• 検索結果がありません。

未来予測を中核とする中学校社会科の授業設計 : 事実認識に基づく設定型問題の追究を視点として

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "未来予測を中核とする中学校社会科の授業設計 : 事実認識に基づく設定型問題の追究を視点として"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

社会

系教科教

育学会

『社会系教科教育学研究』第12

号 2000

(pp.65-72)

未来予測を中核とする中学校社会科の授業設計

一事実認識に基づく設定型問題の追究を視亟

して

Planning- Social Studies Class F

acilitatmg" Children's Future Prediction:

From the Viewpoints of Analysis on Simulated Problems in Real World

渥 

美 

寿 彦

(宮

校)

I 

じめに

これか

らの社会は

,激

しい変化が予想され

る。

学校教育においては

,子どもに対

し,こう

した

化に柔軟に

,しかも主体的に対応

し得る資質や能

力を育成

していくことが求め

られる

しか

,これ

までの社会科授

業は

どうだったか

もっぱら過去に問題とされたものや

,現在問題と

されている社会事象

を取

り上げ

,その現状

をつか

ませ

,その原因を探究させ

,あるときには心情的

に共感させて解決策

を見出させるといった授

業構

成が

主流をな

してきた。

この

点に

ついて

,小西正雄氏もこれ

までの社会

科授

業のみ

では

,いまだに生

じていない問題

を発

した

,予見

した

りする能

力の育成には

つなが

らないと批判

している

。そ

して,問題化能力,問

題発生予見能

,未然防止能

力の育成

などの必要

を説いている1)

しか

し,氏の

いう社会的問題

とは

,個人の行動の帰結と

して生

じるもの

を意味

,社会

をミク

ロな

レベルで

しかとらえていな

い。

つま

,社会をマク

ロにとらえ,われわれが拘束

され

ている社会の

動きによる

,意

図せ

ざる変化に

よって生

じるものと

しての社会的問題という視

欠如

している。

こで

,社会を対象化

してとらえ,これ

ら生

起するであろう社会的問題を予測

,それ

を追究

対象と

していくことが必要である

。つま

り未来

の社会的問題の追究である

。そ

して,来るべき社

会の

問題状況に適切に対処できる資質や能

力を培

い,未来への主体性

を確立

させていかなければな

らない。

-本

稿

では

,社

認識

を保

し,前

した

来の

会科

業の

課題

を克服

る方

途が

,未

中核

とす

る授

ある

らえ

,その

計の

と授

業モ

デル

を提

案す

H未来予測

を中核

とす

る社会科授

業設計論

1.未来予測の

2つの側面

未来予測

を中核とす

る社会科授業は

,どのよ

に設計すればよいのだろうか

。この

ことを考

える

場合

,まず

,未来予測をどの

ように捉

え,それ

どう授

業展

開に反映

させてい

くかについて整理す

る必要がある。

先を読むこと

,つま

り未来を予測するための条

を説いている堺屋太

一氏の

論は

,未

来予測

を中

とす

る授業を設計するに際

して

,重要な示唆

提供

している2

氏は

,未来を予測することを

『次』

を感

じる」

と表現

しなが

,そのための条件と

して,豊か

整理

された情報とそれ

に基づく原理の発見

・把握

の必要性を説いている

。この

ことは

,未来予測の

条件

として

,質の高い知識の獲得が必要であるこ

とを示唆するものである

すなわち

,未来予測の第

1の側面は

,確かな事

実認識

を基礎に

,時代を超えた社会事象の説明を

可能にする原理つま

り概念的知識の発見に基づく

科学的

・合理的な未来予測である。

さらに氏は

,未来の

予測には

,原理や法則

を適

用するだけでは限界があることを指摘

,厂

感」

つま

り人間の感覚の重要性

を説いている

。このこ

とは,未来予測には

,これ

までの経験

を脱

し,個

65−

(2)

人 の 創 造 性 が 許 容 さ れ , 尊 重 さ れ な け れ ば な ら な

い こ と を 示 唆 す る も の で あ る 。

す な わ ち 未 来 予 測 の 第 2 の 側 面 は , 個 人 の 「 ̄

感 」

つ ま り 感 覚 に 基 づ く 創 造 的 な 未 来 予 測 で あ る 。

以 上 , 堺 屋 氏 の 論 を も と に , 未 来 予 測 の 2 つ の

側 面 に つ い て 述 べ た 。 氏 に よ れ ば , 未 来 予 測 は ,

第 1 の 側 面 か ら 第 2 の 側 面 へ と 連 続 的 に 展 開 , 発

展 さ せ る こ と が 重 要 で あ る と し て い る 。

2 . 未 来 予 測 の 2 つ の 側 面 と 社 会 科 授 業 の 展 開

( 1 ) 科 学 的 ・ 合 理 的 な 未 来 予 測 と 設 定 型 問 題

で は , 未 来 予 測 の 第 1 の 側 面 で あ る 概 念 的 知 識

の 発 見 に 基 づ く 科 学 的 ・ 合 理 的 な 未 来 予 測 を 社 会

科 授 業 に 取 り 入 れ る に は ど う す れ ば よ い か 。 未 来

へ の 主 体 性 の 確 立 と い う 観 点 か ら す れ ば , 未 来 に

お い て 生 起 す る で あ ろ う 社 会 的 問 題 を 追 究 さ せ る

必 要 が あ る 。 こ れ に つ い て 考 え る 場 合 , 佐 藤 允 一

氏 に よ る 厂問 題 」 の 3 つ の タ イ プ の 分 類 は , 大 い

に 参 考 に な ろ う 。

佐 藤 氏 は , 経 営 学 の 立 場 か ら 匚問 題 」 を 匚目 標

と 現 状 と の ギ ャ ッ プ で あ り , 解 決 す べ き 事 柄 」 と

定 義 し , 図 1 に 示 す よ う に , 考 え る 時 点 か ら 見 て ,

匚発 生 型 」, 匚探 索 型 」,「 ̄

設 定 型 」 の 3 つ の タ イ プ

に 分 類 し て い る3 )。

過 去       現 在        未 来 廴        |      人      |          ノ Y      

図 1 「 問 題 」 の 3 つ のタ イ プ4)

