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昭和60年(行ツ)第133号 伊方発電所原子炉設置許可処分取消請求上告事件 上告理由補充書(2)

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(1)平 日. 年. ( ヴ ). 上. 牙3. 左t. ﹁終りのはじまり﹂. 口. 主日. 伊方発電所原子炉設置許可処分取消請求上告事件. 7'J -. 理 由 補 充. 伊方原発行政訴訟弁護団. チェルノブイリ事故と本件許可処分並びに 原判決の違法性. 口. 。. H 1 1.

(2) とと に1. 理. 由. 外 産. 広. 通. 業. 大. 五. 臣. 名. 医ヨ. 人 人. tヒ 口. 充 tヒ 口. 補 上. 上 被. 三 主 主. (. 一 一 、 、 . . '. 商. 野. 房. F 守. 谷. 勇. 士. 人. 上告受理事件について、 上告人はつぎのとおり上告理由を補充する。. 昭和六三年六月二三日. 井. 新. 右上告人ら訴訟代理人. 同. 弁護士. 忠. 右 当 事 者 間 の 御 庁 昭 和 六O 年 行 ツ 第 一 三 三 号 伊 方 発 電 所 原 子 炉 設 置 許 可 処 分 取 消 請 求. 上. ..

(3) 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同. 同 向 同 同 同 同 同 同 同 同 同. 本. 分. 藤. 藤. 平. 畑. 中. 仲. 田. 田. 戸 回 台. 柴. 里. 佐. 井. 石. 田. 上. ) 1 1. 義. 英. 寛. 昭. 俊. 崎. 日 責. 菊. 奥. 岡. 間. 野. 池. 津. E 日ヨ. 勝. 逸. 郎. 之. 雄. 浦. 々 田. 銅. 原. 原. 充. 陸. 松. 村. フ E. 田. 中. 原. 耕. ' 悦. 視. 隆. 泰. 陸. 明. 雄. 夫. 田. 見. 充. 信. 和. 行. 夫. 夫. 木. 障. 士. 臣. 子. 周. =と 口. 五 住. 輔. 斉. 日. 雄. 功. t. iil.

(4) 両. 次. 裁. はじめに:・:・・ : l. 目. リ 半. 第. - 事 故 直 前 の 運 転 状 況 : : : :・4. 2 実施されたテストの内容:・・::・. :7. 3 テ ス ト の 失 敗 ・ :::;6 4 事故発生:・・:・. 5 まとめ・:・:・ : 8. の内容・::::叩. ソ連の ﹁ 事 故 報 告 書 ﹂ ﹁報告書﹂. 5. 2 原発における安全確保の困難性:・:・・:日. 原子力安全委員会の. ﹁事故調査報告書﹂ の内容と結論・::;:日. 廷 中. 水. 田. 島. 4. 藤. 点目回. 昇 良. 野. 同. 同 同. 法 御. チェルノブイリ原発事故の原因と経過::::・. 原発の暴走事故:・:::2. チェルノブイリ原発事故・::::2. 所 批 判. 第 第. 最. ﹁報告書﹂ 1. 批 判. 1. 3 人間の関与と事故:・:・・:日 四. 秀. f1 1t&v' E R a a﹃ '.

(5) ソ連の. RBMK. ﹁. ﹂. 型 炉 と 日 本 の 軽 水 炉 の 危 険 性 に つ い て ・ ::::μ. 型炉の構造・:・ ::-m. 型炉より安全か:::・:同. ﹁. ﹂. ﹂. RBMK. (PWR) に お け る 反 応 度 事 故 ・ ::::ω. (PWR) に お け る 暴 走 事 故 : ・ : : : お. 原 子 炉 冷 却 材 の 温 度 低 下 事 故 : ・:::お. 制 御 棒 飛 び 出 し 事 故 ::::-M. 制 御 棒 引 き 抜 き 事 故 ・ ::::u. 3加 圧 水 型 軽 水 炉. 同 ホウ酸濃度希釈事故・::・:・お ::・・:お 蒸気泡つぶれ事故 ・. 炉心構造物の配置変化・失敗事故・::::幻. の審査はでたらめである。. ・ 犯 外 部 か ら の 異 物 混 入 事 故 : : ::. ﹁暴走事故﹂. 燃料棒取扱い失敗事故・::・・;お ま と め ・ ::・・:ぬ. 本件安全審査における. チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 に よ る 被 害 ・ : ・ ::-U 放出放射能量:・:・ : -u 事 故 に よ る ヨ ー ロ ッ パ な ら び に 世 界 各 国 の 被 害 ・ ::::u. 日 本 に 及 ん だ チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 の 被 害 ・ ::::M. - フ ォ ー ル - ア ウ ト の 影 響 : ・ ・ ::-M. 2 輸入食品による放射能汚染・::::日. ﹁立地審査﹂. さらに明らかとなった。. チェルノブイリ原発事故によって本件許可処分の違法、 とが、. 安全審査における. の役割と意義:::・:臼 伊方の立地審査と災害評価の誤まり:・:::日. 原判決が破棄されるべきこ. 本件伊方原子炉でチェルノブイリと同規模の事故が発生したときの被害の検討:・:・・:叩. 3 9. -n 2 チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 の 暴 走 事 故 と 、 複合・同時共通事故のおそろしさ:・:・ :. ::ω -反応度事故の要因:・:. 加圧水型軽水炉. 暴 走 H 反 応 度 事 故 ・ ::::n. はじめに:・:・・:お. 軽水炉に迫る暴走事故の危険:・:::お. ﹁. RBMK. -m ソ連の原発技術の水準:・:・ :. 2 日 本 の ﹁軽水炉﹂. 第五. 同 仁) ( 一 ) 担). 国. ( oい) 廿. ヰ ヤ. り. ,‘. U :. 同. 6 2. 四 四 四. 第 第.

(6) ,. T M I事 故 は 、 一審判決の誤まりを明らかにした。. : 印 刷 ﹁規制法﹂ 解 釈 の 誤 ま り : ::・. 本件許可処分が取消されるべ. 本件許可処分の違法性を左右しない. チェルノブイリ原発事故によって原判決が破棄され、 きことがさらに明らかとなった。. ﹁人為ミス﹂ つぎの大事故の危険を警告する。. 原発技術システムの欠陥と表裏一体である。. つぎつぎに起こる原発事故::::・白 多 く の 原 発 事 故 が 警 告 す る 大 事 故 の 危 険 ・ : : :: 的. ω - ス ク ラ ム 失 敗 事 故 : ・: ・ ・: 2 大 L O C A事故::::・卯. 3 E C C S配 管 破 断 事 故 : ・ : : : 引. ・ :. :::目. 4 小 L O C A の 原 因 と な る ﹁弁﹂ の事故::::・目. 5機 器 冷 却 水 の 喪 失 事 故. 6 蒸気発生器細管事故:・:::目. 7 電源喪失事故:・:・ :-M. 9 流量喪失事故・::::% 日冷却材ポンプの破壊事故::::・% 日人的要因による事故・::・:・% ロ 火 災 事 故 ・ ::::w 日ミサイルによる事故::::・開 日地震による事故:・:::伺. イ. ド. ツ. 1 0 3. フイソラソド・::・・・・ ω. スイス・::・・:問. スウェーデン・:・:・・・白. ソ 連 及 東 欧 諸 国 ・ ::::m. チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 が 、 全 世 界 の原発建設計画に与えた影響と日本・:・::・ ω. おまとめ・::::∞. 6 5. 8 3. - 原 判 決 の ﹁規制法﹂ 解釈の誤まり・::・・:加. とする原判決の. T M I事 故 の 原 因 は 運 転 員 の 人 為 ミ ス で あ り 、. 原発事故の分類と日本の安全審査体系・::::九. 6 7. 8 5. 原発に続々と起こる事故は、. 』 ま. 8 制御系配線の損傷事故・::::倒. 第六. 2 西. 第七. 四 /'¥. 五 -'--. 四. 五.

(7) 一六. オーストリア:・・:・:刷 デンマーク:・・::・刷 イ ギ リ ス ・ :・ :・:問 ユ ー ゴ ス ラ ビ ア : ・ ・ ::-m イタリア・:・:・:川 ポ ル ト ガ ル : ・ ・ ::-m メキシコ・::・:・削. フ ィ リ ピ γ ・::::川. ::::-m. アメリカ・:・::・附 その他の諸国 日本:・:・・:川 おわりに:・・:・:m. はじめに. ソ連チェルノブイリ原発事故が起こって、 故の二ヶ月後である一九八六年六月二五日に、 を提出した。. はや満二年が経過した。. 上告人らは、. ﹁補充書﹂. との事. 核燃料サ 本件許可処分が違法で. 安全確保技術の欠陥、. 最 高 裁 判 所 第 一小 法 廷 に ﹁ 上 告 理 由 補 充 書 ﹂. 一審以来上告人らは、 原子力発電技術の本質的危険性、. 右の第一. 1 マイル島原発. 第一審及び原判決がすみやかに取. に加えて、. その後. 回. イクルの未確立、 許可処分・安全審査手続の杜撰さ等を指摘して、 あり、 取 消 さ れ る べ き も の で あ る こ と を 主 張 し て き た が 、. 一九七九年三月に起こったアメリカのスリ. 7. 事故に. さらに動かし難く明白となったとの主張を内容とする. この事実を無視してなされた本件許可処分、. 消・破棄されるべきであることが、. メλ. 事故についての. 事故の原因や経過、. と し て 、 さ き の ﹁補充書﹂. 必ずしもその全貌が明らかとなっておらず、. その提出が事故後間もない日のものであったため、. ものであった。 しかし、. よる広汎な被害の状況など、. L_. 資料も限られたものであった。. ﹁上告理由補充書. 一 一 、 、 '. のであり、. 二号炉の事故と共に、 放射性物質を大量に環境へ放出する原発の大事故が現実に起こるも. のチェルノブイリ原発事故が、. は. ム. 本補充書は、. (. - 1. 回. / 、. 九. / ¥ 七. 。 四. 五. 第 / ¥ 第.

