『大日経開題』 における 『釋摩訶衍論』 の引用傾向につ い て (関) 『
大
日
経
開
題
』に
お
け
る
『釋
摩
訶
衍
論
』の
引
用
傾
向
に
つい
て
一は
じ
め
に
関
悠
倫
『釋
摩 訶 衍 論 』 ( 以 下 『 釋 論 』 ) は 、 宗 祖弘
法大
師 空 海 ( 七 七 四 〜 入 三 五 ) の 『 三 学 録 』 に そ の 名 が あ る こ と か ら 、真
言 宗 に お い て 重 要 な論
書 で あ る こ と と 窺 い 知 る事
が で き る 。 一方
、 『 釋 論 』 自 体 の 独特
な 性 格 と 思想
を 中 心 に 、真
言 教 丁 )学
と は 別 な 視 点 で 研 究 さ れ た 成 果 が提
出 さ れ て い る 。 本 考察
で は 、 教 学 の 立 場 よ り、 『 弘 法大
師 全集
』 ( 『 弘 大 全 』 第 一 輯 に 所 収 さ れ る 、 七 本 ( 「 法 界 浄 心 」 ・ 「 衆 生 狂 迷 」 ・ 「 今 釋 此 経 」 ・ 「 大 毘 盧 遮 那 」 ・ 「 隆 崇 頂 不 見 」 ・ 「 三 密 法 輪 」 ・ 「 開 以 受 自 楽 」 ) の 『大
日 経 開 題 』 ( 以 下 『 開 題 』 ) を 用 い 、 そ れ ら に お け る 『 釋論
』 の 引 用 傾向
に つ い て 検 討 を 試 み る も の で あ る 。 『開
題 』 に つ い て は 、 『大
日 経 』 つ ま り 「 大 毘盧
遮 那 成 佛 神変
加 持 経 」 の 経 題 に つ い て解
釈 し た 著 作 で あ る 。 そ の 〔 2 〕 理 解 に 、 空 海 の 独 創 的 な 思 想1
『 釋 論 』i
が 盛 り 込 ま れ て お り 、 と 同 時 に 、 『 開 題 』 類自
体 が他
の 著 作 に 比 べ 、 小 量 で あり
、 そ の 性 格 か ら か詳
細 な説
示
や論
説 が割
愛 さ れ、 部 分 的 な 転 用 が多
岐 に わ た り 、 思 想 の 抽 出 が 容易
で な い こ と を類
推 す る 。NII-Electronic Library Service 智山学報 第六 十一輯 小 論 で は 、 こ の 『
開
題 』 の 思 想 背 景 に 、 とり
わ け 「 三十
三法
門 」 ・ 「 三大
」 ・ 「 三 身 」 に つ い て独
特 な 理 解 が な さ れ て い る と推
考
し て い る 。 こ れ ら の 検 討 の 先 に 、 七 本 の 『 開 題 』 に影
響 を与
え た 『 釋論
』 の 思想
構
造 の 把 握 と 、真
言 教 学 に お け る そ の 立場
を 再 検 討 で き る と 考え
て い る 。 な お 、 本考
察 に おけ
る 成 果 は 、今
後 の 研 究対
象
と す る他
の 『 開 題 』 を 視 野 に し て お り 、 取 り扱
う 資 料 は そ の 作 業 の 一 端 で あ る 。 今 後 、 幾 つ か の 研 究 成 果 と 総 合 し 『 開 題 』類
全 体 に わ た る 検 討 を 加え
た い 。N工工一Eleotronlo Llbrary Servloe
二
『
大
日
経
開
題
』に
み
ら
れ
る
『釋
摩
訶
衍
論
』の
受
容
そ れ で は 『 開 題 』 に け る 『 釋 論 』 の 受 容 に つ い て考
察 を 進 め る 。 そ れ に 先 立 っ て い く つ か の 条 件 に 留 意 し な け れ ば な ら な い 。 抽 出自
体
が 『 釋 論 』 の 思 想 に よ る と いう
視点
に 立 ち考
察 す る た め 、 論 証 と 裏 付 が 弱 い 面 が 生ず
る 。す
な わ ち 、多
方
面 よ り の 検 討 を 採 用 し な い 分 、 片 寄 っ た も の に な り が ち で あ る と いう
こ と で あ る 。 以 上 に つ い て で き る か ぎ り 配慮
し 進 め て い き た い 。 考察
の方
法
と し て は 以 下 の 手 段 を 用 い る 。 七 本 そ れ ぞ れ に 共 通 す る 内 容 を 抽 出 し 、 そ の 重複
す
る 箇 所 を 三 つ に分
類 し検
討 を行
う 。 以 下 に 『 開 題 』 に 番 号 を付
し 文 を 挙 げ る 。186
■「 法 界
浄
心 」 ・「 衆 生 狂 迷 」 ・
「 隆
崇
頂 不見
」 に お け る受
容 まず
、 「 法界
浄
心 」 ・ 「 衆 生 狂 迷 」 ・ 「 隆崇
頂 不 見 」 、 三種
に つ い て で あ る が、 こ の 三種
の 共 通 す る箇
所 は 、夫
れ法
界
の 浄 心 は 、 十 地 を 超え
て 以 っ て 絶 絶 た り 。 一 如 の 本 覚 は、 三身
を 孕 ん で 離 離 た り 。 況 や 復曼
荼 の 性 佛『大 日 経 開 題』 にお ける 『釋摩 訶衍論』 の 引用傾 向につ い て (関) は 、
圓
圓 の 圓 。大
我
の 真 言 は本
有 の 又 の 本 な り 。 風 水 の 龍 、 其 の 波瀾
