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「友達」とはどういうものかを考える【B書くこと エ】

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Academic year: 2021

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広島国泰寺高等学校 第1学年国語科 国語総合〔古典分野〕学習指導案 指導者 平田 恵美子 1 日 時 平成29年6月27日(火)第3時限(10:45~11:35) 2 対 象 1年4組 40名(男子20名 女子20名) 3 場 所 1年4組HR教室 4 単 元 名 「友達」とはどういうものかを考える 5 教 材 「徒然草」(『友とするにわろきもの』第117段・『同じ心ならん人と』第12段)・「呂氏春秋」 (『知音』)を中心としたプリント教材 6 単元について 7 単元の目標 単 元 観 本単元は,学習指導要領「国語総合」B書くこと(1)指導事項のエ「優れた表現に接してその条件を考 えたり,書いた文章について自己評価や相互評価を行ったりして,自分の表現に役立てるとともに,も のの見方,感じ方,考え方を豊かにすること」に基づいて設定した。 入学して3ヶ月が過ぎようとしている生徒たちは学校生活を通じて人間関係を築きつつある。新しい 出会いの中でどのような人とつながって友人となっていくのか。このたびは「友」を扱った古典作品に 自己の姿を重ねながら考えを深めていく学習を展開したい。高校古典に慣れ始めたこの時期に,読みや すく,思考が深まる作品として,「友とするにわろきもの」(『徒然草』)・「同じ心ならん人」(『徒然草』)・ 「知音」(『呂氏春秋』)の3教材を扱う。 生徒には3教材の筆者の考えを読み取った後にその内容を踏まえて自己の友情論を書かせたい。さら に,書いた文章について評価を行うことでものの見方や感じ方,考え方が豊かになりそのことが今後の 人生の中で人とのつながりを築く一助になると考える。 生 徒 観 真摯な態度で積極的に学習に取り組んでいる。活発に発言ができ,お互いの意見を聞き合う姿勢のあ るクラスである。これまで古文の作品は「児のそら寝」(『今昔物語集』)・「絵仏師良秀」(『宇治拾遺物語』) を学習している。基礎的な学習方法は学んでいるが,作品について深く考えたり自己に重ねて思考した りする学習に慣れていない。 また,週末課題への取組状況を見ると,具体的に記述をするような設問に対しては表現が不十分であ ったりするなど,自己評価による推敲が不十分であることも見られる。 今回の学習を機会として作品に深く関わり,表現に結び付ける力を培わせたい。 指 導 観 本校では今年度(平成 29 年度),「主体的・対話的な学び」を実現できる学習内容にするために「KO KUTAIJIセカンドステージ」として課題発見・解決型の授業の確立に取り組んでいる。国語科で は,高い思考力を育てて,言語文化を探究する力を養う指導の工夫を掲げている。 本単元では「友情論」を書くために,3つの古典教材を読み,書いた文章を相互に評価することを通 して自分の考えを深めるという課題解決的な学習を展開する。 まず,自分なりの「友情論」を書かせた後,「徒然草」を読んで兼好の「友」に対する洞察の鋭さに触 れ,古典を参考にしてより深い「友情論」を書くという課題意識をもたせる。 そして「友」に視点を当てて複数の作品を読みながら作者の考えに迫らせたい。次に,現代を生きる 生徒が友達に対して何を求めるのか,また視点を変えて自分は友達にとってどんな存在になり得るのか を考えさせたい。 さらに,それらを友情論として書き上げて,グループで話し合わせる。筆者の観察眼から人間観には 多角的な見方があることを学ばせた上で,自己に引きつけて友達観・人間観を考えさせたい。ここで目 指すところは自分の論を書く際に,教材文に論拠を求めて論を展開することである。評価については, 単元の前後で書く力を比較して「主体的・対話的で深い学び」が達成できたかを検証する。 【基礎的な知識や技能】 文法事項や言語事項を 踏まえて古文・漢文を読 み取ることができる。 【つながり・活用】 「友」について考察を 深め,作品の内容を論拠 として友情論を書くこと ができる。 【応用・発展】 文章を書いたり評価を 行ったりして,ものの見 方,感じ方,考え方を豊 かにすることができる。

