早期リハビリテーションを安全かつ確実に行うために
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(2) 688. 理学療法学 第 42 巻第 8 号. 表 1 早期リハビリテーションにおける評価項目とタイミング 項目. 評価方法 筋力測定器・ MRC. 筋力 筋量 精神機能 せん妄の発生. ICU 入室中. ICU 退室後. 退院後. ○. ○. ○. DEXA,CT. △. △. △. 超音波画像. ○. ○. ○. MMSE. △. ○. ○. CAM-ICU. ○. ○. CAM,DST 身体機能. FSS-ICU. 日常生活評価 健康関連 QOL. 歩行速度, 6MWD FIM, Barthel Index SF-36. ○. ○. ○. ○. ○. ○. ○ △. ○. ○. 人工呼吸期間. ○. ○. ICU 在室日数. ○. 入院日数. ○. 死亡率. ○. 退院先. ○. 図 2 早期リハビリテーションにおける効果の実証. 予後ならびに健康関連 QOL など中長期に経過をみていく必要 6) がある内容が多い 。ICU 退室後の介入結果をどのように ICU. に示していくか,連携体制の構築が重要と考えられる。 早期リハビリテーションが少しでも予後を改善できる介入で あるならば,予防的観点からも,退院した先でどのような帰結 となったか社会的システムと連携し,介入結果をフィードバッ クする仕組みを構築することが必要である(図 2)。具体的な. 早期リハビリテーションにおける効果の実証. 取り組みとして,当院では ICU における早期リハビリテーショ ン内容(種類,強度,時間,頻度)や機能評価ならびにせん妄. ICU における早期リハビリテーションの必要性が高まりつつ. 管理について,ICU 退室後も継続して記録している。退院後は. あるが,一方 ICU でリハビリテーションを受けられる患者は. サマリーを作成し,リハビリテーションの経過や帰結について. 約 25%とするデータがある 3)。本邦でどの程度の施行率かは. 集中治療室のスタッフに申し送る。このように,中長期的に得. 不明だが,おそらくそれほど多くはないと思われる。では,な. られた結果から早期リハビリテーションの検証を行い,集中治. ぜ ICU のリハビリテーションは普及しないのか? いくつかの. 療領域での標準的な介入策として一般化させていく作業は,今. 要因が挙げられているが大きく分類すると,1.患者の病態や. 後重要になると思われる。. 協力の問題,2.提供側の早期リハビリテーションに対する認 識の問題,3.施設やマンパワーの問題の 3 つに分けられる 4)。. ま と め. このうち,患者側の問題と提供者の認識には,早期リハビリ. 早期リハビリテーションを安全かつ確実に行うためには,明. テーションの安全性や基準,ならびに効果の不明確さが大きく. 確な基準や治療体系の整備が不可欠である。早期リハビリテー. かかわっている。. ションの定着は,治療戦略とアウトカム指標の設定,ならびに. 安全性の実証には介入の適応,開始,中止などの基準が必要. 効果の検証が鍵となる。早期リハビリテーションの運動機能や. である。早期リハビリテーションの基準は海外よりいくつか報. 精神機能,長期予後に対する効果は,多職種による共有が必要. 告がある. 4)5). 。しかし,これらの基準を参考にするには,本邦. とは医療体制に相違があることや,安全性は施設の規模や体制 ならびにスタッフのスキルに左右されることに注意が必要であ る。それぞれの施設でレベルに合わせた相対的な設定が必要と 思われる。 ICU で行われる早期リハビリテーションの効果として,よ く用いられる指標と評価のタイミングを示す(表 1)。いずれ も多くの報告が見られるが,得られた結果は患者に対する治療 戦略の効果性を実証するものでなければならない。早期リハビ リテーションの効果を示す項目は,時期により示す内容は変わ る。ICU 内で示されるものには即時効果や短期効果が多く,酸 素化能や筋力などの身体機能面,せん妄や認知機能などの精神 機能面,ならびに人工呼吸器装着期間などが挙げられる。これ らはモニタリングから得られる指標や ICU に特化した評価も 多く,介入へのフィードバックも容易である。対して ICU 退 室後の効果指標は,身体機能や精神機能,ADL 自立度,生命. である。. 文 献 1) Bailey P, Thomsen GE, et al.: Early activity is feasible and safe in respiratory failure patients. Crit Care Med. 2007; 35: 139–145. 2) Morris PE, Goad A, et al.: Early intensive care unit mobility therapy in the treatment of acute respiratory failure. Crit Care Med. 2008; 36: 2238–2243. 3) Zanni JM, Korupolu R, et al.: Rehabilitation therapy and outcomes in acute respiratory failure: an observational pilot project. J Crit Care. 2010; 25: 254–262. 4) Pohlman MC, Schweickert WD, et al.: Feasibility of physical and occupational therapy beginning from initiation of mechanical ventilation. Crit Care Med. 2010; 38: 2089–2094. 5) Hodgson CL, Stiller K, et al.: Expert consensus and recommendations on safety criteria for active mobilization of mechanically ventilated critically ill adults. Crit Care. 2014; 18: 658. 6) Schweickert WD, Pohlman MC, et al.: Early physical and occupational therapy in mechanically ventilated, critically ill patients: a randomized controlled trial. Lancet. 2009; 373: 1874–1882..
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図
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