1.はじめに 兵庫県南部地震における大規模火災の消防活動つい ては,前報1)で検討した。今後,地震直後の神戸市板 宿低層配水区(長田区,須磨区)の水道管の破損ヶ所 や使用された消火栓の放水量を考慮した管網解析と機 能評価の結果を発表予定である。本稿では,地震直後 の水道管の機能を検討する前に,神戸市の平常時にお いて,複数の消火栓を同時使用した場合における,上 Bulletin of Japan Association for Fire Science and Engineering Vol. 55. No. 2 (2005)
平常時火災における消火栓の放水能力に関する研究
難波
義郎
*1,保野健治郎
*2,室
! 益輝
*3,北後
明彦
*4藤原
正弘
*5,粕谷
明博
*6,松岡
秀男
*7(平成1
6年1
0月1
3日受付,平成1
7年4月4日受理)
Discharge Ability of Hydrant to Ordinary Fire Yoshiro Namba*1 , Kenjiro Yasuno*2 , Yoshiteru Murosaki*3 , Akihiko Hokugo*4 , Masahiro Fujiwara*5
,Akihiro Kasuya*6, Hideo Matsuoka*7 *1
Department of Architecture, School of Engineering, Kinki University *1
Takayaumenobe, Higashihiroshima city, Hiroshima, 739-2116, Japan *2
21st-century Rural Town Water Supply Research Society
Waterworks Bureau, Hofu city, 13-1 Niirei-machi, Hofu city, Yamaguchi, 747-0841, Japan *3
National Research Institute of Fire and Disaster 14-1, Nakahara 3 chome, Mitaka, Tokyo,181-8633, Japan *4
Research Center for Urban Safety and Security, Kobe University 1-1 Rokkodai-cho, Nada-ku, Kobe, 657-8501, Japan
*5
Japan Water Research Center
2-2-1 Toranomon, Minato-ku, Tokyo, 105-0001, Japan *6
Japan Water Agency
11-2 Shintoshin, Chuo-ku, Saitama City, Saitama, 330-6008, Japan *7
Nippon Jogesuido Sekkei Co., Ltd. 1-9-15 Kaigan, Minato-ku, Tokyo, 105-0022, Japan
When more than one hydrant against to the ordinary fire are used at the same time, the result that the water pipe net-work of Kobe City was experimented is analyzed with a purpose of evaluating the function and ability of the hydrant in this paper.
The kobe Fire Department researched ”the combined pressure investigation of the fire fighting pump cars” on June 9, 1986 in order to evaluate the function of the hydrant against to the ordinary fire.
We analyzed relations between the amount of drainage and water pressure from the drainage experiment on the water pipe network of the actual town district under the condition of the caliber size of the water pipe and the number of drainage hydrants. Abstract *1近畿大学工学部 (〒739‐2116広島県東広島市高屋うめの辺1番) *221世紀地方都市水道研究会 (〒737‐0841 山口県防府市仁井令町13‐1 防府市水道局内(事務局)) *3独立行政法人消防研究所 (〒181‐8633 東京都三鷹市中原3‐14‐1) *4神戸大学都市安全研究センター (〒657‐8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1‐1) *5財団法人水道技術研究センター (〒105‐0001 東京都港区虎ノ門2‐8‐1) *6独立行政法人水資源機構 (〒330‐6008 埼玉県さいたま市中央区新都心11番地2) *7日本上下水道設計株式会社 (〒105‐0022 東京都港区海岸1丁目9番15号) ―57― (25)
