「わかりやすい電気機器」の演習問題解答例 天野 耀鴻,乾 成里 著
**********
第1章の章末演習問題解答
**********
問題1.1 静止している7 [kg]の物に3 [N]の力を与えたときの加速度を求めよ. ただし,物体と置かれている面との間に摩擦は無視する. 解答: 質点系には式F = m·dv dt の関係があり,ただし,Fは力[N],mは質量 [kg],(dv)/(dt)は加速度[m/s2]である.物体と置かれている面との間の摩擦を無 視すれば,加速度はdv dt = 3/7≈ 0.47[m/s]となる. 問題1.2 電動機の出力が3.7 [kW],回転数が1710 [rps]のとき,電動機の発生ト ルクを求めよ. 解答: 回転運動系に出力パワーP [W]と電動機の発生トルクτ [N·m]の関係は次 式となる. P = τ· 2π · n, τ = P 2π· n = 3700 2π· 1710≈ 0.34 [N · m] 問題1.3 磁束密度B = 0.8 [T]の磁界中に置かれた長さL = 1 [m],自身の抵抗 r = 0.2[Ω]の導体に対して次のような回答を求めよ. 1. 図1.23(a)のように,導体を速度vで磁界と直角方向に運動させ,導体の両端 に接続したR = 4[Ω]の抵抗にP = 100 [W]の電力を供給するとき,導体の速 度v及び加えられる力Fを求めよ. 2. 図1.23(b)のように,導体の両端にE = 18 [V]の電圧を加えて導体に下向き にF = 8 [N]の力を加えた場合,導体に流れる電流の大きさi,及び,速度v を求めよ. 解答:1 [解析] 解答図(a)のように,磁束密度がB [T]の磁界において長さL [m]の導体を一定の速度vで動かした場合の動作について考える.導体には起電力 が誘導され,その大きさeがe = vBL [V]より求められる.フレミングの右手法則 より,誘導起電力の向きは解答図(a)の方向となる.導体の両端に接続した抵抗を R [Ω],導体を含む回路の抵抗をr [Ω]とすると,電流i = e/(R + r)が流れること より,電磁力Fを生じ,その大きさはF = iBLとなり,方向は下向となる.よっ て,導体が上方向に速度vで運動を続けるためには電磁力Fと大きさが等しい外 力F′を上方向に加える必要があり,導体に加えられる単位時間当たりの機械的エ ネルギー(動力)PはP = F′vとなる.ただし,F′= F = iBL,v = e/(BL)で図1.23 磁界中に置かれた導体 あることより,機械的エネルギーPは次式となる. P = F · v = iBL · e BL = i· e = i 2 (R + r) [計算] 誘導起電力iはi =√P/(R + r) =√100/(4 + 0.2)≈ 4.9[A]となり,eは e = P/i = 100/4.9≈ 20.4 [V]となる. 導体の速度vはv = e/(BL) = 20.4/(0.8× 1) ≈ 25.5 [m/s],加えられる外力F はF = iBL = 4.9× 0.8 × 1 = 3.9 [N]である. 解答:2 [解析] 解答図(b)のように,磁束密度がB [T]の磁界において長さL [m]の導体の両端にE [V]の起電力を供給して外力Fを加えた場合の動作について 考える.導体には電流iが流れ,図の上方向に電磁力F′を生じ,速度vでの運動を 始める.平衡状態では電磁力と外力の間にF = F′= iBLの関係が成り立ち,導 体の速度をv,誘導起電力をe,回路の全抵抗をr [Ω]とすると,回路には次式の関 係がある. E = e + i· r = vBL + i · r ただし,電源から供給される電力Pは次式となる. P = E× i = (vBL + i · r) × i = vBLi + i2r = vF + i2r [計算] 上の説明より,導体に流れる電流はi = F/(BL) = 8/(0.8× 1) = 10 [A], 導体の運動速度はv = (E− i · r)/(BL) = (18 − 10 × 0.2)/(0.8 × 1) = 20 [m/s]と なる.
