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モーションキャプチを用いた南部神楽の所作保存試み : 中野神楽の事例を通して

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Academic year: 2021

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モーションキャプチを用いた南部神楽の所作保存試

み : 中野神楽の事例を通して

著者

松浦 秀平

学位授与機関

Tohoku University

(2)

東 北 大 学 大 学 院 教 育 情 報 学 教 育 部 平 成 25 年 度 修 士 論 文

モーションキャプチャを用いた

南部神楽の所作保存の試み

-中野神楽の事例を通して-

東 北 大 学 大 学 院 教 育 情 報 学 教 育 部

博 士 前 期 課 程 2 年 B1FM1009

松 浦 秀 平

指 導 教 官 渡 部 信 一 教 授

副 指 導 教 官 佐 藤 克 美 准 教 授

(3)

The try of preservation of Syosa at Nanbu-Kagura using

Motion Capture System

in case of Nakano-Kagura-

SHUHEI MATSUURA

Tohoku University Graduate School of Educational Informatics,

Educational Division

Abstract

Recently, in Nanbu-Kagura, it is difficult to succeed basic movements of

the Kagura, called “Syosa”. So, in this study, I tried to preserve Syosa of

Nanbu-Kagura using Motion Capture System, in case of Nakano-Kagura.

When I execute my study, I paid attention to two points. One is a design

of characters which made of computer graphics (CG). The other is the

method how Motion Capture System is used in the practice.

As a result, I got a conclusion that favorable CG animation requires

three points. First, it looks like naked human and easily feels intimacy.

Second, CG animation of clothes does not prevent successors from seeing

the Syosa. Third, it can express the quick movements of Naubu -Kagura

with accuracy.

Also, I came out the fact that Motion Capture System has effective

usage at practice. Through the comparison of the movements of CG

animation with that of real human body at the same time, instructo rs

were immediately able to tell feed-back about movements of successors,

with the view which instructors can hardly point out in usual practice.

KEYWORDS: NANBU-KAGURA, PRACTICE, PRESERVATION OF

SYOSA, MOTION CAPTURE SYSTEM, IMMEDIATE FEED-BACK

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目 次

第 1 章 研 究 の 背 景 と 全 体 の 目 的 ・・・・・・・・ 1

1 -1. 無 形 文 化 財 の 継 承 に お け る 課 題 と 取 り 組 み

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1

1 -2. 南 部 神 楽 の 概 要 と 特 徴

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4

1 -3. 南 部 神 楽 の 現 状 と 問 題 点

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8

1 -4. 研 究 全 体 の 目 的 と 構 成

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 11

第 2 章 調 査 1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 12

2 -1. 目 的

・・ ・・ ・ ・・ ・ 12

2 -2. 方 法

・・ ・・ ・ ・・ ・ 13

2 -2 -1. 事 前 の デ ー タ 収 集

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13

2 -2 -2. 調 査 1

・・・・・・・・ 14

2 -3. 結 果

・・ ・・ ・ ・・ ・ 16

2 -4. 考 察

・・ ・・ ・ ・・ ・ 18

第 3 章 調 査 2 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 20

3 -1. 目 的

・・ ・・ ・ ・・ ・ 20

3 -2. 方 法

・・ ・・ ・ ・・ ・ 21

3 -3. 結 果

・・ ・・ ・ ・・ ・ 26

3 -4. 考 察

・・ ・・ ・ ・・ ・ 28

第 4 章 ま と め と 今 後 の 課 題 ・・・・・・・・ 31

4 -1. ま と め

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ 31

4 -2. 今 後 の 課 題

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ 33

(5)

参 考 文 献 ・ 引 用 文 献 ・・・・・・・・ 34

謝 辞 ・・・・・・・・ 36

資 料

資 料 1 調 査 1 の 逐 語 録 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 37

資 料 2 調 査 2 の 逐 語 録 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 48

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第 1 章 . 研 究 の 背 景 と 全 体 の 目 的

1-1. 無 形 文 化 財 の 継 承 に お け る 課 題 と 取 り 組 み 現 在 、 全 国 的 に 無 形 文 化 財 ( 神 楽 ・ 能 楽 ・ 舞 踊 等 ) の 継 承 が 困 難 な 状 況 に あ る 。 そ の 背 景 に は 、師 匠 の 高 齢 化 や 、少 子 化 の 影 響 に よ る 後 継 者 不 足 な ど が 挙 げ ら れ る 。 一 般 的 に 、無 形 文 化 財 の 継 承 は 、師 匠 か ら 後 継 者 へ の 直 接 的 な 指 導 に よ っ て 行 わ れ る 。そ の た め 、師 匠 も し く は 後 継 者 の い ず れ か が 欠 け る と 、継 承 が 困 難 に な っ て し ま う 。 こ の よ う な 現 状 を 受 け て 、無 形 文 化 財 の 継 承 に 目 を 向 け よ う と い う 動 き が 見 ら れ 始 め て い る 。例 え ば 、文 化 芸 術 振 興 基 本 法( 文 化 庁 2001)で は 、「 各 地 域 の 歴 史 、 風 土 等 を 反 映 し た 特 色 あ る 文 化 芸 術 の 発 展 を 図 る 」「 文 化 芸 術 が 将 来 に わ た っ て 発 展 す る よ う 、 国 民 の 文 化 芸 術 に 対 す る 関 心 お よ び 理 解 を 深 め る よ う に 努 め る 」 と い う こ と が 提 唱 さ れ て い る 。ま た 、文 化 芸 術 の 振 興 に 関 す る 基 本 的 な 方 針( 文 化 庁 2011 ) で は 、「 子 ど も や 若 者 が 、 学 校 や 地 域 に お い て 文 化 芸 術 に 触 れ 、 豊 か な 感 性 や 創 造 性 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 育 む 機 会 を 充 実 さ せ る 」「 次 代 の 文 化 芸 術 の 担 い 手 ・ 鑑 賞 者 を 育 成 す る 」 こ と を 目 指 し て い る 。 こ れ ら を 実 現 す る た め に 、デ ジ タ ル・ア ー カ イ ブ に よ っ て 無 形 文 化 財 を 保 存 す る 試 み も 行 わ れ て い る 。 デ ジ タ ル ・ ア ー カ イ ブ と は 、デ ジ タ ル な 技 術 を 活 用 し 、様 々 な 資 源( 例 え ば 、生 身 の 人 間 の 動 作 や 声 )を 、映 像 ・ 音 声 ・ 文 字 等 の デ ジ タ ル な デ ー タ と し て 記 録 ・ 保 存 し た 後 、イ ン タ ー ネ ッ ト 等 で 検 索・閲 覧 で き る よ う に す る こ と を い う( 文 部 科 学 省 2004)。 デ ジ タ ル・ア ー カ イ ブ の 主 な 事 例 に は 、ビ デ オ カ メ ラ を 用 い た 事 例 と モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い た 事 例 が 挙 げ ら れ る 。 こ こ で は 、身 体 動 作 を 伴 う 部 分 の デ ジ タ ル・ア ー カ イ ブ を 試 み た 事 例 、す な わ ち

