平成 28 年度 博士学位論文
PXB マウスおよび Cyp3a KO ヒト肝キメラマウスを用いたヒト代謝予測の効率 化に関する研究
アステラス製薬株式会社 研究本部 薬物動態研究所
中田 直之
略語表
本論文において以下の略語を用いた
APCI atmospheric pressure
chemical ionization AUC 血漿中濃度曲線下面積
CL クリアランス CL/F 経口クリアランス CLH 肝クリアランス Cmax 最高血漿中濃度
Cyp マウスチトクロームP450 CYP ヒトチトクロームP450
ESI electrospray ionization F バイオアベイラビリティ
fB タンパク非結合型分率 FDA 米国食品医薬品局
FRG
fumarylacetoacetate hydrolase/recombination activating gene
2/interleukin common gamma chain triple knockout
HMBC 異種核多結合相関法
HPLC 高速液体クロマトグラフィ ICH 日米欧医薬品規制調和国際会議
ID internal diameter KO ノックアウト
LC 液体クロマトグラフィ mCPP メタクロロフェニルピペラジン
MRP2 multidrug
resistance-associated
protein 2 MS 質量分析法、質量分析計
MS/MS タンデム質量分析法、タンデ
ム質量分析計 NADPH ニコチンアミドアデニンジヌク レオチドリン酸
NEF ネファゾドン NMR 核磁気共鳴分光法、核磁気共鳴分 光計
OATP1B1 organic anion transporting polypeptide 1B1 OH-NEF ネファゾドン水酸化体
p-OH-NEF ネファゾドン-p-水酸化体 QH 肝血流量
R ヒト肝置換率 RAD 放射線検出器
ROESY 回転フレーム核オーバーハ
ウザー効果分光法 SCID 重度複合免疫不全
SDラット Sprague Dawleyラット TD ネファゾドントリアゾールジオ ン体
TK-NOG
non-obese diabetic/Shi-scid IL2 receptor gamma–null mice expressing a herpes simplex virus type-1 thymidine kinase transgene
t1/2 半減期
tmax 最高血漿中濃度到達時間 uPA ウロキナーゼ型プラスミノゲン 活性化因子
UV 紫外線、紫外検出器
目次
第1章 諸言 ... 1
第2章 YM758のマウス、ラット、ウサギ、イヌおよびサル代謝プロファイル ... 8
第1節 ラット血漿、尿および胆汁中代謝物検索 ... 9
第2節 マウス、ラット、ウサギ、イヌおよびサルにおける血漿中代謝物の同定 ...12
第3節 ラット代謝物の構造解析 ...14
第4節 小括 ...18
第3章 PXBマウスを用いたヒト代謝物の予測...19
第1節 ICRマウス、PXBマウスおよびヒトにおける化合物Aの代謝に関する検討 .20 第2節 uPA/SCIDマウスおよびPXBマウスにおけるアモスラロール代謝物の定量 ..21
第3節 小括 ...23
第4章 uPA/SCID マウス、SD ラット、PXBマウスおよびヒトにおける ASP015K の 代謝に関する研究 ...25
第1節 SDラットおよびヒトにおけるASP015K代謝物の構造解析 ...26
第2節 uPA/SCID マウス、SD ラット、PXB マウスおよびヒトにおける ASP015Kの 代謝物比較 ...29
第3節 小括 ...32
第5章 Cyp3a KOヒト肝キメラマウスにおけるNEFの代謝に関する研究 ...34
第1節 SCIDマウス、Cyp3a KOマウス、PXBマウスおよびCyp3a KOヒト肝キメラ マウスにおけるNEFの代謝物検索 ...35
第2節 NEFのSCIDマウス、Cyp3a KOマウス、PXBマウスおよびCyp3a KOヒト 肝キメラマウスにおけるIn vivo薬物動態解析 ...39
第3節 NEFのICRマウス、Cyp3a KOマウスおよびヒトにおけるIn vitro薬物動態解 析 ...42
第4節 小括 ...44
第6章 総括 ...45
第7章 方法 ...49
第1節 被験物質および試薬 ...49
第2節 使用機器 ...49
第3節 使用動物 ...50
第4節 動物実験およびin vitro代謝実験...50
第5節 分析および解析条件 ...54
参考文献 ...63
1 第1章 諸言
創薬化学の進歩による合成技術向上や、コンビナトリアルケミストリーの導入、一連の 合成化合物をライブラリーとして購入できるようになったことから、数多くの化合物が医薬 候補化合物として薬理作用のスクリーニングに供されるようになった。創薬の過程において は、実に1万種類以上の化合物が検討され、実際に数百から数千種類の化合物が合成される。
