し,電気回路を流れる電流をマグマの動きに置き換える 数値シミュレーションを提案した。彼らは,玄武岩質マ グマの大規模火山であるEtona火山と Piton de La Four-naise火 山,HawaiiのMauna Loa火 山 とKilauea火 山 の 比較にこの数値シミュレーションを適用し,過去の多数 の噴火で記録された噴出量や噴火間隔,噴火継続時間を もとに地下のマグマシステムのモデル化を行い,噴火の 予測を試みた。
Aki and Ferrazini (2001) による計算手法は,マグマ溜 まりや火道のモデル化が簡単であり,地下のマグマシス テムのモデル化に適している。日本には,Hawaiiなど のように噴出量が推定されている多数の噴火記録が残る 大規模な玄武岩質火山はないが,地殻変動の連続観測か らマグマ溜まりに蓄積されているマグマ量の時間変化を 推定できる火山は少なくない。また雲仙普賢岳のように 溶岩の噴出量の時間変化が詳しく記録された火山もあ る。これらの火山で観測されるマグマの噴出量や移動量 1 .はじめに 火山の噴火活動には,噴火の継続時間や噴火と噴火の 時間間隔 (以後,噴火間隔と呼ぶ) など,それぞれの火 山活動を特徴づける時間スケールがある (例えばSiebert et al., 2010)。また近年は地殻変動の連続観測から地下 のマグマの動きを把握できる場合が増え,マグマ溜まり へのマグマの蓄積量や噴火に至らない場合も含めてマグ マ溜まりから放出されるマグマの量の時間変化も知るこ とができるようになってきた (例えばUeda et al., 2005)。 マグマ溜まりへのマグマの蓄積やマグマ溜まりから放 出される過程を地盤の傾斜変動から推定したShimozuru (1981) やDecker (1987) は,その時間変化の特徴が抵抗 とコンデンサーで構成された電気回路 (RC回路) と定性 的に類似していることを指摘した。Aki and Ferrazini (2000, 2001) は,電気回路の抵抗とコンデンサーの容量 に相当する火道とマグマ溜まりの物理的関係を明確に
鵜 川 元 雄
Eruption intervals and durations are controlled by various parameters of subsurface magma system including sizes of magma reservoirs and conduits, viscosity of magma, and magma supply rates. For the purpose of examining the effects of these parameters on eruption characteristics, we have investigated the response of the simple magma system com-posed of a single magma reservoir and one conduit. The reservoir receives magma at a constant rate, and magma inter-mittently flows out through the conduit. The conduit has a valve, which opens and closes at certain threshold levels of the pressure in the magma reservoir. In this model, we found that the intervals, durations and the total amount of ejected magma from the reservoir in the eruption cycle are expressed in simple equations. We apply the equations for the erup-tions of Unzen volcano and Miyakejima volcano, the magma property of the former is dacite and that of the latter is basal-tic. This simple model can mimic the difference of eruption characteristics between the different magma type volcanoes.
Keywords: Magma system, R-C model, Eruption intervals, Eruption durations
簡単なマグマシステムによる噴火間隔と噴火継続時間のモデル化
―マグマシステムの
RCモデル―
