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Academic year: 2021

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(1)

過酷環境下において長期供用された 軍艦島護岸コンクリートの品質評価

中山大誠

*

・柿野陽太

**

・佐々木謙二

***

・原田哲夫

***

Quality Evaluation of the Long-term Exposed Gunkanjima Shore Core in Severe Environment

by

Taisei NAKAYAMA*, Yota KAKINO**, Kenji SASAKI*** and Tetsuo HARADA***

It is very important to understand the long-term exposed concrete durability in actual environment to conduct appropriate maintenance and long-term performance predict of concrete structure. In this study, the experiment is conducted about compressive strength, carbonation, and chloride ion penetration to research Gunkanjima shore core after long-term service. From the experiment result, it is conformed that shore core in Gunkanjima is general healthy while supersonic waves spread speed and compressive strength of shore core in the surface is slightly small. Moreover it is found that large quality deference exists in respect of carbonation and total chloride ion concentration distribution of core in both of sea side and island inside.

Key words : Gunkanjima, Shore, Compressive strength, Carbonation, Total chloride ion concentration distribution

1.はじめに

実環境下で長期供用されたコンクリートの耐久性 を把握することは,コンクリート構造物の長期性能予 測および適切な維持管理を行う上で重要である.沿岸 域に建設される護岸等のコンクリート構造物は,海洋 の影響を強く受けるため,RC では鉄筋腐食が,無筋コ ンクリートでは海水や波浪などによるコンクリート の劣化が懸念される.

軍艦島(正式名称:端島)は,長崎半島から西に約 4.5km,長崎港から南西に約 19km の沖合に位置し,南 北約 480m,東西約 160m,外周約 1.2km の島である.

島の外周は直立式のコンクリート製護岸となってい る.護岸は苛酷な環境下にある軍艦島が存続するため に不可欠なものである.よって,軍艦島の護岸の構造

令和元年 7 月 12 日受理

*

総合工学専攻(Graduate Student, Department of Advanced Engineering)

**

福岡県庁(

Fukuoka Prefectural government

)

***

システム科学部門(

Division of System Science

)

Fig. 1 護岸の構造の一例

(2)

Fig. 2 コア採取位置

(a) SP.5 (b) SP.22 (c) SP.29 (d) SP.38

(e) SP.42 (f) SP.47 (g) SP.56 (h) SP.60

Fig. 3 コア採取位置断面の詳細

(3)

的変状や材料特性を把握することは軍艦島の保全に とって重要であるといえる.軍艦島のコンクリート製 の護岸の品質については,島内側より採取したコアに よる結果が既に報告されている

1)~4)

が,海側の護岸コ ンクリートの品質,中性化進行,塩化物イオン浸透状 況については明らかでない.

本研究では,長期供用された軍艦島護岸コンクリー トの品質およびその耐久性を評価することを目的に,

海側,島内側の両方より採取したコアを用いて調査を 実施した.

2.軍艦島の護岸の概要

軍艦島は,明治期以降 6 回にわたって拡張され,現 在は島の外周に築造された直立式のコンクリート製護 岸によって取り囲まれている.現在の護岸構造の一例 を Fig. 1 に示す.資料

5)

によると,大正末期までは主 に長崎特有の天川と呼ばれる赤土と石灰の混合物を凝 固材とした岩石を積んだ石垣構造で築造されたが,昭 和初期以降はコンクリート構造が用いられた.また,

この島はたびたび台風により大きな被害を受け,護岸 も局部的に倒壊や破損を生じたが,コンクリートによ る再構築や旧来の天川護岸の海側あるいは陸側にコン クリートを巻き立てる補強がなされてきた.

3.調査概要 3.1 採取コアの概要

Fig. 2 に示す 9 箇所(海側:5 箇所,島内側:4 箇 所)においてコアを採取した.コア採取位置の詳細を Fig. 3 に示す.なお,いずれの施設も建設時の詳細な 資料はなく,使用材料やコンクリートの配合等は不明 である.参考文献

5)~7)

に記載の写真をもとに施工時期 を推定し,コア採取時までの供用期間を推定した結果 を Table 1 に示す.護岸コンクリートの特徴としては,

15cm~30cm 程度の大粒径の骨材(石材)が含まれてお り,大粒径の骨材を用いた配合あるいは施工方法が採 用されていたと推察される.使用されたコンクリート の最大粗骨材寸法は 40mm 程度であった.

3.2 調査内容 (1) 超音波伝搬速度

超音波伝搬速度は,コア表面より 2.5cm ピッチで直 接法により測定した

.