水道管網の機能・能力を評価する目的で配水管の管網 解析を行った結果を述べる。 神戸市消防局は,平常時の火災で消火栓の機能(水 量・水圧)を評価するため,昭和61年6月9日に「消 防ポンプ自動車の連成圧力調査」(神戸市星和台2丁 目で放水実験)を行っている。この実際の街区におけ る上水道管網での放水実験より,配水管の口径,放水 消火栓数の条件に応じた放水量と水圧の関係を解析し た。 2.消防ポンプ自動車の連成圧力調査の放水実験 条件 配水管の口径は,i)φ100mm および ii)φ150mm で ある。この2種類の口径の配水管に設置した消火栓に 対して, !消火栓にスタンドパイプ(φ65mm)を使用し消防 ポンプ自動車を配置して放水した場合 "消火栓に吸管を直付けして放水した場合 の2通りの実験が行われた。 神戸市星和台2丁目の配水管網図をFig. 1 に示す。 使用した消火栓の位置は,拡大するとFig. 2 のようで ある。また,西鈴蘭台配水地の区域図をFig. 3 に示し ている。 複数の消火栓を同時に放水する場合は,流量変動し ない他の消火栓の消火 水 量 は,1000L/min(=1.0#/ min)固定である。 全ケ−スとも消火水量の条件は,0.0,0.5,1.0, 1.5,2.0#/min の放水と,最大放水を行っている。 以上の条件から,各検討ケ−ス(case1∼case8) の放水条件は,つぎのとおりである。 a)配水管の口径 φ100mm の消火栓での消防ポンプ 自動車による放水実験 case1:消火栓218の放水実験 case2:消火栓218で1.0#/min 放水している時の消 火栓226の放水実験。 case3:消火栓218及び226で各1.0#/min 放水して いる時の消火栓610の放水実験 b)配水管の口径 φ150mm の消火栓での消防ポンプ 自動車による放水実験 case4:消火栓216の放水実験 case5:消火栓216で1.0#/min 放水している時の消 火栓202の放水実験 case6:消火栓216及び202で各1.0#/min 放水して
Fig. 1 Water pipe network diagram at Seiwadaidanchi
town in Kobe City
Fig. 2 Part of water pipe network diagram at
Seiwa-daidanchi town (φ : Water pipe diameter [mm], L : Section length [m]. The hexagon shows the fire-plug used with from case 1 to case 3. The diamond shows the fire-plug used with from case 4 to case 8. The oval shows other fire-plug. )
Fig. 3 Area of Nishi-Suzuranndai Reservoir
―58―
いる時の消火栓604の放水実験 c)配水管の口径 φ150mm の消火栓に吸管直付けの 場合の放水実験 case7:消火栓216の放水実験 case8:消火栓216及び202で各1.0!/min 放水して いる時の消火栓604の放水実験 3.放水実験の消火栓連成圧力調査の結果 放 水 量#!3ĺ"と,そ の 放 水 の 残 存 水 圧 "!20/#.3%"の関係式は, "#!$#! %""# " ただし,"#-###の時の残存水圧!20/#.3%", !$"!%;係数. で表される注1)。 放水実験(昭和61年6月9日,神戸市星和台2丁目) の消火栓連成圧力調査の結果(放水量と圧力の関係, 最大放水量,係数!$"!%)は,Table 1 のとおりであ る。 case1∼case8の残存水圧と放水量の関係は,回帰 すると式(2.1)∼式(2.8)のとおりである。 case1; "#!#!))+#%!)$"&!)(相関係数 $##!,,+) (2.1) case2; "#!#!+,)#%!'$"&!& !$##!,,$" (2.2) Case3; "#!$!%##$!*&"%!+ !$##!,,+" (2.3) case4; "#!#!)(+#%!'%"'!% !$##!,,," (2.4)
Table 1 Survey result of pressure among hydrants
―59―