発 生 型 問 題 は, すで に 発 生 し て い る 問題 で あ り ,

そ の 解 決 の た め に は, そ の 処 置 を 考 え , 次 に な ぜ

そ の よ う な 問 題 が 発 生 し た の か の 原 因 分 析 が 必 要

と な る。

探 索 型 問 題 は, 現 在 特 に 問 題 が 発 生 し て い る わ

け で は な い が, 目 標 を 現 在 よ り も 高 く 置 く こ と に

よ って , 意 識 的 に ギ ャ ップ を つ く り だ す タ イ プ の

もの で あ る。

設 定 型 問 題 は, 今 まで に な い 全 く新 し い 目 標 を

設 定 す る 場 合 の問 題 で あ る 。 つ ま り 未 来 か ら 発 想

し て 現 在 何 を す れ ば よ い か を 考 え る も の で あ る。

こ の問 題 は, 将 来 の 環 境 変 化 の ヨ ミ と 当 事 者 の意

思 と の 結 合 か ら生 ま れ る も ので , 将 来 の問 題 を 予

想 し て 取 り 組 む , 変 化 を 先 取 り す る 問 題 と い って

よ い 。

氏 の分 類 に し た が え ば, こ れ か ら の 社 会 科 で は,

積 極 的 に 未 来 の 問 題 で あ る 設 定 型 問 題 を 取 り 上

げ , 追 究 さ せ る こ と が有 効 で あ り , 意 義 あ る と い

え よ う。

な お, 設 定 型 問 題 は, 所 与 の 学 習 問 題 と し て で

はな く, ま た , 子 ど も が 学 ぶ 意 義 を 認 識 で き る よ

う に し, し か も現 実 的 な 学 習 問 題 と す る必 要 か お

る。 そ こで , こ う し た 条 件 を 克 服 す る 方 途 と し て,

子 ど も に確 か な 事 実 認 識 を 基 盤 と し て , 未 来 を も

予 測 可 能 な 概 念 的 知 識 を 発 見 さ せ , そ れ に よ っ て

科 学 的 ・ 合 理 的 に 未 来 を予 測 す る こ と で , 設 定 型

問 題 を 定 立 す る こ と に有 効 欧 を 見 出 す こ と が で き

る。

以 上 か ら, 概 念 的 知 識 の発 見 に基 づ く科 学 的 ・

合 理 的 な 未 来 予 測 は, 学 習 問 題 の設 定 つ ま り 変 化

を 先 取 り す る 性 格 を 有 す る設 定 型 問 題 を 定 立 す る

授 業 展 開 の 場 面 に 位 置づ け る こ と が で き る。

( 2)「 感 」 に 基 づ く 創 造 的 な 未 来 予 測 と 意 志 決 定

次 に, 匚感 」 に 基 づ く 創 造 的 な 未 来 予 測 は, ど

う か。

設 定 型 問 題 は, 未 来 状 況 を 想 定 し て 追 究 す る,

い わ ば 匚も し ∼ な ら ば」 と い う 条 件 付 き の 問 題 で

あ る 。 不 確 実 性 の 強 い 未 来 の 問 題 で あ る設 定 型 問

題 を 取 り 上 げ , そ れ に 対 す る 意 志 決 定 を 行 わ せ る

な ら ば , 自 由 で 創 造 的 な 未 来 の予 測 が 許 容 さ れ,

尊 重 さ れ な け れ ば な ら な い 。 し か も, 問 題 に対 す

る 意 志 決 定 は, 教 師 主 導 の 他 律 的 な も の や , 集 団

で 合 意 形 成 を 図 って い く も の で は な く, あ く ま で

子 ど も 個 々 が 主 体 的 に 行 う も ので な け れ ば な ら な

い。 こ の よ う な 意 志 決 定 を 保 証 す る こ と で , 来 る

べ き 社 会 的 問 題 に適 切 に対 処 で き る 能 力 の育 成 と

未 来 へ の主 体 性 の確 立 を 図 る こ と が で き る。

以 上 の よ う に, 厂感 」 に 基 づ く 創 造 的 な 未 来 予

測 は, 未 来 の 問 題 で あ る設 定 型 問 題 に つ い て , そ

の 未 来 状 況 下 に お い て ど の よ う な 事 態 が 起 こ り 得

る か , ど の よ う な 影 響 が 出 る か な ど , 既 有 の 知 識

を 生 か し て 自 由 に予 測 さ せ る 授 業 展 開 の 場 面 に 位

置 づ け る こ と が で き る 。 そ し て , こ う し た具 体 的

追 究 を 根 拠 に, 主 体 的 な 意 志 決 定 につ な げ て い く。

( 3) 未 来 予 測 を 中 核 と す る 社 会 科 授 業 の 基 本 型

こ れ ま で の 論 を 踏 ま え , 未 来 予 測 を 中 核 と す る

66 −

(3)

社 会 科 授 業 の 基 本 型 を 以 下 の 図 2 に示 す 。

I 。法 則 の 発 見

確か な 事 実認 識に 基 づ

く法則 の発見・把握。

Ⅲ.設定 型 問題 の追 究 の 合 し 四 飛 と い う 未 来 -IV. 意 志 決 定-未 来 予 測 ① ② に 基 づ く 意 志 決 定 。 怦 す べ き で あ る」「∼ す べ きで な い 」

図 2未 来予 測を中 核とする 社会科授業 の基本型

(筆者 作成)

さ ら に , こ の未 来 予 測 を 中 核 と す る 社 会 科 授 業

の 基 本 型 を 構 造 化 す れ ば, 図 3 の よ う に な る。

K 未来 の 認 識 うざ す 認識 の方 向

二 千 匸

過 去お よ び 現 在 の 認 識

図 3未来予測を 中核とする 社会科授業 の構造

( 筆者作成)

