The “Shale Gas Revolution”
and the Decommissioning of a Nuclear Power Plant
アメリカの「シェールガス革命」と原発廃炉
河 内 信 幸
福 島 崇 宏
はじめに
世界の多くの国では,1979年3月のスリーマイル島原発事故,1986年4月の旧ソ連
(現在のウクライナ)のチェルノブイリ原発事故の影響から,原発の建設や利用計画が
減速したり,頓挫したりする事態に追い込まれた
1)。ところが,21世紀にはいると,
地球温暖化の防止という強い「追い風」が吹いた。核燃料で発電すること自体は温室
効果ガスを排出しないので,エネルギーの安定供給や気候変動を防ぐには原子力利用
の推進が欠かせないというわけである。このような動向は「核ルネッサンス」,あるい
は「原子力ルネッサンス」と呼ばれ,再生可能エネルギーの重要性が叫ばれる一方で,
原子力発電の拡大および原発の新規導入を計画する国が増加した
2)。
しかし,2011年3月の福島第一原発の大事故が世界に衝撃を与え,再び原子力発電と原
発依存の是非をめぐる国際議論が高揚した。この事故は深刻なメルトダウン(炉心溶融)
を起こし,大気に漏洩した放射性物質の量は 37京ベクレル(Bq)以上と推算され,2011年
4月12日には,国際原子力事象評価尺度(Nuclear Event Scale:INES)に基づいて,暫
定的ながらチェルノブイリ原発と同じ最悪のレベル7(深刻な事故)の事故と評価された
3)。
福島第一原発の事故は,再生可能エネルギーの重要性を改めて問いかけることに
なり,低炭素社会(Low-Carbon Society)の実現が急務であると痛感させられたが,
その一方で最近では,非在来型天然ガスのシェールガスの採掘量が急増し,新たな
Nobuyuki KAWAUCHI
Takahiro FUKUSHIMA
「シェールガス革命」
(Shale Gas Revolution)が国際的なエネルギー論議に大きな波
紋を投げかけてきた
4)。
Ⅰ.アメリカの原子力発電
(1) 原子力発電の歴史と現状
現在のアメリカでは,原子力発電が総発電量の約20%を占め,天然ガスとともに主
要電力源であり,政府も一貫して原子力発電を重視する姿勢をとってきた。アメリカ
では 2013年4月現在,65 カ所の原子力発電所で計104基の商業用原子炉が稼働し,
2014年の統計による原子力発電量は1億328万キロワット(KW)にのぼり,58基の商
業用原子炉を持つフランスの 6,588万KW を大きく上回り世界第1位である
5)。
アメリカで建設された商業用原子力発電所は,まず 1957年12月にペンシルベ
ニア州ビーバー郡に完成した,加圧水型原子炉のシッピングポート原子力発電所
(Shippingport Atomic Power Station)が嚆矢となった
6)。そして,積極的な経済拡
張政策がとられた 1960年代半ばには,原子力が安価で効率的なエネルギー源になる
だろうともてはやされ,熱狂的な原発建設ラッシュが起こった。こうして,新規原子
炉の年間発注数は 1973年のピーク時には 40基を超えるまでになったが,しかし一方
で,次第に原発建設の遅れとコスト超過という現実が重くのしかかるようになった
7)。
その結果,1978年までに発注された原子炉253基のうち,121基が建設前あるいは
建設中に取りやめになり,1978年に2基の原子炉が最後に発注されて以来30年間申
請はなかった。しかも,1990年代後半までには,稼働していた 28基の原子炉が 40年
の運転免許の期限切れを待たずに永久閉鎖された。これには,コストの上昇,電力需
要の伸び悩み,規制環境の変化など多くの要因が絡んでいる
8)。
アメリカの原子力発電量は,1970年代から急激に増加したあと,2000年代前半にな
ると伸びが鈍化し始め,2007年から 2010年にかけて頭打ちになった。そして,現在
のアメリカでは,原子力発電量はしだいに減少し始め,年々減少のサイクルに入って
きている。アメリカの原子力産業はコスト上昇と収入低迷の圧力にあえいでおり,出
力100万KW以下,そして操業から 40年近い原発は,すでにアメリカで採算が取れな
くなっており,特に中小の原子力産業は「ダウンサイジング」の真っただ中にあると
言われる
9)。
アメリカでは,1992年エネルギー政策法(Energy Policy Act)により公益事業持
株会社法(Public Utility Holding Company Act)の規制が免除され,連邦エネルギー
規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission)は,1996年に卸電力市場に
おける更なる競争促進を図るため,送電部門と発電部門の機能分離および送電線の第
三利用者への開放を電力会社に義務付けるとともに,送電線の非差別的利用を保証す
るための情報ネットワークの構築も義務付けた
10)。
こうして,1990年代から 2000年代にかけて電力の規制緩和が制度化されると,大
手電力・ガス会社でさえも,リスクが高く,天然ガス火力発電に比べてコスト高の原
発をもてあまし始めた。そのため,福島第一原発の大事故が起きると,アメリカの原
子力産業は,原発廃炉に向けて動き出す企業が多くなったと言われる。
さらに,アメリカが原発廃炉の動きを強めたのは,自国の原発技術のほとんどが,
東芝,日立,三菱重工などの日本企業に主導権が移ってしまっていることも影響して
いる。周知のように,商業用原発には沸騰型(Boiling Water Reactor:BWR)と加
圧水型(Pressurized Water Reactor:PWR)の2種類の原子炉があり,前者をジェ
ネラル・エレクトリック(General Electric Company:GE),後者をウェスティング
ハウス(Westinghouse)が開発したのであり,アメリカは原発技術をリードしてきた
はずである。
ところが,総合電機メーカーのウェスティングハウス・エレクトリック社(Westinghouse
Electric)は,一時的に CBS コーポレーション(CBS Corporation)となり,1998年に
は最後に残っていた製造部門である原子力部門も英国核燃料会社 (British Nuclear
Fuels Limited:BNFL)社に売却した。さらに,ウェスティングハウス・エレクトリッ
ク社は,2006年に 54億ドルの買収によって東芝グループの傘下に入り,多国籍企業
として原子力関連事業を展開するようになった
11)。
また日立は,半世紀近く前の 1967年,GE と沸騰水型軽水炉(BWR)の技術ライセ
ンス契約を結んでいた。そして両社は,2007年7月に提携により日立GE ニュークリ
ア・エナジー(Hitachi-GE Nuclear Energy Ltd.)を設立し,原子炉プラントの建設
と原子力サービスを展開することになった。ところが,2012年7月になると,GE の
会長兼最高経営責任者(CEO)のジェフリー・R・イメルト(Jeffrey R. Immelt)氏は,
原発を維持することが経済的に困難であると発言している
12)。
さらに三菱重工業は,1999年12月にウェスティングハウス・エレクトリック社と,ク
ロスライセンス(技術の相互交換)を骨子とする新しい技術提携契約を締結した。こ
の契約により,三菱重工業はウェスティングハウスに依存することなく,自ら原子燃
料を設計・販売していくことができるようになり,原子力発電技術だけでなく,原子
燃料の分野でも世界に肩を並べることになった
13)。
(2) 原発廃炉の現実
① キウォーニー原子力発電所
(Kewaunee Power Station)1983年に創立されたドミニオン・リソーシズ社(Dominion Resources Inc.)は,ヴァー
ジニア州のリッチモンドに本社を置く大手の電力エネルギー会社である。同社は,
2012年10月にウィスコンシン州のキウォーニー原発(加圧水型原子炉55万6,000KW
出力)を 2013年半ばまでに廃炉にすることを決定し,2013年5月7日には操業を停止
すると,アメリカ原子力規制委員会(US Nuclear Regulatory Commission:NRC)
に申告した
14)。
キウォーニー原発は 1974年にミシガン湖沿岸で操業を開始したが,2005年7月に
ドミニオン社が,ウィスコンシン公共サービス公社(Wisconsin Public Service Corp.)
