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オンコロジックエマージェンシーの状況にある患者の倫理的意思決定を支えた経験 - Jonsen A.R. らの臨床倫理4分割法を活用して-

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Academic year: 2021

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オンコロジックエマージェンシーの状況にある患者の倫理的意思決定を支えた経験

- Jonsen A.R. らの臨床倫理4分割法を活用して-

      2 階西病棟        ○岡部 愛  佐野 佳代  杉本 志帆  鍋島 さおり       がん治療センター(緩和ケアチーム)       近藤 恵子 Ⅰ.研究目的  JonsenA.R. らの臨床倫理4分割法を活用し、クリティカルな状況が重なる中、生死をかけ治療を選択 する患者の意思決定に携った。この経験より、倫理的意思決定に携る看護師の役割と4分割法の活用への 示唆を得る。 Ⅱ.倫理的配慮   研究概要を口頭・文書で説明し家族より同意を得た。匿名性に配慮した。 Ⅲ.事例紹介  A 氏、壮年期進行乳がん患者、抗がん治療を求め当院受診。全身転移を認め、肝臓は転移病変が正常肝 実質を上回っていた。 Ⅳ.看護の展開  抗がん治療による医学的適応は、数ヶ月の延命も期待できず、死期を早める危険性が高く、一方、治療 中止による余命は週単位と予測された。A 氏は、生への希求から治療継続の意を示したが、家族は同意し かね苦悩していた。医療者もまた、A 氏・家族の意向や QOL が掴めぬ中、治療に踏み切れず葛藤していた。 しかし病状は急変し、早急な意思決定を迫られた。緩和ケアチーム(PCT)リンクナースは、4分割法を 基に看護師間で倫理的課題を共有し意思決定を支える力を集約しながら、緊迫した状況を和らげ、A 氏と 家族が話し合える場を整えた。PCT 専従看護師は、各医療者の専門的立場から、4分割法を基に合意形成 がなされるよう全体を調整した。A 氏は「一縷の望みにかけ治療を受けたい」と決断し、皆でこの意思を 支持した。しかし抗がん剤投与間際わずか1、2時間で肝不全と意識障害に陥り、治療中止となった。喪 失感の中、皆が緩和ケアへと意識を注げず、何が QOL に繋がるのかと更にジレンマを抱えた。PCT リンクナー スと専従看護師は、今を生きたいという A 氏の意思は変わらぬ事を示し、最期の過程を支えた。 Ⅴ.考  察  病状が急展開し、倫理的判断を迫られる状況において、4分割法は医学的適応や患者・家族の意向、 QOL 等の視点から倫理的課題を推察し、多職種で課題を検討しながら意思決定へ導く指針となった。更に、 4分割法を基にこの過程を調整する看護師の役割が重要とされた。 平成 23 年 2 月 12・13 日 第 25 回日本がん看護学会学術集会(神戸)にて発表

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