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マルチメディアシステムにおけるオーサリングツールと教材構築法

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(1)113. マルチメディアシステムにおけるオーサリングツールと教材構築法 長瀬久明.正司和彦= (平成6年9月20日受理) 1はじめに パーソナルコンピューターにおけるマルチメディア機 能とインターフェース機能の著しい向上と普及に伴って, これらの機能を活用した教育システムに対する期待が高 まっている(1)。しかし,児童・生徒の意図に柔軟に対応 して適切な情報を提供することにより,自由(非逐次的) な探索を可能にするような教材を作成するためには,覗 在のハイパーメディアシステムにはいくつかの問題点が ある(1,2,3)。また,ツール整備などの教材作成のための 環境は不十分であり,作成者はコンピューター言語の知 識,機器操作技術への習熟など,多くの専門的知識,技 能を必要とするのが現状である。 これらに対して正司,長瀬は,児童・生徒が目的の情 報-たどりつくためのリンク(情報と情報との結合)杏, 教師が情報間の関係データを入力することにより自動的 に作成するような機能(動的リンク機能)をハイパーカー ド上に構築し,この機能をオーサリングツール化するこ とにより,教材を作成する教師に対して,コンピュータ 言語に関する知識や多くの時間を要求しないような環境 の提供を目指し,また,児童・生徒に対しては,マルチ メディア情報を自由に探索できるような学習環境の実現 を目指している。前研究(3)では,動的リンクの基本的考 え方を述べ,動的リンクの機能は教材に内在する情報構 造の種類(時間関係などの順序関係,部分全体関係など の二項関係,分類のみが可能な集合)に対応した個別の ツ-ルとして開発することが必要であることを明らかに し,それぞれのプロトタイプを開発した。また,長瀬(4) は,集合に関する動的リンクを用いて,画像素材の検索 システムを開発した。 本研究では集合に対する動的リンクを拡張し,教師は 単元目標,教材観,教育観などの観点に立った教材の分 類を導入でき,児童・生徒は導入された分類を自由に選 択して情報を探索できる分類ツールを開発する。さらに, このツールの機能とメカニズム,ツールを利用したリン ク構造の構築方法,ツールの操作手順と実際の教材への 適用例を述べる。. 2. 1 -イパーメディアの特長と可能性 -イパーメディアを用いると,従来からあるCAIの 考え方を適用した情報の逐次探索型の教材に加えて,自 由(非逐次)探索型の教材を作成できる(1)。すなわち, 児童・生徒が主体的に,個々人の興味・関心または課題 に従って情報を探索するような学習環境を提供できる点 が,教育的活用の視点から見た-イパーメディアの一つ の特長である。具体的には,画面上に多様な機能を持つ ボタン等のコントローラを準備することにより,児童・ 生徒の教材に対する多様な働きかけに柔軟に応じる学習 環境をコンピュータ上に構築できるoこのような学習環 境は児童・生徒の主体性を引き出し,個性化に対応する 教育方法となりうる。 また-イパーメディアは,文字,数字,図形だけでな く,映像や音声を扱うことができるマルチメディア機能 を持っ。とくに,イメージスキャナあるいはスチルビデ オ,ビデオ等の入力装置,大容量のハードディスクある いは光磁気ディスク等の記憶装置を準備すれば,市販さ れている教材だけでなく,教師,児童・生徒により丹念 に収集された素材,児童・生徒にとって身近な素材,地 域の特色を反映した素材の蓄積と教材化が可能である。 これらは授業内容をより一層,豊かなものにする。 2. 2 -イパーメディアの問題点と対策 -イパーメディアは情報の単位(ノード)とノード問 の接続(リンク)から構成される。伊藤(2)は, -イパー メディアの問題点として次のものをあげている。 (1)ノードの粒度(ノードに含まれる情報の量)が過大 であるため,不要な情報が含まれている。あるいは, 過小であるため,複数のノードをたどる必要があるO (2)リンクの深さが深すぎる。また,リンクのスタイル に一貫性がない。 (3)必要な情報がない (4)リーディングキュー(「次に」などの構造化キュー や事前の内容示唆,など)が欠落しているために,読 み手による構造化ができない。 (5)逐次型の探索に慣れた人には馴染めない。. 2情報探索型教材とオーサリングツールの必要性 .兵庫教育大学学校教育研究センター =兵庫教育大学第1部(教育方法講座). (6)ブラウジングしか方法がない場合(キーワードがわ.

