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貝塚データベース : その作成と応用

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貝塚データベース : その作成と応用

著者 及川 昭文, 宮本 定明, 小山 修三

雑誌名 国立民族学博物館研究報告

巻 5

号 2

ページ 439‑470

発行年 1980‑10‑20

URL http://doi.org/10.15021/00004525

(2)

及 川 ・宮 本 ・小 山   貝 塚 デ ー タベ ー ス

そ の 作 成 と 応 用

及 川 昭 文* 宮 本 定 明** 小 山 修三***

A Jomon Shellmound Database: Its Compilation and Application

Akifumi OIKAWA, Sadaaki MIYAMOTO and Shuzo KOYAMA

Archaeology in Japan has made rapid progress in the last twenty years, and every year thousands of archaeological sites are reported as being excavated, mainly as a consequence of large and wide- spread land development projects.

So far, such archaeological information has been managed efficiently by the government, but the overwhelming volume of new data represents an information deluge similar to that which has already occurred in the natural sciences. It has led to an unmanageable situation for administrators and scholars alike.

Today, this mass of new information can be compiled as a computerized, machine-readable database. As a pilot project, our team began to develop a database on the Jomon shellmounds, under a Grant-in-Aid for Scientific Research from the Ministry of Education, Science and Culture (1977).

One reason for taking-up this subject was that there existed already a large volume of information suitable for rapid transforma- tion into machine-readable format. Usually this is the most expen- sive and time-consuming process in assembling a database. In this database all the known Jomon shellmounds by 1960 (807 shell- mounds) have been recorded systematically with information on location, pottery type (i.e. time reference), natural and artificial remains, and so forth.

This paper, a preliminary report on the first two years of the project, describes:

*筑 波 大 学学 術 情 報 処理 セ ン ター

**筑 波 大 学 学 術情 報 処 理 セ ン ター

***国 立 民 族 学博 物館 第4研 究 部

439

(3)

国立民族学 博物館研究報告5巻2号

1) The process of building-up a database, including the selection of categories;

2) The use of a database as an information retrieval system;

and

3) Some statistical analyses using data extracted from the database.

The database will be enlarged to accomodate all the archaeo- logical sites in Japan of value to the administration and for use in future research.

序 一 日本 のデ ー タベー スの現 状一 1.貝 塚デ ー タベ ー スの 作 成   1.情 報 洪 水 と埋 蔵 文 化 財   2.デ ー タベ ー ス の基 礎 作業   3.項 目の検 討 一 一一sag文時代 の区 分 一   4.デ ー タベ ー ス の利 用

皿.貝 塚 デ ー タベ ー スの 応用   1.オ ンライ ン情 報 検索   2・  ク ラス ター分 析

  3.時 期 の 「組 合 わ せ」 か らみ た貝 塚   4.縄 文 時代 晩 期 の人 口崩 壊    関東 地 方 お わ りに

日本 の デ ー タベ ース の現 状

  学 術 情 報 シ ス テ ム の 整 備 に 関 して,日 本 は 欧 米 に く らべ て,大 き くた ち お く れ て い る 。 こ れ は,つ ぎ の よ う な 事 実 に よ っ て あ き ら か で あ ろ う 。'

  (1)  図 書 館 行 政 の 不 在

  (2)学 術 情 報 の 専 門 機 関 が,民 間 を ふ くめ て ほ と ん ど 存 在 して い な い 。

  (3)米 国 のCA(Chemical  Abstracts),  BA(Biological  Abstracts)や 英 国 の       Scie皿ce Abstractsの よ う に 国 際 的 に 利 用 さ れ る よ う な デ ー タ ベ ー ス を,日       は 作 成 し て い な い 。

  そ の た め に,学 術 情 報 を 処 理 す る 技 術 は 未 発 達 で あ り,専 門 家 の 育 成 もお くれ て い る 。 そ の 結 果,研 究 者 側 か ら の 学 術 情 報 に 対 す るつ よ い ニ ー ズ(needs)が あ っ た と し て も,そ れ に 充 分 お う じ られ る 機 関 は,ほ と ん ど 存 在 して い な い の が 現 状 で あ る 。   研 究 者 の 間 で は,化 学,医 学 の 分 野 で,学 術 情 報 活 動,デ ー タ ベ ー ス へ の つ よ い 関 心 が み られ る 。 し か し,経 済 統 計 な ど 一 部 の 分 野 を の ぞ き,社 会 科 学,人 文 科 学 の 研 究 者 は,無 関 心 で あ る 。

  しか し,コ ン ピ ュ ー タ の 普 及,と くに,通 信 と む す び つ い た,オ ン ラ ィ ン サ ー ビ ス

(4)

及 川 ・宮 本 ・小 山   貝 塚 デ ー タベ 白 ス

の 進 展 に よ り,学 術 情 報 シ ス テ ム は1あ た ら しい 段 階 に す す も う と し て い る 。4〜5 年 前 か ら,抄 録 誌 ・索 引誌 の 刊 行 機 関 が作 成 ・頒 布 して い る大 規 模 な デ ー タベ ー スの 検 索 に対 す る関 心 が た か ま って きた 。 検索 技 術,検 索 システ ムの 研 究 は,主 と して 大

学 で 行 な わ れ,や が て,コ ン ピ ュ ー タ メ ー カ ー も,ソ フ ト ウ ェ ア ・パ ッ ケ ー ジ の 開 発 を は じ め る よ う に な っ て き た 。

現 在 で は,日 本 の 国 内 で,主 要 な デ ー タ ベ ー ス の ほ と ん ど が,オ ン ラ イ ン検 索 が 可 能 で あ る 。 こ れ を 行 な っ て い る の は,い くつ か の 国 立 大 学 と,JIcsT(Japan  lnfor一

表1  日本 のデ ー タ ベ ース の 所在 地(1979)

広 島 大 学 HUNDRED

BIOSIS, INSPEC 1

JICST 東 京 大 学

筑 波 大 学 JOIs

TOOL‑IR

IDEAS177

CA Search, MEDLARS JICST File, TOXLINE

CA Search, XDC, INSPEC, COMPENDEX

BIOSIS, CANCERNET CA Search, CAB COMPENDEX, EM, ESI IPA, SCI

CDI, CUE, LC/MARC LISA, PATELL, RIE SSCI, UK/MARC

BIOSIS CAB CANCERNET CA Search CDI CUE

COMPENDEX EM

ESI INSPEC IPA JICST File

LC/MARC LISA MEDLARS PATELL RIE SCI SSCI TOXLINE UK/MARC XDC

BioScience Information Service Commonwealth Agricultural Bureaux

Cancernet

Chemical Abstract Search Comprehensive Dissertation Index Current Index to Journals in Education Computerized Engineering Index Excerpta Medica

Environmental Science Index

International Information Service in Physics, Electrotechnology, Computers and Control

International Pharmaceutical Abstracts

Japan Information Center for Science and Technology Library of Congress/MAchine Readable Cataloging Library and Information Science Abstracts MEDical Literature Analysis and Retrieval System Psychological Abstracts Tape Editions Lease License Resources In Education

Science Citation Index Social Sciences Citation Index TOXicology Information On-Line

United Kingdom/MAchine Readable Cataloging Crystallographic Data

9

441

(5)

