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足摺地域の海成中位段丘堆積層について

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(1)

足摺地域の海成中位段丘雌積層について

甲  藤  次

(理学部地学教室)

Some

problems

on the marine

middle

terrace deposits

 in the Ashizuri district, Kochi

Prefecture,

Japan.

       by

      Jiro Katto

DeiJartwent of Geology, Faculty of Science, Kocht University

Abstract

 The Quaternary marine terraces and deposits are well developed in the Ashizuri districtof Tosa-Shimizu City, Kochi, Shikoku. Recently, Mimoto and Mitsushio (1982) proposed a new formation, Ashizuri Formation, and correlated it with the middle terrace deposits, namely. Upper Pleistocene. However, outcrop observations made by the author indicate that their conclusions were misleading. At least, a part of the Ashizuri Formation defined by them belongs to the Pliocene Koe Formation judging from the lithology, lithification,altitude of distribution, and structural disturbance. Typical middle terrace deposits, predominantly consisting of beach gravel facies, is distributed in the Nakahama area, which the author defined as a new formation, the Nakahama Formation.        は じ め に  高知県西南部の足摺半島および同周辺地域には,海岸段丘か見事に発達している.  これらの海岸段丘および同堆積物についての記載は,既に数多く発表されている(文献参照).  最近では,三本健二・満塩博美(1982,“下末吉”総合シンポジウム特集号, p. 131―136)によ る“土佐清水市の海成中位段丘構成層(足摺層)”の発表があるが,この発表ではまず下記の疑義 に注目せざるを得ない.  (1)中位段丘層の足摺層及び下部更新統の古崖錐と,越層(鮮新統)の区分に関する問題.  (2)足摺層か,高度約20∼10mの平担面をつくるとしているが,足摺半島および同周辺地域の赤   色土をともなう中位段丘面の高度は50∼20mであり,これらに比較すると,低すぎるのは何故   かという欺問.  これらの問題は,筆者のこれまでの高知県下の鮮新統および更新統に関する研究と関係するの で,5月下旬に,三木らの足摺層の模式地(清水小学校校庭西南隅)を訪れて,C14年代測定の試 料として貝化石などを採集するとともに,同結果の判明した8月上旬に再びこれらの関係地域を再 検討する機会を得たので,その結果について報告する(第1図).  本研究にあたり,足摺層産の有孔虫ならびにナンノプランクトンを鑑定して頂いた山形大学の斉 藤常正博士ならびに岡田尚武博士に厚く御礼申し上げる.

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62  高知大学学術研究報告 第31巻 ’自然科学 -第1図」土佐清水付近の位置図(国土地理院発行 2,5万分之1土佐清水の1部を使用)       1:足摺層の模式地(清水小学校校庭西南隅) 2:旭町の宅地造成地       3:中浜保育園 4:中浜小学校       I 第四系概I説  足摺地域に分布する第四系については,既述のように多くの研究があるので,ここには最近の三 本・満塩(1982)によって提唱された新称の足摺層を主題として述べる.  三本らの更新世中期の足摺層の模式地は,土佐清水市街地のほぼ中央に位置する清水小学校校庭 西南隅(第1図, Loc. 0の露頭であって,足摺層は細粒砂よりなる越層(鮮新世)を不整合に被 覆する更新世前期の古崖錐の上に,さらにこれを不整合に被覆してに校庭の西側および南側の道路 沿いめカッティングに露出する厚さ230 cm の地層のことである・  この足摺層は,下部と上部に分けられており,下部は厚さ170 cm の暗灰色の泥質砂層であり, 一部に化石床状に貝化石などを多産する海成層である.また上部は,約5cmのオレンジシルト を挾む厚さ約50 cm の海浜篠層で,中位段丘篠層に対比されている.  足摺層下位の古崖錐は,主として角篠からなる厚さ約90 Cm の地層のことである.  また三本らは,本地点の東方約1000mの旭町(第1図, Loc. 2)の高さ約7∼8mの崖(距離約 60m)では,足摺層は越層(篠層)を基盤として,その上に不整合に厚さ約120 cmの灰青色の泥 質砂層,約50 cm のオレンジシルト,約300 cm の円篠層の順に重なるとしており,三本らは,・ 以上の足摺層かいわゆる中位の海岸段丘を形成していると述べている.  以下,三本らめ足摺層および同関係地層についての筆者の観察を述べ,この機会に従来筆者か足 摺地域で“下末吉層”相当層と考えていた海成中位段丘構成層(中浜層と仮称)について記載する とともに,さらに本地域の鮮新統についての新知見を付記する.          n 足摺層模式地の清水小学校校庭西南隅の露頭について  足摺層の最もよい露頭は,図版1・写真1に示すように,同小学校校庭西南隅のほぼ南北方向の 坂道に沿うカッティングである.

