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56 56 The Development of Preschool Children s Views About Conflict Resolution With Peers : Diversity of changes from five-year-olds to six-year-olds Y

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(1)

発達 : 5歳時から6歳時への変化の多様性

著者名(日)

久保 ゆかり

雑誌名

東洋大学社会学部紀要

43

2

ページ

97-112

発行年

2006-02

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003012/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

幼児期における〈けんか〉への対処についての認識の発達:

5歳時から6歳時への変化の多様性

The Development of Preschool Children’s Views

About Conflict Resolution With Peers :

Diversity of changes from five-year-olds to six-year-olds

久 保 ゆかり

Yukari KUBO

 本研究の目的は、仲間とのコンフリクトへの対処についての認識が、5歳から6歳にかけてどの ように発達するのかについて、検討することである。幼稚園の5歳児31名(男子16名、女子15名) を対象として、1対1のインタビューを行い、所属園のクラスでの〈けんか〉への対処について尋ね、 それらについて子ども自身に語ってもらった。1年後、6歳になった時点で、同様のインタビューを 行い、5歳から6歳への、〈けんか〉への対処についての認識の発達を検討した。その結果、〈けんか〉 への対処についての認識の発達の道筋としては、比較的多くの子どもがたどるものが2つあること が示された。一つ目の道筋は、5歳の時点では、〈けんか〉への対処について自覚的に捉えることが できないが、6歳の時点では〈けんか〉をおさめるには、「ごめんね」と言ったらよいという定型的 な対処について自覚的に捉えることができるようになるというものである。二つ目の道筋は、5歳 の時点では、別のいろいろな対処について語っていたが、6歳の時点では、「やめなって、とめる、 助ける」といった自律的な対処について語るようになるというものであり、6歳の時点では、第三 者の観点から自律的な対処について自覚的に捉えられるようになるという道筋である。さらに、そ れら以外にも少数の子どもがたどる細い道筋が行く筋かありうることが推測された。そこから、〈け んか〉への対処についての認識には、多様性があり、その成長の仕方にも多様な道筋がありうるこ とが示唆される。

1.問 題

 近年、すぐに「キレ」たり、短絡的な行動をとってしまったりする子どもの問題がクローズアッ プされている。本研究は、そのような社会性の発達の問題へ取り組む際の、基礎な資料を提供しよ

(3)

うとするものである。社会性の発達において重要な力とは、肯定的な対人関係を維持し、他者と協 力しつつ、自分の目標を達成できる力、他者の権利を侵すことなく自らの要求を主張できる力であ ろう(Rubin, Bukowski, & Parker,1998)。そのような社会性の発達の道筋を明らかにする試みに対 して基礎的な資料を提供することが、本研究の目指すところである。

 そのような社会性の発達にとって重要な基底となる面の一つは、自分の感情調整や他者の感情理 解といった感情発達の側面であると考えられる(Saarni, Mumme, & Campos;1998)が、その感情調 整能力を基盤に、さらに「他者の権利を侵すことなく自らの要求を主張できる力」の発達を捉えよ うとするとき、けんかやいざこざといった、他者とのコンフリクトに対して建設的に対処していく 力について検討することが重要であると考えられる(Shantz,1987)。本研究では、コンフリクトに対 処していく力の発達に焦点を絞り、検討していくことにする。特に、子どもがコンフリクトへの対 処について語ることに注目する。というのは、ある事柄について語ることとは、言語的に表象する ことと言い換えることができ、それは自覚化につながり、ひいてはその事柄に対する柔軟なコント ロールを可能にすると考えられるからである(藤崎,2002; Selman, 2003)。

