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現職教員の継続教育のための偏光顕微鏡による岩石・鉱物の観察実習

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Academic year: 2021

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(1)学校教育学研究, 1999,第11巻, ppJL63-170 (資料論文). 163. 現職教員の継続教育のための偏光顕微鏡による岩石・鉱物の観察実習 Jt上端弘 (兵庫教育大学自然系教育講座) 兵庫教育大学大学院で開講している地殻物質科学実習について紹介し,その意義について論じた。肉眼やルーペを用いて岩 石を観察することと比較して,偏光顕微鏡を用いての観察がどのような点で優れているのかについて論じた。さらに,偏光 顕微鏡の構造と岩石・鉱物の観察方法およびいくつかの岩石中の鉱物(石英,斜長石,カリ長石,黒雲母,自雲母,輝石, かんらん石)の偏光顕微鏡下での特徴について示した。 キーワード:偏光顕微鏡,岩石・鉱物,現職教員,継続教育. 浪江靖弘:兵庫教育大学・自然系教育講座・教授, 〒673-1494兵庫県加東郡社町下久米942-1 E-mail: [email protected]. The Practice of the Observation of Rocks and Minerals with Use of a Polarizing Microscope for the In-service Training of School Teachers Yasuhiro Shibue {Department of Natural Sciences, Hyogo University of Teacher Education) This paper shows the aims and contents of a practice course, "Practice of the Earths Materials Science , for the graduate students at the Hyogo University of Teacher Education. This course aims to let the students be familiar with the observations of rocks and minerals under the polarizing microscpoe. This paper discusses that the observations of rocks under the microscope are superior to those by naked eyes or a magnifying glass. Framework of the microscope and the method of microscopic observations are indicated. Characteristic features of major rock-forming minerals (quartz, plagioclase, K-feldspar, biotite, muscovite, pyroxene, and olivine) under the polarizing microscope are shown in the text.. Key Words: Polarizing microscope, Rocks, Minerals, In-service training Of school teachers. Yasuhiro Shibue is a Professor of Department of Natural Sciences at Hyogo University of Teacher Education, 942-1 Shimokume, Yashiro-cho, Kat0-gun, Hyogo 673-1494, Japan. E-mail: [email protected]..

(2) 学校教育学研究, 1999,第11巻. 164. 1はじめに 中学校の理科第二分野の中の大地の変化と地球の単元 ではノ「大地の活動の様子や身近かな地形,地層,岩石 などの観察を通して,地表に見られる様々な事物・現象 を大地の変動と関連付けてみる見方や考え方を養うとと もに,人間の生存の場としての地球について総合的に考 察させる。」ことが目標として掲げられている(文部省, 1989)。この内容の説明として,火成岩については,割っ たり,磨いたり,薄片にしたりして観察することが例と して挙げられている。最後の薄片による観察が,ここで 紹介しようとしている偏光顕微鏡による観察に相当する。 学校教育では,岩石や鉱物の観察を肉眼やルーペを用 いて行うことが普通であるo偏光顕微鏡を用いて岩石・. を観察する能力を養うことにもつながるであろう。 偏光顕微鏡で観察するための資料そのものは,敬 材販売業者から直接購入することが可能である。ま た,岩石や鉱物資料を送れば偏光顕微鏡用の薄片を 作製する業者もある。そこで,比較的安価な簡易式 偏光顕微鏡あるいはスライドと同じように薄片をス クリーン上に投影する薄片投影機があれば,顕微鏡 写真あるいはスライドによって,生徒に岩石や鉱物 の微視的な特徴を示すことができよう。本資料では, 兵庫教育大学大学院修士課程において著者が行って きた地殻物質科学実習の内容について紹介する。 等粒状組織(花こう若). 鉱物を観察する意義として,次の点を挙げることができ よう。 (1)肉眼あるいはルーペを用いて岩石を観察する場合 に,火成岩なら斑状組織や等粒状組織に関する観察 が重要である。深成岩が示す等粒状組織は,粒子が 比較的大きいために観察が容易である。これに対し て,火山岩中の斑品は深成岩中の結晶に比べて概し て小さい。このために斑品をルーペで観察すること 自体が困難な場合が多い。この様な場合に偏光顕微 鏡による観察あるいは偏光顕微鏡像を示すことで, 斑状組織の特徴を理解させることが可能になる。 (2)岩石を構成する鉱物の名前を,中学校理科ではほ とんど教えていない。この点から考えると,顕微鏡 による鉱物の鑑定はやや専門的な印象を与える。し かしながら,火成岩の組織(斑状組織と等粒状組織) を絵で示すだけでは様々な天然物からできている岩 石の特性を十分に言い表すことができないと考えら れる。例えば,図1に示す斑状組織と等粒状組織の スケッチでは,単に粒子の大きさの比較を行って組 織の違いを理解させるにとどまると言える。中学生 の段階では,より具体的に構成鉱物の名称も示して 組織の違いを理解させることの方が知的欲求あるい は知的好奇心に応えることができるという考えであ る。 (3)偏光斬微鏡で岩石や鉱物を観察させることで,天 然物の形の多様性や鉱物が示す様々な色の美しさを 印象として与えることができる。これは,自然の事 物の美しさや自然を愛する心を養うことにもっなが るであろう。鉱物粒子の形の多様性と複雑さは,自 然界を構成する物質のパターンの多様性への理解に もっながる。物質の形の観察は,植物の葉の形や動. 物の形態など生物領域でよく行われている。岩石中 の鉱物の形はこれらに匹敵するかあるいはそれ以上 に複雑な形状を示すことがある。この点で,物の形. 斑状組織(流紋岩). 図1等粒状組織と斑状組織のスケッチ。輪郭の円は接眼レン ズの視野を示す。実線は鉱物粒子の境界線を表し,やや 細い実線は鉱物粒子内部の亀裂を示す。. 2偏光顕微鏡による岩石・鉱物の観察実習 偏光顕微鏡を用いる場合に,その光学的な基礎を教え る必要があるのかどうかが問題になる。理学部の学生向 けの教科書(例えば,都城・久城, 1972;黒田・諏訪, 1983)では,まず,光学的基礎について触れられている。 これは,諸外国の偏光顕微鏡に関する教科書でも同様で.