及びウィスコンシン電力電灯会社(Wisconsin Power & Light Co.)から2億2,000万
ドルで買収したものであった。ドミニオン社は,中西部地域で原発投資の橋頭堡を築
くビジネス戦略を立てたが,他の原発を買収することに失敗し,キウォーニー原発を
維持する根拠がなくなってしまった
15)。そのため,ドミニオン社は,2011年4月にキ
ウォーニー原発の売却を決めざるを得なかった。すでにキウォーニー原発は,2008年
に NRC から 20年間の操業延長ライセンスを取得しており,ドミニオン社が手放して
も 2033年まで操業を続けられるはずであったが,運転延長のために安全対策を講じ
たにもかかわらず,ついに買い手が見つからず廃炉に追い込まれたわけである
16)。
ドミニオン社の主な業務形態は電力と天然ガスの販売であるが,同社の年次報告
書によると,2011年の年間売り上げ(収入)は 144億ドルであり,合計14億1,000万ド
ルの利益をあげた。しかし,「シェールガス革命」による天然ガスのコスト低下で電
力料金が下がり,163億ドルの収入があった 2008年度に比べると,2011年度の場合,
収入は 5.4%の減少に留まったものの,規制強化や安全対策コストの拡大から利益は
50%以上も落ち込んでしまった
17)。
しかも,中西部地域のグリッドはキャパシティ市場制度のもとにはなく,ウィスコ
ンシン州のキウォーニー原発は補助金を受ける対象にはなっていない。ドミニオン社
は,キウォーニー原発のほかに,東部地域にヴァージニア州のノース・アナ原発(North
Anna Nuclear Generating Station),サリー原発(Surry Power Station),コネティ
カット州のミルストン原発(Millstone Power Station)などを所有しており,これら
の原発も操業延長のライセンスは取っているが,会社自体が原発分野へ新規投資を行
うことは困難な財務状況になった
18)。
② クリスタル・リバー原子力発電所
(Crystal River 3 Nuclear Power Plant)アメリカ最大の電力会社であるデューク・エネルギー社(Duke Energy Corp.)は,
ノースカロライナ州のシャーロットに本社を置き,710万の顧客に対して 5,820万KW
の電力を供給している。同社は2万9,000人以上の従業員を抱え,ラテン・アメリカ
諸国にも電力事業を展開し,2011年の売り上げは 145億ドルにものぼる。デューク・
エネルギー社の電力事業は,中西部では石炭や天然ガスを主力としているが,本拠の
ノースカロライナ州では電力事業の半分を原子力発電に依拠している
19)。
原子力発電に力を入れてきたデューク・エネルギー社は,南部フロリダ州のクリス
タル・リバーに,加圧水型原子炉1基(出力86万KW)のクリスタル・リバー原発を
所有している。これは,クリスタル・リバー・エネルギー複合施設の中にある原発で,
正式な名称には複合施設3番目の発電所という意味が入っている
20)。
クリスタル・リバー原発は 1977年3月に操業を開始し,2016年12月までの運転が
承認されている。この原発は,もともとフロリダ・プログレス社(Florida Progress
Corp.)が所有していたが,2000年にカロライナ電灯会社(Carolina Power & Light)
が買収し,プログレス・エナジー社(Progress Energy Inc.)のなかに組み込まれた。
カロライナ電灯会社は,2000年にフロリダ・プログレス社と合併し,新たにプログレ
ス・エナジー社を結成したのであった。デューク・エネルギー社は,2012年6月にプ
ログレス・エナジー社を吸収したため,クリスタル・リバー原発もデューク・エネルギー
社の傘下に入ったのである
21)。
ところが,クリスタル・リバー原発は,2009年の秋に加圧水型原子炉へ 20%の新燃
料補給と蒸気発生器の交換作業を行っていたところ,格納建物のコンクリート外壁に
亀裂が走る構造上の欠陥が見つかり,その後は操業を休止せざるを得なかった。原子
炉格納施設は,外部からの衝撃や事故時の放射線拡散を防ぐ安全上重要な役割を果た
しており,2011年に修復を試みたものの,格納構造の剥離が新たに発生するなど,こ
れまでずっと運転再開の目途が立たないままの状態であった。デューク・エネルギー
社は,2012年末に報告書を発表し,クリスタル・リバー原発の再稼働には8年の年月
と,最大30億ドル以上の経費がかかると試算している
22)。
そのため,デューク・エネルギー社は,補修費用が巨額で修復工事も長期間を要す
るために採算がとれないと判断し,ついに 2013年2月5日,クリスタル・リバー原発
を廃炉にすると発表した。代わりにデューク・エネルギー社は,「シェールガス革命」
に伴う増産で価格が下がった天然ガスを利用した,最新鋭の火力発電所の建設を予定
しており,早ければ 2018年の稼働を目指していると言われる
23)。
デューク・エネルギー社によれば,核電気保険会社(Nuclear Electric Insurance
Limited)からの払い戻し保険金として,すでに3億ドル以上を受け取っており,今後
も5億3,000万ドルの払い戻しが決まっている。このような保険金の払い戻しを考え
ると,デューク・エネルギー社は,クリスタル・リバー原発の安全性や再稼働を考えず,
欠陥を承知のうえで同原発を購入したと批判されても仕方がない
24)。
③ サンオノフレ原子力発電所
(San Onofre Nuclear Generating Station)カリフォルニア州最大の電力会社であるサザン・ カリフォルニア・ エジソン社
(Southern California Edison:SCE)は,2013年6月7日,サンディエゴとロサンゼ
ルスの中間地点にあるサンオノフレ原発(出力215万KW)を廃炉にすると発表した。
この原発は 1968年に操業を開始したが,水漏れ事故で 2012年1月末から稼働を停止
していた
25)。
サンオノフレ原発には3つの加圧水型原子炉があり,1号機はウエスティングハウ
ス社(Westinghouse Electric Corp.),2号機と3号機はコンバスション・エンジニア
リング(Combustion Engineering)が中心となって製造したが,1号機はすでに 1990
年代初めに廃炉になっている
26)。しかし,SCE が 2009年と 2010年にわたって,2号
機と3号機に三菱重工製の蒸気発生器を設置したところ,配管の破損から相次いで水
漏れ事故が発生し,両機とも運転を見合わせる事態となった
27)。
水漏れ事故は,三菱重工業が設置した蒸気発生器の配管が破損したことによるもの
であり,調査に当たった NRC も,2012年6月に三菱重工のコンピュータ分析のミスが,
過度な配管の損耗を引き起こす設計上の不具合につながったという結論を出した
28)。
SCE は,サンオノフレ原発の廃炉を決めた 2013年6月のプレスリリースで,三菱重
工側に損害賠償を求める意向を示し,同年7月に 100億ドルを超える損害賠償を求め
る訴訟を起こした
29)。
カリフォルニア州には,主に南部を拠点とする SCE のほかに,北部地域を拠点に電
力や天然ガスを供給する大手のパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー
(Pacific Gas and Electric Company:PG&E)社があり,同社は,サンルイス・ オ
ビスポ郡にディアブロ・キャニオン原子力発電所(Diablo Canyon Nuclear Power
Plant)を保有している。ところが,1990年代から電力の規制緩和が強まると,SCE
と PG&E の両社ともに,もともとリスクが高く,天然ガスの火力発電に比べてコスト
がかかる原発をもてあまし始めた。特にサンオノフレ原発の場合,蒸気発生器の欠陥
や設計の不具合に対処する莫大な費用を考えると,「シェール革命」が未曾有のコス
ト削減圧力をかけたことも否定できない。そのため,2011年3月に福島第一原発の大
事故が起きると,SCE も PG&E も,太平洋沿岸の原発廃炉に向けて動き出したと言
われる
30)。
しかも,多くの地域住民がサンオノフレ原発の再稼働に懸念を示し,「サンディエ
ゴ・フォーラム」
(San Diego Forum),「地球の友」
(Friends of the Earth)などの市
民組織・環境団体,ロサンゼルス市などの地元自治体も,相次いで再稼働に反対を表
明した。NRC は,地元住民・SCE関係者とのミーティングや公聴会を開いてきたが,
水漏れ事故の調査が長引くとともに,原発を巡る日米摩擦の懸念もでてきたため,サ
ンオノフレ原発の廃炉が最終的に決まった
31)。
④ ヴァーモント・ヤンキー原子力発電所
(Vermont Yankee Nuclear Power Station)ヴァーモント・ヤンキー原発はヴァーモント州のヴァーノンにあり,水を冷却水
として使う,沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)の発電施設である
32)。
同原発は,ルイジアナ州のニューオーリンズを本拠とする電力大手のエンタジー社
