Analysis of car-to-bicycle approach patterns
for developing active safety devices.
その他の言語のタイ
トル
予防安全技術の開発に向けた車両と自転車との接近
状況に関する分析
ヨボウ アンゼン ギジュツ ノ カイハツ ニ ムケタ
シャリョウ ト ジテンシャ トノ セッキン ジョウ
キョウ ニ カンスル ブンセキ
著者
松井 靖浩
発行年
2018-03-09
URL
http://hdl.handle.net/10422/00012370
氏
名 松井 靖浩
学
位
の
種
類 博士(医学)
学
位
記
番
号 博士乙第435号
学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項
学 位 授 与 年 月 日 平成30年 3月 9日
学 位 論 文 題 目 Analysis of car-to-bicycle approach patterns for
developing active safety devices
(予防安全技術の開発に向けた車両と自転車との接近状況に
関する分析)
審
査
委
員 主査 教授 大路 正人
副査 教授 古荘 義雄
副査 教授 室寺 義仁
別 紙 様 式
3
(課程博士 •論文博士共用)論 文 内 容 要 旨
X
整理番号4 3 9
瀘 汽 汽 (ふ り が な 〉 ま つ い や す ひ ろ 氏 名 松 井 靖 浩学位論文題目
Analysis of car-to-bicycle approach patterns for developing
active safety devices
(予防安全技術の開発に向けた車両と自転車との接近状況に関する分析)
1 .
目的2 0 1 6
年 の 我 が 国 の 交 通 事 故 死 者 数 は3 , 9 0 4
人 で あ り 、そ の 中 で 歩 行 中 の 死 者 数1,361
人(
3 5 % )
、 自 転 車 乗 員 の 死 者 数509
人(
1 3 % )
を 合 わ せ る と 交 通 弱 者 (歩 行 者 、 自転車乗員) は48%
を占める。従っ て 交 通 弱 者 への保護対策は極めて重要である。我 が 国 で は 、車 両 の ボ ン ネ ッ ト を 対 象 に 歩 行 者 頭 部 を 保 護 す る た め の 技 術 基 準 が2005
年 に 導 入 さ れ た 。更なる交通事故死者数の低減には、 自転車乗員事故への対策も必要 と考えられる。死亡した自転車乗員 の 損 傷 主 主 部 は 、頭 部(
6 0 % )
、胸 部(
1 1 % )
、腰 部(
6 % )
、頸 部 (跳)であ る こ と か ら 、身体の各部位に対する対策も求められる。死 亡 自 転 車 乗 員 の 多 くは高齢者 である こ と か ら 、傷害を予め低減するための対策が極め て 重 要 と な る 。 自転車乗員保護対策としては、車両に搭載されたセンサが自転車乗員 を検知しブレーキを制御する自転車乗員検知型被害軽減装置の普及が有効と考える。 本 論 文 で は 、自転車乗員が関与した日本の交通事故の特徴を把握し、ニアミスという 新 し い 機 軸 を 用 い 、自転車乗員の行動特性を解明することで、自転車検知型被害軽減 装置 に求 められる 仕 様を新 たに提案し自転車乗員の傷害軽減を目指す。2 .
方法2 . 1
ニアミスデータの有効性 日本で発生した四輪車対自転車乗員の死亡事故では、車両が直進中に自転車乗員が 死亡 し た事 例 が 大 部 分 を 占 め る 。そ こ で 、車両が直 進す る事 例に 着目 し、単路におい て車両の移 動 方 向に対し 自転車 が横断 す る 事 例 、交差点において車両の移動方向に対 し自転車が横断する事例、車両の移動方向に対し自転車が平行に移動する事例に分類 した。ニ ア ミ ス デ ー タ は 、公益社団法人自動車技術 会が 保有 する デー タを 使用 し、死 亡事故との近似性より ニアミ スデー タ の 有 効 性 を 解 明 した。 (備考) 1 . 論文内容要旨は、研究の目的♦ 方 法 • 結 果 • 考 察 • 結論の順に記載し、 2 千字 程度でタイプ等を用いて印字すること。 2 . ※印の欄には記入しないこと。4
別 紙 様 式3
の2
(課程博士 • 論文博士共用) (続紙)2.2
衝 突 予 測 時 間(Time-to-collision: T T C )
の推定 ニア ミス デ ー タ を 使 用 し 、自転車が現れた瞬間の自転車位置から車両前端までの距 離 情 報 を 画 像から 抽 出した 。車両走行速度は、 ドライバーが急ブレーキを踏む直前の 速 度 情 報 を 抽 出 し た 。なお 、衝 突 予 測 時 間(
T T C )
は、 ドライバーが自転車に気づかず ブレーキをかけない最悪の状態を想定し、車 両 と 自 転 車 と の 距 離(
L )
を車両走行速度( V )
で除し て 算 出した 。3 .
結 果 • 考 察3.1
ニアミスデータの有効性 車 両 と 自転車と の 接近状 況につい て 、 自 転 車 乗 員 が 死 亡 し た 交 通 事 故2, 818
件 と 、 ニ ア ミ ス 事 象229
件を比較した。交差点の直前を車両が移動し自転車が横断する事例 が ニ ア ミ ス 事 象(6 2. 9% ),
死 亡 事 故(
64.1%)
ともに最も多く、両構成率に有意な差 はなかった。本 結 果 か ら 、ニアミスデータは事故状況を把握する上で活用可能である と考えられる。3. 2
衝 突 予 測 時 間(
T T C )
の推定 ここでは、ニ ア ミス事象のうち車両が直進中、 自転車がその車両前方を横断する二 ア ミ ス デ ー タ161
件 を 使 用した 。危険 な 接 近 状況を解明するため、自転車の飛び出し を2
つ に 区 分((a)
障害 物なし 、(
b )
物陰からの飛び出し) し た と き のTTC
、車両と 自転車との距離、車両走行速度の各平均値と統計検定結果を調査した。 自転車が物陰 か ら 飛 び 出 す 時 のTTC
(平 均1.95
秒)は、障 害 物 な し で 飛 び 出 す 時 のTTC
(平 均3. 21
秒 ) と比べて有意に短かった。TTC
が短くなる要 因と して 、車と自転車との間の距離 が 短 い こ と が判明 し た。4.
結論 実事 故 では衝 突 前の状況 を推察 する こと が困 難な こと から 、本論 文 で は 、ニアミス データは事故状 況を把握 する上 で活用 可 能 で あ る こ とを示 し 、日本独自のニアミスデ 一 夕 を 活 用し 分 析した 。そ の 結 果 、車両が直進し自転車がその車両前方を横断する場 合 、自 転 車 が 物 陰 か ら 飛 び 出 す 時 の 衝 突 予 測 時 間(
TTC )
は、障害物なしの場合と比べ 有 意 に 短 か っ た 。 自転車乗員検知型被害軽減装置の仕様として、障 害 物 の 有 •無 と い う条件が必要となり、特に厳しい 接近 条 件 の 例 と し て 、建 物 等 の 「物陰からの飛び出 し」 を設計に取り入れるべきことを提案した。 尚、 自動車アセスメントでは、安全装 備 の レ ベ ル に 応 じ て 、新型車両の安全性を 星 印 で 表 示する 。本 提 案 は 、2016
年1 0
月 に欧 州自動車アセスメントに反映されたことから、将来の自転車乗員の傷害軽減が期 待 で き る 。別 紙 様 式8 (課 程 博 士 •論 文 博 士 共 用 )