を 動 ず る こ と 得 ず 。( 『 弘 大 全 』 第 一 輯 ) で あ り 、 こ れ に つ い て 図 に
表
す と資
料の よ
う
に な る 。 三種
に共
通 す る 語 は 「 三身
」 や 「 圓 圓 」 等 で 、 『 開 題 』 三 種 の 文 脈 か ら察
す る に 同 一 の 文 節 で あ る と推
察
で き る 。と
は 同 じ
文
で あ り、は
と
を
割
愛
、 省 略 し た も の で あ る 。 まず
「 圓 圓 」 が 『釋
論
』所
説 「性
徳 圓 満 海 」 と す る 「 不 二 摩 訶衍
法 」 を指
す も の と 考 え ら れ 、と
に
共
通 す る そ れ 以外
の 文 言 は 『釋
論
』 の 思 想 と 何 ら か の 関 連 を 予想
さ せ る 。 つ ま り 「法
界 浄 心 」 は 「 生 滅 門 」 、 「 一 如 本 覚 」 は 「 真 如 門 」 、 以 上 二種
の真
生 二 門 が 展 開 さ れ 、 十 地 と 三 身 が そ れ ぞ れ に 対 と し て 説 か れ る と 考え
ら れ る 。 「風
水 龍 」 に つ い て は、 『 釋 論 』 所 説 「 生 滅 門 」 側 の 「 染法
」 と 「 浄 法 」 で 、 こ こ で は 「 不 二摩
訶
衍法
」 に波
瀾 を 動 じ な い と す る 立 場 を 表 現 し て い る と 推 察す
る 。 以 上 の 説 示 は 、真
生 二 門 が 「 圓 圓 」 で あ る 「 不 二 摩 訶 衍 法 」 に お よ ば な い こ と を 説 示す
る と と も に 、真
言 が 「 不 二摩
訶 衍法
」 ( 曼 荼 の 性 佛 ) そ の も の で あ る と す る 空海
の 理 解 であ
る と い え よう
。 〔 3 } ま た 、 以 上 の 理解
に 関 連 し 『法
華
経 開 題 』 で は 、 「妙
法 」 理 解 の 際、 『 釋 論 』 を 予 想 さ せ る論
説 が あ る 。 そ こ に は 、 六 重 の解
釈
に よ る 浅 深 に つ い て 、 「 不 二 本覚
」 を 除 く 、 五 重 を 顕 教 と し 、 さ き の も の を密
教
と 捉 え段
階的
な 浅 深 の 優 劣 を 示 す 。 さ ら に 、 五 重 の 内 、 五番
目 を 「 一 如 本 覚 」 、 四番
目 を 「 三 自 本 覚 」 、 三番
目 を コ 心法
界
本覚
」 、 二番
目 を 「 清 浄 本 覚 」 、 一番
目 を 「 染 浄本
覚
」 と 、 『 釋 論 』 所 説 の 思 想 を 引 い て い る 。 こ れ は、 空 海 に よ る 『釋
論 』 援 用 に よ る 独 自 的 な 思 想 の 表 れ と い え よ う 。 前 述 の よう
な 「 一如
本 覚 」 ・ 「 法 界 浄 心 」 に お け る 「 真 如 門 」 と 「 生 滅 門 」 へ の 思 想 の 表 現方
法 は 、 そ う い っ た 空 海 独自
の 視点
に 直 結 し て い る 。 こ こ で の真
生 二 門 の 性 格 は、 「 不 二 摩 訶 衍法
」 に 対 す る 、 「 三十
二法
門 」 の 役 割 を 担 っ て い る 。 「 風水
龍 」 は 「 生NII-Electronic Library Service 智山学報 第六 十一輯 資料 口 「法界 浄心」・ 「衆生狂 迷」・ 「隆崇頂不 見」 にお ける受 容 法界の浄 心 → 一法界 心(衆 生 心)に 展 開 す る 生滅門所 入の立場 (十 地 を 超 えて以っ て絶 絶 た り) 一如の本覚 → 一法界 心(衆 生 心)に 展 開 す る 真 如門所入の立場 (三身を 孕ん で離 離た り)
⊥
一 一 圓 圓 の 圓 → 圓 圓 海徳 ・性 徳 圓満 海 一一一一一 一一一一 一一 一+ 不二摩 訶 衍 法 風 水 。 。 . 風水。龍。、鮴 囃 .嬲 _ _ 生 滅 門 麟 の性佛塁
(其の 波瀾を 動 ず るこ と得 ず) 十 三 法 門 資料 ■ 「法 界浄心」・ 「隆崇頂 不見」・ 「開以受自楽」 における受容 生 滅 門 (阿羅耶 識 門) 三種の凡 夫識知 するこ と能ず。十地の聖者も未だ 其の辺 を 知 らず。圃
(真 如 本 覚 如来蔵が無明に 熏習 隨 縁)国
(無明を真 如 本 覚 如 来 蔵の 浄 法で熏 習) 四 種團
( 応 用 変 換 ) 下 転 神 変 (六道の神 変 〉 上 転 神 変 (衆生の神 変 ) 亦上亦下神 変 (法 界の 神 変 ) 非上非下神 変 (神 変の根 源 ) 非 有 為 非 無 為 の一心の本 法 と及び不二 の 中の 不二の 本 法と は、 諸の 戯 論を 越 えて 諸の相 待 を絶 す。 十 三 法 門 一188
一 N工工一Eleotronio Library『大 日経 開題』 にお ける 『釋摩 訶衍論』 の 引 用傾向につ い て (関) 滅 門 L 側 で は あ る が、 前 二 門 ( 三
十
二 法 門 ) を 意 図 的 に 投 影 し た表
現 法 であ
る と いえ
よう
。「
衆