(3) 岩石・鉱物の観察実習. ある。 地殻物質科学実習では光学理論に触れていない。また, 後で触れるコノスコープによる観察も,実習では行って はいない。この理由を以下に示す。 (1)微小領域における化学分析がEPMA (X線マイク ロアナライザー)によって行うことができるまでは, 微量の鉱物の化学組成は主に偏光顧微鏡を用いて求 められてきた。この場合,鉱物の屈折率やコノスコー プ像から求められる光学的性質等によって決められ. 165. 除いた状態を言い,直交ニコルは上方ニコルを入れた状 態を言う。ここで,上方ニコル,下方ニコルとも偏光板 の位置を示す目盛はいっも0にしておくことに注意して おく。また,ピント合わせは,対物レンズをいったん下 げた後で上げながら行う。 3.2偏光顕微鏡によって決まる鉱物の性質 偏光顕微鏡によって鉱物の次の性質を知ることができ る。. てきた。この関係で,歴史的に光学理論に関する理 解が必要であったことは明らかである。しかし,今 日では機器分析の発展に伴って,鉱物の化学組成の 決定に果たす顕微鏡観察の役割は大きく低下してい m (2)学校教育の中で,偏光の取扱いは高等学校物理IB で初めて現れる。ただし,偏光現象についての説明 はあっても,その具体的な応用例についての取扱い はほとんどない。すると,小中学校の段階で偏光顧 微鏡の原理を教えることは困難である。これらの観 点に立っと,必ずしも教師が偏光顕微鏡に関わる光 学理論を理解しておく必要はないと考えられる。 3偏光顕微鏡による鉱物の観察と同定 3.1偏光顕微鏡の使い方 偏光顕微鏡の外観と主要部分の名称を図2に示す。岩 石の薄片は回転ステージ(図2中の7)の上に置く。な お,図2中の検板挿入口には,鉱物の光学的性質を調べ るための検板を挿入する。この検板については後で伸長 性の項で説明する。偏光顕微鏡の使い方と使用に際して 用いる用語について簡単に説明する。 3.1.1オルソスコープとコノスコープ 偏光顕微鏡による観察は,まずレンズの着脱によって オルソスコープとコノスコープの2つの方法に分かれるo オルソスコープによる観察はベルトランドレンズを取り 除いて行い,コノスコ-プによる観察はコンデンサーレ ンズ,上方ニコル,ベルトランドレンズを入れて行う。 コノスコ-プでの観察によって,鉱物の光学的性質に関 する詳しい情報を得ることができるが,多くの場合に鉱. 3.2.1平行ニコルによる観察 (1)形 鉱物の形を記載する場合には,鉱物特有の形か否か, および鉱物の幾何学的形態について示す必要がある。ま ず,形から自形,他形,半白形に分けられる。ここで, 自形とは鉱物の特有の形を言い,他形とは鉱物特有の形 ではない形を言う。そして,両者の中間的な形を半白形 と呼ぶ。鉱物の幾何学的な形については,一般に次のよ うな表現が用いられている。針状,毛状,長柱状,短柱 状,錐状,卓状,菓片状,粒状,紡錘状,短冊状である。 それぞれの意味は,日常用語として用いられている意味 と全く同じである。 (2)大きさ 結晶の大きさを調べる場合,平行ニコルだけでなく直 交ニコルでもチェックすることが望ましい。平行ニコル で観察する時には,光を絞った方が結晶の輪郭が見やす くなる。 (3)へき開 鉱物が特定の面に平行に割れ易い時にへき閑があると 言う。この面をへき開面と言う。へき閑を顕微鏡下で見 ると,必ずしも直線的ではない。鉱物が何らかの力を受 けて変形すると,このようなことが起こる。 (4)組織 鉱物の集合状態を組織と呼ぶ。小学生段階で石ころの 模様を観察させることがあるが,この模様が岩石の組織 に相当する。火成岩の場合には,等粒状組織と斑状組織 の2つが代表例である。顕微鏡で見ると,等粒状組織を 形作る鉱物の大きさがかなりばらついていることがわか. プの観察を行っていない。. る。また,斑状組織を形作る鉱物の大きさが,斑品と石 基で違っていることは事実であるが,石基中に含まれて いる鉱物が極めて小さいことも特徴である。ルーペでも. 3.1.2単ニコル(平行ニコル)と直交ニコル. ある程度のことが判るが,顕微鏡を用いることでこれら の特徴がより明確になる。等粒状組織の特徴は,粒子の. 物の決定には不必要である。そこで,実習ではコノスコー. オルソスコ-プはさらに偏光板である上方ニコルの着 脱で単ニコル(平行ニコル)と直交ニコルの2通りの観 察方法に分かれる。上方ニコル中の偏光板が光を偏光さ せる方向は下方ニコル中の偏光板が偏光させる方向と直 角である。単ニコル(平行ニコル)は上方ニコルを取り. 大きさが等しいことではなく粒子の大部分が大きいこと であることを理解させることができる。そして,斑状絶 織の特徴は,粒子の大きさが斑品と石基の問で違ってい ることだけではなく,石基の部分が極めて小さいことで あることも理解させることができる。.

