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Academic year: 2021

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07371129

向社会性につながる共感関連反応の習得をめざして

一児童を対象とした読書とピア活動を核とする教育プログラムの開発と実践一 学校教育専攻

人間形成コース 樋 口 雅 美

指 導 教 員 山 崎 勝 之

キーグ ‑ F

読 書

ど ア 冴 身 共 感 筋 道 反 応 府 在 会 役 者 序 プ 。 ロ ク ヲA はじめに

今日,学校現場ではいじめ,暴力行為,不登 校などの問題と共に,人間関係がうまく築けな いという問題が表れてきて,それがいじめなど の 背 景 や 根 底 の 原 因 の ー っ と も 考 え ら れ て い る。そのため,児童の人間関係づくりに有効で,

学校現場で日常的に取り組むことができ,児童 が他者とかかわろうとしたり,他者の気持ちを 理解しようとしたり,助けようと行動したりす る,すなわち向社会性を育むような手立てが必 要である。そこで,向社会性を育む過程におい て最も重要だと考える「共感関連反応

J

の習得 をめざす。ほとんどの場合において向社会性は エンパシーとシンパシーによって動機づけられ ている ( E i s e n b e r g &  M u s s e n ,  1 9 8 9 菊池・二宮 訳 1 9 9 1)ことから本研究では この 2 つ を 「 共 感関連反応

J

とする。向社会性への動機づけと なるように「気づき J r ェンパシー・シンパシ ー J r 行動」という過程を取り入れた教育プロ グラムを作成する。方法として梶原 ( 2 0 0 7 ) が開 発した教育フ。ログラムの読書とピア活動を取り 入れる。登場人物の気持ちに共感したり,登場 人物をモデリングして実際に行動したりする効 果が期待できる読書 L 子ども同士がかかわる ことで,自律的な発達を促し,共感を経験する ことによる感情の交流が期待できるピア活動を 核とした教育フ。ログラムを開発する。

教育プログラムの作成

本プログラムでは,友だちと読書に取り組む ことを通して,他者の悲しみに気づき,他者の 気持ちに共感@心配し,他者を助けようと行動 することができるようになることをねらった。

読書,読書ノート,読書授業の

3

つの活動によ り構成した。読書において,児童全員が本を読 むことをめざし,明確な選定ポイント(悲しん でいる人物,共感・心配する人物,実際に助け る人物が登場する)のもと,

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冊の絵本(わくわ くブック)を選定してベアで読めるように各

2

冊 設置した。また,もっと本を読みたい児童が自 発的に読むことができるように梶原 ( 2 0 0 7 ) 選 定 の児童文学(どきどきブック)を中心に 2 8 冊設置 した。全ての活動をピア活動で行い,設定した 読書の時間にベアの友だちと同じ絵本を選び,

読み終わったら読書ノートにシールを貼り合っ たり,一緒にクイズの答えを考えたりした。絵 本を読んで感じたことを読書授業を通して,ベ アやグルーフ。やクラス全体で高めたり深めたり

した。

研究の目的

作 成 し た 教 育 プ ロ グ ラ ム を 学 校 現 場 で 実 践 し,その教育効果を評価する。その際,梶原 ( 2 0 0 7 ) が作成した向社会性質問紙およびクラス 向社会性質問紙を修正して用いる。プログラム 実施前,実施後,フォローアップ時に評価を行 い,プログラム実施クラスと統制クラスとの比 較により,本プログラムの教育効果を検討する。

LQd 

(2)

方 法 教育対象

本研究の協力児童は,公立小学校2校におけ る5年 生96名(男子58名 , 女 子38名)である。

各校とも2クラスのうち,一方をプログラム実 施クラス(以後,協力クラスと呼ぶ),もう一 方を統制クラス(以後,比較クラスと呼ぶ)と

して設置した。協力クラスは48名(男子29名, 女子19名),比較クラスも48名(男子29名 , 女 子19名)である。なお,プログラム実施期間中 の欠席および転出により,有効回答数は93名(男 子57名,女子36名)となり,協力クラスは46名 (男子29名,女子17名),比較クラスは47名(男 子28名,女子19名)となった。

評 価

本プログラムは, 2008年4月17日から2008年7 月17日までの14週間実施した。効果評価につい ては,事前評価をプログラム実施前の4月14日 から18日までの一週間に,事後評価をプログラ ム実施後の7月14日から18日までの一週間に行 ったロフォローアップ時の評価は夏休み明けと なるため,児童が通常の学校生活や人間関係に 慣れた頃を考慮、し 9月5日から12日までの一週 間に行った。すべて協力クラスと比較クラスの 対象児童全員に実施した。

結果および考察

教育効果を検討するにあたり,両質問紙の信 頼性を検討した。向社会性質問紙における各尺 度のα係数は.78~. 92と高い値を示し,内的整 合性のある尺度と確認できた。また,比較クラ スにおける実施前後の評価結果から,尺度聞の 多くに有意な正の相闘が見られて安定性も認め られたため,両質問紙の信頼性は確認できた。

向社会性質問紙およびクラス向社会性質問紙 における対象児童全体の分析からは,協力クラ

スと比較クラスの聞にプログラムを受けたこと によるクラスの差が両質問紙ともに見られず,

教育効果が認、められなかった。向社会性質問紙 においては,各尺度で

群として抽出して,対象児童全体と同様な分析 をして比較したが,認知や共感性や援助意識が 低い児童のプログラム実施による効果も確認す ることができなかった。読書冊数および読書平 均回数と実施後およびフォローアップ時の変化 値との相関においても,有意な正の相関が示さ れなかったが,クラス向社会性質問紙では一部 有意な正の相関が示された。そのため,クラス 向社会性質問紙において,協力クラスの読書冊 数高群と比較クラス全員,読書平均回数高群と 比較クラス全員の分析を行ったところ,読書冊 数高群と比較クラス全員との分析からは,クラ ス気づき尺度で実施後の教育効果が,クラスエ ンパシー尺度で、実施後およびフォローアップ時 までの教育効果が認められた。読書平均回数高 群と比較クラス全員との分析においても,クラ スエンパシー尺度で、実施後の教育効果を確認す ることができた。このことから,本プログラム を実施することで読書量や読書回数が多くなっ た児童は,他者の悲しみに気づいたり共感した りする友だちがクラス全体に増えてきたと感じ ているということが言える。悲しんでいる他者 への認知やエンパシーがクラス全体として高ま ったという効果が示された。

今後,エンパシーの効果が示された本フ。ログ ラムを長期に渡って実施することによって共感 関連反応のシンパシーの発生も期待で、きると考 える。すべての教育活動と関連づけて,誰でも いつでもできる本プログラムを柔軟に実施する ことで,児童の人間関係づくりの推進になるこ とを房長うo

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参照

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