(8) 1. 九八六年八月にソ連が発表した、 大 ﹂ pり. 一九八七年五月、. ﹁事故調査報告書﹂ 等の資料、. ﹁チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 報 告 書 ﹂. 日本の原子力安全委員会が発表した、 右事故に関する. チェルノブイリ原発事故の全容と本質を明らかに. に日時の経過とともに、 ますます明らかとなった地球的規模の放射能汚染による破滅的事 故の実態を示す多くの資料にもとづき、. 一九八六年八. そして原判決を破棄し、 本件許可処分の取消を求. さらに明確に述べるものである。. であったことが、. この事故と本件許可処分との関係、. める所以を、. チェルノブイリ原発事故 原発の暴走事故 チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 は 、 原 子 炉 の ﹁暴走事故﹂. 月の IAEA (国際エネルギー機関) の 事 故 検 討 委 員 会 に 提 出 さ れ た ソ 連 の 報 告 書 で 明 ら かにされた。 核分裂. (連鎖. その中性子がまた別のウラン二三五に核分裂を起こさせる。. 原子炉の燃料であるウラソ二三五は、 中性子の衝突によって核分裂を起こすが、 は新たに中性子を生み出し、. 軽水冷却沸騰水型原子炉. イト) が使用されており、. (RBMK). と呼ばれている。. 水は冷却材としての役割しか受持っていないので、. ﹁黒鉛減速. チェルノブイリ原発の炉は、 原理的には沸騰水型であるが、 減速材として黒鉛(グラファ. としての水は、 原 子 炉 の 過 熱 を 防 ぐ 冷 却 材 と し て の 役 目 も 兼 ね る の で あ る 。. ﹁軽水炉﹂ と 呼 ば れ る 。 減 速 材. ﹁ 沸 騰 水 型 原 子 炉 (BWR). では、. ウラ γ 二 三 五 の 原 子 核 を 透 過 し て し. その噴出力. 原子炉はこの核分裂によって生じるエネルギーを利用する目的でつくられた装置. 核分裂エネルギーで水を熱し水蒸気をつくり、. ﹁ 加 圧 水 型 原 子 炉 (PWR). や. て停止させる装置が備えられ、 云うまでもない。 そのために、 原子炉には、. これらの装置が有効に働くことが必要不可欠であることは. カドミウムやホウ これを駆動装置で炉心に出し入れ. ﹁制御棒﹂ が 備 え ら れ て い る 。 制 御 棒 は 、. 素など、 中 性 子 を 吸 収 し や す い 材 料 で つ く ら れ て お り 、 して核分裂反応を制御する。. - 2. や. こうして次から次へと、 ネズミ算式にさらに多くの核分裂が連鎖的に拡大していく 反応). ﹁発電用原子炉﹂. 本件伊方原発の. L一 一. まうので、 核 分 裂 の 効 果 を よ く す る た め 、 減 速 材 が 必 要 と な る 。. 核分裂で生まれた中性子は、 そのままでは高速で、. で 発 電 機 ( タ l ピ ソ ) を回転させ、 電 力 を と り 出 す の で あ る 。. は. 重水ではなく、 減 速 材 と し て 普 通 の 水 が 用 い ら れ る の で 、. L一 一. である。. 。. 原子炉を運転するためには、 核分裂反応を一定範囲内に制御し、 またこれを必要に応じ. し一ー. - 3一. し 第.

(9) 軽水炉の減速材である水も、 この場合は、. 水の減少. ﹁ドップラ l 効. 必然的に冷却効果が失なわれるので、. その増減によって核分裂反応が左右されるので、. は反応を抑制することになるが、 溶融などの事故の原因となることがある。 そのほか、 核 燃 料 の 温 度 が 直 接 に 反 応 度 に 影 響 を お よ ぽ す 効 果 の たとえば燃えないウラソ二三八の中性子. それこそ大惨事となる。. このため共鳴をのがれる確率が減少して反応度が小さ. と云われるものがある。 温度が上昇すると、. に対する共鳴吸収の有効幅が増し、 くなる現象である。 もし、 原 子 炉 の 核 分 裂 反 応 を 制 御 で き な い 事 態 が 起 こ れ ば 、. 暴走は瞬時. 格納容器や建屋も吹き. と並んで、 原 子 炉 の 破 滅 的 事 故 で あ る 。. なのである。. ﹁炉心溶融事故﹂. ﹁暴走 H 反 応 度 事 故 ﹂. ﹁暴走事故﹂ に 進 み 爆 発 を 起 こ す 。 その衝撃で、 原 子 炉 の 圧 力 容 器 は も ち ろ ん 、 も作動する余. 莫大な量の放射性. ﹁ 非 常 用 緊 急 炉 心 冷 却 装 置 (ECCS). いわゆる ﹁二重三重の安全装置﹂ など何の役にも立たない。. 飛ばされる。 命綱とされている、 地がなく、. その後出力低下作業を再開した。 あるテストが. 五O パ ー セ ン ト. 二台のタービン発電機のうち. 事故を起こしたのはこのうちの四号機である。. の運転を続け、. 一時頃まで、. セソトまで出力を低下させ、. 子炉が設置されており稼働中であった。. O パl. 0メ ガ ワ ッ ト ). そこで、. 予 備 電 源 か ら の 給 電 で E C C Sポ ソ プ が 作 動 す. るまでの停電後の最初の四. タl ピ γ の 復 水 器 の 水 を 原 子 炉 内 に 送 り 込 原子. その際の給水ポソプの電源としては、 炉停止後も回転を続けているタ!ビソの慣性を利用して発電機から電力をとり出して、. み E C C Sの 機 能 を 助 け る こ と に な っ て い た 。. O J 五0 秒 間 だ け 、. 原子炉の給水が停止してしまう。. 主循環ポソプが停止し、. なおこの型の炉は低出力での安定. 0 0 0 メ ガ ワ ッ ト か ら 七 0 0メ ガ ワ ッ ト 程 度 に 低 下 す る 間 に 、 運転員はそれを実施した。. テストの内容は以下のようなものであった。. 実施されたテストの内容. 性に問題があると云われていたとのことである。. あらかじめ計画されており、. 熱出力が一. 出 力 一 六0. 一台を停止した。 し か し 給 電 指 令 の 要 請 に よ り 、. 午後一時頃には定格の五. 問機は定期点検のため停止することになっており、. 四 基 の R B M K 一O O O型 原. はかり知れない被害を与えるのである。. チェルノブイリ原発事故の原因と経過. 物質が環境にばら撒かれ、. 竺 コ. 事故前日の一九八六年四月二五日、. ソ連のウクライナ共和国チェルノブイリ原発には、. 事故直前の運転状況. 炉 心 現i. - 4ー - 5一. 午 後. d. ' -. 果 れ. 原子炉の運転中に停電するという緊急事態が発生したときは、. 2. ヲ ー 、 ー ー. > -. 1. L_. 』 ま. が.

(10) れを充てることにしていた。 しかし、 当 然 の こ と な が ら 、. これまで一九八二、. 転数はだんだん減少していくが、 低下する。. タl ビ ソ の 慣 性 を 利 用 し て 発 電 す る 場 合 は 、. タl ビ ソ の 回. それにつれて、 発電機からとり出せる電力もゆっくりと. テス. そこで今回は改良した制御装置を発電機. 一九八四年と二年ごとにおこなわれていたテストでは、. 圧が急に下がりすぎたため失敗を繰返してきた。 それで期待どおりの電力供給ができるかどうかをテストしたのである。 四台の循環. 一O パ ー セ ン ト 以 下 で. うまく電気が取り出せるかどうかを調べることにしていた。. 停電を模擬してタービンを停めタービンの回転余力で生じた電気を、. にとり付け、 トでは、 ポ γプに送り、 テストの失敗 出力は急に定格の. キセノソの蓄積 よ う や く 二0. 0メ ガ ワ ッ ト. (これらはいづれも、 核 分 裂. そとで運転員は、 制御棒を引き上げて、 出力を増加. ところが出力低下を再開して間もなく、 ある二一 0 メ ガ ワ ッ ト に ま で 低 下 し た 。 さ せ よ う と し た が 、 気 泡 ( ポ イ ド ) の減少、 のため、 出 力 は 思 う よ う に 上 昇 せ ず 、. このときには反応度操作余裕はいちじるしく不足した状態になっていた。. 反応の抑制要因である) に達したが、 手順書に従って、 給水ポソプの流量. 運転. 規定値を超えて流量過大となり、. 一層反応度余裕を失うこととなった。. そのときの炉の出力が低すぎたため、. 運転員は、 気 水 分 離 器 の 水 位 が 低 下 し す ぎ た た め 、 を増加させたが、. 冷却がいちじるしく不安定となったばかりか、. 員はまた、 気 水 分 離 器 の 水 位 ・ 圧 力 の 変 動 に よ っ て 原 子 炉 が 自 動 緊 急 停 止 す る の を 防 ぐ た この停止信号をバイパスさせた。. 一アス. テストは運転中の残る一台のタービンをトリップさせることからはじ. タ!ピ γが 二 台 と も 停 止 す れ ば 、 原 子 炉 は 自 動 停 止 す る 設 計 で あ っ た が 、. この状態の中で、 められた。. 運転員はこの停止信号もバイパス. O倍の出力に達したものと推定されている。. 0 0 0ト γ の 遮 へ い 体 が. 大量の蒸気が急激に発生し、 重さ一. 原子炉を過. そのわづか四秒後には、 定格. 運転員は出力の異常な上昇に気がつき、. ボイドが増加し、 出力が上昇しはじめた。. 発電機に接続されていた冷却材ポンプの回転数が予定ど. トを反復しておこなう必要が生じたとき便利なように、 させた。 タl ピ ソ ・ ト リ ッ プ と と も に 、. O 秒、. おりに徐々に減少し、 冷却材流量が減少して、 事故発生. さらに一秒後には四八. 間に合わず、 炉 は 暴 走 状 態 と な り 、. 四月二六日午前一時二三分四. O O倍、. 停止ボタンを押したが、 の一. この事故によって燃料の相当部分が破砕され、. 圧破壊させた。 破壊は激烈で炉上部の直径十数メートル、. 浮上って横倒しになり、 すべての圧力管を破壊し、 炉心で生じた水素の引火爆発などによっ. - 6一 - 7-. 3. 4. 電 緊 急. め.

