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第 73 回全国保健所長会会員協議 ( 討論会 ) 熊本地震の経験に学ぶ DHEAT 機能の検証 平成 28 年 10 月 25 日 熊本地震における支援 受援活動について 熊本県保健所長会としての活動から 熊本県保健所長会熊本県八代保健所木脇弘二

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(1)

◯熊本地震における支援・受援活動について 熊本県八代保健所 木脇弘二* 【従事した活動内容】 ・被災の小さかった県南3保健所(八代,水俣,人吉)長を中心に活動した。本震直後より3 日間はおもに県庁に避難した被災者(約480人)への対応にあたった。医療ニーズは小さく3日間で「診療」した数 は34人であった。 ・県保健所間の支援ルール等はなかったので「県保健所長会(会長)」の肩書で活動した。4/19 「急性期後における地域災害保健医療提供体制連絡調整会議」を踏まえ,DMAT調整本部を包含し「県医療救護 調整本部」が発足,会議体として「コーディネータ−連絡会議」が設置され,このメンバーとして参画,本庁や外部団 体−被災保健所(御船,阿蘇,菊池,宇城)間のリエゾン的活動(被災保健所への情報の集約と提供,被災保健所 からの本庁や外部団体への要望の吸い上げと伝達・交渉等)と,統一が必要なルールや仕組み等(避難所アセス メント様式,避難所での感染症発生時の対応,災害診療記録の保管,県専門職による口腔保健活動実施,熊本 DPAT活動のあり方について等)の検討,調整,決定を行った。 ・「県医療救護調整本部」活動終了(6/1)後,会 議体は「避難所・被災者支援に係る関係者会議」が引き継ぎその議長役を担った。 【良かった(ありがたかった)点】 ・準備していたスキームを下敷きに各圏域調整本部の本部長の役割を県保健所 長が担い調整拠点とする体制をとれた。初期に県保健所に支援にはいった公衆衛生医師の活動が圏域拠点立ち 上げ時に大変有効であった。 ・県災害医療コーディネーター,DMAT事務局,外部支援団体,県医師会,厚労省, 県・市保健所,県健康福祉部等が一堂に会する会議体が継続して運営され情報共有,意見交換,問題解決の場 となり,次の段階で必要な取り組み等の検討ができた。支援団体等からの過去の災害対応を踏まえた具体的な 意見,次のステージを見越してのアドバイスは非常に有効であった。 【悪かった(望まれなかった)点】 ・人的支援は様々なルートがあったことや直接被災地にはいられた場合もあり, また県側の要請ルートも複数あり,初期には把握,調整が及ばず混乱したところがあった。 ・初期には本部に集 約された情報を十分に各保健所に伝えることができなかった。保健所ロジスティクスの不足もあり圏域での初期の 情報収集が十分にできなかった。 ・避難所アセスメント(日報)は4/23に県として様式を統一,「くまもと電子申請 窓口」を利用した入力の仕組みを作ったが十分には活用されず,特にフィードバックのあり方が課題であった。 【受援体制,DHEAT 機能のあり方についての提言】 ・県内11保健所のうち5保健所圏域の被災が大きかったが, 6保健所には支援の余力があった。初期から迅速に対応するためにも県内保健所間支援体制(県内保健所 DHEAT)を構築する必要がある。また急性期から公衆衛生的対応が必要であること,初期に外部支援チーム等の コーディネート業務が集中することから,公衆衛生活動の県本部機能と県本部‐保健所間のリエゾン体制を初期 に設置することが望まれる。 ・アセスメントを含む避難所支援業務は外部チームが担う割合も多く,アセスメント 様式やICTを使った入力・分析システムが全国で統一されることが望ましい。 ・市町村,県(保健所),地域医師会 等関係団体が災害時のICS,アセスメントを含む避難所管理運営について共通理解を持つことが必要である。 *略歴:平成元年 熊本大学医学部卒,同小児科入局。平成18年度まで大学,関連病院小児科等に勤務。 その間平成8年度 熊本大学大学院修了。平成12〜15年 米国メイヨークリニック リサーチフェロー。 平成19年度 熊本県に入職,平成21年度まで健康福祉部健康危機管理課課長補佐(医療審議員)。 平成22〜26年度 山鹿,水俣,御船・宇城保健所長。平成27年度〜現在まで 八代保健所長,県所長会会長。