 幼児期の社会的なコンフリクト(social conflict (Shantz,1987))については、コンフリクト場面 の観察研究が数多くなされている(Kinoshita, Saito, & Matsunaga, 1993 ; Rubin, et al,1998 ; 倉 持,1992;臼井・森田・山田・岩宗・二宮・桜井, 1994 ; 高坂, 1996 ;高濱・無藤, 1998 ;Kyratzis & Guo, 2001 ; 平林, 2003 ほか多数)。そこでは、コンフリクトがどのように終結にいたるかについて も観察されていて、子どもが実際の行動としてどのような対処をしているかが検討されている。し かし、子ども自身がコンフリクトへの対処についてどのように認識しているのかを実証的に検討し た研究はきわめて少ないのが現状である。しかしながら、社会性の発達は「行動」と「認識」の二 つの側面からなること(Saarni, Mumme, & Campos, 1998; Eisenberg, 1986)を考えるとき、行動の みではなく認識を捉える必要性に気付かされる。コンフリクトへの対処は、子ども自身からはどの ように認識されているのだろうか。本研究は、幼児期におけるコンフリクトへの対処についての認 識の発達を明らかにしようとする試みる。  その際に、コンフリクトへの対処についての認識は、子どもによってさまざまに異なることが予 想される。例えば、自己主張の強い子どもの場合と、自己抑制的な子どもの場合、あるいは〈けんか〉 の当事者になりやすい子どもの場合と、むしろ第三者として見ていることの多い子どもの場合とで は、認識の仕方が異なることが予想される。そして、それぞれにおいて、その認識の発達の道筋も 異なるのではなかろうか。社会性の発達の個人差や道筋の多様性の検討については、その重要性は 理論的にも実践的にも叫ばれるものの、実証的な研究はきわめて少ないのが現状である。本研究は、 そのような中にあって、コンフリクトへの対処についての認識の多様性に着目し、その発達の道筋 の多様性を組織的に明らかにしようとするものである。それによって、従来は主として理論的に検 討されていた発達の道筋の多様性について実証的に検討することが可能となるであろう。また実践 的には、多様な個性を有する子どもたちに対して、「次のステップ」の見通しをたてやすくなり、有 益な手がかりを提供することが可能となろう。

(4)

 では、コンフリクトへの対処について、どのように子どもに尋ねたらよいだろうか。コンフリク トについての認識は、従来、社会的認知の発達研究において検討されていた。そこでは、コンフリ クトが生じる架空の物語を提示してその登場人物について尋ねるという方法で研究された(例えば、 Selman,1980)。そして、コンフリクトが当事者の何らかの対立によって生じ、それは交渉によって 解決されうることについては、小学校高学年になってから理解されるものであると考えられてきた。 しかしながら、幼稚園や保育園などで子ども達の遊び場面を観察していると、年長(5歳)児クラ スなどでは、〈けんか〉が起きたとき、周りにいる第三者の子ども達が間に入り、当事者双方に意見 を言わせて、話を聞き、調停にはいる姿を目にすることがある。例えば、おもちゃを使う順番をめ ぐって、いざこざが起きた場合に、第三者の子どもが双方の事情を聞いたうえで「ジャンケンで決 めたら」などとその状況に適合する対処方法を発案して、いざこざをおさめることが少なからず見 受けられる。幼児といえども、日常生活で遭遇するコンフリクトについては、それが交渉によって 解決されうることを潜在的には理解しているのではなかろうか。そして、コンフリクトへの対処の 仕方についてもある程度の知識や理解を有しているのではないかと推測される。そこで、本研究で は、その子どもが所属している園のクラスにおいて実際にコンフリクトがあるかどうかについて尋 ね、日常生活場面でのコンフリクトについての認識を取り上げて検討することにする。  予備的研究として、久保(2005a,b)は、4・5・6歳児各10名に所属クラスの〈けんか〉について、 インタビューをしてみている。それによると、〈けんか〉についての認識には、年齢による違いとと もに、実に多様な個人差が見出されている。例えば、〈けんか〉への対処としては、「やり返す」といっ た報復について語る子どももいれば、「ごめんねって言う」といった謝罪について語る子どももいた。 あるいは、「(ぼくが〈けんか〉を)とめる」といった調停について語った子どももいた。その子ど も達の認識は、1年後、2年後には、どのように変化するのであろうか。多様な個人差自体も発達し ていき、それぞれ多様な発達の道筋があるのだろうか。  そこで、本研究では、5歳児に所属クラスでの〈けんか〉についての認識を問うインタビューを実 施し、1年後の6歳時点でも同様のインタビューを実施して、〈けんか〉についての認識の個々人の 多様性とその発達の道筋について、検討することを目的とする。社会性の発達の個人差や道筋の多 様性を検討することは、その重要性は叫ばれながらも、実証的にはほとんど研究されてこなかった。 本研究は、社会性の発達の道筋には多様性があるかもしれないということを実証的に検討するため の資料を得ることを目指すものである。

2

.方 法

2.1 手続き

 参加者:Ⅹ年に東京都内の幼稚園に所属していた4歳(年中)クラス児(平均年齢;5歳5 ヵ月、レ ンジ;5歳0 ヵ月∼ 5歳11 ヵ月)のうち、1年後のⅩ+ 1年にも5歳(年長)クラスに所属していた31名(男