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(1)筆者の人間観やものの見方を論拠として自分の考えを文章にまとめようとする。(関心・意欲・態度) (2)筆者の人間観やものの見方を論拠として自分の考えを書き,書いた文章について自己評価や相互評価を行 ったりして,自分の表現に役立てるとともに,ものの見方,感じ方,考え方を豊かにする。(書く能力 エ) (3)文や文章の組立て,語句の意味,用法及び表記の仕方などを理解する。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 イ(イ)) 8 単元の評価規準 9 単元の指導計画 10 本時の展開(本時 三次 第5時) (1) 本時の目標 ① 話し合いに積極的に参加し,論拠を持って自分の考えを説明したり,他者の発表に対して関心を持 って聞いたり,意見を述べたりする。 ② 友情論について自己評価や相互評価を行ったりして,ものの見方や感じ方,考え方を豊かにする。 (2)学習の展開 関心・意欲・態度 書く能力 知識・理解 教材文から読み取ったことを論拠と して友情論を書こうとしている。 筆者の人間観やものの見方を踏 まえて友情論を書き,その文章 について自己評価や相互評価を 行って,豊かになった自分のも のの見方,感じ方,考え方を文 章に反映している。 論理の構成や文章の展開,語句 の意味,用法及び表記の仕方な どを理解している。 次 時 学習内容 評価 関 書 知 評価規準 評価方法 一 1 ・単元の目標と学習活動を理解する。 ・友達観を明確にし,課題に気付き,解決 の見通しを持つ。 ・「友とするにわろきもの」(『徒然草』)か ら筆者の友達観(友達に対する考え方や その理由)を分析する。 ◎ ○ 事前の友情論を書き,筆者 の友情論と比較して共通点 や相違点などをとらえよう としている。 ・発言の内容 ・ワークシー トの記述 二 2 ・「同じ心ならん人」(『徒然草』)から筆者 の人間観を読み解き「まめやかの心の 友」について考察し,意見交換する。 ◎ ○ 筆者の人間観やその表現に 着目して自分の考えを書い ている。 ・ワークシー トの記述 3 ・ 4 ・「知音」(『呂氏春秋』)から友達観を読み 解く。登場人物の行動の理由を踏まえて 話し合い,友達観について考えをまとめ る。 ・3つの教材から読み取ったことを踏まえ つつ,友情論を書く。 ◎ ○ 筆者の人間観やそれを表す 論理の構成や文章の展開を 理解し,それを受けて友情 論を書いている。 ・発言の内容 ・ワークシー トの記述 三 5 【本時】 ・グループで友情論を持ち寄り,根拠を基 に友情について話し合う。 ・個人で学習を通して事前の友情論との違 いを確認する。 ○ ◎ 友情論について自己評価や 相互評価を行ったりして, 豊かになった自分のものの 見方や感じ方,考え方を反 映して書いている。 ・行動の観察 ・ワークシー トの記述

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11 評価ルーブリック 友情論についての記述 3 筆者の友情論を基にして自己の友情論を書き,自己評価や相互評価を行ったりして,新たなものの 見方や感じ方,考え方を知り,自分の考えを見直したり補強したりしている。 2 筆者の友情論を基にして自己の友情論を書き,自己評価や相互評価を行ったりして,新たなものの 見方や感じ方,考え方にも気付いている。 1 筆者の友情論について読み取り,分析して友情論を書いている。 学習内容 指導上の留意点 評価規準 (評価方法) ◆努力を要する状況と判断した生徒への手立て 導 入 2 分 ・本時の目標を理解する。 (目標) 話し合いによって他者の友情論に学び,再度 自分の友情論を深める。 ・前時までの学習内容を振り返る。 ・学習の流れと本時の目標を理解さ せる。 友情論につい て自己評価や 相互評価を行 ったりして,豊 かになった自 分のものの見 方や感じ方,考 え方を反映し て書いている。 (行動の観察) (ワークシー トの記述) 展 開 4 5 分 グループ学習 ・「友とするにわろきもの」・「同じ心ならん 人」・「知音」で学んだ内容を根拠にして書 いた友情論を持ち寄り,付箋を利用して意 見を出し合う。 個人学習 ・友情論について学習を通して考えが変わっ たことや新たに考えたことを中心にワーク シートを用いて考えを深める。 ○学習した内容に触れさせながら自 分にとって友とするのはどのよう な人物か,また,自分は友達にと ってどんな友でありたいかを明確 にさせる。 ◆理解や活動が不十分な生徒への手 立てについては机間指導を行い, 考えを促す助言を行う。 ○グループ学習を通して学んだこと を第4時までに書いた友情論と比 較して変化が分かるように書かせ る。 ま と め 3 分 ・本時の活動を振り返る。 ・ワークシートを提出する。 ・学習全体を振り返らせる。 友情については人それぞれの考え方があり,その答えは一つではないことを理解させる。 このように先人の考えに触れたり他者の考えも活かしたりして,人間関係を育む上で大切なこ とを考えさせる。また,視点を変えて,自分が友達にとってどのような存在か考えることは今 後の生活に生かせることを理解させる。

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