(2) 圧縮強度・静弾性係数

採取コアを

φ

75×80~130mm 程度に切断し,JIS A 1107「コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強 度試験方法」に従い圧縮強度を測定した.その際に,

Table 1 コアの推定施工時期,供用期間

コア名称 位置 推定施工時期 推定供用期間

SP.42 西部/海側 昭和初期 85年 SP.47 西部/海側 昭和初期 85年 SP.49 西部/海側 昭和初期 85年 SP.56 北部/海側 昭和初期 85年 SP.60 北部/海側 昭和初期 85年 SP.5 東部/島内側 昭和6年 84年 SP.22 南部/島内側 昭和前半 80年 SP.29 南部/島内側 昭和30年代 55年 SP.38 西部/島内側 昭和前半 80年

Fig. 4 コアの外観と超音波伝搬速度(SP.49)

2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 5500

0 20 40 60 80 100 120 140 SP.42(西部下部)

SP.49(西部上部)

超音波伝搬速度(m/s)

表面からの距離(cm)

海側

2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 5500

0 20 40 60 80 100 120 140 SP.5(東部) SP.22(南部) SP.38(西部)

超音波伝搬速度(m/s)

表面からの距離(cm)

島内側

(a)海側 (b)島内側 Fig. 5 超音波伝搬速度の深さ方向分布

2500 3000 3500 4000 4500

SP.5 SP.22 SP.29 SP.38 SP.42 SP.49

SP.5(島内側東部) SP.22(島内側南部) SP.29(島内側南部) SP.38(島内側西部) SP.42(海側西部下部) SP.49(海側西部上部)

超音波伝搬速度(m/s)

Fig. 6 コンクリート部の超音波伝搬速度

(4)

試験体側面に添付したひずみゲージによりひずみを測 定し,静弾性係数を算出した.

(3) 中性化深さ

採 取 し た コ ア の 表 面 部 を 用 い , 割 裂 し た 後 に フ ェ ノールフタレイン溶液を噴霧し,24 時間経過後に中性 化深さを測定した.

(4) 全塩化物イオン濃度

コア表面から 2cm の深さごとに試料を採取し,全塩 化物イオン濃度を JIS A 1154「硬化コンクリート中に 含まれる塩化物イオンの試験方法」に準拠し,塩化物 イオン電極を用いた電位差滴定法により測定した.そ の結果を Fick の拡散方程式の解で回帰して,表面塩化 物イオン濃度と見掛けの拡散係数を算出した.表面塩 化物イオン濃度と見掛けの拡散係数を算出する際に使 用した初期塩化物イオン濃度は,外来塩分の影響を受 けていないと考えられる深さ 40~60cm 位置より採取 した試料の全塩化物イオン濃度の値を用いた.

4.調査結果および考察

4.1 超音波伝搬速度

Fig. 4 に海側より採取した SP.49 コアの外観と超音 波伝搬速度分布を示す.このコアのコンクリート部に おける超音波伝搬速度は,3500~4500(m/s)程度の範囲 に分布しており,超音波伝搬速度 4500(m/s)以上の部 分にはコア断面全体を大粒形骨材(粗石)が占めてい る.コア内部の 120cm 程度の位置には,超音波伝搬速 度が 2500~3000(m/s)程度の石積護岸に用いられてい たと思われる砂岩があり,さらにその奥側には超音波 伝搬速度が 2000~2500(m/s)程度の天川がある.

Fig. 5 に超音波伝搬速度の深さ方向分布を示す.海 側から採取したコア,島内側から採取したコアともに 表面部に超音波伝搬速度がやや低い領域が確認される が,島内側のコアの方がその範囲が大きい.これは,

島内側の方が乾湿繰返しの影響を受けやすく,表面付 近の劣化が進んでいるためであると考えられる.しか し超 音 波伝 搬 速度 が 低く な って い る領 域 は, コ ンク リートの部材厚全体から考えると極限られた表面部分 だけであり,超音波伝搬速度の観点からだけではある が,80 年程度経過している過酷環境下にある護岸コン クリートの材料品質としては比較的健全な品質を保っ ていると言える.