(2) 114. からない場合,など)には骨がおれる。 (7)リンク数が増えやすい。また,リンクの更新が難し. しかし,ハイパーカードはハイパートークと言うスク リプト言語を用いることにより,容易に機能の追加が可 能である。本研究では, -イパートークによって新しい. くなる。 さらに伊藤(2)は,これらの問題点のうち,ノードと リンクのオーサリングに関する問題点(1), (2)の解決には,. リンク方式を導入してオーサリングツールを開発し,前 述の条件を満たす自由探索型教材の構築法を示す。. オーサ(教師)が,情報の分割(ノードの作成)と結合 (リンクの作成)についての基本的な原則を確立し,そ. 3オーサリングツールの開発. の原則に沿って教材を作成する必要があることを指摘し. 3. 1動的リンク法の導入 本研究では,固定リンクの問題点-の対策として,リ. ている。 本研究のツールは,問題点(1), (2)への対策であるとと. ンク先のノードに関する情報を,リンク元のノードのな. もに,問題点(4)の児童・生徒が教材情報を読んで自ら構. かに直接書き込まないようにする。このためにカードの. 造化することの支援,ならびに問題点(7)の教師が教材を. 属性をデータとして表わし,. メンテナンスすることの支援を目的としている。さらに,. (1)各々のカードに属性データを付与するO. 問題点(6), (7)に対して分類による探索方法を提供する。. (2)リンク元のノードに対して属性データ利用のための 検索機能を付与する。. 2. 3 -イパーカードの特長と活用の方向 調べ学習などの授業で自由探索型教材を効果的に用い. ことを行い,これを図2のような動的リンク機能の基本 的枠組み(3)によって実現する。. るためには,教材に対して次のような条件が要求される。. さらに,前研究(4)において素材検索のために開発した. (1)児童・生徒にとって簡単な操作で,かつ迅速に目的. スクリプトを次のように拡張して用いる。. としている情報の有無がわかり,有る場合にはその情. (3)オーサリングツールと学習ツールを一体化する。. 報が得られる。. (4)任意個の探索の観点を個別に管理可能にする。 (5)一時的にしか必要でないフィールドは動的に生成,. (2)教師にとって特別な知識や技術が要求されない。ま た,実用可能な時間で教材の作成や変更が可能である。. 消去する。. ハイパーメディアの一種である-イパーカードは,使. 図2には図1のような固定的リンクがまったく存在し. 用できるコンピュータの機種がマッキントッシュに限ら. ない.リンク機能は動的に生成される一覧表示フィール. れるが,広く普及しており,また,探索型の教材の開発. ド(図2では「現在のカード」の右上の部分)のスクリ. も多く試みられている0 -イパーカードは,情報の単位. プトとして記述されている。このフィールドに表示され. がカードに限られること, 1スタック内では同時に開く. る移動先候補カード名の一つを児童・生徒がクリックす. ことのできるカードは1枚に限られること,など機能的. ると,スクリプトが起動されてクリックされたカードに. な限定がある。また, -イパーカードにおけるリンクは,. 移動する。また,このスクリプトはすべてのカードの属. リンク元のノード(ボタンなど)にリンク先のノード. 性データをチェックするので,児童・生徒にとって教材. (カード名)が書き込まれる固定リンク(図1)を基本. 全体の把握が容易である。. としている。. 動的リンク機能により,次のことが可能になる。 (I)児童・生徒はボタンの選択とクリック,フィールド. 固定リンク方式では,児童・生徒は,現在開いている カード上のコントローラ(ボタンなど)に表示されてい る,ボタン名とアイコンによって,リンク先カードに関. 他のカード. する情報を知るのみで,教材全体の把握は困難である。 また,教師はリンクを修正する場合, 1リンクずつ削除 と付け直しをしなければならない。. ・--"一三茸 図1固定リンク. 図2属性データに基づく動的リンク機能.