e, i
F
e
i
v
解答図 磁界中に置かれた導体**********
第2章の章末演習問題解答
**********
問題2.1 直流機の励磁方式を4種類あげ,それぞれの励磁方式について回路を 簡単に書いて説明せよ. 解答: 略 問題2.2 直流機の電機子反作用について簡単に説明せよ. 解答: 略 問題2.3 6極の直流発電機において電機子の直径が0.5 [m],軸方向の長さが0.6 [m],電機子コイル数が64,コイル1個の巻数が25,巻線は重ね巻,ギャップの磁 束密度が0.8 [T]である場合,この発電機を1200 [rpm]で回転させたときの誘導起 電力を求めよ. 解答: [ヒント:教科書p.33の例2.3を参照すること] 式(2.26)より,巻線の重ね巻ではa = P = 6を考えると,誘導起電力Eaは次 のように求められる. Ea = 1 aDlπ2· m · ωBav· n = 1 6× 0.5 × 0.6 × 3.14 × 2 × 64 × 25 × 1200 60 = 8, 038 [V] 問題2.4 定格電圧100[V],定格電流7[A],電機子抵抗0.1[Ω]の直流機がある. これを電動機として使い,全負荷で発電機のときと同じ速度で回転させるのに必要 な端子電圧を求めよ.ここで,電機子反作用と励磁電流を無視する. 解答: 発電機の時誘導起電力をEag,端子電圧をVgとすると,Eag= Vg+ raIa [V],電動機の時誘導起電力をEam,端子電圧をVmとすると,Eam= Vm− raIa [V]が得られる. 両者を同じ速度で回転させる場合,直流機の誘導起電力と電機子電流が変わらない ので,電動機の端子電圧Vmは次式となる. Vm = Eam+ raIa= Eag+ raIa= (Vg+ raIa) + raIa = Vg+ 2raIa = 100 + 2× 0.1 × 7 = 101.4 [V] 問題2.5 電機子抵抗が0.1[Ω]の直流分巻発電機がある.回転速度が1500[rpm], 端子電圧が110[V]のときの電機子電流は100[A]である.この発電機を分巻電動機として使用し,端子電圧110[V]で運転したところ電機子電流は80[A]であった. このときの回転数を求めよ.ここで,電機子反作用の影響は無視する. 解答: [ヒント:分巻直流機ので端子電圧が等しければ,界磁電流によって電動 機磁束は等しくなること] 教科書p.33の式(2.25)より,誘導起電力Ea= Kaϕωm [V]が得られることを 考える. 発電機動作のとき,誘導起電力をEa1,角速度をωm1= 2πn1,回転速度をn1と して教科書p.23の式(2.4)より,起電力Ea1は次式となる. Ea1= Kaϕωm1= V + ra· Ia= 110 + 0.1× 100 = 120 [V] 電動機動作のとき,誘導起電力をEa2,角速度をωm2= 2πn2,回転速度をn2と して教科書p.23の式(2.5)より,起電力Ea12は次式となる. Ea2= Kaϕωm2= V − ra· Ia= 11− 0.1 × 80 = 102 [V] 電動機として使用するときの回転速度は次のように計算できる. Ea1 Ea2 = Kaϕωm1 Kaϕωm2 = ωm1 ωm2 = 2πn1 2πn2 = 102 120, n2= 102 120× 1500 = 1275 [rpm] 問題2.6 直流他励電動機の端子電圧が215[V],電機子電流が50[A],電機子全抵 抗が0.1[Ω]である.1500[rpm]で回転させたときの発生トルクを求めよ. 解答: [ヒント:教科書p.51において直流電動機の基本式を参照すること] 直流他励電動機では誘導起電力がEa= V − RaIa= 215− 0.1 × 50 = 210 [V]と なる.ここで,鉄損や機械損などを無視すると,出力パワーPoutは次式となる. Pout= EaIa= 210× 50 = 10500 [W] = 10.5 [kW] 電動機の回転角速度ωmはωm = 2π× 1500 60 = 2× 3.14 × 25 = 157 [rad/s]と なる. この定格時において発生トルクTmはTm = Pout/ωm = 10.5× 103/157 ≈ 66.9 [N· m]である. 問題2.7 直流分巻電動機で,電圧がV,電機子抵抗がRa,界磁抵抗がRf,全 負荷電流Iを流したときの回転数はnである.この電動機の電機子回路に抵抗Ra の値を求めよ. 解答: [ヒット:教科書p.53の節2.7.3を参照すること]略