(2)

第73回全国保健所長会会員協議(討論会) 「熊本地震の経験に学ぶ DHEAT機能の検証」

平成28年10月25日

熊本県保健所長会

熊本県八代保健所 木脇弘二

熊本地震における支援・受援活動について

(3)

2

熊本県の二次医療圏と人口

0

100000

200000

300000

400000

500000

600000

700000

800000

熊本

宇城

有明

鹿本

菊池

阿蘇

上益城

八代

芦北

球磨

天草

布田川断層帯

日奈久断層帯

73万

11万 2市1町

18万 2市2町

6.5万 1市3町3村

8.5万 5町

(4)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

4301 熊本

4302 宇城

4303 有明

4304 鹿本

4305 菊池

4306 阿蘇

4307 上益城

4308 八代

4309 芦北

4310 球磨

4311 天草

4301 熊本

4302 宇城

4303 有明

4304 鹿本

4305 菊池

4306 阿蘇

4307 上益城

4308 八代

4309 芦北

4310 球磨

4311 天草

NDBデータに基づく受療動向

(平成

25年度)

・本震直後より

3日間はおもに県庁に避難した

被災者(約

480人)への対応にあたった。

・医療ニーズは小さく

3日間で「診療」した数は

34人であった。

阿蘇医療センター

阿蘇医療センター

平成

26年8月開院

(免震)

(5)
(6)

ç

ç

ç

ç

ç

ç

ç

ç

熊本地震(

2016/4/14)

内閣府資料に

追加

(7)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

鹿

西

有明保健所

鹿

菊池保健所

阿蘇保健所

御船保健所

宇城保健

八代保

健所

水俣保健

人吉保健所

天草保健

避難者数

/職員数

全壊半壊棟数

/職員数

市町村職員一人あたりの

避難者数

と住家被害数

・職員数は市町村一般行政職職員数

(一般管理

+福祉関係,教育・警察・消防を除く)

総務省資料より平成

27年4月1日現在

・避難者数は平成

28年4月17日14:30現在

(県全体で

110,816人,723避難所)

9回熊本県災害対策本部会議資料より

・住家被害数は全壊と半壊の合計棟数,一部損壊は除く

熊本県災害警戒本部資料 平成

28年10月4日より

・被災の小さかった

県南

3保健所長

を中心に活動した。

(8)

調査対象避難所

(地図と

5/1現在の避難者数は人と防災未来センターが作成)

日本財団災害復興支援センターの資料より

(9)

市町村職員一人あたりの

避難者数

住家被害数

市町村保健師数

支援保健師数

(熊本市を除く)

0

10

20

30

40

圏域平均

圏域平均

圏域平均

圏域平均

圏域平均

圏域平均

圏域平均

圏域平均

圏域平均

圏域平均

圏域平均

県平均

有明保健所

山鹿保健所

菊池保健所

阿蘇保健所

御船保健所 熊本市保健所 宇城保健所

八代保健所

水俣保健所

人吉保健所

天草保健所

熊本県

避難者数

/職員数

全壊半壊棟数

/職員数

地元市町村保健師数

支援保健師数

支援保健師数は

4月28日現在(熊本市を除き105人)

地元市町村保健師数は平成

27年5月現在

(10)

4/19「急性期後における地域災害保健医療提供体制連絡調整会議」を

踏まえ,DMAT調整本部を包含し「県医療救護調整本部」が発足

(11)

4/19 地域災害保健・医療提供体制連絡調整会議

熊本市会議 にて以下の体制で合意

4/19 地域災害保健・医療提供体制連絡調整会議

熊本市会議 にて以下の体制で合意

熊本市

熊本市

御船

保健所

保健所

阿蘇

保健所

菊池

保健所

宇城

地方災害対策本部

熊本県医療救護

調整本部

熊本県医療救護

調整本部

熊本県災害対策本部

熊本県災害対策本部

西

西

:地域コーディネート本部

熊本市に5か所、市以外に保健所管内エリアごとに4か所、計9か所の

地域災害保健医療復興連絡会議(いわゆる“地域コーディネート本部”)