(3) マルチメディアシステムにおけるオーサリングツールと教材構築法. 115. の行の選択とクリックという簡単な操作で,それぞれ. プログラミングの基本の一つは同一のコードを複数の. の観点での分類を利用して教材を検索でき,移動先候. 箇所に記述しないことである。この基本と-イパーカー. 補の一覧表を得,次々と移動できる。. ドにおけるメIyセージの継承構造(6)を考慮し,すべて. (2)教師はスクリプト言語の知識(-イパーカードにお けるユーザレベル5であるスクリプティングレベルの. のカードに共通な機能のスクリプトは,そのバックグラ ウンドに記述する。また,オーサリングツールのカード. 知識)なしで,すなわち,ワープロの知識と-イパー. と教材のカードは別のバックグラウンド上に開発する. カードのオーサリングレベル(ユーザレベル4)の知. (図4)。これは教材カ-ドに共通のスクリプトをオーサ. 識でカードを分類,教材化できる。 ただし,ユーザレベルとは-イパーカードの利用者が. リングツールのカードは必要としないためと,児童・生 徒からはツールが見えないようにするためである.. 使用できる機能を表わし,レベル1 (カードを開くこと だけができるレベル)から,レベル5 (すべてのことが. 3. 3分類ツールの考え方. できるレベル)の5段階からなる(5)。 したがって,このツールによるオーサリングは,. て付与し,これを用いた検索機能を教材に追加するもの. (1)素材としてのカード作り. である。一般に分類には,大分類,申分礫,小分類といっ. (2)カードへの属性情報の記入. た多段階が考えられるが,本研究ではオ-サリングの簡. になる。動的リンク機能はこの属性情報を用いて全カー. 単さから,教師は,. ドを検索し,移動先候補カードを表示する。教師が固定. (1)分類の観点としての名称. リンクを1つずつ作成することは不必要になる。. (2)分類対象カードに記入するデータ. 分類ツールは教材カードに分類情報を属性データとし. を準備すればよいような, 1段階のシンプルな構造を取 3.2スクリプト方法 -イパーカードは1枚のカードを単位として情報を蓄 積する。カードの集まりであるスタックが1つのデータ ベースとなる.しかし,カードの形式が固定されるカー. り扱い,この構造を必要な数だけ,教材に導入できるツー ルを開発する。なお,このツールを多段階に拡張するこ とは容易である。 教材カードに対する分類には,すべてのカードが対象. ド型データベースとは異なり, -イパーカードではカー. になるような場合と,一部のカードだけが対象になる場. ド上に書き込む情報の形式が共通である必要はない。し. 合とがある。次に示す例(図5を参照)では,カードを. たがって,カードごとに多種多様な情報を記載できる。. 「人物に関するカード」と「人物に閲しないカード」に. 複数枚のカードにわたって形式または形式の一部を統一. 分ける。 「人物に関するカード」は,人物A,人物B,. したい場合はバックグラウンドを用いる(図3)0. ・,人物Fのいづれか(複数でもよい)に関するカード. バックグラウンドは下敷きに,カードは透明な紙にた とえられる。ただし,この区別はスタック作成者(教師) のためのもので,児童・生徒には各々の絵,文字(フィー ルド),ボタンなどがどちらに属しているか区別できな. バックグラウンド 「ツール」. い。. 絵. カ卜il--ト、蝣';蝣!・'. ボタン1ボタン2フィールド1 図3カードとバックグラウンド. 図4分類導入前のツールと教材.