問題2.8 電源電圧が110[V]で運転している直流直巻電動機は,定格トルクの下 で電機子電流100[A]で回転速度が1800[rpm]である.負荷トルクが1/2に低下し た場合の電機子電流および回転速度を求めよ.ただし,電機子回路抵抗は0.1[Ω], 磁気特性は線形とする. 解答: [ヒント:教科書p.56において図2.37を参照すること] 直流直巻電動機では式(2.50)よりトルクTはT = Kak1Ia2となり,トルクが定 格の1/2になる場合,1 2T = Kak1[ 1 √ 2Ia] 2 となり,このときの電機子電流Ia1 2は Ia1 2 = 100× 1/ √ 2 = 70.7 [A]となる. 式(2.51)より,電動機の回転角速度ωm [rad/s]と回転速度N [rpm]の関係は ωm= 2π 60N,N = 60 2πωmとなり,磁界回路の抵抗が小さくて無視されるとき, N = K(V Ia − R a), K = 60 2π 1 Kak1 となる.回転速度N = 1800 [rpm]とき,1800 = K(110 100− 0.1) = Kが得られる. トルクが1/2に低下するとき,回転速度はN = 1800× (110 70.7− 0.1) = 2628 [rpm] となる. 問題2.9 直流他励電動機で,定格電機子端子電圧が100[V],定格電機子電流が 10[A],定格電機子電圧で定格負荷時の回転数が1800[rpm],電機子抵抗が0.1[Ω] である.この電動機を発電機として運転し負荷へ電圧100[V]で,電力1[kW]を供 給している場合のトルク及び回転数を求めよ.ここで,電機子鉄損,機械損は無視 する. 解答: 電動機として運転するとき,逆起電力Eamと端子電圧Vamの関係は次式 となる. Eam= Vam− RaIa= 100− 0.1 × 10 = 99 [V] 発電機として運転するとき,逆起電力Eagと端子電圧Vagの関係はEag = Vag+ RaIaなり,発電機では電力Pout = 1 [kW],端子電圧Vag = 100 [V], 電機子電流Ia = Pout/Vag = 1000/100 = 10 [A]の場合,逆起電力はEag = Vag+ RaIa= 100 + 0.1× 10 = 101 [V]となる. 発電機の回転数Ngと電動機の回転数Nmの関係式より,発電機の回転数は
Ng= Nag Nam·N m = 101 99 ×1800 = 1836 [rpm]となり,トルクTg = EagIa 60 2πNg = 101× 10 × 60 2π× 1836 = 16.5 π ≈ 5.25 [N·m]となる. 問題2.10 直流直巻電動機で,定格電機子端子電圧が100[V],定格電機子電流が 20[A],定格回転数が1800[rpm],界磁電流が1[A],電機子回路抵抗が0.1[Ω],界磁 巻線抵抗が0.4[Ω]である.負荷トルクが定格トルクの1/4に減少した場合の電機子 電流および回転数を求めよ.ただし,電機子端子電圧は一定で,電機子反作用,磁 気回路の飽和の影響,鉄損,機械損は無視する. 解答: [ヒント:教科書p.56において直流直巻電動機を参照すること] 定格運転のとき,式(2.51)より回転数N = 1800 [rpm]が次式で計算できる. N = 60 2πωm= 60 2π· 1 Kak1 { V Ia− (Ra+ Rf s) } = 60 2π· 1 Kak1 { 100 20 − (0.1 + 0.5) } N = 43.0 1 Kak1 , Kak1= 43.0 1800 = 0.02 定格のトルクTはT = Kak1· Ia2 [N·m]である.トルクが1/4に減少するとき, 1 4T = Kak1· 1 4I 2 a= Kak1· [ 1 2Ia] 2 となり,電機子電流Ia1 4は Ia1 4 = Ia/2 = 10 [A] となり,回転数N1 4は次式となる. N1 4 = 60 2πωm= 60 2π · 1 Kak1 { V Ia1 4 − (Ra+ Rf s) } = 60 2π 1 0.02 { 100 10 − 0.5) } = 4, 538 [rpm]
**********
第3章の章末演習問題解答
**********
問題3.1 水車同期発電機の定格が60 [Hz]で回転速度200 [rpm]であるとき,こ の同期発電機の極数を求めよ. 解答: 教科書p.73の式(3.1)より,同期発電機の極PはP = 120· f Ns = 120× 60 200 = 36 [極]となる. 問題3.2 三相同期発電機で,定格仕様が出力300 [kVA],電圧600 [V],力率80 %,効率97 %である場合,定格電機子電流と発電機の機械入力を計算せよ. 