(4) lbb. 学校教育学研究, 1999,第11巻. (5)色 色から有色鉱物と無色鉱物に区分することができる。 (6)多色性 平行ニコルでステージを回転させた時に鉱物の色が変 わることがある。これを多色性と呼ぶ。 (7)屈折率 鉱物の屈折率は1.4から2.5の範囲にあるものが多い。. ザラザラした感C,あるいは,どぎつい輪郭を示す鉱物 の屈折率は非常に高いか低い。滑らかな感じのものは屈 折率が1.5程度である。屈折率が異なるものが接してい ると,それらの境界部に光っている線が見られる。これ をベッケ線と言い,光を絞った方が良く見える。ベッケ 線はピントを少しずらすと移動する。この場合,対物レ ンズ(10倍以上)を試料から離すと屈折率の高いものの. ち. 図2偏光頗微鏡の外観と主要部分の名称。番号で示した部分の名称は次の通りである。 1接眼レンズ, 2粗動-ンドル, 3微動 ハンドル, 4ベルトランドレンズ挿脱-ンドル, 5上方ニコル, 6対物レンズ, 7回転ステージ, 8開口絞りハンドル, 9下方ニコル, 10コンデンサーレンズ, 11ランプハウス, 12検板挿入口。.

(5) 岩石・鉱物の観察実習. 方へ移動し,近づけると低いものの方へ移動する。. 161. を形成したり,斜長石と複雑に結合してミルメカイトを 形成する。. 3.2.2直交ニコルによる観察 (1)干渉色. (1)平行ニコル 無色透明でへき関は一般に見られず,粒状を示すもの. 直交ニコル下での鉱物の色を干渉色と呼ぶ。干渉色は, 鉱物の屈折率が方位によって違っていると生じる複屈折 の大きさに依存している。干渉色は,ステージを回転さ せると変化する場合と変化しない場合がある.ステージ を回転させても常に暗い時には,複屈折が0であると言. が多い。双品はほとんどの場合見られない。屈折率. い光学的には等方性である。これ以外の場合には,光学 的に異方性であると言う。ステージを回転させると白か ら黒の色を示す時には複屈折が小さく,白や黒以外の色 を示す時には複屈折が大きい。復屈折が0でない場合, ステージを1回転させると90。毎に4回色づいたり暗く なったりする。この場合,暗くなる位置を消光位と言う。 そして,消光位から45。回転させた位置を対角位と呼ぶ。 (2)双品. 干渉色は白色から黄色である。薄片がやや薄いと灰色 になる。. 同じ種類の結晶が方位を違えて結合している時に,双 晶をなしていると言う。平行ニコルでは1つの結晶に見 えるが,直交ニコルで見ると干渉色が異なる2つあるい はそれ以上の部分に分かれている。 3つ以上の結晶が結 合して双晶を形成している場合には,集片双品あるいは 多片双品をなすと言う。 (3)累帯構造. (1.55)はバルサムよりやや高く,表面が平滑に見える。 火山岩中の石英の中には,角がとれて周りから虫食い状 に溶かされた形(融食形)を呈するものがある(図4)0 (2)直交ニコル. 4.2斜長石 斜長石の顕微鏡写真を図5に示す。 (1)平行ニコル 無色透明だが,しばしば少し汚れた感じに見える。こ れは風化されたり変質したために粘土鉱物が生成したこ とによる。また,多くの場合,長柱状の形を示す。屈折 率は1.53から1.58で石英より少し高いものが多いが, Na に富む曹長石だけはバルサムより屈折率が低い。 (2)直交ニコル 多片双品(集片双品)であるアルバイト式双品や,. 鉱物の化学組成が1つの結晶内で規則的に変化してい る時に累帯構造を示すと言う。