さらに、スクリーニングおよび動物実験などで十数種類にまで絞り込み、臨床試験などを経 て、ようやく1つ新薬が世に出ると言われる。1990年代前半頃までは、臨床試験の途中で 開発中止となる最大の理由として、候補化合物の薬物動態特性の悪さが挙げられていた (Figure 1)1。
Figure 1. 医薬品の開発中止に占める理由の割合1
2
現在、医薬候補品の薬物動態特性を明らかにするため、多くの動物実験が行われている。
しかしながら、ヒトと動物の体内動態には相違があり、単純に実験動物の結果をヒトに反映 できない。その相違点の一つとして、主な消失過程である代謝のプロファイルが、実験動物 とヒトで異なることが指摘された2,3。1990年代後半以降、ヒト生体組織を利用した薬物動 態研究が可能となり、国内外の製薬企業は開発の初期段階における代謝プロファイル評価に 注力した研究開発体制を構築した。そのため、2000年の調査では医薬品の開発中止が薬物 動態に起因する割合は大幅に減少した (Figure 1)1。しかしながら、薬効不足および副作用が 原因で開発中止となったものについても、薬物動態が問題となっている例が未だに多いこと が指摘されており1、ヒトにおける開発候補医薬品の代謝プロファイル予測には多くの課題 が残されている。
一般的には、ヒトの代謝プロファイルを予測するために、ヒト凍結肝細胞を利用したIn
vitro研究が実施される3-5。しかし、Dalvieらの報告によると、この手法による第1相反応
による代謝物の予測成功率は50-69%、その後の第2相反応による代謝物の予測成功率につ いては47%未満であり6、未だ正確な予測は難しい。特に、チトクロームP450を代表とす る薬物代謝酵素の第1相反応により生成される代謝物は、未変化体と化学構造や物性が類似 していることから、しばしば薬効や毒性を発現することがある7,8。さらに、反応性代謝物が 生成され、重大な副作用につながる例も多く報告されている9-13。近年、米国食品医薬品局
(FDA)および日米欧医薬品規制調和国際会議(ICH)により、薬物代謝物の安全性試験に 関するガイドラインが作成され14,15、開発早期から、医薬品のヒト代謝プロファイルを明ら かにすることが求められている。
ヒト肝キメラマウスとは、マウスの生体内においてヒト肝細胞を生着させたマウスのこ とである。現在、ヒト肝キメラマウスは、その作製法により、Oregon Health and Science UniversityのMarkus教授により開発されたfumarylacetoacetate hydrolase/recombination
3
activating gene 2/interleukin common gamma chain triple knockout (FRG) マウス16、公益財団法 人実験動物中央研究所において開発されたnon-obese diabetic/Shi-scid IL2 receptor gamma–
null mice expressing a herpes simplex virus type-1 thymidine kinase transgene (TK-NOG) マウス17、 そして、広島大学・吉里勝利名誉教授らの研究グループによって開発され、本研究の開始当 時には既に利用が可能であったPXBマウス18に分類される。PXBマウスは、肝臓に障害を 持つウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子トランスジェニックマウス(uPAマウス)と T細胞およびB細胞を持たない重度複合免疫不全マウス(SCIDマウス)の掛け合わせによ り、どちらの形質もホモ接合体であるuPA/SCIDマウスを作製し、このマウスに約100万個 のヒト肝細胞を脾臓経由で移植して作製されたヒト肝キメラマウスである18。移植後は、約 2ヶ月で肝臓がヒト肝細胞に置換される18。PXBマウスは、B型並びにC型肝炎ウイルスに も感染することが確認されており、ウイルス増殖メカニズムの解明や抗ウイルス薬の研究に 利用されている19,20。また、このマウスの肝臓は正常な組織構造を示し、ヒトアルブミンの 産生、ヒト代謝酵素並びにトランスポーターの発現および活性、ヒト型の胆汁酸組成などが 確認されている21-24。実際にPXBマウスの肝組織像を観察すると、ヒト血管内皮細胞およ び毛細胆管のマーカーであるCD31およびZO-1、並びにヒト薬物輸送担体であるorganic anion transporting polypeptide 1B1 (OATP1B1) およびmultidrug resistance-associated protein 2 (MRP2) の発現が認められる(Figure 2)25。
4
Figure 2. PXBマウスにおける肝切片の組織像25
(A) ヘマトキシリン・エオジンによる染色画像 (100×). (B) 免疫染色法によるCD31の染 色画像 (200×). (C) 蛍光免疫染色法によるZO-1の染色画像 (300×) および矢印部分の拡 大画像 (600×). (D) 免疫染色法によるOATP1B1 (紫色) およびMRP2 (茶色) の染色画像 (200×).