生 狂 迷 」 ・「 隆 崇 頂 不 見 」 に お け る
受
容 に つ い て で あ る 。 ■「 法 界
浄
心 」 ・「 隆 崇
頂
不 見 」 ・ 「 開 以 受自
楽
」 に お け る 受 容 以 上 が「 法 界 浄
心
」 ・ 次 に 「法
界
浄 心 」 ・ 「 隆 崇 頂 不 見 」 ・ 「 開 以受
自 楽 」 の 三種
に つ い て 考察
す
る 。 前 に な ら い 共 通 箇 所 を あ げ る と 、 神 変 と は 、 測 ら ざ る を 神 と 日 い 、 常 に 異 な る を変
と名
つ く 。 即 ち是
れ 心 の 業 用 なり
。 始終
知 り 難 し 。 三種
の 凡 夫 識知
す る こ と あ た わず
。 十 地 の 聖 者 も い ま だ そ の 辺 を 知 ら ず 。 ( 中 略 ) 故 に大
神 変 と 日う
。 此 の 神 変無
量 無 邊 な り 。大
い に 分 け て 四 と為
す 。 一 に は 下 轉神
変
。 二 に は 上轉
神
変
。 三 に は 亦 上 亦 下 。 四 に は 非 上 非 下 な り 。 ( 中 略 ) 非 上 非 下神
変 と は 、 非 有為
非 無為
の 一 心 の 本 法 と 及 び 不 二 の 中 の 不 二 の 本 法 と は 、 諸 の 戯 論 を 越 え て 諸 の相
待
を 絶 す 。( 『 弘 大 全 』 第 一 輯 ) で あ り 、 こ れ に つ い て 図 に 表 す と 資
料
の よう
に な る 。 こ こ で は 経 題 に お け る 「 神変
」 、 そ し て 「 三種
凡 夫 」 等 が 説 示 さ れ て い る 。 ま ず 「神
変
」 に つ い て 、 四 種 の 「 神 変 」 を 立 て 経 題 を 解釈
す
る 。 す な わ ち 、 「 下 轉 神 変 」 、 「 上 轉神
変 」 、 「 亦 上 亦 下 神 変 」 、 「非
上 非 下神
変 」 の 四種
で あ る 。 こ れ に つ い て 『 釋 論 』 で は 、 「 神変
」 を 二 種 に 分 け論
説 す る 。 そ れ は 「 上 転 」 と 「 下転
」 で あ り 、 四 種 を 説 い て い な い 。 以 上 四 種 の内
、 「非
上 非 下 神 変 」 に つ い て 、 「 一 心 本 法 」 お よ び 「 不 二 本法
」 を 説 く の は 、前
三種
「 神変
」各
々 根 源 、 あ る い は 超 越 し た 性質
で あ る と す る説
示 ゆ え 、 「 一 心 」 と 「 不 二 」 を説
示 し て い る と 推察
す る 。 つ まり
、 「 不 二 本法
」 と は 、 『 釋 論 』 所 説 「不
二摩
訶 衍法
」 を 指 し 、 そ の 性質
が 「機
根
」 ・ 「 教 説 」 等 が な い と す る189
NII-Electronic Library Service 智山学 報 第六十一輯 「 三 十 三 法 門 」 上 、 最 高 に 価
値
あ る 法 と 捉 え る 視点
と 、 「 非 上 非 下神
変 」 以 外 の 三種
が 「 一 心本
法
」 の 思想
を 背 景 と し た 「 三 十 二 法 門 」 で あ る と す る 立 場 の 二 様 が 見え
隠
れ し て い る の で あ る 。 そ れ ら が 集 約 さ れ た も の が 、 「 三 十 三 法 門 」 で あ る と い え よ う 。 「 不 二 摩 訶 衍法
」 の み を 立 て る と 、 『 釋 論 』所
説
の内
容
と 、 前 の 三 種 「神
変 」 の論
説 の 体 裁 に 矛 盾 が 生 じ て し ま う 。 そ の た め 階 梯 的 な 四 種 「神
変
」 の有
り方
に 、 「 三十
三 法 門 」 の 思 想 、 そ し て 「 三 十 二法
門 」 を 「 一 心 」 にあ
て が い 説 示 し て い る と 類推
す
る 。 ま た 、 「 三種
凡
夫
」 と は、 「 邪定
聚 」 ・ 「 不定
聚 」 ・ 「 正定
聚 」 の 『 釋 論 』 所 説 の 機根
論
( 資 料 参 照 ) を採
用 し 、 以 上 の 三 種機
根
と 「 十 地 聖者
」 が、 「神
変 」 の本
来
の 意味
を 「 識知
」 で き な い とす
る 立 場 を 論説
し て い る 。 こ れ ら は 『 釋論
』 の 「 因 縁分
」 構 造 を 理 解 し 踏襲
し て い る 。 つ ま り、 経 題 に おけ
る 「 神 変 」 に 有 す る 性質
を 四種
あ る と す る 一 方 で 、 そ れ に対
し 、 「 三 種 凡夫
」 と 「十
地 聖 者 」 等 の 機根
や 階梯
的 理解
の度
合 い を敢
え て表
現 し て 顕 密 二 教 に 跨 っ た性
質 を 兼 ね備
え た も の で あ る と す る 意 図 が 予 想 で き る 。 以 上 が「
法
界 浄 心 」 ・「 隆 崇 頂 不 見 」 ・
「 開 以 受
自
楽
」 に お け る受
容 に つ い て で あ る 。 ■「
今
此 釋経
」 ・ 「大
毘盧
遮 那 」 ・「 隆