(11) 二回目の爆発が水素爆発. て、 原 子 炉 建 屋 も 大 き く 破 壊 さ れ た 。 目 撃 者 の 話 で は 、 数 秒 間 隔 で 二 回 の 爆 発 が あ り 、 温 の 物 質 が ﹁花火のように﹂ 吹 き 上 げ ら れ た と の こ と で あ る が 、. た。 消 火 作 業 が 一段落すると、. その影響で消火作. ヨーロッパ 一円は云うに及ばず、 日本を含. 原 発 周 辺 三0 キ ロ メ ー ト ル の 住 民. 五月六日頃一応おさまったが、. ソ連国内はもちろん、 人類史上最大最悪の事故となっ. チェルノブイリ原発事. ﹁報告書﹂. 事故の. でしか事実を知る. こうした大事故の場合であっても、 事故に責任あ. る当事国ソ連の、 さ ま ざ ま な 政 治 的 意 図 の も と に 作 成 さ れ た. 故 の 原 因 と 経 過 の 要 約 で あ る 。 しかし、. 以 上 が I A E Aに ソ 連 が 提 出 し た ﹁ 事 故 報 告 書 ﹂ が 描 く 、. まとめ. たのである。. む全地球的規模で莫大な量の放射性物質がまき散らされ、. が強制退去させられた。. 業に従事した消防手をはじめ多数の死傷者が出たほか、. その結果、 放 射 性 物 質 の 大 量 放 出 は 、. 炉 の 上 空 か ら 落 下 さ せ 、 炉を封じこめ、 放 射 性 物 質 の 放 出 を 押 え る 措 置 が と ら れ た 。. ヘリコプターなどから、 鉛 ・ 粘 土 な ど 多 量 の 遮 へ い 材 な ど を. 炉心の減速材である黒鉛にも火がつき、 大量の放射性物質が外部に放出される結果となっ. なのか、 核 暴 走 爆 発 な の か は 、 不 明 な ま ま で あ る 。. ' , . " < ) .. 国家ぐるみの巨大技術である. ことができず、 多角的な国際的規模の共同調査さえ実施されていない現状では、 ﹁真相﹂ は ま だ 多 く の 謎 が 隠 さ れ て い る と 云 わ ざ る を 得 ず 、 原子力発電のもう一 つのおそろしさを示しているのである。. iJ-. 1-. イ 一 ブ 一 ノ一. ヱ 一 辺. I------i30km. ル 一 国 チ一周. トー→ IOkm. - 8- 9一. 5.

(12) の内容. ソ 連 の ﹁事故報告書﹂ ﹁報告書﹂. ﹁報告書﹂. 原発建設の計画を立案・推進し、 その運転を命じてい. 事故の直接の原因を、 運転員が重大な規則違反を数多く冒したことに求. 相変らずのトカゲの尻尾切りをその基調としている。. る者たちの責任を関わず、 安全対策の欠陥を隠し、 現場の運転員たちに責任を転稼した、. ソ 連 の ﹁事故報告書﹂. 批 判. t 主. (ECCS) が 切 り 離 さ れ て い た 。. テストは通常の手順書から離れて行うからテストで. 事の真実を余りにも倭少化す. もし事 チェルノブイ. ソ連 の 他 の 原 発 で も お こ な わ れ て き た に 違 い な い 。. 原発における安全確保の閤難性 原子炉本体とは直接関係ない発電機についてのテストが、. そのまま大事故に至っ. 問題の本質は運転員の人為ミスについて云々することには存しないのである。. リ原発で過去にも実施されてきたし、. 故が起これば、 も っ と も 危 険 に 晒 さ れ る の は 彼 ら で あ る 。 同様のテストは、. まさかこのような大事故になるとは毛頭考えていなかったことだけは間違いない。. かりに、 運 転 員 た ち に 右 の 各 点 に つ い て 、 規 則 違 反 が あ っ た と し て も 、 運 転 員 た ち は 、. るものと云わなければならない。. あり、 右 六 つ の 点 を す べ て 運 転 員 の ミ ス に し て し ま う の は 、. 問 題 が な か っ た わ け で は な い 。 また、. しかし、 そ も そ も 運 転 員 が 命 令 さ れ て い た テ ス ト 計 画 自 体 が 炉 の 実 情 に 照 ら し 不 適 切 で. などの六つの点である。. 最大想定事故を保護するシステム. 気水分離器内の水位レベルと、 蒸気圧に関する保護信号をバイパスした。. 二基のタ i ビソ発電機の停止信号にもとづいた炉の保護信号をバイパスした。. 規定の流量を超えて、 原子炉冷却水の流量を増加させた。. 出力が試験計画で指定されているものより低かった。. ﹁反応度操作余裕﹂ が 許 さ れ る 値 よ り 著 し く 少 な か っ た 。. その規則違反としてとくに指摘している点は、. 』 ま. とがその結果必然的に要求されるが、. 各種各様の配管の長さ こ れ ら の ど の 一部 の 故 障 や 不 調 も 運 転 や 安 全 確 保 故障や つの信頼度が極めて高度であるこ これはその膨大な数を考えると、 達成困難な課題で. 事故の可能性は飛躍的に増大する。 各構成要素の一. に深いかかわりを持つ。 その構成要素である部品や機器の数が多ければ多いほど、. 長大なものとなっているのである。. 発電という目的のために複雑に組合わされた巨大な有機体である。. たチェルノブイリ事故の例が示すように、 原発は約三千万点にものぼる数の部品や機器が、. 2. -1 0-. 1 めている。. 同 伺). ヤ 今 同 ある。. つ. 一 1 1. 仁j も.

(13) アナログ信号. 11000-. 100α3 開伺. 8 0. 7 I Kl() -. ∞-. O b t i ( : hi r n . _ S t a < le. I I ぬ0. 60. 50 叩ー. テストを継続したが、. 人間の関与と事故. 原子炉が. 九八五. どの部分の故障や不具合が全体にど. 上 図 は 一 九 六O 年 か ら 年に至るまでの聞の西ドイツ 発の運転室に供給されている各種. 最近の. 一 万 三0 0 0 に も. 信号の数の増加を示すが、 ものはその数は 及んでいる。 二つ以上の部品や機器の故障が 同時に起こることは稀ではなく、 その故障の組合わせの多様さと、. そのこ. 信号の数の膨大さを考えると、 転員がその実状を把握し、 とがひき起こす結果を知り、 に対応することは極めて困難と云 わなければならない。. その振舞いの複雑さ、. 一触即発の危険状態にあることに気づか. 巨大システムに固有の、. そのことが根本的に重要なのである。. その背景には、. 一九八五年一月から一九八六年一. か 一九八三年 IAEA-. 原発で起き. O パーセントまでは人間の過誤が絡ん. による実地調査で、. ロi ゼ ソ 原 子 力 安 全 部 長 が 、. O 月までの聞に 三一件に及んでいる。. 、スの問題点をつきつめると、. 点検手続. 一三 O 件 に も の ぼ る 事 故 や 故 障 の う ち 、. それによると、. l マソファクター研究セソタ l のグループも、. 五O パ ー セ ン ト か ら 七. l ソイソタ l フェイ. 誤操作などの人的要因が絡んで. これまでの大事故の歴史をふり返って. そこには必ず何らかの誤判断、. 人は誤まる存在である。. (西独の原発の場合). 東京で聞かれた原発の安全性を探究するマソマシ. ほとんどの場合、. 運転室に来ている信号の数. 原発にかぎらず、. 実状検知の困難性があったのであり、. みても、 いると云ってよい。 一九八八年二月、. 原発の運転年. ﹁ 安 全 運 転 再 評 価 チ l ム﹂. I A E Aの モ リ ス. るすべてのトラブルのうち、. 八月から実施した各国の原発の. ス国際会議でも、. U 80 7 5. 7 0 65. 1 9 6 0. 本の原発で起きた人為ミスの絡む事故や故障の原因の分析結果を報告した。. 日本原子力発電と電力中央研究所ヒュ. でいると報告した。. ←一一~. ~ 10αJ.. ~ h. 四 ー 喧 ー ー ー ・. 3 l 泊0-. 運. つ複雑であればあるほど、. ∞. 人間のミスが絡んだのは、. 日. システムが巨大か. バイナリ一信号. 120 似)-. の 原. 適 確. また、. ・ ー. 4 0 叩. • 。 ∞ ー. チェルノブイリ原発の運転員たちは、. 同以)(). のような悪影響を及ぼすことになるのかを見極めることは困難となる。. 130. 3. - 1 2. 1 3. 信号の数. ず.