PXBマウスはヒト代謝予測にも利用できると考えられる。実際にPXBマウスを用いた 薬物動態研究は行われており、ヒト代謝プロファイルの予測ツールとしての有用性が報告さ
れている26-30。しかしながら、これらの研究はヒト代謝物が既知の化合物のみで実施されて
おり、ヒト代謝物が未知である開発段階での利用に関する研究報告はない。また、PXBマ ウスがヒト代謝プロファイルを予測できない例もあり26,28、その低い予測性に関係する因子
5 は明らかではない。
一方で、化合物の中には、PXBマウス肝臓中に数%残存するマウス肝細胞由来のマウス代 謝酵素により、大部分が代謝されるものがある。このような化合物はマウスと同様の代謝プ ロファイルになってしまい、ヒト代謝を正確に予測できない25,28。最近、このマウス薬物代 謝酵素の影響を最小化するため、uPA/SCID マウスのマウスチトクロームP450 3aをコード する遺伝子 (Cyp3a) をノックアウトし、ヒト肝細胞を移植した新しいヒト肝キメラマウス が作製された31。このマウスはCyp3a KOヒト肝キメラマウスであり、本マウスの肝臓およ び小腸におけるマウス Cyp3aの発現は認められず、ヒトチトクローム P450 (CYPs) の発現 レベルはPXBマウスと同等(約70% から117%)であることが確認されている (Figure 3)31。
6
Figure 3. 免疫染色法によるPXBマウスおよびCyp3a KOヒト肝キメラマウスの肝および
小腸切片の染色画像31
PXBマウス肝 (A–C) および小腸 (G-I )、ならびにCyp3a KOヒト肝キメラマウス肝 (D–
F) および小腸 (J–L)
緑色: Cyp3a goat polyclonal antibody (A, D, GおよびJ)
赤色: anti-human cytokeratin 8および18 (CK8/18) mouse monoclonal antibody (BおよびE) 青色: Hoechst 33342 (HおよびK)
以上より、このCyp3a KOヒト肝キメラマウスは、残存するマウス肝細胞の影響を抑え たヒト肝キメラマウスであり、ヒト代謝の予測性をより向上させることができると考えられ
7 る。
本論文では、先ず第2章でヒトと実験動物での医薬候補化合物の体内動態の差異を評価 した例として、マウス、ラット、ウサギ、イヌおよびサルにおけるYM758の代謝プロファ イルを検討およびヒト代謝プロファイルとの比較について述べた。次に、第3章でPXBマ ウスにおけるヒト血漿中代謝物の予測成功例および失敗例を比較し、予測性に寄与する因子 の検討を行い、第4章ではuPA/SCIDマウス、Sprague Dawleyラット (SDラット)、PXBマ ウスおよびヒトにおいて、医薬候補化合物ASP015Kの代謝について検討した。さらに、第
5章で、SCIDマウス、Cyp3a KOマウス、PXBマウスおよびCyp3a KOヒト肝キメラマウス
におけるネファゾドン (NEF) の代謝プロファイルを比較し、同時にCyp3a KOヒト肝キメ ラマウスのヒト代謝予測における有用性を検討し、創薬および医薬品開発における上記ヒト 化モデル動物の利用価値について考察した。
8
第2章 YM758のマウス、ラット、ウサギ、イヌおよびサル代謝プロファイル
YM758は新しいIf channel受容体の阻害剤であり、安定型狭心症および心房細動の治療
薬として開発が進められていた32。本化合物をヒトに投与したとき、N-脱アルキル体および グルクロン酸抱合などの代謝を受け、代謝物のうちYM-385459, YM-252124, YM-385461お
よびAS2036329がヒト血漿中に存在することが知られている (Figure 4)33。しかしながら、
毒性試験動物種であるマウス、ラット、ウサギ、イヌおよびサルにおける本化合物の代謝プ ロファイルは明らかではない。薬物の代謝過程は、動物種により質的および速度的な違いが 認められる場合がある。代謝物の安全性ならびに代謝の過程における毒性発現の可能性を親 化合物の毒性試験において評価するためには、試験動物における代謝プロファイルを明らか にする必要がある。このように代謝プロファイルに関する情報を得ることは、薬物および代 謝物の毒性予測に重要な知見を与えることが期待される。本章では、マウス、ラット、ウサ ギ、イヌおよびサルにおけるYM758の代謝プロファイルを明らかにすることを目的として、
代謝物検索を行った。
7 YM-385459
1
AS2036329 YM-394111
YM-234903
YM-385461 YM-252124
YM758 19 * 31
29 25 24232221
262718 17
14 15
16
1312 10
9 7 4
3 2 1 6 5 20
Figure 4. Postulated metabolic pathway of YM758 in humans
* represents the position of the 14C label on YM758.