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子16名、女子14名)(平均年齢;6歳5 ヵ月、レンジ;6歳0 ヵ月∼ 6歳11 ヵ月)。  インタビュー実施時期;4歳(年中)クラスにおける2月3月(5歳時点と記す)、および5歳(年長) クラスにおける2月3月(6歳時点と記す)。  手続き:対象者所属園の一室にて、筆者と一対一のインタヴューをおこなって、〈けんか〉につい て質問をした。そのやりとりは、その場で筆記記録をとるとともに録音しておき、後に文字化して トランスクリプトを作成した。  質問は次の通りである。 Q1:○○組(対象児が所属しているクラスの名前)さんで、〈けんか〉になること、あるかなあ。 Q2:〈けんか〉は、どうして〈けんか〉になるのかなあ。 Q3:〈けんか〉になったときには、どうしたらいいのかなあ。 Q4:そのあと、どうなるのかなあ。  本研究では、子どもに尋ねる際に、コンフリクトを表すことばとして、〈けんか〉を用いることと する。日常用語における〈けんか〉は、二つの立場の対立を意味するコンフリクトとは、必ずしも 一致するものではないが、幼児が日常的に使うことばのなかではもっとも近い意味を有するもので あると考えられるので、採用することとした。ただし、〈けんか〉ということばが日常生活のなかで どのように使われているかについては、別途、検討すべき問題であると考える。  また、コンフリクトの生起を尋ねられると、子どもはおそらくコンフリクトのエピソードを想起 しようとするだろうが、自分がコンフリクトの当事者(〈けんか〉をしかけた側か、受けた側かとい う分類(David, Murphy, Naylor, & Stonecipher, 2004)も可能である)であったエピソードか、あ るいは第三者として見聞きしたエピソードであったかどうかといったエピソードの種類などについ ては、子どもの語りに任せることとした。というのは、日常生活でのコンフリクトについて有無も 含めて問うというインタビュー研究がほとんどされていないなかにあっては、幼児がコンフリクト について尋ねられて何をどのように取り出してくるか(あるいは取り出せないのか)という取り出 し方自体を検討の対象とすべきであると考えるからである。

2.2 分析方法

 本研究では、上記の質問のうち、Q 3の質問への答え(〈けんか〉への対処)を中心に分析する。 分析方法は、以下の通りである。  Q 3に対する31名分の答え(2年分、X年およびX+1年)のトランスクリプトについて、1名ごと 1年ごとに、1枚のカード(トランスクリプトカード)に記入し、数回読み返した。次に、内容を端 的に表す仮のラベル(できるだけ子どものことばを用いた)をつけ、ラベルカード(付箋)に記入した。 ひとりの子がいくつかの事柄を述べていると思われる場合には、ひとつひとつにラベルをつけ、別 のラベルカードに記入した。それを31名分についておこなった。今回のデータでは、複数の事柄を 述べたケースは、延べ3名において見られたが、本研究では、最初にこたえた事柄一つのみを分析 の対象とした。

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 次に、内容が類似していると思われるラベルをまとめ、仮の項目名をつけ、項目名1個を仮の項 目名カード1枚に記入した。項目名をつけるにあたっては、子どものことばに最も重点をおきつつ、 先行研究のいざこざの終結を示す行動のカテゴリ(斉藤・木下・朝生、1986)をも参考にした。た だし、本研究で子どもに尋ねているのは、「そういうとき(〈けんか〉をしているとき)には、どう したらいいのかなあ」ということであり、〈けんか〉への対処について語ることを求めているので、「終 結を示す行動のカテゴリ」とは食い違いが生じることを認識した上で、参考とすることにする。  さらに、その仮の項目名カードをおき、それに該当するトランスクリプトカードを並べ、そこで 違和感が生じる場合には、仮の項目名カードの項目名を見直した。その見直しを数回繰り返し、得 られた項目名を「カテゴリ」とした。  