case5; !#!$!$%"$!,+"&!, !###!,,%" (2.5) case6; !#!$!$&"$!,'"&!$ !###!,,)" (2.6) case7; !#!#!('%"%!'$"'!# !###!,,+" (2.7) case8; !#!$!&#"$!(+"&!$ !###!,,)" (2.8) なお,以下に示すように,case1∼case8の放水実 験の放水量と残存水圧の関係は,ほぼ全国平均2)であ る。この場合の全国デ−タは,都市数は118,デ−タ 数1160で,昭和30年7月∼37年11月の間に消火栓で所 要消火水量を放水したときに必要な残存水圧を調査し たもの(以下,都市消火栓放水実験と呼ぶ)である。 ただし,ここでの人口は,各都市における特定の調査 給水区域における給水人口の概数であって,全市人口 ではない。この場合の対象とした配水管の口径は,φ 75,100,150,200mm である。この調査において, 消火栓放水実験は次のように行われた。 a)最初に消火栓1基ごとに放水開始時点の初期残存 水圧!!%-310"/4%"を測定する。 b)各消火栓に消防ポンプ自動車1台を配置して,最 大放水量!"%-."425"を測定する。最大放水量は, 消防ポンプ自動車の位置でほぼ残存水圧が0に近 いと判断された時である。 この都市消火栓放水実験に基づく,残存水圧と残存 水圧0における最大放水量の関係は,Fig. 4~Fig. 6 の とおりである。配水管口径 φ100,φ150mm の場合の, 初期残存水圧!!%-310"/4%"と残存水圧0における最 大放水量!"%-."425"の関係式は,次のとおりである。 !口 径 φ100mm:〔最 大;!%##!%%%"%#!''+,平 均; !%##!#*,$"%#!(%#,最小;!%##!##$*$"%#!,()〕 "口 径 φ150mm:〔最 大;!%##!#'&&"%#!)'',平 均; !%##!#$+%"%#!*#(,最小;!%##!##$&#"%#!,+)〕 火災時に消防ポンプ自動車の放水能力(ノズル1口 0.5$/min)に必要とされる消火栓の位置での残存水 圧と,消 火 栓 が 設 置 さ れ て い る 上 水 道 管 路 の 口 径 (mm)との関係をTable 2 に示す。 さて,都市消火栓放水実験資料に,神戸市星和台2 丁目放水実験結果(Table 1 における放水量が0のと きの水圧と最大放水量のデータ)をプロットしてみる と, 1)口径 φ100mm 場合は,最小値と平均値の間にあ る(Fig. 4;!case1,"case2,#case3). 2)口径 φ150mm の場合は,およそ平均値である(Fig.
Fig. 4 The max quantity of water flow in the condition of
residual water pressure 0 (aperture 100 mm)
Fig. 6 The max quantity of water flow in the condition of
residual water pressure 0 (aperture 100 mm, 150 mm) (In the case that attach direct a pipe to the hydrant)
Fig. 5 The max quantity of water flow in the condition of
residual water pressure 0 (aperture 150 mm) ―60―
5;!case4,"case5,#case6). 3)口径 φ*150mm(吸管直付)の場合は,最小値と 平均値の間にあ る(Fig. 6;!case7,#case8). 神戸市水道局の全市街地における水道システムは, 放水実験の地域とほぼ同様であり,この実験値は,平 常時における神戸市の公設消火栓の放水能力とみなせ ると思われる。 4.放水実験の残存水圧 P と放水量 Q の関係 複数の消火栓の同時使用により、消火栓相互の影響 を受ける場合における放水量0のときの残存水圧を "##!&!%"として,各ケ−スの残存水圧 "と放水 量# の関係式(;"#!$#!%""#に代入すれば "#!$#!%"!!&!%"" ) こ こ に,";残 存 水 圧!1/."-2%",#:放 水 量 !2&"203",%":減水圧!1/."-2%",!%;放水する消 火栓の数を増やす前の状態の残存水圧!1/."-2%" となる。複数の消火栓の同時使用することによって, 消火栓相互の影響から生じる減水圧%"は,この式) を整理して %"#!$#!%"!&!"より求めることができる。 a)配水管口径 φ100mm で,複数の消火栓を同時使 用した場合(case1∼case3) 配 水 管 口 径 φ100mm で,ス タ ン ド パ イ プ(φ65 mm)を使用し複数の消火栓を同時使用した場合の case 1∼case3の関係では,つぎのとおりである。 1)case1;口 径 φ100mm,消 火 栓1栓(放 水 台 数1 台)の場合 式(2.1)より,###では,"##!&!%"#&!)であ る。消火栓1栓使用ゆえ,%"##である。それゆえ, !&#&!)1/."-2%である。 2)case2;口 径 φ100mm,消 火 栓2栓(放 水 台 数2 台)の場合(栓 A;1.0$/min,栓 B;変動) 式(2.2)より,###では,"##!&!%"#&!&であ
る.2栓使用ゆえ,1)case1より,!&#&!)1/."-2%と
して,
%"#!&!"##&!)!&!&##!&1/."-2%.