(梅原らの報告33を元に作成)
9 第1節 ラット血漿、尿および胆汁中代謝物検索
YM758を経口投与後0.5および1時間のラット血漿を用いて、HPLCラジオクロマトグ
ラムにより代謝物を測定したところ、YM758ならびにR1-R4、R9-R10およびR19が検出さ れ、放射能ピークの結果から血漿中の主代謝物はR4およびR10であると考えられた (Figure 5)。
Time (min)
0 100 200 300 400 500
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60
(b) 1 h YM758
R9 R4 R3 R1, R2
R10 R19
0 100 200 300 400 500 600 700
dpm
(a) 0.5 h YM758
R9 R4 R3 R1, R2
R10 R19
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60
dpm
Figure 5. Radiochromatograms of rat plasma samples collected at 0.5 (a) and 1 h (b) after an oral administration of 14C-YM758 at a dose of 1 mg/kg
14C-YM758を経口投与後、0-6時間後、6-24時間後のラット尿及び胆汁を採取し、HPLC
ラジオクロマトグラムにより代謝物測定を行ったところ、ラット尿中に未変化体および7 種の代謝物 (R1-R4、R9-R10およびR19) (Figure 6)、胆汁中に10種の代謝物を検出した
10
(Figure 7)。ラット血漿および尿のラジオクロマトは非常に類似していた(Figure 5および6)。
YM758
R9 R4 R3 R1, R2
cpm
Time (min) cpm
R10 R19
YM758
R9 R4 R3 R1, R2
R10 R19
(a) 0-6 h
(b) 6-24 h
Figure 6. Radiochromatograms of rat urine samples collected for 0-6 (a) and 6-24 h (b) after an oral administration of 14C-YM758 at a dose of 1 mg/kg
11
R10 R1, R2R14, R16 R17, R18, R19 R20 R21
cpm
Time (min)
cpm R10 R14, R16 R17, R18, R19
(a) 0-6 h
(b) 6-24 h
R1, R2
Figure 7. Radiochromatograms of rat bile samples collected for 0-6 (a) and 6-24 h (b) after an oral administration of 14C-YM758 at a dose of 1 mg/kg
尿および胆汁中の代謝物排泄率を算出したところ、最も排泄率が高かったのはR10
(22.14% of dose)であったことから、ラットにおけるYM758の主代謝物はR10であると考え
られた (Table 1)。しかしながら、他にも様々な代謝物が検出されており、ラットにおける
YM758の代謝は多様であると考えられた。
12
Table 1. Excretion rate of YM758 and its metabolites in rat urine and bile
Metabolite number/YM758
Excretion rates of metabolites (% of dose)
Urine
0-24 h Bile
0-24 h
Mixture of R1 and R2 NC 9.07
R3 1.39 NC
R4 1.98 NC
R9 0.90 NC
R10 2.15 19.99
Mixture of R14 and R16 NC 11.41
Mixture of R17, R18 and R19 N/A 13.67
Sole R19 1.24 N/A
YM758 1.52 NC
NC: not calculated because of the trace amount or undetectable metabolite N/A: not aplicable
第2節 マウス、ラット、ウサギ、イヌおよびサルにおける血漿中代謝物の同定
マウス、ラット、ウサギ、イヌおよびサルにおいて、YM758を経口投与後の血漿中代謝 物を選択的反応モニタリング法 (SRM) によって測定したところ、ヒトでの結果と同様に4 種 の 代 謝 物 [R3 (YM-385459)、R4 (YM-252124)、R8 (YM-385461)お よ び R16
(AS2036329)] が検出された (Figure 8)。以上より、ヒト血漿中代謝物は全て毒性試験動物
種においても暴露されていると考えられた。
13
Mouse
Rat
Rabbit
Dog
Monkey
Authentic sample (YM-385459)
(a) SRM chromatogram of R3
Mouse
Rat
Rabbit
Dog
Monkey
Authentic sample (YM-252124) (b) SRM chromatogram of R4
Mouse
Rat
Rabbit
Dog
Monkey
Authentic sample (YM-385461) (c) SRM chromatogram of R8
Mouse
Rat
Rabbit
Dog
Monkey
Authentic sample (AS2036329)
(d) SRM chromatogram of R16
Figure 8. SRM chromatograms of R3 (a), R4 (b), R8 (c) and R16 (d) in plasma samples collected from mice, rats, rabbits, dogs and monkeys after a single dosing of YM758, and authentic samples of those metabolites
14 第3節 ラット代謝物の構造解析
ラット尿および胆汁から精製された13種の代謝物の構造を核磁気共鳴分光計 (NMR) に より明らかにした (Table 2). 代謝物の分子量および構造をTable 3に示す。
Table 2. 1H and 13C-NMR assignment for YM758 monophosphate and its metabolites isolated from rat urine and bile samples