2.3 カテゴリの設定

 久保(2005a,b)では、少数事例を詳細に検討することを通して、カテゴリを作成する試みを行なっ ている。そこで見出されたカテゴリのうち基本的なものは、本研究のデータにおいてもその存在が 確認された。そのカテゴリは次の通りである;「謝る」、「いいよ」、「やり返す」、「先生呼ぶ」、「けん かやめなって」、「じゃんけん」。  本研究のデータにおいて新たに設定されたカテゴリは、以下の通りである。「わからない、無答」、 「怒る」、「違う遊びする」、「仲直りする、仲良しになる」、「仲間呼ぶ」、「どうしたのって」。  「わからない、無答」は、文字通り、〈けんか〉の対処について語らなかったものである。「怒る」 は、本研究のデータで1例のみに見られた。〈けんか〉の当事者としての、相手への感情表出である と考えられる。「違う遊びする」も、本研究のデータで1例のみに見られたものである。〈けんか〉の 当事者としての、それ以上の関りを拒否しようとするものと考えられる。「仲直りする、仲良しにな る」は、本研究のデータで5歳時にも6歳時にも複数見られたものである。〈けんか〉の定型的な帰 結とされるものを答えたものと思われる。「仲間呼ぶ」は、本研究のデータで1例のみに見られたも のである。久保(2005a,b)における「先生呼ぶ」と同様の動きを、先生ではなく仲間に対して行なう ものと考えられる。「どうしたのって」は、本研究で6歳時にのみ複数見られたものである。〈けんか〉 の介入者として、当事者にまずは事情をきくということであろう。もう一歩進めば、「やめなって」 といった〈けんか〉の制止という介入に発展するのかもしれない。  なお、本研究では、できるだけ子どもが使ったことばを改変せずにカテゴリの名前とすることを 試みている。というのは、それにより、子どもの捉え方にできる限り肉薄することが可能になると 考えるからである。そのため、久保(2005a,b)のカテゴリと内容は類似しているが、名前が一致し ない場合が生じてきた。それは、次のカテゴリである;本研究のカテゴリ名「ごめんね」は、久保 (2005a,b)における「謝る」に相当する。謝罪について語った場合は、このカテゴリに該当する。本 研究の「貸してあげる、いいよ」は、久保(2005a,b)における「いいよ」に相当する。〈けんか〉の 相手の要求を受け入れることを語る場合に、このカテゴリに該当する。物の取り合いなどでは、そ れは相手にその物を「貸してあげる」と言うことであり、相手の「貸して」という要求に「いいよ」

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と応じることである。本研究の「やめなって、とめる、助ける」は、久保(2005a,b)における「けん かやめなって」に相当する。〈けんか〉を自分たちの力でおさめようとすることを語るものである。 本研究の「じゃんけん、順番こ」は、久保(2005a,b)における「じゃんけん」に相当する。物の取り 合いや順番の取り合いに対して、じゃんけんという慣用的な解決方法や交替で使うことを語ってい る。  なお、「カテゴリ」についての定義を説明をしたうえで、心理学を専攻している学生1名にも、31 名分のプロトコル資料の分類を依頼した。一致率は、95.2%であった。不一致の事例は討議により カテゴリ分類を一致させることが可能であった。

3.結果と考察

3.1 5歳時点および6歳時点におけるカテゴリ別人数(年齢集団としての変化)

表1 時点別カテゴリごとの人数 〔単位:人〕 カテゴリ 5歳時 6歳時 わからない・無答 11 0 怒る 1 0 やり返す 2 0 貸してあげる、いいよ 2 2 違う遊びする 1 0 ごめんね 1 8 仲直りする、仲良しになる 2 3 先生呼ぶ 4 3 仲間呼ぶ 0 1 どうしたのって 0 2 やめなって、とめる、助ける 5 9 じゃんけん、順番こ 1 2 その他 1 1 合計 31 31

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図1 〈けんか〉への対処 カテゴリ別の人数  2.3に記したカテゴリに該当する答をした子どもの人数を、時点別にまとめて、記した(表1、 図1)。5歳時点では、「わからない、無答」が約3分の1を占めていて、最も人数の多いカテゴリと なっている。5歳の時点では、〈けんか〉の対処について語らない子どもが約3分の1いた。5歳の 時点では、〈けんか〉の対処について問われて、言語で語るまでに至っていない子どもが少なからず いて、〈けんか〉の対処について自覚的に捉えることがまだできかねることがうかがえる。  次いで、5歳時点で多かった答は、「やめなって、とめる、助ける」と「先生呼ぶ」であり、それ ぞれ5名、4名ずついた。どちらも介入者の視点から語られた対処である。そこから、5歳の時点で すでに、〈けんか〉を第三者の視点から捉えることが可能な子どもたちが少なからずいるということ がわかる。特に、「やめなって、とめる、助ける」というカテゴリは、〈けんか〉を自分でとめよう とする対処である。それは、自律的な対処と言い換えることができるものである。5歳の時点です でに、自律的な対処について自覚的に捉えることができる子どもたちが十数パーセントいることが わかった。  6歳時点では、「わからない、無答」が皆無となり、かわって、「ごめんね」が増え(8名)、「仲直 りする」(3名)と併せると、約3分の1を占めることとなった。これは、当事者の視点で語られた謝 罪である。6歳時点では、当事者の謝罪が、〈けんか〉への対処としてよく語られるもののひとつで あることがうかがえる。「ごめんね」は、〈けんか〉のおさめ方の定型的なものと考えられ、6歳の 時点では、そのような定型的な対処法について自覚的に捉えられるようになっていることがうかが われる。  また、「やめなって、とめる、助ける」も6歳時点で増え(9名)、「どうしたのって」(2名)とあ わせると、約3分の1を占めることとなった。これらは、〈けんか〉に対して、子どもたち自身で対 応していこうとするものである。自律的な対処について自覚的に捉えることのできる子どもが、6歳