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2 舞 踏 系 を 対 象 と し た 事 例 を 整 理 す る 。 ビ デ オ カ メ ラ を 用 い た 事 例 と し て 、北 川 ら( 2002)は 、ビ デ オ カ メ ラ で 撮 影 し た 「 尾 張 万 歳 」を 、踊 り ・ 歌 詞 ・ 表 情 な ど に 分 解 ・ 抽 出 し 、デ ジ タ ル コ ン テ ン ツ 化 を 検 討 し て い る 。 ま た 、 小 島 ら ( 2003) で は 、 複 数 の ビ デ オ カ メ ラ を 用 い て 、 3 方 向 か ら 能 楽 を 撮 影 ・ 記 録 し て い る 。 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い た 事 例 と し て 、八 村( 2007)は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で 得 ら れ た 動 作 デ ー タ を 解 析 し 、動 作・踊 り 手 の 識 別 、動 作 の 中 か ら 特 徴 的 な 部 分 を 抽 出 し た 。そ し て 、抽 出 し た デ ー タ を 用 い て 教 育 用 の CG コ ン テ ン ツ を 作 成 し て い る 。ま た 、池 内 ら( 2004)で は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ に よ る 動 作 解 析 に よ っ て 得 ら れ た 動 作 デ ー タ の 効 果 的 な 提 示 手 法 と し て 、ヒ ュ ー マ ノ イ ド・ロ ボ ッ ト に よ る 実 演 を 試 行 し て い る 。他 に は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 記 録 し た 身 体 動 作 を 基 に 、 能 楽 を 復 元 し た CG 映 像 を 作 成 し た 事 例 ( 小 島 ら 2003) も あ る 。 従 来 の モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い た 舞 踏 等 の デ ジ タ ル ・ ア ー カ イ ブ の 事 例 は 、 踊 り 手 の 動 作 を い か に 正 確 に 記 録・再 現 す る か と い う こ と に 焦 点 が 当 て ら れ て い る も の が ほ と ん ど で あ る 。 一 方 で 、「 わ ざ 」 の 熟 達 化 を 支 援 す る た め の 道 具 と し て 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い た 事 例 も 存 在 す る 。 渡 部( 2007)で は 、八 戸 法 霊 神 楽 を 対 象 に 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 、舞 い 手 の 動 き の デ ジ タ ル 化 を 試 み て い る 。 そ し て 、 そ の 試 み を 通 し て 、「 わ ざ 」 の 熟 達 化 に 必 要 な 要 素 を 検 討 し て い る 。 ま た 、佐 藤 ら( 2009)で は 、舞 台 役 者 の「 わ ざ 」の 熟 達 化 に 対 し て 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 活 用 し た 支 援 を 試 み て い る 。そ し て 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ が 、気 づ き や 確 認 の 道 具 と し て 活 用 で き る こ と を 明 ら か に し た 。 こ の よ う に 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ は 、単 に 踊 り 手 の 動 作 を 正 確 に 記 録・再 現 す る だ け で な く 、「 わ ざ 」 の 熟 達 化 を 支 援 す る た め に 活 用 す る こ と も で き る 。 そ し て

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3

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4 1-2. 南 部 神 楽 の 概 要 と 特 徴 神 楽 と は 、一 般 的 に 、神 社 の 祭 礼 時 に 神 楽 殿 な ど で 披 露 さ れ る 、神 の た め に 奉 納 す る 芸 能 の こ と を い う 。神 楽 の 語 源 は 、「 神 座( か む く ら ・ か み く ら )」で あ る と の 説 が 有 力 で 、 鎮 魂 の 神 事 と し て 始 ま っ た と い わ れ る 。 神 楽 は 、 宮 中 で 行 わ れ る 「 御 神 楽 ( み か ぐ ら )」 と 民 間 で 行 わ れ る 「 里 神 楽 ( さ と か ぐ ら )」に 大 別 さ れ る 。里 神 楽 は 、そ れ ぞ れ の 起 源 や 特 色 に よ っ て 、巫 女 神 楽 、 出 雲 神 楽 、 獅 子 神 楽 な ど 数 種 類 に 分 類 で き る 。 日 本 全 国 の 至 る 所 に 神 楽 は 伝 承 さ れ て お り 、東 北 地 方 に も 様 々 な 神 楽 が 存 在 す る 。 例 え ば 、青 森 ・ 岩 手 ・ 秋 田 ・ 山 形 の 4 県 を 中 心 に 分 布 し て い る 、山 伏 た ち に よ っ て 伝 承 さ れ て き た 神 楽 が 挙 げ ら れ る 。 山 伏( 修 験 者 )と は 、山 野 を 巡 り な が ら 即 身 成 仏 を 願 っ て い た 人 々 で 、お 祓 い や 火 伏 の ま じ な い と い っ た 加 持 祈 祷 を 勤 め と し て い た 。そ の 勤 め の 中 に は 、神 楽 も 含 ま れ て い た 。 ま た 、宮 城 県 の 沿 岸 地 方 を 中 心 に 分 布 し て い る 、法 印 た ち に よ っ て 伝 承 さ れ て き た 神 楽( 法 印 神 楽 )も 存 在 す る 。山 伏 と 法 印 は 、呼 び 名 こ そ 異 な る も の の 、加 持 祈 祷 を 勤 め と し た 人 々 で あ り 、 勤 め の 一 つ と し て 神 楽 を 舞 っ て い た 。 南 部 神 楽 は 、早 池 峰 系 の 山 伏 た ち に よ っ て 伝 承 さ れ て き た 神 楽 の 影 響 と 、法 印 神 楽 の 影 響 を 受 け 、 独 特 の ス タ イ ル を 築 い て き た 神 楽 で あ る 。 宮 城 県 北 部 か ら 岩 手 県 南 部 の 地 域 に お い て 盛 ん な 伝 統 芸 能 で あ り 、 そ の 起 源 は 、 江 戸 時 代 末 期 か ら 明 治 時 代 初 期 に さ か の ぼ る 。岩 手 県 一 関 市 周 辺 が 発 祥 と さ れ 、神 楽 愛 好 家 の 農 民 た ち( 民 間 人 )に よ っ て 始 め ら れ た と い わ れ る 、全 国 的 に も 珍 し い 神 楽 で あ る 。 2000 年 に 平 泉 郷 土 館 が 実 施 し た 調 査 に よ る と 、現 在 、岩 手 県 に 7 4 団 体 、宮 城 県 に 94 団 体 の 合 計 168 団 体 の 南 部 神 楽 団 体 が 存 在 す る ( 平 泉 郷 土 館 2000)。 神 楽 の 演 目・舞 台 の 構 成 等 に は 、山 伏 に よ る 神 楽 お よ び 法 印 神 楽 そ れ ぞ れ の 要 素