崇
頂
不 見 」 ・ 「 三密
法 輪 」 ・「 開 以 受 自 楽 」 に お け る
受
容 次 に 「今
此 釋 経 」 ・ 「 大 毘 盧 遮 那 」 ・ 「 隆 崇 頂 不見
」 ・ 「 三密
法
輪 」 ・ 「 開 以受
自 楽 」 の 五 種 に つ い て考
察
す
る 。 共 通 箇所
に つ い て は大
き く分
け て 二種
あ
り 、 「大
と は 謂 く 無 辺 際 の義
な り 」 、 「 所 謂 る大
と は 、 人 中 の 大、 法 中 の 大 、 ( 中 略 ) 定 中 の 大 な り 。 」 「横
竪 無 辺 際 の190
一 N工工一Eleotronlo Llbrary『大日経開題』 に おける 『釋摩訶衍 論』 の 引用傾 向につ い て (関) 故 に
大
と 云う
。 L 「謂
く
大 と は 、 】 に は 体大
、 ( 中 略 ) 十 三 に は 遍 大等
な り 。 」 「 横 竪無
辺 際 な る が 故 に 大 と 云う
。 」 「十
最
大 、 ( 中 略 ) 十 勝大
、 ( 中 略 ) 十 業大
、 ( 中 略 ) 十 遍 大 」( 『 弘 大 全 』 第 一 輯 ) と
あ
る 。 図 で は資
料 で あ る 。 ま ずと
は
広
略 の 関係
で あ り、の 「 大 と は 謂 く
無
辺 際 の義
な り 」 と は 、と
に 共 通 点 を 見 出 せ る 。 ま た
の 「 十 五
義
」 解 釈 と の 「 十 三義
」 解 釈 の 内 、幾
つ か の文
言 が 一 致 す る 。特
には 『 釋 論 』 所 説 「 最 勝 業 遍 」 の 解
釈
を そ の ま ま 引 い て 論説
し て い る 。と と
と
の 「
大
」 に お け る 論 説 は、と
の 「
十
五 義 」 と 「十
三義
」 の 思 想 を 拠 り 処 と し 、 さ ら に そ れ がの 構 造 に
直
結 す る と推
察
さ れ る 。 な ぜ こ の よ う な多
岐 に わ た る数
の 解 釈 を 展 開 す る か は 、経
題 の 「 大 毘 盧 遮 那 」 の 「 大 」 に 功 徳 が多
義 に わ た る こ と を 説 示 す る こ と が 目 的 で あ る と考
え ら れ る 。 空 海 は 、前
と 同 様 に解
釈
全 体 に わ た り 『 釋 論 』 を 引 用 せず
、 極 断 片 的 に 思 想 や 文言
を 採 用 し、 受容
す る こ と に より
『 開 題 』 を 著 し て い る 。 そ の 特 徴的
な手
法
は 、 『 釋 論 』 と 併 用 し て 、 『 釋論
』 以 外 の典
籍 が 頻 繁 に 引 か れ て い な い こ と が 挙げ
ら れ る 。 し か し 一 方 で 、 『 釋 論 』 に よ つ た も の で あ る と、 全 て が 一致
す
る と 言 い に く い こ と も挙
げ
ら れ る 。 ま た 、 『 開 題 』 上 に 『 釋 論 』 の名
が 明 記 さ れ て い な い こ と も 、 以 上 の よ う な 抽 出す
る 上 で 問 題 の 一 つ と い え よ う 。 な ぜ こ の よう
な 体 裁 と な っ た か 考 え る と 、 こ れ ま で の 傾向
か ら、 空 海 自 身 、 『釋
論
』 を受
容 す る こ と が、 名 を 明 記 す る 必 要 性 の な い ほ ど当
たり
前 の 環 境 下 で あ っ た と推
察 す る 。 以 上 が「
今
此釋
経 」 ・ 「大
毘 盧 遮 那 」 ・「 隆
崇
頂
不 見 」 ・「 三
密
法輪
」 ・「 開 以
受
自楽
」 に お け る受
容 に つ い て で あ る 。191
NII-Electronic Library Service 智 山学報 第六十一輯 資料 ■ 「今此釋 経」・ 「大毘盧 遮那」・ 「隆崇頂不見」・ 「三密法輪」・ 「開以受 自楽」 における受容 「最 勝 業 遍 各 十種 故 成四十 數。 云何 為八。 智及無礙各有 四 種 故 成 八 種。 云 何為十 最。 一者 超 過 最。還離二 乘地故。二 者 出離 最。 永 離三界 域 故。 ≡者 對 治最。 頓斷四 住 地故。 四 者 厭 患 最。 已 過五蘊聚 落 故。 五者 離 愛 最。 永 別 六 道岐 故。 六者 威 徳 最。勝 退七悪 軍 故。 七者 兵 衆 最。 皆 盡八 邪林故。八者智 慧 劍 最。 決 斷九結 絆 故。 九者 解脱最。 斷除十纏 縄故。 十者勇 猛 最。」 云 云 (『釋 論』大正三十二 巻五 九五 上) 広 略の関 係 「一 一 「 「一
ト
ー 一 一 一 一■ 「・一・…・一・…・…・・・・・……・・・・…一…………一・……・一・1・・・・…『釈 論』 の思 想を応 用 今此釋経 大 毘 盧 遮 那i
隆崇 頂不見↓
・・黐
纛
・無辺鰍
・ 大と は謂 く無 辺 際の義 な り 三密 法 輪 i↓
i
十三義の解 釈….; 開 以受自楽 ↓ 横竪無辺 なるが故に大一
大 毘 盧 遮 那 三 密 法 輪 『 釈 摩 訶 衍 論 』 人 中 の 大 定 中 の 大鬻
最勝業遍_ _ _ _ _一