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時点ではさらに増加し、謝罪という対処とともに、二つの大きな対処の仕方となっていることがう かがえる。

3.2 5歳時点から6歳時点への変化パタン(子どもひとりひとりの変化)

表2 5歳時点から6歳時点へのひとりひとりの変化 5歳時点 6歳時点 わからない、無答 ごめんね わからない、無答 ごめんね わからない、無答 ごめんね わからない、無答 ごめんね わからない、無答 ごめんね わからない、無答 ごめんね わからない、無答 仲直りする、仲良しになる わからない、無答 仲直りする、仲良しになる わからない、無答 どうしたのって わからない、無答 やめなって、とめる、助ける わからない、無答 その他 怒る やめなって、とめる、助ける やり返す 貸してあげる、いいよ やり返す 先生呼ぶ 貸してあげる、いいよ 貸してあげる、いいよ 貸してあげる、いいよ やめなって、とめる、助ける 違う遊びをする 仲間呼ぶ ごめんね 仲直りする、仲良しになる 仲直りする、仲良しになる やめなって、とめる、助ける 仲直りする、仲良しになる やめなって、とめる、助ける 先生呼ぶ ごめんね 先生呼ぶ 先生呼ぶ 先生呼ぶ やめなって、とめる、助ける 先生呼ぶ じゃんけん、順番こ やめなって、とめる、助ける ごめんね やめなって、とめる、助ける 先生呼ぶ やめなって、とめる、助ける どうしたのって やめなって、とめる、助ける やめなって、とめる、助ける やめなって、とめる、助ける やめなって、とめる、助ける じゃんけん、順番こ じゃんけん、順番こ その他 やめなって、とめる、助ける

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 3.1では、5歳から6歳への年齢集団としての変化を見てきたが、5歳から6歳への変化の道筋 を詳細に検討するためには、ひとりひとりの1年間の変化を見ていく必要がある。表2は、31名ひと りひとりの5歳時点から6歳時点でのカテゴリの変化を追って見ていき、まとめたものである。そ の結果、何人かが類似の変化のパタンを示すことが見出された。 一つ目のパタンは、5歳時点において「わからない、無答」と答えた11名中6名が、6歳時点では 「ごめんね」と答えたというものである。5歳時点では、〈けんか〉への対処の仕方について語れなかっ た子どもが、1年後には、定型的な〈けんか〉のシナリオに沿って、〈けんか〉を収める謝罪のこと ばを語れるようになった。そこからは、5歳の時点では、〈けんか〉への対処法を自覚的に捉えるこ とができなかった子どもが、1年の後には、〈けんか〉の収まり方についての定型的なシナリオにつ いて自覚的に捉えることができるようになったことがうかがえる。 二つ目のパタンは、5歳時点ではさまざまな別の対処の仕方について語っていた子どもが、1年後 の6歳時点では、「やめなって、とめる、助ける」と自律的な対処について語るようになっていたと いうものである。6歳時点では、31名中9名が、この自律的な対処について語れるようになっていた。 そこからは、6歳の時点になるまでに、〈けんか〉への自律的な対処について自覚的に捉えることが できるようになったことがうかがえる。 以上から、5歳時点から6歳時点への変化パタンには2タイプのあることがわかる。一つ目は、〈け んか〉の対処法について答えない5歳時点から、1年後の6歳時点では、〈けんか〉では「ごめんね」 と言うと語るパタンである。5歳時点では、〈けんか〉の対処の仕方について、語ることができるよ うな自覚的な捉え方をしていなかった子どもが、1年後の6歳時点では、〈けんか〉をおさめるには 「ごめんね」と謝罪するとよいといった定型的な知識を自覚的に利用することが可能となり、それに ついて語れるようになったのかもしれない。ふたつ目は、5歳時点では、いろいろな対処について 語っていたが、1年後の6歳時点では、「やめなって、とめる、助ける」と自律的な対処について語る ようになるパタンである。5歳時点では、当事者としての〈けんか〉の対処の仕方などについて語っ ていたが、1年後の6歳時点では、〈けんか〉に対して、第三者の視点にたてるようになり、〈けんか〉 を見聞きしたら、自分が介入して、〈けんか〉をおさめようとの自律的な姿勢をもち、それを自覚的 に語れるようになったのかもしれない。  以上から、5歳時点から6歳時点への変化パタンが一種類ではなかったということがわかる。〈け んか〉の対処についての認識の発達は、一本の道筋で描かれるというよりも、少なくとも2本の道筋 があることが示された。発達の道筋には多様性があることを示すことができたと考えられる。