YM758 R1 R2 R3 R4 R8
Position δH δC δH δC δH δC δH δC δH δC δH δC
Basic structure of unchanged drug
1 - 166.5 - ND - ND - - - - - 167.0
2, 6 7.20 116.5 7.20 116.4 7.21 116.5 - - - - 7.19 116.0
3, 5 7.97 131.3 7.90 131.1 7.91 131.0 - - - - 7.91 131.0
4 - 131.4 - ND - ND - - - - - 132.0
7 - 169.8 - ND - ND - - - - - 169.0
9 3.80 36.0 3.65
3.70
36.8 3.60 37.0 - - - - 4.05 43.0
10 3.29 58.1 3.04 58.3 2.90 ND - - - - - ND
12 3.27
3.31
54.2 4.65 4.75
47.8 48.1
4.57 4.64
48.0 3.36 3.46
44.5 3.23 47.0 - -
13 3.52 37.5 2.90 ND ND ND 3.27 37.0 3.27 36.5 - -
14 1.72
2.01
26.3 1.72 1.93
27.0 1.77 1.97
ND 1.94
1.98 2.03
25.0 1.72 1.92
26.5 - -
15 1.93
2.06 22.7 1.86
1.91 23.5 1.85 ND 2.43 31.0 1.83 22.0 - -
16 3.16
3.42
55.5 55.6
3.17 3.31
54.7 3.10 3.18
55.0 56.0
- 174.5 3.08 3.18
45.0 - -
17 - 173.2 - ND - ND - 173.5 - 174.0 - -
18 4.52
4.62 4.67 4.72
45.2 48.2
4.17 5.11
45.0 4.29 4.96
45.0 4.59 4.63 4.71
45.5 48.2
4.56 4.65 4.64
45.0 48.0
- -
20 3.78
3.80 3.71 3.79
41.7 44.8
3.61 4.06
51.5 3.66 3.95
51.5 3.78 3.80
42.0 44.5
3.74 3.77
44.5 42.0
- -
21 2.75
2.87
28.7 30.1
4.70 67.0 4.70 67.0 2.77 2.87
29.0 30.0
2.76 2.86
29.0 30.0
- -
22 - 127.6
128.1
- ND - ND - 127.0
128.0
- 128.0 - -
23 6.73
6.74 113.1 113.2 6.96
7.01 113.5 112.7 6.98
7.01 113.0
112.5 6.75 113.0 6.74 113.0 - -
24 - 149.4
149.5 - ND - ND - 150.0 - 150.0 - -
25 - 149.5
149.7 - ND - ND - 150.0 - 150.0 - -
26 6.71
6.83
111.1 6.74 6.80
110.2 110.1
6.75 6.80
110.1 110.0
6.75 111.0 6.73 6.79
111.0 - -
27 - 126.0
126.1
- ND - ND - 126.0
127.0
- 126.0 - -
29 3.79 56.6 3.82 56.6 3.81 56.5 3.80 56.5 3.79 56.5 - -
31 3.79 56.6 3.83 56.6 3.82 56.5 3.80 56.5 3.79 56.5 - -
15 Table 2. (Continued)
ND: not detected, -: not applicable
R10 R11 R16 R17 R18 R19 R20 R21
Position δH δH δH δC δH δC δH δH δC δH δH
Basic structure of unchanged drug
1 - - - ND - ND - - 164.0 - -
2, 6 - - 7.19 116.0 7.15 116.0 7.23 7.27 115.7 7.22 7.22
3, 5 - - 7.89 131.0 7.89 131.0 7.90 7.95 130.5 7.94 7.91
4 - - - ND - ND - - 131.9 - -
7 - - - ND - ND - - 165.0 - -
9 - - 3.61
3.68
37.0 3.74 36.0 3.67 3.34 37.7 ND ND
10 - - 2.91 58.0 3.30 ND 3.0-3.4 2.40
2.45 57.8 ND ND
12 3.11
3.19 3.10 3.24 2.58
3.15 57.0 3.36 58.0 3.0-3.7 2.00
2.76 56.6 ND ND
13 3.24 3.15 3.15 39.0 3.10 ND ND 2.20 43.0 ND ND
14 1.72
1.97 1.75 1.92 1.61
1.81 ND 1.72
1.93 26.0 1.85 or 1.94 1.30
1.59 27.6 ND ND
15 1.82
1.88 1.86 1.81 ND 1.93 23.0 1.37
1.55 24.9 ND ND
16 3.02
3.11 3.25
3.04 3.10 3.16
2.58 3.15
57.0 3.36 58.0 3.0-3.7 1.93 2.69
54.0 ND ND
17 - - - ND - ND - - 181.5 - -
18 4.51
4.57
4.55 4.59 4.68
45.5 48.0
4.47 4.59
45.0 48.0
4.72 - 173.8 4.49
4.67 4.60
20 3.63
3.71 3.80
3.65 3.78 3.72
3.73 42.0 45.0 3.55
3.82 42.0 3.63
4.02 3.24 42.1 3.70
3.74 ND
21 2.78
2.85 2.76 2.81
2.73 2.83
29.0 2.78 28.0 ND 3.00 32.8 2.73
2.81 ND
22 - - - ND - ND - - ND - -
23 6.79
6.80 7.00 7.02
7.01 7.03
118.0 6.74 6.78
114.0 7.03 7.09
6.71 114.1 7.21 6.81
24 - - - ND - ND - - 150.0 - -
25 - - - ND - ND - - 146.8 - -
26 7.02
7.04 6.78 6.81 6.76