Modeling of Eruption Intervals and Durations by a Simple Magma System:
the RC Magma System Model
Motoo UKAWA
* (Accepted November 11, 2015)Department of Geosystem Sciences, College of Humanities and Sciences, Nihon University: 3-25-40 Sakurajosui, Setagaya-ku, Tokyo 156-8550, Japan 日本大学文理学部地球システム科学科:
にAki and Ferrazini (2001) の数値シミュレーション手 法を適用することにより,地下のマグマ溜まりや火道の 大きさ,あるいはマグマの供給量の推定に制約条件を与 えることができると考えられる。 本研究では,一定の供給率でマグマが蓄積する1 個の マグマ溜まりとマグマ溜まり内の圧力変化によって弁が 開閉してマグマを放出する1 本の火道で構成されたマグ マシステムをRC回路に見立て,その時間変化を簡単な 式で表す。また雲仙岳と三宅島の過去の噴火にこのモデ ルを適用し,マグマの粘性による火山活動の特徴的な時 間の差異を再現することを試みる。ここではAki and Ferrazini (2001) に基づくこのようなマグマシステムの モデルをRCモデルと呼ぶ。 2 .マグマシステムのモデル化 2.1 一定供給率でマグマが蓄積するマグマ溜まりによ る基本モデル 噴火などの火山活動の活発化に伴って,地下の膨張源 や収縮源による地殻変動が観測されることから,火山の 地下にはマグマを蓄積するマグマ溜りがあり,蓄積され たマグマがある量に達すると火道と呼ばれる通路を使っ てマグマが流出すると考えられる。地下のマグマの蓄 積・流出をモデル化する際に最も基本的なものは,1 個 のマグマ溜まりに1 本の供給火道からマグマが定常的に 供給され,マグマ溜まり内の圧力がある閾値を超えると 別の1 本の火道から流出するという形態である。このモ デルをマグマシステム基本モデルと呼ぶことにする。 Aki and Ferrazini (2001) はこの基本的なモデルを組み合 わせて,3 階層の 4 つのマグマ溜まりとそれらを連結す る火道によるマグマシステムを考え,マグマの蓄積・流 出の時間変化を数値計算することによって,Piton de La Fournaise火山などの噴火履歴に適用した。この章で は,上述の最も基本的なマグマシステムのマグマ溜まり 内の圧力変化やマグマの流出量などについて考察する。 (1)マグマシステム基本モデル マグマシステムの基本モデルの概念図をFig. 1に示 す。マグマ溜まりにマグマを供給する火道を供給火道, マグマが流出する火道を流出火道と名付ける。マグマ溜 まり内の圧力 (ここでは静岩圧からのずれである過剰圧 を単に圧力と呼ぶ) をP(t),時間原点の圧力を基準と1 した圧力変化を∆ P(t),対応するマグマ溜まりの体積変1 化を∆Q(t) としたとき,∆ P1 (t) と∆ Q1 (t) は,1 ∆P(t)= ∆Q1 (t)/C 1 (1) の関係にある。ここにC はマグマ溜まり内の圧力が単位 圧力だけ増加するために必要なマグマの体積を表す量 で,マグマ溜まりの容量 (Capacity) である。マグマの 供給率 (単位時間あたりの供給量) をq0 (ここでは一定 とする),流出火道からの流出率をq(t) とすると (1) 式は, dP1(t) ― dt =(q0-q(t))/C (2) となる。 次に火道を流れるマグマの流出量q(t) と火道の抵抗R との関係を考える。P0を流出火道上端の圧力とすると 火道両端の圧力差はP(t)- P1 0である。ここでは上端は 地表であってP0は時間変化しないと考え,簡単のため にP0=0とする。このとき, P(t)= q(t)R 1 (3) の関係があると考える。式 (3) よりq(t)=P(t)/R なの1 で,式 (2) は dP1(t) ―dt = -― RC1 (P(t)- Rq1 0) (4) と 表 せ る。 式 (1) ~ (4) はAki and Ferrazzini (2001) に おいても述べられている関係である。 時間t=0でのマグマ溜り内の圧力 P(0) をP1 10 (初期 値) とすると式 (4) の解は,時間で積分して,式 (5) で与 えられる。 P(t)=(P1 10-Rq0)e - ― t CR +Rq 0 (5) また式 (3) の関係からマグマの流出量の時間変化q(t) は,
C:Capacity
P
1(t):Pressure
Valve
Popn
Psht
P
0R
q0q
Figure 1 Cartoon showing the magma system model which is considered in this study.