(Entergy Corp.)が所有し,1972年の運転開始以来,40年以上にわたって操業を続
けてきた。エンタジー社は全米で合計1,000万KW以上の原発を稼働させているが,
ヴァーモント・ヤンキー原発は 62万KW の出力をもち,格納容器のマークⅠは,福島第
一原発と同じ GE製である
33)。
エンタジー社は,2013年8月27日,ヴァーモント・ヤンキー原発を 2014年第4四半
期に閉鎖すると発表した。同社の発表によると,廃炉には減損処理と従業員のリスト
ラ費用として,5億ドル以上の追加コストが必要となる。廃炉の理由として,
「シェー
ルガス革命」の影響で天然ガスの価格が低下し,電力市場の低価格化が進む一方で,
原発の操業コストが増大したことをエンタジー社はあげた。こうして,ヴァーモント・
ヤンキー原発は,2015年1月29日に原子炉に制御棒が入れられ,ついに 40年以上続
いた運転を停止した
34)。
エンタジー社は,すでに 2008年,他の原発とともにヴァーモント・ヤンキー原発を
分社化する計画を立てたが,規制上の理由で頓挫していた。しかも同原発は,電力価
格の低迷と天然ガス発電との競争を受けて採算があわなくなり,その収益も急速に悪
化していた。たとえば,2013年当時の電力価格は 2008年に比べて約半分に下がって
おり,卸価格もメガワット時当たり 90 ~ 100 ドルから同40 ~ 50 ドルに下落してい
た。その一方で,原発コストは約15%も上昇していた。特に,福島第一原発の大事故
の後,安全運転のために規制が強化されると,ヴァーモント・ヤンキーのような中規
模原発は,ますますコスト構造が厳しくなってきたのであった
35)。
ヴァーモント州当局は,福島第一原発の深刻な事故を受けて,同じ沸騰水型原子炉
(BWR)であるヴァーモント・ヤンキー原発の安全性を危惧していた。しかし,原子力
規制委員会(NRC)は,2011年3月21日,同原発に向こう 20年間のライセンス更新を
認めた。それは,福島第一原発の事故が起きた 10日後のことであった。
「市民覚醒ネッ
トワーク」
(Citizens Awareness Network)などの反原発団体から,BWR のマーク
Ⅰ型原子炉をすべて稼働停止とするよう求める嘆願書が出されたが,NRC は安全性
に問題はないとしてこれを却下したのである
36)。
⑤ オイスター・クリーク原子力発電所
(Oyster Creek Nuclear Generating Station)オイスター・クリーク原発は,ニュージャージー州オーシャン郡のバーニガット湾
にある電力施設であり,シカゴに本拠を置くエネルギー大手のエクセロン社(Excelon
Corp.)が所有する全米最古の原発である。同原発は 1969年12月に稼働を開始し,GE
製の出力63.6万KW の沸騰水型原子炉(BWR)・マークⅠを備え,2029年4月まで操
業できるライセンスを得ている。しかし,すでにエクセロン社は,老朽化の著しいオ
イスター・クリーク原発を 10年も前倒して,2019年までに廃炉にする方針であると
公表している
37)。
ハリケーン・サンディが 2012年10月22日から 10日間にわたってアメリカを襲った
時,前年3月に起きた福島第一原発の大事故もあって,原子力規制委員会(NRC)は
沿岸部と内陸部にある原発への被害を警告した。そして NRC は,サンディの予想進
路にある,オイスター・クリーク原発を含む9つの原発に政府の検査官を派遣した。
特に,ニューヨーク州やニュージャージー州の原発への被害が危惧され,ニューヨー
ク州のインディアン・ポイント原発(Indian Point Nuclear Plant)は,実際に外部配電
網がトラブルを起こし,2012年10月29日に一部施設の稼働を停止した。また同じ日,
ニューヨーク州のナインマイル・ポイント原発(Nine Mile Point Nuclear Station)も,
グリッドへの電力供給に不具合が生じたために運転を停止した
38)。
一方,当時オイスター・クリーク原発は,2年に1度の定期燃料補給のために運転を
停止していた。ところが,サンディの影響で付近の水位が海抜6フィート(約1.8m)
まで上昇したため,NRC は,エクセロン社に対して同原発へ警報を出すことを発令し
た。オイスター・クリーク原発は海抜23 フィート(約7m)にあるものの,警報のレベ
ルは,NRC が定める4段階の緊急事態のなかでは下から2番目の深刻度であった
39)。
通常,原発が燃料交換をする時は,すべての核燃料が原子炉ではなく,使用済み燃
料プールに保存される。しかし,使用済み燃料プールのための予備電源が存在しな
いため,オイスター・クリーク原発が万一外部電源を喪失した場合,核燃料を冷却す
る手段が見出せなくなってしまう恐れがあった。実際に,ハリケーン・アイリーンが
2011年8月に大西洋岸を直撃した時,一帯が停電したために,同原発は運転を停止し
ている
40)。
NRC は,予想される高潮に耐えられるように万全の対策を講じてあると述べ,取水
や防風にも十分な安全対策が講じてあると主張した。しかも,NRC は全米のすべて
の原発に検査官を2人ずつ常駐させていたが,サンディの被害が危惧される原発には,
衛星通信システムを持った検査官が追加派遣された。しかし,いかに NRC が安全宣
言を強めても,全米最古の原発に対する自然災害の危惧は払拭されず,2013年になっ
てもいくつかのトラブルが続き,電力価格の低迷と天然ガス発電との競争にもさらさ
れたため,エクセロン社はオイスター・クリーク原発の廃炉を決定したのである
41)。
Ⅱ.「シェールガス革命」の現実と矛盾
(1) シェールガスの採掘
シェールガスは,地下2,000 ~ 3,000m にある,泥岩の一種である頁岩(shale)に含
まれる。頁岩(シェール)は,堆積面に沿って薄く層状に割れやすい性質(へき開性)
があり,粒子が細かくて流体を通す隙間がほとんどないので,自然の状態のままでは
天然ガスの商業資源とはなりえない
42)。これに対して,在来型の天然ガスは貯留層が
砂岩にあることから開発が進み,商業化が難しいシェールガスは,コールベッドメタ
ン(Coalbed Methane:CBM),タイトガスサンド(Tight Gas Sand),メタンハイド
レート(Methane Hydrate)とともに,非在来型の天然ガス資源と呼ばれてきた
43)。
通常の天然ガスの場合は砂岩層に広くガスが溜まっているが,へき開性のある頁岩
に含まれるガスは,深い岩盤のすき間に薄く広く存在するため,掘り出すのが困難で
あった。しかし,アメリカでは,砂と化学物質を混ぜた大量の水を高圧で注入して人
工的な割れ目を作る水圧破砕(ハイドロ・フラッキング Hydro-Fracking),水平に穴
を掘ってパイプラインを設置する水平掘削(ホリゾンタル・ドリリング
Horizontal-Drilling)など技術が確立したため,2005年頃からシェールガスの採掘量は飛躍的に増
加した
44)。その結果,約10年余りの間に,シェールガスの採掘量は,アメリカの天然
ガス生産を 2%から 37%へと急増させた
45)。
第1図:アメリカ国内のガス生産量予測
(出典) Energy Information Administration, Annual Energy Outlook 2015.〈http://peakoilbarrel.com/wp-content/uploads/2014/ 10/AEO-2015-7.png〉
アメリカでは,国土のほぼ全域に約30 カ所にも及ぶ主要なシェールガス産出地域
(プレイ)があり,オバマ大統領が 2012年頭の一般教書演説で述べたように,埋蔵さ
れている天然ガスやシェールオイル(Shale Oil)は,現在の消費量の 100年分を超え
るといわれてきた。そして,アメリカ・エネルギー省(US Department of Energy)は,
2013年6月にシェールガスとシェールオイルの資源量に関する評価書を発表し,アメ
リカが世界第4位となる,665兆立方フィート(tcf)のシェールガスを埋蔵していると
報告した
46)。
そして,2020年までに北米の天然ガス生産量の約半分がシェールガスになるとの予
想も出され,特にアメリカでは「シェールガス革命」に沸き,全米各地でシェールガス
の開発ラッシュが起きた。そのため,「シェールガス革命」によって化学や石油・ガス
産業が牽引力となり,アメリカ経済が復活し国際競争力を取り戻すと声高に言われて
きた。オバマ大統領も,2012年4月13日に大統領令を発令し,シェールガスなどの非
在来型天然ガスの開発が雇用創出と石油依存度の低下につながるとして,省庁をまた
ぐ作業部会を設置して開発を後押しする方針を表明した
47)。
確かに,2013年終盤になるとアメリカ経済は拡大基調を強め,個人消費や住宅投資
などが堅調に推移し,失業率も次第に低下してきた。そして,雇用,消費,住宅など多
くの経済指標が底堅く推移し,2014年7―9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は
前期比,年率ベースで +3.5% となり,市場予想の同+3.0% を上回り,2014年4―6月
期の同+4.6% に続く高成長となった