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5 が 随 所 に 見 ら れ る 。 南 部 神 楽 の 主 な 特 徴 に は 、 以 下 の 4 点 が 挙 げ ら れ る 。 1 つ 目 は 、娯 楽 性 が 非 常 に 強 く 、宗 教 的 な 要 素 が 薄 い 点 で あ る 。こ こ で い う 娯 楽 性 と は 、「 観 客 を 楽 し ま せ る 」 と い う 意 識 を 指 す 。 神 楽 愛 好 家 の 一 般 人 に よ っ て 始 め ら れ た 南 部 神 楽 は 、そ の 後 も 、い か に 観 客 を 楽 し ま せ る か と い う 意 識 の 下 で 、 改 良 が 繰 り 返 さ れ て き た 。 一 方 で 、神 様 を 楽 し ま せ る た め に 踊 る と い っ た 宗 教 的 な 要 素 は 、比 較 的 薄 い と さ れ る 。 観 客 を 楽 し ま せ る た め の 神 楽 と い う 意 識 が 色 濃 く 反 映 さ れ た の が 、2 つ 目 の 特 徴 の 、 劇 的 な 要 素 を 多 用 し て い る 点 で あ る 。 劇 的 な 要 素 と は 、客 席 か ら の 見 栄 え を 意 識 し た 演 出 と い う こ と も で き る 。例 え ば 、 南 部 神 楽 特 有 の 、派 手 な 色 づ か い の 衣 装 や 一 寸 超 の 大 き さ の 胴( 太 鼓 )は 、客 席 か ら の 見 栄 え を 意 識 し た 結 果 生 ま れ た と さ れ る 。 劇 的 な 要 素 の 最 た る も の が 、 3 つ 目 の 特 徴 の 、 台 詞 を 多 用 し て い る 点 で あ る 。 南 部 神 楽 は 、 非 常 に 台 詞 が 多 い 神 楽 と し て 知 ら れ 、「 セ リ フ 神 楽 」 と い う 異 名 で 呼 ば れ る ほ ど で あ る 。 南 部 神 楽 で は 、演 目 中 の 台 詞 の こ と を「 コ ワ 」と 呼 ん で い る 。各 演 目 は 、台 詞( コ ワ )と 舞 の 応 酬 で 進 行 さ れ る 。こ の 進 行 方 式 が 、さ な が ら ミ ュ ー ジ カ ル を 観 て い る か の よ う な 感 覚 を 醸 し 出 し 、 観 客 を 惹 き つ け る 。 そ し て 、 4 つ 目 の 特 徴 は 、 神 楽 大 会 が 各 地 で 盛 ん に 行 わ れ て い る 点 で あ る 。 神 楽 大 会 と は 、複 数 の 神 楽 団 体 が 一 同 に 集 い 、日 頃 の 練 習 の 成 果 を 披 露 し 合 う 催 し で あ る 。 神 楽 大 会 は 、発 表 会 形 式 と コ ン ク ー ル 形 式 に 大 別 で き る 。発 表 会 形 式 は 、審 査 を 行 わ ず に 、各 神 楽 団 体 の 発 表 を 楽 し む も の で あ る 。一 方 、コ ン ク ー ル 形 式 は 、発 表 と 同 時 に 審 査 が 行 わ れ 、 最 優 秀 賞 や 優 秀 賞 と い っ た 賞 が 授 与 さ れ る 。

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6 多 い 団 体 で は 、 年 間 20 公 演 以 上 の 神 楽 大 会 に 出 演 す る と い い 、 神 楽 大 会 で 披 露 す る こ と を 目 標 に 日 々 練 習 を 重 ね て い る 。 観 客 を 楽 し ま せ る と い う 意 識 が 高 い た め か 、熱 狂 的 な フ ァ ン が 存 在 し 、全 国 各 地 か ら 神 楽 大 会 を 観 に 来 る 人 も い る と い う 。 こ の よ う に 、南 部 神 楽 は 、発 祥 当 時 か ら「 観 客 の た め に 踊 る 」こ と を 意 識 し 続 け 、 独 特 の ス タ イ ル を 築 い て き た 。そ の 意 識 は 、神 楽 大 会 と い う 場 を 中 心 に 、現 在 も 受 け 継 が れ て い る 。