R = 12ηL/Wh3 (12) が得られる (Turcotte and Schubert, 2014)。
2.2 噴火間隔,噴出量,噴火継続時間とR,Cの関係 前節で見たようにマグマ溜まり内の圧力の時間変化と マグマの流出量は,それぞれ式 (5) と式 (6) で与えられ た。マグマ溜まりからのマグマの流出開始と停止を支配 する流出火道の弁は,この火道両端の圧力差で開閉する とする。今回のモデルでは,上端が地表で一定値 (ここ では0 とした) なので,火道の下端すなわちマグマ溜ま り内の圧力で弁の開閉が決定される。ここではマグマの 流出に対応する火道の弁の開と閉の圧力の閾値をそれぞ れPopn及びPshtとする。またPopnとPshtの圧力差を∆Pvlv (= Popn-Psht) とする。 この場合,噴火の間隔や噴出量,噴火継続時間は,R とC 及び火道の開閉圧力の閾値 PopnとPshtで記述すること ができる。弁の閾値とマグマ溜まりの圧力変化や流出量 の変化との関係を模式的にFig. 3に示した。 q(t)= ― p10 R -q0 e - ― t CR +q 0 (6) さらに流出開始からT時間に流出した積算流出量を S(T) とすると S(T)=
∫
T 0 q(t)dt =CR ― p10 R -q0 1-e - ― T CR +q 0T (7) を得る。 マグマ溜まりの圧力変化量∆ Pに対応するマグマ溜り の体積変化量∆Qは,半径aの球状のマグマ溜まり (体 積V) を仮定すると,周囲の岩盤の剛性率をμとして ∆Q=―π∆P1 a3 μ =― 3V4μ ∆P (8) すなわち式 (1) のマグマ溜まり内の圧力変化と体積変化 量を結びつける係数であるマグマ溜まりの容量C は, C =― 3V4μ (9) である。式 (9) はマグマ溜まりの形状が回転楕円体の場 合でも成り立つ (Segall, 2010)。 円筒や平行な壁で挟まれた板状の割れ目を火道の形状 と仮定し,マグマはこの火道を層流として流れる粘性流 体であるとするならば,火道の大きさと火道の抵抗R の関係を導くことができる(例えばTurcotte and Schubert,
2014)。Rについては,Fig. 2 (a) に示す長さL,断面の 半径b の円筒の場合,ηを粘性率とすると, q(t)=―πb4 8η ―P(1t)-PL (0t) (10) の関係が導かれ,ここではP(t)= 0 としたので,P0 (t)1 とq(t) を結びつける式 (3) のRは, R = 8ηL/πb4 (11) またマグマの通路の大きさがFig. 2 (b) に示すように長 さL,幅 W,壁の間隔 h の場合は,
L
b
L
h
W
(a)
(b)
Figure 2 Geometry of the assumed conduits. (a) Pipe like conduit. (b) Dike like conduit.
0 10 20 30 0 2 4 6 8 10 0.0 0.2 0 2 4 6 8 10 0 5 10 0 2 4 6 8 10
Te
Tr
Qe
q(t)
Pressure (MPa) Flow rate (m /s) 3 Total vol. (x10 m ) 6 3Time
Time
Time
P
opnP
sht∆P
vlvFigure 3 Example of temporal variation of the parameters; (a) the total volume of eruptive materials, (b) flow rates in the flow-out conduit, and (c) pressure in the magma reservoir.
(a)
(b)
=C(Popn-Psht)+qTe =Qs+qTe (18) を得る。すなわちマグマの流出と流出の間隔Trにマグ マ溜まりに供給されたマグマの総量Qsと噴火継続時間 中に供給されるマグマの量qTeの和である。 3 .雲仙岳と三宅島の噴火への適用 一つのマグマ溜りと供給及び流出のためのそれぞれ1 本の火道で構成されたマグマシステム基本モデル(Fig. 1) を実際の火山に適用することを試みる。ここでは,デイ サイト質マグマの火山である雲仙岳と玄武岩質マグマの 火山である三宅島を対象火山として選択した。噴火の規 模や間隔については,日本活火山総覧 (第 4 版) (気象 庁,2013) による値を用いた。 雲仙岳については,Table 1a に示すように噴出量の推定値のある1663年,1792年, 1991~1995年噴火を対象にした。また三宅島について は,噴火間隔が21年から66年と比較的安定していた 1811年から1983年までの 6 回の噴火活動をパラメータ 推定の対象として用いた。 このマグマシステム基本モデルでは噴火間隔や噴出量 が一定の規則的な噴火を繰り返すので,対象としたそれ ぞれの火山の平均的な噴火間隔や噴出量,噴火継続時間 を再現するパラメータの条件を見出す。手順は,マグマ 供給量と流出火道の弁の開閉圧の閾値を仮定し,記録に 残る噴火間隔を再現するマグマ溜まりの容量C を算出す る。次に記録された噴火継続期間を再現するための時定 数CR を求め,先に算出したC をもとに火道の抵抗R を 算出する。マグマの粘性率をそれぞれの火山のマグマに 適した値に仮定すると,算出されたR から流出火道の大 きさを推定することができる。ここでは火道の長さをそ れぞれの火山で推定されているマグマ溜まりの深さに適 した値とし,火道の形状は円筒と仮定して,円筒の半径 を求めた。 (a)噴火と噴火の間のマグマ供給量 Qs 式 (1) より Qs=∆Pvlv C (13) を得る。なおQsは,(d) で述べるように S(Te) で表され る1 回の総流出量とは,噴火期間中のマグマ供給量の分 だけ異なる。 (b)噴火間隔 Tr 噴火終了から次の噴火までの間隔 (噴火間隔) Trは,