国立民族学博物館研究報告   5巻2号 mation  Center  f()r Science  and  Technology)で あ る(表1)。

  筑 波 大 学 は,最 も お お く の デ ー タ ベ ー ス を も ち,社 会 科 学 ま で を カ バ ー して い る 。 東 京 大 学 は,Chemical  Abstractsを 中 心 と した サ ー ビ ス を 行 な っ て い る 。 広 島 大 学 は,学 内 に た い し,オ ン ラ イ ン検 索 サ ー ビ ス を 行 な って い る 。JICSTは,主 と して 企 業 体 に 対 す る 情 報 の 提 供 を 行 な っ て い る 。 こ の ほ か,京 都 大 学,名 古 屋 大 学 等 も, デ ー タ ベ ー ス ・サ ー ビ ス を 行 な っ て い る 。

  しか し,い ず れ も,主 体 は,自 然 科 学 分 野 で あ り,す べ て の 分 野 を カ バ ー す る に は い た っ て い な い 。 国 立 民 族 学 博 物 館 で は 所 蔵 す る 標 本 資 料,映 像 音 響 資 料,文 献 図 書 お よ びHRAF(Human  Relations  Area  Files)を 総 合 した 民 族 学 に か ん す る デ ー タ ベ ー ス が で き そ の サ ー ビ ス が は じ ま っ て い る[杉 田 ・三 宅 ・佐 々木   1980]。

  わ が 国 で は,現 在,学 術 情 報 ネ ッ トワ ー ク が 立 案 の 段 階 に あ り,こ の プ ラ ンの な か で は,デ ー タ ベ ー ス を も ち い た 学 術 情 報 の 蓄 積 ・検 索 シ ス テ ム は,重 要 な 位 置 を し め て い る 。 国 内 の ど こ か らで も,低 い 費 用 で,多 数 の デ ー タ ベ ー ス を 検 索 で き る 体 制 の 実 現 は ち か い 。 さ ら に こ の 案 の な か に は,懸 案 で あ っ た,学 術 情 報 の 専 門 セ ン タ ー の 設 立 が ふ くま れ て い る 。

  今 後 の 日本 の デ ー タ ベ ー ス に 関 す る 課 題 は,

(1) (2) (3) (4) (5)

上記 の学 術 情 報 ネ ッ トワー ク の実 現 多 くの分 野 のデ ー タベ ー ス の提 供 デ ー タ ベ ー スの 作 成技 術 の研 究 ・開発 専 門 家 の育 成

利 用 者 の訓 練 な ど で あ る 。

1.貝 塚 デ ー タ ベ ー ス の 作 成

1.  情 報 洪 水 と埋 蔵 文 化 財

  日本 の埋 蔵 文 化 財 にか ん す る情 報 量 は ま こと にお お い 。埋 蔵 文 化 財 セ ンター の 報告 に よ る と遺 跡 台 帳 に登 録 され た 遺 跡 の 数 は1962年 に は98,000だ った が,そ の 後 の 補訂 で138,000に な り,さ らに1975年 の分 布 調査 で は205,000に ふ え て い る[奈 良 国立 文 化 財研 究 所 埋 蔵 文 化 財 セ ンタ ー  1976]。

  1950年 に文 化 財 保護 法 が 制 定 され て遺 跡 を破 壊 す る場 合 す くな くと も事 前 の調 査 が 義 務 づ け られ た。 そ の 後,土 地 の開 発 が 激化 し,登 録 さ れ る遺 跡 は着 実 にふ え つ づ け

(6)

及 川 ・宮 本 ・小 山  貝 塚 デ ー タベ ース

た 。 そ して70年 代 に は各 都道 府 県 で緊 急 調 査 の 組 織 化 がす す み,75年 以後 の遺 跡 数 の のび は と くに激 し くな って い る(表2)。

  遺 跡 の 登 録 は まず 都 道 府県 教育 委 員 会 で 行 なわ れ,そ こで集 め られ た 遺 跡台 帳 が文 化 庁 と埋 蔵 文 化財 セ ンタ ー に お くられ る。遺 跡 が 登 録 され る際 には1)遺 跡 番 号,  2)種 別, 3)所 在 地,4)時 代,5)お もな遺 物 と遺 構, 6)そ の他,の 基 本 的 情 報 が つ け られ る。 発 掘 調 査 が 行 な わ れ た場 合 は報 告書 が公 刊 され る。 現 在 の と ころ,(年 間1万 件 をこ え る届 出が あ る に もか か わ らず)埋 蔵 文化 財 情 報 の な がれ は円 滑で あ り正 確 で あ る。 それ は,と

り もなお さず 日本 の埋 蔵文 化 財 行政 システ ム の質 の た か さ と考 古 学 の底 辺 のひ ろさを しめ す もの で,世 界 的 に も類 を み な いほ ど の もの

とい われ て い る。

  しか し,一 方 こ の よ うな 状 態 は,自 然 科 学 の 分 野 で す で に お きて い るInformation Deluge‑(情 報 の洪 水)一が近 い将 来 か な一らず お き る ことを 予 想 させ る1》。 つ ま り今 日つ く ら れ て い る埋 蔵 文 化 財 情 報 は,す で に既 存 の シ ステ ムで は処 理 で き る量 を こえ かか って い る (ま た は こ えて い る)の で あ る。 情 報 量 がす くな か った 時 代,研 究 者 た ち は必 要 情 報 を簡

表2  年度別埋蔵文化財発掘の推移

年 度. 届出件数

1950   51   52   53   54   55   56   57   58   59 1960   61   62   63   64   65   66   67   68   69 1970   71   72   73   74   75   76   77   78

   82   241   219   244   211   241   278   316   312   345   341   408 443   486   547   623   710   742   831   988 1,  129 1,275 1,715 2,066 2,309 2,  825 3,886 5, 685 70, 83

[奈良 国立 文 化 財研 究 所 埋蔵 文 化 財 セ ンター‑ 1979]に よ る

単 に みつ け利 用 す る こ とが で き た。 しか し,情 報量 が 巨大 化 す る と,必 要 な情 報 を入 手 す る こ とが 困難 にな り,と き に はあ る種 の情 報 の存 在 を ま った く気 づ か ず に い る こ

と もお こ る。 現 在 どん な情 報 が必 要 と され,そ れが ど う蓄 積 され て い る か と い った 研 究 の 趨勢 を し らず に研 究 に あ た る こと はた い へ ん 不 利 で あ る ばか りで な く,畠基 礎 的 情報 を の がす こ とは 時 に よ って は 研 究 の致 命 傷 と も な る 。 と くに 実 益 的 な 面 の 強

1)1979年 に開か れ た 第三 回 谷 ロ シ ンポ ジウ ムに お け るD.H.ト ー マス 氏(ア メ リカ 自然 史 博 物 館)の コメ ン ト。

      443

(7)

国立民族学博物館研究報 告 5巻2号

調 さ れ る 分 野 で は そ の よ う な 情 報 を 迅 速 に 処 理 す る た め の 要 求 が た か い 。 た と え ば, 化 学 の 分 野 で は,CAC(Chemical  Abstract  Condensates),  CASIA・(Chemical Abstract  Science  lndex  Alert),  CIN(Chemical  'lndustry  Notes)な ど の デ ー タ ベ