48)。
(2) 「シェールガス革命」の矛盾
2013年の段階では,アメリカの石油(原油)生産量は第1位のサウジアラビア,第
2位のロシアについで世界第3位であったが,シェールオイルの採掘が急増したこ
とにより,2014年にはアメリカが世界最大の産油国になったといわれる
49)。これは,
シェール(頁岩)層にある原油や天然ガスの採掘が革命を起こしたためであり,その
結果,アメリカがエネルギー・バブルの状態になったことは確かである
50)。
アメリカには向こう 100年にも及ぶ膨大なシェールガスやシェールオイルが存在す
ると期待されたが,その埋蔵量を正確に把握するのは困難であり,最近になってエネ
ルギー省が推定可採埋蔵量を下方修正する地域も出てきた。しかも,いったん採掘が
はじまったシェールガス井では,産出量が従来型のガス田よりも急激に減少すること
が明らかになり,予想外にシェール油田の寿命が短いことが分かってきた。
たとえば,多くのガス井は,産出が始まって3年たつと産出量が 79%から 95%減
少してしまい,約3年でほとんど枯渇してしまうと言われる。このようにシェールガ
ス井の劣化が非常に早いために,一つの産出地域の中で次々と新しいガス井を掘り続
けなければならない。その結果,ガス井群の3割から5割が毎年交代している状況で
あり,在来型の油田は数十年の寿命があるのに,シェール油田は7年から8年くらい
しかもたないことが明確になってきた
51)。
シェールガスの採掘事業は,新たなガス井の採掘や鉱脈を求めて自転車操業の状態
にあり,アメリカ全体で 400億ドルを超える新規投資が必要になっている。しかし,
全米で生産されるシェールガスの売上高は約300億ドルであるため,特に掘削業者に
は中小の独立系企業なども多く,アメリカのシェールガス事業自体が赤字運営になっ
ている。当初は,シェールガス事業への期待感が高まり,シェールガスの採掘権は高
騰したが,2011年から 2012年にかけてガス井の劣化が非常に早いことが確定的にな
るにつれて,採掘権の評価は大きく下がった
52)。
しかも,アメリカの天然ガス価格は,2005年に 100万立法フィート当たり約14 ドル
であったが,シェールガスの産出が急増したために値崩れを起こし,3.5 ドルまで下落
した。シェールガス事業は,天然ガス価格が8ドルまで戻らないと採算が取れないと
言われている。シェールガスの採掘に必要な水圧破砕(ハイドロ・フラッキング)技
術などはコストが高く,採掘したシェールガスやシェールオイルの価格が一定以上に
ならないと初期投資の回収すら困難になるからである
53)。
しかも,シェールガスの採掘が環境悪化や土壌汚染,さらには群発地震を起こしてお
り,採掘への反対運動が強まっていることも忘れてはならない。もっとも危惧されるの
は,水圧破砕に用いられる化学薬品で地下水が汚染されることである。
たとえば,ウエストバージニア,オハイオ,ペンシルベニア,ニューヨークの4州に
またがるマーセラス・シェール(Marcellus Shale)層は,アメリカ東部を縦断する一
大シェールガス生産地であるが,特にペンシルベニア周辺で,子どもの喘息や皮膚疾
患などの健康被害を訴える住民が出てきており,水圧破砕に起因する水質汚濁や空気
汚染との関係性が指摘されている
54)。
オバマ大統領は,2012年1月の一般教書演説で,人体や環境への悪影響を配慮した
安全な手法(グリーン・コンプリーション)でシェールガスやシェールオイルを採掘
すると表明したが,全米科学アカデミー(US National Academy of Sciences)は,
フラッキングに起因する飲料水汚染の危険性に警鐘を鳴らしている
55)。そのため,
シェールガスの採掘に反対する運動も強まっており,たとえば 2012年8月には,オノ・
ヨーコ(Yoko Ono)と息子のショーン・レノン(Sean Lennon)によって,ニューヨー
ク州で進むシェールガスの掘削に反対する「アーティスト・アゲンスト・フラッキン
グ」
(Artists Against Fracking)が生まれた
56)。
(3) シェールガス開発会社の経営破綻
オクラホマ州に本社を置く,独立系の石油・ガス開発会社の GMX リソーシズ(GMX
Resources Inc.)は,2013年4月1日,オクラホマ州の連邦破産裁判所に対して,連
邦破産法第11条(Title 11 of the U.S. Code - Bankruptcy,民事再生法に相当)の適
用を申請したと発表した。
「シェールガス革命」による生産過剰で,天然ガス価格が
2008年のピーク時から3分の1程度に値崩れしており,GMX は収益と資産価値の減
少によって経営に行き詰まったためである。
シェールガスの開発ラッシュが天然ガス価格の急激な低下を引き起こし,2008年の
段階では 100万立法フィート当たり7~8ドルであった価格は,2012年には 3 ドルを
割り込んでおり,GMX は 2012年12月の段階で約4億6,000万ドルの負債を抱える事態
を迎えていた。そして,ニューヨーク証券取引所に上場していた GMX株の廃止も決ま
り,このような GMX の破綻はシェールガス・バブルの終わりの始まりとみられた
57)。
また,テキサス州オースチンでシェール開発を手掛けるWBHエナジー社(WBH
Energy LP)は,2015年1月4日,テキサス州の連邦破産裁判所に連邦破産法11条の
適用を申請し,約5000万ドルの負債を抱えて経営破綻した。WBH エナジー社は,北
テキサスに 2,600 エーカーのシェールガスとシェールオイルの開発拠点を保有(資産
規模1,000万ドル)し,37 の井戸を掘ってガスとオイルを開発していた。しかし,急速
な天然ガス・原油の低価格で,当初想定した売上高を確保できず,資金繰りが悪化し
たとみられる
58)。
一般的にシェールガスは開発や生産のコストが高く,資金基盤の弱い中小の開発事
業者は,ジャンクボンド並みの社債や,レバレッジの高いローンを活用せざるを得な
い。そのため,先物取引などを用いた価格ヘッジも十分でないケースが多く,原油安
が業績に直撃しやすい財務構造になっている。その結果,現在では経営不振に直面し
ているシェール開発会社も多く,金融機関が中小の開発事業者から融資の回収を急ぐ
と,シェール開発会社の破綻が相次ぐことも考えられる。
Ⅲ.アメリカの電力生産
(1) 電力資源の推移
アメリカの電力生産は,第1表のように,1999年の3兆6,950億KW から 2010年の
4兆1,250億KW へと増加し,12年間で約11.5%伸びたことになる。しかし,この伸
びはかなり低いものであり,経済状況の混迷が電力需要を抑えてきたことは確かであ
る。
また,電力生産を資源別に見ると,2008年までは,石炭火力発電が全体の約50%弱
を占めていた。ところが,同年9月の “リーマン・ショック” を契機とする金融恐慌を
受けて,2009年になると,石炭火力発電は全体の約45%弱に落ち込んだ。その分伸
びたのが天然ガス発電であり,2000年までは全体の約15%であったが,2001年から
2005年までは約17 ~ 18%へと着実な伸びを示した
59)。
そして,2006年には天然ガス発電が 20%台となり,ついに原子力発電の割合を追い
越した。このような天然ガス発電の趨勢はその後も続き,2010年には全体の 24%に
まで達した。また,もともとコストの高い石油・重油火力発電は,1999年から 2005
年までは約3%のシェアを占めていたが,2006年・2007年には半減し,2010年のシェ
アは1%を割り込んでしまった
60)。
項 目 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年 2004年 2003年 2002年 2001年 石炭 1,514 1,733 1,847 1,755 1,985 2,016 1,990 2,013 1,978 1,974 1,933 1,904 石 油・重 油 23 30 37 39 46 66 64 122 121 119 95 125 天然ガス 1,226 1,013 988 921 883 897 816 761 710 650 691 639 その他ガス 12 11 11 11 11 13 14 13 15 15 11 9 原子力 769 790 807 799 806 806 787 782 789 764 780 769 通常水力 276 319 260 273 254 248 289 270 268 276 264 216 風力 140 120 95 74 55 34 27 18 14 11 10 6 太陽光 4.3 1.8 1 0.9 0.9 0.6 0.5 0.6 0.6 0.5 0.6 0.5 木質 ・ 木質派生燃料 38 37 37 36 37 39 39 38 38 38 39 35 地熱 16 15 15 15 15 15 15 15 15 14 14 14 その他バイオマス 20 19 19 18 17 17 16 15 15 16 15 15 揚水 -5 -6 -5 -5 -6 -7 -7 -7 -8 -9 -9 -9 その他未分類 14 14 13 12 11 13 13 13 14 14 14 12 合 計 4,047 4,097 4,125 3,949 4,115 4,158 4,064 4,054 3,970 3,883 3,858 3,736
