大学進学希望者に対するキャリア教育
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(2) 論文の概要. 者の問題が噴出しているという見方を削提に. 第1章では「キャリア教育」導入に至る経. おき、若者の在り方生き方といった、内面的. 緯をまとめた。. な能力を教育によって鍛え直すことが中心に 据えられているという点である。第三は、フ. 「キャリア教育」は1970年代のアメリカで行 われた教育改革のひとつで、「初等・中等・. リーター、二一ト、早期離職者などの若年雇. 高等・成人教育の各段階で、それぞれの発達. 用における問題が、 「キャリア教育」の推進. に応じてキャリアを選択し、その後の生活の. に大きな力となっていることが、実は「キャ. 中で進歩するように準備する組織的・総合教. リア教育」にとっての問題点の一つであると. 育」と定義されている。吉田(2005)によれ. 言える。. ば、 「世界的な傾向」として「職業指導→進. 第4章では、今日の局等学校の現場において. 路指導→キャリア教育」という変遷をたどっ. は大学進学希望者に対してどのような指導が. ているという。日本においても、三村. 行われているか、を分析した。これには、兵. (2004)が「キャリア教育は、学校と社会及. 庫県立高校の「進路の手引き」を収集し、そ. び学校問の円滑な接続を図るためのものであ. の内容や進路関連の学校行事について比較検. り、最終的な目標は主体的に進路を選択する. 討し、そこから「キャリア教育」と『受験指. する能力・態度を育成することで、本来の進. 導」の関係性を論じた。特に「進学校」と呼. 路指導と同義である」としているように、戦. ばれる高等学校においては、今でも「受験指. 後の一連の進路指導改革の到違点に「キャリ. 導」に対する意識が強いことが明らかとなっ. ア教育」が位置づけられている。. た。さらにこうした指導の効果について、 「進路決定に何が影響を与えたか」など大学. 第2章では「受験指導」の経緯をみて、. 生への調査(2005,Benesse教育情報セン. 「キャリア教育」にとっていわば反面教師的. にとらえられていることをまとめた。日本で. ター)や望月(2007)の先行研究を元に論じ. は明治時代以降、公教育制度が整っていく中. た。特に、望月が「受験指導」の持つ可能性. で、学校教育制度そのものが社会的な選抜制. に言及している部分に関して検討している。. 度の中心となっていったのである。そして、. 陰山(2008)によれば、 「受験は学問では. 選抜の方法は「受験』というシステムとして. ない。知識基盤社会を生き抜く『生きる力』. 完成されていったのである。その際、偏差値. だ」とあ私こうしたことから、従来のよう. を使った「受験指導」に学校が熱心になるあ まり、 「本来の教育を歪めて」しまうといっ. に「受験指導」の対立概念として「キャリア 教育」を考えていくぺきではないのである. た問題も指摘されるようになった。今日で. う。. は、 「ユニバーサル化」したと言われるほど. 終章では、こ」までまとめてきた考え方を. 大学への進学を目指す者が多い。しかし、大. ふまえて、大学進学希望者に対するキャリア. 学受験が過度の競争であるという認識は変. 教育の実践について. わっておらず、高等学校において「受験指導」. ①学部・学科のガイダンスを重視する. が行われるケースも少なくない。. ②受験勉強のプロセスの重要性に気づかせる. 第3章では「キャリア教育」に対しての批. 指導を. 判を3つに大別してまとめた。第一は「受験. ③個々の生徒に合わせた指導を協力した体制. 指導」批判として「キャリア教育」を考えて. で行う. しまうことによって、教育の可能性が狭まっ. という3つの提言を行い、今後への課題を挙. てしまうという問題点である。第二は後藤. げた。. (2008)や本田(2007)が指摘するよう. 主任指導教員 渡邊隆信. に、 「キャリア教育」は、若者の能力が欠如. 指導教員 渡邊隆信. しているために若年雇用問題を始めとする若. 一13一.
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