表3  分 野別 学 術情 報 デ ー タ ベ ー スの 数

Total #1 #2 #3

Chemistry Life Science Agriculture Environment Medicine Patents

Business & Economics Mining & Metallurgy Mechanical Engineering . Social Sciences

Multidisciplinary Physics Electronics Energy

Civil Engineering Food Science Transportation

General Sciences Informtaion Science Earth & Space Nuclear Science

Communications • Psychology

Aerospace Education Law Mathematics Public Administration News

Textiles History

Home Economics Architecture Current Research Philosophy Arts

76 74 56 53 50 49 41 40 39 39 37 32 31 29

27 26 24 24 23 22 20 20 ユ9 18 18 17 17 14 12 11 11 10  9  8  8

21 44 30 19 24 15  9  9 16  9 11 14 14  呂

i3  9 10  7 10 11  8  7  7  6  5  4  9  7  1  3  2  4  3 '6

 2  3

28 12 12 18 10 20 12 16 14 10  8 13  9 13  9  7 10  9  8  7  6  7  5  5  7  6  4  3  1  3  2  2  3 .2  3  2

19 13 11 11 11 10 17 12  8 19 18  4  8  8  6  7  5  8  5  5  8  6  5  6  5  7  4  6 12  4  7  3  4  1  3  3

(# 1 = Government, # 2 = Institute, # 3 =Private)

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及 川 ・宮 本 ・小 山  貝 塚 デ ー タベ ー ス

一 ス が つ く ら れ,す で に 実 用 化 さ れ て い る 。 こ れ らの デ ー タ ベ ー ス はCAS(Chemical Abstract  Service)が 化 学 の 分 野 で の 研 究 題 目,成 果 な ど の 文 献 情 報 を 要 約 集 成 し,

そ れ を コ ン ピ ュ ー タ に よ っ て 検 索 で き る よ う に し た も の で 世 界 に ネ ッ ト ワ ー ク サ ー ビ ス を 行 な っ て い る 。1976年 ま で の ネ ッ ト ワ ー ク サ ー ビ ス に の っ た 各 分 野 の デ ー タ ベ ー ス は 約300あ り,そ れ が79年 に は400を こ え る と さ れ て い る[WILLIAMs  and  RousE l976](表3)。 最 近 は 文 献 情 報 に か ぎ らず,統 計 調 査 や 実 験 成 果 な ど の 定 量 的 情 報 や 博 物 館 の 蔵 品 目 録 の デ ー タ ベ ー ス も つ く られ は じめ て い る 。

  埋 蔵 文 化 財 情 報 に は 研 究 面 だ け で な く,土 地 開 発 な ど に か ら ん で 社 会,経 済,環 な ど実 利 的 問 題 も は ら ん で お り,多 様 で 膨 大 化 す る 情 報 を 迅 速,正 確 に 処 理 す る こ と は 将 来 不 可 欠 の もの と な る は ず で あ る 。 そ れ を 解 決 す る 有 効 な 手 段 の 一 つ が コ ン ピ ュ ー タ に よ る デ ー タ ベ ー ス シ ス テ ム の 確 立 で あ ろ う

  こ の よ う な 認 識 に た っ た う え で,1978年 度 か ら 貝 塚 デ ー タ ベ ー ス を 作 成 す る プ ロ ジ ェ ク トを は じ め た 。 こ れ は 文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金 に よ る も の で,期 間 は2年 で あ る 。 も ち ろ ん2年 で 研 究 が 完 了 す る と い う こ と で は な く,考 古 学 分 野 に お け る デ ー タ ベ ー ス の 有 効 性,可 能 性 を 具 体 例 を と お し て あ き らか に し よ う と す る こ こ ろ み で あ る 。

2.  デ ー タ ベ ー ス の 基 礎 作 業

  デ ー タ ベ ー ス の 作 成 は,非 常 に お お くの 費 用 と人 と 組 織 を 必 要 とす る 。 な か で も, 1次 情 報 の 収 集 は,も っ と も手 間 の か か る 作 業 で あ る 。 した が っ て,か ぎ られ た 費 用 と 人 的 条 件 の も一と で デ ータ ベ ー ス の 作 成 を す す め て い ぐ た め茜に は,ま ず ∫ ユ次 情 報 を 効 率 よ く収 集 す る こ と を と くに 考 慮 す る 必 要 が あ る 。 わ れ わ れ も,こ の こ と を 最 重 要 課 題 と し て,検 討 を す す め,以 下 の よ う な 理 由 か ら,ま ず 貝 塚 デ ー タ ベ ー ス の 作 成 を

こ こ ろ み る こ と に した 。

1)  貝 塚 遺 跡 に か ん す る 資 料 と し て は,酒 詰 仲 男 氏 に よ る 『日本 縄 文 石 器 時 代 食 料 総   説 』 お よ び 『日 本 貝 塚 地 名 表 』[酒 詰   1959,1960](こ の 二 つ を あ わ せ た デ ー タ を   以 下SAKAZUMEフ ァ イ ル と よ ぶ)が 刊 行 さ れ て お り,非 常 に よ く 整 理 さ れ た   1次 情 報 が で き て い る 。

2)現 在 ま で に 発 見 ・報 告 され て い る 貝 塚 遺 跡 は2〜3,000個 所 と,量 と して 適 当 で あ   る 。

3)  こ れ ら の 遺 跡 は,全 国 に 分 散 して い る 。 4)  出 土 遺 物 は 量 ・種 類 と も に 豊 富 で あ る 。

  した が っ て,比 較 的 容 易 に1次 情 報 をmachine  readableな 形 に す る こ と が 可 能 で       445

(9)

国立民族学博物館研究報告  5巻2号 あ り,将 来 の 本 格 的 な 考 古 学 遺 跡 デ ー タ ベ ー ス 作 成 の た め の パ イ ロ ッ トプ ラ ン と して 種 々 の 検 討 を 行 な う た め に は,条 件 が よ く と と の って い る 。

  さ ら にSAKAZUMEフ ァ イ ル を 基 礎 資 料 と す る こ と に よ り,,1960年 以 降 の 貝 塚 に か ん す る 情 報 を 蓄 積 して デ ー タ の 追 加 ・補 正 を 行 な いup  to date ,な 員 塚 フ ア イ ル を つ く る こ と が で き る。 これ は こ の プ ロ ジ ェ ク トの メ ンバ ー で あ る 金 子 浩 昌 氏 の 手 に よ り現 在 検 討 中 で あ る 。

  デ ー タ ベ ー ス を 作 成 す る 場 合,ど の よ う な 項 目 を ど の よ う な 形(た と え ば,文 字, 数 値,コ ー ド化 さ れ た 数 値)で,入 力 す る か と い う こ と は,よ く注 意 して き め な け れ ば な ら な い 。 も し こ の 注 意 を お こ た る と,利 用 者 に と っ て 非 常 に 利 用 し に くい デ ー タ