I は 過去 お よ び 現 在 の事 実 認 識 の 過 程 で あ る。

こ こ で は, 法 則 ・ 理 論 で あ る 概 念 的 知 識 の 発 見 ・

把 握 を めざ し て, 記 述 的 ・分 析的 知 識 か ら説 明 的 ・

概 念 的 知 識 へ と, よ り 説 明 力 の あ る 質 の高 い 知 識

の獲 得 が図 ら れ る。

皿か らIv は未 来 の 認 識 過 程 に 当 た る 。 H は I で

獲 得 し た法 則 に基 づ い て 科 学 的 ・ 合 理 的 に 未 来 予

測 し , 厂も し ∼ な ら ば」 と い う 未 来 状 況 を 仮 定 し

た 設 定 型 問 題 を 定 立 す る。 さ ら に, Ⅲ で は, n で

導 出 し た未 来 状 況 下 に お い て , ど の よ う な事 態 が

生 起 す る か に つ い て 創 造 的 に予 測 す る。 そ し て ,

最 終 段 階 のIv にお い て , H お よ び Ⅲ の 未 来 予 測 を

も と に, 設 定 型 問 題 に 対 し て 匚ど う す べ き か 」,

匚ど う す べ き で な い か 」 の 意 志 決 定 を 行 う 。

未 来 の 認 識 を 逆 ピ ラ ミ ッ ド 構 造 で 示 し だ の は,

未 来 は ど う な る か 不 確 実 で あ って , H よ り も m,

Ⅲ よ り もIvと, 開 か れ た認 識 が保 証 さ れ な け れ ば

な ら な い か ら で あ る。

Ⅲ 未来予 測を 中核 とする社 会科 授業展 開モデ ル

本章で は, 未来予 測を中 核と する社会科 授業 が

ど のよ うに展 開で きるか につ いて, 前章 の図 2を

具 体化 する形で モデ ルを示 すこ とにす る。

1。1. 法則 の発見一 概念探 究過 程の 並列化

科学 的・合 理的 な未来予 測を 可能 にす る法 則,

つまり 概念的 知識 を抽 出す るために は, 複数 の具

体的社 会事象 につ いて の追 究を 行う過 程を組 織す

る ことが必要 であ る。 したが って, 岩 田一彦氏 が

説 く概 念探究 型 の基 本的学 習過 程5)を 並列的 に複

数 組織 す ること が有 効で ある。

I 。 法 則 の発 見 概 念 的 知 識  −

皿 

一 説 明 的 知 識 A − 匣 亙 卜 匯 蓬 ] な ぜ ? 概 念 探 究 過 程 ① 説 明 的 知 識 B

[置 団 三 五コロ

な ぜ ? 概 念 探 究 過 程 ②

図 4 1. 法則の発 見過程の授業 展開 モデ ル

( 筆者作成)

例 え ば 図 4の よ う に, 概 念 探究 過 程 ① にお い て,

発 見 さ せ た い 概 念 的 知 識 を 含 ん だ 典 型 的 社 会 事 象

A に つ い て 厂な ぜ 」 と 問 い , そ の 原 因 を 探 究 さ せ

る。 そ の結 果 , 子 ど も は 原 因 と 結 果 の 因 果 関 係 で

示 さ れ る 説 明 的 知 識Aを 獲 得 す る。 同 様 に, 概 念

探 究 過 程 ② に お い て , 典 型 的 社 会 事 象Bに つ い て

追 究 さ せ る こ と で , 説 明 的 知 識Bを 獲 得 す る。 こ

の よ う に, 複 数 の 説 明 的 知 識 か ら 帰 納 的 に規 則 性

を 発 見 さ せ る こ と で , 法 則 で あ る 概 念 的 知 識 を 抽

出 で き る 。

2. n.

設 定 型 問 題 の 定 立 ( 未 来 予 測 ①)

一 法 則 の 適 用 に よ る 科 学 的 ・合 理 的 な 未 来 予 測

設 定 型 問 題 を 定 立 す る 場 合 , 厂もし ∼ な ら ば 」 と

い う 仮 定 と な る 未 来 状 況 を 予 測 す る こ と が 必 要 で

あ る 。 そ こ で , 前 段 階 I で 獲 得 し た 法 則 つ ま り 概

念 的 知 識 を 適 用 し , 未 来 状 況 を 科 学 的 ・ 合 理 的 に

予 測 し 導 出 す る 。(図 5)

そ う す る こ と で , 子 ど も に 質 の高 い 知 識 の 転 移

可 能 性 を 実 感 さ せ , 事 実 認 識 の重 要 性 を 認 識 さ せ

る こ と が で き る。 ま た, 科 学 的 ・合 理 的 な 未 来 予

測 に よ っ て 導 出 し , 明 確 な 根 拠 を も っ て 定 立 さ れ

た設 定 型 問 題 は, 子 ど も に と っ て 切 実 な 学 習 問 題

と し て 追 究 さ せ る こ と が で き る 。

−67

(4)

n。設

定型問題の定立

(未来予測①

概念的知識

皿 

Aならば

Bである」

適用

らば

図5 

H.設定型問題の定立過程の授

業展開モデル

(筆者作成

Ⅲ。設定型問題の追究

(未来予測②)

一未来学の方法論を活用した創造的な未来予測

m.設定型問題の追究

(未来予測②)

は,法則

を適用

して科学的

・合理的に予測して導出した未

来状況

下において,

「 ̄

何か生起するか」

,匚

どうな

るか」などについて,創造的に予測させる過程で

ある。

人の創造性をもとに未来を予測することで具

体的な未来像を描き

,意志決定に生かしている学

問として未来学かおる6

。そこで,この過程に未

来学の方法論を活用することが有効である

未来学では

,匚

ブレーン

・ス

トーミング」

,匚

ルファイ法

,匚

未来の輪」

「 ̄

クロス

・インパク

ト・

トリックス

」といった手法を,体系的に組織す

ることによって未来を推論する方法論を確立して

いる。

「ブレ

ーン

・ス

トーミング」は,未来状況下に

おいて影響を及ぼすと思われる出来事や社会変化

について

,各自が自由に推論し,意見を述べるも

のである

。ここでは,どんなに非現実的と思われ

る意見でも

,思いつくものはすべて出し合い,互

いに批判し合うことは慎まれる。

「デルファイ法

」は,ブレーン

・ス

トーミング

の段階で出された項目について

,可能性と重要性

の大小を数量化するものである

。ここでの目的は,

アンケ

トを繰り返すことによって,ブレーン

ーミングの過程で出された多くの個人の直観

に基づく予測を絞り込み

,未来の方向を巡って,

参加者の間に共通の見通しを生むことにある

未来の輪

(フューチャーズ

・ウィール)

」は,

デルファイ法によって検討すべき大きな項目が出

揃ったのを受けて

,それがどのような結果をもた

らすかを発生連関的に探るものである

クロス

・インパク

ト・マ

トリックス」は,来

来の

ら導出

され

目に

いて

どれ

パク

トの

い重

な項

目で

あるか

を探

るも

Oこの

手法

,各項

目を

図表

して縦

,その

を掛

け合わ

,その

果が

ラス

をもた

らす

,マ

イナ

をも

らす

を検

して

く。

科の

導が

,学

問の研

およ

び探

方法

を子

どもに

習得

させ

こと

目標

と考

えれ

,学

問が

開発

して

きたオ

リジナ

探究

方法

学習

過程

に組

とが

重要

ある

この

な意

,前述

の未

来学の

方法

を活

用す

こと

,子

ども

に未

測の

技法

をも獲

させ

こと

つなが

。また

,子

どもの

自由

で創

的な未

予測

を許

しつつ

,論

・整合

問題

追究

可能

とな

以上か

,Ⅲ

。設

定型

問題

追究

(未

測②

,図

6の

うに組

Ⅲ.設

定型問題の追究

(未来予測②

a子

どもの

自由な推論

(ブレー

・ス

一一

トー

一一一

一一

ミング)

一一

小集団

C発

生的連

(未来の輪)

関の把握

小集

b推論の絞

(デル

ファイ法)