3.3 5歳時点から6歳時点への変化の事例 

 3.2での検討の結果、〈けんか〉の対処についての認識の発達には、少なくとも2本の道筋がある ことが示された。しかしながら、その2本の道筋に沿っていない子どもたちの人数の割合は、約3分 の1にものぼる。そこから、〈けんか〉の対処についての認識の発達の道筋は、2本のみではないの かもしれないと考えさせられる。また、3.2で見出された2本の道筋についても、詳細はまだ明確

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にされていない。特に2本目の道筋には、明らかにされていないところが多い。そこで、その点を検 討するために、事例を取り上げ、検討することにする。  まず、3.2であげた一つ目の変化パタンに沿った事例をあげる。 【変化の事例1;Aさん】 5歳時 (〈けんか〉ある?)…… (どうしたらいい?)…… 6歳時 (〈けんか〉ある?)けんか?(うん)けんか、あんまりないかな。だって、お友だちがいっ ぱいいるから、なんかちょっと楽しい。 (もしも〈けんか〉になったら、どうしたらいい?)ごめんねって言う。そしたら、相手 のお友だちもいいよとか、ごめんねとか、大丈夫だよって言って、ちょっとうれしい気持 ちになって、遊ぶ。  Aさんは、5歳の時点では〈けんか〉について質問しても答えなかった(「わからない、無答」)が、 1年後の6歳の時点では謝罪について語ること(「ごめんね」)となった。6歳時点では、(〈けんか〉 になったら)「ごめんね」と言う、そしたら、(相手も)「いいよ」とか「ごめんね」とか「大丈夫だ よ」と言い、〈けんか〉はおさまるという意味のことを語っている。6歳時点においては、〈けんか〉 をおさめる上での、定型的なやりとりの仕方について自覚的に捉えていることがうかがえる。さら に、〈けんか〉がおさまったときの気持ちについても触れて語っている。そこからは、Aさんが、5 歳から6歳への1年間において、〈けんか〉への対処を自覚的に語ることのできない状態から、〈けんか〉 への対処として謝罪について、自覚的に捉えることができるような状態へと成長したことがうかが える。  次の事例は、3.2であげた二つ目の変化パタンに沿った事例である。 【変化の事例2;Bさん】 5歳時 (〈けんか〉ある?)オモチャのとりあいとか、ときどきする。 (どうしたらいい?)一回貸してあげる。で、また、あきたら、貸してもらえばいいし。 6歳時 (〈けんか〉ある?){肯く} (どうして?)おもちゃのとりあいっことか。 (どうしたらいい?)……うるさいから、やめてって。 (そのあとどうなる?)まだやるときもあるけど、聞いて、もうやんないときもある。  Bさんは、5歳の時点では「貸してあげる、いいよ」とのカテゴリにはいることを語っていたが、 6歳の時点では、「やめなって、とめる、助ける」とのカテゴリにはいることを語るようになった。 5歳時点では、物の取り合いが理由の〈けんか〉について話し、当事者の視点から相手の要求を受

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け入れるということを語り、自分の要求を相手に主張することについては触れられていなかった。1 年後の6歳時点では、同じく物の取り合いが理由の〈けんか〉について話し、それへの対処としては、 当事者の視点ではなく介入者の視点から、物の取り合いをやめさせることが語られた。5歳から6 歳への1年間において、〈けんか〉への対処として、自己抑制的な対処法から、より自己主張的な対 処法へ、当事者の視点から介入者の視点へ、といった変化があったことが読み取れる。  このように、一人の子どもの5歳時点から6歳時点への変化を見ていくと、3.2で見出された二 つの変化パタンの内実を浮き彫りにすることができる。   次の2つの事例は、その子ども1人のみにて見出された、変化パタンの事例である。どちらも3.2 で見出された道筋にはあてはまらないものである。 【変化の事例3;Cさん】 5歳時 (〈けんか〉ある?)……いじわるしたから (どうしたらいい?)……やり返す (そのあとどうなる?)……逃げちゃう 6歳時 (〈けんか〉ある?)んー、あるときもある。 (どうして?)とりあいっことかして。 (どうしたらいい?)……いいことしたげる。貸したげる。 (そのあと、どうする?)残ってたら使う。返してもらう。  Cさんは、5歳の時点では「やり返す」とのカテゴリにはいることを語っていたが、6歳の時点で は、「貸してあげる、いいよ」とのカテゴリにはいることを語るようになった。5歳の時点では、相 手方が不快な言動をしたことを理由とした〈けんか〉について語り、それへの対処として、当事者 の視点から相手への報復を語った。正当防衛的ではあるが、暴力の応酬がとまらなくなる可能性も ある対処の仕方である。それが、1年後の6歳時点では、〈けんか〉の理由としては、「とりあいっこ」 があげられ、当事者双方の対立が語れられた。5歳時点での、相手方に一方的に非があるという捉 え方の〈けんか〉ではなく、二者の要求の対立ということが語られた。〈けんか〉の理由の捉え方が 変化したのである。〈けんか〉への対処も、それに呼応して、6歳時点では、「いいことしたげる。 貸したげる。」として、相手の要求を受け入れることを語った。「(そのあと)、残ってたら使う。返 してもらう。」とも語り、二者間の配慮の交換が展開することについて語った。Cさんでは、5歳か ら6歳への1年間において、〈けんか〉への対処として、自己主張的な対処の仕方から、より自己抑 制的な対処の仕方へ、という変化があったことが読み取れる。これは、変化事例2のBさんとは対照 的な変化である。〈けんか〉への対処についての発達は、自己主張的な対処の仕方と、自己抑制的な 対処の仕方との、どちらか一方が優勢となり、その次のステップでは、他方が優勢となる、という 変化があるのかもしれない。そして、その先にはそれら二者を止揚するステップが来るのかもしれ ない。