(14) を定めるマニュアルの不備によるものが七一パーセントとなっている。 さ ら に 園 内 に あ る 原 発 一 四ヶ所の運転員、 保 安 員 に ﹁過去にヒヤリとしたり、 ハッル﹂ 1u. (OECD- N E A ) の 作 業 グ ル ー プ は 、 チ ェ ル ノ プ. た 経 験 ﹂ を 聞 い た と こ ろ 実 に 三 O O O人 近 く か ら 回 答 が 寄 せ ら れ た と 云 う こ と で あ る 。 た、 経 済 協 力 開 発 機 構 ・ 原 子 力 機 関 ﹁人為ミス﹂ が 事 故 を. ﹁運転員の認識上の間違いによる誤操作は決してま. イ リ 事 故 後 設 置 さ れ た が 、 T M I、 チ ェ ル ノ ブ イ リ 両 原 発 事 故 は 、 破 局 的 な も の と し た 、 としながらも、 れなものではない﹂ という結論を出している。. それが大事故. ﹁運転員の間違いを. ですまされてよい筈は絶対にない。 OECD-N. しかし、 原 発 の よ う に 一歩 誤 ま れ ば と り 返 し の つ か ぬ 大 災 害 を も た ら す プ ラ ソ 卜 の 場 合 、 ﹁人為ミスだったから仕方がなかった﹂. E Aの作業チ l ムの責任者のイギリス原子力公社のバラード部長は、 完全に排除することは極めて困難だ。 運転員が間違いを起こした場合にも、 につながることを防いで、 すみやかにシステムを回復・復旧できるような多重防護措置を 講 じ て お く こ と が 必 要 だ ﹂ と警告した。 原 発 は 人 為 ミ ス に も か か わ ら ず 、 事 故 を 防 止 す る. このようなシステムの確立は、 今後の課題. システムが確立していなければ建設や運転が許されては断じてならないのである。しかし、 現実はバラード部長の警告に明らかなように、 とされているのである。. しかし、 完 全 な. ﹁ 人 は 誤 る 存 在 で あ る ﹂ から、 原 発 か ら 人 間 の 関 与 を 排 除 し て 、 自 動 化 す れ ば 人 的 要 素 による事故を免かれることができるのではないかと考えることもできる。 自動化は不可能であり、 また実際的ではない。. このようなシステムの、 時 々 刻 々 の 状 態 を 示 す 常 態 変 数 ( パ ラ. さきに述べたとおり、 原発のような巨大システムは、 多数の構成要素・機能が複雑かっ 有機的に結合されているが、. メータ) は極めて多数で、 しかもその全体、 あ る い は 各 パ ラ メ ー タ 相 互 に ど の よ う な 関 連. それらにより検知できるパラメータは. これらのことがすべて解明されてからの話である。. があり、 意 味 が あ る か を 予 じ め 知 り 、 ま た 現 に あ る 事 態 か ら 推 定 す る こ と は 不 可 能 で あ る 。 完全な自動化は、. いかに多くの測定器や信号器をとり付けても、. 全体のごく一部にしかすぎず、 各パラメータ間の相互関連に不明な点が極めて多いこと を考えると、 検 知 で き た も の を 正 し く 位 置 づ け 、 正 し く 意 味 評 価 を 下 す こ と は 甚 だ 困 難 で ある。. ( 運 転 員 や 点 検 員 ) カ@ ミ 、 さ ま ざ ま な 変 化 や 異 常 を 早 期 に 発 見 し 、. これまで. 誤る可能性がつねにあるとは云え、 原発を運転しようとすれば人間の関与は不可避であ 実際に人間. カソ等にもとづき、 事 態 の 真 相 を 素 早 く 察. -1 4- 1 5-. ま. 知し、 適 切 に 対 処 し て 事 故 を 未 然 に 防 い だ 事 例 も 多 い 。 人 間 の 誤 り に よ る 事 故 は 、 巨 大 シ. 経 験 し な か っ た 事 象 に 対 し て も 、 知識、 経験、. る.

(15) ア メ リ カ の T M I原 発 事 故 に 続 い て 、 あ ら た め て 原 発 が 莫. ステムである原発の安全確保技術の困難性の不可分の反面なのである。 チェルノブイリ原発事故は、 大な量の放射性物質という超毒物の製造・蓄積工場であるという、 原子力発電技術が人類 のみならず、 す べ て の 生 物 の 生 存 と 相 容 れ な い 本 質 を わ れ わ れ に 突 き つ け る と と も に 、 た とえ人的要因が絡んだとはいえ、 それを大事故に至らしめることを防止する設備やシステ. のように、. そのま. その責任を回避しようとする. ほ ぼ ソ 連 の ﹁事故報告書﹂. 必死に隠蔽し、. 今回の事故の経過や原因については、. その慣行を早急に改める必. との結論. 国 民 を 意 図 的 に 愚 弄 す る た め の も の で な け れ ば 、 度 し が た い ﹁夜郎自大﹂. 発電から の全面的撤退を具体的に着手することを決めたにもかかわらずである。 これは、. ソ連の報告書と同様に、 運 転 員 の 規 則 違 反 を 強 ソ 連 の R B M K型 炉 が 日 本 の 軽 水 炉 と 比 較 し て 不 安 定 な も の で あ り 、. 事故の原因についても、. と云わなければならない。 ﹁報告書﹂. の言. ヨ ー ロ ッ パ を は じ め 、 全 世 界 の 各 国 が 、 T M I事 故 に 続 く 今 回 の 事 故 の 衝 撃 で 、 原 子 力. と驚くべき見解を表明している。. を得た﹂. 慮して定めた、 原 子 力 防 災 体 制 及 び 諸 対 策 を 変 更 す べ き 必 要 性 は 見 出 さ れ な い 、. 要あるものは見出されず、 また防災対策についても、 我 が 国 の 原 子 力 発 電 所 の 特 徴 等 を 考. ていることから、 今回の事故に関連して、 現行の安全規制や、. の 設 計 ・ 建設、 運 転 等 の 各 段 階 に お け る 真 撃 な 努 力 に よ り 、 現 状 に お い て も 十 分 確 保 さ れ. ﹁我が国の安全確保対策の現状を調査した結果、 我が国の原子力発電所の安全性が、. ま で あ る 。 そして、 そ の 結 論 と し て 、. ﹁報告書﹂. 態度に終止するものであり、 怒りを禁じ得ない。. はや誰の目にも明らかになっている事実を、. 設を推進してきた三六基にのぼる日本全国の原発に、 事故の危険が迫っていることが、. 彼らが中心的役割を荷って建. の内容は、 原 発 史 上 も っ と も 深 刻 な 今 回 の 事 故 の 教 訓 を 真 剣 に 受 け 止 め. 一九八. チェルノブイリ事故の原因を、 運転員のミスに倭少化. ムを確立することが困難な、 危険な技術であることを端的に示したのである。 ソ 連 の ﹁事故報告書﹂ することを断じて是認することはできない。. の内容と結論. 原 子 力 安 全 委 員 会 の ﹁事故調査報告書﹂ ﹁報告書﹂ は. チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 に つ い て の ﹁調査報告書﹂ を 発 表 し た 。. 日本の原子力安全委員会の ﹁ソ連原子力発電所事故調査特別委員会﹂. 批 判. ょうとする真撃な姿勢がまったく見られないばかりでなく、. こ の ﹁報告書﹂. 七年五月二八日、. 四. 調 し て い る が 、 他方、. 一 1 6- 1 7一. は は. も そ. l.

(16) 設計において. ﹁多重防護﹂. ﹂. 型炉より安全か。. ﹁日本. とくに重要と思われ. あらた. 日本の安. これらの認識をふまえ. の思想が徹底されておらず、 安全機能の維持が、 運転員に対す そして、. チェルノブイリ原発事故との関連で検討してみても、. その審査のもとに建設・運転されているすべての原発について、. 日本の原発について、. る規則という形でしか担保されていないと指摘している。 て、 全審査の現状や、. の多くの問題点のうち、 本件許可処分との関係で、. て問題とすべき点のないことを強調していることはすでに述べたとおりである。. 以 下 ﹁報告書﹂. ﹁. 事 故 を 起 こ し た ソ 連 の R B M K型 炉 は 、. RBMK. 明確にその誤りを述べるととにする。 ソ連の. ﹁報告書﹂ と決めつけてい. 本 件 伊 方 炉 と 同 型 の P W R型 炉 で あ っ た の で 、 さも安全確保に重大な違いを. しかしソ連の技術水準は、. 原審でも被上告人が同様の主張をしたことを思い. の手口も前回と同工異曲である。. に着手した国であることを忘れ. この炉はチェルノブイリと同じ. (以下 F B Rと い う ) の 三 本 立 て. 九六四年完成のノボポロネジ原発(電気出力二一万キロワツ. チェルノ. 気体廃棄物の放出時の放射能のモニタリソグを重視し、. - 1 8一. る点を中心に、 日 本 の ﹁軽水炉﹂. ﹁報告書﹂. い わ ゆ る ﹁原子力平和利用﹂. なんら遜色あるものではない。. そ の う ち 、 P W Rは. 五万キロワット) 一 九 七 三 年 に B N 三 五O ( 電 気 出 力 一. ソ連は原発技術については、. を標準型として、 以来各地で建設をはじめた。. が完成し、 l ド の 近 郊 に 出 力 一 O O万 キ ロ ワ ッ ト の R B M K. ソ連では原発立地についても、. 旧式どころか、 約二年四ヶ月前に運転を開始した新鋭炉な. 一0 0 0型). ブイリ四号炉もこの型であり、. は こ の 型 (RBMK. 一九七三年レニソグラ. 後進国どころか世界の最先端を行く固なのである。. 一 九 八 五 年 の 統 計 で は 、 総 数 五O 基 の 民 生 用 原 発 を 保 有 し 、. いう商業炉が運転を開始している。. が 最 初 で あ る 。 F B Rは、. である。. 、 それに高速増殖炉 ソ 連 の 原 発 は 、 R B M Kと P W R. く R B M K型 で あ っ た 。. 一九五四年六月小型のオプニジスク原発が完成したが、. てはならない。. ソ連は、 世 界 に 先 が け て 、. 諸国のそれと、. 今回の. もたらすものであるかのように宣伝し、. 府や電力会社が、 もっぱらメーカーや若干の仕様の差異を、. ア メ リ カ の T M I原 発 事 故 の と き は 、. 多重防護の思想が徹底していない﹂. t ま. ソ連の原発技術の水準 前述のとおり、. の軽水炉に比較して不安定であり、. 2 のである。. ソ. - 1 9-. 政. と. 西 側 連. 、. ( 一 ). は. め る. 出 す ト.