6.83 112.0 6.94
7.05 115.0 7.29
7.32 7.27 114.1 6.74 7.28
27 - - - ND - ND - - 130.0 - -
29 - 3.83 3.82 57.0 - - - 3.71 56.0 3.78 -
31 3.82
3.83
- - - 3.80 57.0 3.84 3.75 56.0 - 3.80
Glucuronic acid
1’ 4.93 4.92 4.84 103.0 4.99 103.0 - - - - -
2’, 3’,
4’, 5’ 3.51 3.54 3.80
3.52 3.73
3.50 3.50 3.50 3.70
74.0 78.0 77.0
3.55 3.55 3.55 3.74
75.0 75.0 77.0 77.0
- - - - -
6’ - - - ND - ND - - - - -
16
Table 3. Nominal mass, mass shifts from YM758 and proposed chemical structures
N/A: not applicable Glu: glucuronic acid
Metabolite No. or YM758
Nominal mass
Mass shift
(unit) Estimated chemical structure
R1 and R2 485 +16 N N
H F
O O
O N
O OH
N N
H F
O O
O N
O OH and
R3
(YM-385459) 318 -151 NH
O O
O N
O
R4
(YM-252124) 304 -165 NH
O
O N
O
R8
(YM-385461) 197 -272 NH
F O O H
O
R9
(YM-234903) 294 -175 N NH
F O O
O H
R10 466 -3 NH
O
GluO N
O
R11 466 -3 NH
GluO
O N
O
R16
(AS2036329) 631 +162 N NH
F O O
Glu
O N
O
R17 631 +162 N NH
F O O
GluO N
O
R18 551 +82 N N
H F
O O N
O O
OH HO3S
R19 501 +32 NH
F O N O
O
O N O
H O
R20 535 +66 N HN
F O O
HO3S
O N
O
R21 535 +66 N NH
F O O
HO3SO N O
YM758 469 N/A N NH
F O O
O N
O
17
YM758はメチレンの酸化および加水分解を経てR4およびR8を生成し、R4はさらに酸
化、脱メチル化およびグルクロン酸抱合を受け、R3、R10およびR11を生成すると考えら れた。また、YM758は脱メチル化後にグルクロン酸抱合および硫酸抱合を受けることも判 明した(R16、R17、R20およびR21)。R1およびR2は21位の水酸化体であると考えら れ、NMR分析の結果より水酸基の立体異性体(ジアステレオマー)であると推定された。
ラットにおけるYM758の代謝経路をFigure 9に示す。
R17 R10
R3 (YM-385459)
R1, R2 YM758
R11 R19
R9 (YM-234903)
HO3S
HO3S
R18 HO3S
R20
R21 R16
(AS2036329)
R8 (YM-385461) R4
(YM-252124)
Glu: glucuronic acud O-demethylation
glucuronidation
Oxidation
Oxidation Oxidation
Oxidation Hydration
Hydration
Hydration O-demethylation
O-demethylation O-demethylation
glucuronidation
glucuronidation
glucuronidation
O-demethylation
sulfation
sulfation
sulfation Oxidation
Figure 9. Metabolic pathways of YM758 in rats
18 第4節 小括
本研究の結果より、ラットにおけるYM758の主な代謝経路は水酸化(R1およびR2の 生成)、酸化および加水分解(R3、R4、R8およびR19の生成)、アミド結合の加水分解(R9 の生成)、脱メチル化ならびにグルクロン酸抱合および硫酸抱合(R10、R11、R16-R18、R20 およびR21の生成)であると考えられ、ヒトにおける主代謝物 [YM-385459 (R3)、YM-252124 (R4)、YM-385461 (R8)、YM-234903 (R9) およびAS2036329 (R16)]33 は全て生成することが 分かった。
また、ヒト血漿中に存在するYM758の代謝物 R3、R4、R8およびR16は、毒性試験動 物であるマウス、ラット、ウサギ、イヌおよびサルの血漿において検出されることが判明し、
毒性試験動物における代謝物の安全性を担保するための重要な知見となった。今回の研究で は定量的なデータは取得されておらず、この後、上記代謝物の暴露量に関するデータを取得 する予定であったが開発中止に伴って研究を中止した。
YM758に限らず、創薬および医薬品開発における代謝物関連の研究データは膨大で、多
くのリソースが費やされている。また、前述したようにFDAおよびICHから代謝物の安全 性に関するガイドラインが作成されており、早期における代謝物に関する研究データの取得 はますます重要であり、今後の効率化が課題となっている。
19
第3章 PXBマウスを用いたヒト代謝物の予測
本項では、PXBマウスにおけるヒト血漿中代謝物の予測成功例および失敗例を比較し、
予測性に寄与する因子について検討した。本検討で使用した化合物Aおよびアモスラロー ルのヒトにおける代謝経路をFigure 10および11に示す。
Figure 10. ヒトにおける化合物Aの主代謝経路
Figure 11. ヒトおよびマウスにおけるアモスラロールの主代謝経路
化合物Aはアステラス製薬で開発中の医薬候補化合物 (フリー体分子量396) である。
この化合物はヒトにおいて主に代謝物H1からH4に代謝される (Figure 10)。そのうち、H1 はマウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、サルでは生成されず、痕跡量のみマーモセ ットの血漿中に検出されるヒト特異的代謝物である25。また、この代謝物はヒト肝細胞を用
20
いた代謝物検索において検出されていない。アモスラロールはαおよびβ受容体の拮抗薬で あり、マウスとヒトで代謝経路が異なり、マウスではM-2 glucuronideが主代謝物として尿 中に排泄されるが、ヒトではM-3 sulfateのみが尿中に排泄されることが知られている(Figure