累帯構造は干渉色の暗く なる位置が1つの結晶内で異なっていることで識別でき る。. (4)消光位 へき閲を持つ鉱物は,消光位とへき閑のなす角度から, 直消光と斜消光に分けられる。直消光とは,消光した時 にへき閑の方向と接眼レンズに付いている十字線の方向 が平行になっている状態である。他方,斜消光とは消光 した時にへき閲の方向と十字線の方向が斜交している状 態を言う。 (5)伸長性 結晶が伸びていて,直消光かそれに近いとき,消光位 から450回転させて検板(530nm)を入れると干渉色が 変化する。検坂のZ'方向(あるいはⅩ'方向)が結晶のZ' 方向(あるいはⅩ'方向)と一致する時に干渉色が高く なる。逆に,結晶のⅩ'方向(あるいはZ'方向)と一致す れば干渉色が低くなる。結晶の伸長方向がZ'方向と一致 すれば正の伸長, Ⅹ'方向と一致すれば負の伸長と呼ぶ。. 4主要な造岩鉱物の顕微鏡下での特徴 4.1石英 石英の顕微鏡写真を図3と図4に示す。花コウ岩中の 石英はしばしばカリ長石と複雑に接して文象構造(図3). 図3花コウ岩中の文象構造の顕微鏡写真(A)平行ニコル での顕微鏡写真O石英は透明な部分であり,文象構造を 形成するカリ長石は汚れた部分である(B)(A)の位置 で直交ニコルにした時の頗微鏡写真。いずれの写真もそ の横幅は1.5mmに相当する.以下に示す顕微鏡写真は すべて横幅が1.5mmに相当している。.

(6) 学校教育学研究, 1999,第11巻. 図4流紋岩中の石英(A)平行ニコルでの顕微鏡写真。な お,石英は透明な部分である。石英中に凹部が見られる。 この形を融食形と呼ぶ。石英の周囲の汚れた部分が石基 に相当する(B)直交ニコルにした時の顕微鏡写真。. 図6花コウ岩中のカリ長石(A)平行ニコルでの銀微鏡写 真。カリ長石は透明な部分である。カリ長石中にやや汚 れたひも状の部分が見られるoこの部分がパーサイト構 造に当たる(B)直交ニコルにした時の顕微鏡写真O 灰色の部分がカリ長石であり,白色の部分が斜長石ある いは石英(写真の真ん中より右側にある菱形に近い四角 形の2つの粒子)である。. される。カリ長石の結晶の中に莫片(ラメラ)状の曹長 石(斜長石)が見られるパーサイト構造を生じたり(図 6),曹長石の中にカリ長石のラメラが見られる逆パー サイト構造を生じることがある。 (1)平行ニコル 無色透明であるが,汚れた感じに見えることがある。 これは,風化されたり変質したためである。屈折率は石 英より低い。 (001)や(010)面に平行なへき閑が顕著 である。また,カールスバド双品を示すことがある。 (2)直交ニコル. 図5累帯構造を示す斜長石の顕微鏡写真(直交ニコル)。明 暗の縞が累帯構造を示す。. 干渉色が石英や斜長石に比べて暗い。 4.4黒雲母. (010)面で2つの結晶が接合したカールスバド双品を示 す。他にも,様々な面で接合する双品が報告されている。 火成岩中の斜長石,特に,火山岩中の斑品の斜長石はし. 窯雲母の顕微鏡写真を図7と図8に示す。 (1)平行ニコル 屈折率が石英,長石に比べて高く(1.60から1.64),. ばしば著しい累帯構造を示す(図5)。. (001)面のへき閑が著しい。褐色,緑色あるいは赤色を. 4.3カリ長石. 呈し,多色性が強い。ただし, Mgを含むがFeをほとん ど含まない黒雲母はしばしば無色である。また,へき開. カリ長石はその結晶構造によってサニディン,正長石,. 方向に切れている場合には,多色性が弱いかほとんどな. 微斜長石に分類される。これらはすべて同じ化学式で表. い。なお,ジルコンなどの放射性元素を含む鉱物の周囲.