(4) 分類ツールの機能はオ-サリング時の分類導 入機能と学習時の検索機能からなる(図6)0 3. 4. 1分類導入機能 分枝導入機能は教師が図6のカードボタン1 をクリックすると起動され, (1)分頬名のキー入力を促す キー入力の後,バックグラウンド「教材」に, (2)データ入力用バックグラウンドフィールド. (図6の星印1個を付した太線の四角)を新 規に作成する (3)検索用バックグラウンドボタン(図6の屋 印1個を付した太線の丸)を新規作成し,こ 図5カ-ドの分類. れにカードボタン2の検索用スクリプト(図 6の密な斜線の丸)をコピーする。. である。. 例:. 教師は,作成されたデータ入力用バックグラウンドフィー. 分類の名称:人物に関するカード デ-夕と分類対象カードとの対: 人物A -カード1,7,10 人物B -カード4,6 人物C -カード1,2,3 人物D -カード5 人物E -カード8 人物F -カード9 このような分類の観点を複数,教材カードに通用する と,図5のカード5, 6, 7,10のように, 1枚のカー ドが多くの観点によって多種に分類される場合が生じる. ルドにデータを入力する。図5の例では, 10枚のカード に,人物名を入力することになる。分類対象カードが多 い場合,このデータ入力には時間がかかる. 3. 4. 2検索機能 検索機能に関する部分は図6の極太の四角と丸(2個 の星印を付した部分)である。これらは,児童・生徒が 検索機能を使う時だけ,一時的に生成され,削除される。 検索機能は分類導入機能により作成されたバックグラ ウンドボタン(図6の太線の丸)のクリックで起動され, その時点で開いているカードに,. が,これはそのカードがどちらの観点からも検索可能で あることを意味している。. (1)表示用のカードフィールド2 (図6の黒い四角)を. 3. 4分類ツールの機能. (2)バックグラウンドフィールドの全データを,重複を. 新規作成し,これにカードフィールド1の表示用スク リプトをコピーする。 除いてカードフィールド2に表示する(図7)0. バックグラウンド ノI. バックグラウンド スクリプト. レ ) 」. 次に,児童・生徒が図7の表示から1行(例えば, 「人 物A」)を指定することにより, 人物 A 人物 B 人物 C 人物 D 人物 E 人物 F. 図7データの一覧表示. tl -. ド1. カI. ド7. 蝣 h -. ドl o. カードカ-ドヵ-ド ボタン1ボタン2フィールド1. 図6分類導入後のツールと教材. 図8移動先候補カード名一覧.

(5) マルチメディアシステムにおけるオーサリングツ-ルと教材構築法. (3)再び全カードを検索し,そのデータを持っカードの 名前を移動先候補として一覧表示する(図8)0. 117. (3)新しいカードを教材に追加すると,追加と同時に属 性データ用フィールドが記入可能になる。. 次に,児童・生徒が図8の表示から1行(例えば,. (4)あるカードを教材から削除したら,そのカードの属. 「カード7」)を指定することにより,. 性データも削除され,検索されなくなる。. (4)カードフィールド2を削除し,指定されたカード7. (5)導入した分類をクリアするには,分類削除ボタンを. に移動する。. 押す。分類削除ボタンにより,作成されたボタン,お. 複数の分類を導入すると,その数だけ検索用バックグ. よびフィールドが削除される。. ラウンドボタンが作成される。各々のボタンが持っべき 機能,ならびに,一時的に作成される表示用フィールド が持っべき機能のうち,共通なコードはバックグラウン ドスクリプトから呼び出されて実行される。. 3、 5分類ツールのスクリプト スクリプトはボタンなどのクリックによって発せられ るメッセージを受け取るために,適切なメッセージ名を. この検索機能を固定的リンクの数に対応させると,図. 持っメッセージハンドラ. 5の例では次のようになる。図5の任意のカードから,. on <メッセージ名>. 分類「人物に関するカード」に属する10枚のカードのい. <スクリプト>. づれにもに移動できるためには, 10個のバックグラウン ドボタンが必要である。ただし, 「人物Aに関するカー. end <.メッセージ名>. ド」といった分類情報は取り出せない。またボタンの数. のなかに書かれなければならない。 主要なメッセージ-ンドラの配置を図9にメッセージ. は10個程度でもカードの一部を占め,教材を表示する面. 名で示す。また,各メッセージ-ンドラの構造を,プロ. 積がそれだけ狭くなる。