マルチレイヤコンバージェンスプラット
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FLASHWAVE 9130
Multilayer Convergence Platform: FLASHWAVE 9130
あ ら ま し あ ら ま し 次世代ネットワークの構築が加速されていく中,メトロネットワークではSONET/SDH ベースのネットワークからIP,DWDMを交えた様々なネットワークが構築されている。一 方,専用線をはじめとする既存ネットワークもしばらくは存続するため,伝送機器が多機種 化し,運用管理も複雑化してきている。これらを解決するため,富士通テレコムネットワー クスはマルチレイヤコンバージェンス(MLC)プラットフォームを提案し,そのコンセプ トに基づいたFLASHWAVE 9130を開発している。 次世代ネットワークの構築が加速されていく中,メトロネットワークではSONET/SDH ベースのネットワークからIP,DWDMを交えた様々なネットワークが構築されている。一 方,専用線をはじめとする既存ネットワークもしばらくは存続するため,伝送機器が多機種 化し,運用管理も複雑化してきている。これらを解決するため,富士通テレコムネットワー クスはマルチレイヤコンバージェンス(MLC)プラットフォームを提案し,そのコンセプ トに基づいたFLASHWAVE 9130を開発している。 本稿では,MLCのコンセプトを紹介し,MLCの中核となり,既存ネットワークと次世代 ネットワークの融合を効率的に実現できるFLASHWAVE 9130の特長について述べる。さら に,今後のトラフィック増加,IPトランスポートの進展に対応するための装置および機能 拡充について示す。 本稿では,MLCのコンセプトを紹介し,MLCの中核となり,既存ネットワークと次世代 ネットワークの融合を効率的に実現できるFLASHWAVE 9130の特長について述べる。さら に,今後のトラフィック増加,IPトランスポートの進展に対応するための装置および機能 拡充について示す。 Abstract Abstract
Construction of the next-generation network is accelerating, and at the metro-network level, a variety of networks are being created as the SONET/SDH-based network (SONET: synchronous optical network, SDH: synchronous digital hierarchy) is replaced with ones based on Internet protocol (IP) and dense wavelength division multiplexing. At the same time, leased lines and other components of the existing network continue to exist, which results in diverse types of transmission equipment and complicated operations management. To alleviate this problem, Fujitsu Telecom Networks has proposed a multilayer convergence (MLC) platform and, on the basis of this concept, has developed the FLASHWAVE 9130. This paper introduces the MLC concept and describes how FLASHWAVE 9130, the heart of MLC, can efficiently merge the existing network and next-generation network. It also describes equipment and expanded functions for dealing with future increases in traffic and advances in IP transport.
Construction of the next-generation network is accelerating, and at the metro-network level, a variety of networks are being created as the SONET/SDH-based network (SONET: synchronous optical network, SDH: synchronous digital hierarchy) is replaced with ones based on Internet protocol (IP) and dense wavelength division multiplexing. At the same time, leased lines and other components of the existing network continue to exist, which results in diverse types of transmission equipment and complicated operations management. To alleviate this problem, Fujitsu Telecom