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足摺地域の海成中位段丘堆積層について ・  (甲藤) 65  また同校校庭南側の道路に沿っては,図版1,写真2に示すように,前者と連続する地層が見ら れるが,露出状態は余りよくない.  筆者の観察によれば,これらの模式地に露出する岩相は,下位より青灰色の中粒∼細粒砂層と, その上位の御層および青灰色のシルト層からなる.  下位の地層は,道路に沿って約160∼250 cm の厚さで露出しており,主として塊状をなす細粒 砂よりなり,上部で一部平行葉理を示す.砂はほとんどが石英および泥質岩の岩片よりなり,多少 の斜長石を含む.部分的には, pebbleサイズの孤立した円篠をわずかに含む.この地層は,筆者 (1952, 1961)が越層と命名した海棲貝化石を含む鮮新統であって,室戸半島西海岸地帯の穴内層に 対比される(現在の土佐清水の市街地のほぽ中央を東西に通じる国道321号線は,昭和30年頃の都 市計画に基き,越層の分布していた丘陵を掘削して造成された区間が多い.図版Ⅳ・写真1参照).  この越層の上位の地層は,三本らが古崖錐と呼ぶ御層から始まるが,この御層は厚さ最大90 cm で, pebble∼cobbleサイズの円篠を混じえる亜角篠∼亜円篠からなり,砂岩篠がほとんどである (図版n,写真1・2).また南側道路に沿う露頭(図版I,写真2)では,この篠層(厚さ約50 cm) の上位約60 cm には厚さ・約20 cm の同様の篠種からなる篠層が見られ,これらの篠層の間と上 位には青灰色の細粒砂∼シルト層がある.粒子は石英・岩片を主とするが,雲母類・輝石・斜長石 を多少含む.  この模式地で観察される足摺層の下位にある篠層(三本らの古崖錐)は,約1mほどの高度差で 基盤の越層(鮮新統)を侵食していること,既述のようにこの篠層は円御と亜角篠が混合している こと,またこの篠層の上位の細粒砂∼シルト層と下位の越層の細粒砂層との間には固結度に差のあ ること等から考察すると,越層の上位にある篠層は,海成層である足摺層の基底篠であって,三本 らによる古崖錐(更新世前期)として堆積時期を異にするものであるとは考えられない.  また三本らは足摺層を下部(泥質砂)と上部(海浜御)に分けているが,この模式地の露頭の観 察によれば,三本らの海浜篠(段丘篠層)としたのは足摺層中の篠層のことであろう.図版w ・写 真1より明らかなように,清水小学校校庭は背後の中位段丘面を切りこんで造成されており,この 限られた模式地には段丘篠層は露出していない.  従って,三本・満塩(1982)による古崖錐に始まる足摺層を,筆者は基底篠から始まる一連の海 成層としてここに修正定義する.゛       ,  また三本らによると,模式地の足摺層には貝類などのほかに生痕化石が多いと述ぺているが,筆 者の観察では,同地層内からの生痕化石は発見できなかった.  ただし図版I,写真1のC付近には,露頭の表面に多数の断面の小さい円形の穴が多数観察せら れ(図版Ⅲ,写真1・2),これはZirfea (穿孔貝の一種)による穿孔跡である.  このことは,地層形成後のある時期に,これらの地層か海に面したcliff (海崖)をなしていたこ とか確実であり,その時期は恐らく縄文海進期の海面のある停滞期を示すものであろう・  次に筆者か同模式地の図版I・写真1のA地点から採集した試料による有孔虫化石およびナンノ プランクトンは,第1 ・2表の通りである.  斉藤常正博士によると,表記の有孔虫群集は,外洋に面した100m以浅に典型的なものであるが, 浮遊性種が1ケ(Planktonic/benthic ratio が1%以下), lg当りの有孔虫の数が100以下である ことを考えると,深度10∼50m位の公海に面した海底に堆積したものと思われ,また親潮系の種は なく,暖海種で,フィリピンに知られているものか多いので,暖海の影響下であったと考えられ る.