つまり,2栓目の栓 B は,栓 A と同時使用により,
%"##!&1/."-2%,水圧が減少する。
3)case3;口径 φ100mm,消火栓3栓放水台数3台) の場合(栓 A,栓 B;1.0$/min,栓 C;変動) 式(2.3)より,###では,"##!&!%"#%!+であ
る.3栓 使 用 ゆ え,1)case1よ り,!&#&!)1/."-2%と して, %"#!&!"##&!)!%!+##!+1/."-2%. つまり,3栓目の栓 C は,栓 A,栓 B と同時使用 により,水圧が%"##!+1/."-2%減少する。 以下同様に, b)スタンドパイプ(φ65mm)を使用し複数の消火 栓を同時使用した場合(case4∼case6) および, c)吸管直付により複数の消火栓を同時使用した場合 (case7∼case8) についても減水圧%"を求めると,Table 3 のとおり である。 5.係数#!,#"と放水台数$%の関係 残 存 水 圧"と 放 水 量 # の 関 係 を 表 す 式(; "#!$#!%""#の 係 数!$,!%(Table 1)と 放 水 台 数 Pw の関係は,式*のとおりである。
#!$#&$"'&%"&&
%
&
'
*#!%#&'"'&("&)
ただし,"';放水台 数(台),#!$,#!%;使 用 消 火栓の配水管口径 φ の係数 !$,!%,&$…&):係数。 a)case1∼case3;口径 φ100mm の場合(Fig. 7, Fig. 8)
$##!$#!#!&$("'#!+**!#!&&) !$##!,,&" (5.1) $##!%#!#!#&''"'&!##"%!)) !$##!,,," (5.2)
ここに,$$"'$&
b)case4∼case6;口径 φ150mm の場合(Fig. 9, Fig.
10)
$(#!$#!&!&,"'#!$%$"%!)+ !$##!,&#" (5.3)
$(#!$#!%!&'"'#!$*("'!*% !$##!,'*" (5.4)
Table 2 Relation between necessary residual pressure and
pipe of aperture
Table 3 Decrease of the water pressure ∆P
―61―
ここに,$%"$%& 3)case7∼case8;口 径 φ*150mm の 場 合(Fig. 11, Fig. 12) #$(#!$$!$!,,"$#!%,%"$!'% !#$#!,+*" (5.5) #$(#!%$!#!),&"$#!)('"&!#) !#$#!,*%" (5.6) ここに,$%"$%& ただし,Fig. 9〔放水台数"$$%,係数#$(#!$$!$!$〕 およびFig. 10 の〔放水台数"$$%,係数#$(#!$$!$!+(〕 は想定値である。 式!の係数 !$,!%と 放 水 台 数"$に つ い て,式 (5.1)∼式(5.6)による計算値は,Table 4 のとおりで ある。
Fig. 7 Relation between100M1and fire engine number (φ 100 ; case 1-case 3)
Fig. 8 Relation between100M2and fire engine number (φ 100 ; case 1-case 3)
Fig. 9 Relation between150M1and fire engine number (φ 150 ; case 4-case 6)
Fig. 11 Relation between *150M1 and fire engine number
(φ*150 ; case 7-case 8) (assumption value ; Pw=2, *150M1=−1.1)
Fig. 10 Relation between150M2and fire engine number (φ 150 ; case 4-case 6)
―62―
6.減水圧!!と放水量 " の関係 配水管口径 φ100mm(case1∼case3)および口径 φ 150mm(case4∼case8)の デ−タ よ り,減 水 圧 ∆P と放水量% の関係を求めた。 減水圧%$と放水量 % の関係は,式"のとおりで ある。 %$$'*%'+ " た だ し,%$:減 水 圧!1/.#-2%",%:放 水 量 !2Ë",'*,'+:係数。 複数の消火栓を使用するとき,たとえば,栓!に より栓"の水圧が減圧!%$"する。 口径 φ100(case1∼case3)および口径 φ150(case 4∼case8)のデ−タ;Table 3 より
%$$#!&###%$!)'(&$#!,((,Fig. 13) #