(17) 自然通風がよく低人口地帯であって、. (一九八八年一月). るとき口っている。 また、. 集落が風上にあるような場所を選んで建設されてい. i ル地方で計画中の原発が地震発. の直近、. 立地の選定についても慎重に考慮され. 連南部のクラスノダ. 生率が 高いことを理由にとり止めになったように、 ﹁中央構造線﹂. O J 二0 キロ. ここには恒常的居住、 保健関係施設の設. のまっ只中に建設されているのである。. ている。 他 方 本 件 伊 方 炉 は 、 地 震 の 発 生 源 で あ る 最 大 の 活 断 層 、 ﹁特定観測地域﹂. 原発周辺には衛生防護地帯が設けられ、. しかも地震の巣の また、. 型炉の構造. 一八本の燃料棒で一組になった燃料集合. (チャソネ. その聞に多数の穴があり、. 黒鉛を使用していることである。. その管の中に、. その中. ( R B M K一O O O型) の 構 造 で 特 色 が あ る の は 、 減 速 材 と. 安. ﹁保健省国家衛生監督部﹂. 環境モニタリングは原発から半径一. ﹁特別空間線量測定班﹂. 食品加工場の建設は許可されない。. メートルの地域について、 発電所の. 事故が起こればこれらの対策がいかに空しいものであ. ソ連でも 日米や西欧諸国と同等またはそれ以上の技術水準を保持し、. の機関によって実施されている。 以上要するに、 全対策を講じていたのであるが、. ﹂. るかが、 今 回 の 事 故 に よ っ て も 明 ら か と な っ た の で あ る 。. RBMK. ﹁. チェルノブイリ炉 して一般の軽水炉のように水ではなくて、. は二五セソチメートル角のものを積み上げ、. 一九六三本ある。. -八八. O 四トソに. 燃料の二酸化ウラソの濃縮度は. そのかわりその重量は運転開始時で二. 上下二段になって組み込まれている。. ル管という). 厚さ四ミリのジルコニウム合金でできた圧力管 を直径八・ 八セソチメートル、. ﹁黒鉛﹂. と. 炉心分の大きさは、. 圧力管と黒鉛を囲むようにして. 、 コγ ク リ ! ト と. e 二 メ ー ト ル 、 高 さ 七 メ ー ト ル も あ り 、 黒 鉛 フロック、. チャソネル等の集合体である。. チャ γ. メートルもあり、. ﹁原子力発電便覧﹂. にもそのように分. ットの規模で、 圧 力 容 器 の 直 径 は 約 四 メ l. 通産省編の. RBMK. 黒鉛の冷却と酸化防止をはかつている。. その大きさは直径・高さとも約. 原理的には沸騰水型であり、. 類されている。. 0 0型は、. ネルの中の燃料棒は、 運転中でも取替えることが可能な構造になっている。. の中にヘリウムとチツ素ガスを充満させ、. 鋼鉄の密閉されたかこいがあり、. 制御棒、. 直 径. 黒鉛中の穴を出入りする仕組みになっている。 核分裂反応をコ γトロールする制御棒は、 圧力管、. も及ぶ。. パl セ ソ ト と 軽 水 炉 の 場 合 よ り も 低 く 、. 体二体が、. が. RBMK. 2 0-. 最 近. トル、 B W R で も 直 径 六 メ ー ト ル の 中 に そ れ ぞ れ 全 燃 料 が 収 め ら れ て い る 。. O O万 キ ロ ワ. 。 。. -2 1. 仁) 日 本 の P W R の場合、 電 気 出 力 一. そ. ソ. 大. 置.

(18) j 発E 縄水 型軽水炉 ( BWR). 0 0型 の 場 合 は 炉 心 の 体 積 は 前 述 の よ う に 、 それらより格段に大きく、 圧力管 六九三体. より安全と言える。. それによっ て放射能もれがあったり、 炉心の安全性に. に分散して燃料が配置されているので、 熱密度がずっと低く、 また、 燃 料 集 合 体 に 破 損 が あ り 、 かかわる重大な原因となるようなことが発生したとしても、 日本の原発では検知が難しく、 その部分. F 、 令n“. u. -2 2-. ソ連炉ではより検知が容易で、. この点でもむしろソ連の炉の方が安全上優位. J. 燃料破損のままで運転を続行することになるが、 ており、. チエ jレノフィル原子力発電所・黒鉛減速軽水冷却沸機水型炉. ,. I i<と 寒 気的 混 合 物. を運転中でも交換できる構造になっ にあるといえる。. 加圧水型軽水炉 C PWR).

(19) RBMK. ﹁. ﹁報告書﹂. ﹂. チェルノブイリの原子炉には、. ﹁ソ連の原子炉には、 格 納 容 器. ﹁多重防護の思想が徹底されて. 型炉と日本の軽水炉の危険性について。. マスコミを利用して、. 日本の原発とは比較にならない安全確保上の欠陥あるものである﹂. が明らかとなっている。 ﹁報告書﹂ さすがそのようなことまでは述べていない。 チェルノブイリ炉は、 当初考えた以上に安全設計. アメリカ等の原発設計と同等の安全確保項目が十分とり入れられて建設 ﹁ソ連の安全性に対する. えない﹂ と 述 べ て い る の で あ る 。 前述のように RB. ﹁圧力容器﹂. 一六六一本の中に核燃料. めこんであるという点である。. その壊れたパイプだけを隔離. そのほかの圧力管に悪影響が及ばない設計なのである。. 二メートル、 高 き 七 メ ー ト ル と い う 巨 大 な 体 積 と な る の で 、. くらいである。. 必然的に単位体. この小さい体積の中で同じ発熱があれば、. ECC. かつて人. 、サイルとなって飛 そ の 遮 蔽 効 果 を 無 に し て し ま う 。 炉心は露出し、. 類が経験したことのないチェル ノブイリ事故以上の破局的大事故となるのである。. 散し、 格 納 容 器 を 貫 徹 破 壊 し 、. 壊 さ れ 、 R B M K型 炉 に は な い 災 厄 を も た らす。 圧 力 容 器 の 破 片 は 、. 対策を講じることが困難で、 全面的事故に発展する。 高圧を閉じこめている圧力容器は破. 事 故 対 策 も と り や す い 。 他 方 出 力 密 度 の 高 い軽水炉では、 瞬 時 に 事 故 が 進 行 し て し ま い 、. し た が っ て 、 事 故 が お こ っ た と き の 進 行 速 度 は 、 体 積 の 大 き い R B M K型 炉 の 方 が 遅 く 、. でもほぼ同じである 。. 位 体 積 あ た り の 発 熱 は 、 逆 に P W Rは R B M K型 炉 の 二 五 倍 に の ぼ る こ と に な り 、 B W R. は R B M K型 炉 の 二 五 分 の. 同 出 力 の P W R では、 炉 心 部 の 直 径 は 約 三 ・ 四 メ ー ト ル 、 高 さ 約 三 ・ 七 メ ー ト ル 、. -、 h 軽水炉にくらべて格段に小さくなるという利点がある。 積あたりの発熱(出力密度) カ. 炉心は直径. また、 R B M K型 炉 で は 一 八0 0ト ン に も 及 ぶ 黒 鉛 が 減 速 材 と し て 使 用 さ れ て い る た め 、. してしまえば、. 決定的な利点である。 どの一本の圧力管が壊れたとしても、. R B M K型 炉 が 多 数 の 圧 力 管 を 用 い て い る こ と は 、 軽 水 炉 と 比 較 す れ ば 、 安全確保上は. という圧力釜の中に核燃料を密集して詰. を 分 散 的 に 容 れ て い る の に 対 し 、 軽 水 炉 で は 、 P W Rで あ れ B W R であれ、. M K型 炉 で は 、 圧 力 管 と 呼 ば れ る 直 径 八 ・ 八 セ ン チ の 細 い パ イ プ. R B M K型 炉 が 日 本 な ど の 軽 水 炉 と も っ と も 構 造 上 違 っ て い る の は 、. 考え方は他の国に比べて相違があるとは思. さ れ て い る こ と を 一 致 し て 認 め て い る 。 O E C Dの 報 告 書 に も 、. が施されており、. アメリカや他の西欧諸国の専門家も、. も. い う 宣 伝 を 意 図 的 に 流 し て き た 。 しかし、 現 在 で は そ れ が 事 実 に 反 す る も の で あ っ た こ と. も E C C Sも な く 、. 事故直後にも政府や電力会社は、. いなかった﹂ と き め つ け て い る 。. は. Sも破壊を免がれたとしても、 冷却水を貯める圧力容器そのものが壊れたのであるから、. -2 4- 2 5-. と 体 積 単. 同.

(20) 有 効 に 作 動 す る 余 地 は ま っ た く なくなる。 も ち ろ ん 、 R B M K型 炉 に も 弱 点 は あ る 。 核 燃 料 の 冷 却 に 失 敗 し た と き 、 冷 却 材 (水) に 気 泡 (ボイド) が 増 え る が 、 ポ イ ド の 増 加 は 軽 水 炉 で は 反 応 度 が マ イ ナ ス に な り 、 A7回 の チ ェ. この性質の違いが大きな役割を果したと云われている。. は 低 下 の 方 向 を た ど る 。 しかし、 R B M K型 炉 で は 、 出力は増大の方向へ進む。. はじめに 原発の事故には、. えておかねばならない。. ﹁暴走 H 反 応 度 事 故 ﹂ である。. 原発の商業用利用の初期から、 もっとも重要視されてきたのが、. γト ロ ー ル で あ っ た こ と は 周 知 の と お り で あ る 。. この ﹁ 暴 走 事 故 ﹂. 原 子 炉 は 燃 料 の 核 分 裂 に よ っ て 熱 を 得 る 装 置 で あ り 、 本 質 的 に ﹁反応度がプラス﹂. マイナスなら つまり、 原 子 炉 が 臨 界 状 態 か ら 、 ど の く ら い ず れ て い る か を 示 す. ることによって臨界状態を保ちつつ発電をおこなう装置なのである。 出力を上昇させると. 原発は、 プ ラ ス の 反 応 度 を 利 用 し 、 そ れ を 制 御 棒 の 挿 入 な ど 、 反 応 度 マ イ ナ ス を 投 入 す. 量であるとも云える。. 減り、 臨 界 未 満 で あ る 。. 合いのことであり、 プラスなら中性子はふえ、 臨界超過であることを示し、. こ こ で 云 う ﹁反応度﹂ とは、 原 子 炉 内 で 核 分 裂 に よ っ て 発 生 す る 中 性 子 の 増 減 を 示 す 度. ができるだろうか。. よるもの等) のパラメータがマイナスであれば、 どうして核分裂を持続的におこなうこと. ければ発電をおこなうことはできない。 すべての反応度(核的・熱的・圧力的・不純物に. で な. の コ. らずとも、 人 為 ミ ス に よ っ て 予 想 外 の 事 態 が つ ぎ つ ぎ と 起 こ り 、 暴 走 事 故 に 至 る 場 合 も 考. 振動によって制御棒が入らず﹁暴走事故﹂ となる可能性も大だからである。 外的原因によ. 事 故 が 起 こ れ ば 、 電 源 も お そ ら く 喪 失 す る だ ろ う し 、 火 災 も 発 生 す る か も 知 れ な い 。 また、. こ と は 事 故 の 現 実 に は そ ぐ わ な い 。 たとえば、 大 地 震 に よ り 一 次 冷 却 材 配 管 が 破 断 さ れ る. これらの事故は相互に深く関連しており、 そのおのおのを単 一 にとりあげて問題にする. 源喪失事故、 そ し て と こ で 論 述 す る 、. 気 細 管 事 故 、 圧 力 容 器 破 壊 事 故 、 地 震 等 に よ る 外 的 (立地) 起 因 事 故 、 燃料取扱事故、. い ろ い ろ な 類 型 が あ る 。 L O C Aと 呼 ば れ る 冷 却 材 喪 失 事 故 、. 軽水炉に迫る暴走事故の危険. うに、 原 子 炉 の 暴 走 の 危 険 も 等 し く 内 包 し て い る の で あ る 。. を保証することにはならない。軽水炉には前述の出力密度が高い危険ゃ、 次章で述べるよ. しかし、 日 本 の 軽 水 炉 が こ の 点 で 違 っ た 性 質 を も っ て い る と し て も 、 なんらその安全性. ルノプイリ原発事故では、. 出 力 蒸. 電. 第. “ n r. a u. n. , 勾 “ ,.