十最 大 一 一に は超 過 大 (中略 )十 には勇猛 最、 九 十 六 種の外道 を摧伏 するが故に。 十 勝 大 一 一に は力勝(中略)十に は住 処 勝、処 居の宮殿 無 辺 広博なるが故に。 十 業 大 一 一には 自然 業 (中略 )十には通 達 業、 障碍あ ること な きの こと虚 空の ご とくなるが故に。 十 遍大 一 一には根 遍 (中略 )十には無 等 遍、 与等 な きが故に。 一192
一 N工工一Eleotronio Library『大日経開題』 に おける 『釋摩訶衍 論』 の引用傾 向につ いて (関)
三
空
海
に
お
け
る
引
用
傾
向
そ こ で今
度 は、 空 海 の 引 用 傾向
を 中 心 に 考 察 を試
み る 。 く わ し く は 、 「 三 十 三 法 門 」 ・ 「 四種
神
変 」 に お け る機
根 ・ 「 三大
」 理 解 、 さ ら に 「 三身
」 、 以 上 四 点 の 問 題 を 設定
し 進 め て い く 。 先 の検
討 に よ り 、 七本
全 て の 『 開 題 』 に、 必 ず 同 じ 引 用 文 や 、 そ れ ら を 省略
し た表
現等
の 共 通す
る 点 が 見 出 せ 、 「 法 界 浄 心 」 と 「 隆崇
頂
不見
」 が、 他 の 五 本 よ り 引 用 や 思 想 の受
容
が多
い こ と が挙
げ ら れ る 。 特 に 「 三 十 三法
門 」 を 意 図 的 に模
倣 し て い る こ と が確
認 で き る 。 と り わ け、 「 不 二摩
訶衍
法 」 に 絶 対 的 な 性 格 を 付加
す
る 表 現 が な さ れ て い る 。 空 海 が 「 三 十 三 法 門 」 を眺
め た時
、真
生 二 門 も 包 含 し た 「 三 十 二 法 門 」 を 顕 教 的 立 場 、 「 不 二摩
訶衍
法
」 を密
教
的 立 場 と し て捉
え て い る 。 こ の 理解
を 踏 ま る と 、 「法
界浄
心 」 に お け る 「 十 地 」 、 「 一如
本 覚 」 に け る 「 三身
」 は 、 顕 教 の 立 場 に 置 か れ る と いう
こ と に な る 。 一 方 で、 「 三 種 凡夫
」 と 「 十 地 聖 者 」 が 「 識知
」 で き な い と す る、 『 釋 論 』 所 説 の 機 根 論 の採
用 と、 「 四 種 神 変 」 に お け る 「 非 上 非 下 神 変 」 に つ い て 、 コ 心 」 と 「 不 二 」 をあ
げ 、 前 三 種 「 神変
」 と 一 線 を 画 す 表 現 は 、 経 題 の 「 神 変 」 に対
象 と す る衆
生 が 、 顕 密 二 教 に わ た る と いう
独
特
な 構 想 を 打 ち 出 し て い る こ と に な る 。 そ れ で は次
に 、 「 三大
」 と 「 三身
」 に つ い て 考 え て み る 。 そ れ に つ い て 、大
毘 盧 遮 那 と は 自性
法
身
即
ち 本 有 本覚
の 理 身 な り 。 次 に 成 佛 と は 受 用身
な り、 此 れ に 二種
有 り 、 一 に は受
用身
、 二 に は多
受 用 身 に し て 、修
得 即 ち 始覚
智身
な り 。神
変 と は 他受
用 応身
す
な わ ち 変 化法
身 なり
。加
持
と は等
流身
即 ち 是 れ 三 界 六 道隨
類
の身
な り 。 若 し 四 を 摂 し て 三 と 為 さ ば 、神
変 加持
を 合 わ せ て 一 と 為す
。 即 ち 法 応 化 の 三193
NII-Electronic Library Service 智山 学報 第六十一輯 身 、
次
の 如 く知
ん ぬ べ し 。 次 に 三大
に 配 し て 釈 せ ば 、大
毘盧
遮 那 と は 体 な り 。成
佛
と は 相 な り 。神
変加
持 と は 用 な り 。( 『 弘 大 全 』 第 一 輯 ) と 説 き 、 「
大
毘 盧 遮 那 」 を 「 自 性 身 」 、 「 成 佛 」 を 「受
用身
」 、 「 神 変 」 を 「 変 化身
」 、 「 加 持 」 を 「等
流 身 」 と し て 四種
法
身 を 配 当 す る 。 「 三 身 」 と 「 三 大 」 に つ い て は、 「 大 毘 盧 遮 那 」 を 「 法身
」 と し て 「 体 大 」 、 「 成佛
」 を 「 応身
」 と し て 「 相大
」 、 「神
変加
持 」 を 「 化身
」 と し て 「 用大
」 を 配 当 し て い る 。 さ ら に 三 大 に つ い て は 、 謂 く体
大
と は 、 若 し く は 相、若
し く は 用、 真 如 の 性 と と も に 、 而 も 常 遍 広 博 な る こ と な お し 。 虚 空 の 如 く な る が 故 に 。 二 に相
大 と は 、恒
沙 の身
密 不 可 思 議 に し て 互 相 即 入 し 微 細 重重
無 尽 な る が 故 に 。 用 大 と は 業 用 周晋
し て 体 の 如 く 遍ず
る が故
に 。 無 間無
断 に し て 方 便 を 行ず
る が故
に 。 所 謂 る 神 変加