表4  デ ー タ ベ ー ス に エ ン ト リー さ れ た 項 目

LEVEL ITEM

01 RECORD 02 CODE!

02 CODE2 02 NAME!

02 NAME2 02 KCODE 02 SCODE 02 P 02 PC 02 R

03 RI 03 R2 03 R3 03 R4 03 R5 03 R6 03 R7 03 R8 03 R9 02 NUMBER

03 NR1 03 NR2 03 NR3 03 NR4 03 NR5 03 NR6 03 NR7 03 NR8 03 NR9

LENGTH

N( 5) N( 4) X(V4032) K(V2016) X(V4032) X(V4032) X(V4032) K(V2016) X(V4032) X(V4032) X(V4032) X(V4032) X(V4032) X(V4032) X(V4032) X(V4032) X(V4032) N( 4) N( 4) N( 4) N( 4) N( 4) N( 4) N( 4) N( 4) N( 4)

COMMENT

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:シ チ ヨ ウ ソ ン コ ー ド:Cit2  Code :ジ ダ イ,ジ キ コ ー ド:Chronological  Code :ジ ダ イ,ジ キ ビ ツ トマ ツ プ

:カ イ       :Shell

、:セ ツ ソ ク ル イ     :ArthroPodα :キ ヨ ク ヒ ル イ     :Echinoidea :ギ ヨ ル イ     1:Fish

:リ ヨ ウ セ イ ル イ   :AmPhibian  コ :ハ チ ユ ウ ル イ     :RePtile :チ ヨ ウ ル イ       :Bird :ホ ニ ユ ウ ル イ     :Mam"malia

:ソ ノ タ      :Others

:カ イ ノ カ ズ :セ ツ ソ ク ル イ ノ カ ズ :キ ヨ ク ヒ ル イ ノ カ ズ

:ギ ヨ ル イ ン カ ズ       #of  kindS in each item :リ ヨ ウ セ イ ル イ ノ カ ズ    (above R l̲R9) :ハ チ ユ ウ ル イ ノ カ ズ

:チ ヨ ウル イ ノ カ ズ :ホ ニ ユ ウ ル イ ノ カ ズ :ソ ノ タ(カ ズ)

(10)

及 川 ・宮本 ・小 山   貝 塚 デ ー タ ベ ー ス

ベ ー』ズ に な り,も う一 度 デ ー タ ベ ー ス を 作 り直 した り,デ ー タ ベ ー ス そ の も の を 廃 棄 せ ざ る を え な い こ と も お こ る 。 こ の プ ロ ジ ・エ ク トで は,SAKAZUMEフ ァ イ ル に 記 録 さ れ た 項 目 の う ち,必 要 な も の,不 必 要 な も の,あ る い は つ け くわ え る 必 要 の あ る 項 目 に つ い て 討 論 し た 。 そ の 結 果,表4に み ら れ る よ う な 項 目 を 入 力 す る こ と に した 。

こ れ ら の う ち,い くつ か の 項 目 に つ い て は,利 用 の 便 を 考 慮 して コ ー ド化 す る こ と に し た 。 ゴ ー ド化 した の は,、① 県,② 市 町 村,③ 時 代,時 期 で あ る 。 ② に つ い て は1978 年 現 在 の 市 町 村 コ ー ドを つ か っ た[自 治 省 行 政 局 振 興 課   1978]。 コ ー ド化 さ れ た デ ー タ はmachine  readableな か た ち に か え,そ れ を コ ン ピ ュ ー タ に 入 力 す る 。・

3.項 目 の検 討    縄 文 時 代 の 区 分

  「デ ー タの項 目」 の 選 択 検 討 にか ん して,も っと も重 要 な項 目で あ る時 代 区分 に つ い て も うす こ し くわ し くの べ て お きた い 。      〆

SAKAZUMEフ ァイル の資 料 は 縄 文 時 代 の もの に か ぎ られ て い る。 縄 文 時 代 は

土 器 」 を も ち;「 石 器 」 を つ か ういわ ゆ る新 石 器 時代 の 概念 に あた る もの で,日 本 で は12,00Q年 前 ご ろか ら約10,000年 つ づ い た と され て い る 。 この 時代 は通 常,早 期 ・前 期 ・中 期 ・後期 ・晩 期 の五 期,あ る い は早 期 の まえ に草 創 期 を くわ えた 六 期 にわ け ら れ る。'この 区分 は 山内 清 男 の土 器 型 式 に よ る編 年[山 内  1937,1962]に も とつ くも の だ が,10,000年 にわ た る文 化 や 環 境 の変 化 を と らえ る た φ に は ま こ と に便利 な もの

で あ る2)。

  しか し,こ の 区 分法 に よ る年 代 は土器 型 式 の配 列 か ら推 定 した 相 対的 な もの で あ る。

日本 列 島 と い うか ぎ られ た地 域 で の文 化 比 較 に は精 度 のた か い 研 究 がで き るが,ク ス ・カ ル チ ュ ラル な研 究 に は適 して い ない 。 つ ま り,絶 対年 代 の う らづ けが あ た え ら れ な け れば 日本 以外 の利 用者 に と って この 年 代 情 報 は ほ とん ど無 意味 な もの とい え る。

  C14年 代 は1947年 に リビー に よ り開発 され た方 法 だが,地 質,古 生 態 学,考 古 学 な どの 分 野 で ひ ろ く利 用 さ れ る よ う にな った 。C14年 代 は縄 文 時 代 の 資料 につ いて も早 くか らつ か われ,そ れ 以 後 の サ ンプル 数 もお お い6し か しは じめ の ころ に は土 器 型 式 に よ る推 定 年 代 とのず れ のお お き さが議 論 を よび そ の信憑性 を うた が うと い う意 見 も 多 出 した[山 内 ・佐 藤   1962]。 しか し,世 界 の他 の地 域 との 比 較研 究 や花 粉 分 析 な ど の古 生 態 学 分 野で の成 果 を 援 用 す るた め に は か が す こと ので きな い 情報 と な り,今

日で は一 般 的 に利 用 され る よ うに な った 。

2)た とえば中期農耕,晩 期農耕,'前期海進な どのように この区分がつかわれている。また都道   府県 の遺跡登録 ファイルの時代記入項 目としても ひろ くつかわれている。

447

(11)

      国立民族学博物館研究報告  5巻2号   それ で は,縄 文 時 代 の時期 区分 をC14年 代 に よ って う らづ け る こ とがで き るだ ろ う か 。 この 時 代 のC14年 代 のサ ンプ ル 数 は現 在100例 を こえ る。 そ れ に は伴 出す る土 器

型 式 ま た は時 期 が つ け られて い る。 そ れ を時 期 ご と に グル ー プ わ け し,そ の 中 央値 の 平 均 お よび標 準 偏 差 を とる と下 の よ う にな る[KOYAMA  1978:15]。

グ ル ー プ 時代区分 サ ンプ ル数  (N) 平 均 値(刃) 標 準偏 差  (σ)

1 2 3 4 5 6 7

草 創 期

(弥 生)

4 11 32 22 24 16 28

11,837 8,130 5,159 4,350 3,328 2,915 1,846

888 981 369 389 354 483 292

*年 代 はB .P.