 時代は,ナンノによると第四紀の27万年より新しい区間で, Okada and Bukry のZone ,のCN

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64 高知大学学術研究報告 第31巻 自然科学

      第1表  足摺層産有孔虫化石(斉藤常正鑑定)

Benthic species

 Ammonia beccariivar. pauciloculata(PHLEGER and Parker)

 Cymb証印oretta bradyi(CUSHMAN)  Cibtctdeslobatulus(WALKER and JACOB)  J^eoconorbinastachi(ASANO)  Miliolinella ctrcularis(BORNEMANN)  PseudononioniabonicumASANO  QuinqueloculinaelongataNATLAND  QI£inaueloculina lamarckianad'ORVIGNY  SbtroloculinacomraunhCUSHMAN an‘dTODD  SpiroloculinaorhisCUSHMAN

 Textulari・acandeiaれad'ORBIGNY  '

 Tにはlaria hauerii d'ORBIGNY

Planktonic species   Globigerinoidesruber(d'ORBtGNY) 第2表  足摺層産ナンノプランクトン(岡田尚武鑑定) Braarwdos♪haera higeloxむii Calcidescu%lepto♪orus Em.ぷaれia huエ1りi Gebhyrocapiacaribheanica 、 G.     ericsoれU G.      θΓεど2nica Helicosbhaeracar£eri

UTTibilicost〉haera sibogaevar. folio%a

 また筆者が模式地(Loc. 1)から採集した試料(貝・サンゴ化石)のC14の年代測定値(Tele-dyne社.1 ―12, 600)によると,4万年以前の結果が得られた.  従って,足摺層の絶対年代は4万年∼27万年前の間のどこかに位置することが判明した.       Ⅲ 旭町の足摺層についで  三本・満塩(1982)によると,模式地の東方約1000mの旭町の宅地造成地(第1図・Loc. 2, 標高約6∼8m)では,造成された山際の道路沿いの崖に,いわゆる“足摺層”の露出した高さ約 7∼8m・距離約60mにわたる新鮮な露頭が見られる(図版Ⅳ,写真2・3).  ここでは,下位の清水層(古第三系)の上に,越層のgranu!e∼pebbleサイズの亜円∼亜角磯 (ほとんどか砂岩篠)からなる厚さ約300 cm の地層か不整合にのる.  この不整合面は,清水層(篠岩層)のみがかれた面であったり, boring shell の穿孔跡が認めら れたりする.この地域の同不整合面は,不規則な凹凸の多い形状を示しており,その上を鮮新統の 越層がうめている.  この越層の上位には,厚さ150 cm 内外の青灰色・極細粒砂∼シルト層が重なる.

