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アスコルビン酸含有ポリエチレングリコール製剤を用いたCT colonography前処置の有用性 第54巻6号1090頁

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原 著

はじめに  欧米では,大腸CT検査(CT colonography: CTC) の 精 度 は, 全 大 腸 内 視 鏡 検 査(total colonoscopy:TCS)とほぼ同等であると報告さ れ1)〜5),2008年に米国の大腸がん検診ガイドライ ンで,50歳以上の平均リスク群は 5 年毎のCTC が推奨された6)。本邦においても2012年に大腸CT 検査の保険収載が認められ,術前検査やスクリー ニング検査の新しい大腸検査法としてその有用性 が認識され急速に普及している7),8)。CTCにおけ る前処置は一般的に内視鏡検査に準じた腸管洗浄 が行われているが9),10),腸管洗浄剤の用量が多い ため検査の受容性を低下させているのも事実であ る。検査精度と前処置はトレードオフの関係にあ り,特にスクリーニングでは,被検者の受容性を 高めるために,検査精度を維持しつつ腸管洗浄の 負担をいかに減じるかが重要な鍵となる7),11),12)   近 年 登 場 し た TCS 用 の 腸 管 洗 浄 剤(polye­ thylene glycol electrolyte lavage solution with ascorbic acid:以下PEG+Asc,商品名モビプレッ プ®) は,Polyetylene glycol electrolyte lavage

solution(PEG)に類似した組成に,下剤として の効果も有するアスコルビン酸を加えた高張性 (高浸透圧)にした新しい腸管洗浄剤である13),14) 高浸透圧により体内の水分が腸管内へ移動するた め,洗浄剤自体の服用量を減らし,洗浄時間も短 縮できることから,従来のPEGより少ない用量で かつ短時間に同等の腸管洗浄が得られる15)〜20) 内視鏡検査と同様に,安全で服用量が少なくなれ ば,CTCにおける前処置負担の軽減に繋がり, 検査受容性が向上する。そこで今回内視鏡検査の 腸管洗浄剤であるPEG+AscをCTCに応用し,残

アスコルビン酸含有ポリエチレングリコール製剤を用いた

CT colonography前処置の有用性

満崎 克彦,松田 勝彦,福永 久美,菅  守隆

済生会熊本病院 予防医療センター 〔要 旨〕

目的:アスコルビン酸含有ポリエチレングリコール電解質製剤(polyethylene glycol electrolyte lavage solution with ascorbic acid;PEG+Asc)を用いたCT colonography(CTC)前処置の有用性を検討した。 対象および方法: CTCと全大腸内視鏡検査(TCS)を同日に施行した60例を対象に,イオン性ヨード 造影剤60mlを溶解した1300mlのPEG+Ascにて前処置を行った。腸管内残液の管腔に占める割合,固形 残渣( 6 mm以上もしくは 6 mm未満)の有無,タギング効果を領域別に評価した。TCSをゴールドス タンダードとして,CTCによる 6 mm以上の病変検出能を検証し,受容性はvisual analogue scale(VAS) によるアンケートを行った。 結果:残液量の平均値は50%未満で,全領域の85.6%に固形残渣を認めなかった。各領域の残液は均一 で,CT値の中央値は200HU以上を示し,良好なタギング効果が得られた。CTCにおける 6 mm以上の 病変に対する患者毎の感度は94.7%,特異度90.2%で,受容性も良好であった。 結語:PEG+AscによるCTC前処置は,良好な前処置,診断精度および受容性が得られ有用である。 キーワード タギング,腸管前処置,アスコルビン酸含有ポリエチレングリコール製剤