Fig. 6 にコンクリート部の超音波伝搬速度の平均値 を示す.島内側のコア、海側のコアともにばらつきは 大きいものの,島内側のコアと海側のコアを比較する と,概ね海側のコアの超音波伝搬速度の方が大きいこ

0 10 20 30 40 50

0 20 40 60 80 100 120 140 SP.42(西部下部) SP.47(西部上部)

SP.49(西部上部) SP.56(北部上部) SP.60(北部下部) 圧縮強度(N/mm2)

表面からの距離(cm)

海側

0 10 20 30 40 50

0 20 40 60 80 100 120 140 SP.5(東部) SP.22(南部) SP.29(南部) SP.38(西部) 圧縮強度(N/mm2)

表面からの距離(cm)

島内側

(a)海側 (b)島内側 Fig. 7 圧縮強度

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 20 40 60 80 100 120 140 SP.42(西部下部) SP.47(西部上部)

SP.49(西部上部) SP.56(北部上部) SP.60(北部下部) 静弾性係数(kN/mm2)

表面からの距離(cm)

海側

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 20 40 60 80 100 120140 SP.5(東部) SP.22(南部) SP.29(南部) SP.38(西部) 静弾性係数(kN/mm2)

表面からの距離(cm)

島内側

(a)海側 (b)島内側 Fig. 8 静弾性係数

0 10 20 30 40 50

0 10 20 30 40 50

SP.42 SP.47 SP.49 SP.56 SP.60 RC示方書 静弾性係数(kN/mm2)

圧縮強度(N/mm2) 海側

0

10 20 30 40 50

0 10 20 30 40 50

SP.5 SP.22 SP.29 SP.38 RC示方書

静弾性係数(kN/mm2)

圧縮強度(N/mm2) 島内側

(a)海側 (b)島内側 Fig. 9 圧縮強度と静弾性係数の関係

0 10 20 30 40 50

3600 3700 3800 3900 4000 4100 4200 4300 4400 SP.42(西部下部)

SP.49(西部上部)

静弾性係数(kN/mm2)

超音波伝搬速度(m/s)

海側

0 10 20 30 40 50

3600 3700 3800 3900 4000 4100 4200 4300 4400 SP.5(東部)

SP.22(南部) SP.29(南部) SP.38(西部)

静弾性係数(kN/mm2)

超音波伝搬速度(m/s)

島内側

(a)海側 (b)島内側 Fig. 10 超音波伝搬速度と静弾性係数の関係

0 10 20 30 40 50

3600 3700 3800 3900 4000 4100 4200 4300 4400 SP.42(西部下部)

SP.49(西部上部)

圧縮強度(N/mm2)

超音波伝搬速度(m/s)

海側

0 10 20 30 40 50

3600 3700 3800 3900 4000 4100 4200 4300 4400 SP.5(東部)

SP.22(南部) SP.29(南部) SP.38(西部)

圧縮強度(N/mm2)

超音波伝搬速度(m/s)

島内側

(a)海側 (b)島内側

Fig. 11 超音波伝搬速度と圧縮強度の関係

(5)

とが分かる.

4.2 圧縮強度・静弾性係数

Fig. 7 に圧縮強度の深さ方向分布を示す.コアによ り異なる傾向を示す場合もあるものの,概ね深さ方向 で同程度の圧縮強度,または深部のコンクリートの方 が圧縮強度がやや大きくなる傾向が認められる.いず れのコアにおいても圧縮強度は 21N/mm

2

程度以上の値 であり,十分な強度を保持していると考えられる.海 側,島内側いずれのコアにおいても表層部の著しい強 度低下はなく,80 年程度経過しているものの構造上問 題となるような強度低下は認められない.

Fig. 8 に静弾性係数の深さ方向分布を示す.圧縮強 度はおおよそ 20~30 N/mm

2

の範囲に分布しているもの が多かったが,静弾性係数は同一のコアにおいても差 が大きく,表面から同程度の距離における各コア間の 差も大きいことが確認される.

Fig. 9 に圧縮強度と静弾性係数の関係を示す.図中 には,土木学会コンクリート標準示方書[設計編]に 示されている圧縮強度と静弾性係数の関係も併記して いる.海側のコア,島内側のコアともにばらつきが大 きく,全体的に示方書の関係よりも下側になっている.

同程度の圧縮強度における静弾性係数を,島内側より 採取したコアと海側から採取したコアで比較すると,

島内側のコアの方がやや下側にある傾向が見て取れる.

これは島内側の方が乾燥しやすく,乾湿繰返しによる 劣化が幾分進みやすかったためと考えられる.

Fig. 10 に超音波伝搬速度と静弾性係数の関係を示 す.超音波伝搬速度は,理論的には静弾性係数の平方 根と比例関係にあることが知られているが,本研究に おけるコンクリートコアにおいても,ばらつきはある ものの超音波伝搬速度と静弾性係数には相関関係があ ることが確認される.

Fig. 11 に超音波伝搬速度と圧縮強度の関係を示す.