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7 図 1 南 部 神 楽 の 主 な ス ケ ジ ュ ー ル ( 平 泉 郷 土 館 2000) を 基 に 作 成 ※ 市 町 村 名 は 当 時 の 名 称 を 用 い て い る 。 2 月 中 旬 志 波 姫 神 楽 鑑 賞 会 ( 宮 城 県 志 波 姫 町 ) 2 月 第 1 日 曜 日 尾 松 神 楽 鑑 賞 会 ( 宮 城 県 栗 駒 町 ) 3 月 上 旬 古 川 郷 土 芸 能 祭 ( 宮 城 県 古 川 市 ) 4 月 29 日 岩 手 県 南 ・ 宮 城 県 北 選 抜 花 泉 神 楽 大 会 ( 岩 手 県 花 泉 町 ) 5 月 3 日 岩 手 県 南 ・ 宮 城 県 北 神 楽 大 会 ( 岩 手 県 一 関 市 ) 5 月 30 日 米 山 町 南 部 神 楽 大 会 ( 宮 城 県 米 山 町 ) 6 月 第 3 日 曜 日 大 崎 ・ 栗 原 伝 統 芸 能 交 流 発 表 会 ( 宮 城 県 栗 駒 町 ) 6 月 中 旬 岩 手 県 南 ・ 宮 城 県 北 民 俗 芸 能 祭 ( 各 市 町 村 持 ち 回 り ) 6 月 第 4 日 曜 日 あ や め 祭 り 神 楽 大 会 ( 宮 城 県 一 迫 町 ) 8 月 15 日 栗 駒 町 ふ る さ と ま つ り ( 宮 城 県 栗 駒 町 ) 8 月 15 日 み ち の く 神 楽 大 会 ( 宮 城 県 築 館 町 ) 8 月 22 日 胆 江 神 楽 大 会 ( 岩 手 県 水 沢 市 ) 9 月 中 旬 ( 旧 暦 8 月 1 日 ) 東 北 神 楽 大 会 ( 宮 城 県 栗 駒 町 ) 9 月 登 米 郡 神 楽 大 会 ( 宮 城 県 登 米 郡 各 町 持 ち 回 り ) 9 月 中 の 日 曜 日 石 巻 ・ 桃 生 ・ 牡 鹿 神 楽 大 会 ( 各 市 持 ち 回 り ) 9 月 中 旬 郷 土 館 の 芸 能 ま つ り ( 岩 手 県 平 泉 町 ) 9 月 中 旬 宮 城 ・ 岩 手 選 抜 神 楽 大 会 ( 宮 城 県 若 柳 町 ) 10 月 中 旬 平 野 神 社 奉 納 神 楽 大 会 ( 宮 城 県 若 柳 町 ) 10 月 下 旬 ・ 11 月 上 旬 栗 原 郡 神 楽 大 会 ( 宮 城 県 一 迫 町 ) 11 月 初 旬 金 成 町 神 楽 鑑 賞 会 ( 宮 城 県 金 成 町 )

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8 1-3. 南 部 神 楽 の 現 状 と 問 題 点 前 節 で 整 理 し た よ う に 、南 部 神 楽 で は 、観 客 を 楽 し ま せ る た め の 神 楽 と い う 意 識 が 非 常 に 強 い 。 こ の 意 識 を 象 徴 す る 最 た る も の が 、神 楽 大 会 で あ る 。現 在 で も 、毎 年 の よ う に 各 地 で 神 楽 大 会 が 行 わ れ て い る こ と か ら も 、こ の 意 識 の 高 さ を う か が い 知 る こ と が で き る 。 千 葉( 2001)で は 、神 楽 大 会 の 長 所 と し て 、競 技 者 の 意 欲 向 上 に つ な が り 、励 み に な る 点 を 挙 げ て い る 。 そ の 反 面 、 以 下 の 問 題 点 を 指 摘 し て い る 。 1 つ は 、近 年 、台 詞 を 重 視 す る 傾 向 が 強 く な っ て い る と い う 点 で あ る 。台 詞 を 重 視 し す ぎ る あ ま り 、 舞 の 形 ( 所 作 ) が 軽 視 さ れ て い る と い う 。 も う 1 つ は 、伝 承 す る 演 目 が 少 な く な っ て い る 点 で あ る 。古 く か ら 伝 承 さ れ て き た 演 目 が 、 年 々 演 じ ら れ な く な っ て い る と い う 。 以 下 で は 、「 神 楽 に お け る 舞 の 動 作 」 を 所 作 と 定 義 す る 。 上 記 の 指 摘 は 、神 楽 大 会 が 南 部 神 楽 の 継 承 、特 に 所 作 の 継 承 に 影 響 を 与 え て い る 可 能 性 が あ る こ と を 示 唆 し て い る 。 所 作 の 継 承 に 影 響 を 与 え る 理 由 と し て 、発 表 時 間 の 短 さ と 発 表 演 目 の 偏 向 が 挙 げ ら れ る と 考 え る 。 ま ず 、 神 楽 大 会 で は 、 発 表 時 間 が 限 ら れ て い る 。 例 え ば 、 各 団 体 30 分 の 発 表 時 間 が 割 り 当 て ら れ た 場 合 、 本 来 の 長 さ の 演 目 を 、 時 間 内 に 収 ま る よ う に 短 縮 す る 必 要 が あ る 。南 部 神 楽 に 限 ら ず 、神 楽 の 演 目 は 比 較 的 時 間 を か け て 踊 ら れ る も の で あ り 、 長 い も の で は 数 時 間 か か る 演 目 も 存 在 す る 。 こ う し た 演 目 を 、神 楽 大 会 向 け に 再 構 成 す る 際 に は 、盛 り 上 が る 場 面 を 中 心 に 演 じ る こ と が ほ と ん ど で あ る 。セ リ フ 神 楽 の 異 名 を 持 つ 南 部 神 楽 に お い て 、盛 り 上 が る 場 面 と は 、舞 い 手 が 朗 々 と 台 詞 を 読 み 上 げ る 場 面 で あ る 。そ の 様 子 は 、ミ ュ ー ジ