ただし,放水量% は,放水台数 $($$(消火栓数 =1)では,%$#2Ë,放水台数 $($%(消火栓 数=2)では,%$$2Ë,放水台数 $($&(消火 栓数=3)では,%$%2Ë. た と え ば,Table 1 で,case1→case2→case3と 使 用消火栓を増やした場合,追加使用開始前の水圧の減 少 は,&!)1/.#-2%(1栓 使 用 前,%$#2Ë)→
&!&1/.#-2%(2栓目使用前,%$$2Ë"
%$$#!&1/.#-2%)→%!+1/.#-2%(3栓目使用前, %$%2Ë"%$$#!+1/.#-2%)と変化する。 7.消火栓の放水能力の予測 Table 1 の実測値に基づいて求めた,式!,式#, 式(5.1)∼式(5.6)により,4ヶ所の消火栓での放水可能 性について,3ケ−ス(消防ポンプ自動車の配置;配水 管 口 径 φ100mm と φ150mm,吸 管 直 付 け;φ*150 mm)を検討した注2). a)case10;口 径 φ100mm(消 防 ポ ン プ 自 動 車 の 配 置)で放水台数$($'の場合の予測 消火栓4ヶ所の使用について,配水管の口径 φ100 mm でスタンドパイプ(φ65mm)を使用して消防ポン プ自動車の配置する場合を想定する。 case1∼case3;口径 φ100mm の場合の,係数$###$, $###%は,式(5.1),式(5.2)より,$($'として, $###$$!#!&$($(#!+**!#!&&)$!$!) $###%$!#!#&''$(&!##"%!))$#!( 放 水 台 数 が ふ え る こ と に よ る,%$;減 水 圧 (1/.#-2%)は,式#より, %$$#!&###%$!)'$$!+ ただし,放水台数$($'では,放水量 %$&2Ë. 口径 φ100mm では,放水前の消火栓の水圧 #&は,
式!,Table 1(case1)お よ び Table 3(case1)よ り,放水量0のときの残存水圧;$#$#&!%$とし
Table 4 Relation between100M1 and fire engine number (φ 100 ; case 1-case 3)
Fig. 12 Relation between*150M2 and fire engine number Pw(φ*150 ; case 7-case 8) (assumption value ; Pw= 2,*150M2=1.85) M1, M2of eq.(1) and fire engine number Pw〔from eq.(5.1)~eq.(5.6)〕
Fig. 13 Relation between the decrease water pressure and
the quantity of water flow
―63―
て, '"%#,#%#では,!&%&!)20/".3% ゆえに,"#%!&!'"%$!+20/".3% 式(5.1),式(5.2)より,$##!$%!$!),$##!%%#!(,お よび"#%$!+を適用して,放水時の残存水圧 "は, 式!より, "%!$!)##!("$!+ #%#!(3&"314のとき,"%#!*20/".3%,#%$!#3&"314 の と き,"%#!%20/".3%,最 大 放 水 量 は,"%#とし て,#%!!"#"!$"$"!%%$%))-"314. b)case11;口 径 φ150mm(消 防 ポ ン プ 自 動 車 の 配 置)で放水台数"$%'の場合の予測 消火栓4ヶ所の使用について,配水管の口径 φ150 mm でスタンドパイプ(φ65mm)を使用して消防ポン プ自動車の配置する場合を想定する。 case4∼case6;口径 φ150mm の場合の,係数$(#!$, $(#!%は,式(5.3),式(5.4)より,"$%'として, $(#!$%!&!&,"$#!$%$"%!)+%!$!* $(#!%%!%!&'"$#!$*("'!*%%$!*( 放 水 台 数 が ふ え る こ と に よ る,'";減 水 圧 (20/".3%)は,式#より, '"%#!&##$#$!)'%$!+ ただし,放水台数"$%'では,放水量 #%&3&"314. 口径 φ150mm では,放水前の消火栓の水圧 !&は, 式!,Table 1(case4)お よ び Table 3(case4)よ り,放水量0のときの残存水圧;"#%!&!'"とし て,'"%#,#%#では,!&%'!%20/".3%,ゆえに, "#%!&!'"%%!'20/".3% 式(5.3),式(5.4)より,係数$(#!$%!$!*,$(#!%%$!*(, および"#%%!'を適用して,放水時の残存水圧 P は, 式!より, "%!$!*#$!*("%!' #%#!(3&"314のとき,"%$!,20".3% #%$!#3&"314のとき,"%#!*20".3% 最大放水量は,"%#として,#%!!"#"!$"$"!