10)34,35。本検討では、これらの化合物を評価化合物としてPXBマウスにおける代謝プロフ
ァイルを検討した。
第1節 ICRマウス、PXBマウスおよびヒトにおける化合物Aの代謝に関する検討
ICRマウス、PXBマウスおよびヒトに化合物Aを経口投与した時のUVおよび抽出イオ ンクロマトグラムをFigure 12に示す。
Figure 12. ICRマウス (a)、PXBマウス (b) およびヒト (c) に化合物Aを投与したときの 血漿のUVクロマトグラム (i) およびヒト特異的代謝物H1の抽出イオンクロマトグラム (ii, m/z 413 from 589)
ICRマウスおよびPXBマウスの血漿中から、代謝物H2-H4が検出された。しかしなが ら、ヒト特異的代謝物H1はPXBマウスでのみ検出された。以上より、化合物Aの代謝に は、PXBマウスのヒト肝細胞が寄与していると考えられた。
21
第2節 uPA/SCIDマウスおよびPXBマウスにおけるアモスラロール代謝物の定量
アモスラロールを経口投与後のuPA/SCIDマウスおよびPXBマウスの尿中に、代謝物 M-2 glucuronideおよびM-3 sulfateを含む、代謝物M1からM6が検出された (Table 4)。マウ スにおける代謝プロファイルと同様に、uPA/SCIDマウスにおいてはM-2 glucuronideが主代 謝物であり、M-3 sulfateがマイナー代謝物であった。しかしながら、PXBマウスにおいても、
M-2 glucuronideが検出されており、M-3 sulfateの排泄率はuPA/SCIDマウスと同等であった。
また、各代謝物の排泄率には有意な差は認められなかった。以上より、アモスラロールの代 謝プロファイルにおいては、PXBマウスとヒトで乖離すると考えられた。
22
Table 4. Excretion of amosulalol and its metabolites in urine after a single oral administration of amosulalol hydrochloride to uPA/SCID, and PXB mice
Mouse Metabolite
Concentration (μmol/L) % of dose
Unconjugated Glucuronide Sulfate Unconjugated Glucuronide Sulfate
uPA/SCID mice
Amosulalol 19.6 0.167 0.100 15.70 0.10 0.11
M1 1.20 0.505 0.151 0.91 0.41 0.14
M2 1.57 7.94 0.0533 1.23 6.55 0.05
M3 0.987 3.78 1.42 0.79 3.10 1.25
M4 0.351 4.81 0.0207 0.28 3.91 0.02
M6 0.159 1.21 0.000333 0.13 1.01 0.00
PXB mice
Amosulalol 11.9 0.00 0.400 10.06 0.00 0.38
M1 1.01 0.218 0.0740 0.85 0.20 0.07
M2 0.694 3.31 0.0507 0.58 2.78 0.05
M3 0.443 2.18 1.60 0.37 1.84 1.32
M4 0.212 2.85 0.0784 0.18 2.37 0.07
M6 0.0438 0.379 0.00347 0.04 0.31 0.00
23 第3節 小括
化合物Aにおいて、PXBマウスがヒト代謝予測のツールとして有用であることを示唆す る結果が得られた。特に代謝物H1はヒト肝細胞では生成が認められていないヒト特異的代 謝物であり、PXBマウスによりヒト特異的代謝物を正確に予測できることは医薬候補品の 開発上大きな利益になると考えられた。また、これまでにPXBマウスによりデブリソキン、
(S)-ワルファリンでもヒト代謝予測が可能であったという報告がある27,36。一方で、プロプ
ラノロールやアモスラロールのような化合物では、PXBマウスとヒトで代謝プロファイル に乖離が認められている28。乖離の原因をPXBマウスに薬物を経口投与した時の生理学的 薬物速度論モデル (Figure 13) で考察した。
Figure 13. PXBマウスにおける生理学的薬物速度論モデル
ここで、PXBマウスにおける肝クリアランス (CLH, PXB) は次式で示される。
CLH,PXB = R∙CLH,human + (1-R)∙CLH,mouse
=
R∙QQ PXB∙fB∙CLHint,humanPXB + fB∙CLHint,human
+
(1-R)∙QQ PXB∙fB∙CLHint,mousePXB + fB∙CLHint,mouse
この式において、アモスラロールのようにIn vivoクリアランスがマウスでヒトよりも高 値を示すもの(ICRマウス: 10.7 L/h/kg、ヒト: 0.1 L/h/kg)においては、次式に簡略化される。
CLH,PXB = R∙fB
∙
CLHint,human + (1-R)∙QPXB(QPXB ≫ fB
∙
CLHint, human, QPXB ≪ fB∙
CLHint, mouse)24
このような式で表される化合物においては、残存マウス肝による代謝が支配的に働き、
ヒト代謝予測が困難となると考えられた。さらに、マウス小腸での代謝の寄与も考慮すべき と考えられた。
PXBマウスを用いることで、ヒト代謝プロファイルならびにヒト特異的代謝物の存在を 早期に予測できれば、開発候補品の選出や開発戦略において大きな利益をもたらすことがで きる。化合物Aのように、in vitro代謝実験では認められないヒト代謝経路についても、PXB マウスを用いることで早期に知ることができるようになり、より高質なヒト代謝プロファイ ルの予測ができるようになると考えられた。一方で、アモスラロールのような化合物例もあ ることから、残存するマウス小腸および肝臓に由来する代謝酵素の影響は常に念頭におき、
マウスおよびヒトにおける薬物動態パラメータを考慮しながら総合的に判断する必要があ る。
25
第4章 uPA/SCID マウス、SD ラット、PXB マウスおよびヒトにおける ASP015K の代謝に関する研究
ASP015K (Figure 14) は非受容体型チロシンキナーゼの一つであるヤヌスキナーゼ
(JAK) の阻害剤であり、アステラス製薬が開発を進めている医薬候補品である。本化合物の
ラットおよびヒトにおける薬物動態プロファイルは既に知られているが37-40。その代謝物の 構造は未だ不明であった。本項では、ASP015K代謝物の構造解析およびuPA/SCIDマウス、