  こ の デ ー タ か ら縄 文 の 時 代 区 分 が 統 計 的 に 差 が あ る か ど う か を 信 頼 区 間(Confi‑

dence  lnterval)に よ っ て 検 定 し て み よ う 。 ま ず こ れ ら の 年 代 値 が,1)サ ン プ リ ン グ は 無 作 為 で あ る,2)各 グ ル ー プ 間 の 分 散(Variance)は 等 しい と い う条 件 を 仮 定 す る 。95%の 確 率 を もつ グ ル ー プ の 中 央 値 μ の 信 頼 区 間 は 次 の 式 で 求 め られ る 。

                  へ         

X‑1・96tT<μ<X+1・96亜

Xは(年 代 値 の)平 均 値, σ は(  〃   )標 準 偏 差, 2Vは(  〃  )サ ン プ ル 数 で あ る 上 の 式 に よ り次 の よ うな値 が え られ る。

時代区分 95%の 信頼 区 間 重 な り 信頼区間の長 さ

草 創

弥 生 時 代

12,707‑10,967 8,714‑  7,546 5,824‑5,030 4,512‑4,088 3,469‑  3,187 3,151‑  2,679 1,954‑‑1,738

1,740 1,168   254   324   282   472   216

(12)

及 川 ・宮 本 ・小 山   貝塚 デ ー タベ 日 ス

  そ の結 果,草 創 期 か ら晩期 お よび そ れ に続 く弥 生 時 代 まで の各 期 の信 頼 区間 は たが い に重 な らな い こ とが わ か る。 ゆえ に,縄 文 の時 代 区 分 は95%の 確 率 で 統 計的 に は そ れ ぞ れ独 立 したdiscreteな 尺 度(期 間)と み なす こ とが で き る。 ただ し,時 間 的 長 さ は 一様 で は な く,と くに後 期 と晩 期 の 差 は微 妙 で あ る3)。

  最 近 花 粉 分 析 を 主 体 と した 先 史 時 代 の 環 境 復 元 が 成 果 を あ げ て い る[塚 田  1974;

安 田  1978]。 時 間 的 に 独 立 で あ る と み と め られ た 各 時 期 は そ れ ぞ れ 特 徴 的 な 環 境(気 候)を も っ て い た で あ ろ う か 。 縄 文 時 代 の 気 候 を 巨 視 的 に み る と 最 終 氷 河 期 が お わ っ

たB.P.10,000年 か ら気 候 は 温 暖 化 に む か い,そ の ピ ー ク はB.P.6,000年 ご ろ で あ っ た 。 そ の 後 気 候 は ふ た た び 寒 冷 化 に む か いB.P.2,000年 前 後 に 現 在 の 気 候 と よ く に た 状 態 に な っ た 。 こ の 変 化 は 世 界 的(global)な も の で,温 暖 一寒 冷 化 に は,も う一 つ の 重 要 な 環 境 変 化,す な わ ち 海 面 の 上 昇 一下 降 の 現 象 が と も な っ た 。 海 面 上 昇 の ピ ー ク は 温 暖 化 の ピ ー ク と ほ ぼ 一 致 し,日 本 で は 約3m[湊 ・熊 野1968]と 推 定 さ れ て い る 。 そ の 影 響 で 海 抜 の ひ くい 地 方 で は 海 岸 線 が つ ね に 複 雑 に う ご き 不 安 定 で あ っ た 。 気 候 は 連 続 的 に う こ い て い た こ と が わ か る 。 しか し花 粉 分 析 のC14年 代 と 照 合 す る こ と に よ り,縄 文 時 代 の 時 期 の 年 代 を 表5の よ う に,お お ま か な 気 候 の 特 徴 と し て と ら え る こ と が で き る 。 こ こ で も 後 期 と 晩 期 の あ い だ に は っ き り した 一 線 を ひ く こ と は む ず か し い よ う で あ る 。

  4.  デ ー タ ベ ー ス の 利 用

  貝 塚 デ ー タ ベ ー ス は,利 用 者 と し て 日 本 人 研 究 者 の み を 想 定 した の で,遺 跡 名 や 貝 の 名 前 は カ タ カ ナ あ る い は 漢 字 で 表 現 し て い る 。 しか し,今 後 こ の よ う な デ ー タ ベ ー

表5  縄 文 時 代 の 時 期 別 環 境 時期

草創期 中 期

B.P.年 代 一12 ,000

‑8 ,000

‑5,000

‑4 ,500

‑3 ,500

‑2 ,900

気候

現 在 と の 差

(‑2° 〜6°C)   (‑2°C)   (+1°C) (0〜+1°C)    (0°C)    (0°C)

温暖化へむか う 温暖化すすむ 温暖の ピーク 寒冷化へむかう 寒冷化すすむ

夏の湿度

湿 湿すすむ 湿すすむ

湿 湿

  一40m

‑20〜‑7m    十3m    Om    Om    Om

海 岸

前 進 の ピー ク 後 退 へ む か う 後 退 へ む か う 現 海 岸 線?

[湊 ・熊 野   1968;塚 田   1974;YAsuDA.1978]か ら要 約 して 作 成

3)[KoYAMA  1978]で は 五 つ の 時 期 の 差 の 検 定 に シ ュ フ ェ ー のmultiple  contrast methodを 用 した 。 そ の 結 果,後 ・晩 期 に 有 意 差 が な く両 者 を 分 離 で き な か っ た 。

449

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国立民族学博物館研究報 告  5巻2号 ス は 広 く世 界 中 の 研 究 者 へ の 提 供 を か ん が え る べ き で あ る 。 そ の 場 合,た が い に そ の 内 容 が よ く理 解 で き る よ う に 項 目,項 目の 表 現 形 式,コ ー ド化 の た め の 基 準,時 代 ・ 時 期 区 分 な ど の 標 準 化 を は か る必 要 が あ り,そ の た め に は,関 係 者 間 の 意 見 交 換 の 場 を つ く る 必 要 が あ る 。

  machine  readableな か た ち に さ れ たsAKAzuMEフ ァ イ ル は, IDEAs/77[筑 波 大 学 学 術 情 報 処 理 セ ン タ ー  1979]に よ っ て コ ン ピ ュ ー タ に 入 力 さ れ た デ ー タ ベ ー ス と して,現 在,筑 波 大 学 学 術 情 報 処 理 セ ン タ ー の 大 型 計 算 機 シ ス テ ム の も とで,研 究 者 の 利 用 が 可 能 と な っ て い る 。

  し か し,次 の よ う な 理 由 た よ って ま だ こ の 貝 塚 デ ー タ ベ ー ス の 利 用 は あ ま り な い 。 1)デ ー タ ベ ー ス と し て や っ と そ の 姿 を あ ら わ し た ば か りで,ひ ろ く研 究 者 へ そ の 存   在 を つ た え る こ と は な さ れ て い な い 。 も ち ろ ん こ れ は わ れ わ れ の 責 任 で あ り,今   研 究 者 へ そ の 存 在 を じ らせ,利 用 を ひ ろ め る活 動 を す す め て い く予 定 で あ る 。 2)  日 本 の 考 古 学 研 究 者 に と っ て,コ シ ピ ュ ー タ ・デ ー タ ベ ー ス と い う も の は,ほ   ん ど 無 縁 の 存 在 で あ り,研 究 に コ ン ピ ュ ー タ や デ ー タ ベ ー ス を 積 極 的 に 利 用 し よ う   と す る者 は ま こ と に す く な い 。 こ れ に か ん して は 解 決 に 時 間 が か か り,ま た 非 常 に   聡 お くの 努 力 を 要 す る 問 題 で あ る 。『しか し,徐 々 に で は あ る が,コ ン ピ ュ ー タ ・デ   ー タ ベ ー ス の 必 要 性 ・重 要 性 が 認 識 さ れ は じ め て い る の も,ま た 事 実 で あ る 。

fi.貝 塚 デ ー タ ベ ー ス の 応 用

デ ー タ ベ ー ス の 利 用 は 必 要 な 情 報 を ひ ろ い あ つ め て ゆ く情 報 検 索 と,数 値 情 報 な ど デ ー タ ベ ー ス そ の も の を つ か う と い う二 つ の 方 法 が あ る 。 こ の 章 で は 貝 塚 デ ー タ ベ ー ス(SAKAZUMEフ ァ イ ル)を つ か っ た 具 体 的 な 例 に つ い て の べ る 。