第1表:アメリカの電力生産統計(2001
年-
2012
年)
純発電量(10 億 kwh) (小数点以下四捨五入) 出典:アメリカ・エネルギー情報局(US EIA) 〈http://www.eia.gov/electricity/data/state/〉第2表:アメリカの発電設備容量
(2012 年) 出典:アメリカ・エネルギー情報局(US EIA)<http://www.eia.gov/electricity/data/state/>ところが,第2表によって 2010年における電力の生産設備容量を見ると,石炭火
力が電力生産の約45%を占めているにもかかわらず,石炭火力の生産設備は全体の約
30%にすぎないことが分かる。これは,石炭火力の設備利用率が非常に高く,石炭が
電力資源として最も安く効率的であることを示している。しかし,天然ガスの場合は,
2010年の生産量が全体の 24%にまで伸びたとは言え,設備容量は全体の 41%に上っ
ており,コストが石炭に比べてまだ高いことが分かる
61)。
しかし,「シェールガス革命」がこのようなギャップを埋め,天然ガス発電のコス
ト・パフォーマンスを大きく変える可能性があると期待された。たとえば,アメリカ・
エネルギー情報局(US Energy Information Administration:EIA)は,2040年まで
の資源別発電比率を展望し,石炭が 2011年の 42%から 2040年には 35%に低下する
のに対して,天然ガスの場合は,2011年の 25%から 2040年には 30%にまで増加する
という見通しをたてた
62)。
これに対して,2010年の原子力発電を見ると,設備容量は全体の 10%弱にもかかわ
らず,電力生産のシェアは約20%を維持しており,原発が石炭についでコストが安い
ことが分かる。そのため EIA は,2011年に 19%である原子力発電の割合が 2040年
には 17%へとやや低下するものの,原子力発電の重要性は今後もそれほど大きな変
項 目 発電装置数(基) 許可発電設備容量 率(%) 純発電容量 率夏季 (%) 純発電容量 率冬季 (%) 石炭 1,309 336,341 28.8 309,680 29.1 312,293 28.3 石油・重油 3,702 53,789 4.6 47,167 4.4 51,239 4.6 天然ガス 5,726 485,957 41.6 422,364 39.7 455,214 41.2 その他ガス 94 2,253 0.2 1,946 0.2 1,933 0.2 原子力 104 107,938 9.2 101,885 9.6 104,182 9.4 通常水力 4,023 78,241 6.7 78,738 7.4 78,215 7.1 風力 947 59,629 5.1 59,075 5.6 59,082 5.3 太陽光 553 3,215 0.3 3,170 0.3 3,053 0.3 木質・木質派生燃料 351 8,520 0.7 7,508 0.7 7,570 0.7 地熱 197 3,724 0.3 2,592 0.2 2,782 0.3 その他バイオマス 1,766 5,527 0.5 4,811 0.5 4,885 0.4 揚水 156 20,858 1.8 22,368 2.1 22,271 2.0 その他未分類 95 2,005 0.2 1,729 0.2 1,739 0.2 合 計 19,023 1,167,995 1,063,033 1,104,459 単位:千 kw化はないと展望している
63)。しかし,このような見通しだけで電力資源として原子力
発電の将来を語るわけにはいかない。それは,原子力発電の歴史を振り返ると,多く
の原発が特殊な条件のもとに置かれていることが分かるからである。
(2) 原子力発電所の特殊性
アメリカで現在稼働中の原発は,1969年12月に操業したオイスター・クリーク原
発を皮切りに,ほとんどが 1970年代前半に運転を開始した。そのため,現在稼働して
いる原発の多くが操業から約40年の期間を経てきており,現在では,ほとんどの原発
が運転を 20年間延長するライセンスを取得し,60年間の操業が保証されている
64)。
歴史的に見ると,1970年前半までに操業を開始した原発の場合は,建設コストが非
常に安く,しかも 40年間に設備投資の減価償却を終えている場合が多い。したがっ
て,20年間の操業延長が保証された原発は,設備投資にかけたコストをほとんど考慮
せずに稼働させることができるという利点がある。このような操業コストの安さが,
現在アメリカで稼働している原発の大きな特徴である
65)。しかし,老朽化した原子炉
を運転し,維持していくためのコストは毎年5%ずつ増え,核燃料コストはさらに速
い年間9%のペースで上昇すると言われていることを忘れてはならない。
しかも,40年間に原発の建設コストは大幅にあがり,新規の原発は建設コストが莫
大なものとなってきた。原発の場合は建設許可がおりても商業運転を開始するまでに
は時間がかかることが多く,出力が同じくらいの原子炉を例にとってみても,1980年
代と 1970年代の建設費を比べると 9 ~ 10倍の格差がある
66)。たとえば,1975年に商
業運転を開始した,出力90万KW程度の加圧水型原子炉(PWR)の建設コストは4億
ドルあまりで済んだが,1980年代半ばになると,同じような PWR原子炉の建設費は
40億ドル近くにまで跳ね上がったという報告も出ている。このような建設費の高騰
は,1979年3月のスリーマイル島原発,1986年4月のチェルノブイリ原発などの大事
故もあって,主に安全コストとメンテナンス経費が急上昇したためである
67)。
さらに,原発の場合は,バックエンド(後処理)コスト(Back-end Cost)が不可欠
である。これは,原発を稼働させた後に発生する経費であり,使用済み核燃料の再処
理や MOX(Mixed Oxide)燃料加工,さらには工場の解体や放射性廃棄物(いわゆる
“核のゴミ”)の処理などのコストをさしている。現在のアメリカには,約7万5,000 ト
ンの放射性廃棄物が 35 の州にある 80 カ所の一時保管所で管理されており,その量は
2055年までに倍増すると見込まれている。このような放射性廃棄物の処理や管理に
目処が立たない限り,カリフォルニア州,コネティカット州,イリノイ州などを含む
9つの州では新規原発の建設を禁止している
68)。
ヴァージニア州のミネラル 市にあるノース・ アナ 原 発(North Anna Nuclear
Generating Station)では,早い時期に3号機の建設が計画され,2007年には NRC から
操業ライセンスを得た。当初は,GE・日立ニュークリア・エナジー社が沸騰水型原子炉
(BWR)を建設する予定であったが,安全対策やメンテナンスの費用を含めた建設コスト
の大きさからご破算となってしまった。福島第一原発の大事故の後,このような安全対
策とメンテナンスのコストが多くの原発に重くのしかかっているといわざるを得ない
69)。
おわりに
アメリカでは,福島第一原発の事故もあって,現在の原発に操業規制やライセンス
の更新に関わる莫大な安全対策コストを求めている。そのため,出力100万KW以下
で,操業から 40年近い原発は,莫大なバックエンドコストを考えると,すでにアメリ
カで採算が取れなくなっていると言われ,廃炉や施設の閉鎖も視野に入れなければな
らない時期にきている。
ところが,その一方で,これまで採掘が困難であったシェールガスの生産が急増し,
アメリカは,1970年代のオイルショック(石油危機)以来,持続的なエネルギー自給
に向けて前進することが出来るという展望をもった。その結果,「シェールガス革命」
の“夢物語”
(USA Today紙)が取りざたされ,原発に代わって,シェールガス(ある
いはシェールオイル)による火力発電にも期待が寄せられた。しかし,シェールガス
は生産コストが高い割に劣化が早く,環境汚染の問題が顕在化するとともに,激しい
価格競争に晒されて中小の開発会社は収益の悪化に苦悩するようになってきた。
地 球 温 暖 化・ 気 候 変 動 対 策 の 重 要 性 が 叫 ば れ,「低 炭 素 社 会 」
(Low-carbon
Society)への移行が急務である今,化石燃料に依存した従来のエネルギー政策を大き
く転換させ,太陽光,風力,バイオマス,地熱などの再生可能エネルギーに基づく持続
可能な社会(Sustainable Society)をいかにして構築するか,人類の英知が試されて
いるといっても過言ではない。
注
1) American Nuclear Society, “What Happened and What Didn’t in the TMI-2 Accident” . 〈http://www.ans.org/pi/resources/sptopics/tmi/whathappened.php〉
高木仁三郎『新装版 チェルノブイリ原発事故』(2011年,七つ森書館)。 2) World Nuclear Association, “The Nuclear Renaissance” .