(21) きは、 初期の原子炉の開発の歴史は、. ﹁核暴走事故﹂. まさに. に分類することができ. 的にプラスの反応度をいかに制御することができるかの技術を確立. 必ず反応度をプラスにしているのである。. ﹁じゃじゃ馬馴らし﹂ するための歴史であったのである。. ﹁過出力過度現象事故﹂. 暴走 H反応度事故 ﹁暴走事故﹂ 燃料の溶融あるいは蒸. 一次系の健全性も失われる。. その程度が大きい場合は、 大部分の燃料棒は、 核分裂生成物の. 米 国. 1 10万 ド ル の 鍋 害 B W R 米 屋 アイタ'ホ・ 7..-)レ. L. 19 69. 4. ∞kPoinも B W R 米 B i gR. 国. s. クス炉. P N. 1300 0万 ド ル の 銅 寄. ているのである。. それが商業用発. い い 、 何日日 H. 44'. ﹁日本の原発で. う偽蹴的な姿勢を表面的にはとり続け. はおこる筈のない事故である﹂. 責任にも依然として、. の 連 中 は 大 い に 驚 樗 ・ 動 揺 し た が 、 ,r. 故であったという報道に接した推進派. チェ ル ノ プ イ リ 原 発 の 事 故 が 暴 走 事. のである。. 全世界の人びとの恐怖のうちに示した. 電所で現実に起こるものであることを. ノブイリ原発事故は、. な過去の実例に加えて、 今回のチ. この表のよう. ﹁二重三重の安全装置﹂ を つ け て い る か ら. 暴. ニ コ. と. イタリア. 19 6 7. マグノヲ. ミシガン. F B R. z. 19 6 1 .. 3名 死 亡 4 3 5万ドルの担1 ・ B. 走. 爆発による爆風力によっ て 、 すでに述べたとおり、 原子炉容器も破壊され、 まさに破局. 6名被幡、 l名 死 亡. 九. ルノプイリ事故はこのような事故だったのである。. ユーゴスラピ7. 国. ノ レ. 的事故となる。. 障壁としての機能を失い、 爆発によっ. 発とい った損傷を起こす。. いづれの場合も、 原 子 炉 出 力 の 急 激 な 上 昇 に 伴 う 発 熱 に よ り 、. と. 次の表は、 過 去 に 発 生 し た 炉 心 溶 融 事 故 を 示 す が 、 これらの事故のうちの多くは、 事故に分類できるものである。 との表の中の 一 九 五 四 年 の B O R A X - -の 事 故 ゃ 、 六 二 年 五 月 の S P E R T事 故 の よ う に 、 最初から出力上昇による炉心破壊を意図しておこ なわれた実験が、 予想以上に大きな暴走事故になっ てしまった例もあるが、 原子炉にとっ. 噴水炉. 19 58. 11 G E. 1 IS L- 1. 、. て暴走事故は、 も っ と も 恐 ろ し い 事 故 で あ る 。. BK 1. R. 原子炉閉鎖. D 1rico-f ' ermi. アイダホ・フ才一Jレ. というたてまえで原発の建設が推進されてきたが、. 英. ' 1 1. 米 国. 19 66. 10. 且1鉛 炉. 195 8. 10. F B R 米 国 アイ夕涼・フォール 19 55. 1 1 E B R -1. 14名敏噂、:[31 が 25 00 0Ci放出 200平ー方マイルの牛乳市街停止 W1ndscale 10 1957. B W R 米 医 アイ夕涼・フォール. l 京f 乙炉磁虚実験 7 IBORAX-l 19 5 4.. 4人被町民 アJレヨ'ンヌ. -2 8-. は コ 二 150万 ド ル の 被 害 NR X. カナタ' 1 チョーク・,),唱ー 電水 1. 19 52. 12. し 、. チ. 絶対に起こる筈がない、. 51LASL. 道水炉. 6IZPR-l 19 52. 8名被曝、 1名 死 亡. , 19 4 6. 米 国. I名 死 亡 2名波曜、 81LASL. ., 19 4 5.. •. 3名 敏 雄 61 LASL. 国 半 f ft !米 PU 炉 ロスアラモス 19 4 5.. 害 唱 匝. 名 園. 原子炉相 原子炉名 l. J l 年. -2 9一. て. る 炉心溶融事故の歴史.

(22) 加 圧 水 型 軽 水 炉 (PWR) に お け る 反 応 度 事 故 反応度事故の要因. P W R型 炉 に お い て 反 応 度 が プ ラ ス に な る 要 因 と し て 考 え ら れ る の は 、 制御棒の引き抜き 制御棒クラスタ飛び出し 原子炉冷却材温度の低下. (ボイドの減少). ホウ酸濃度の低下 蒸気泡のつぶれ 炉心構造物の配置の変化、 失敗 外部からの異物混入. こ れ ら の 要 因 は B W Rの 場 合 も 同 じ で あ る 。. 燃料棒取扱の失敗. 等がある。 つまり、 反 応 度 が マ イ ナ ス に な る 現 象 の 逆 が 、 反 応 度 が プ ラ ス に な る 現 象 な の で あ る 。 右のような事象が発生すれば、 原子炉にプラスの反応度が投入され、 原子炉の出力は上. い わ ゆ る ﹁ ド ッ プ ラ l 効果﹂ と 呼 ば れ る 、 反 応 度 を マ イ ナ ス に す る 要 因 も. 昇 し は じ め る 。 もちろん、 出 力 が 上 昇 す れ ば 、 燃 料 温 度 の 上 昇 や 、 原 子 炉 冷 却 材 の 上 昇 な どが誘発され、. (スクラム) 以外にない。. 働 く こ と に な っ て い る 。 しかし、 反 応 度 が 急 速 に 高 ま る 場 合 、 も っ と も 速 や か 対 応 策 は 制 御棒の炉心への迅速な挿入による原子炉の停止. しかし、 出 力 上 昇 を 監 視 装 置 が 検 知 し て か ら ス ク ラ ム ま で に は 時 間 の 遅 れ が あ り 、. ウラソ燃料体の温度はその溶融点を超え、 燃料体. スクラ スクラムを阻害する何らかの要因等でスクラム. これまでにも各国の軽水炉で幸い大事に至らな チェ. つぎに述べるように ﹁スクラム失敗による暴走事故﹂ といえるの. スクラム失敗や、 そ の 一 歩 手 前 と い っ た 事 例 が 数 多 く 発 生 し て い る 。. ∞. mwTW同可. 。。ロ. 210-. H N O仏. ﹀. M内. OZω ロ. という言葉が示すように、. 一九四. ス ク ラ ム (SCRAM) と は 制 御 棒 の 挿 入 に よ る 核 分 裂 反 応 の 急 速 停 止 の. ことであり、 語 源 の. である。 なお、. ルノプイリ原発事故も、. かったものの、. の誤判断・誤操作を原因として起こるが、. ス ク ラ ム の 失 敗 は 、 信 号 系 の 故 障 や 、 制 御 棒 を 含 む 制 御 棒 操 作 系 の 損 傷 、 故障、 運 転 員. 燃料被覆管の損壊に伴う蒸気爆発や水素爆発によって原子炉は破壊され大事故となる。. が失敗した場合は、 ド ッ プ ラ i 効果が働いても、 燃料体からの発熱が続き、 燃料体の溶融、. ム は 有 効 で あ る 。 しかし、 対 応 の 遅 れ や 、. 投入されたプラスの反応度が小さく、 秒程度の早さで出力が上昇する場合には、. の溶融、 徴 粉 化 、 爆 発 が 誘 発 さ れ 、 暴 走 事 故 へ と 発 展 す る 。. ときには、 ド ッ プ ラ l 効 果 を 圧 倒 し て 、. 炉では、 も っ と も 急 速 に 対 応 し て も 数 秒 は か か る 。 し た が っ て 、 投 入 反 応 度 増 加 が 大 き い. 軽 水. 3 03 1. 1. ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ③.