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液量,腸管洗浄効果,タギング効果,検査精度お よび受容性を検討しその有用性を検証した。 対象と方法  対象は2013年10月〜 2015年10月までに,PEG+ Ascを用いた前処置を行い,CTC後に同日にTCS を施行した60名(男性34名,女性26名,平均年齢 ±SD:49.6±8.6歳)である。本研究の実施にあ たり,当院の倫理規定に基づいて行われ,全例に 研究内容を説明し文書による同意を得た。尚,腸 管洗浄剤内服の禁忌(腸管閉塞や狭窄,腸管穿孔 が疑われる患者,中毒性巨大結腸症またはその疑 いのある患者,重篤な基礎疾患を有する患者等) やヨードアレルギーの被験者等は除外した。 1 .前処置法  検査 3 日前よりセンノシド24mgを就寝前に内 服し,検査前日は残渣の多い食事は避けるように 指導した。検査当日は,前処置前にモサプリドク エン酸塩(ガスモチン®)40mgおよびバルギン酸 消泡液15mlを内服し,タギング用のイオン性水 溶性ヨード造影剤(ガストログラフィン®)60ml を溶解したPEG+Asc1300mlを90分かけて飲用し た。また,脱水予防のため水500mlを併用し, PEG+Ascと交互に飲用するように指導した。必 要量を飲用後,排泄物がほぼ無色または淡黄色透 明の水様便になったことを看護師が確認した時点 を前処置終了とした。その後,残液の排泄を促す 目的でCTC検査まで 1 時間のインターバルを置 いた。 検査方法 1 )CTC  CTC撮影前に鎮痙薬としてチメピジウム臭化 物 (セスデン®7.5mg,田辺製薬 大阪)を筋注し, 禁忌例には鎮痙薬を使用しなかった。検査者は左 側臥位にて直腸診を行った後,直腸用カテーテル を挿肛した。腸管拡張は炭酸ガス自動注入器プロ トCO2L®(エーディア,東京)あるいはKSC­ 130®(根本杏林堂,東京)を用いて行った。スカ ウトビューにて十分な拡張を確認後に腹臥位およ び背臥位の 2 体位を撮像した。  使用したCT撮影装置は64列マルチスライスCT (Aquilion 64,東芝メディカルシステムズ,大田 原)で,ワークステーションはziostation2®(ザイ オソフト,東京)を用いて解析した。撮像条件は 管 電 圧 120kV, 管 電 流 auto exposure control SD=30(0.5mmスライス厚),ガントリ回転速度 0.5rot/sec,コリーメーション0.5mm,FOV 320

1:100%残存 2:75%残存 3:50%残存 4:25%残存 5:残液無し

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mm,ヘリカルピッチ0.83で撮像した。 2 )TCS  TCSはCTCの結果を知らない日本消化器内視 鏡学会認定の内視鏡専門医が行った。盲腸まで挿 入し,スコープを抜きながら観察し, 2 mm以上 の病変が存在した場合に,部位,大きさ,肉眼型 を記録した。内視鏡術者は必要時に色素散布およ び生検を行った。 2 .評価方法  大腸を 6 領域(盲腸,上行結腸,横行結腸,下 行結腸,S状結腸,直腸)に分け,全60例360領域 に対して三次元画像であるVirtual Endoscopy (VE) と 二 次 元 画 像 で あ る multiplanar recon­ struction(MPR)を組み合わせた画像(VE+MPR) を 用 い て 評 価 し た。 画 像 の window 設 定 は, window幅500HU,windowレベル50HUに固定し 以下の項目について評価した。 1 )残液量  管腔を占める残液の割合を 1 点:100%残存,2 点:75%残存, 3 点:50%残存, 4 点:25%残存, 5 点:残液なし,の 5 段階スコアで評価した(図 1 )。尚, 2 体位のうち残液の多い体位を観察体 位とし,各領域で最も残液の多い部分を評価した。 2 )腸管洗浄効果  領域別に固形残渣の有無を評価し,固形残渣が 存在した場合,全残渣の大きさをMPR画像にて 測定し, 6 mm以上および 6 mm未満の残渣に分 けた。尚,固形残渣の評価は 2 体位を同時に評価 し,同一と考えられる固形残渣は 1 個としてカウ ントした。また, 2 個以上の固形残渣が存在した 場合には,最も大きい固形残渣をカウントした。 3 )タギング効果  病変識別に必要な最低CT値を定義するため ファントムを用いた予備実験を行った。外径 7 mm,内径3.5mm,高さ0.5〜2.5mmまで0.5mm刻 みの模擬病変が設定されているファントムを用い て,病変検出可能な最低CT値を設定した。ガス トログラフィン®濃度を調整し,CT値が100HU, 150HU,200HUに設定された 3 種類の液体中に模 擬病変を沈め,本研究で施行するCTCと同じ撮 像条件で撮影した。MPR画像にて病変の識別性 を検討した結果,病変を認識可能な最低CT値は 200HUであることを確認した(図 2 )。予備実験 から残液のCT値200HU以上を「タギング良好」 と定義し,各領域の残液のCT値を測定した。また, 各領域の残液の均一性を視覚的に評価し,内部均 一を良好とし,不均一を不良とした(図 3 )。残 液のない領域はタギング効果の評価は行わな かった。 4 )検査精度  CTC後に施行したTCSをゴールドスタンダー ドとして,CTCにおける 6 mm以上の病変を有す る患者毎の検査精度を求めた。病変マッチングに おける一致の定義は,病変がTCSとCTCで同一 ないし隣接する領域にあり,TSCおよびCTCで 測定した病変の長径の誤差がTSCで測定した大き さの50%以内である場合を一致と定義した。また, 腫瘍性病変を真陽性とし,粘膜下腫瘍,炎症性お よび過形成性ポリープは偽陽性とみなした。真陽 性と偽陰性病変が併存する症例は真陽性に分類し た。尚,CTCで病変を疑われ,TCSにて異常な しとなった偽陽性症例のTCS再検査は本研究では 行わなかった。最終診断は生検もしくは治療後の 病理組織診断を参照した。 5 )受容性  検査終了後に,前処置に関するアンケートを 行った。前処置の苦痛度に関して,「苦痛なし」 を 0 ,「この上なく苦痛」を100とし,visual analog scale(VAS)を用いて検討した。また,腸管洗 浄剤の量を「少ない(まだ飲める)」,「適量」,「多 い」,飲みやすさ(味)を「飲みやすい」,「まあ まあ飲める」,「飲みにくい」の 3 段階で質問した。 結果  全例PEG+Ascの必要量を飲用し,追加例もな かった。CTCは全例で検査可能であり,TCSは全 例盲腸まで到達し全腸管の観察が可能であった。 1 )残液量評価  残液量の平均値(±標準偏差)は盲腸3.4(±1.2),