〈http://www.world-nuclear.org/info/Current-and-Future-Generation/The-Nuclear-Renaissance/〉
「原子力ルネッサンスと核不拡散体制」。
〈http://www.nids.go.jp/publication/east-asian/pdf/eastasian2009/j01.pdf〉 矢沢潔『原子力ルネサンス―エネルギー問題の不可避の選択―』(技術評論社,2008年)。 3) しかし,事故が起きた当初,経済産業省の原子力安全・ 保安院は,3月 11日にレベル4,
3月 18日に レベル5 と発表していた。 なお,国際原子力事象評価尺度(Nuclear Event Scale:INES)は,国際原子力機関(International Atomic Energy Agency:IAEA)と経 済協力開発機構原子力機関 (OECD Nuclear Energy Agency:OECD/NEA)が策定した ものである。また,1979年3月のスリーマイル島原発事故はレベル5である。
IAEA and OECD/NEA(2009),The International Nuclear and Radiological Event Scale.
User’s Manual. 2008 Edition, IAEA, pp.154-158.
〈http://www-ns.iaea.org/tech-areas/emergency/ines.asp〉
4) 幾島賢治『シェールガス・オイルの輝ける未来』(シーエムシー出版,2013年)。 室井高城『シェールガス革命― “第二の衝撃” ―』(日刊工業新聞社,2014年)。 “The Shale Gas Revolution”.
〈http://www.ecoconnect.org.uk/publications/the-shale-gas-revolution/#search='Shale+g as+Revolution'〉 5) 市川元樹(米国三井物産新産業・技術室)「米国原子力発電の動向」(Jun. 2013)。 〈http://mitsui.mgssi.com/issues/report/r1306ny_ichikawa.pdf〉 日本原子力産業協会『世界の原子力発電開発の動向』(2014年版)。 〈http://www.jaif.or.jp/data/〉
World Nuclear Association, “Nuclear share figures, 2003-2013”.
〈http://www.world-nuclear.org/info/Facts-and-Figures/Nuclear-generation-by-country/〉
6) この原発は,世界で初めて平和的な目的で建設された核施設として知られているが,すで に操業を停止しており,現在は廃炉となっている。
Willis L. Shirk Jr., “Atoms for Peace in Pennsylvania”, Pennsylvania Heritage, Vol. XXXV, No. 2 (Spring 2009).
〈http://www.portal.state.pa.us/portal/server.pt/community/history/4569/_atoms_ for_peace__in_pennsylvania/471309〉
7) J. Matthew Roney, “U.S. Nuclear Power in Decline” .(September 10, 2013). 〈http://www.earth-policy.org/plan_b_updates/2013/update116〉
アメリカで最後に完成した原子炉は,1996年に稼働したワッツバ ー 原子力発電所(Watts Bar Nuclear Generating Station)(テネシー州スプリング)であるが,建設に予算の3倍に ものぼるコストがかかったといわれる。
〈www.tva.gov/power/nuclear/wattsbar〉
Ethics, 67 (2006), pp. 37-49.
〈http://link.springer.com/article/10.1007/s10551-006-9003-y#page-1〉
David Lochbaum and Edwin Lyman, “U.S. Nuclear Power Safety One Year after Fukushima”, (Union of Concerned Scientists, 2012).
〈http://www.rogerwitherspoon.com/docs/ucs-fukushimaanniversaryreport-3-5-12. pdf〉
9) Mark Cooper, “The Economics of Nuclear Reactors: Renaissance or Relapse?”〈http:// www.nonuclear.se/files/cooper200906economics_of_nuclear_reactors.pdf〉 10) 〈http://www.tepco.co.jp/company/corp-com/annai/shiryou/report/bknumber/0510/ pdf/ts051004-j.pdf〉 「2005年エネルギー政策法と原子力再生の動き」。〈http://www.rist.or.jp/atomica/data/ dat_detail.php?Title_No=14-04-01-43〉 中川かおり「米国における再生可能エネルギー法制―連邦法を中心に―」『外国の立法』 225(2005年8月)。
11) ウェスティングハウス・エレクトリック・コーポレーション(Westinghouse Electric Corporation) とウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー(Westinghouse Electric Company)の 2社は,旧ウェスティングハウス・エレクトリックの流れを汲む会社である。 〈http://westinghouse.com/〉〈http://westinghousenuclear.com/〉 白石忠志「Westinghouse・原子燃料工業の企業結合を め ぐ る公取委回答事例の分析 」 『GCOESOFTLAW』(2009年7月)。 〈shiraishitadashi.jp/.../2009-07GCOESOFTLAW-2009-2.pd〉 12) 〈http://www.hitachi-hgne.co.jp/〉〈https://www.gepower.com/prod_serv/products/ nuclear_energy/en/index.htm〉『日本経済新聞』〈電子版〉(2012年8月7日)。1980年代 にゼネラル・エレクトリック(GE)の最高経営責任者(CEO)を務めたジャック・ウエルチ(Jack Welch jr.)は,「選択と集中」というビジネス戦略を打ち出したことで知られる。 13) 「 名実と も に世界と肩並べ た原子力発電技術 米 WH社と原子燃料も “ 対等提携 ” を締 結」『三菱重工ニュース』第 3811号(2000年1月 17日)。〈https://www.mhi.co.jp/news/ sec1/000117.html〉
14) Matthew L. Wald, “As Price of Nuclear Energy Drops, a Wisconsin Plant Is Shut,” The
New York Times (May 7, 2013).キウォーニー原発は,ウエスティングハウス社(Westinghouse
Electric Corporation)製の加圧水型原子炉(Pressurized Water Reactor:PWR)である。 なお,アメリカ原子力規制委員会は,メリーランド州のロックビルに本部が置かれている。 〈www.nrc.gov〉
15) 「〈参考資料〉アメリカ電力大手ドミニオン社,買い手なく原発を閉鎖・ 廃炉」 。〈http:// www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/genpatsu/us/Dominion_20121022.html〉〈www.dom. com/about/stations/nuclear/Kewaunee/〉
16) “Kewaunee enters retirement,” World Nuclear News (May 7, 2013).〈http://www. world-nuclear-news.org/C-Kewaunee_enters_retirement-0705134.html〉 “Kewaunee Nuclear Plant Powers Down for the Last Time,” Nuclear Street News(May 8, 2013). 17) “ON: Dominion Resources, Inc. 2011 Summary Annual Report” 〈https://www.dom.