Aki and Ferrazini (2001) に記述されているように,マ
グマ供給率がq0のとき,式 (13) のマグマ供給量Qsに達 するのに必要な時間なので,下記の式 (14) で与えられ る。 Tr=Qs/q0 (14) (c) 噴火継続時間 Te 噴火継続時間Teはマグマ溜まり内の圧力がPopnから Pshtに下がるのに要する時間であり,式 (5) を用いて算出 できる。すなわち Psht=(Popn-Rq0) e - ― Te CR+Rq 0 (15) より, Te=CR ln Popn-Rq0 ― Psht-Rq0 (16) を得る。このときRq0は流量q0により火道に生ずる圧力 であり,通常,Rq0≪Psht<Popnなので近似的に Te~CR ln Popn ―P sht (17) である。すなわち,噴火継続時間は,CR (時定数) に弁 の開と閉を決める圧力の比の自然対数を乗じた数値とな る。 (d)噴火継続時間と流出量Qeの関係 火道の弁が開き,マグマが流出を開始してから,マグ マだまりの圧力が低下し,弁が閉じるまでに流出するマ グマの総量Qeは式 (7) より, Qe=S(Te)
Table 1a Eruption history of Unzen volcano
噴火開始年 噴火間隔 噴火期間 溶岩流名 噴出量 平均噴出率 マグマ平均供給率 (西暦) y m3 m3/s (106 m3/y) 1663年 古焼溶岩流 5×106 1792年 129 60日 新焼溶岩流 2×107 3.9 0.16 1990年 199 4.25年* 平成新山 2×108 1.6 1.0 (初期 60日間は 3.1) *1990/11/17~1995/1を噴火期間とする。 ** データは日本活火山総覧 (2013)
三宅島ともに弁の開く圧力は地震の応力降下量と同程度 の 値,20 MPa,また弁が閉じる圧力は5 MPaとした (Table 2)。 3.2 雲仙岳 雲仙岳の最近3回の噴火間隔はTable 1aに示すように 129年と199年なので,モデル化する噴火間隔はこれら のほぼ平均値の160年程度を目指すことにした (Table 2)。この間に蓄積されるマグマの量は50.5×106 m3であ る。弁開閉の圧力は与えられているので,式 (13) からマ グマ溜まりの容量C が 3.36 N-1 m5と算出された (Table 2)。このCの値のもとで,噴火継続期間は式 (17) から 火道の抵抗R を与えると算出できる。ここではまず噴火 継続期間として1991年噴火に近い700日と1792年噴火 に近い100日を与え,Rを算出した (Table 3)。その結果 Rとしてそれぞれ1.30×107 Nm-5 sと1.85×106 Nm-5 sを 得た。 雲仙岳のマグマ溜まりの深さはUmakoshi et al. (2001) により約20 kmと推定されているので,流出火道の長さ は20 kmとする。雲仙岳はデイサイト質マグマなのでマ グマの粘性率を1×107 Pa sとする。上記のRの範囲に対 応する流出火道の半径は,式 (11) により14 mから23 m の範囲となる (Table 3)。なお,粘性率として100倍大 きい1×109 Pa sを仮定すると半径は約 3 倍の45 mから 3.1 マグマ供給量および流出火道の弁の開閉圧の閾値 定常的なマグマ供給量を噴火の噴出量と噴火間隔から 見積もる。ここでは噴火期間中のマグマ供給量が噴出量 に占める割合は小さいとして, 式 (13) のQsを噴出量とし, また記録に残っている噴火間隔から平均マグマ供給率を 算出した。その結果,雲仙岳の2 回の噴火については, 1.6×105 m3/y (0.0049 m3/s ) と1.0×106 m3/y (0.032 m3/s) を得た。また三宅島の6 回の噴火については,1.7×104 m3/y (0.00053 m3/s) か ら5.7×105 m3/y (0.018 m3/s) の 範 囲の値であった。 日本の多くの火山のマグマ供給率については,小野 (1990) に よ っ て105 m3/y (0.003 m3/s) か ら106 m3/y (0.03 m3/s) の範囲に収まること,そして1500年から 1962年の三宅島の噴火活動もこの範囲であることが示 されている。Table 1a, bに示す雲仙岳と三宅島のマグマ 平均供給率もほぼこの範囲である。 本研究の目的は,Fig. 1に示す簡単なモデルにより粘 性による噴火の時間的特性を再現できることを検証する ことにあるので,噴火毎のばらつきは無視し,マグマ供 給率は両火山とも上述の範囲の中間的な値,約3×105 m3/yに相当する0.01 m3/sを採用する。 流出火道の弁の開閉を決める閾値は,マグマシステム 基本モデルで噴火を支配する重要なパラメータである が,この値については情報が乏しい。このため雲仙岳と
Table 1b Eruption history of Miyakejima volcano