(23) 二年のエソリコ. フ ェ ル ミ ら が 指 導 し た 原 子 炉 シ カ ゴ -パイルで、 制 御 俸 を 吊 る し た 紐 を 、. いざというとき斧で切断する役目の人聞を指しているのである。 チェルノブイリ 原発の暴走事故と複合・同時共通故障のおそろしさ によって、 反 応. によって反応度が上昇するタイプであり、. スクラムが成功して. ったんボイドが増加すると出力が上昇し続けるという. ﹁ポイドの増加﹂. チ ェ ル ノ ブ イ リ 事 故 で は 、 軽 水 炉 と 違 っ て ⑤ の ﹁ボイドの減少﹂ 度が上昇するのではなく、 くに原子炉が低出力の場合には、. 1. 同時共通失敗. 2 2. 3. 9. 9. システム相互干渉. ﹁単一失敗. 己C 可 mw. 円。). のみならず. ﹂. で起こる。. 乃 至 は ﹁同時共通 二日戸叶 O) 可m. 間 ,凶 m 己C 円 。 ). 一HMmru ω (. 数 失 敗 (宮己江10. zor O B B Oロ. m H c. 円。. 冨. O品。). の分類を示すものである. ﹁単一失敗﹂. (一九八三年から同八五年の間のみ). (可. の 表 は I A E Aが 世 界 中 の 原 発 事 故 の ﹁ 失 敗 の 態. の 失敗 (. [__. が. 特性をもった原子炉であ ったため事故が起こったと云われているが、. 2 7. と. スクラムに失敗し原子. チェルノブ. ﹁スクラム失敗﹂. ﹁単一失敗﹂ だ け が 考 慮 さ れ 、. ﹁反応度上昇﹂. ﹁反応度上昇﹂ が あ る に も か か わ ら ず ス ク ラ ム に 失 敗 す れ ば 、. ﹁反応度操作余裕﹂ が 規 定 値 以 下 に な っ て い た た め に 、. おればあのような事故にはならなかった。 低下した反応度をとり戻すために制御棒を引き 抜きすぎ、 炉は暴走した。 軽水炉でも、 イ リ と 同 様 に ﹁暴走事故﹂ が 発 生 す る の で あ る 。 チェルノブイリ原発事故は、 右に述べたとおり、 による事故である。. 日本の原発の安全審査では、. 複 合 し て 起 こ っ た ﹁複数失敗﹂ 本件伊方原発のみならず、. 複数失敗. [__. 六O パ i セ ソ ト は ﹁ 複 合 失 敗 ﹂. である。. ﹁同時共通. 日本の原発の. に示しているものと云わなければならない。. つ法令解釈の誤りのもとになされているかを明白. 安全審査と許可処分が、 現実に合致しない違法か. いかに本件伊方原子炉をはじめ、. 失敗﹂. ず、. る事故は、 全 体 の 四 O パ l セ ソ ト を 占 め る に す ぎ. ここで示されているように、. 。. ー. L. 1. 4. さ き に 述 べ た 軽 水 炉 で の 事 故 の 要 因 三 、 1 1① 乃 至 ⑧ に 対 応 し た 暴 走 事 故 が 、. 加 圧 水 型 軽 水 炉 (PWR) に お け る 暴 走 事 故. (IAEA-IRS:1983-85の 原 発 事 故 〉. - 3 23 3-. 様. 。 単一失敗. 複. 、 し. 2 そ れ 以 上 の 数 の 組 合 わ せ の 失 敗 を 故 意 に 検 討 対 象 か ら 外 し て い る 。 しかし、 多 く の 事 故 は 、. % 失敗の態様. 上 よ 本 件. 失敗の態様の分布. 3.

(24) 伊 方 炉 を 含 む P W R で、 に指摘しておく。. どのような原因で発生し、 どのような特徴をもっているかを以下. この際引き抜かれた制御棒の数が多いほど、. 操作装置の故障や誤操作によって制御棒が引き技かれると、. 制御棒引き抜き事故. 制御棒操作中に、 プラスの反応度が投入され、 出力は上昇する。 暴走は必. スクラムに失. 出力の上昇も急激となり、. スクラムによって出力上昇は抑えられるが、. また、 引 き 抜 き 速 度 が 早 い ほ ど 投 入 反 応 度 は 大 き く 、 至となる。 投入反応度が小さい場合は、 炉心損傷事故となる。. この ﹁ 圧 力 ハ ウ ジ ソ グ ﹂. 五O 気 圧 ) に よ っ て. ﹁圧力ハウジソ. ( 本 件 伊 方 一 号 炉 で は 一六本) を ま と め. 敗した場合はドップラ l効果だけが頼りとなるが、 制御棒飛び出し事故 制御棒の何本か. したがって、. 原子炉内の高い圧力(約. それを操作している。 各制御棒クラスタごとに. 加圧水型軽水炉では、 て、 制 御 棒 ク ラ ス タ と し 、 が原子炉の蓋にとりつけられていて、. クラスタが飛び出さないように押えつけている。 破損すると、 制御棒クラスタは急速に炉心から抜け出してしまう。 ﹁制御棒引き抜き事故﹂ と同種のものである. 暴走を. この ﹁ 制 御 棒 ク ラ ス タ 飛 び 出 し 事 故 ﹂. 炉心からの制御棒抜け出し速度がより急速であるために反応度投入が大きく、 たとえ一本の飛び出しでも、. ﹁ドップ. 誘発する。 しか頼りにできないという厳しきである。. スクラムによる出力抑止は期待できず、. ラi 効 果 ﹂ 原子炉冷却材温度の低下事故. 燃料の冷却と同時に、. ﹁冷水事故﹂. つまり減速材の量が増え この種の事故は. 炉心に存在する水の量、. したがって、 何 ら か の 原 因 に よ っ て 冷 却 材 の 温. 軽水炉では、 原子炉の冷却材に使用されている水は、 性子の減速材としての役割も果している。 度が低下すると冷却材の密度が増加し、. て核分裂反応を促進し、 プラスの反応度が投入される。 ばれる。. 一次冷却材の温度を下げるつぎのような事象が原因として考えられている。. 一次冷却材回路の一回路を停止して原子炉を部分負荷で運転しているときに、 回路を急に起動した場合. スクラム失敗や誤判断を伴. 二次系の蒸気流量がそれを調節しているタ!ピソバイパス弁など. 原子炉運転中に、 蒸気発生器二次側の給水量が急増した場合 原子炉運転中に、. の誤動作によって、 急に過大になった場合 いづれの場合も装置の故障や誤操作が原因となって起こり、. - 3 4ー. 3 5一. t 主. が 中 と 呼. 止. ( 一 ). 仁). 同 P W R では、 ① ② ③. 停. グ. が.

(25) と暴走事故へと発展する。 ホウ酸濃度希釈事故. 一次冷却材中に溶かし込んであるホウ酸. その操作の過. (中性子吸収材). P W R では、 運 転 に 伴 う ウ ラ γ 燃 料 の 消 費 で 生 じ る 反 応 度 の 低 下 を 、 制 御 棒 の 引き上げによってではなく、 濃度を薄めていくことで補償するという出力制御方式が採用されている。 ホウ酸の希釈は、 純 水 を 原 子 炉 内 に 送 り 込 む と い う 操 作 で 行 な わ れ る が 、 程で、 装 置 の 故 障 や 誤 操 作 に よ っ て 、 規 定 以 上 の 希 釈 が 行 わ れ た 場 合 は 、 余 分 の プ ラ ス 反 応度が投入されることになり、 出力は上昇する。希釈失敗の原因となった故障や誤操作は、 スクラム失敗が. B W R では、 原 子 炉 内 の 圧 力. 何らかの異常事態の際に起こることが多いので誤判断などを招きやすく、 重なれば暴走事故へと発展する。 蒸気泡つぶれ事故 原子炉内でボイドを発生させながら運転している. ボイドの. また今年二月には浜岡一号炉で、. の上昇や、 冷 却 材 温 度 の 低 下 に よ っ て 、 ボ イ ド が つ ぶ れ 、 出 力 が 急 上 昇 す る 危 険 は 極 め て. O 月に敦賀原発一号炉で、. の一歩手前という事故が発生している。. 吉岡い。 現 に 最 近 で も 、 昨年一 そ れ ぞ れ ﹁暴走事故﹂ 加圧水型軽水炉の場合は、 通常運転時には加圧によりボイドが生じないので、. ボイドのつぶれ方が急激な場合や、. スクラムに失. つぶれもない。 し か し 何 ら か の 原 因 で 原 子 炉 内 に ボ イ ド が 発 生 す る 事 故 が 起 こ っ た 場 合 に ボイドつぶれ事故の危険が生じる。. 敗した場合は、 当然暴走事故へと発展する。 炉心構造物の配置変化・失敗事故. 。 このような配置変化は構成機器の摩. 反応度増加要因には、 通常運転中には互いに一定の位置に静止している国体構 造物の物理的配置が変化することによるものがある. ところが組変えの場所を間違えてしまい、. 耗 や 構 造 の 不 安 定 さ や 、 そ の 崩 壊 か ら 生 じ る 。 また、 原 子 炉 内 の 燃 料 集 合 体 は 、 毎 年 一 回 炉内での位置を組み変えて使用されている。. 燃料棒内の. 地震または L. この危険性は、 益 々 増 大 す る. とくにプルト. れに気付かずに炉を運転すれば、 反応度がプラスの領域が生じることになる。. ﹁ プ ル サ l マル﹂ 計 画 が 実 施 さ れ る と 、. ウラ γ の 濃 縮 度 が 生 産 工 程 な ど で 間 違 え ら れ た 場 合 も 同 じ 結 果 が 生 じ る 。 ウム燃料を使用する ことになる。 安全審査は、 炉 内 の 形 状 が 変 化 し な い と い う た て ま え で 行 わ れ て い る が 、. その可能性を示したものと云. それによって暴走事故が生じる可能性がある。. O C A等 に よ っ て も 、 炉 内 の 形 状 が 大 巾 に 変 化 す る と 考 え ら れ る 。 そ の 場 合 に は 炉 内 の 核 的条件が急激に不安定となり、. 一 九 八 七 年 四 月 に 福 島 原 発 (BWR) で 発 生 し た 事 故 は 、. の そ. 同 国. 肘. -3 6 -3 7-. は.