com/investors/annual2011/domannual.pdf〉 Scott DiSavino, “Dominion closing nuclear plant due to low natgas prices” 〈http://www.reuters.com/article/2012/10/22/us-dominionresources-idUSBRE89L1EY20121022〉
18) キウォーニー原発は,ネクストラ・エナジー社(NextEra Energy, Inc.)が所有するポイント・ ビーチ(Point Beach Nuclear Plant)原子力発電所のすくそばにあり,2つの原発はほぼ同 じ仕様を持ちながら,同じ電力市場で競合してきた。こうしたことから,ポイント・ビーチ 原発もいずれ,商業的に立ち行かなくなる可能性があると思われる。 〈http://www.nexteraenergyresources.com/what/nuclear_pointbeach.shtml〉〈http:// emergencymanagement.wi.gov/rep-gis/point_beach.asp〉 19) 〈www.duke-energy.com〉 なお,デューク・エネルギー社が,風力発電にも力を入れていることを忘れてはならない。 “Duke Energy Renewables reaches agreement with Department of Justice regarding bird mortalities at two wind facilities” .(Nov. 22, 2013)
〈http://www.duke-energy.com/news/releases/2013112203.asp〉 20) 因みに,残りの4施設はすべて石炭火力発電所である。
〈www.duke-energy.com/.../crystalriver.asp〉
“DUKE Energy submits Crystal River nuclear plant decommissioning plan to NRC (Dec. 10, 2013)”.〈http://www.duke-energy.com/news/releases/2013121001.asp〉
21) “Crystal River Nuclear Plant to be retired; company evaluating sites for potential new gas-fueled generation”.(Feb. 5, 2013)
〈http://www.duke-energy.com/news/releases/2013020501.asp〉
Duke Energy shuts down Crystal River nuclear plant permanently〈http:// mynews13.com/content/news/cfnews13/news/article.html/content/news/articles/ bn9/2013/2/5/duke_energy_shuts_do.html?cmpid=breaking〉
22) “Crystal River Nuclear Plant”.〈http://www.duke-energy.com/power-plants/nuclear/ crystal-river.asp〉
「フロリダ州の原発を廃炉へ 米電力最大手デューク・エナジー」。
〈http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0601I_W3A200C1EB2000/〉 23) 「〈参考資料〉 デューク社クリスタル・リバー原発をギブアップ」。
〈http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/genpatsu/us/Duke_ 20130205 .html〉 “Duke gives up on Crystal River,” World Nuclear News (February 5, 2013).〈http://www. world-nuclear-news.org/C_Duke_gives_up_on_Crystal_River_0502131.html〉
24) 核電気保険会社は,アメリカのすべての原発と海外の一部原発が加入している相互保険会 社であり,デラウエア州のウィルミントンに本部を置き,バミューダ諸島に法人登録をして いる。デラウエア州は,法人の登録や規制がもっとも寛容な州であり,未だにイギリス領で あるバミューダ諸島は, “タックス・ヘイブン”の法人天国として知られる。
〈www.nmlneil.com〉
Ivan Penn, “Utilities nationwide could share the financial pain of the idled Crystal River nuclear plant,” Tampa Bay Times (December 30, 2012).
25) 〈http://www.songscommunity.com/〉
Southern California Edison, “Committed to Safe, Reliable, Affordable Power”.〈https:// www.sce.com/wps/portal/home/about-us/reliability〉 なお SCEは,エジソン・インターナショナル(Edison International)の傘下にある電力会社 である。 26) コンバスション・ エンジリアリングは,1980年代後半にアセア・ ブラウン・ ボベリ(ABB Ltd.)に買収され,2000年になって原発事業はウエスティングハウス社に吸収された。そし て,2006年には,東芝がウエスティングハウス社の原発事業を買収した。なお,三菱重工は ウエスティングハウス社の下請企業であり,ウエスティングハウス社と製造ライセンス契約 を結んでいた。山本尚利「東芝の WH買収:高い買い物か?」。 〈http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr186.htm〉 山本尚利『日米技術覇権戦争』(光文社,2003年)。
27) Abby Sewell, “San Onofre layoffs raise questions about nuclear plant’s future,” Los
Angeles Times (August 21, 2012).
Steven Mufson, “San Onofre nuclear power plant to shut down,” The Washington Post (June 7, 2013).
〈http://www.examiner.com/article/decommissioning-san-onofre-nuclear-power-plant-southern-california〉
28) “San Onofre Nuclear Generating Station, Unit 2 & 3 Replacement Steam Genarators” . 〈http://pbadupws.nrc.gov/docs/ML 1305 /ML 13057 A 013 .pdf〉 US NRC, “Plans for
Decommissioning of San Onofre Nuclear Generating Station Units 2 and 3”.〈http:// www.nrc.gov/info-finder/reactor/songs/decommissioning-plans.html〉 29) 三菱重工「(開示事項の経過)米国サザンカリフォルニアエジソン社 サンオノフレ原子力 発電所廃炉について)」(2013年7月 19日)。 〈https://www.mhi.co.jp/notice/notice_130719.html〉 日本エネルギー経済研究所・原子力グループ(西田直樹)「サンオノフレ原子力発電所閉鎖の影響」。 〈http://eneken.ieej.or.jp/data/4932.pdf〉 〈http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/32119704.html〉 30) ディアブロ・キャニオン原発は,建設当初,地元住民から猛反対を受けた。
〈http://www.pge.com/〉〈http://www.pge.com/safety/systemworks/dcpp/〉
「米国の電力事業改革とカリフォルニア州の電力危機」『郵政研究所月報』(2002年9月)。 山口聡「電力自由化の成果と課題―欧米と日本の比較―」『調査と情報』第595号(2007年9月)。 31) 「米国で市民が原発を廃炉に追い込んだ理由」『東洋経済 ONLINE』(2013年9月 26日)。
City News Service, “Los Angeles City Council To Vote On San Onofre License Resolution” .(December 13, 2012). 〈http://www.kpbs.org/news/2012/dec/13/los-angeles-city-council-vote-san-onofre-license-r/〉 肥田美佐子「米サンオノフレ原発が廃炉を決定―福島の教訓で変わる米原発事情」 。 〈http://jp.wsj.com/article/〉 32) 東京電力や東北電力の原発も沸騰水型原子炉(BWR)である。 石川迪夫『原子炉の暴走 ― 臨界事故で何が起き た か ―』( 日刊工業新聞社,2008年)。 “Boiling Water Reactor Simulator with Passive Safety System: User Manual October 2009” .
〈http://www.iaea.org/NuclearPower/Downloads/Simulators/Advanced.BWR. Manual.2009-10.pdf〉
33) 〈www.safecleanreliable.com〉 〈http://www.entergy.com/〉 US Energy Information Administration, “State Nuclear Profile” . 〈http://www.eia.gov/nuclear/state/〉 ヴァーモント・ ヤンキー原発は,稼働して間もない 1973年 11月,制御棒を誤って抜き,炉 心の一部が臨界に達する事故を起こしている。このとき,圧力容器と格納容器の蓋は開け たままだった。 34) 「米原発閉鎖,今年4件目―天然ガスブームで」。 〈http://jp.wsj.com/article/〉
“Entergy to Close, Decommission Vermont Yankee”.
〈http://www.entergy.com/news_room/newsrelease.aspx?NR_ID=2769〉 〈http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141231/t10014372331000.html〉 〈http://democracynow.jp/video/20130828-2〉
なお,現在のところ,ヴァーモント・ヤンキー原発の廃炉作業終了は 61年後といわれている。 また,エンタジー社が所有する,ニューヨーク州のインディアン・ ポイント原発(Indian Point Nuclear Power Plant)も廃炉の可能性がある。 “Indian Point Nuclear Power Plant (NY), ” The New York Times (February 26, 2014).