%%$%$+-"314. c)case12;口 径 φ*150mm(吸 管 直 付 け)で 放 水 台 数"$%'の場合の予測 消火栓4ヶ所の使用について,配水管の口径 φ*150 mm で吸管直付けの場合を想定する。 case7∼case8;口径 φ*150mm の場合の,係数 #$(#!$,#$(#!%は,式(5.5),式(5.6)よ り,"$%'と して, #$(#!$%!$!,,"$#!%,%"$!'%%!$!) #$(#!%%!#!),&"$#!)('"&!#)%$!' 放 水 台 数 が ふ え る こ と に よ る,'";減 水 圧 (20/".3%)は,式より, '"%#!&##$#$!)'%$!+ ただし,放水台数"$%'では,放水量 #%&3&"314. 口径 φ*150mm(吸管直付)では,放水前の消火栓 の水圧!&は,式,Table 1(case7)およびTable 3(case
7)より,放水量0のときの残存水圧;"#%!&!'" として,'"%#,#%#では,!&%'!#20/".3%,ゆえ に"#%!&!'"%%!%20/".3%となる。 式(5.5),式(5.6)より,係 数#$(#!$%!$!),#$(#!%%$!', および"#%%!%を適用して,放水時の残存水圧 "は, 式!より, "%!$!)#$!'"%!% #%#!(3&"314のとき,"%$!)20".3% #%$!#3&"314のとき,"%#!)20".3% 最 大 放 水 量 は,"%#と し て,#%!!"#"!$"$"!%% $%((-"314となる。 同一系統で4栓同時使用(3栓は各々1000L/min に 固定,あわせて3000L/min)の放水時の連成圧力変化 について,!case10∼"case12の結果をまとめると, 係数!$,!%および放水量# と圧力 "の予測値は,
Table 5,Fig. 14~Fig. 16 のとおりである。これらの図
よ り 放 水 量# が $!#3&"314の と き の 圧 力 "は #!%&#!*20/".3%であり,さらにノズルを増やすだけ
の圧力はないことを示している。つまり,放水台数4 台(消 火 栓4ヶ 所 使 用)で は,$!#3&"314・台(1台
でノズル2口)が限界であることがわかる。
Table 5 Combined pressure of hydrant in Kobe City
Fig. 14 Relation between residual water pressure and
quantity of water flow (case 10 ; φ 100 ; 4 vehicle) ―64―
d)管網解析による流速係数! の値 配水管網の水理条件(水圧・流速・流向・流量)の 変化を解析するとき,使用した流速公式には,つぎの Hazen-Williams 式3)を用いた注3)。そして,流量法4),5)(流 速公式において,各節点で#&#!,各管網の閉ルー プで## % !とする方法)による解析を行った。
##"!!'''"!!"!)&""!%!)("&"!)&"$ "
ここに,#:摩擦損失水頭(m),!:流速係数, ":管内径(m),&:流量(.$"0,+),$:延長(m)。 神戸市星和台2丁目の配水管網を解析した結果,各 ケース(case1∼case8)の放水条件の放水量と Hazen -Williams 流速公式の流速係数! の変化は,つぎのと おりである。 case1では,消火栓218から,放水量(!$"!*.$".-/) に 対 し て,水 圧 の 測 定 値 を 再 現 す る 流 速 係 数! は,130∼88の変動となった。 case2で は,消 火 栓218で"!!.$".-/放水している 時,消 火 栓226か ら,放 水 量(!$"!').$".-/)に 対 して,水圧の測定値を再現する流速係数! は,105∼ 81の変動となった。 case3では,消火栓218及び226で各"!!.$".-/放水 している時,消火栓610から,放水量(!$"!'.$".-/) に対して,水圧の測定値を再現する流速係数! は,75 ∼82∼79の変動となった。 case4では,消火栓216から,放水量(!$"!'.$".-/) に 対 し て,水 圧 の 測 定 値 を 再 現 す る 流 速 係 数! は,130∼87の変動となった。 case5で は,消 火 栓216で"!!.$".-/放水している 時,消 火 栓202か ら,放 水 量(!$"!)&.$".-/)に 対 して,水圧の測定値を再現する流速係数! は,130∼ 78の変動となった。 case6では,消火栓216及び202で各"!!.$".-/放水 している時,消火栓604から,放水量(!$"!'&.$".-/) に 対 し て,水 圧 の 測 定 値 を 再 現 す る 流 速 係 数 C は,100∼103∼81の変動となった。 case7では,消火栓216から,放水量(!$#!$.$".