(26) 一八パ. 大量に. l セン. えよう。福島県沖地震によって、 炉が揺れたのであるが、 地震の揺れによってスクラムが かかったのではなく炉内の核的均衡が乱され、 炉心の中性子密度が通常の トまで上昇し、 そ れ に よ っ て ス ク ラ ム が か か っ た の で あ る 。 外部からの異物混入事故 炉心に外から不要な物質が入り込んで反応度が加えられることがある。 入りやすいのは空気と水である。 空気は一次系破断のとき、 水は一次系の伝熱面が破れた と き 入 り 込 む 。 そ の ほ か 、 潤滑剤、 腐 食 生 成 物 、 そ の 他 の 不 純 物 が 一 次 系 に 入 る と 、 ぢるしい反応度効果をひき起こすことがある。 ある冷却材、 とくに液体金属は、 酸 素 ま た は 水 の 存 在 下 で 燃 焼 の 危 険 が あ り 、 反 応 度 を. 一次冷却材中にホ. 一次系の漏水が低い中性子吸収体濃度や、 低い温度を. これにより暴走事故となるおそれがある。. 添加する。 軽 水 炉 で の 主 な 問 題 は 、 もたらし、 燃料棒取扱い失敗事故 軽水炉において燃料棒取替作業中は、 原子炉の上蓋を開け、 こ の と き は 、 P W Rで は 制 御 棒 を 抜 き 出 し た ま ま で 作 業. この作業中に大地震が起これば大事故に至るおそれは、. 大 ﹂. り p. この条件下で燃料集合体が落下したり、 崩れたりして多数体が近接するなど. ウ酸を多量に入れて作業をする。 が行われる。 があれば反応度は上昇する。. 事故はまずまず大きくなる。. この事故は炉心内の作業時だけではなく燃料貯蔵プ!ルでの作業中でも起こりう. に増大する。 また、. プール内のホウ酸濃度を誤って減少させていた場合、 まとめ. 以上のとおり、 本 件 伊 方 原 子 炉 を 含 む 日 本 の 軽 水 炉 に お い て も 暴 走 事 故 の 原 因. ﹁暴走事故﹂. の審査はでたらめである。. 並びにその態様は多様であり、 暴走事故発生の危険は逼迫しているのである。 本件安全審査における. ﹁暴走事故﹂. において、 つぎの五種類の事故がその. ﹁各種事故の検討﹂ ﹁反応度事故﹂ が 審 査 さ れ 、. 分 起 こ り 得 る の で あ る 。 そのため、 本 件 の 安 全 審 査 で も 、 原子炉の反応度に変化をもたらす 対象とされた。 ①制御棒クラスタ引抜事故 ②ホウ素希釈事故 ③制御棒クラスタ落下事故 ④制御棒クラスタ抜出事故 ⑤燃料取扱事故. ち. ( 廿. い ) 。 1 ). 以上述べたとおり、 本件伊方炉を含む加圧水型軽水炉においても、. 四. -3 8ー -3 9-. し 、. は 十. る.

(27) (乙六号証、. ﹁各種事故の検討﹂ ﹁反応度事故﹂ 参 照 ). そ れ ら は さ き に 三 、 3節 で 述 べ た 事 故 の 中 に 含 ま れ る が 、 そ の 全 部 で は な く 、 審 査 対 象 の. これらの事故が暴走につながる危険は全く否定されている。. 欠落があると云わねばならない。 しかも、 本 件 安 全 審 査 で は 、 それは、 あ ら か じ め 暴 走 に 至 ら な い よ う な 条 件 を 付 し て 事 故 の 検 討 を す る と い う 手 口 が 採 用されているからである。 た と え ば 、 最 短 距 離 で 暴 走 と つ な が っ て い る ﹁ 制 御 棒 ク ラ ス タ 抜 出 ( 飛 び 出 し ) 事故﹂. ﹁燃料取扱事故﹂. ﹁制. ﹁制御棒クラスタ 一本が瞬時に抜け出しても、 運 転 中 は 制 御 棒 ク ラ ス タ が ほ. を例にあげると、 その審査では、 次 の よ う な 条 件 が 恋 意 的 に 前 提 と さ れ て い る 。 すなわち、 ぼ引き抜かれた状態にある﹂ という条件設定である。 しかし、 こ の 条 件 を つ ぎ の よ う に 置 き か え る と 、 暴 走 事 故 は 必 至 と な る で あ ろ う 。. ﹁ホウ素希釈事故﹂ について、も、 安. 御棒クラスタの複数本が瞬時に抜け出し、 原子炉が高温待機の状態にあったとする﹂ ﹁制御棒クラスタ引抜事故﹂. と. の 際 に 想 定 さ れ る ﹁重大事故﹂. の 原 子 炉 で の ﹁ポイドつぶれ事故﹂ 等 々 は 全 く 審 査 さ れ て い な い 。 さ ら に 、 安 全 審 査 に お け る ﹁災害評価﹂. ﹁暴走事故﹂ は ま っ た く 対 象 と さ れ ず 無 視 さ れ て い る の で あ る 。. と. 放出放射能量. ﹁災害評価﹂. チェルノブイリ原発事故による被害. 云わざるを得ない。. においても、 何 の 根 拠 も な く 無 視 し た 本. 件安全審査は、 設 置 許 可 の 認 定 を す る 目 的 に 奉 仕 す る だ け の で た ら め 極 ま る も の で あ る と. 故の検討﹂ に 際 し て だ け で は な く 、. チェルノブイリ原発事故で、 その現実性が立証された原子炉の暴走事故について、. のいずれにも、. ﹁仮想事故﹂. そ れ だ け で は な く 三 、 3 節 で 述 べ た 運 転 中 の 原 子 炉 に お け る ﹁冷水事故﹂ や 事 故 条 件 下. あり、 ま と も な 安 全 審 査 と は と う て い 云 え な い の で あ る 。. 全側に収まる御都合主義的な事故条件を前提として安全審査が行われている点では同様で. と. によると、 気 体 状 の も の を. どの国でも原発がなんの根拠もない無責任な楽観的見通しのもとに建設・運転されている かを明らかにした。 さ き に 述 べ た I A E Aの 会 議 に 提 出 さ れ た ソ 連 の ﹁報告書﹂. -4 0-4 1一. 1. 除いて、 総 計 五 0 0 0万 キ ュ リ ー の 放 射 性 物 質 が 環 境 に 放 出 さ れ た こ と に な っ て い る 。. し. 、. チェルノブイリ原発事故は、 原発史上最大・最悪のものであった。 放 出 さ れ た 放 射. 事. 4. 能の量は、 世 界 中 の す べ て の 原 発 の 大 事 故 の 場 合 に 想 定 さ れ て い る 放 出 量 を は る か に 越 え 、. 第 四. ~圃.

(28) かしこの数字は、 事故発生後一. O O O万 キ ュ リ ー と な り 、. これをその. これに除かれたキ. O 日の時点に減表補正されたものであるので、. まま逆補正して実量を計算しただけで一億四. ﹁燃料溶融事故﹂. のときでも、 いかに本件の安全審査や許可処分. ヨウ素約九四四キュリー、 希ガス約一六万. ちなみに本件伊方炉の安全審査で、 もっとも放出量が多い場合として想定された. セノソ等の希ガスを加えると、 実に三億キュリーを超える放射能が環境に放出されたこと になる。 ﹁仮想事故﹂. Oキ ュ リ ー で あ る と 推 定 さ れ て い る だ け で あ る 。. になったと云える。. ﹁報告書﹂. の附属文書には、. チェルノブイリを中心とする六0. し か し な が ら 、 右 の ソ 連 の ﹁報告書﹂ 一方、 ソ連はこの数. 0キ ロ メ ー ト ル の 圏. 0 0 0万 キ ュ リ ー で あ っ た 記 述 が あ る の で 、. ヨーロッパ各国で測定、 発表された放射能沈着量の. これは当然実際の量と大きくかけ離れることになる。 そこで京都大学原子炉実. 9Mm. F34-a-. 総5 ( 2 7 0 ). お. 1 6 0 ( 7 4 ). ∞. 一九 八 八 年 二 月 号 ). 上の表はその結果を示すものであるが、 単位はベクレ. (Bq) である。 三 ・ 七 × 一O の 一O 乗 ベ ク レ ル が. いづれの放射性物質の沈着量も 二倍から二・ 五倍多くなっており、 であるから、 放 出 量 は 当 然 こ の 数 値. ソ連・ ヨ ー ロ ッ パ で の 集 団 被 曝 線 量 値 を 推 定 す れ ば 二 億 二. O. チェルノ 一三万 J 四 二 万 件 と な る 。 放 射 線 の 影 響 を 過 少 評 価 す る. O O万 人 レ ム 当 り 六 O O I 二0 0 0件 で あ り 、. これまでさまざまな見解が示されているが、 今中氏. これにもと-ついて、 将 来 に む け て 生 じ る で あ ろ う ガ ソ 死 の 数 を 見 積. 右の推定値をもとに、. 0 0万 人 レ ム と な る 。. プイリ原発事故によるガソ死は、. の評価によれば、 リスク係数は一. 放射線ガソ死の危険度については、. もることができる。. この沈着量は、 放 出 量 の 下 限 を示すものとして取り扱うことが十分できる。. より大巾に多い筈であり、. の 数 値 は ﹁沈着量﹂. ソ連の報告より、. ニ氏の推計によれば、. キュリーに相当する。. / レ. て 発 表 し て い る (岩波﹁科学﹂. 解析の結果得られたい〈つかの帯域におけるU1I ,. 事故によるヨーロッパ、 ならびに世界各国の被害. C sおよび全核種の沈着量(単位1 1 1 015B q で , 5月 6日換算).かっこ内l 土ソ連の評価値.. 。. デ ー タ と 白 か ら の 測 定 デ 1 タとをもとにして、 よ り 現 実 に 近 い 事 故 全 体 の 沈 着 量 を 推 計 し. 験所の、 瀬 尾 ・ 今 中 ・ 小 出 の 三 氏 は 、. しかし、. 字を総放出量にすり変えて、 過少な数値を発表したものと推測することができる。. 内で、 沈 着 し た 放 射 能 の 量 が 五. 総放出量の計算根拠を明確に示していない。. 現実とかけ離れた虚偽のもとになされているかが、 今回の事故によってますます明白. 四 五O. の ! l I. 4 2- 4 3一. 3 1( 1 8 5 0 ). 全核種. 9 2 6 ( 7 2 9 ). 6 6 ( 3 7 ). 1 1 . 3( 10 . 4 ) UTCS. O~ωOkm. 6∞~30∞ km. O":'30k~ -1. 核種. , . . . . '-. は. が.

参照

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