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      足摺地域の海成中位段丘堆積層について    (甲藤)         65  さらにその上位には,厚さ500 cm 内外の細篠層が重なる.砂層は主として石英・堆積岩片か らなる.  越層から始まる上記の地層間には,顕著な岩相上の変化や侵食構造などの認められない一連の堆 積物であって,岩相や固結度からみても何れも越層に属し,三本らの云う“足摺層”は認められな い.  またこれらの地層は,基底部では25度内外の北傾斜を示すか,同道路沿いの露頭では数本の断層 が発達しており,なかには落差最大200 cm を示す正断層がある.  なお三本らは,模式地と旭町の“足摺層”の対比に際して,オレンジ色のシルトを重視している ようであるか,この色は上位にのる篠層の透水率のちがいによる後の風化着色によるものと観察さ れるので,対比の指標とはなし得ない.       拡 足摺地域の“下末吉層”相当層について  筆者の観察によると,既述のように,三本・満塩(1982)が新地層名を提唱しだ足摺層”の分 布地は,清水小学校校庭西南隅の露頭のみとなるが,この地層を三本らか足摺地域の“下末吉層” 相当層の模式地としていることには問題がある.  すなわち,三本らぱ足摺層(海成中位段丘構成層)”が約20∼10mの平担面をつくっていると 述べているか,足摺地域及び周辺地域の中位段丘面としては既述のように低すぎるし,例えば四万 十川河口北方の平野地区の中位段丘(甲藤・満塩, 1969)に対比するには無理がある.またこれを 支持するような構造運動は考えられない.  筆者のこれまでの調査によると,“下末吉層”湘当層の代表的な中位段丘構成層としては,中浜∼ 大浜間(第1図)に求めるのが妥当のように思われる(第1図:図版V,写真1∼4:図版Ⅵ,写 真1∼4).  以下,中浜∼大浜間に分布する中位段丘構成層の模式地について記載する.ただし,既述の“足 摺層”との混乱を避ける為に,この地層を中浜層と仮称し,下記の通り定義する.   〔模式地〕 中浜保育園および中浜小学校周辺(第1図, Loc. 3∼4周辺)   〔層 厚〕 15 m(十)   〔層 序〕 中浜層は,下部層と上部層に大きく分けられる.  下部層は中浜保育園南西側の山裾に露出しており(図版V,写真2・3),層厚は800 cm 以上 で,主としてgranule∼pebbleサイズの礎層ないし篠質砂層からなるか,園庭より約300 cm 上 位を下底とする厚さ200 cm 内外の泥質砂層を挾んでいる(図版V,写真2).また稀に,園庭よ り約100 cm 及び約300 cm 上.位にはそれぞれ長径40 cm および100 cm の花肖岩のboulder を含んでいる.下部層の基底は直接見られないか,この園庭の下位ほぽ50 cm 位のところに基盤 の古第三系(清水層)が位置すると予測している.化石は,中浜保育園の下部層より,筆者はかつ てChlomiis(Mimachlamys)mohilii(Reeve)を得ている(この鑑定は増田孝一郎による).こ の貝の時代的分布は.今日では更新世から現世にわたるものとされている.  中浜層の上部層は,中浜小学校校庭の東側の高さ約400 cm のカッティングによく露出してい るが(図版Ⅵ,写真1・2:図版V,写真4).下部より上部にかけてはboulderサイズの磯を挾 むgranule∼pebbleサイズのbeach gravel (海浜禰)からなる.  中浜保育園と中浜小学校の間には県道足摺岬公園線を挾み露頭か悪いので,現在のところ中浜層 の下部層と上部層の直接の関係を明らかになし得ないが,県交通バス停の中ノ浜小学校前より約150 m北方の道路カーブ付近には, beach grabel のよい露頭かあって(図版Ⅵ,写真3・4),その上 位には泥質砂層を挾む篠層を経て前述の中浜小学校校庭のbeach grabe目こ連続している.また中 ノ浜小学校バス停より約70m北方の県道沿いの地点及び既述のカーブ地点付近より東方向に分岐し