り込み

dインパク

トの測

(ク

ス・イン

パクト・

トリ

ス)

小集

6Ⅲ

。設定

型問題

追究

(未

予測②

過程

の授

開モ

デル       

(筆

Ⅳ。意志決定

−シナ

リオ

・プランニングの活用

ここでは

H.設定型問題の定立

(未

来予測②

およびⅢ

。設定型問題の追究

(未来予測②

を受

けて

,設定型問題に対する意志決定

を行

う。その

,未来学の

手法の

一つであるシナ

リオ

・プラン

ニング

を活用する。

(図7)

Ⅲの

a∼d

の過程を経て,大きな

トレン

トを核

して事象間のネッ

トワ

ークができ

あがる。これ

をもとに

,未

来が具体的に

どうなるかにつ

いての

シナ

リオ

を作成

させ

。そ

して,そのシナ

リオ

受けて

「∼すべきである」

「∼すべきでな

い」

という意志決

定を行わ

せる。

−68

(5)

IV. 意 志 決 定 H。設 定 型 問 題 の定 立 ( 未来 予 測 ①)

況 の把 握 によ る

Ⅲ 。設 定 型 問 題 の追 究_ ( 未 来 予 測 ②) そ状 況 下 に お け る 事 態6 Lリ。「 ∼ と な る だ ろ う 」 シ ナ リ オ作 成 シ ナ リ オ・ プ ラ ン ニ ン グ の活 用 に る 具 体 的 な 未 来 象 の 把 握 ↓ 「∼ す べ き で あ る」 「∼ す べ き で な い」

図7 1V. 意志 決定 過程 の授業 展開モ デル

( 筆者作成)

IV 授 業 設 計 の 実 際

1. 小 単 元 に つ い て

事 実 認 識 に 基 づ く 設 定 型 問 題 の追 究 を 視r氛とし ,

未 来 予 測 を 中 核 と す る 授 業 設 計 の 実 際 と し て, 中

学 校 公 民 的 分 野 匚適 切 な 課 題 を 設 け て 行 う学 習 」,

小 単 元 匚日 本 経 済 の あ ゆ みと 未 来 」 を 設 計 し た 。

授 業 モ デ ル の 構 築 に あ た って は , 堺 屋 太 一 氏 の

著 書 『 知 価 革 命 』 を も と に 教 育 内 容 を 設 定 し た 。

堺 屋 氏 は , 戦 後 の 日 本 の 経 済 活 動 を 時 期 ご と に 概

観 し な が ら, そ の背 景 に あ る 消 費 行 動 を 視 点 と し

て , 各 時 期 の 経 済 的 特 色 を 明 ら か に し て い る。 ま

た , 各 時 期 の 特 色 を 帰 納 化 す る こ と に よ って , 人

間 行 動 に関 す る一 般 原 理 を 抽 出 し て い る。 そ し て ,

抽 出 し た 一 般 原 理 を 現 状 分 析 の 結 果 に 適 用 す る こ

と で 未 来 社 会 の 大 枠 を 予 測 し て い る7 )。

本 単 元 で は, 概 念 探 究 過 程 を1950 年 代 半 ば か ら

70年 代 初 期 ま で の高 度 経 済 成 長 期, 高 度 経 済 成 長

期以 降 の70 年 代 ,80 年 代 に 区 分 し て 組 織 す る。 そ

-し て , そ れ ぞ れ の 過 程 で 日 本 の 産 業 の 特 色 に 関 す

る 説 明 的 知 識 を 獲 得 さ せ る。 次 に , こ の 3つ の 説

明 的 知 識 か ら, 人 間 行 動 に 関 す る 一 般 原 理 を 帰 納

的 に抽 出 さ せ る。

さ ら に ,90 年 代 に 関 す る 現 状 分 析 を 行 い , そ の

結 果 に 概 念 的 知 識 を 適 用 す る。 こ う し て, 2000 年

以 降 の 未 来 社 会 の大 枠 を 予 測 さ せ る こ と で 設 定 型

問 題 を 導 出 さ せ , 厂ど の よ う な こ と が生 起 す る か 」

匚ど の よ う な 影 響 が 出 る か 」 な ど , 未 来 学 の方 法

論 を 活 用 し た 具 体 的 追 究 を 行 わ せ る。 そ し て , 最

終 的 に は , そ れ ら の 追 究 を 踏 まえ て , 設 定 型 問 題

に 対 し て , 個 々 に主 体 的 判 断 に基 づ く 意 志 決 定 を

促 す 。

2. 授 業 モデ ル

( い

小 単 元  匚日本 経 済 の あ ゆ み と未 来 )

( 2) 学 習 計 画 ( 全17 時 間 )