さらに,教材の変更に伴ってリ ンクの変更が必要になる。. グラム構造図(PAD)を用いて,図10-16に示 す。. したがって,このツールの働きは分類情報の提供,ボ タン数の非増加,リンク管理からの解放(次の(1)から(4)),. 3. 5. 1ボタン「分類の導入」に置かれるメッセー. である。. ジハンドラ. (1)あるカードを分類に加えるには,そのカードに属性 データとして「人物G」などとキー入力する。. に導入する(図10)。このために,分類名のキー入力を. (2)あるカードを分類から外すには,そのカードの属性 データの「人物A」などを削除する。 バックグラウンドバック. 要求してくる。入力された分類名を持っ,新しいボタン とフィールドがバックグラウンドに作成され,さらに,. ン. 「 ツール」. このメッセージ-ンドラは新規にひとつの分類を教材. メッセージ名:mouseUp. ドスクl)プト. newField sctBoard listltem. listCard. バックグラウンド. 'データ川バック グラウンドフィールド `バックグラウンドボタ mouscU. ドボタン mouseup. 検索)JJスクリプト ^ESi閉. Hカードフィールド2. カード ボタン1. mouseup. 表示用スクリプト をコピ!する. 分類導人用スクリプト 図9メッセージ-ンドラの配置. 図10分類導入用スクリプト.

(6) 118 このボタンに次節のメッセージハンドラがコピーされる。. ルドを指示するために用いられる)。次に,バックグラ. キー入力された分類名はグローバル変数「NAME」. ウンドに置かれているメッセージ-ンドラ(メッセージ. に代入されるOここでグローバル変数を用いるの比フィー. 名:listltem)を呼び出し,フィールド「NAME」の. ルドに名前TNAME」を付けるためである。新規に作. 内容をフィールド「tempField」にコピーする。ただし,. 成されたボタンのボタン名は「新規ボタン」であるので,. 重複データは排除する。. 名称を「NAME」と変更すればよい。しかし,新規に 作成されたフィールドのフィールド名は「新規フィール. 3. 5. 3バックグラウンドフィールド「教材」に置. ド」ではなく, 「 」(空自)であるため, "名称を「N. かれ,検索用ボタンから呼び出されるメッ. AME」とせよ"というメッセージの送り先であるその. セージ-ンドラ. フィールドを指定できない。そこで,新規にフィールド. メッセージ-ンドラsetBoard (図13)は新規にフィー. が作成されたとき,そのフィールドに対して送られるメッ. ルド(名称:tempField)香,グロー/ヾル変数「NAM. セージnewFieldを用い,メッセージ名:newFieldのメッ. E」を用いて作成した後,このtempFieldをスクロー. セージハンドラ(図11)をバックグラウンドに置く。グ. ルフィールドとし,さらに,このtempFieldに,カー. ローバル変数「NAME」の値をフィールド名にしてい. ド「分類ツール」のカードフィールド「分類スクリプト. るため,新規にフィールドを作成すると,その時点での. の元」のスクリプトをコピーする.. 「NAME」の値が自動的にフィールド名になることに 注意する必要がある。. メッセージ名: setBoard. メッセージ名:newField. 図11フィールド名の設定 3. 5. 2ボタン「分類スクリプトの元」に置かれる メッセージ-ンドラ このメッセージハンドラ(図12)は分類の導入により. 図13 setBoardのスクリプト. メッセージ名: listltem. 新規に作成されたボタン「NAME」にコピーされ,児 童・生徒によってそのボタンが押されるのを待つ。ボタ ンが押されると起動され,表示用の一時フィールド(名 称:tempField)を,バックグラウンドに置かれている メッセージ-ンドラ(メッセージ名:setBoard)を呼 び出して作成する。次に,押されたボタンのボタン名を グローバル変数「NAME」に記憶する(このボタン名 は検索対象とするフィールド名と同じであり,そのフィー メッセージ名:mouseUp. 図14 listltemのスクリプト 3. 5. 4フィールド「分類スクリプトの元」に置か れるメッセージ-ンドラ このメッセージハンドラは2種類の働きをしなければ ならない。フィールドtempFieldがデータのリストを 図12検索用スクリプト. 表示している場合と,カードのリストを表示している場.