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9 カ ル の ハ イ ラ イ ト を 語 る 上 で 、名 台 詞 の 語 ら れ る 場 面 が 必 ず 取 り 入 れ ら れ る こ と に 似 て い る 。 限 ら れ た 時 間 の 中 で 、台 詞 の 応 酬 を 中 心 に 構 成 す れ ば 、相 対 的 に 、所 作 の 部 分 が 削 ら れ て し ま う 。 そ の 結 果 、盛 り 上 が る 場 面 の 台 詞 の 継 承 が 重 視 さ れ る 一 方 、所 作 の 継 承 が 疎 か に な っ て し ま う と 考 え る 。 次 に 、神 楽 大 会 で は 、発 表 演 目 が 人 気 の あ る 演 目 に 偏 っ て し ま う 傾 向 が あ る と さ れ る 。 観 客 を 楽 し ま せ る こ と を 重 視 す る 南 部 神 楽 で は 、客 席 か ら の 見 栄 え を 非 常 に 重 要 視 し て い る 。発 表 演 目 を 決 め る と き に も 、客 席 か ら 見 栄 え の い い 、言 い 換 え れ ば ス テ ー ジ 映 え す る 演 目 に 人 気 が 集 ま る 。 そ の 一 方 で 、あ ま り ス テ ー ジ 映 え し な い よ う な 演 目 は 、演 じ ら れ る 機 会 が な か な か 巡 っ て こ な い 。次 第 に 、存 在 自 体 が 忘 れ ら れ て し ま い 、そ れ と 同 時 に 、所 作 も 忘 れ ら れ て い く と 考 え る 。 こ の よ う に 、所 作 よ り 台 詞 が 重 視 さ れ る 傾 向 お よ び 伝 承 す る 演 目 の 減 少 が 進 む 南 部 神 楽 で は 、 所 作 の 継 承 に 困 難 が 生 じ て い る 。 こ う し た 現 状 と 問 題 点 を 持 つ 南 部 神 楽 に お い て 、所 作 の 保 存 を 支 援 す る こ と に は 大 き な 意 味 が あ る と 考 え て い る 。 た だ し 、他 地 域 の 神 楽 同 様 、南 部 神 楽 に お い て も 指 導 者 の 高 齢 化 と 後 継 者 不 足 が 進 ん で い る 点 を 踏 ま え る と 、 従 来 の 指 導 者 ・ 後 継 者 に よ る 直 接 的 な 指 導 だ け で は 、 所 作 の 継 承 に 困 難 が 生 じ る と 推 測 す る 。 そ こ で 、デ ジ タ ル・ア ー カ イ ブ の 手 法 を 用 い て 所 作 を 保 存 し 、そ の デ ー タ の 活 用 手 法 を 検 討 す る こ と が 有 効 だ と 考 え る 。 こ れ ま で の 舞 踏 等 の デ ジ タ ル・ア ー カ イ ブ の 事 例 は 、動 作 を 保 存・再 現 す る こ と が 目 的 で あ り 、 保 存 後 の 活 用 方 法 を 検 討 し た 事 例 は ほ と ん ど 見 ら れ な い 。

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10 ま た 、保 存 後 の 活 用 方 法 を 検 討 し た 事 例 で も 、南 部 神 楽 の 所 作 保 存 に 着 目 し た 研 究 は 行 わ れ て い な い 。 神 楽 は 、起 源 や 特 色 な ど で 数 種 類 に 大 別 で き 、例 え 同 じ 系 統( 例 え ば 、法 印 神 楽 に 属 す る 神 楽 A と 神 楽 B) に 分 類 さ れ た と し て も 、 各 神 楽 団 体 ご と に 神 楽 の 継 承 に 対 す る 想 い や 意 気 込 み は 異 な る 。舞 踏 等 を デ ジ タ ル・ア ー カ イ ブ の 手 法 で 継 承 す る 際 に は 、神 楽 団 体 ご と の 意 向 を 反 映 さ せ た 、オ ー ダ ー メ イ ド の 継 承 手 法 を 検 討 す る 必 要 が あ る と 考 え る 。 本 研 究 で は 、デ ジ タ ル・ア ー カ イ ブ の 手 法 を 用 い て 南 部 神 楽 の 所 作 保 存 を 試 み る 。 そ こ で は 、南 部 神 楽 の 所 作 を 撮 影・保 存 す る だ け で な く 、保 存 し た 所 作 デ ー タ の 活 用 方 法 を 探 る こ と を 目 的 と す る 。 そ し て 、南 部 神 楽 の 特 色 や 継 承 者 の 意 向 を 取 り 入 れ た 、南 部 神 楽 オ リ ジ ナ ル と い え る 活 用 方 法 を 検 討 す る 。 デ ジ タ ル・ア ー カ イ ブ の 手 法 は 、デ ー タ の 加 工 が 容 易 で あ り 、ビ デ オ 映 像 に 比 べ て 学 習 者 の 目 的 に 応 じ た 学 習 や 指 導 者 の 狙 い を 表 現 し や す い( 佐 藤 ら 2010)と い う メ リ ッ ト が あ る 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い た 手 法 が 有 効 だ と 考 え る 。そ れ は 、 加 工 し や す く 指 導 者 の 意 図 を 反 映 し や す い こ の 手 法 を 用 い る こ と で 、南 部 神 楽 の 継 承 者 が 持 つ 意 向 を 最 も 反 映 さ せ ら れ る と 考 え る か ら で あ る 。 で は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 南 部 神 楽 の 所 作 を 保 存 す る た め に は 、ど の よ う な 保 存 手 法 を 採 れ ば い い の だ ろ う か 。 本 研 究 で は 、 こ の よ う な リ サ ー チ ク エ ス チ ョ ン の 下 、 調 査 を 行 っ た 。

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11 1-4. 研 究 全 体 の 目 的 と 構 成 本 研 究 で は 、南 部 神 楽 に 分 類 さ れ る 中 野 神 楽 を 事 例 に 、中 野 神 楽 の 特 色 を 反 映 さ せ た 所 作 の 保 存 手 法 を 検 討 す る 。 そ の 際 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ に よ る 撮 影・保 存 後 の デ ー タ の 活 用 方 法 に 焦 点 を あ て 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 活 用 し た 神 楽 の 継 承 支 援 の 在 り 方 に つ い て も 重 ね て 検 討 す る 。 本 研 究 で は 、研 究 目 的 を 達 成 す る た め に 、事 前 の デ ー タ 収 集 と 2 種 類 の 調 査 を 実 施 し た 。 事 前 の デ ー タ 収 集 で は 、継 承 者 の 所 作 ・ 胴( 太 鼓 )と 鉦 の 音 を 、ビ デ オ で 撮 影 し た 。 同 時 に 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 、 継 承 者 の 所 作 を 記 録 ・ 保 存 し た 。 調 査 1 で は 、 3 種 類 の 見 本 CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 用 い て 、 CG キ ャ ラ ク タ ー の デ ザ イ ン を 検 討 し た 。 撮 影 し た 所 作 の デ ー タ を 活 用 す る 上 で 、キ ャ ラ ク タ ー の デ ザ イ ン は 不 可 欠 な 要 素 で あ る 。そ の た め 、キ ャ ラ ク タ ー の デ ザ イ ン に は 、中 野 神 楽 の 特 色 や 継 承 者 が 持 つ 意 向 が 最 も 反 映 さ れ や す い と 考 え る 。本 調 査 は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で 保 存 し た 所 作 の デ ー タ を 活 用 す る 際 の 軸 と な る 、中 野 神 楽 の 特 色 や 意 向 を 探 る た め に 実 施 し た 。 調 査 2 で は 、骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 用 い て 、稽 古 の 場 面 で の モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の 活 用 方 法 を 検 討 し た 。 一 般 的 に 、神 楽 の 所 作 は 稽 古 に よ っ て 継 承 さ れ る 。同 時 に 、継 承 者 の 持 つ 意 向 や 価 値 観 も 、稽 古 に よ っ て 継 承 さ れ て い く 。さ ら に 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ に よ る 撮 影 ・ 保 存 後 の 所 作 の デ ー タ が 活 用 さ れ る 最 た る 場 面 は 、 稽 古 の 場 面 だ と 推 測 す る 。 こ れ ら の 意 味 合 い を 持 つ 稽 古 の 場 面 に 着 目 す る こ と で 、中 野 神 楽 に と っ て 最 も 効 果 的 な モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の 活 用 方 法 を 探 る こ と が で き る と 考 え る 。