解答: [ヒント:教科書p.87の節3.5を参照すること] 定格時の端子電圧(線間電圧)をVn,電機子電流をInとすると,発電機の出力容 量PはP =√3VnInとなり,電機子電流はIn= P √ 3Vn = 300× 103 1039.2 ≈ 288.7 [A] となる. また,発電機の効率η = 電気出力PE 機械入力PM × 100% と電気出力PE = P · cos ψの関 係式より,発電機の機械入力は次の式となる. PM = P η = PE· cos ψ η = 300× 103× 0.8 0.97 ≈ 247.4 [kW ] 問題3.3 非突極形三相同期発電機で,線間端子電圧√3V,電機子電流Ia,力率 cos(ψ)の場合,この負荷角δを求めよ.ここで,同期リアクタンスxsとして電機 子抵抗を無視する. 解答図 電機子抵抗rs= 0ときのベクトル図 解答: 三相同期発電 機での三相出力PEは PE= 3·V Iacos ψとな り,負荷角δとの関係 が式(3.44)よりPE = 3V E0 xs · sin(δ) となる. 電機子抵抗rs= 0ときのベクトル図より,負荷角δは次式となる. E0 = √ V2+ 2V xsI asin ψ + (xs· Ia)2, δ = sin−1( xsIacos ψ E0 )問題3.4 同期発電機の単位法で示した同期リアクタンスがxs=1,負荷力率0.8 のときの電圧変動率を算定せよ.ここでra= 0とする.[注:読者に計算しやすいた め,問題の太字で表したデータが変わった数字である.] 解答: [ヒント:教科書p.94の節3.6.4を参照すること] 一般的に無負荷誘導起電力E0と無負荷端子電圧V0が等しいので,式(3.53)より 電圧変動率ϵはϵ = V0− Vn Vn × 100% = E0− Vn Vn × 100% = ( E0 Vn − 1) × 100% と なる.電機子抵抗ra= 0とき,式(3.54)よって次式が得られる. E0 = √ (Vncos ψ)2+ (Vnsin ψ)2+ 2xsI nVnsin ψ + (xsIn)2 E0 Vn = √ 1 V2 n V2 n(cos2ψ + sin2ψ) + 2xsInVnsin ψ V2 n +(xsIn) 2 V2 n = √ 1 + 2(xsIn Vn ) sin ψ + (xsIn Vn )2 式(3.52)より,ここでxsIn Vn は単位法で表した同期リアクタンスなので,E0/Vn= √ 2 + 2 sin ψであるとき,ϵ = (√2 + 2 sin ψ− 1) × 100%となる. 力 率 はcos ψ = 0.8よ り ,遅れ力率sin ψ = 0.6の 場 合 ,電 圧 変 動 率 はϵ = (√2 + 2· 0.6 − 1) × 100% = 79%となり,進み力率sin ψ = −0.6の場合,電圧 変動率はϵ = (√2− 2 · 0.6 − 1) × 100% = −10.56%となる. 問題3.5 同期リアクタンス1.2(単位法)のタービン同期発電機が定格電圧で, 定格力率0.8の遅れ電流で定格出力[kVA]を発生するときの無負荷誘導起電力(単 位法)と電圧変動率を求めよ.ただし,電機子抵抗を無視する. 解答: [ヒント:問題3.4を参照すること] 電機子抵抗ra= 0,単位法で表した同期リアクタンス xsIn Vn = 1.2,および,力率 はcos ψ = 0.8より,遅れ力率sin ψ = 0.6のとき,式(3.54)から次式が得られる. E0 Vn = √ 1 + 2(xsIn Vn ) sin ψ + (xsIn Vn )2 = √1 + 1.22+ 2× 1.2 × 0.6 = 1.55
式(3.52)より,ここでxsIn Vn は単位法で表した同期リアクタンスなので,E0/Vn= √ 2 + 2 sin ψであるとき,ϵ = (E0 Vn − 1) × 100% となる. 力率はcos ψ = 0.8より,遅れ力率sin ψ = 0.6の場合,電圧変動率はϵ = (E0 Vn − 1)× 100% = 55%となる. 問題3.6 三相同期発電機で,出力500 [kVA],電圧600 [V],励磁電流180 [A]に 相当する無負荷端子電圧が600 [V],短絡電流540 [A]の場合,この同期発電機の短 絡比および百分率同期インピーダンスを計算せよ. 解答: [ヒント:教科書p.92の例3.4を参照すること] 同期発電機の定格電流はIn= P √ 3V = 500× 103 √ 3× 600 ≈ 481.1 [A], 短絡比はKs= Is In = 540 481.1 ≈ 1.12, 百分率同期インピーダンスはZs= ZsIn Vn × 100% = 1 Ks × 100% = 89.3% である。
**********
第4章の章末演習問題解答