超音波伝搬速度と圧縮強度には直接的な関係はないが,

コンクリートにおいては一般に圧縮強度が大きくなる と静弾性係数が大きくなることから,超音波伝搬速度 が大きくなると圧縮強度が大きくなると考えられるが,

圧縮強度と静弾性係数の関係が大きくばらついていた こともあり,SP.49 や SP.5 のコアにおいては逆の傾向 となった.

4.3 中性化

Fig. 12 に√t 則に基づき中性化深さの測定結果より 求めた中性化速度係数を示す.海側より採取したコア,

島内側より採取したコアのいずれの場合においても,

コア採取箇所により中性化速度係数に大きなばらつき はあるものの,概ね島内側のコアの方が中性化速度係 数が大きな傾向が認められる.海側から採取したコア でも SP.49 のように中性化速度係数が島内側のコアと 同程度の場合もあるが,護岸の上部より採取しており,

比較的中性化が進行しやすい環境にあったためと考え らえる.

Fig. 13 に圧縮強度と中性化速度係数の関係を示す.

一般的には,圧縮強度が大きくなると中性化速度係数 は小さくなる傾向にあるが,海側のコアについては圧

0 1 2 3 4 5

SP.42 SP.47 SP.49 SP.56 SP.60

SP.42(西部下部) SP.47(西部上部) SP.49(西部上部) SP.56(北部上部) SP.60(北部下部) 中性化速度係数(mm/year0.5)

海側

0 1 2 3 4 5

SP.5 SP.22 SP.29 SP.38

SP.5(東部)

SP.22(南部)

SP.29(南部)

SP.38(西部)

中性化速度係数(mm/year0.5) 島内側

(a)海側 (b)島内側 Fig. 12 中性化速度係数

0 2 4 6 8

SP.42(西部下部) SP.47(西部上部)

SP.49(西部上部) SP.56(北部上部) SP.60(北部下部)

0 10 20 30 40

中性化速度係数(mm/year0.5)

圧縮強度(N/mm2) 海側

0 2 4 6 8

SP.5(東部) SP.22(南部)

SP.29(南部)

SP.38(西部)

0 10 20 30 40

中性化速度係数(mm/year0.5)

圧縮強度(N/mm2) 島内側

(a)海側 (b)島内側

Fig. 13 圧縮強度と中性化速度係数の関係

(6)

縮強 度 と中 性 化速 度 係数 に 明確 に 関係 は 確認 さ れな かった.一方,島内側のコアについては,東部の護岸 より採取した SP.5 を除くと,圧縮強度が大きくなると 中性化速度係数が小さくなる傾向が確認される.同程 度の圧縮強度である SP.5 と SP.29 の中性化速度係数を 比較すると,東部の護岸から採取した SP.5 の方が中性 化速度係数が 2 倍程度大きくなっている。これは,

SP.29 は南部の護岸であり外洋に比較的面しており,

越波量が多く島内側護岸表層部が比較的湿潤状態にあ り中性化が進行しにくかった一方,SP.5 は外洋に面し ておらず,越波量も少なく,比較的乾燥もしやすく中 性化が相対的に進行しやすい環境にあったためと考え られる.

4.4 全塩化物イオン濃度分布

Fig. 14 に海側より採取したコアの全塩化物イオン 濃度分布を示す.西部の護岸より採取した SP.47 と SP.42 を比較すると,圧倒的に護岸下部の SP.42 の塩 分浸透量が多いが,北部の護岸より採取した SP.56 と SP.60 とでは西部ほど護岸上部と下部の差が大きくは ない.これは,西部の SP.47 と SP.42 はコアを採取し た護岸面がほとんど同じ方向を向いているが,北部の SP.56 と SP.60 はコアを採取した護岸面が 90°異なっ てお り ,向 き の違 い によ っ て塩 分 供給 量 が大 き く異 なったためと考えられる.また圧縮強度が 20~25N/mm

2

程度である SP.56 や SP.60 の塩分浸透域の全塩化物イ オン濃度分布の傾きは,圧縮強度が 30N/mm

2

程度であ る SP.47 や SP.42 の傾きと比べてなだらかであり,よ り内部まで塩化物イオンが浸透している傾向が確認さ れる.