噴火開始年 噴火間隔 噴火期間 溶岩流の有無 噴出量 平均噴出率 マグマ平均供給率 (西暦) y m3 m3/s (106 m3/y) 1811 60 1週間 ? 2×107 0.33 1835 24 10日間 有 4×105 0.017 1874 39 約2週間 有 1.6×107 ? 0.41 1940 66 27日間 有 1.9×107 220 0.29 1962 22 30時間 有 7×106 93 0.32 1983 21 1日 有 1.2×107 278 0.57 2000 17 - 無 - * データは日本活火山総覧 (2013)
Table 2 Parameters of the magma systems assumed in this study
q0 Tr Qs ΔPopn ΔPsht ΔPvlv C
m3/s y 106 m3 MPa MPa MPa N-1 m5
雲仙岳 0.01 160 50.5 20 5 15 3.36 三宅島 0.01 30 9.5 20 5 15 0.63
初の噴火を含む2 年間を図示したものである。Fig. 4の 噴火の時系列を計算するためのパラメータR は,上記の 2 つの範囲にある 1×107 Nm-5 sを選択した。このとき 噴火継続期間は541日 (約1.5年) になる。噴火初期のマ 72 mの範囲になる。 Fig. 4は流出火道から流出したマグマの体積の積算値 とその流率およびマグマ溜まりの内圧の時間変化で, Fig. 4a~cは 3 回の噴火を含む 500年間,Fig. 4d~fは最
0 10 20 30 0 100 200 300 400 500 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 0 100 200 300 400 500 0 50 100 150 0 100 200 300 400 500 0 10 20 30 159 160 161 162 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 159 160 161 162 0 50 100 159 160 161 162
Time (year)
Time (year)
Time (year)
Time (year)
Time (year)
Time (year)
Pressure (MPa)
Pressure (MPa)
Flow rate (m
/s)
3Flow rate (m
/s)
3Total vol. (x10 m )
6 3Total vol. (x10 m )
6 3(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
Figure 4 Temporal variation of the parameters in the case of the Unzen volcano during the period of 500 years; (a) the total volume of eruptive materials, (b) flow rates in the flow-out conduit, and (c) pressure in the magma reservoir. Those for the period of 3 years including an eruptive period are also indicated in (d),(e), and (f) in the same manner of (a), (b) and (c), respectively.
Table 3 Estimated parameters for the magma systems
C Te CR R η L b N-1 m5 day s Nm-5 s Pas m m 雲仙岳 3.36 700 4.36×107 1.30×107 1.00×107 20000 14 3.36 541 3.36×107 1.00×107 1.00×107 20000 15 3.36 100 6.23×106 1.85×106 1.00×107 20000 23 三宅島 0.63 0.5 3.12×104 4.95×104 1.00×103 10000 4.8 0.63 0.405 2.52×104 4.00×104 1.00×103 10000 5.0 0.63 0.1 6.23×103 9.89×103 1.00×103 10000 7.1 * 下線を付した数値は,Fig. 4とFig. 5で示した時間変化の計算に使用した値。