(7) 岩石・鉱物の観察実習. にハロー(メタミクト-ロー)が見られることがあるo このメタミクトハローは,放射線(a線)によって黒雲 母の結晶構造が崩れたために生じた。. 169. (2)直交ニコル 干渉色は黄色や青色などである。直消光で伸長性は正 である。 4.5白雲母 白雲母の顕微鏡写真を図8に示す。微純なものをしば しば絹雲母と呼び,水分の特に多いものをイライトと呼 ぶ。 (1)平行ニコル 屈折率(1.59)が高い。一般に無色だが, Feを含むも のは薄い茶色あるいは緑色を呈して多色性を示す。 (2)直交ニコル 干渉色は黄色や青色などである。直消光で伸長性は正 である。. 図7平行ニコル下で茶色を示す黒雲母O黒色のハローはメタ ミクト-ローであり,ハローの中心の透明な鉱物はジル コンである。. 4.6輝石 輝石は斜方輝石と単斜輝石に分かれる。前者は, Ca をほとんど含まないのに対して,後者は含む。単斜輝石 の顕微鏡写真を図9と図10に示す.. 図9斑れい岩中の単斜輝石の顕微鏡写真(平行ニコル)。へ き閑が発達している。. 図8図7の位置から900ステージを回転させた時の平行ニコ ル下での黒雲母。ステージの回転によって,黒雲母の色 が薄くなっている(多色性を示す)。 (B)直交ニコルに した時の顕微鏡写真Q平行ニコルでは透明であるが,直 交ニコルにすると青や紫を示す鉱物がある。これらは白 雲母である。. 図10図9の位置から450回転させて直交ニコルにした時の単 斜輝石の顕微鏡写真。.

(8) 170. 学校教育学研究, 1999,第11巻. (1)平行ニコル 斜方輝石は無色あるいは淡青色から淡黄色を示し,早 斜輝石は無色あるいは淡緑色から暗緑色である。色の付 いている輝石は弱い多色性を示すことがある。いずれの 輝石も屈折率は高い。へき開面がほぼ900で交わってい る場合がある。 (2)直交ニコル 干渉色がやや高い(黄色から青色)。斜方輝石は直消 光であるのに対し,単斜輝石は斜消光である。. (1)平行ニコル 無色で,ころころとした紡錘形を示すことが多いo弱 いへき閑が一方向に見られることがある。 (2)直交ニコル 輝石と同じ程度に高い干渉色を示す。直消光する。. 4.8ジルコン (1)平行ニコル 短柱状の形を示すことが多い。無色のものが多いが, まれに淡い褐色を示す。屈折率は高い。ジルコンの顕微. 4.7かんらん石 かんらん石の顕微鏡写真を図11に示す。かんらん石の 周辺部は変質していることが多い。. 鏡写真は図7に示している。 (2)直交ニコル 高い干渉色を示す。直消光である。 空naaa ts 本稿では,偏光顕微鏡による岩石・鉱物の観察方法と その例を示した。専門的な学術研究を行う上では,さら に経験を積む必要はあろうが,代表的なものについて生 徒に示す程度の経験は実習を通じて身につけることがで きると考えられる。 参考文献 黒田吉益・諏訪兼位(1983):偏光顕微鏡と岩石鉱物.第2版. 共立出版343p. 都城秋穂・久城育夫(1972):岩石学I.共立出版.219p. 文部省(1989):中学校指導書理科鼠学校図書173p. 図11玄武岩中の斑晶のかんらん石(A)平行ニコルにした 時の顕微鏡写真。斑状組織がはっきりしている。石基中 の短冊状の鉱物の大部分は斜長石である(B)直交ニ コルにした時の顕微鏡写真。干渉色に違いがあるが, 3 つの粒子は,すべて,かんらん石である。.

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