Fig. 15 に島内側より採取したコアの全塩化物イオ ン濃度分布を示す.西部の島内側からコアを採取した SP.38 と同じ西部の海側からコアを採取した SP.42,

SP.47 と比較すると,SP.38 の表層部の塩分浸透量は SP.42,SP.47 よりも小さくなった.一方で,中性化に よる塩分の濃縮により、内部の塩分浸透量は SP.42,

SP.47 よりも大きくなった.他の島内側から採取した

Ci : 3.47kg/m3 C0: 16.2kg/m3 Dap: 0.135cm2/年

0 10 20 30 40

SP.47(西部上部) 回帰曲線(SP.47)

0 5 10 15 20

全塩化物イオン濃度(kg/m3)

深さ(cm)

中性化深さ 0.547cm

Ci : 4.14kg/m3 C0: 30.7kg/m3 Dap: 0.391cm2/年

0 10 20 30 40

SP.42(西部下部) 回帰曲線(SP.42)

0 5 10 15 20

全塩化物イオン濃度(kg/m3)

深さ(cm)

中性化深さ 1.34cm

Ci : 7.23kg/m3 C0 : 23.0kg/m3 Dap: 0.400cm2/年

0 10 20 30 40

SP.56(北部上部) 回帰曲線(SP.56)

0 5 10 15 20

全塩化物イオン濃度(kg/m3)

深さ(cm)

中性化深さ 1.15cm

Ci : 9.32kg/m3 C0 : 16.8kg/m3 Dap: 0.529cm2/年

0 10 20 30 40

SP.60(北部下部) 回帰曲線(SP.60)

0 5 10 15 20

全塩化物イオン濃度(kg/m3)

深さ(cm)

中性化深さ 0.490mm

Fig. 14 全塩化物イオン濃度分布(海側)

0 10 20 30 40

SP.5(東部)

0 5 10 15 20

全塩化物イオン濃度(kg/m3)

深さ(cm)

中性化深さ 4.30cm

Ci : 0.604kg/m3 C0: 9.72kg/m3 Dap: 0.201cm2/年

0 10 20 30 40

SP.22(南部) 回帰曲線(SP.22)

0 5 10 15 20

全塩化物イオン濃度(kg/m3)

深さ(cm)

中性化深さ 2.68cm

0 10 20 30 40

SP.38(西部)

0 5 10 15 20

全塩化物イオン濃度(kg/m3)

深さ(cm)

中性化深さ 3.12cm

Fig. 15 全塩化物イオン濃度分布(島内側)

0 0.5 1 1.5 2

SP.42(西部下部) SP.47(西部上部)

SP.56(北部上部) SP.60(北部下部)

0 10 20 30 40

塩化物イオンの 見掛けの拡散係数(cm2 /年)

圧縮強度(N/mm2) 海側

Fig. 16 圧縮強度と塩化物イオンの

見掛けの拡散係数の関係

(7)

SP.5,SP.22 も中性化による塩分の濃縮が見られ,海 側から採取したコアとは異なる傾向が確認された.

Fig. 16 に圧縮強度と見掛けの拡散係数の関係を示 す.護岸海側上部より採取した SP.47,SP.56 と,護岸 海側下部より採取した SP.42,SP.60 とに分けてみると,

それぞれの場合において圧縮強度が大きくなると見掛 けの拡散係数が小さくなる傾向が確認される.これは,

圧縮強度,見掛けの拡散係数ともに水セメント比と相 関があるためと考えられる.また護岸上部と下部とで 圧縮強度と見掛けの拡散係数が別の関係となるのは,

実構造物の見掛けの拡散係数は材料本来の物質移動抵 抗性だけでなく,環境条件の影響も含んだものとして 評価されるためであり,直接的な海水の影響をより高 頻度で受ける護岸下部の方が見掛けの拡散係数が大き くなっている.

5.まとめ

本研究により得られた知見は,以下の通りである.

(1)

海側,島内側ともに護岸コンクリートコアの超音 波伝搬速度や圧縮強度は,表面付近においてがやや 小さくなったものの,概ね健全であることが確認さ れた.

(2)

護岸コンクリートの中性化速度係数は,海側と島 内側とで大きく異なり,島内側の中性化速度係数が 大きいことが確認された.

(3)

海側の護岸コンクリートの塩分浸透状況は,コア 採取位置の方位や高さにより大きく異なることが確 認された.

謝辞:本研究は,長崎市の特別の許可のもと実施され たことを付記し,関係各位に謝意を表します.

また本研究は,科学研究費助成事業(科学研究費補 助金(基盤研究

(

B

)

),課題番号:15H04027)の一環と して実施したものである.ここに記して,関係各位に 謝意を表します.

参考文献

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2)

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6)

端島閉山

40

周年記念事業実行委員会編:

GREAT HASHIMA 大いなる端島,忘羊社,2014.7 7)

「 想 像 と 記 憶 ( 端 島 ・ 軍 艦 島 )」 ホ ー ム ペ ー ジ :

http://www6.cncm.ne.jp/~hashima/

図

Fig. 1  護岸の構造の一例
Fig. 2  コア採取位置

参照

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