(7) マルチメディアシステムにおけるオーサリングツールと教材構築法. 合である。前者の場合,データ「人物A」などが選択さ れるので,そのデ-夕を持つカード名を一覧表示する。 後者の場合は選択されたカードへ移動する。 メッセージ名:mouseUp. 図15表示用フィールドのスクリプト 3. 5. 5バックグラウンドフィールド「教材」に置 かれ,表示用フィールドから呼び出される. メッセージ-ンドラ このメッセージ-ンドラは表示用フィールドにデータ の一覧が表示されてる場合で,児童・生徒がいづれかの 行をクリックした時点で起動される。 グローバル変数にはそれぞれ, 「NAME」に検索す べきフィールド名, 「SearchWord」に検索するデータ, 「currCard」に現在のカード名が代入されている。全カー ドのフィールド「NAME」を調べ,データ「Search Word」があればそのカード名を,現在のカード(「curr メッセージ名: IistCard. 119. Card」)のフィールド「tempField」に一覧表示する.. 4教材構築の手順 4. 1情報探索型教材の構築法 児童・生徒が授業のなかで情報を探索し,テーマの選 択,概念や知識の発見,考えのまとめ,といった学習を 行うためには,多様で豊富な素材情報と,様々な児童・ 生徒の思考様式に対応した柔軟な構造を持った情報空間 が必要である(1)。したがって,教材の構築は (1)素材情報の準備 (2)素材情報の構造化 の2段階からなる。教師は授業計画に従ってこれらを行 う。児童・生徒のあらゆる探索方法に対応できる構造が 理想である。教師は予想される児童・生徒の探索方法, 単元の目標,授業の進め方などに基づいて,素材情報に 構造を組み込む。多種多様な観点で情報が分類されてい るほど,多くの観点からの探索が可能になる。しかし, 分類の観点が多すぎる_と逆に,選択に時間がかかり,使 いこなせない場合が生じる。 小学校歴史における調べ学習のための教材を単元「藤 原道長と遺族の政治」について作成した笹山ら(7)は,次 の7つの観点で教材を分類している。 (1)一般の歴史事象および藤原氏,藤原道長関係の事象 (2)平安時代の主な人物 (3)貴族のくらしと日本風の文化 (4)農民,町民,地方豪族のくらし (5)地域に残る遺跡,文化財,伝承等 (6)博物館,資料館情報 (7)児童が主体的に調べた事項 これらのうち, (1)から(4)までは単元の構成と目標に基 づく分類であり, (5)は教師の児童観, (6)は教師の指導観 に基づく情報および分類, (7)は児童の考 えをも取り入れるという教師の意図に基 づいた分類であるo 4. 2カードの作成 教材作成の第1ステップは教材のカー ドとバックグラウンド「教材」の作成で ある.まず,必要な枚数だけ教材カード をコピーする。教材カード枚数は任意で ある。各カード上に絵を描き,文字情報 の表示枠であるフィールドを作成し,文 字を入力する。また,バックグラウンド 「教材」上には全カードに共通な絵や, 全カードに共通な文字情報表示枠を作成 し,文字を入力する。ただし,バックグ ラウンドフイ-ルドの文字は全カードに. 図16 listCardのスクリプト. 共通とすることも,枠の位置のみを共通.