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 66      __高_佃_人_学学術研麺報告 第31巻 旦盤甦堂 て小学校校庭に通じる小道にそっては,中浜保育園に露出する下部層と同じ岩相の地層か露出して いる.下部層と上部層の関係は不整合の可能性もあるが,現在の露頭からは直接の関係を明らかに なし得ないので,現段階では中浜層の下部層と上部層は連続する一連の地層としてあつかう.  中浜層の最上部は,高度約50∼20mの中位段丘面を形成している. 〔付〕以布利峠の磯層について  土佐清水∼以布利間の以布利峠付近には篠層が分布するか,この礎層について補足説明する.  甲藤(1954, 1961)は,土佐清水市街地に分布する含化石海成層を越層(鮮新統)と命名し,東 部の穴内層(鮮新統)に対比した.  その後,以布利峠より土佐清水寄りの標高55m付近に露出する嶺層(現在の東谷団地あたり)を 筆者は越層(鮮新統)の基底礎岩と考えたか,中川・寺戸・祖父江(1970)は以布利篠層と命名 し高位段丘篠層としている.また三本・満塩(1982)は,古崖錐を以布利禰層の同時異相としてい る(対比表参照).  現在この東谷団地より少し北方の以布利峠西側(以布利トンネルの土佐清水側抗ロよりやや高所 の西側)に新しい団地を造成中であるか,ここには東谷団地周辺と同様の岩相からなる砂層を挾む 磯層が露出している(図版VII,写真1∼3).  この露頭の観察によると,砂層にはクロスラミナか発達しており,河川系の堆積物と堆定され, この露頭を含むいわゆる以布利礎層は陸成層であり,岩相上室戸半島西海岸地帯に点々と分布する 鮮新統の六本松層(甲藤, 1961)に対比される地層であろう.  このような地層は,足摺スカイラインの土佐清水側取付口(厚生町)東側山腹の掘削による大露 頭をはじめ,その他に土佐清水市周辺の宅地造成地などの新しい露頭か順次増加しているので,本 地域のこれらの鮮新統についての再検討は次の機会に譲る,       む す ぴ  本文は,三本・満塩(1982)が四国西南部足摺半島地域で゛゛下末吉層”に対比した足摺層に対し て,筆者の見解を述べ修正定義した.  また筆者は,本地域の海成中位段丘構成層の模式層として中浜層を定義した.  中浜層は高度50∼20mの段丘面を形成しており,筆者の修正定義による足摺層はその下部層にあ. たると考えられる.  すなわち,土佐清水市付近では,27∼4万年前の間のある時期に, 10(十)mから50mにわたる一 連の海面上昇かあり,中位段丘面が形成された.       づ  また,足摺層の模式地では,縄文海進期の海面のある停滞期を示すと思われるboring shel卜こ よる穿孔跡か観察された.  以上まだまとまった研究ではないか,このような論文(特に第四系の場合)を早急に発表する必 要を痛感したのは,“足摺層”の模式地であり/同地層からの貴重な化石産地で・あった清水小学校 南西隅の重要な露頭(図版1,写真1)が,既にコ=ンクリート擁壁によって被覆されたことである  (図版Ⅲ,写真3).また旭町の問題の露頭(図版V , 写真2・3)にしても,前者と同じように, 何らかの擁壁や植物被によって被覆されるのは時間の問題であろう.  従って本文では,なるべく多くの写真を付した記録を留めるとともに,露頭の観察されるうちに 関心のある方々の御批判を得たいと思い,ここに本文豪発表した次第である,

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 足摺地域の海成中位段丘堆積層について    (甲藤)

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       文    献

1) Akojima, I. (1973) Red Weathering Crust in Terrace Gravel as a Key to Terrace chronology・  Science Reports, Tohoku Univ., 7th Ser. (Geography), V. 23, No. 2, P. 91―119

