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内頚動脈剥離術後プラークを用いた動脈硬化進展における分子学的機序に対する検討 学位論文審査の概要(平成24年度修了:平成19年度以降入学者) | 北海道大学 医学部医学科|大学院医学院|大学院医理工学院|大学院医学研究院

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Academic year: 2018

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学位論文審査の 概要

博士の専攻分野の名称 博士(医 学) 氏名 曺 圭龍

審査担当者 主査 教授 筒井 裕之 副査 教授 三輪 聡一 副査 教授 松居 喜郎 副査 教授 渥美 達也

学 位 論 文 題 名

内頚動脈剥離術後プラークを用いた動脈硬化進展における分子学的機序に対する検討

動脈硬化は血管内皮細胞障害を端とし、単球浸潤及び脂肪吸収、炎症・線溶と関係を持ちながら、狭心症や心筋梗 塞・脳梗塞に至る原因となるが、マクロファージが重要な役割をはたすことが知られている。動脈硬化巣プラーク に存在するマクロファージには、向炎症性(M1)と抗炎症性(M2)の性格を持つものが同定されておりプラークの 脆弱性に関連すると推測されているが明らかではない。脂肪細胞内では Adipophilin(ADRP)や Perilipin 等周囲 蛋白に囲まれて脂肪は貯留されるが、マクロファージにおける脂肪滴周囲蛋白の存在と働きに関しては未だ定説を 得ていない。本検討では、ヒト内頚動脈剥離術後プラーク内マクロファージの極性とプラークの脆弱性、臨床的な イベントの関係について検討し、さらにヒト末梢血由来の培養マクロファージを用いて泡沫化や炎症性と脂肪滴周 囲蛋白との関連について明らかにすることを目的とした。免疫染色およびウエスタンブロッティング、内頸動脈内 膜剥離術後プラークでは先行脳虚血症状を有する群において多数のマクロファージの浸潤が認められ、それらの大

部分はM1 マクロファージであったことを明らかにした。対して無症候群ではM2 マクロファージが主に認められた。

リアルタイム PCR によって、有症候性群において M1 マーカーおよび向炎症性サイトカイン IL-6、ケモカイン MCP-1、

MMP-9 の発現が有意に増加していた。また ADRP および Perilipin 両者の存在を確認した。ADRP は有症候性プラーク

で発現が増加し、Perilipin は有症候群と共に無症候群にも存在が認められた。次にヒト末梢血由来単球から分化 させたマクロファージに酸化 LDL 及び VLDL を添加すると、Perilipin でコートされる大型の脂肪滴と ADRP でコー トされた小型の脂肪滴が併存して認められた。中性脂肪は主に Perilipin の発現する大型の脂肪滴内に貯留されて いた。以上本検討において、プラーク内マクロファージの有する性格とプラークの安定性、臨床的脳虚血性疾患と の関連性を示した。また脂肪滴周囲構造蛋白、特に Perilipin は効果的かつ安定した脂肪貯留に重要な役割を果た し、マクロファージの状態を抗炎症状態に保つ可能性が示唆された。

質疑応答では、副査松居教授から、申請者の検討とは逆にプラーク破綻によりマクロファージが浸潤した可能性につい て質問があった。次いで副査三輪教授から、VLDL受容体の構造やコレステロールとの結合部位について、松居教授の 質問を受けてマウスなどの実験動物を用いてプラーク破綻を来させる検討の可能性について質問があった。次いで主査 筒井教授から、マクロファージが含有する脂肪滴の大きさの規定、脂肪滴を囲む脂肪滴周囲蛋白や小脂肪滴が含有する 内容について質問があった。次いで副査渥美教授から、マクロファージをプラークへ浸潤させ、M1/M2 への分化を運命 づける因子についての質問があった。いずれの質問に対しても、申請者は概ね適切に回答した。

この論文は、動脈硬化の担い手であるマクロファージの有する炎症・線溶に対する性格と、プラークの脆弱性及び脳虚血 疾患の発症との関連を明らかにし、更にマクロファージが貯めこむ脂肪について明らかにした点で高く評価され、本論文 の成果から今後さらなる動脈硬化の病態解明と新しい治療開発が期待される。

参照

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1991 年 10 月  桃山学院大学経営学部専任講師 1997 年  4 月  桃山学院大学経営学部助教授 2003 年  4 月  桃山学院大学経営学部教授(〜現在) 2008 年  4