(8) 120. とし,各カードの文字は別々にすることも可能である。 なお,バックグラウンドの数は「教材」の1枚に限っ. ボタン 」/ 人物に関するカード. ている。しかし,複数枚のバックグラウンドを持っ教材, さらに,複数の個別スタックに開発されている教材を対 象とするようなツールへの拡張は容易である。. ↑. 4. 3分類の導入操作 教材作成の第2ステップはツールを用いたリンクの作 成である。まず,カード"分類ツール"へ移動する。こ のカードには図17のように,ボタンとフィールドが配置 されている。他のツールは他のカード上に配置されてお り,バックグラウンドボタン"他のツール"で移動する。. 人物に関するカード」 フイールド「 図19教材カード(教材内容は省略している) に調節し,フィールドにデータ入力する。. そのためのスクリプトはバックグラウンド「ツール」に 記述されている。なお,他のツールについては別の機会 に述べる。 ボタン「分類を導入」を押すと,分類名の入力用ダイ アログ(図18)が開かれる。 分類名として,例えば"人物に関するカード"とキー 入力すると,バックグラウンド「教材」にボタンとフィー ルドが作成され,いずれの名称も「人物に関するカード」 と設定される。 次に,教材カードへ移動する(図19)cどの教材カー ドでもよい。そして,次のボタンプロパティの設定作業 を行う。 (1)ボタンの位置の調節 (2)アイコンを用いる場合にはその設定 (3)名称を表示しない場合には「名称非表示」の指定 また,フィールドをデータ入力ーしやすい位置と大きさ 他の ツr ル 分類 用 ツ ール 分 類 の導 入 分 類 の変 更 ◆ ffォ* ード. Jtrtifc' 1 ‥ ド. 分 類 の削 除. 分類 ス クリプ トの.元 l分類 ス クリプ トの元. 図17分類ツールを開く. た。データ入力は150枚のカードのうち,平安時代の主 な人物に関するカ-ドに, 「藤原道長」, 「紫式部」など とキー入力した。カ-ドの1枚ずつの移動にはショート カットキー(アップル+3)を用い,合計1時間弱を要 した。 データ一覧の表示には10秒弱を要したo Lかしこの間, 人物名が次々と表示され,思考が中断されないために得 たされている感じは強くはなかった。 移動先候補カード名一覧の表示には数秒かかった。こ の間にはカード名がポッリポッリと表示された。該当カー ドが2, 3枚と少ない場合,場面の変化が停止している 瞬間があり,実際の時間は短いにも拘らず,やや得たさ れている感じがあった。 次カードへの移動に要する時間は1秒程度であり,十 分な速さであった。 以上の結果,データ入力にかかる時間に改善の必要が 認められた。テストではカードを1枚ずつ移動して入力 したが,カード名の一覧表を用いて入力すれば,教材を 作成した教師本人であれば,必要時間は半減できると期 待される。しかし教材を作成した教師とは別の教師が入 力する場合,後でカードを1枚ずっ移動して確認する必 要がある。 なお,このテストはMacintoshQuadra950で行った。 5あとがき. 分 類 の名 前 (= 検 索 ボ タ ンの名 前 ) を入 力 して くだ さい. 0 K. 4. 4分類の導入例と評価 約150枚のカードからなる歴史教材スタック(6)に分類 の導入を行った。データ入力以外は極めて短時間で終っ. キ ャ ンセ ル. 図18分現名人力用ダイアログ. 本研究では,まず-イバーメディア上のノ-ドに記述 される情報を概念や知識に関する説明情報と,ノード間 の関係を表すリンク情報の2つに分けた。次に,説明情 報を単元の教育内容と目標および教師の教育観にもとづ いて分類し,この分類をリンク情報として与え,リンク 情報を利用した動的リンク法を提案した。さらに, -イ パートークを用いてハイパーカード上にノードとしての.