  1.  オ ン ラ イ ン情 報 検 索

  情 報 検 索 シス テ ム で は端 末 機 を つ か い直 接 コ ン ピュ ー タと会 話 しなが ら必 要 情 報 を あ っ め る オ ンライ ン情 報 検 索 システ ムが主 流 と な って お り,最 近 わが 国 で も急 速 な発 展 をみ せ て い る。 この方 法 は くりか え しが簡 単 で あ るた め,ト ライ アル ・ア ン ド ・エ ラー に よ って 焦 点 を しぽ りこん で い って情 報 を と りだ した り,さ ま ざ まな 角度 か ら情 報 を みて 比 較 す る こ とで研 究 の視 点 を ひ ろげ る ことが で きる と い った 利点 を も って い る。単 一 の項 目 につ い て情 報 を と りだ す(た とえ ばハ マ グ リを だす 貝 塚)こ とは手 作

(14)

及 川 ・宮 本 ・小 山  貝 塚 デ ー タ ベ ー ス

業 で も比 較 的容 易 で あ るが,複 数 項 目 の組 合 わ せ(た と え ば,ア サ リ ・ハ マ グ リを も ち なが ら シ ジ ミを もた な い 貝塚)に よ る基 本 情 報 を 分 類 す る よ うな作 業 には,ま こ と に 効 果 的 で あ る。 実 例 と してIDEAS/77を つ か って検 索 を 行 な った プ ロセ ス の一 部 を

しめす(図1)。 以 下 使 用 され たデ ー タは す べ て この よ うな方 法 でSAKAZUMEフ

ァイルか ら抽 出 され た もの で あ る。 な お この システ ムは 筑 波大 学 学 術 情 報 処 理 セ ン タ ーの 計算 機 に電 話 回 線 を つ か い全 国 ど こか らで も利 用 で き る。

2.  ク ラ ス タ ー 分 析

 貝 塚 デ ー タベ ー ス の統 計 的 な利 用法 を しめす た め に ク ラス タ ー分 析 を行 な った 。   ク ラ ス タ ー分 析 は コ ン ピュー タ の発 達 に よ り最 近各 分 野で ひ ろ く利 用 さ れ る よ うに な った 数 値 分類(numerical  taxonomy)の 一 手 法 で あ る。

SAKAZUMEフ ァイル は貝 塚 か らど ん な貝 が 出土 したか を記 載 した もの で,い わ ば定 性 的 な もの で あ る。 しか し貝 を 貝 塚 の要 素 と み な し,そ れ らの 要 素 を あ る(1) な い(0)と い う二 項 値 で あ らわ す こ とに よ り定 量 的 な あ つ か いが 可 能 とな る[三 宅 1973:2361。

  貝 類 は そ れ ぞ れ独 自の 生 息条 件 を もち,そ の条 件 にか な った 場 所 で特 定 の群 集 を つ くる。 員 類 群集 の地 理 的 分 布 は永 質(戯 度 お よび水 温),底 質,地 形(水 深 お よ び内 湾 の形 態)な ど の物 理 化 学 的環 境 要 因 に支 配 され て い る[松 島 ・大 崎   1974]。 これ は,逆 にい え ば あ る環 境 内で 採集 ので き る貝 類 は 限定 され て い る とい う ことで ある 。 しか し貝 塚 か ら発 見 され る貝 種 は,お もに食 糧 と して利 用す るた め に特 定 の貝 種 を人 為 的 に え らん で 採集 した もので あ る。 しか し,貝 を と り,利 用 し,す て る とい うプ ロ セ ス が一 定 の 範 囲 内,す な わ ち貝 塚 を つ く った 人 び との経 済 距 離 の なか で お こ った と い う仮 定 をす れ ば,出 土 す る貝 類 が人 為 的選 択 に よ る もの で あ って も,そ の母 体 と な った 貝 の群 集 を 推 定 す る こ とは不 可 能 で は な い。 それ によ って特 定 グル ープ の 貝塚 の 自然 環 境(た と えば 内 湾 の 砂泥 地)や それ を形 成 した 社 会 の 労 働形 態(た とえ ば水 深 の深 い と ころ に あ る貝 類 を よ く利 用 す る    潜水 技 術 の発 達)な ど を推 測 す るて が か りにな るで あ ろ う。

  分 析 の た め の資 料 と して は 関東 地 方 の 「時 期 の 単一 な」 後 期 の 貝 塚 を え らん だ 。 サ ンプ ル数 が お お い こと,他 の 時期 の要 素 が 入 らな い こ とな ど の理 由 に よ る。 な お サ ン プ ル数 は機 械 的 に1/3に お と した 。 それ は① 結 果 の解 釈 が や さ しい,② コ ン ピュ ー タ 時 間 と費 用 の 節 約,③ 分 散(Variance)を な るべ くちい さ くす る(あ る い は大 サ ンプ ル に よ って お こ る ノイ ズ をす くな くす る)か らで あ る。

451

(15)

命 令 と回答 の うちだ し 頻度

1.ハ マ グ リ を 出 土 し た 貝 塚 を さ が せ 。   SEARCHは エ ン ト リ項 目(ハ マ グ リ)を 検 索   す る た め の 命 令 。 第 一・セ ッ ト(検 索 結 果)が つ    く ら れ る 。

2.ア サ リを だ す 貝 塚 を さ が せ 。(第ニ セ ッ ト) 3.ハ マ グ リの 貝 塚(第 一 セ ッ ト)と ア サ リの 貝 塚    (第 ニ セ ッ ト)を 結 合 せ よ 。

  COMBINEは セ ッ ト を 結 合 す る た め の 命 令 。   第 三 セ ッ トは ノ・マ グ リー ア サ リ を 共 有 す る 貝   塚 群 。

4.シ ジ ミ類 を だ す 貝 塚 を さ が せe(第 四 セ ッ ト)

5。 ハ マ グ リー ア サ リ を 共 有 す る 貝 塚(第 三 セ ッ     ト)と シ ジ ミ類 を だ す 貝 塚(第 四 セ ッ ト)を 結    合 せ よ。 第 五 セ ッ トは ハ マ グ り一 ア サ リー シ    ジ ミ類 を 共 有 す る 貝 塚 群 。

6.千 葉 県 の 貝 塚 を さ が せ 。 第 六 セ ッ トが で き る 。   KCODE  12は 千 葉 県 の コ ー ド。

7,千 葉 県 の 貝 塚(第 六 セ ッ ト)で ハ マ グ リー ア サ    リー シ ジ ミ類(第 五 セ ッ ト)を もつ 貝 塚 を さ が   せ 。 第 七 セ ッ トが で き る 。

b︒

(16)