2)甲藤次郎・中村純・高柳洋吉(1954)唐ノ浜層群の層序と微古生物学的考察 高知大学学術研究報告  第2巻 第32号 3)甲藤次郎(1960, 1961) 20万分之1高知県地質鉱産図(四万十帯)及び同説明書(56∼90頁)高知県 4)甲藤次郎(1969)高知県地方の第四系 日本地質学会第76年学術大会シンポジウム「海岸平野」 5)甲藤次郎・満塩博美(1969)高知県西南部の中位段丘堆積層 高知大学学術研究報告 第17巻 自然科  学 第6号 6)甲藤次郎ほか6名(1977) 20万分之1高知営林局管内(四国)表層地質図 高知営林局 7)甲藤次郎(1980) 5万分之1「柏島・土佐清水」表層地質図及び説明書 高知県 8)甲藤次郎・高柳洋吉・増田孝一郎・平朝彦・岡村真(1980)いわゆる“唐ノ浜層群”の再検討―予報―  甲藤教授還暦記念論文集「四万十帯の地質学と古生物学」27―36頁 林野弘済会高知支部 9)甲藤次郎・阿子島功(1980)室戸半島の沖積世の地殻変動 甲藤教授還暦記念論文集「四万十帯の地質  学と古生物学」1 ― 15頁 10)甲藤次郎(1982)足摺地域の海成中位段丘層について 日本地質学会関西支部会報93号・同西日本支部  会報76号合併号 11)三本健二・満塩博美(1982)土佐清水市の海成中位段丘構成層(足摺層)第四紀総合研究会連絡誌  (“下末吉”総研シンポジウム特集号)22号 12)満塩博美・川沢啓三・近藤日出男・西嶋輝之・高知第四系グループ(1970)高知県南西部四万十川北岸  河口付近の中位段丘 地質雑 76 81―82 13)中川衷三・寺戸恒夫(1968)高知県土佐中村市付近の後期第四系 徳島大学学芸紀要 第18巻 14)中川衷三・寺戸恒夫(1968)高知県足摺岬付近の第四系に関する2・3の問題 日本地質学会関西支部  報67号・西日本支部報493号合併号 15)中川衷三・寺戸恒夫・祖父江勝孝(1970)高知県南西海岸に沿う後期新生界の諸問題 徳島大学学芸紀  要 第18

16) Okada, H. and Bukry, D・, 1980 : Supplementary modification and introduction of code numbers  to the lowlatitude coccolith biostratigraphic zonation (Bukry, 1973; 1975) Mac. Micropaleont  5(2) 321―362 17)小笠原義勝(1940)土佐足摺岬の海岸段丘 地質雑 47 233―240 18)太田陽子(1968)旧河線の変形からみた第四紀地殻変動に関する2・3の考察 地質学論集 No. 2  p. 15-28 19)鈴木達夫(1938) 7万5千分之1「宿毛」地質図幅及び同説明書 地質調査所 (昭和57年9月24日受理) (昭和58年1月22日発行)

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図 版 I 写真1 足摺層の模式地(清水小学校校庭西南隅。ほゞ`南北方向の露頭。 1982年5月撮影)。破線より下   位は越眉(鮮新統),同上丿立は三。木・満塩(1982)による古炭錐および足摺層。 A付近からは貝化石   などを多産した(Bおよびcについては,以下の写貞を参照)。図版lv,写真1参照。 J 〃 − − 心 W  ̄ 写真2 足摺層の模式地。写貞1と連続する東西方向の露頭(折尺のほy中央より下位が越層)。

(9)

図 版 n

写真1 越顧(右端のハンマーの柄の方向で示す境より下位の地層)を不整合に被覆する足指層の基底鴎    (Bの位置は,図版I・写真1のBと対照)。

(10)

目 測 図       。︵岫命﹃‘44 2861﹄ i'lip/n i'!l^服臍0[g一・代詞毫e瑕恒擲0廻翠叫 ﹁瑞呻 。︵目怒∼︱に心べ︶図べ謳e喬1i絲o側扁一 一似吋      。︵柵冊迦邱能辿岡i!i/-5-?OM(徊燧べ耀︶誼ポ胎り﹃2 ︵以ポ胎︶■”'V-'?z 5-^│;<5l^≪fi?2)I(r■t^^R t m± ■ i M'S一 ︷似帥

(11)

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図 版 I 写真1 足摺層の模式地(清水小学校校庭西南隅。ほゞ`南北方向の露頭。 1982年5月撮影)。破線より下   位は越眉(鮮新統),同上丿立は三。木・満塩(1982)による古炭錐および足摺層。 A付近からは貝化石   などを多産した(Bおよびcについては,以下の写貞を参照)。図版lv,写真1参照。 J 〃 − − 心 W  ̄ 写真2 足摺層の模式地。写貞1と連続する東西方向の露頭(折尺のほy中央より下位が越層)。
図 版 n

参照

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