持
是 な り 。( 『 弘 大 全 』 第 一 輯 ) と あ る 。 「 体
大
」 と は、 「 虚 空 」 の ご と く 「相
大 」 ・ 「 用 大 」 も 、 「 真如
の性
」 と と も に 「常
遍広
博
」 で あ る と 説 く 。 「相
大
」 と は、 「恒
沙 の身
」 と あ る ご と く 「 法身
」 で あ る 「 体大
」 が 、 「 不 可 思 議 」 で 互 い に相
即 入 し て 「無
尽 」 で あ る と し 、 「 用 大 」 と は 、 「体
の 如 く 遍ず
る 」 と いう
よう
に 「法
身
」 の 「業
用 」 が 、 「 無 間無
断
」 に 「方
便
」 を 行ず
る と 説 く の で あ る 。 「 三 大 」 を先
の 「 三身
」 と 四 種 法 身 と を 合 わ せ て み る と 、 「 体 大 」 と は 「 法 身 」 で あ り 「 自性
身
」 。 「 相 大 」 と は 「 応身
」 で あ り、 「受
用身
」 。 「 用 大 」 と は 「 化身
」 で あ り 「 変化
身 」 ・ 「 等 流身
」 と な る 。 「 三大
」 を 、 「 真 如 の 性 と と も に 」 と 説 示 し て い る よう
に ・ 『 大 乗 起信
論 』 所説
の 「 一企
’ 「 二 門 」 ° 「 三旭
」 の 差 別 的 な 縦 の構
造 で は な く 、 『 釋 論 』 所 説 の 「 真 如 門 」 と 「 生 滅 門 」 そ れ ぞ れ に 「 三 大 」 を み と め た 平等
的 な 横 の 思 ( 互 想 を 採 用 し て い る と 予想
で き る 。194
N工工一Eleotronlo Llbrary『大日経開題』 における 『釋摩訶衍論』 の引用傾向につ いて (関) 先 の 検
討
に よ っ て 空 海 は、 「 三 十 三 法 門 」 中 「 不 二摩
訶
衍 法 」 を 密 教 、 「 三 十 二 法 門 」 を 顕 教 の 立 場 に捉
え て い た 。 と す れ ば逆
な 視 点 も あ る が 「 三 十 二法
門 」 所説
の 「 三 身 」 は 、 『弁
顕 密 二 教論
』 上 で も説
示 さ れ る 通り
顕 教 と な る 。 「 三大
」 つ い て い え ば 、 顕 密 二教
の 三 身 ・ 四種
法
身 の 働 き を 「 三 大 」 を 用 い た も の で あ り 、 二 教 に 跨 る も の で あ る と 見 る こ と が で き る 。 こ の こ と か ら 、 「 四種
神 変 」 の 構 想 を考
え る と 、 「 三 十 二 法 門 」 の範
疇
で あ る 「 三種
凡
夫 」 を 論説
に 反 映 さ せ た こ と は、 こ れ ら の 根 幹 が 「 三 十 三法
門 」 と い う顕
密 二 教 の性
格 を 包 含 さ せ た構
造 と し て説
示 さ れ た も の と い え よ う 。 こ れ が 空 海 の 視 点 に よ り導
入 さ れ た、 『 開 題 』 に お け る 思 想 で あ り 、 真 言 密教
の 立 場 と推
察
さ れ る の で あ る 。 こ れ に つ い て 図 に し た も の が 資料
で あ る 。 断片
的 な 思 想 や 文 言 を 広 い 集 め 、 そ の 傾 向 を考
え た 結 果、 そ の 思 想 の根
源
が 『 釋 論 』 を 由 来 と し た 論 説 であ
っ た と 推 察 さ れ る 。 そ し て、 『弁
顕 密 二 教 論 』 の 「 三身
」 や 『 即身
成
仏 義 』 の 「 三大
」 の 思 想 が そ の延
長
線 上 に あ り 、 『 釋論
』 の 思 想 が そ の 根幹
を な す と い え よう
。 な に より
も、 空 海自
身
が 『 釋論
』 を 顕密
二 教 に 跨 が る 論書
で あ る と捉
え て い た こ と を 確 認 で き る 。 た だ 、 『 即 身 成 仏義
』 に お け る 「 三 大 」 を 『釋
論
』 延 長 上 の み か ら で は 支 障 をき
た す 。 そ れ は 、 「 三 大 」 に 「 三身
」 理 解 を考
え た と き 、 「体
相
」 を も っ て 「 法身
」 と す る 『 釋 論 』 の 理 解 が 邪 魔す
る 。 つ ま り 「 六大
」 ・ 「 四 曼 」 ・ 「 三密
」 に 「 体 大 」 ・ 「相
大 」 ・ 「 用 大 」 を 配 当 す る 構 造 を 確 立 で き な い 。 こ れ に つ い て 筆 者 は、 空 海 が 「真
如 の性
と と も に 」 と あ る 説 示 が大
き な 鍵 を握
っ て い る と考
え て い る 。195
NII-Electronic Library Service 智 山学報第六十一輯 資料 三 聚 三
証
地 向 行 住 回 十 十 十 十 聚 定 正 信 十 聚 定 不「
一 下 品 四 賢 邪 定聚 二乗凡 夫 資料 四種法身一
自性 身 受用身 変化身 等 流 身↓
大毘盧遮那一「↑