Networks has proposed a multilayer convergence (MLC) platform and, on the basis of this concept, has developed the FLASHWAVE 9130. This paper introduces the MLC concept and describes how FLASHWAVE 9130, the heart of MLC, can efficiently merge the existing network and next-generation network. It also describes equipment and expanded functions for dealing with future increases in traffic and advances in IP transport. 斉藤文彦(さいとう ふみひこ) 富士通テレコムネットワークス (株)プロダクト開発センター 所属 現在,光伝送システムの開発に 従事。
マルチレイヤコンバージェンスプラットフォーム:FLASHWAVE 9130
ま え が き WiMAXに代表されるモバイルサービスの大容量 化や放送品質映像配信サービスなど,ネットワーク に流れるトラフィックは増加の一途をたどっている。 一方,既存のIP(Internet Protocol)ネットワー ク・TDM(Time Division Multiplexing:時分割多 重)ネットワーク・DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing :高 密 度 波 長 分 割 多 重 ) ネットワークからIPネットワークを中心とした次 世代ネットワークへの移行において,それぞれの ネットワークによって伝送機器および回線運用管理 が必要となることで,機器設置スペースの不足や複 雑な管理・保守になってしまっている。富士通テレ コムネットワークスは次世代ネットワークへの移行 および既存ネットワークとの効率的な共存を行える ことを目的とした,マルチレイヤコンバージェンス (MLC)のコンセプトを提案しており,そのコンセ プトに基づいた伝送機器・ネットワーク管理システ ムによって次世代ネットワークソリューションを提 供している。 本稿では,マルチレイヤコンバージェンスのコン セプト,およびそのコンセプトの中核として開発を 進めているTDMとIPのハイブリッド装置である FLASHWAVE 9130について紹介する。 マルチレイヤコンバージェンス(MLC) DATA TDM Legacy WDMMLC
WDM MSPP (TDM) MSPP (DATA) 統合アーキテクチャ MSPP (DATA) WDM Legacy 図-1 マルレイヤコンバージェンスの概念 次世代ネットワークの構築が始まる以前のネット ワークはアクセスネットワーク,メトロネットワー クおよびロングホールネットワークの三つのネット ワークから構成され,アクセスネットワークはIP やPDH(Plesiochronous Digital Hierarchy),メ トロネットワークはSONET/SDHリング,ロング ホールネットワークはDWDMというレイヤ構成で あった。ところが,次世代ネットワーク化により, アクセス・メトロ・ロングホールの区別がなくなり つつあり,とくにメトロネットワークではIPトラ フ ィ ッ ク の 経 済 的 な 伝 送 を 行 う た め にEoS (Ethernet over SONET)ではなく,Ethernet信号 のまま伝送する,またはトラフィックそのものの増 大によりメトロでもDWDMを適用するなど,レイ ヤが多岐にわたるようになってきている。Fig.1-Concept of multilayer convergence.
このようなメトロネットワークにおけるレイヤの 多様化,その多様化による回線運用管理の複雑化に 対応するため,マルチレイヤコンバージェンスと称 したコンセプトにより伝送機器の開発に取り組んで いる。 MLCの概念を図-1に示す。MLCを一言で表すと 「すべてのレイヤのネットワークを一つのシステム で提供」するということである。ここで言うすべて の レ イ ヤ と は ,IP ( Packet ), SONET/SDH (TDM),DWDM(WDM)および既存専用線など のレガシーネットワークであるPDHを示している。 MLCは構成したいネットワークに応じて,各レイ ヤのブロックを組み合わせることにより,機能最適 なシステムの提供を可能とするビルディングブロッ ク方式としている。また,すべてのレイヤのブロッ クを同一コンセプトに統一することにより,レイヤ 間にまたがるパス管理や発生警報の主原因特定機能 を充実させることで,回線運用管理の簡素化が実現 できる。 MLCの利点は下記のものが挙げられる。 (1) 既存のネットワークを存続させたまま,次世 代ネットワークへのマイグレーションが可能。 (2) トラフィックの増大にシームレスに対応可能。 (3) ネットワークを構成する機器の整理・統合に よる省スペース,省エネの実現。 (4) 障害時の大量警報から根幹障害箇所の迅速な 特定が可能。
マルチレイヤコンバージェンスプラットフォーム:FLASHWAVE 9130