流出火道から流出したマグマの体積の積算値とその流率 およびマグマ溜まりの内圧の時間変化をFig. 5に示し た。流出火道からのマグマの流出率の最大値は,約500 m3/sで,雲仙岳の場合より約 250倍大きい。これは,三 宅島の流出火道の太さは雲仙岳の約3 分の 1 であるが, 粘性率が雲仙岳のデイサイト質マグマより4 桁小さい値 を仮定したためである。 4 .議論とまとめ 一定のマグマ供給量でマグマが蓄積する一つのマグマ 溜まりとそこからマグマが流出する1 本の流出火道から 成る簡単なマグマシステムの挙動を考察した。マグマ溜 まりからのマグマの流出は,流出火道にある弁の開閉で 制御され,弁はマグマ溜まり内の圧力で開閉するとし た。またマグマ溜まりの容量をC,流出火道の抵抗をR としたとき,マグマ溜まり内の圧力変化や弁の開閉期間 は,簡単な数式で表されることを示した。すなわち噴火 グマ流出量はほぼ2m3/sで,噴火初期のマグマの流出量 が大きく,時間とともに減少していく様子が再現されて いる。 3.3 三宅島 三宅島の最近7回の噴火間隔はTable 1bに示すように 17年から60年の範囲である。そこで 30年程度の噴火間 隔が再現されるパラメータを探すことにした。雲仙岳と 同じ手順によりマグマ溜まりの容量C は 0.63 N-1 m5と算 出された (Table 2)。また三宅島の玄武岩質マグマの粘 性率を103 Pa sと仮定し,噴火継続期間が0.5日と0.1日 の2 つの場合の火道の抵抗Rを算出した結果, Table 3に 示すようにそれぞれ4.95×104 Nm-5 sと9.89×103 Nm-5 s を得た。この値に対応する流出火道の半径の範囲は, 4.8 mから7.1 mである。 R を上記の範囲にある 4 × 104 Nm-5 sとし,2 回の噴 火を含む60年間と最初の噴火を含む1.5日間について, 0 10 20 30 0 10 20 30 40 50 60 70 0 200 400 600 0 10 20 30 40 50 60 70 0 10 20 0 10 20 30 40 50 60 70 0 10 20 30 10937 10938 0 200 400 600 10937 10938 0 10 20 10937 10938
Time (year)
Time (year)
Time (year)
Time (day)
Time (day)
Time (day)
Pressure (MPa)
Pressure (MPa)
Flow rate (m
/s)
3Flow rate (m
/s)
3Total vol. (x10 m )
6 3Total vol. (x10 m )
6 3(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
Figure 5 Temporal variation of the parameters in the case of the Miyakejima volcano during the period of 70 years; (a) the total volume of eruptive materials, (b) flow rates in the flow-out conduit, and (c) pressure in the magma reservoir. Those for the period of 1.5 days including an eruptive period are also indicated in (d),(e), and (f) in the same manner of (a), (b) and (c), respectively.
も100以下で,どちらも層流が実現する領域である2,000 以下であり,層流の仮定は問題ない。 今回のモデル化ではマグマの発泡は考慮していないの で,発泡によりマグマの挙動が大きく変化する火道浅部 のマグマの流れに適用することは難しい。しかし深部マ グマの挙動の特徴は説明できると考えられる。またマグ マの浮力はパラメータとして考慮していないが,浮力の 効果はマグマ溜まり内の圧力の増減に含まれると考える ことができる。 複数のマグマ溜りで構成されるような複雑なマグマシ ステムの挙動は, Aki and Ferrazini (2000, 2001) が示した ように時間変化を追跡する数値計算を行う必要がある。 しかし今回仮定した簡単なマグマシステムよっても,噴 火間隔,噴火期間,噴出量などから地下のマグマシステ ムを推定する際の制約を与えることができることが分 かった。 謝辞 村瀬雅之博士には,原稿の改善に有用なご指摘をいただき ま し た。 こ こ に 記 し て 感 謝 い た し ま す。 図 の 作 成 に は Generic Mapping Tools (Wessel and Smith,1995) を使用した。 間隔や噴火継続期間,マグマの流出量などは,C や R に よる簡単な数式で表すことができる。 マグマがマグマ溜まりから流出している期間(すなわ ち噴火中)のマグマ溜まり内の圧力の時間変化は,RC を時定数して減少するので,R と C によって噴火継続時 間を見積もることができる。またC はマグマ溜まりの形 状を仮定すると周辺岩盤の剛性率で表され,R は火道の 形状を仮定するとマグマの粘性率と火道の大きさで表す ことができる。 このマグマシステム基本モデルをデイサイト質マグマ の火山である雲仙岳の噴火記録と玄武岩質マグマの火山 である三宅島の噴火記録に適用して,C と R を見積もっ た。その値から円筒の形状を仮定した流出火道の半径を 算出したところ,雲仙岳では14 mから25 m,三宅島で は5 mから7 mの数値が得られた。これらの数値は,仮 定した様々なパラメータに左右されるので,実際の火道 のスケールがこの範囲にあることを主張するものではな いが,それぞれの火山のマグマシステムの特徴を示して いる。なお,今回得られた火道のスケールでレイノルズ 数を求めると,雲仙岳の場合は10-5程度,また三宅島
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