第 1次 高度経 済成長 とその要因 …………4R 寺間

一 素材型 産業 の成長−

第 2次 石油危 機と日本経 済

わ た し た ち の生 活

3 時 間

6 時 間

69 −

一 素材型 産業 か ら組立 加工型産業 ヘー

第 3次 産業構 造の変 化 ……… ……… 4時間

− モ ノの消 費か らサービス の消 費ヘー

第 4次 日本経 済の未来 と

以 下, 小単元 の主 な問 いと目標 とな る知識お よ

び行動を示 す。 なお, 概念探 究過 程I∼ Ⅲにお け

る目標 とな る知 識 につ いて は, そ れぞ れの中核 と

なる問い に対応 す る説 明的知 識I∼ Ⅲ のみ記述 す

ること にす る。

過 程 時 段   階 主 な 問 い 目 標 と な る 知 識 お よ び 行 動 概 念 探 究 過 程 I 1 ? 2 情 報 収 集 ↓ 情 報 の分 類 ・ 比 較 ↓ 学 習 問 題 の 発 見 ・ 把 握 ↓ 予 想 の提 示 , 仮 説 の設 定 ↓ 検  証 ↓ ま と め ・ 第二 次 世 界 大 戦 直 後 の日 本 の経 済 は, ど の よ う な 状 況 だ っ た のか 。 ・ ど の よ う に し て 経 済 復 興 の き っ か け を つ か ん だ の か 。 な ぜ, 日 本 は第 二 次 世 界 大 戦 で 経 済 的 に 大 きな 被 害 を 受 け た に も か か わ ら ず , 厂日本 の奇 跡 」 と 呼 ば れ る よ う な 高 度 成 長 を 成 し 遂 げ る こ と が で き た の か。 ○ な ぜ, 輸 出 が 盛 ん に行 わ れ工 業 製 品 の売 上 げ を 伸 ば す こ とが で き た の か。 ○ な ぜ, 資 源 小 国 の 日 本 が , 多 く の 工 業 製 品 を つ く る こ と が で き た の か。 ○ な ぜ, こ の 時 期 盛 ん に 「 規 模 の利 益 ( ス ケ ート メ リ ッ ル ・ )」 の 追 求 が 行 わ れ た の か 。 ○ な ぜ ,「 規 模 の 利 益 」 の 維 持 が 可 能 だ っ た の か。 @ 1950 年 代 半 ば ∼70 年 代 初 期 の日 本 の 産 業 は ,高 い 国 際 競 争 力 と と も に , 石 油 を 主 体 に豊 富 安 価 な資 源 ・ 農 産 物 に恵 ま れ た 環 境 に あ っ た。 こ う し た 中 で, 社 会 で は豊 富 な 資 源 を た くさ ん 使 用 し , 不 足 な 労 働力 を 節 約 し よ う と す る 資 源 多 消 費 ・ 省 力 化 の 志 向 が 根 付 き, そ れ を 可 能 に す る「 規 模 の 利 益 ( ス ケ ー ル ・ メ リ ッ ト)」 の 追 求 な ど の 技 術 進 歩 や 経 営 の 発 展 , 政 府 の保 護 政 策 が 巧 み に か み あ っ た の で , 経 済 規 模 の拡 大 す な わ ち 高 度 成 長 を 成 し 遂 げ る こ と がで き た。 【 説 明 的 知 識 I 】 ・1970 年 代 の 日 本 経 済 の 様 子 を 調 べ よ う。

(6)

概 念 探 究 過 程 n 5 ? 7 情 報 収 集 ↓ 情 報 の分 類 ・ 比 較 ↓ 学 習 問 題 の 発 見 ・ 把 握 ↓ 予 想 の提 示 , 仮 説 の設 定 ↓ 検  証 ↓ ま と め ・70 年 代 は , ど のよ う な 産 業 が 成 長 し た か。 な ぜ, 1970 年 代 に 入 る と, 日本 の 産業 は そ れ ま で の素 材 型 産業 に か わ っ て 組 立 加 工 型 産業 が 急 速 に成 長 し た の かo ○ な ぜ, 高 度 成 長 時 代 の中 心 的 産 業 だ っ た 素 材型 産 業 は伸 び 悩 むよ う に な っ た の か。 ○ な ぜ, 一 方 で 組 立 加 工 型 産 業 が 急 速 に輸 出 を 拡 大 し, 高 成 長 を 実 現 で き た の か。 ○ な ぜ, 消 費 者 の 間 に 小 型 製 品 へ の ニ ー ズ が 強 ま っ た の か 。 ● 1970 年 代 の 日 本 は, 国 際 遡 貨 危 機 や 2度 の石 油 危 機 に 見 舞 わ れ, 人 々 の 間 に 資 源 有 限 感 が 定 着 し た。 そ の結 果 , 社 会 で は大 量 生 産 ・ 大 量 消 費 を 見 直 し て 省 資 源 ・ 省 エ ネ ル ギ ーを 追 求 す る 消 費 志 向 が 芽 生 え , エ ネ ル ギ ー多 消 費 型 の素 材 型 産 業 が 伸 び 悩 ん だ。 し か し , 組 立 加 工 型 産 業 は , 経営 努 力 , 質 の 高 い 労 働 力 の 存 在 と と も に , 世 界 的 な 省 資 源 ・ 省 エ ネ ル ギ ー追 求 を 背 景 と す る 小 型 志 向 の ニ ー ズ に柔 軟 に 対 応 し た の で , 売 上 げ を 伸 ば し , 急 速 に成 長 し た。  【 説 明 的 知 識 H 】 概 念 探 究 過 程 Ⅲ

情 報 収 集 ↓ 情 報 の分 類 ・ 比 較 ↓ 学 習 問 題 の発 見 ・ 把 握 ↓ 予 想 の提 示 , 仮 説 の設 定 ↓ 検  証 ↓ ま と め ・1980 年 代 の 日 本 経 済 の 様 子 を 調 べ よ う。 な ぜ, 1980 年 代 に 入 る と , 生 産 構 造, 就業 構 造 とも 第 3次 産 業 の ウ ェ イ ト が 一 段 と高 まり , 産 業 構 造 の川 下 化 か 進 ん だ の か 。 ○ な ぜ, 第 2 次 産 業 特 に 資 源 多 消 費 型 の素 材 型 産 業 は, 生 産 構 造 , 就 業 構造 と も, そ の 割 合 が 低 下 し た の か。 ○ な ぜ, 第 2次 産業 に属 す る企業 は, サ ー ビ ス 業 を は じ め と す る 第 3次 産 業 に 進 出す る よ う にな った の か。 ○ な ぜ, 個 人 消 費 の 高 級 化 ・ 多 様 化 や 厂モ ノ離 れ 」 傾 向が 進 ん だ の か。 @ 1980 年 代 に は, 石 油 危 機 に 端 を 発 し た資 源 ・ エ ネ ル ギ ー 価 格 の高 騰 に よ る 社 会的 な 省 資 源・ 省 エ ネ ル ギ ー の動 き に よ っ て, 資 源 多 消 費 型 の素 材 型 産 業 が 伸 び 悩 ん だ。 同 時 に, 人 々 の間 に 省 資 源 ・ 省 エ ネ ル ギ ー志 向 が 一 層 定 着 す る と と も に , 豊富 で 多 様 な 情 報 の普 及 な ど 社 会 的 状 況 も絡 ん で 個 人 の ニ ー ズ や 価 値 観 の 変 化 な ど が生 じ , 個人 消費 の 高 級 化 ・ 多 様 化 や 「 モ ノ 離 れ」 傾 向 が 進 ん だ。 こ のよ う な 状 況 に対 応 し て , 企 業 が 知 識 や 技 術 の専 門 化 を 進 め た り サ ー ビ ス 産 業 を は じ め と す る 新 規 事 業 に進 出 し た ので , 生 産 構 造 , 就 業 構 造 と も 第 3次 産業 の ウェ イ ト が 高 ま り, 産 業 構 造 の川 下 化 か 進 ん だ。 【 説明 的 知 識 Ⅲ 】