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 次の事例は、5歳時点と6歳時点で語った内容が、カテゴリとしては、変わらなかったものであ る。 【変化の事例4;Dさん】 5歳時 (〈けんか〉ある?)……2人とも一番になりたい、一番になりたいって言って、けんかに なっちゃう。 (どうしたらいい?)じゃんけんぽいして勝ったほうが一番になればいいと思う。 6歳時 (〈けんか〉ある?)んー、あると思う。 (どうして?)んー。三輪車、最後に1個しかなくて、取り合いになって、「ぼくのだよー」っ てけんかしちゃう。 (どうしたらいい?)そういうときは、順番こになる。 (そのあとどうなる?)んー、なのに、「どっちが先?」とか言って、またけんかする。  Dさんは、5歳の時点で、順番の取り合いという〈けんか〉について語り、それへの対処の仕方と して、じゃんけんを提案することを語った。1年後の6歳の時点では、順番ではなく物を取り合うと いう〈けんか〉について語り、それへの対処の仕方として、その物を交代で使用することを語った。 そこから、Dさんは、5歳時点ですでに〈けんか〉の介入者の視点から、〈けんか〉をおさめる慣用 的な決定方法を提案するということについて自覚的に捉えていることがうかがわれる。1年後の6歳 時点では、物の取り合いは交代での使用ということでおさめても、さらに順番の取り合いが生じる ということを語っている。〈けんか〉をおさめるにあたって、慣用的な方略が万能というわけではな く、さらなる対立が生じうるということについて自覚的に捉えられるようになっていることがそこ からうかがえる。〈けんか〉へ対処するには、状況を絶え間なくモニターしていき、その状況の変化 にあわせる必要のあることに、気付き始めているのかもしれない。  以上、4つの事例を検討すると、5歳時点から6歳時点へかけての1年間の変化には、3.2で見 出された2本の道筋のみならず、多様なあり方のあることに気付く。特に、自己主張的な対処から自 己抑制的な対処への変化とともに、その逆の変化の道筋のあることに気付かされる。また、自律的 な対処の仕方自体を状況にあわせて変えていく必要を理解することへ至る道筋もあるのかもしれな い。

4.全体的考察

 本研究では、〈けんか〉への対処について、5歳児にインタビューで問い、さらにその1年後に同 様のインタビューをすることによって、5歳から6歳にかけての、〈けんか〉への対処についての認 識の発達を検討した。その結果、〈けんか〉への対処についての認識の発達の道筋としては、比較的