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a ファントム概観 アクリルの水槽中心に模擬病変を配置した。 b 模擬病変 模擬病変は外径 7 mm,内径3.5mmのリング状を呈し,0.5mm刻みに高さを変化させた 5 個を準備した。 c 模擬病変のMPR画像 本研究と同じ撮像条件で撮影し,MPR画像にて模擬病変(矢印)を全て認識可能なCT値200HU以上をタギン グ良好と定義 図 2

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上行結腸3.4(±1.1),横行結腸3.2(±1.3),下行 結腸3.4(±1.2),S状結腸3.4(±1.3),直腸4.2(± 0.8)であり,各領域の平均値は全て50%残存よ り少ない残液量であった(図 4 )。 2 )腸管洗浄効果  各領域における固形残渣無しの割合は,盲腸 95.0%(57/60),上行結腸76.7%(46/60),横行結 腸88.3%(53/60),下行結腸80.0%(48/60),S状 結腸81.7%(49/60),直腸91.7%(55/60)で,全 領域の85.6%(308/360)に固形残渣は認めなかっ た。 6 mm未満の固形残渣を認める領域は8.1%, 6 mm以上の固形残渣を認める領域は6.4%であっ た。鑑別診断に支障の無い 6 mm未満の固形残渣 領域を “残渣無し” とみなした場合,全領域の 93.6%に固形残渣を認められなかった(表 1 )。 3 )タギング効果  各領域における残液CT値の中央値は,盲腸 234.8HU,上行結腸242.1HU,横行結腸265.9HU, 下 行 結 腸 253.3HU,S 状 結 腸 247.2HU, 直 腸 236.4HUであった。全領域においてCT値の中央 値は200HU以上であり,良好なタギング効果が得 られた。ただし,近位大腸(盲腸や上行結腸)の 図 3  残液の均一性 残液が均一な残液を良好とし,それ以外を不良とした。 図 4  残液量の視覚評価 1:100%残存 2:75%残存 3:50%残存 4:25%残存 5:残液無し