表-1 FLASHWAVE 9130仕様概要 システム ・ノンブロッキング L2&TDMスイッチ (ハイブリッド) ・8ユニバーサル インタフェーススロット イ ン タ フ ェ ー ス種別 ・STM-0,STM-1/OC-3,STM-4/OC-12 ・STM-16/OC-48,STM-64/OC-192 ・GbE ・10GbE クロック機能 ・64 kHz+8 kHz 入力(CREC) ・6.3 MHz 出力(CSEND) ・64 kHz+8 kHz 出力(CDIS) ・Line clock同期 監視・制御 ・TL1プロトコル over LCN ・遠隔ソフトウェアダウンロード ・リモートDB退避 外形寸法 質量 ・幅448×奥行450×高さ356(mm) ・45 kg FLASHWAVE 9130の特長 本 章 で は ,MLC の 中 核 と な る FLASHWAVE 9130の特長について述べる。FLASHWAVE 9130 の仕様概要を表-1に,また外観を図-2に示す。 ● ハイブリッドスイッチ SONET/SDHネットワークでのTDMスイッチン グとIPネットワークにおけるL2(Layer 2)スイッ チングではスイッチングの方式が大きく異なる。 TDMスイッチングは,時分割多重された同期信号 のスイッチングであるため,信号流内のあらかじめ 決められた位置(タイムスロット)にある情報をス イッチングするのに対し,L2スイッチングは非同 期信号であるパケット信号流の中の宛先データを見 て,その都度スイッチングを行わなければならない。 SONET/SDH信号とパケット信号の両方をサポー トしようとした場合に,スイッチング方式はどちら か一方とし,入出力部であるインタフェースユニッ トでスイッチング方式に合わせて信号流を変換する 方式,例えばEoSでの変換があるが,インタフェー ス 部 で の 処 理 が 冗 長 に な っ て し ま う 。 FLASHWAVE 9130では,TDMスイッチング機能 とL2スイッチング機能を併せ持つハイブリッドス イッチ方式を採用することで,同一装置の中で, SONET/SDHネットワークではTDMスイッチング, IPネットワークではL2スイッチングを行うことを 可能とした。 ハイブリッドスイッチとすることにより,メトロ でのSONET/SDHネットワークを存続させながら, 新たにIPネットワークを構築する場合でも,伝送 機器を追加することなく,FLASHWAVE 9130で IPネットワークを収容・構築することが可能であ る。また,将来SONET/SDHネットワークを廃止 してIPネットワークのみとするときに,残存して いるSONET/SDH信号をCEP(Circuit Emulation over Packet)でパケット化することも可能である ため,ネットワークのレイヤのシームレスな移行を 提供することができる。 ● 高密度実装による省スペース化 FLASHWAVE 9130はハイブリッドスイッチデバ イスやマルチレートのSONET/SDH終端デバイス などの大容量統合デバイスの採用,着脱可能光モ ジュール(SFP:Small Form factor Pluggable) の高密度実装,および最先端のプリント板実装技術 に よ り ,MSPP ( Multi-Service Provisioning Platform)装置の3倍のスイッチング容量,4倍の EoSポート,同等のSONET/SDHポートを有しな がらも,装置サイズが1/2と大幅な小型化を実現し ている(いずれも当社比)。この高密度実装による 小型化と前述のハイブリッドスイッチでの異なるレ イヤのネットワークの収容により,機器の省スペー ス化および省電力化を図ることが可能であり,ネッ トワークの運用コストを大幅に削減させることがで きる。 図-2 FLASHWAVE 9130の外観 ● キャリアグレード品質と信頼性 メトロエリアでのIPネットワークでは,アクセ スエリアからのトラフィック集約による大容量L2 スイッチングとキャリアグレードの伝送品質および 信頼性が求められる。また,将来ネットワークのほ ぼ す べ て が ク ロ ッ ク 同 期 を 必 要 と し な いIP + Fig.2-FLASHWAVE 9130 appearance.マルチレイヤコンバージェンスプラットフォーム:FLASHWAVE 9130
DWDMとなった場合でも,既存の同期網がすべて なくならない限り,網同期のための同期クロック伝 送 経 路 を 確 保 し て お か な け れ ば な ら な い 。 FLASHWAVE 9130 は Ethernet 信 号 を 同 期 網 ク ロックに同期させて伝送させることで,網同期用ク ロックを伝送するSynchronous Ethernet機能を提 供する。パケット信号の送受信クロックおよび装置 内の処理クロックを網同期用クロックに同期させる ことにより,FLASHWAVE 9130間のデータ周波数 の誤差が現在のIPネットワークの±100 ppmから SONET/SDHでの±20 ppmとなる。これにより, 周波数誤差に起因するバッファオーバフローによる パケットロスが生じることなくEthernet信号を伝 送することができ,伝送品質および信頼性が現在の SONET/SDHと同等となる。 ● 充実したEthernet機能 FLASHWAVE 9130はL2スイッチングによるIPT (IP Transport)装置としてネットワークを構築す ることが可能であり,IPTとしてのEthernet機能を 充実させている。具体的にはポート単位はもとより, フロー単位での制御も可能とし,フローごとのQoS (Quality of Service),Classification,ポリシング, スケジューリングをサポートしている。また, ITU-T Y.1731およびIEEE 802.3Qayに準拠した Ethernet-OAM(Operations,Administration and Maintenance)機能も搭載しており,エンドユーザ の様々な形態のサービス要求に対応する。これによ りモバイル,音声(VoIP),ファイル転送,そして 放送映像配信など帯域や品質の異なるサービスを同 一のネットワークで提供することが可能である。 ● 特長の継承と拡充 FLASHWAVE 9130はMLCプラットフォームの コンセプトに基づいたSONET/SDHとIPを融合可 能な装置として開発しているが,これまでのMSPP 装置で培ってきた以下のような特長は排除すること なく受け継ぎ,さらなる拡充を図っている。 (1) ユニバーサルスロット運用 SONET/SDHネットワーク,IPネットワークに かかわらず,提供している多種多様なインタフェー スユニットはどのインタフェーススロットにも収容 可能としている。(2) Data over SONET方式