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法 身
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体
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成佛一 一一一一一; 神 変一一一一一一「一加持
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身
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ぎ
大 一196
一 N工工一Eleotronlo Llbrary『大 日経 開題』 における 『釋 摩訶衍 論』 の引用 傾向につ い て (関)
四
ま
と
め
今 回 の検
討 に よ り 空 海 の 『釋
論 』 に 対す
る 、 特 別 な 理解
が あ っ た こ と が確
認 で き た 。 一 つ は 「 不 二摩
訶 衍法
」 へ の 特 別 な視
点
。 二 つ に は 「 大 毘 廬 遮 那成
佛 神変
加 持 」 の 経 題 に お け る 、 「 大 毘 盧 遮 那 」 ・ 「成
仏 」 ・ 「神
変 」 ・ 「 加 持 」 の 四 種 に つ い て 、 四 種法
身 や 、 前 記 の 「神
変 」 と 「 加 持 」 を 合 わ せ て 「 三身
」 へ の 配 当 理解
、 さ ら に は 「 三大
」 の 解 釈 が な さ れ て い た 。 「 三大
」 の 説 示 に つ い て は 、 『 起信
論 』 由 来 で は な く 、 『釋
論 』 所説
の 「 三大
」 理解
を 援 用 し て い る と の 結 論 に い た っ た 。 こ の よ う な 、 解釈
の 延 長 上 に 、 『弁
顕密
二教
論 』 に お け る 「法
身
説 法 」 思 想 や 、 『 即身
成 仏 義 』 の 「 六大
」 ・ 「 四 曼 」 ・ 「 三 密 」 へ の 関 連 性 を 指摘
で き る 。 一方
で 、 『 開 題 』 に お け る 引 用 の 傾 向 が 、割
愛 や表
現 が多
様 化 し 、 さ ら に は パ ズ ル の よう
に 援 用 さ れ て い る こ と か ら 、詳
し い整
理 を し つ つ 、 『 開 題 』 そ の も の の 撰 述 年 代推
定 に つ い て も考
察 が 可能
で あ る と考
え
ら れ る 。今
後
の 課 題 と し て は 、 今 回 の 『 大 日経
開 題 』 の み の考
察 だ け で は 、 空 海 の 『 開 題 』 に お け る 『 釋 論 』 の引
用 傾向
に つ い て 抽 出す
る の に は 不 完 全 で あ り、今
後 、 他 の 『 開 題 』 類 に つ い て種
類 別 に 考 察 を 試 み 、 そ の都
度 、 比 較 を行
っ て い き た い 。 な お 各 『 開 題 』 に つ い て 本 考 察 に お い て 該当
文 言 を 、 次 に 図 と し て 示 し た 。197
NII-Electronic Library Service 智山学報第六十一輯 『 冴 田 識 調 醐 』 鋤 顎 肇 陪、 糊 餅 螢 賺 鋤 鰌 ≒ 職 罰 画 睡 嵐 嘆 嗣 難 温 引 噛 陶 鴫 薙 嚇 勁 聾 泌 皿 臟 錦 瓠 ○ ○ 華 冖・ ○ ○ 「 卅 き 錦 判 S 肇・ ワ 碑 ’ 十 達 嘩 磁 冲 ぺ 逗 O ぺ 謬 識 浮 ご ゜ ー 誉 針 諒“ 野 ’ 田 ゆ 嘩 偲 }
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一 N工工一Eleotronio Library『大日経 開題』 における 『釋摩 訶衍論』 の引用 傾向につ い て (関) 「
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鵡 灘 針 川 韓 雖 ゜ 富 雌 訪 川 。 ー 蝋 苗 詁 薛 聾 。11
峠 渮 詁、 畔 難 ゜ 田 峠 や 髞 斗 ロ 醉 聾 ゜ L … 「 嬲 零 庄 揖 丑 豁 斟 粛 蒔 雌 ゜ 汕 コ や 引 柵 野 零 メ 羅 丑 凄 掛 蒋 蹄 鰍 ゜ 暑 砲 旨 綴 ゜ 博 熱 坤革
齢 跚 聖 細 凅 醤 督 睡 醤 斟 灘 薯夢
掛 蹴 顧 渦 阯 黙 購 ゜ 欝 蒔 雌 環 皿 畳 罐 粛 鯊 謡 言野
涛 博 譌 滑 斎 轄 論 霽 ゜ 細 殍 灘 叫 朝 貯 引 臨 澑 餅 嬉 鬯 φ ゜ 洫海
畷 轉 コ 』 ° 碓 霽 渇 旨 旨 楓 ヨ琳
倒 聊 餅 聾 灑 引 辟 引 薄 苫O
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識 丑 矗 ロ 醸 琳 ゜ 喇 ロ 縢 鰍 ゜ ー 蝋 旨 餠 醤 熾 ゜ ロ 眼 州 靉 綴 艤 ゜ 」 「 槽 田 醜 き 海 黙 装 卜 贈 罫 ゜ 坤 酋 川 沖 ゜ ー 諏 浦 萢 瓣 憎 き 卅 。 口 雌 鵡 温 飜 詠 き 滞゜ 川 疎 陣 鬯 引 漁 き 冷 ゜ 榔 菌 謎 川 ゜ 雪 畳 蒋 課 き 卅 欝 ゜ 」 … 「 罫 田 ゜i
