平成31年度一般入試 化学(前期)
出題意図と解答例
I
無機化合物の銅の性質及び反応に関する知識を問う問題である。銅の結晶格子に含まれる密度や充填率の関
係についての計算能力の理解度も問うている。また硫酸銅溶液の溶解度に関する数値計算について、実験操作
を複合させて知識を問い、固体の溶解度についての理解度も問うている。
II
塩化ナトリウムを題材とし、イオン結晶の特徴、ヘスの法則、および浸透圧ついての理解度を問う内容であり、
具体的な数値計算により大きな桁や有効数字の取り扱いの能力も問うている。
III
有機合成反応と高分子合成反応の理解度を見る。
問1 ベンゼンのニトロ化に関する理解度を見る。
問2 クメン法と生成したフェノールの臭素化についての理解度を見る。
問3 フェノールとナトリウムの反応における化学量論の理解度を見る。
問4 硫酸、安息香酸、フェノールの酸性度の理解度を見る。
問5 ヨードホルム反応の理解度を見る。
問6 ベンゼンの還元反応ならびに、アルケンの酸化反応と生成したカルボン酸のエステル化反応の理解度を見
る。
問 7 ナイロン 66 についての理解度を見る。
受 験 番 号
小計
化 学 解 答 用 紙
平成 31 年度前 期 日 程
受 験 番 号 採 点 欄 問 1 (ア)
遷移
(イ)小さ
(A)
Cu
2O
(B)Cu(OH)
2 (C)[Cu(NH
3)
4]
2+問 2 (a) 〔計算過程〕
密度 = 4 x
64 𝑁𝐴x
1 𝑎3=
256 𝑎3𝑁 𝐴256 𝑎3𝑁 𝐴
〔g/cm
3〕
(b) 〔計算過程〕〕√2 𝑎 = 4𝑟 より ∴𝑟=
√2 4𝑎
充填率=
原子4個分の体積 単位格子の体積=
4𝜋𝑟3 3 ×4 𝑎3=
4𝜋 3×( √2 4𝑎) 3×4 𝑎3=
√2 6𝜋 = 0.7379
73.8〔%〕
問 3 化 学 反 応式Cu
+ 2H
2SO
4→ CuSO
4+ SO
2+ 2H
2O
気体の 捕 集方法下方置換
問 4 (ウ)2.5 g
(エ)メスフラスコ
問 5 (a) 〔計算過程〕CuSO
4・5H
2O 100 g の内訳は CuSO
4:100x
160 250= 64 g, H
2O: 100-64 = 36 g。グラ
フより硫酸銅は、60 ℃で水 100 g に対して 40 g 溶けるので 加えた水を
x g とすると
CuSO4(g) 飽和CuSO4𝑎𝑞(g)
=
40 100+40=
64 100 + 𝑥∴
x=124 g となる。
124 g
(b) 〔計算過程〕60 ℃の飽和 CuSO
4水溶液 280 g 中の CuSO
4の質量は 280x
40 140=80 g 。20 ℃まで
の冷却によって析出する CuSO
4・5H
2O を
y〔g〕とすると、その結晶中に含まれる CuSO
4の質量
は
160 250𝑦〔g〕となる。
CuSO
4・5H
2O の析出量は、硫酸銅の 20 ℃における溶解度より
CuSO4〔g〕 20℃飽和CuSO4𝑎𝑞〔g〕=
20 100+20=
80−1625𝑦 280−𝑦∴
y=70.4 g となる。
70 g
1
I
受 験 番 号
小計
化 学 解 答 用 紙
平 成 31 年 度前 期 日 程
受 験 番 号 採 点 欄 問 1 (ア)
配位
(イ)6
問 2 (a)ヘスの法則(総熱量保存の法則)
(b) 〔計算過程〕 溶液の質量= (100 + 2.0)g、溶液の比熱= 4.2 J/(g·K) で温度変化が 5.0 K であるから 発生した熱量 = (100+2.0) g×4.2 J/(g·K) ×5.0 K = 2142 J = 2.14 kJ NaOH 1mol あたりに換算すると、 2.14×40 2.0=42.8≒43 kJ/mol43
〔kJ/mol〕 (c)中和熱
(d) 〔計算過程〕 操作1~3 に関係する物質の物質量は、いずれも 0.050 mol で等しい。したがって、操作3における発熱量 qは、操作1と2の発熱量の和になる(ヘスの法則)。 𝑞 = 2.14 + 2.8 = 4.94 kJ操作3 でおこる変化の熱化学方程式, NaOH(固)+ HClaq = NaClaq + H2O(液)+Q kJ
に対応する反応熱Qは 𝑄 =0.0504.94 = 98.8 ≓ 99 kJ/mol
99
〔kJ/mol〕(e) 〔操作1 の熱化学方程式〕
NaOH(固)+ aq = NaOHaq + 43 kJ
(f) 〔操作2 の熱化学方程式〕
NaOHaq + HClaq = NaClaq + H2O(液)+ 56 kJ
問 3 (a) 〔計算過程〕 塩化ナトリウム水溶液の密度= 1.0 g/cm3である。その液柱 20 cm が示す圧力は、水銀柱 で 13.620 cmHgに対応する。これは、13.6×7620 × 1.01 × 105 = 1.95 × 103 ≑ 2.0 × 103 Pa 2.0×103 〔Pa〕 (b) 〔計算過程〕 NaCl のモル濃度をC [mol/L]とする。Na+とCl-に完全に電離しているので、ファントホッフの式には濃 度2Cを適用する。 1.95 × 103= 2C × 8.3 × 105× 300 𝐶 = 3.91 × 10−4 mol/L 3.9× 10-4 〔mol/L〕 (c) スクロースは,電離しないため,同濃度のなる。 NaCl 水溶液の浸透圧の 1/2 となる。すなわち、液柱は h = 10 cm と
2
II
受 験 番 号