概 念 探 究 過 程 I ∼ Ⅲ の ま と め ( 概 念 的 知 識 の 獲 得) ・ こ れ ま で の 学 習 を 総 合 し , そ こ か ら か ら共 通点 を 見 つ け る と , ど の よ う な こ と が い え る か 。 ・ こ れ まで の学 習 で 獲 得 し た 説 明 的 知 識 I ∼ Ⅲ を 総 合 し て , そ こ か ら共 通 点 を 見 出 し , 概 念 的 知 識 を 獲 得 す る 人 間 は, 豊富 な も の を た くさ ん 使 い, 足 り な い もの を 節 約 し よ う と す る 意 識 を 持 つ 。 そ れ は 生 産 活 動 や 消 費 ニ ー ズ とな っ て 表 れ , こ れ ら が 相 互 に 作 用 す る 結 果, 産 業 構 造 は変 容 して い く。 設 定 型 問 題 定 立 過 程 12 現 状 分 析 未 来 予 測 ① ( 科 学 的 ・ 合 理 的 な 未 来 予 測) 設 定 型 問 題 の 定 立 ・ こ れ か ら 豊富 に な る と 考 え ら れ る も の, 不 足 す る と 考 え ら れ る も の は 何 か。 現 状 を 見 て みよ う 。 ・ 現 状 分 析 の 結 果 に, 前 時 ま で の学 習 で獲 得 し た 概 念 的 知 識 を 適 用 す る と, こ れ か ら は ど の よ う な 社 会 に な る と 考え ら れ る か 。 未 来 予 測 し て み よ う。 こ れ か ら は,「 知 恵 」,「 可 処 分 時 対 し,「 子 供 」,「 労 働 者 」 が 不 足 し 匹 呂 予 測 さ れ る。 も し, こ の よ う な 社 会 ・ 現 状 の分 析 を と お し て , こ れ か ら の 社 会 で は, 情 報 , イ メ ー ジ, デ ザ イ ンな ど, 広 い 意 味で の 「 知 恵 」 や 人 々 の 「 可 処 分 時 間 」,「 高 齢 者 」 が 豊 富 に な り つ つ あ る こ と , 一 方 「 子 供」 や 匚労 働 者」 が 不 足 し つ つ あ る こ とを 知 るo ・ こ れ か ら は ,「 知 恵 」 や 「 ̄可 処 分 時 間 」,「 高 齢 者 」 が 豊 富 と な り , そ れ らを た く さ ん 使 い ,「 子 供 」, 厂労 働 者 」 が 不 足 し, そ れ らを 節 約 し 大 切 に し よ う と す る ラ イ フ ス タ イ ル が 起 こ る。 そ して , そ れ に対 応 し た生 産 活 動 が 行 わ れ , 消費 ニ ー ズ も 高 ま る 社 会 が到 来 す る だ ろ う こ と を 予 測で き る。 間」,「 高 齢 者 」 が 豊 富 と な り , そ れ らを た く さ ん 使 う の に そ れ ら を 節 約 し 大 切 に し よ う と す る ラ イ フ ス タ イ ルが 起 士 四 大 にな っ た場 合 , ど の よ う な 政 策 を つ く る べ きだ ろ う 。 設 定 型 問 題 13 ? ブレ ーン・ スト ー ミ ン グ に よ る 未 来 予 測 デ ル フ ァ イ 法 の 活 用 に よ る 予 測 の絞 り 込 み 未 来 の 輪 の 活 用 に よ る 発 生 的 連 関 の 把 握 ・ 先 に予 測 し た社 会 が到 来 し た 場 合, 家 庭生 活 に ど の よ う な 影 響 が あ る か。 ま た, 社 会 的 に はど のよ う な 変 化 が 起 こ る と 考 え られ る か 。 グ ル ープ で 自 由 に 推 論 し て みよ う 。 ・ 先 の 段 階 で, 個 人 の 直 観 によ って 自 由 に 推 論 し た 項 目 につ い て , ど の く ら い の可 能 性 と 重 要 性 が あ る だ ろ う。 数 量 化 し て みよ う 。 ・ 可 能性 の 高 い 推 論 に つ い て , 各 グ ル ープ ご と に, そ れ が ど のよ う な 結果 を 招 く か を , 未 来 の輪 づ くり の ル ー ル に し た が っ て 導 き出 し て み よ う。 【 「 未 来 の 輪」 の 活 用 に よ る 発 生 的 泅 ・ 小 集 団 を 組 織 し , そ の 中 で, 家 庭 生 活 へ の影 響 や ,「 ど の よ う な 事 態 が生 起 す る か 」 な ど, 自 己 が 推 論 し た 未 来 の 社 会変 化 の よ う す を 自 由 に述 べ る こ と がで き る。 ・ ブ レ ー ン ・ ス ト ー ミ ング に よ っ て 自 由 に出 さ れ た推 論 を , デ ル フ ァ イ 法 の ア ン ケ ー ト 用 紙 に記 入 し , 可 能 性 の度 合 を 量 る こ と が で き る 。 ・ 小 集 団 で 協 力 し て , ア ン ケ ート の集 計 作 業 を 行 う こ とが で き る。 ・ デ ル フ ァ イ 法 に よ って 導 出 さ れ た可 能 性 の高 い 推 論 につ い て , 各 グ ル ープ ご と に 未 来 の 輪づ く り の ル ー ル にし た が っ て 可 能 性 の 輪 づ く り を 行 い , 発 生 的 連 関 を 把 握 す る こ と が で き る。 1関 の把 握 の 例】8 ) A  厂『 知 恵 』 を 創 造 す る の は, 生 産 手 段 は主 に 個 人 に 属 す の で , 生 産手 段 と労 働 力 が 一 体 化 す る だろ う」 に つ い て 。 A-1  巨 大 な 施 設 を 必 要 とし な い ので , 建 設 需 要 が 減 る だ ろ う 。 A-1- ①  土 地 開 発 が 減 るだ ろ う。 -

70 −

(7)