を設置し、運営する。

石巻赤十字病院 東北大学 石井 正 教授が作成されたものを改変

熊本市民病院

保健子ども課

保健子ども課

・準備していたスキームを下敷きに各圏域調整本部の本部長

の役割を県保健所長が担い調整拠点とする体制をとれた。

・初期に県保健所に支援にはいった公衆衛生医師の

活動が圏域拠点立ち上げ時に大変有効であった。

ADRO

(12)

JMAT

DPAT

NHO

災害医療コーディネーター

保健所長

県担当

医師会

JRAT

薬剤師会

看護協会

DMATロジチーム

会議体として「コーディネータ−連絡会議」が設置され,このメンバーとして参画,

本庁や外部団体

−被災保健所間のリエゾン的活動と,統一が必要なルールや

仕組み等(避難所アセス様式,感染症対応,災害診療記録の保管,口腔保健活動,

熊本

DPAT等)の検討,調整,決定を行った。

・「県医療救護調整本部」活動終了(6/1)後,

会議体は「避難所・被災者支援に係る関係者会議」が引き継ぎ

その議長役を県所長会が担った。

・関係者が一堂に会する会議体が継続

して運営され情報共有,意見交換,問題

解決の場となり,次の段階で必要な取り

組み等の検討ができた。

DMAT

事務局の

資料を改変

(13)

ペット同行避難

迷子動物

災害ゴミ

発災

48h

1ヵ月半

外傷等

DVT

肺炎

生活不活発病

要介護度

PTSD,孤独死

食中毒、感染症

DMATによる

・病院避難支援

・病院支援

・ドクヘリ搬送支援

避難所設置

物資の供給

ライフライン復旧

DVT対策

・下肢エコー

・弾性ストッキング

配布

・車中泊管理

口腔ケア

・避難所衛生管理

・感染症発生時の対

応スキーム

・栄養管理

・虫の対策

福祉避難所

要支援・弱者ケア

・テント村

・二次避難

・リフレッシュ/

しばらく避難

・冷房や冷蔵庫等の

設置

・避難所再編成

・仮設住宅

・トレーラーハウス

・コミュニティづくり

避難所ー病院、入

浴施設へのアクセ

ス確保(巡回バス

等)

・心のケア

・支援者支援

・地元医療体制強化

・在宅被災者状況把握

・介護・リハビリ

熱中症

健康福祉政策課

薬務衛生課

住まいプロジェクト

子ども家庭福祉/

子ども未来課

認知症対策

/地域ケア推進課

災害カルテ管理

残薬管理

DPAT及び

産業保健との連携

生活保護

(水俣保健所 劔所長作成)

(14)

岡目八目!

目の前のことへの対応とともに,次の手を打っていく

支援団体等からの過去の災害対応を踏まえた

具体的な意見,次のステージを見越しての

アドバイスは非常に有効であった。

(15)

二次健康被害

(16)

⼊入

院を 必要と し た

「 エ コ ノ ミ ーク ラ ス症候群」 発⼊生

(人)

0

2

4

6

8

10

12

(H28/4/14~ 6/13 熊本県まとめ)

エコノミークラス症候群予防活動の開始

累計

51名

うち車中泊

42名

5月15日

6月13日まで0人

2

(17)

発⼊生(前震) から の経過と D VT陽性率

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

5-6日

7-9日

10-12日

16-18日

16.7

12.9

11.6

9.1

6.4

7.3

(%)

13

(18)

災害対応は情報戦

「避難所アセスメントシート」の課題

4/23に「合議の末」,県として様式を統一し

「くまもと電子申請窓口」を利用した電子化の

仕組みを作ったが,フィードバックのあり方等,

多くの課題があった

(19)
(20)
(21)

現場保健師から「

目的が理解できない

」,「

項目の人数の把握など不可能

外部チームは異なる様式

を持ち込み,また,

ICT専用のもの

もあり

現場で「紙」記入

→市町村→

県保健所で電子化

→本庁→

県のイントラネット

(翌日の午後)

(22)

これは平時からの県保健所の業務

(23)
(24)
(25)

次に備える

県内保健所間支援体制

(26)

医監もしくは

保健所長会会長?