SDラット、PXBマウスおよびヒトにおけるASP015Kの代謝の種差について検討した。
Figure 14. ASP015Kの化学構造 (*: 14C標識体における標識位置) 1
2
3 3a4 5 6 7 7a
8 9
10 1′
2′
5′
4′ 3′
6′ 7′ 8′
9′
10′
*
*14C-labeled position
26
第1節 SDラットおよびヒトにおけるASP015K代謝物の構造解析
SDラットの血漿、尿および胆汁ならびにヒトの血漿および尿をLC-MSにより分析した ところ、13種の代謝物M1-M13が検出された(Table 5)。
Table 5. ASP015K代謝物の分子量および代謝様式
これらのうち、ラット胆汁およびヒト尿より単離した11種の代謝物 (M1およびM3-M12) の化学構造を、NMRにより明らかにした (Table 6)。代謝物M2については、ASP015K-5′
-O-sulfate合成標品との比較分析の結果、同一の化合物であると考えられた。M13について
は、生成量が少なく単離できなかったが、その分子量からジヒドロヒドロキシグルタチオン 抱合体であると推定された。
以上より、M1-M13の構造はそれぞれ、M1: 7-N-methyl ASP015K-5′-O-sulfate、M2:
ASP015K-5′-O-sulfate, M3: 6′-hydroxy ASP015K、M4: 7-N-methyl ASP015K, M5:
ASP015K-7-N-oxide, M6: ASP015K-5′-O-glucuronide、M7:
(4′S)-4′-hydroxy-ASP015K-4′-O-glucuronide、M8: ASP015K-3-glutathione conjugate、M9:
7′-hydroxy ASP015K、M10: ASP015K-2-glutathione conjugate、M11: 7′-hydroxy ASP015K-7-N-glucuronide、M12: 6′-hydroxy ASP015K-5′-O-glucuronideおよびM13:
dihydrohydroxy ASP015K-glutathione conjugateであると考えられた。
ASP015K or Metabolite
Molecular weight
Mass shift from
ASP015K (da) Structure description
ASP015K 326 - unchanged form
M1 420 +94 7-N-methyl ASP015K-5′-O-sulfate
M2 406 +80 ASP015K-5′-O-sulfate
M3 342 +16 6′-hydroxy ASP015K
M4 340 +14 7-N-methyl ASP015K
M5 342 +16 ASP015K-7-N-oxide
M6 502 +176 ASP015K-5′-O-glucuronide
M7 518 +192 (4′S)-4′-hydroxy-ASP015K-4′-O-glucuronide
M8 631 +305 ASP015K-3-glutathione conjugate
M9 342 +16 7′-hydroxy ASP015K
M10 631 +305 ASP015K-2-glutathione conjugate
M11 518 +192 7′-hydroxy ASP015K-7-N-glucuronide
M12 518 +192 6′-hydroxy ASP015K-5′-O-glucuronide M13 649 +323 dihydrohydroxy ASP015K-glutathione conjugate
27
Table 6. 1H and 13C-NMR assignment data in dimethylsulfoxide-d6 for ASP015K, and its metabolites
ND: not detected, -: not applicable
ASP015K Methyl conjugate Oxidized metabolites
M1 M4 M3 M5 M9
δH δC δH δC δH δC δH δH δC δH
pyrrolopyridine
1 12.48 - 1 - - - 11.44 10.13 - 11.44
2 7.39 125 2 7.18 137 7.48 ND 7.12 6.72 118 7.13 3 6.60 105 3 6.46 102 6.72 104 6.41 6.23 104 6.41
3a - 107 3a - 108 - 106 - - 97 -
4 - 153 4 - 149 - 150 - - 156 -
5 - 103 5 - 99 - 102 - - 88 -
6 8.52 137 6 8.33 135 8.61 140 8.36 8.48 ND 8.37
7a - 139 7a - 147 - 140 - - 138 -
CONH2 8 - 170 8 - 171 170 - - ND -
9 8.35
7.74 - 9 7.85
7.30 - 8.16
7.75 - 7.74
6.96 6.67 - 7.78 6.96 NH 10 11.15 - 10 10.25 - 10.99 - 10.11 12.22 - 10.45
adamantyl
1′ 2.20 34 1′ 2.23 ND 2.20 ND 2.06 2.13 35 2.24 2′ 4.28 57 2′ 4.21 ND 4.27 ND 4.10 4.10 56 3.97 3′ 2.20 54 3′ 2.23 ND 2.20 ND 2.02 2.13 35 2.24 4′ 1.91 1.72 44 4′ 2.06
2.24 ND 1.92
1.71 ND 1.51 2.09 1.82
1.69 44 1.76 1.35
5′ - 66 5′ - ND - ND - - 66 -
6′ 1.68 46 6′ 1.99 ND 1.68 ND 3.46 1.67 46 1.57 7′ 2.10 30 7′ 2.07 ND 2.09 ND 1.90 2.06 29 - 8′ 1.80 1.49 30 8′ 1.80
1.46 ND 1.79
1.51 ND 1.90 1.46 1.86
1.43 30 1.74 1.57 9′ 1.91 1.72 44 9′ 2.06
2.24 ND 1.92
1.71 ND 1.85 1.62 1.82
1.69 44 1.76 1.35 10′ 1.80 1.49 30 10′ 1.80 1.46 ND 1.79
1.51 ND 1.76 1.54 1.86
1.43 30 1.74 1.57 N- methyl 3.91 38 3.97 40