L2スイッチ機能によるEthernet信号の伝送のほ
か,従来のEther over SONET機能も引き続き提供 することで,IPネットワーク構築前においても Ethernet信号を従来どおり収容可能としている。 (3) DWDMシステムとのシームレスな接続 MLCとして,トラフィックの増大によりDWDM ブロック(装置)と組み合わせることにより,大規 模なDWDMネットワークのクライアント信号入力 部とすることが可能である。 (4) マルチシェルフ運用 FLASHWAVE 9130は,後述するFLASHWAVE 9140とのマルチシェルフ運用を行うことにより, スイッチング容量の拡張が可能であり,より柔軟に ネットワーク容量の変化に対応できる。 今後の展開 FLASHWAVE 9130は,MLCのコンセプトを基 に,次世代ネットワークにおけるトラフィックの更 なる増加,IPトランスポートの進展にいち早く対 応するべく,機能拡充を行っていく予定である。と く に 今 後 の ト ラ フ ィ ッ ク の 増 加 に 対 し て , FLASHWAVE 9130より更に大容量のスイッチング 容量にするとともに,インタフェースポート数を増 やしたFLASHWAVE 9140をFLASHWAVE 9100シ リーズとして展開していく。以下にFLASHWAVE 9140およびIPトランスポート機能の拡充として予 定しているConnection-Oriented Ethernetについ て述べる。 (1) FLASHWAVE 9140 FLASHWAVE 9140 は, 本稿で紹介 してき た FLASHWAVE 9130より,スイッチング容量および インタフェースポート数を増加させ,今後も急増し ていくトラフィックに対応する。FLASHWAVE 9140の仕様概要を表-2に示す。 インタフェースユニットはFLASHWAVE 9130の インタフェースユニットと互換であり,トラフィッ クが集中する中央局にはFLASHWAVE 9140を配置 し,地方局にはFLASHWAVE 9130を配置すること で,より効率的なネットワーク構築を可能とする。 また,将来的にスイッチング容量を2倍に引き上げ ることができるアーキテクチャとしており,トラ フィックの増加によって新たな機器を設置すること はなく,より安価に運用後のグレードアップで対 応可能である。
マルチレイヤコンバージェンスプラットフォーム:FLASHWAVE 9130
表-2 FLASHWAVE 9140仕様概要 システム ・ノンブロッキング L2&TDMスイッチ (ハイブリッド) ・16ユニバーサル インタフェーススロット イ ン タ フ ェ ー ス種別 ・STM-0,STM-1/OC-3,STM-4/OC-12 ・STM-16/OC-48,STM-64/OC-192 ・GbE ・10GbE クロック機能 ・64 kHz+8 kHz 入力(CREC) ・6.3 MHz 出力(CSEND) ・64 kHz+8 kHz 出力(CDIS) ・Line clock同期 監視・制御 ・TL1プロトコル over LCN ・遠隔ソフトウェアダウンロード ・リモートDB退避 外形寸法 質量 ・幅448×奥行450×高さ356(mm) ・45 kg (2) Connection-Oriented Ethernetの実装 メ ト ロ エ リ ア のIP ト ラ ン ス ポ ー ト で は SONET/SDHネットワークと同様に,あらかじめ パケットフローごとの行先と帯域を決めておく Connection-Oriented Ethernetが最適であり,現 在PBB-TE(Provider Backbone Bridge - Traffic Engineering)やMPLS-TP(Multi-Protocol Label Switching - Transport Profile)といった方式が標準 化 さ れ よ う と し て い る 。 FLASHWAVE 9130/FLASHWAVE 9140では次世代IPトランス ポートを提供するテクノロジとして,これらの Connection-Oriented Ethernet機能をサポートす る予定である。 む す び 本稿では,マルチレイヤコンバージェンスのコン セプトと,FLASHWAVE 9130の特長および今後の 展開について述べた。次世代ネットワークの構築の 加速,IPネットワーク化の進展に伴い既存ネット ワークと次世代ネットワークの融合およびマイグ レーションをいかに効率良く,迅速に,廉価に行え, かつ長期に使用可能なネットワークにできるかが重 要である。富士通テレコムネットワークスはそのソ リューションとして,マルチレイヤコンバージェン スコンセプトによる次世代ネットワークシステムと し て ,FLASHWAVE 9130 を は じ め と す る FLASHWAVE 9100シリーズを提供していく予定で ある。