県内

DHEAT本部(医療救護対策室内)

本庁内各局長・課長と協働した総合的災害対応

県内保健所長・県庁内医師それぞれへの役割任命

外部団体との窓口

知事?健康福祉部長?

(主管課

健康福祉政策課・健康危機管理課?)

県内保健所間支援体制の構築

振興局との

関係性は?

発動指令

基本は被災保健所の要請によるが、状

況に応じ、直接的に指令を出すことも可能

→県庁内医師や非被災保健所長とローテーションを組んで、本部業務に当たる。

A地域振興局

災害対策本部

(被災)A保健所

指示

情報共有(外部団体とのリエゾン的役割)

その他の県行政医師

(水俣保健所 劔所長作成スライドを改変)

・県保健所間の支援ルール等はなかったので

「県保健所長会(会長)」の肩書で活動した。

(27)

医監もしくは

保健所長会会長?

県内

DHEAT本部(医療救護対策室内)

本庁内各局長・課長と協働した総合的災害対応

県内保健所長・県庁内医師それぞれへの役割任命

外部団体との窓口

知事?健康福祉部長?

(主管課

健康福祉政策課・健康危機管理課?)

県内保健所間支援体制の構築

振興局との

関係性は?

発動指令

基本は被災保健所の要請によるが、状

況に応じ、直接的に指令を出すことも可能

→県庁内医師や非被災保健所長とローテーションを組んで、本部業務に当たる。

A地域振興局

災害対策本部

(被災)A保健所

指示

情報共有(外部団体とのリエゾン的役割)

その他の県行政医師

(水俣保健所 劔所長作成スライドを改変)

・県保健所間の支援ルール等はなかったので

「県保健所長会(会長)」の肩書で活動した。

・初期には本部に集約された情報を十分に各保健所に伝えることができなかった。

保健所ロジスティクスの不足もあり圏域での初期の情報収集が十分にできなかった。

・人的支援は様々なルートがあったことや直接被災地にはいられた場合もあり,また

県側の要請ルートも複数あり,初期には把握,調整が及ばず混乱したところがあった。

(28)

県〇広域本部内

(被災)

A保健所

指揮・統括

最寄り

B保健所

C保健所長

B保健所DHEAT結成→チームとして

被災保健所に派遣

所長(医師)・・・統括リーダー業

務補佐

事務職(総務)1名…主にロジ

スティック業務補佐

保健予防課1名

…健康支援活動

業務補佐

衛生環境課1名…生活環境業務

補佐

(運転手)

被災市町村

活動主体

支援

B保健所長不在時の代行業務

食中毒や23条通報など発生時に、B

保健所長に代行して指示をする(B

保健所長の意向を仰ぐ必要なし)

後方支援

A地域振興局

災害対策本部

県内その他の保健所長

必要に応じ、役割分担して被災保健所を支援

D保健所長:情報収集支援(ML、EMIS上の情報等、膨大に集まっ

てくる情報から、取捨選択して、必要最小限のみを被災地に提供す

る)

E保健所長:外部団体対応(研究調査班等)

F保健所長:感染症アウトブレイク担当

G保健所長:被災医療機関支援

(水俣保健所 劔所長作成)

(29)

受援体制,

DHEAT

機能のあり方についての提言

・県内

11保健所のうち5保健所圏域の被災が大きかったが,6保健所には

支援の余力があった。初期から迅速に対応するためにも

県内保健所間

支援体制(県内保健所

DHEAT)

を構築する必要がある。

・急性期から公衆衛生的対応が必要であること,初期に外部支援チーム

等の

コーディネート業務が集中する

ことから,

公衆衛生活動の県本部機

と県本部

‐保健所間のリエゾン体制を

初期に設置

することが望まれる。

・アセスメントを含む避難所支援業務は外部チームが担う割合も多く,

セスメント様式

ICTを使った入力・分析システム

が全国で統一されること

が望ましい。

市町村,県(保健所),地域医師会

等関係団体が災害時の

ICS,アセスメ

ントを含む

避難所管理運営

について

共通理解

を持つことが必要である。

参照

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