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分散が他領域より大きい傾向にあった(図 5 )。 視覚的評価では全領域で均一なタギング効果を認 めた。 4 )検査精度  症例60例中,TCSにて 6 mm以上の病変を19例 (大腸腺腫18例,直腸カルチノイド 1 例)に認め られた。CTCとTCSの結果を照合した結果,真 陽性18例,真陰性37例,偽陽性 4 例,偽陰性 1 例 で, 6 mm 以 上 の 病 変 に 対 す る 患 者 毎 の 感 度 94.7%(95%信頼区間:0.740−0.999),特異度 90.2%(0.769−0.973),陽性反応適中度81.8%(0.597 −0.948),陰性反応適中度97.4%(0.862−0.999) であった。 5 )受容性  アンケートの回収率は100%であった。VASに よる苦痛度では平均28.8±24.9(最小 0 〜最大99) であった。60例中,飲用量については,「少ない」: 21例(35.0%),「適量」:14例(23.3%),「多い」: 25例(41.7%)であった(図 6 a)。飲みやすさ(味) について,「飲みやすい」:28例(46.7%),「まあ まあ飲める」:14例(23.3%),「飲みにくい」:18 例(30.0%)であった(図 6 b)。 考察  CTCの前処置は,主にTCSに準じた量の腸管 洗 浄 剤 が 用 い ら れ る こ と が 多 い。 す な わ ち, PEG2000mlにタギング用のイオン性水溶性ヨー ド造影剤(ガストログラフィン®)を溶解する方 法である21)。しかしながら,TCSと同量の腸管洗 浄剤を用いると受診者の受容性が低下し,CTC がTCSと比較して苦痛が少なく低侵襲であるとい うメリットが損なわれてしまう。特にスクリーニ ングにおいて受容性を高めることが受診率向上の 極めて重要な鍵であることは言うまでもない11) 図 5  タギング効果 表 1  腸管洗浄効果 (%) (%) (%) (%)

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近年この受容性を高める目的で,低用量の腸管洗 浄剤を用いるあるいは下剤を全く使用しない CTCの前処置法が数多く報告されている22)〜27)  今回用いたPEG+Ascは,浸透圧を高くするこ とで体内から腸管内へ水分が移動し,腸管内の水 分量を増加させることで,洗浄剤自体の服用量を 減らす利点がある。さらに短時間で前処置が完了 するため19),大腸内視鏡検査前処置の受容性が向 上することから,急速に普及している腸管洗浄剤 である。今回はこの腸管洗浄剤の減量が可能と なったPEG+Ascを用いたCTCの前処置法を考案 し,その有用性を検討した。  CTCの読影の妨げになるのが残液と固形残渣 である。残液や固形残渣が多いと残液・残渣内に 埋没した病変が認識困難となる。固形残渣が多い 場合には,偽陽性の原因になり,読影時間も長くな る28)。本検討の前処置による腸管内残液量の平均 値は全領域において,50%未満となり,腸管内を比 較的少ない残液状態にすることが可能であった。  固形残渣について,全く固形残渣のない領域が 85.6%に認め,病変との鑑別診断に問題となる 6 mm以上の固形残渣の存在領域は6.4%にしか過ぎ なかった。さらに診断に支障のない 6 mm未満の 固形残渣および固形残渣のない領域を合わせる と,全領域の93.6%において有意な固形残渣がな く,良好な腸管洗浄効果が得られた。  病変と残液や固形残渣を識別するために経口造 影剤(イオン性ヨード造影剤や硫酸バリウム)を 図 6 a 受容性(量) 図 6 b 受容性(飲みやすさ)

