)第4表の 排斥的選択 の場合と異 って、非同和集団は相手集団に比較的重い点を与えていること(第8表)、(2)両集団共その 選択が=嫌われている人 に比較的多く集ったこと、の二点であった。これは、同和、非同和 を区別せず、学級内のコミュニケーションをさかんにし、和合を期待する気持の現れとしてみ

ることが出来よう。

10.考察5−9にわたって強調した第一の点は、商集団の間にいわば親和性が失われずにあるこ とであるが、このことは考察の2,4でふれたように、両集団の精神健康度の低さに大きく関 係するであろう。つまり、学級内の通交不能な二集団であっても、他集団の性格にお互いに無 反応ではあり得ないだろうが、殊に上述のように両集団の成員相互の交渉が多ければ尚更この 傾向は強くなるであろう。このような状況の下では、非同和集団は同和集団の精神的不健康に

無縁ではなくなるのである。

Ⅵ 総     括

1・我々は冒頚に述べた研究計画に沿って、その最初の課題−一同和地区生徒を含む学校の教育

参照

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