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第 2 章 . 調 査 1

2-1. 目 的 調 査 1 で は 、 CG キ ャ ラ ク タ ー の デ ザ イ ン に 関 す る 調 査 を 行 っ た 。 こ の 調 査 は 、 CG キ ャ ラ ク タ ー の デ ザ イ ン と い う 視 点 か ら 、 中 野 神 楽 の 特 色 を 反 映 さ せ た 所 作 の 保 存 方 法 を 検 討 す る と い う 目 的 で 実 施 し た 。 こ れ は 、 所 作 の デ ー タ を 活 用 す る 上 で 欠 か せ な い 、 CG キ ャ ラ ク タ ー の デ ザ イ ン を 検 討 す る こ と で 、中 野 神 楽 の 特 色 や 継 承 者 が 持 つ 意 向 を 探 る こ と が で き る と 考 え た か ら で あ る 。 本 研 究 で は 、 宮 城 県 内 に 存 在 す る 南 部 神 楽 団 体 ( 合 計 94 団 体 ) の 1 つ で あ る 、 中 野 神 楽 に 着 目 し 、 調 査 を 実 施 す る 。 中 野 神 楽 は 、宮 城 県 栗 原 市 栗 駒 に 伝 わ る 神 楽 で あ る 。そ の 起 源 は 、岩 手 県 生 ま れ の 神 楽 習 得 者 が 、宮 城 県 旧 栗 駒 町 の 農 家 に 手 伝 い に 来 た 際 に 伝 え ら れ た と い わ れ る 。 舞 の 型 の 美 し さ に 特 徴 が あ る 。 近 年 は 、 後 継 者 不 足 が 深 刻 で 、 神 楽 の 継 承 に 不 安 を 抱 い て い る 。 以 下 で は 、自 ら 舞 台 に 立 ち 演 じ る 傍 ら 後 継 者 を 指 導 す る 立 場 に あ る 人 を「 継 承 者 」、 継 承 者 か ら 指 導 を 受 け る 立 場 に あ る 人 を 「 後 継 者 」 と 定 義 す る 。 図 2 神 楽 を 披 露 す る 中 野 神 楽 の イ メ ー ジ

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13 2-2 方 法 2-2-1 . 事 前 の デ ー タ 収 集 調 査 1 に 先 立 ち 、事 前 に 継 承 者 の 所 作 を 撮 影・保 存 し て い る 。こ こ で は 、事 前 の デ ー タ 収 集 と し て 実 施 し た 内 容 の 手 続 き を 示 す 。 こ の デ ー タ 収 集 は 、 CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 作 成 す る 上 で 不 可 欠 な 、 継 承 者 の 所 作 を 記 録 ・ 保 存 す る 目 的 で 実 施 し た 。 ① 打 ち 合 わ せ 2013 年 3 月 に 実 施 し 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ に よ る 撮 影 の 流 れ を 説 明 し た 。 こ の と き 、「 中 野 神 楽 の 所 作 を 保 存 し て い く た め に 撮 影 す る 」 と い う 趣 旨 を 実 験 者 が 伝 え 、 継 承 者 よ り 了 承 を 得 て い る 。 ② モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ に よ る 所 作 の 撮 影 2013 年 3 月 に 、 中 野 神 楽 の 稽 古 場 に お い て 実 施 し た 。 踊 り 手 は 、 継 承 者 の 中 で も 踊 る 機 会 が 多 く 、 後 継 者 の 指 導 も 行 っ て い る 人 物 ( 継 承 者 B) で あ る 。 < 使 用 機 材 > ・ 3D ビ デ オ カ メ ラ ( 継 承 者 を 正 面 か ら 撮 影 ) ・ Xsens の MVN モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ シ ス テ ム ( 所 作 の 撮 影 ・ 保 存 に 使 用 ) 本 調 査 で は 、 慣 性 セ ン サ ー 式 の モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て い る 。 撮 影 時 、踊 り 手 は 専 用 の ス ー ツ を 着 用 す る 。こ の ス ー ツ は 、頭 部・ 関 節 な ど 全 身 の 17 ヶ 所 に 慣 性 セ ン サ ー が 取 り 付 け ら れ て お り 、 そ の セ ン サ ー の 動 き を コ ン ピ ュ ー タ が 記 録 ・ 保 存 す る 。 保 存 し た デ ー タ は 、正 面 ・ 側 面 ・ 上 面 の 3 方 向 の 視 点 か ら 確 認 で き る 。ま た 、視 点 の 移 動 や 拡 大 縮 小 も 容 易 に で き る た め 、360 度 自 由 な 視 点 で の 閲 覧 が 可 能 で あ る 。

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14 2-2-2 . 調 査 1 2013 年 6 月 に 、 中 野 神 楽 の 稽 古 場 に お い て 、 継 承 者 5 名 ( A~ E) と 後 継 者 2 名 ( F・ G) の 合 計 7 名 を 対 象 に 実 施 し た 。 < 手 続 き > 調 査 で は 、 3 種 類 の 見 本 CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 対 象 者 に 提 示 し 、 そ れ ぞ れ に つ い て 印 象 ・ 感 想 を 述 べ て も ら う 、 自 由 回 答 型 の イ ン タ ビ ュ ー を 実 施 し た 。 調 査 実 施 前 に は 、CG を 容 易 に 加 工 す る こ と が で き る 旨 を 実 験 者 が 伝 え 、「 撮 影 ・ 保 存 し た 中 野 神 楽 の 所 作 を ど の よ う に 加 工 す る の か 」 と い う 視 点 で 、 CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 見 て も ら っ た 。 イ ン タ ビ ュ ー の 内 容 は 、 IC レ コ ー ダ ー で 録 音 し た 後 、 文 章 化 し た 。 見 本 CG ア ニ メ ー シ ョ ン に は 、 以 下 の 3 種 類 を 用 い て い る 。 ① 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン と は 、加 工 を 加 え て い な い 素 の 状 態 の モ ー シ ョ ン デ ー タ で あ る 。 見 本 に は 、 3 月 の 事 前 の デ ー タ 収 集 に て 撮 影 し た 中 野 神 楽 の 所 作 を 用 い て い る 。 ② 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 加 工 し 、 筋 肉 を 付 け 加 え た も の で あ る 。 見 本 に は 、 八 戸 法 霊 神 楽 の 演 目 「 山 の 神 舞 」 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 使 用 し た 。 ③ 衣 装 を 着 た CG ア ニ メ ー シ ョ ン 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 加 工 し 、 衣 装 を 着 用 さ せ た も の で あ る 。 神 楽 の 衣 装 は 、 装 束 ( 服 ) だ け で な く 、 面 ・ 扇 な ど の 小 道 具 も 含 ん で い る 。 見 本 に は 、 八 戸 法 霊 神 楽 の 演 目 「 三 番 叟 」 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 用 い た 。