追 究 過 程 川 -1-① A-1   '1 “② -1-③ -2-① A A-2 -2- ② -2-③ A-3   -3- ① -3-② -3-③ 「 未 来 の輪」 の 構 造 (大 項 目A の場 合) ク ロ ス・ イ ン パ ク ト ・ マ ト リ ッ ク ス の 活 用 に よ る 影 響 の イ ン パ クト の 測定 A↓ ②  あ ち こ ち に土 地 空 間 がで き, 公 園 が で き る よ う にな る だろ う。 A-1- ③  建 設 需 要 が 減 る こ とで , 経 済 が 徐 々 に 縮 小 し て い くだ ろ う。 A-2  在 宅 で 仕 事 を す る人 が 増 え る だ ろ う。 A-2- ①  イ ン タ ー ネ ット な ど の通 信 手 段 が ま す ま す 進 展 し , そ れを 提 供 す る 企業 が 成 長 す る だ ろ うo A-2- ②  交 通 渋 滞 や 交 通 機 関 の混 雑 が緩 和 さ れ る だ ろ う 。 A-2- ③  個 人 経 営 の○ ○ 事 務 所 な ど が数 多 く 街 に 見 ら れ る よ う にな る だろ う。 A-3  居 住 地 に 拘 束 さ れ る こ と が少 な い の で, 地 域 社 会 に関 心 を 持 つ 人 が 減 る だろ う A-3- ①  海 外 移 住 者 が 増 え る だろ う。 A-3- ②  地 域 的 つ な が り が 薄 くな り , 地 域 の お 祭 り な ど はな く な っ て い くだ ろ う。 A-3- ③  空 き 巣 な ど の犯 罪 や , 地 域 的 ト ラ ブ ル が 増え る だ ろ う 。 B  「 可 処 分 時 間 を 一 層 増 や そ う と す る サ ービ ス 業 が 増 え るだ ろ う」 につ いて 。 C  「 生 き 甲 斐 を 持 つ 高 齢 者 が 増 え , 平 均 寿 命 が 伸 び る だ ろ う 」 につ い て 。 D  「 子育 て に手 間 と 費 用 を よ り 多 くか け る よ う に な る だ ろ う」 に つ い て 。 E  匚社 会 生 活 の 基 盤 的 サ ー ビ ス, 特 に都 市 の 基 盤 的 サ ー ビ ス を 支 え る労 働 は 高 価 に な るだ ろ う」 につ いてo E-1  清 潔 感 の 行 き 届 い た都 市 運 営 が 難 し く な る だ ろ う。 E-1- ①  都 市 が 雑 然 と し , 荒 廃 す る こ と に な る だろ う。 E-1- ②  ゴ ミが 今以 上 に 増 え , そ の処 理 が 困 難 に な る だ ろ う。 E-1- ③  公共 機 関 の利 用 者 は減 少 す る だろ う。 E-2  移民 が 大 量 に 入 っ て く る こ と にな る だろ う。 E-2- ①  国 民 の失 業 者 が 増 加 す るだ ろ う。 E-2- ②  混 血 が 進 む こ と に な る だ ろ う 。 E-2- ③  外 貨 の 流 出 が 深 刻 な 問 題 に な るだ ろ う。 E-3  財政 支 出 が 増 加 す る こ と にな る だ ろ う。 E-3- ①  政 府 は増 税 策 を と る よ う に な るだ ろ う。 E-3- ②  日本 は, い わ ば 「 貧 し い 国 」 に転 落 し, 先 進 国 と は いえ な く な る だ ろ う 。 ・ ク ロ ス ・ イ ンパ クト ・ マ ト リ ッ ク ス の手 法 を 活 用 し て , 「 未 来 の」 輪 の 段 階 で 全 員 が 合 意 し た項 目 に つ い て, ど れ が よ り イ ンパ クト の 大 き い重 要 な 項 目 か を 探 って みよ う。 ・ 各 グ ル ープ ご と に, 算 出 し た「 影 響 の 度 数」 に つ い て , 説 明 を 加 え な が ら 発 表 し よ う。 ・ マ ト リ ッ ク ス 用 紙 を 活 用 し て , 先 の 「 未 来 の 輪」 で 導 出 さ れ た項 目 が, プ ラ ス 効 果 を も た ら す か , マ イ ナ ス効 果 を も た ら す か に つ い て , 小 集 団 で 話 し 合 い な が ら,「 影 響 の 度 数 」 を 算 出 す る こ とが で き る。 意 志 決 定 過 程 17 設 定 型 問 題 に 対 す る 意 志 決 定 ( シ ナ リ オ ・ プ ラ ン ニ ン グ の 活 用 ) ・ こ れ まで の 追 究 の 結 果 を 参 考 に, 未 来 が 具 体 的 に ど う な る か につ い て の シ ナ リ オ を 作 成 し , 個 人 ご と に設 定 型 問題 に対 す る 意 志 決 定 を し よ う。 【 シ ナ リ オ ・ プ ラ ンニ ン グを 活 用 し た ・ こ れ ま で の追 究 を 踏 まえ , 未 来 像を シ ナ リ オ と し て ま と め, 主 体 的 に 意 志 決 定 を 行 う こ とが で き る。 個 人 の主 体 性 に 基 づ く 意 志 決 定 の 例】 題:2010 年 の 日 本 周 囲で 目 に つ く の は, 在 宅 の ま ま 仕 事 を し て い る人 が た く さ ん 存 在 し て い る こ とで あ る。 多 く の人 が 自 宅 を オ フ ィ ス とし , 情 報 通 信 機 器 を 巧 み に操 り な が ら知 恵 の 創 造 に従 事 し て い る。 こ れ まで の よ う に, 交 通 渋 滞 や 満員 電 車 に揺 ら れ な が ら 出勤 す るよ う すを 見 るこ と はだ い ぶ 減 っ て き た。 ま た, 工 業 地 帯 も以 前 と比 べ, そ の 規 模 は縮 小 し て き て い る。 大 規 模 建 設 需 要 の 低下 で , こ の と ころ 建 設業 界 は 不 況 に苦 し み, 大 リ スト ラ策 を 打 ち 出 し た と い う ニ ュ ー スを 見 た。 一 方 , 最 近で は 女 性 の活 躍 ぶり が 目 につ く。 官 庁 や 企 業 の女 性 管 理 職 の 割 合 は40 % に達 し た そ う だ。 そ の背 景 に は , 可 処 分 時 間 を 創 造 す る た め の生 産 活 動 が 盛 ん に 行 わ れ,女 性 の 自 立 が 促 さ れ る と 同 時 に, 代 行 サ ー ビ ス業 が 成長 し, 女 性 の 家 事 労 働 の負 担 が軽 減 さ れ た た めだ 。 し か し , 多 く の人 は 自 分 で 食 事 を つ く る こ と が な く な っ た た め, こ れ ま で当 た り 前 に 食 卓 に並 ん で い た伝 統 的 な家 庭 料 理 を 作 れな い 人 が増 え た。 何 と 匚きん ぴ ら ご ぼ う」 や 「 肉 じ ゃが 」 を 知 ら な い 子 供 が 多 い そ う だ。 ま た, 最 近 で は 「 高 齢 者 に や さ し く」 を モ ッ ト ーに し た運 動 が 盛 ん に な っ て い る 。 福 祉 関 連 の 製 造 業 は成 長 ぶ り が 著 し い 。 企 業 な どで は, 高 齢 者 の 有 効 活 用 が 検 討 さ れ て い る 。 し か し , 90 年 代 に比 べ る と, 企 業 の 活 力 が 失 わ れ, 特 に 肉 体 労 働 の割 合 が 高 い製 造 業 な ど で は, 国 際 競 争 力 の低 下 が 深 刻 な問 題 に な っ て い る。 さ ら に, 子 供 の 数 が 減 少 し , 親 が手 間 と 費 用 を か けて 育 て て い る た め, 巷 で は わ が ま まな 子 供 が 増 え て い る。 学 校 で もい じ めが 横 行 し, や り たい 放 題 の よ う だ 。 し か も, 少 年 犯 罪 も増 加 し,90 年 代 後 半 の 2 倍 に も の ぼ って い る。 さ ら に , 子 供 の 数 の 減 少 は, 経 済 に も 深刻 な 影 響を 及 ぼ し て い る。 社 会生 活 の基 盤 的 サ ー ビ スが 高 価 とな り , 労 働 者 に1 日 当 たり 平 均 3万 円 も支 給 す る そ う だ。 何 と な く10 年 前 と比 較 す る と, 街 は 騒 然 と し, 荒 廃 し て い る 様 子 が 目 につ く。 以 上 が 私 か予 測 す る2010 年 の 日 本 の シ ナ リ オで す。 私 自 身 , 一 番 深 刻 だ と 考 え る の は, 子 供 の 数 の 減 少 に伴 って , 社 会基 盤 整 備 の費 用 が 高価 と な り, 街 全 体 が 荒 廃 す る こ と で す。 私 の考 え と し て は, 発 展 途 上 国 か ら の 労 働 者 を 受 け入 れ, 社 会 基 盤 の 整 備 の一 端 を 担 って も ら う よ う に す べ き だ と考 え ま す。 そ こ で, 外 国 人 労 働 者 の入 国 条 件 を 緩 や か にし たり , 労 働 の た め の長 期 の 滞 在 を 認 め た り , 安 価 な 住 宅 の供 給を 促 進 す る な ど の 政 策 を つ く る べ き だ と思 い ま す。 註) 概 念 探 究 過 程 の中 核 と な る 問 い 概 念 的 知 識 一   設 定 型 問 題 一   例 示 下 位 の 説 明 的 知 識 を 導 く問 い  ○