薙 「纛
蜘 ー 曹 餅 鸛 「 』 確 ゜ 細 霽 歯 謎 滋 呻 囲 蘚 ゜ 讙 黐i
癌 刺 醤 謡蔚
湘 霽 的 黏 臼 陣 囲 賠 ゜ 嘸 斎 賠 判 購 画 讃蔚
」 「 器 卦 証 斗 霜 謎 ー ・ ワ 耕 賠 蛇 讃 醜 欝 D 」 … 「 脚 薄 曲 醇 嗜 譱 飜蝉
髞 驚 荊酪
激 躰 器 藩 溢 ゜ 霜 藻 翹夢
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隆辞
皰 飆 跏 旦 嵜 錦 輩 需塁
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譲 お 零 課 藩 ゜ 蹤 事 お 引 界 。 囃 融 目 勲 − 遵 細 餅 掛 職 誉 細 ゜ 、 醇 辭 函 謡 箒 や 湘 ゜ 」 … 「 卸 覊 淋 臨 求 + 薗 罫 薄 圖 + 釁 ゜ 蜘 盲 謎 〉 ° 曙 薄 鯊 靉 恥 針 圏 藩 罫 野 〉 麟 ゜ 坤 會 誑 + 鄙 ゜ ー 雌 禽 嶐 麹 ゜ 飾 諱 口 湘 聾 興 ゜11
眼 庄 誰 鄭 ゜ ※ 髞 田 軸 嬉 霽 。 国 峠 蹕 郎 麺 ゜ 温 蟹 圖 熊 娑 鉢 。 圖 雌 架 珊 蜘 ゜ 田 庫 団 酎 矧 礁 罫 ゜ 団 疎 器 沸 姉 ゜ 沖 如 昌 汁 嵐 溥 琳 ゜ 汁 聴 聾 蠧 卸 ゜ 課 随 叶 朔 樋 罫 ゜ 古 瞭 獅 聟 如 ゜ 嘸 齢 〉 鶉 躰辞
〉 峠 曙 鋸 逵騨
箔 黶 計 辭 奪野
ぎ 瞳 覊 甑 姉 ゜ 靨 彈 + 蔽 謹 欝 ゜ + 雌 蹄 騨 卸 ゜ 」 坤 坤丁
注 ) 石 井 公 成 『 華 厳 思 想 の 研 究 』 一 九 九 六 年 一199
NII-Electronic Library Service 智 山学報 第六 十一輯 (
2
) こ れ ら の 理 解、 さ ら に は 空 海 の 著 作 に お け る つ い て す で に 多 方 面 よ り 研 究 さ れ た 指 摘 が あ る 。 勝 又 俊 教 編 『 弘 法 大 師 著 作 全 集 』 第 二 巻 一 八 五 頁 } 九 九 二 年 。 小 田 慈 舟 「 弘 法 大 師 の 諸 開 題 等 に 散 見 す る 釈 論 の 思 想 」 ( 『 密 教 文 化 』 第 入 六 号 所 収 二 頁 一 九 六 入 年 ) 。 本 多 隆 仁 「 弘 法 大 師 教 学 に つ い て1
釈 摩 訶 衍 論 の 引 用 を 中 心 と し て ー 」 ( 『 智 山 教 化 研 究 』 第 一 七 号 所 収 一 九 八 五 年 ) 。 中 村 本 然 「 道 範 撰 『 金 剛 頂 経 開 題 勘 註 』 に つ い て 」 ( 『 高 野 山 大 学 密 教 文 化 研 究 所 紀 要 』 第一 = 号 所 収 二 〇 〇 八 年 ) 。 福 田 亮 成 「 空 海 の 『 開 題 』 類 に み る 密 教 ( 二 ) 」 『 仏 教 文 化 論 集 』 第 十 輯 所 収。 ま た、 『 日 本 大 蔵 経 』 第 二 七 巻 所 収 さ れ て い る、 了 簡 の 『 大 日 経 口 筆 』 、 宥 快 の 『 大 日 経 開 題 鈔 』 に お い て 、 『 釋 論 』 に 拠 っ た も の で あ る と の 見 解 が な さ れ て い る 。 (3
) 『 弘 法 大 師 全 集 』 第 一 輯 七 六 九 頁 「 且 く 六 重 浅 深 有 り 。 一 に は 染 浄 本 覚 妙 法 、 二 に は 清 浄 本 覚 妙 法、 三 に は 一 心 法 界 本 覚 妙 法 、 四 に は 三 自 本 覚 妙 法、 五 に は 一 如 本 覚 妙 法 、 六 に は 不 二 本 覚 妙 法 な り 。 此 の 六 重 に 就 い て 且 く 顕 密 の 妙 法 を 分 け た ば、 顕 密 の 妙 法 を 分 け た ば、 初 め の 五 は 顕 の 妙 法 、 後 の 一 は 密 の 妙 法 な り 。 又 前 の 五 が 中 に 初 め の 四 は 顕、 後 の 一 は 秘 な り 。 又 四 の 本 覚 の 中 に 顕 秘 有 り 。 初 め は 顕、 後 は 秘 な り 。 次 の 如 く 知 ぬ べ し 。 今 の 所 説 の 経 は 染 浄 本 覚 の 妙 法 な り 。 」 (4
) 『 大 乗 起 信 論 』 大 正 蔵 三 二 巻 五 八 四 頁 中 (5
) 『 釋 摩 訶 衍 論 』 に お け る 「 三 十 三 法 門 」 ・ 「 三 大 」 に つ い て、 本 多 隆 仁 「 体 相 用 と 自 体 相 用 ー 釈 論 を 中 心 と し てI
」 ( 『 智 山 学 報 』 第 五 一 号 所 収 二 〇 〇 二 年 ∀ 、 藤 田 隆 乗 「 『 釋 摩 訶 衍 論 』 の 一 考 察 − 体 相 用 を 中 心 と し てl
」 ( 『 大 正 大 学 大 学 院 研 究 論 集 』 所 収 一 九 八 五 年 ) に 詳 し い 。200
N工工一Eleotronlo Llbrary Servloe 〈 キ ー ワ ー ド 〉 釋 摩 訶 衍 論 、 大 日 経 開 題、 三 十 三 法 門 、 不 二 摩 訶 衍 法 、 三 大、 三 身