(9) マルチメディアシステムにおけるオーサリングツ-ルと教材構築法. カードの分類機能を追加し,次のようなツール化を行っ 'M 教師は各カードに属性データを付与しておく。児童・ 生徒はまず,データの重複を除いて一覧表示する機能に より,データ項目の一覧表を得る.次に,任意に一つの データを指定すると,そのデータを属性に持っカードだ けを一覧表示する機能により,移動先候補カードの一覧 表示を得る。このような分類機能を種々の観点に基づい て任意の個数,導入できる。 この機能により,児童・生徒は各自の見方に従って, 情報を探索でき,しかも,固定的リンクではその時点で 開いているカードに作成されているボタンの数だけのカー ドへの移動のみが可能であるため,教材全体が把握しに くいのに対して,このツールではつねに全カードからの 検索が行われるので,移動先の自由度が大きく,欲しい 情報の有無も迅速に把握できるようになった。 また,固定的なリンク作成が不要であるため,カード の追加,削除に伴って不具合が生じる可能性はなくなっ た。分類の変更は属性データの記入と削除による。これ らにより,教材の追加や手直しが容易となった。 小学校歴史の授業に用いた約150枚のカードからなる 教材にこのツールを通用し,その動作を確認した。 参考文献 (1)正司和彦1993子供の学習とコンピュータによる支援. 兵庫教育大学学校教育学研究,特別号, 111-126. (2)伊藤紘二1994 -イパ-メディア.清水康敬(宿)教 育メディアの活用.第一法規. (3)正司和彦,長瀬久明1993動的リンク機能を有する教育 用ハイパーメディアシステムについて.兵庫教育大学研究紀 要,第13巻,第1分冊, 91-101. (4)長瀬久明1993 -イパーカードによるオーサリングと学 習支援のためのツール開発.兵庫教育大学学校教育学研究, 特別号, 127-134. (5)掌田津耶乃1992入門HyperCard.ビジネスアスキー. (6)掌田津耶乃1992実習HyperCard.ビジネスアスキー. (7)笹山邦夫,長瀬久明,正司和彦1994発見を促す動的リ ンクi -イパ-カード教材の開発と授業の構成-小学校歴史 における調べ学習の実践をもとに-.教育工学関連学協会連 合・第4回全国大会講演論文集(第-分冊), 391-394.. 121.

(10) 122. An Authoring Tool for Multi-Media System and. the Construction Method of Learning Materials. NAGASE Hisaaki, SHOWJI Kazuhiko. In this article, we propose an authoring tool for helping school children's learing activities. HyperTalk, that is the computer language for describing scripts for HyperCard, is utilized to develop the tool. First, a card included in HyperCard, is distinguished into two types of information. One of them is information for explanation and the other is information for linking cards. Second, dynamic linking mechanism is proposed. The mechanism uses the information that is add to each card by the author. He gets the information as the result of classifying cards with following points of view; the contents of the learning material treated, the goal of the material, the way of his teaching. Third, the dynamic linking mechanism is implemented by HyperTalk as a tool. It can be used in the following threesteps. (1) Preparation: Teacher specify an educational point of view and on the basis of it, he classify cards and he gets the properities about each card as the result of the classification. (2) Classifying cards: Teacher puts the data as its properties on each card. Tool prepares a button that has the following functions (3). (3) Learning: Child, who uses this material, (a) know with what points of view the material is classified through the group of buttons, and (b) choose a button, and (c) push the button, and (d) get the list of data, and (e) choose a datum in the list, and (f) get the list of the name of card, and (g) choose a card, and finally (h) get next card. On any card child can get number of cards possible to go. Our tool require author to do no work on creating link. No trouble occur by adding or deleting cards. This leads easy reforming of the material for author. As an example, this tool can be applied successfully to create a learning material on history containing about 150 cards..

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参照

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