35) Rebecca Smith, “Vermont Nuclear Plant’s Closure Shows Impact of Cheap Gas,” The
Wall Street Journal (August 28, 2013).
「また米国で原子力発電所が閉鎖へ,天然ガスに対抗できず」〈http://www.itmedia.co.jp/ smartjapan/articles/1308/30/news029.html〉
〈http://nuclearactive.org/vermont-yankee-to-shut-down-in-2014/〉 「米バーモント州の原発閉鎖へ 福島第一原発と同型」。
〈http://www.cnn.co.jp/business/35036469.html〉
Cf. US Energy Information Administration, “Vermont Yankee nuclear plant closure in 2014 will challenge New England energy markets”.
〈http://www.eia.gov/todayinenergy/detail.cfm?id=12851〉
37) 〈http://www.exeloncorp.com/PowerPlants/oystercreek/Pages/profile.aspx〉 〈www.exeloncorp.com〉
US Nuclear Regulatory Commission, “NRC - Licensed Facilities by Region or State - New Jersey”. 〈http://www.nrc.gov/info-finder/region-state/newjersey.html〉 38) ハリケーン・サンディによって,ニューヨークではマンハッタン島に出入りするトンネルの 多くが水没する被害を受け,10月 29日と 30日の両日,ニューヨーク証券取引所は休止に追 い込まれた。「ハリケーン・サンディの被害概要について」。 〈http://www.mlit.go.jp/common/000996358.pdf〉 〈http://www.constellation.com/pages/default.aspx〉
“Hurricane Sandy Floods Nuclear Power Plant,” The Telegraph (October 30, 2012). なお,サンディの予想進路には,少なくとも 16基の原子炉があったといわれる。 39) 「米エクセロン,NJ州オイスタークリーク原発に警報発令」。 〈http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE89T04H20121030〉 福島第一原発の事故から得られた大きな教訓は,地震や津波などの災害で使用済み燃料プー ルの冷却ができなくなるということであった。 〈http://www.nytimes.com/2013/01/08/nyregion/hurricane-brings-more-worry-to-neighbors-of-oyster-creek-nuclear-plant.html?_r=0〉
“Sandy, Fukushima, and the Nuclear Industry,” The New Yorker (November 2, 2012). 40) US Nuclear Regulatory Commission, “NRC Continues to Monitor Hurricane Sandy:
Alert Declared Oyster Creek Plant: No Plants Shut down Due to the Strom,” NRC News (October 29, 2012).Environment New Service, “Four Nuclear Power Plants Jolted by
Hurricane Sandy”.
〈http://ens-newswire.com/2012/10/30/four-nuclear-power-plants-jolted-by-hurricane-sandy/〉
41) 「警報発令!ニュージャージー州オイスタークリーク原発は福島第一原発 1号機より古い米 最古の欠陥マークI型」。
〈http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2496.html〉 Rebecca Smith, “Can Gas Undo Nuclear Power?” The Wall Street Journal (January 31, 2013).Cf. “Emergency Planning for Oyster Creek Generating Station”.
〈http://www.exeloncorp.com/assets/energy/powerplants/docs/Oyster%20Creek/ bro_oystercreek_pib.pdf〉
“Forced shutdown of Oyster Creek nuclear plant occurs on day it returns to service”. 〈http://www.nj.com/business/index.ssf/2013/10/forced_shutdown_of_oyster_cree. html〉 42) 頁岩は,1/16(=0.0625)mm以下の粒子(泥)が水中で水平に堆積したものが脱水・固結 してできた堆積岩のなかで,堆積面に沿って薄く層状に割れやすい性質(へき開性)があるも のを指す。都城秋穂・久城育夫『岩石学II ―岩石の性質と分類 ―』(共立出版,1975年)参照。 43) アメリカ・エネルギー省のホームページ参照。 〈http://energy.gov/fe/science-innovation/oil-gas-research/methane-hydrate〉 なお頁岩には,シェールガスとともに,タイトオイル(Tight Oil)あるいはシェールオイル (Shale Oil)と呼ばれる石油資源も埋蔵されている。
44) “Shale Gas and fracking,” The Guardian.
〈http://www.guardian.co.uk/environment/2011/apr/20/shale-gas-fracking-question-answer〉 「シェール革命ってすごいの?―米,近く世界一の産油国に」『日経 Bizアカデミー』。 〈http://bizacademy.nikkei.co.jp/culture/nikkey/article.aspx?id=MMACc3000004042013 &page=1〉 「技術革新が採掘を可能に」。 〈http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/mclibrary/business/vol2/page3.html〉 45) “US Oil Production Surpasses Saudi Arabia’s for the First Time in a Decade” .
〈http://www.minyanville.com/sectors/energy/articles/US-Oil-Production-Surpasses-Saudi-Arabia2527s/3/5/2013/id/48554〉
田中宇「シェールガスのバブル崩壊」(2013年3月 25日)。 〈http://tanakanews.com/130325oil.php〉
46) 『日本経済新聞』Web版(2013年8月 5日)。
U.S. Energy Information Administration, Review of Emerging Resources: U.S. Shale Gas
and Shale Oil Plays (July, 2011).〈http://www.eia.gov/analysis.pdf〉
The White House, Office of the Press Secretary, Remarks by the President in State of the
Union Address (January 24, 2012).〈https://www.whitehouse.gov/〉
EIA/ARI World Shale Gas and Shale Oil Resources Assessment: Technically Recoverable Shale Gas and Shale Oil Resources: An Assessment of 137 Shale Formations in 41 Countries outside the United States.
〈http://www.adv-res.com/pdf/A_EIA_ARI_2013%20World%20Shale%20Gas%20and%20 Shale%20Oil%20Resource%20Assessment.pdf〉
Unconventional Domestic Natural Gas Resources (April 13, 2012). 〈http:// whitehouse. gov/the-press-office/2012/04/13/〉
河内信幸「アメリカ太陽光発電事業の光と影」中部大学産業経済研究所編『産業経済研究所 紀要』第 23号(2013年3月),89- 93頁。
48) 「米国 GDP(国内総生産)成長率:2014年7-9月期も堅調」『Pictet Market Flash』(2014 年 10月 31日)。
〈http://www.pictet.co.jp/archives/48566〉
49) 「『世界最大の産油国』米シェール革命はバブル」『Newsweek』(日本版)。 〈http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2014/08/post-3351.php〉
Bidness Etc, US Ahead of Saudi Arabia as Largest Oil Producer in the World, July 7, 2014.
〈http://www.bidnessetc.com/22429-us-ahead-of-saudi-arabia-as-largest-oil-producer-in-the-world/〉
50) Roger Howard, “In the U.S. Fracking Boom a Bubble?”, Newsweek (July 14, 2014). 〈http://www.newsweek.com/us-fracking-boom-bubble-258623〉
Energy Information Administration, Annual Energy Outlook 2014 with Projections to
2040.
〈http://www.eia.gov/forecasts/aeo/〉
51) William Engdahl, “America: The New Saudi Arabia?”. 〈http://www.voltairenet.org/article177874.html〉
田中宇「シェールガスのバブル崩壊」(2013年3月 25日)。 52) Get Ready for the North American Gas Shock.
〈http://www.theautomaticearth.com/2011/07/get-ready-for-the-north-american-gas-shock/〉
田中宇「シェールガスのバブル崩壊」(2013年3月 25日)。
53) Roger Howard, “In the U.S. Fracking Boom a Bubble?” Newsweek (July 14, 2014). 〈http://www.newsweek.com/us-fracking-boom-bubble-258623〉
54) 「シェールガスは夢のエネルギーじゃない? 潜む問題」『AERA』(2013年4月1日)。 〈http://trans-aid.jp/index.php/article/detail/id/37387〉
55) Robert B. Jackson etc., “Increased stray gas abundance in a subset of drinking water wells near Marcellus shale gas extraction,” Proceedings of the National Academy of
Sciences of the United States of America, vol. 110, no. 28 (July 9, 2013); “High Methane in Drinking Water near Fracking Sites”.
〈https://www.sciencenews.org/article/high-methane-drinking-water-near-fracking-sites〉