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多くの子どもがたどるものが2つあることが示唆された。一つ目の道筋は、5歳の時点では、〈けん か〉への対処について自覚的に捉えることができないが、6歳の時点では〈けんか〉をおさめるに は、「ごめんね」と言ったらよいという定型的な対処について自覚的に捉えることができるようにな るというものである。二つ目の道筋は、5歳の時点では、別のいろいろな対処について語っていた が、6歳の時点では、「やめなって、とめる、助ける」といった自律的な対処について語るようにな るというものであり、6歳の時点では、自律的な対処について自覚的に捉えられるようになるとい う道筋である。  さらに、上述した2つの道筋以外のものの存在を示唆する事例が、それぞれ1事例のみではある が見出された。それは、相対的に太い2つの道筋以外にいわば細い道筋が、いく筋かありうること を推測させる。例えば、5歳の時点では、「(いじわるした相手に)やり返す」といった自己主張的 な対処の仕方を語ったが、1年後の6歳の時点では、「(物の取り合いをしている相手に物を)貸して あげる」といった自己抑制的な対処の仕方を語った事例が、それである。自己主張的な対処から自 己抑制的な対処へという、変化の道筋があるのかもしれない。逆に、5歳の時点では、「(物の取り 合いをしている相手に)貸してあげる」といった自己抑制的な対処の仕方を語ったが、1年後の6歳 に時点では、「(物の取り合いをしている人たちに対して)うるさいから、やめてって」といった自 己主張的な対処の仕方を語った事例も見出された。自己抑制的な対処から自己主張的な対処へとい う、変化の道筋があるのかもしれない。また、自律的な対処について5歳の時点ですでに自覚的に 捉えられた子どもが、6歳の時点では、さらに〈けんか〉をおさめるにあたって、慣用的な方略が 万能というわけではなく、さらなる対立が生じうるということについて自覚的に捉えられるように なっていることが見出された。  そこから、〈けんか〉への対処の認識の発達の道筋には、いくつかのタイプがあり、多様性のある ことが示唆される。例えば、心の理論( theory of mind )の研究においては、その個人差は、時期 の遅い・早いで捉えられることが多かった。それは、万人がやがては理解するに至る基本的な力で あった。その発達の道筋は、いくつかの例外を除けば、基本的には一筋の路線で表すことのできる ものであった。それに対して、〈けんか〉への対処の認識の発達に見られる個人差は、時期の遅い・ 早いだけでなく、認識の内容に、質的な違いのあるものであった。その違いは、いわばテーマの違 いとも言えるものであった(Selman, 2003)。しかも、その違いは、1年後の変化・成長の仕方にお いても、多様性のあるものであった。本研究では、質的に異なる個人差、それらの変化のプロセス の多様性を浮き彫りにしたこととなった。  そのように〈けんか〉への対処についての認識の発達の道筋には、いくつかのタイプがあるならば、 幼児期にある子どもたちの社会性の発達を促す働きかけについて手がかりを提供できる可能性があ る。例えば、〈けんか〉への対処について自覚的に捉えられていないならば、次のステップへの働き かけとしては、〈けんか〉をおさめる定型的な対処について、〈けんか〉が終結した後に、それをふ り返って自覚化することを促す働きかけがありそうである。  あるいは、〈けんか〉への対処について、自己抑制的な仕方を自覚的に捉えている場合には、次の

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ステップとして、自己主張的な仕方についても気付くことを促すよう、働きかけたらよいのかもし れない。逆に、〈けんか〉への対処について、自己主張的な仕方を自覚的に捉えている場合には、次 のステップとして、自己抑制的な仕方についてもに気付くことを促すよう、働きかけたらよいのか もしれない。さらに、もう少し先のステップとしては、状況に応じて、その二者を止揚していくこ とを目指した働きかけが有効かもしれない。  5歳から6歳にかけての1年間の変化を追ってきたが、では、その変化は、何によってもたらされ るのだろうか。その変化をもたらす要因について検討することが、今後の課題である。その1年間に、 子どもたちが経験してきた〈けんか〉を観察することができたら、その変化をもたらす要因につい て、手がかりを得ることができるかもしれない。あるいは、Dunn & Herrera(1997)は、友だちと の〈けんか〉への対処の仕方は、それ以前に家庭において、きょうだいや親が〈けんか〉や葛藤へ どのように対処してきたかということと関連していることを見出している。仲間関係における〈け んか〉への対処の仕方は、きょうだい関係や親子関係といった、家庭内の人間関係における〈けんか〉 への対処の仕方の影響を受けるのかもしれない。さらに、本研究で検討した5歳よりも前の時期に ついて、およびその後の時期について、検討することも今後の課題である。 【引用文献】

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【Abstract】

The Development of Preschool Children’s Views

About Conflict Resolution with Peers:

Diversity of Changes from Five-Year-Olds to Six-Year-Olds

Yukari KUBO

The purpose of this study is to explore the development of preschool children’

s views

about conflict resolution with their peers. Thirty-one five-year-olds were interviewed

on how they resolve conflicts with classmates. They were interviewed again one year

later and asked the same questions. The findings were as follows; two major changes

of views about conflict resolution with peers from five-year-olds to six-year-olds were

found. The one change was when they were five-year-olds, they were not able to

recognize conflict resolutions, and one year later, they became to recognize the typical

resolution was to apologize. The other change was when they were five-year-olds, they

recognized some conflict resolutions, and one year later they became to recognize the

autonomous resolution which is to conciliate the conflicts from the third person’

s point

of view. In addition to these major changes, there appears to be some minor changes.

It is suggested that there is diversity in developmental changes of preschoolers’ views

about conflict resolutions with their peers.

参照

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