**********
問題4.1三相同期電動機の定格仕様が出力3000 [kW],電圧3000 [V],効率95 %, 力率85 %である場合,この電動機の定格電流を計算せよ. 解答: 端子電圧をVn,電機子電流をIn,力率をcos ψ,効率をηとすると,三相 電気入力PEは √ 3VnIncos ψ,定格出力(機械出力)PMはPM = PE× ηである ので,定格電流Inは次式となる. In= PM √ 3Vncos ψ× η = 3000× 103 √ 3× 3000 × 0.85 × 0.98 = 203 [A] 問題4.2 三相同期電動機で,端子電圧および無負荷誘導起電力は線間で7000 [V]および6400 [V],同期リラクタンスは10 [Ω]で電機子抵抗を無視する.負荷角 30oのとき,出力P [kW]と電機子電流Ia [A]を求めよ. 解答: [ヒント:教科書p.114の節4.4を参照すること] m 解答図 電機子抵抗rs= 0ときのベクトル図 電 機 子 抵 抗 を 無 視 す る と き ,式(4.26)よ り 一 相 当 た り の 機 械 出 力Pm はPm ≈ VmE0 xs sin(δ) [W]となる.た だ し ,電 機 子 電 圧 をVm = 7000/√3 [V],無負荷誘導起 電力をE0 = 6400/√3 [V]と する.三相同期電動機の出力 PMは次式となる. PM = 3· VmE0 xs ·sin(δ) = 3× 7000/√3× 6400/√3× sin(30o) 10 ≈ 2, 240 [kW] 解答図のベクトル図より,電機子電流Iaは次のように求められる. xsIa = √ V2 m+ E02− 2 · VmE0cos δ Ia = √ V2 m+ E20− 2 · VmE0cos δ xs ≈ 203 [A] 問題4.3 三相同期電動機で,極数12極,周波数50 [Hz],電圧6000 [V],1相当 たりの同期リラクタンス9 [Ω],電機子抵抗は無視する.この同期電動機を1相の無負荷誘導起電力が2500 [V]になるように励磁した場合の脱出トルク[kgf·m]を求 めよ. 解答: 電機子抵抗が無視できる場合,教科書p.116の式(4.27)よってトルクTは T = 3Pm ωs = 3pVmE0 2πf xs sin(δ)となり,負荷角δ = π/2のとき,最大トルクTmaxは 次式となる. Tmax= 3× 6× (6000/√3)× 2500 2π× 50 × 9 = 55162 [N· m] = 5628 [kgf · m] ここで,1 [kgf· m]=9.8 [N · m]である. 問題4.4 三相同期電動機で,極数12極,周波数50 [Hz],同期リラクタンス6 [Ω],線間端子電圧6600 [V],線間無負荷誘導起電力6000 [V],負荷角30o,電 機子抵抗を無視する場合,この同期電動機の出力,トルク,電機子電流,力率をそ れぞれ求めよ.[注:読者に計算しやすいため,問題の太字で表したデータが変わった数 字である.] 解答: 相電圧で示した端子電圧VmはVm = 6600/ √ 3 = 3811 [V],無負荷誘導 起電力E0はE0= 6000/√3 = 3463 [V]となる.電機子抵抗が無視できる場合,電 気入力は機械出力と同じになる.三相同期電動機の出力PMは次式となる. PM = 3× 1 6× 3811 × 3464 × 0.5 = 3300 [kW] 教科書p.108の式(4.5)より同期角速度ωsはωs= (2πf )/p = 2π× 50/6 = 52.3 [rad/s]であるので,この電動機トルクTはT = PM/ωs = 3300× 103/52.3 = 63098 [N· m] = 6438 [kgf · m]となる. 問題4.2の解答図を参照することより,電機子電流Iaは次のように得られる. Ia = 1 xs √ V2 m+ E20− 2VmE0cos δ = 1 6 √ 38112+ 34642− 2 × 3811 × 3464 cos 300 = 319 [A] 電気入力が√3VnIacos ψ = PMなので,力率cos ψは次式となる. cos ψ = √PM 3VnIa = 3300× 10 3 √ 3× 6600 × 319 = 0.905