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図 3 提 示 し た 見 本 CG ア ニ メ ー シ ョ ン 上 : 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン 中 : 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン 下 : 衣 装 を 着 た CG ア ニ メ ー シ ョ ン

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16 2-3. 結 果 イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を 通 し て 、 3 種 類 の 見 本 CG ア ニ メ ー シ ョ ン す べ て に 対 し て 、 発 話 を 得 る こ と が で き た 。 ま ず 、骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 見 た 印 象 ・感 想 に は 、以 下 の よ う な 発 言 が 挙 げ ら れ た 。 「 本 当 に 骨 の 動 き み た い な 感 じ で … 受 け 取 り に く い と こ ろ が あ っ た 」、「 だ っ て 、 骨 だ っ た も ん ね 」( 継 承 者 A) と い う よ う に 、 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン の 見 た 目 に 対 す る 抵 抗 感 を 2 名 の 継 承 者 が 指 摘 し て い た 。 ま た 、「 背 骨 や 肘 の 動 き を 見 た い と き に は 、 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン の 方 が い い と 答 え る 人 も い る 」と 質 問 者 が 言 及 す る と 、「 な る ほ ど ね ~ 」( 継 承 者 C)、「 や っ ぱ 、 要 素 だ ね 」( 継 承 者 A) と い う 反 応 が あ っ た 。 こ の よ う に 、稽 古 の 内 容 に よ っ て は 、骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 有 効 だ と 3 名 の 継 承 者 が 認 識 し て い た 。 次 に 、肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 見 た 印 象・感 想 に は 、多 く の 意 見 が 寄 せ ら れ た 。 例 え ば 、「 あ ~ 。 あ れ ( 筋 肉 ) 付 け て も ら っ た 方 が い い よ ね 」、「 や っ ぱ 、 こ れ … こ い づ ( こ れ ) だ と い い よ ね 」( 継 承 者 A) と い っ た 、 筋 肉 が 付 い て い た 方 が い い と い う 意 見 が 3 名 の 継 承 者 か ら 得 ら れ た 。 ま た 、「 人 間 的 な そ の ま ま の や つ の 方 が 、 見 て … 受 け 取 り や す い っ て い う か さ 」 ( 継 承 者 A) と い う 、 見 た 目 の 印 象 を 述 べ る 意 見 も 挙 げ ら れ た 。 他 に は 、「 や っ た 本 人 だ っ て 何 と な く そ の 方 が い い よ ね … 。芯 見 ら れ る よ り は ね 」 ( 継 承 者 A)「 自 分 で な い と 思 っ て い れ ば い い け ど … 」( 継 承 者 B)と い う 一 連 の や り 取 り の よ う に 、 自 分 の 所 作 が 記 録 と し て 残 る こ と を 意 識 し た 発 言 も あ っ た 。 こ こ で は 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン の 問 題 点 を 挙 げ る 対 象 者 は 、 1 人 も い な か っ た 。

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17 続 い て 、 衣 装 を 着 た CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 見 た 印 象 ・ 感 想 に は 、 2 名 の 継 承 者 か ら 以 下 の よ う な 発 言 が 挙 げ ら れ た 。 「 目 が 散 ら さ れ る 。 衣 装 や な ん か に 絶 対 」( 継 承 者 A)、「 や っ ぱ り 、 衣 装 に 目 が 行 く か ら ね 」( 継 承 者 B)。 ま た 、「( CG を ) あ ん ま り 突 き 詰 め て し ま う と 、“ 味 ” が な く な っ て く る か ら ね 」 ( 継 承 者 A) と い う 発 言 も あ っ た 。 こ こ で は 、 衣 装 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン が あ っ た 方 が い い と 述 べ る 対 象 者 は 、 1 人 も い な か っ た 。 最 後 に 、 CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 道 具 を 持 た せ る こ と に つ い て も 言 及 し て い た 。 今 回 の 調 査 で は 、 衣 装 を 着 た CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 、 扇 を 持 た せ て い る 。 そ の こ と に 関 し て 、「だ っ て 、 物 持 た せ る っ て 言 っ た っ て 、 扇 の ま ま 機 械 つ け る 訳 で ね ~ も の っ し ゃ( 扇 に 機 械 を 取 り 付 け る 訳 で は な い か ら )。正 確 な も の で ね す ぺ ( 正 確 な も の で は な い で し ょ )」( 継 承 者 A) と い う よ う に 、 CG ア ニ メ ー シ ョ ン で の 再 現 性 を 指 摘 す る 意 見 が 3 名 の 継 承 者 か ら 挙 げ ら れ た 。 質 問 者 が 「 あ る 程 度 コ ン ピ ュ ー タ で 計 算 し た 後 は 、 手 作 業 で 直 し て い く 」 と 回 答 す る と 、「 ど こ ま で 近 づ け る か は 、本 当 に 教 材 で 使 う の で あ れ ば 、か え っ て そ い づ が ( そ れ が ) マ イ ナ ス に な る か も し れ な い 」( 継 承 者 A) と 述 べ て い た 。 ま た 、「 単 調 な 動 き だ っ た ら 、あ っ た 方 が い い ん だ べ け ど も( あ っ た 方 が い い と 思 う け れ ど )。 南 部 神 楽 の 場 合 、 動 き も 速 い し 」「 あ る た め に 、 か え っ て … 目 と か ね 、散 ら さ れ て し ま っ て っ て い う と こ ろ も あ る し 」( 継 承 者 A)と い う 発 言 が あ り 、 南 部 神 楽 の 動 き に CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 対 応 で き る の か を 懸 念 し て い た 。