8.該 当す る貝塚 名 を うちだ せ 。

 DISPLAYは 検 索 結果 をプ リ ン トア ウ トす る   命 令 。

9.該 当 す る 貝 塚 名 を ア ル フ ァ ベ ッ ト順 に う ち だ   せ 。

  SORTは セ ッ トを 指 定 さ れ た 順 目順 に ソ ー ト   す る 命 令 。

10.検 索の プ ロセ ス を うち だせ 。

   ECHOは 入 力 した命 令 の表 示 を要 求 す る。

11.第 七 セ ッ トの で きた プ ロセ ス を うちだ せ 。    DIAGRAMは 作 成 された セ ッ ト・変 数 の通 覧     を要求 す る命 令。

図1  貝 塚デ ー タ ベー ス に よ る情 報検 索 の 一 例

(17)

国立民族学博物館研究報告  5巻2号   a.ク ラ ス タ リ ン グ の 方 法 に つ い て

  複 数 の 要 素 か ら な る デ ー タ集 合 を い くつ か の カ テ ゴ リー に 分 割 す る た め に は,通 分 類 の 基 準 が あ た え られ る 必 要 が あ る 。 これ に た い し,ク ラ ス タ リ ン グ,あ る い は ク ラ ス タ ー 分 析 と は,こ の よ う な 分 類 基 準 を あ た え る こ と な く,要 素 間 相 互 の 類 似 性 を あ らわ す 測 度 に も と つ い て,デ ー タ を 群 に 分 割 す る 方 法 で あ る 。 い い か え れ ば,た い に 近 接 し あ っ た デ ー タ を ま と め て 群 を 形 成 し,各 々 の 群 の 内 部 で の 平 均 的 な 類 似 度 が,異 な る 群 間 に お け る類 似 度 に 比 べ て 大 き く な る よ う に デ ー タ を 分 割 す る の で あ る 。   した が っ て ク ラ ス タ リ ン グ を 行 な う 場 合,留 意 す べ き 点 は つ ぎ の 二 つ で あ る 。   (1)対 象 と す る デ ー タ 集 合 の 任 意 の 二 つ の 要 素 の 間 に,そ れ ら の 類 似 性 を あ ら わ       す 測 度 を 適 切 に 定 義 す る こ と

  (2)定 義 さ れ た 類 似 性 に も と づ き,群 を 形 成 す る 方 法 を 選 択 す る こ と

  本 稿 で は 貝 塚 を ク ラ ス タ リ ン グ す る た め に,出 土 す る 貝 の 種 類 が 二 つ の 貝 塚1こ お い て,ど の 程 度 一 致 して い る か,と い う こ と を 数 量 化 して,類 似 度 と す る 。

  出 土 す る貝 の 種 類 は 資 料 に あ ら わ さ れ て い る が,そ の 数 量 が 不 明 で あ る。 そ こ で あ た え ら れ る 情 報 と して,た と え ば,貝 塚i,j,kに た い し,

  Ki={ハ マ グ リ,ア サ リ,シ ジ ミ}

 Kj={ハ マ グ リ,ア サ リ}      ・  Kk={ハ マ グ リ,ア サ リ,シ ジ ミ,サ ル ボ ウ,ツ メ タ ガ イ,バ イ,シ オ フ キ}

と い う形 式 を か ん が え な け れ ば な ら な い 。 こ こ で,Kt,  Ki, Kkは そ れ ぞ れ の 貝 塚 に お け る 貝 の 集 合 を あ ら わ す も の と す る 。

  そ こ で,貝 塚iと ブ の 類 似 度3(ら の と し て,Ki,  Kdの 両 者 に お い て 一 致 す る 貝 の 種 類 数 を か ん が え て み る こ と に す る 。 こ の 場 合,類 似 度 は,

         S(i,j)=n(Ki∩Kj)

      ={iとjの 両 方 に 現 わ れ る 貝 の 種 類 数}=2          S(i,k)=n(Ki∩Kk)=3

と 計 算 さ れ る 。 た だ しn(Kt)はKtの 要 素 の 数 を あ らわ す 。

  こ の 定 義 に よ れ ば,貝 塚iはjよ り も 貝 塚 た に ち か い,と い う結 果 に な り,あ き ら か に 適 切 で は な い 。 な ぜ な ら,iとjで は,全 部 で3種 類 の 貝 の う ち2種 類 が 一 致 し て い る の に た い し,iとkで は 両 者 あ わ せ て7種 類 の う ち,3種 類 が 一 致 して い る に す ぎ な い か らで あ る 。 し た が っ て,iはkよ り もjに に て い る と か ん が え る ほ う が 自 然 で あ る 。

  こ の こ と は,iとjの 類 似 度 と して, i,j両 方 が も つ 貝 の 種 類 数(要 素 数)に 対 し て,

(18)

及 川 ・宮 本 ・小 山  貝 塚 デ ー タベ ー ス

iとjで 一致 す る要 素 数 との比 をか ん が え るほ うが よ い ことを 意 味 して い る。 そ こで 類 似 度 を

s (i, j)=

S (i, k)=

{iとjの 両 方 に 共 通 な 貝の種 類 数}

{i,jい ず れか に現 わ れ る貝 の種 類 数}

n(K •¿ Kk)

n(K iU Kk)

---7-=0.429 3

n(K •¿ K

n(KiUKj)

_2 =0.667

と 定 義 す る こ と に す る 。

  こ の よ う に 定 義 さ れ た 類 似 度 はJaccardの 係 数 と よ ば れ,名 義 尺 度 を も つ デ ー タ に た い して し ば し ば も ち い られ る 。 よ っ て,本 稿 で も,こ れ を 採 用 す る 。

  一 方,群 の 形 成 に つ い て は,集 合 的 あ る い は 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ と よ ば れ る 方 法 を も ち い る 。 これ に よ れ ば,デ ー タ は,類 似 度 の お お き い 対(pair)か ら 一 つ ず つ 順 に 結 合 さ れ,ク ラ ス タ ー を 形 成 す る 。 結 合 の 各 段 階 で ク ラ ス タ ー の 数 は 前 段 階 よ り一 つ へ り,つ い に は,全 体 集 合 が 一 つ の ク ラ ス タ ー と な る ま で,こ の 手 続 き が つ づ け ら れ る 。 こ の 結 合 過 程 は 図2の よ う に,樹 形 図(dendrogram)と して 表 現 さ れ る 。   こ の 方 法 は,ク ラ ス タ ー 対 の 類 似 度 を 比 較 し て も っ と も お お き い も の か ら結 合 す る

もの で あ る 。 し た が って 結 合 の 結 果 う ま れ た あ た ら し い ク ラ ス タ ー と 他 の ク ラ ス タ ー の 類 似 度 を,各 段 で 再 計 算 しな け れ ば な ら な い 。 こ の 計 算 に は,い くつ か 異 な っ た 方 法 が あ る が,こ こ で は,結 合 の 結 果 で き る グ ル ー プ の 内 部 の 平 均 類 似 度 が 最 大 に な る も の か ら順 に結 合 し て い く方 法(群 内 平 均 法)[ANDERBERG  1973:139]を と る こ と に した 。