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用いて残渣を高吸収にして鑑別する方法(タギン グ)が用いられる。予備実験にて,残液内に埋も れても病変として認識可能な最小CT値を200HU と定義してタギング効果を検討した。全領域の中 央値が200HU以上のCT値が得られたが,近位大 腸(盲腸や上行結腸)の分散が他領域より大きい 傾向にあった。この要因としてタギングされた腸 管洗浄剤(残液)が時間と共に排出され,近位大 腸に残るタギングされた腸管洗浄剤が少なくな り,かつ再分泌された腸液(水分)によって希釈 されたしまったことが推測される。視覚的評価で は全ての残液は均一にタギングされていた。しか し,少数ではあるがCT値(タギング効果)の低 下を認めた例もみられ,造影剤量の不足や排便機 能の個人差等が原因と推察される。今後は個々の 排便機能を考慮し,投与する腸管洗浄剤や造影剤 の量,撮影タイミングなど工夫する点が課題と考 えられる。  検査精度は, 6 mm以上の病変に対する患者毎 の感度94.7%,特異度90.2%,陽性反応適中度 81.8%,陰性反応適中度97.4%と良好な結果が得 られた。ただし,対象症例が少ないため更なる症 例の蓄積が必要である。  本邦で使用されているPEG+Ascは,日本人の 嗜好性に合わせて矯味剤や着香剤によって「梅味」 に変更されており,従来のPEG製剤より飲みやす いと言われている14)。また,脱水予防に補充され る水分にはミネラルウォーターや水以外のお茶で も使用可とされており,個々の嗜好に合わせるこ とでさらに受容性が向上する。大腸内視鏡検査に おける受容性の検討では,従来のPEG製剤に比べ, 用量が減り,味も特に苦痛である被験者は少なく 受容性向上が認められている19)。今回のVASを用 いた苦痛度の評価において,VAS平均値が28.8と 比較的受け入れやすい前処置法であると考えられ た。しかし,用量が多いという意見が約 4 割程度 認められ,さらに減量する必要があると思われる。 飲みやすさ(味)については,「飲みやすい」「ま あまあ飲める」の合計が 7 割程度の受診者が肯定 的な意見であった。苦みのあるイオン性水溶性 ヨード造影剤(ガストログラフィン®)を加えて も そ の 受 容 性 は 低 下 し な か っ た。 こ れ は PEG+Ascの高張性ゆえの「味の濃さ」によって, ガストログラフィン®特有の「苦み」を減弱させ た可能性が推測される。  本研究の第一のlimitationとして,対照がない ことである。従来の内視鏡検査に準ずるfull­dose のPEG法と同じ評価法を用いて比較をすべきであ るが,今回は行っていない。第二のlimitationと して,腸管洗浄剤を減じたとはいえ,総液体量は 1800mlと従来のPEG法2000mlから200mlを減じた に過ぎない点である。最近の研究では,PEG+ Asc 1300ml程度の用量で大腸内視鏡検査が可能 であると報告され19),本研究に用いた1300mlは, 内視鏡検査の用量と比較した場合に十分に減量で きたとは言い難い。低用量のPEGにて腸管内残渣 が少なく十分なタギングが得られるとの報告29) あり,今後は検査精度を担保しつつ,さらに腸管 洗浄剤を減量した前処置法の研究が必要である。 第三のlimitationとしてCTC偽陽性症例のTSC再 検査を行っていない点である。ACRIN trial3) はCTCで指摘され,TCSで指摘されなかった 10mm以上病変の存在が疑われた症例には,TCS の再検査を行い,TCSの偽陰性を回避する厳密な 方法が行われている。本研究ではTCS再検査は 行っていないため,検査精度が過小評価されてい る可能性は否定できない。 結語  PEG+Ascを用いたCTCの前処置は,腸管内残 液および固形残渣が少なく,タギング効果も優れ, 検査精度および受容性も良好であった。この前処 置は被検者に負担の少ないCTC前処置法として 有用と思われる。 本論文内容に関連する著者の利益相反  :なし 文  献

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Efficacy of polyethylene glycol electrolyte lavage solution with ascorbic acid for

bowel preparation for CT colonography

Katsuhiko MITSUZAKI, Katsuhiko MATSUDA, Kumi FUKUNAGA and Moritaka SUGA Center for Preventive for Medicine, Saiseikai Kumamoto Hospital

Objective: We assessed the amount of residual fluid and fecal residue, the effect of fecal tagging, and the diagnostic accuracy and acceptability of computed tomography colonography (CTC) after bowel prepara-tion with polyethylene glycol electrolyte lavage soluprepara-tion with ascorbic acid (PEG+Asc), which is a novel bowel agent in Japan.

Material and Methods: This study was performed in 60 asymptomatic patients scheduled to undergo opti-cal colonoscopy (OC) and CTC on the same day. Bowel preparations were 1300 ml of PEG+Asc and 60 ml of iodinated oral contrast on the day of the procedure. The residual fluid was evaluated according to its pro-portion to the maximal anteroposterior diameter of the colon segment. The residual feces were divided into two categories (<6 mm and 6 mm≤). The efficacy of tagging was evaluated by the attenuation value of the tagged fluid. The diagnostic accuracy of CTC for lesions ≥ 6 mm was compared with OC findings. The acceptability of bowel preparation was investigated with questionnaires using a visual analogue scale (VAS). Results: The average of the residual fluid was under 50%, and 308 colon segments (85.6%) were clean of fe-ces. The median density of fluid was more than 200HU in all segments. For lesions ≥ 6 mm, the per-patient sensitivity was 94.7%, and specificity was 90.2%. Patient acceptance was good.

Conclusion: We conclude that the PEG+Asc-based bowel preparation for CTC provides a high-quality prep-aration, diagnostic accuracy and good patient acceptance.

図 1  残液量評価

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