問題4.5 三相突極形同期電動機で,極数6極,周波数50 [Hz],定格電圧6600 [V],定格電流200 [A],無負荷誘導起電力6000 [V],直軸同期リラクタンス xd= 1.2[pu],横軸同期リラクタンスxq= 0.8[pu]である.この同期電動機の最大 出力Pmax [kW]と最大出力時の負荷角δmおよびδ = 30oで運転するときのトル ク[kgf·m]を計算せよ.ただし,電機子抵抗は無視する.[注:読者に計算しやすいた め,問題の太字で表したデータが変わった数字である.] 解答: [ヒント:教科書p.113の節4.3.2を参照すること] 式(4.19)よって突極形同期電動機の出力PMは次式となる. PM = 3 { VmE0 xd sin(δ) +V 2 m(xd− xq) 2xdxq sin(2δ) } [W] ただし,xd,xqを単位法で表したxd[pu] = (xdIn)/Vm,xq[pu] = (xqIn)/Vmで ある.出力PMは次のようになる. PM = 3 { E0In xd[pu]sin(δ) + Vm2In 2 ( 1 xq[pu] − 1 xd[pu])sin(2δ) } [W] ここで,Vm = 6600/ √ 3 = 3811 [V],E0 = 6000/√3 = 3464 [V],In= 200 [A], xd= 1.2 [pu],xq= 0.8 [pu]なので,PM = √ 3×106{sin(δ) + 0.275 sin(2δ)} [W] となる. 最大な出力Pmaxを得るための負荷角δmはdPM/dδ = 0のとき,δm = 67oが 得られると,Pmax = 1935 [kW]となる. また,δ = 30oのとき,出力PM = 1275 [kW],トルクTは次のように計算さ れる. T = PM ωs = PM· p 2πf = 12.2× 10 3 [N· m] = 1243 [kgf· m]
**********
第5章の章末演習問題解答
**********
【問題5.1】 Y0 = I V = 0.8 200 = 0.004 [S] = 4 [mS] g0 = P V2 = 96 2002 = 0.0024 [S] = 2.4 [mS] b0 = √ Y2 0 − g20 = √ 42− 2.42= 3.2 [mS] 【問題5.2】 R = r1+ a2r2= 0.212 + (200 100) 2 × 0.0473 = 0.4012 [Ω] Z = Ez Iz = 5.4 10.1 = 0.53645 [Ω] Z2 = R2+ X2 X = √Z2− R2=√0.534652− 0.40122= 0.35340 [Ω] 【問題5.3】 η1 = 500×1.0×0.784 500×1.0×0.784 + 5 + 3×1.02 = 98% η2 = 500×0.10061×0.4 500×0.10061×0.4 + 5 + 3×0.100612 = 80% 【問題5.4】 Pout = 200 × 1× 0.8× 6 + 200 × 1 2×0.9× 10 + 200 × 1 4×1× 4 = 200(4.8 + 4.5 + 1.0) = 2060 [kwh] Pi = 2 × 24 = 48 [kwh] Pc = 5 ×12× 6 + 5 ×( 1 2) 2× 10 + 5 × (1 4) 2× 4 = 5(6 + 2.5 + 0.25) = 43.75 [kwh] = Pout+ Pi+ Pc= 2151.75 [kwh] ηday = Pout Pin = 95.74% Pin【問題5.5】 p.169 訂正: 誤:「図に示すY結線の」 正::「図に示すYーΔ結線の」 Z =√42+ 32= 5 [Ω] V = √2002+ 02= 200 [V] I1 = V Z = 200 5 = 40 [A] I2 = √3I1= 69.28 [A]
**********
第6章の章末演習問題解答
**********
【問題6.1】 Ns = N 1− s = 1584 1− 0.04 = 1650 [rpm] = 1650 [min −1] Ns = 120f p f = p×Ns 120 = 55 [Hz] 【問題6.2】 Ns = 120f p = 120×60 8 = 900 [rpm] s = Ns− N Ns = 900− 855 900 = 5% Po = 180 + 10 = 190 [kw] P2 = Po 1− s = 190 1− 0.05 = 200 [kw] Pc2 = s×P2= 0.05×200 = 10 [kw] 【問題6.3】 p≒120f N = 120×55 1617 = 4.0816… 極数pは偶数であるから,p = 4と仮定する. Ns = 120f p = 120×55 4 = 1650 [rpm] s = Ns− N Ns = 1650− 1617 1650 = 2% 妥当な値なので,仮定は正しい.(題意より,損失を考慮しないので,) Po = Pin= √ 3V1I1cosθ I1 = √ P0 3V1cos θ = 60×10 3 √ 3×440×0.78729= 100 [A] 【問題6.4】○ × 回転子の電流は,電磁誘導によって誘起される.スリップリングは巻線形誘導 電動機(本書では取り上げていない)で使われる. × 回転子に渦(うず)電流が流れないと,回転力(トルク)が発生しない. 【問題6.5】