-/) に 対 し て,水 圧 の 測 定 値 を 再 現 す る 流 速 係 数 C は,130となった。 case8では,消火栓216及び202で各"!!.$".-/放水 している時,消火栓604から,放水量(!$"!(.$".-/) に 対 し て,水 圧 の 測 定 値 を 再 現 す る 流 速 係 数 C は,100∼85の変動となった。以上のように,いずれ のケースにおいても,水圧の実測値を再現できる流速 係数! は,一定値ではなく変化した。 8.結論 平常時における消火栓の機能を評価するため,神戸 市星和台2丁目で放水実験(昭和61年6月9日,消火 栓連成圧力調査)を行った結果を解析することで,つ ぎの結論を得た。 ! 放水量と残存水圧の関係式 放水実験では,配水管の口径,放水消火栓数,消火 水量(放水量)の条件を変えて,放水量と水圧を解析 し,放水条件の各ケ−スごとに,放水量(消火水量) と残存水圧%との関係式を得た。 放水実験(神戸市星和台2丁目)の結果,放水量と 残存水圧の関係式(2.1)∼(2.8)を求めた。 平常時火災の消火にあたっては,消防自動車(3∼ 4台)により通常3∼4箇所の消火栓が使用され るが,放水条件(case1∼case8)の検討から,複数
Fig. 15 Relation between residual water pressure and
quantity of water flow (case 11 ; φ 150 ; 4 vehicle)
Fig. 16 Relation between residual water pressure and
quantity of water flow (case 12 ; φ*150 direct at-taching to fire engine number : 4 vehicle)
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の消火栓を同時使用した場合は相互の影響で水圧が減 少し,消火に必要な水圧("!%+)("',#)が確保できな い場合(2栓同時では!!$+)("',#水圧減 少,3栓 同 時では3栓目で!!&""!"+)("',#水圧減少)があるこ とがわかった。 神戸市水道局の全市街地における水道計画は,この 放水実験の市街地(神戸市星和台2丁目)とほぼ同様 な計画が実施されている。それゆえ,この実験値は, 平常時における神戸市の公設消火栓の放水能力を概略 示しているものと思われる。 ! 消火栓の放水能力の予測 Table 1 の放水実験結果(放水台数1∼3台)から 求 め た,放 水 量# と 残 存 水 圧 "の 関 係 式(5.1)∼ (5.6)から,放水台数4台の場合について,消火栓(口 径 φ100∼150mm)の放水能力の予測した。予測結果 によると,同時に放水台数4台では,放水量は1台あ たり"!!,$",*-(1台でノズル2口)が限界であるこ とがわかった。 ま た,放 水 台 数("$!""$台)と流速係数 C の 関係は,神戸市消防局が実施した平常時火災を想定し た神戸市星和台2丁目における消火栓の放水実験につ いて行った管網計算から,放水台数"$!""$台に 増加するにつれ,放水実験の放水量・水圧を再現する 流速係数は,!!"!!"&%程度に低下した。 注1)データをプロットすると緩やかな曲線となる。 一般に,オリフィスやせきなどの簡単な形状の 場合の流量は理論的に水圧のべき乗となること が具体的な数値1/2,3/2,5/2等々と導き出さ れているが,ノズル放水のような場合は1つの 手法として,べき乗の関数形とする実験式でそ の係数を求めることが考えられる。 注2)Fig. 13,式においては,これだけの実験結果か ら外挿せざるを得ない。今後これを確かめるに は追加実験をする必要があると思われるが,市 街地の消火栓でこれ以上の放水量を実験すると 濁水が広がり,悪影響がでるため現実には難し いものと考えられる。 注3)上水道の送配水設計用として,アメリカ合衆国 やわが国においても広く用いられている。本研 究でも慣例に従い Hazen-Williams の式を 用 い た。 参考文献 1)難波義郎,保野健治郎ほか:兵庫県南部地震にお ける大規模火災の消防活動に関する研究,日本火 災学会論文集,Vol.52,No.1,pp.1‐11,2002.8 2)保野健治郎:水道を中心とした都市防火施設に関 する研究(京都大学博士論文),pp.139‐174, 1969.3 3)土木学会編;水理公式集(昭和60年版),土木学 会,P394,1985 4)保野健治郎:電子計算機の利用によりみた管網計 算に関する二,三の考察,水道協会雑誌,第402 号,pp.24‐31,1968.3 5)保野健治郎:合理的管網設計法に関する二,三の 方法,水道協会雑誌,第405号,pp.67‐73,1968.6 ―66― (34)