  す な わ ち,ク ラ ス タ ーiと 」 が 結 合 し てkが 生 じ た と き,ク ラ ス タ ー1と の 類 似 度

S (k, 1)=S (i, 1)+S (j, 1)

に よ って 計 算 す る。

一 方,各 グル ープ 内 の類 似 度 の 総 和SUM(),お よび 要素 の数N()を

SUM(k) =SUM(i) +SUM( j) +S(i, j) N (k)= N (i)d- N (j)

で定 義 して お き,こ れ か ら,次 の 段 階 で 結合 すべ き ク ラ ス ター の 対 と して 類 似 度 の 群 内 平 均

SUM(k, 1) = SUM(k) ±SUM(/) -I-S(k, 1) {N (k)+N (1)} IN (k)d- N (1)-1}

を 最 大 に す る もの が選 ば れ る。

455

(19)

国立民族学博物館研究報告   5巻2号

図2

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及 川 ・宮 本 ・小 山   貝 塚 デ ー タベ ー ス

  こ の 過 程 は プ ロ グ ラ ム 化 さ れ,筑 波 大 学 学 術 情 報 処 理 セ ン タ ー の 大 型 計 算 機 に よ り 使 用 で き る よ う に な って い る 。

  b.ク ラ ス タ ー の 特 色

  ク ラ ス タ ー 分 析 の 結 果 関 東 地 方 の 後 期 貝 塚 は8群 に わ か れ た 。 第 一 群(サ ン プ ル#1‑9)  シ ジ ミ4)だ け を だ す グ ル ー プ

第 二 群(サ ン プ ル#10‑21)  シ ジ ミ(主 と して ヤ マ ト シ ジ ミ)を 第 一 要 素 と し,カ   キ5),ハ マ グ リを 二 次 的 共 通 要 素 と す る。 淡 水 産 貝 の 要 素 が つ よ い 。

第 三 群(サ ン プ ル#22‑‑26)  シ ジ ミ,タ ニ シ を 第 一 要 素,チ リメ ン カ ワ ニ ナ,ハ   グ リを 第 二 要 素6)と す る グ ル ー プ 。 淡 水 産 貝 の 要 素 が つ よ い 。

第 四 群(サ ンプ ル#27‑33)  ヤ マ トシ ジ ミ,ハ マ グ リ,ア カ ニ シ,オ キ シ ジ ミを 第   一 要 素,カ キ,シ オ フ キ,サ ル ボ ウ,オ オ ノ ガ イ を 第 二 要 素 と す る 。 ほ か に,カ   ニ ナ,マ シ ジ ミ,マ イ マ イ,¶サ ビ シ ラ ト リ も お お い 。

第 五 群(サ ン プ ル#34‑53)  ハ マ グ リを 第 一 要 素 と し ア サ リ,ア カ ニ シ,カ キ,サ   ル ボ ウ が 第 二 要 素 と な っ て い る 。 ハ イ ガ イ,オ キ シ ジ ミ,カ ガ ミガ イ,ツ メ タ ガ イ   の 要 素 の よ わ い もの をa群(#34‑44),つ よ い もの をb群(#45‑53)と わ け る こ   と が で き る。

第 六 群(サ ン プ ル#54,55)  サ ン プ ル 数 が 少 な い が,基 本 的 要 素 は 第 七,八 群 と 似   て い る ほ か,ツ ノ ガ イ,カ コ ボ ラ な ど 外 洋 性 の つ よ い 貝 類 を 含 む の が 特 徴 的 な も の 。

4)SAKAZUME『 フ ァイル で は シジ ミ類 と分 類 されて い る。

5)SAKAZUMEフ ァイル で カ キ と あ る もの は イ タボ ガ キ,マ ガ キ,イ ワガ キ の細 分 さ れて な   い もので あ るす 細 分 の あ る もの もカ キ類 と して一 括 した。

  6)第 一 要 素,第 二 要 素 な ど は は っ き り した 数 値 に よ る もので は な い。 群 内出現 率(%)は 表10   を 参照 。

表10  ク ラス タ ー群別 主 要 貝 類 出現 率

貝 の種類

1 2 3 4 5 6 7 8

9 9 5  7 20  2 12  8

タ  カ  シ    ワニ      

シ  ナ  ミ 0 0 10  7  1  0  0  0

010 110 810 710 13 00 23 03

0 8 8 10 10  5 10  9

0 7  2 9 8 10 8 9

0  3  0 10  7 10  9 10

 0  2  4 10  6  0  9  8

0  3  6 9  8 10  8  9

0 0 0  3 3 10  9  9

0 3 0 3 7 0 8 8

00 14 00 39 46 50 87 810

0 3 4 9 3 0 7 5

00 21 20 63 31 010 67 95

0 1 0 1 1 0 8 6 出現 率(A)はA=・n*101Nの 式 で 求 め た  N:群 の サ ンプ ル数n:貝 類 の 出 現頻 度

457

(21)

      国立民族学博物館研 究報 告  5巻2号 第 七 群(サ ン プ ル#  56‑67)ハ マ グ リ,ア カ ニ シ,オ キ シ ジ ミ,ツ メ タ ガ イ を 第 一一)   ウ ミニ ナ,カ キ,カ ガ ミガ イ,ア サ リ,サ ル ボ ウ を 第 二,シ オ7キ,オ オ ノ ガ イ,   イ ボ キ サ ゴ を 第 三 要 素 と す る 。 基 本 的 要 素 の 数 が ふ え,採 集 す る 貝 種 揮 お お く,ベ   ン ケ イ ガ イ(5〜10m),ヤ ツ シ ロ ガ イ(5〜10m),イ タ ヤ ガ イ(10〜50  m)な ど の   生 息 地 が ふ か い 貝 種 の 採 集 が 一 般 的 に な っ て お り,海 環 境 へ の 適 応 が つ よ く な った   グ ル ー プ で あ る 。

第 八 群(サ ン プ ル#68‑75)基 本 的 な 貝 の 組 合 わ せ は 第 七 群 と よ くに た も の で あ る   が,貝 種 が す く な い の と ア カ ニ シが 第 一 要 素 と な り,第 七 群 に な か っ た シ ジ ミ,ハ   イ ガ イ,バ イ が め だ つ 。

  各 群 は(1,2),(3),(4,5),(6,7,8)と 大 別 で き,さ ら に(1,2)と(3)以 下 が ゆ るや か に 結 合 す る 構 成 に な って い る(図2)。

  c.ク ラ ス タ ー の 分 布

  ク ラ ス タ ー 化 さ れ た 貝 塚 を マ ッ ピ ン グ して み る と 図3の よ う に な る 。 群 の な か に は 地 理 的 な ま と ま りを よ く し め す も の が あ る 。

  第 一 群 は 千 葉,茨 城 両 県 の 現 利 根 川 の ま わ り に ひ ろ が る湖 沼 の お お い 地 域 に 分 布 し て い る 。 シ ジ ミ類 だ け の 単 純 な 構 成 か ら,こ の 地 域 は 海 退 と と も に 淡 水 の 湖 沼 の 形 成 が は じ ま っ て い た こ と を う か が わ せ る 。

図3  ク ラス タ リング に よ る関東 地 方 縄 文後 期 貝 塚 の分 布 地 図      海 岸 線 は[遠 藤   1972]に よ る

参照

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