−71

中 核 と な る 問 い に対 応 す る知 識  ● そ の 他 の 問 い お よ び 目 標行 動   ・

(8)

Vおわ

りに

一授業モデルの成果

(1)過去

・現在志向か

ら未来志向への転換

本授

業モデルの特質は

,事実認識に基づいて未

を予測

,変化を先取

りする性格

を持つ設定型

問題を定立

,その追究を中核に据えたところに

ある

。本授業モデルは,これ

までの過去

・現在の

問題追究

を主体と

した授業か

らの転換を図

,未

来の

問題

を追究対象

とす

ることで

,未

来への

主体

性の確立

をね

らいと

した

,いわ

ば未来志向の授

のお

り方

を打ち出

したところに大きな特質と意義

ある。

(2)社会諸科学の成果に基

づく社会認識形成

本授業モデルでは

,設定型問題定立の前段階に

おいて

,3つの概

念探究過程

を組織

し,それ

ぞれ

の過程

で説明的知識の獲得

を図っている

。このよ

うに

,本授業モデルは

,社会諸科学の

成果に基

く事実認識によって質の高

い知識の獲得を図

社会認識形成を保証

している

さらに

,説明的知識

I∼Ⅲから帰納的に導出

た概念的知識を適用

して科学的

・合理的に未

来を

推論する

ことで

,設定型問題

を定立

させている。

以上の

ように

,社会認識

形成を保証するととも

,その成果を生か

して設定型問題

を定立

させて

いる

。こうす

ることで,問題

を所与の

ものと

して

ではなく

,合理的に

っくり上げ,

しかも子

どもに

とって現実的で切実なる追究課題にすることを可

とした

ところに

,本授業モデルの特徴かおる。

(3)未来学の方法論

を活用

した設定型問題の追

本授業モデルでは

,未来学の予測の

方法論を意

図的

・体

系的に授業展開に組み

込んだ。これ

まで

の設定型問題を追究対象と

している授業実践は

子どもの創造性を重視

しているものの

,非現実的

で夢を語るにと

どま

りがちなもの

多く見

られ

こうした課題を克服

,子どもの創造性を生か

つつ

,論理的な問題追究の

り方を示す

ことがで

きたところに

,本授

業モデルの成果かおる

(4)シナ

リオ

・プランニングの活用による開か

れた価値認識形成

本授業モデルでは

,設定型問題の追究

を踏ま

たシナ

リオ

・プランニング

を活用

し,それ

を意志

決定に生か

している。これは

,未来で起

こりうる

と考

えられ

多様

可能性

を探

,それ

を吟味

でシナ

リオの

で未

来像

を描

,それ

に基

いて意

志決

定す

もの

O例

えば

,授

業モ

,小

団で匚

来の

」の

よる発

的連

関の

さらに

それ

らの

ンパ

トの

を測

,その結

を基盤

しな

ら個

人の

由な

解釈

よって

シナ

リオ

を作

して

いる

。そ

,それ

を根

して設

型問

題に

対す

る意

志決

を行

って

いる

この

方法

を示

とで

,従

来の

業実

く見

られ

に個

人の

好き嫌

いに

左右

され

,子

ども

に開

かれ

た意

志決

を保

した

を提

案で

きた

とこ

ろに

大き

な成

ある

−72

[註

)詳細については

,小西正雄匚

社会問題科と

ての

社会科

」社会認識教

育学会編

『社会科教

学ハン

ドブック』明治図書,

1994,

pp.97-106,

を参照願

いた

い。

2)この

ことについては

,堺屋太一著

『匚

次』は

こうなる』講談社

,工997,

pp.44-49

に詳

しい

3)この

学入門』ダイヤモン

ことについては

ド社,

,佐藤允一著

1984,

pp.61-63,

『問題構造

しい。

4)同上書,

p.62,

より抜粋

5)概念探究型の基本

的学習過程に

ついては

,岩

一彦編著

『小学校社会科の授業設計』東京書

籍,

p.58,

等に詳

しい

。参照願

いた

い。

O未来学の

一連の

予測の

方法論に

ついては

,浜

田和幸著

『知的未来学入門』新潮社,

1994,

しい

。なお,その他にも,星野

匡著

『発想法

門』日本経済新聞社,

1989,

や牧野昇著

『先

力の磨き方』

プレジデン

ト社,

1998,

を参

考に

した

7)詳細に

ついては

『知価革命一工業社会が終

わる知価社会が始まる

JP

P研究所,

1990,

を参照願

いた

いO

8)大項目

例の

詳細については

,C

および

,紙数の関係で省略

Dに関する発生的連関の

した

参照

関連したドキュメント

(2)施設一体型小中一貫校の候補校        施設一体型小中一貫校の対象となる学校の選定にあたっては、平成 26 年 3

会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号

Q7 建設工事の場合は、都内の各工事現場の実績をまとめて 1

この設備によって、常時監視を 1~3 号機の全てに対して実施する計画である。連続監

社会学研究科は、社会学および社会心理学の先端的研究を推進するとともに、博士課