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18 2-4. 考 察 調 査 1 を 通 し て 、 以 下 の よ う な 3 つ の 傾 向 が 読 み 取 れ た 。 ① 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 最 も 評 価 し て い る 。 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン 、 衣 装 を 着 た CG ア ニ メ ー シ ョ ン の 3 つ の 中 で 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 最 も 評 価 さ れ て い た 。 こ の 傾 向 に は 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン の 、 見 た 目 の 受 け 取 り や す さ が 反 映 さ れ て い る と 考 え る 。 ま ず 、 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 見 た 印 象 に は 、 骨 の 動 き み た い で 受 け 取 り に く い と い う 意 見 が 挙 げ ら れ て い た 。 ま た 、 踊 っ た 本 人 が 、 自 分 の 骨 格 を 見 ら れ て い る よ う だ と 困 惑 す る 場 面 も あ っ た 。 こ れ ら か ら は 、 骨 が 踊 っ て い る み た い 、 自 分 の 骨 格 を 見 ら れ て い る よ う だ 、 な ど の 理 由 で 、 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 親 し み を 感 じ て い な い と い う 様 子 が 読 み 取 れ る 。 言 い 換 え れ ば 、 生 身 の 人 間 が 踊 っ て い る よ う に 見 え な か っ た こ と が 、 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 対 す る 抵 抗 感 に つ な が っ た の だ と 考 え る 。 そ の た め 、 こ れ ら の 抵 抗 感 を 生 ん だ 要 因 が 見 ら れ な い 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 評 価 さ れ た の だ と 考 え ら れ る 。 ② 衣 装 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 目 が 散 ら さ れ て し ま う こ と を 懸 念 し て い る 。 そ の 一 方 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン と 衣 装 を 着 た CG ア ニ メ ー シ ョ ン の 2 種 類 で は 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン の 方 が 評 価 さ れ て い る 。 そ の 理 由 と し て 、 衣 装 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 目 が 散 ら さ れ て い る こ と を 懸 念 し て い る 点 が 挙 げ ら れ る 。 衣 装 を 着 た CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 提 示 し た 際 、 衣 装 に 目 が 行 く こ と を し き り に 気 に し て い た 。 こ れ は 、 衣 装 に 目 が 行 っ て し ま う と 、 相 対 的 に 所 作 に 目 が 行

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19 か な く な っ て し ま う こ と を 懸 念 し て い た の だ と 考 え る 。 一 般 的 に 、 後 継 者 へ 神 楽 を 継 承 す る 際 に は 、 所 作 を 正 確 に 覚 え る こ と に 重 点 を 置 い た 指 導 が な さ れ る 。 中 野 神 楽 の 事 例 で も 、 稽 古 の 場 面 で は 、 所 作 の 修 正 に ほ と ん ど の 時 間 が 充 て ら れ て い た ( 調 査 2 の 結 果 を 参 照 )。 そ の た め 、 所 作 の 継 承 を 第 一 に 考 え れ ば 、 所 作 よ り も 衣 装 に 目 が 行 っ て し ま う よ う な CG ア ニ メ ー シ ョ ン は 、 評 価 さ れ な か っ た の だ と 考 え る 。 ③ 南 部 神 楽 の 速 い 所 作 を 表 現 で き る CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 求 め て い る 。 道 具 を 持 た せ た CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 提 示 し た 際 、南 部 神 楽 の 速 い 動 き に CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 対 応 で き る か を 懸 念 す る 意 見 が 挙 げ ら れ て い た 。 ま た 、 衣 装 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 目 が 散 ら さ れ る こ と を 懸 念 す る 意 見 を 挙 げ た の も 、 南 部 神 楽 の 動 き の 速 さ に 由 来 す る も の だ と 考 え る 。 こ れ ら 3 点 を 踏 ま え る と 、 生 身 の 人 間 の よ う な 親 し み の あ る 外 見 で あ り 、 南 部 神 楽 の 速 い 所 作 を 的 確 に 再 現 ・ 継 承 で き る 可 能 性 が あ る 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 最 も 評 価 さ れ た の だ と 考 え ら れ る 。

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第 3 章 . 調 査 2

3-1. 目 的 調 査 2 で は 、稽 古 の 場 面 で の モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の 活 用 方 法 に 関 す る 調 査 を 行 っ た 。 こ の 調 査 は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で 撮 影・保 存 し た 所 作 の デ ー タ が 、実 際 の 稽 古 の 場 面 で 、 ど の よ う に 活 用 さ れ る の か を 検 討 す る 目 的 で 実 施 し た 。 稽 古 は 、神 楽 の 所 作 や 継 承 者 の 持 つ 想 い が 継 承 さ れ る 場 で あ り 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ に よ る 撮 影 ・ 保 存 後 の 所 作 の デ ー タ が 活 用 さ れ る 最 た る 場 面 だ と 推 測 す る 。 こ れ ら の 意 味 合 い を 持 つ 稽 古 の 場 面 に 着 目 す る こ と で 、中 野 神 楽 に と っ て 最 も 効 果 的 な モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の 活 用 方 法 を 探 る こ と が で き る と 考 え 、本 調 査 を 実 施 し た 。

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21 3-2 方 法 2013 年 6 月 に 、継 承 者 5 名( A~ E)と 後 継 者 2 名( F・G)の 合 計 7 名 を 対 象 に 、 中 野 神 楽 の 稽 古 場 に お い て 実 施 し た 。 < 基 本 的 な 流 れ > ① 後 継 者 F の 所 作 を 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 撮 影 ・ 保 存 す る 。 ② 保 存 し た 所 作 の デ ー タ を 、 ス ク リ ー ン に 投 影 す る 。 ③ ス ク リ ー ン の 映 像 を 見 な が ら 、 所 作 の 出 来 を 振 り 返 る 。 < 使 用 機 材 > ・ Xsens の MVN モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ シ ス テ ム ( 所 作 の 撮 影 ・ 保 存 に 使 用 ) ・ コ ン ピ ュ ー タ ( 所 作 の デ ー タ を 保 存 ・ 投 影 す る た め に 使 用 ) ・ ス ク リ ー ン ( 保 存 し た 所 作 の デ ー タ を 投 影 す る た め に 使 用 )

F

ス ク リ ー ン

② コ ン ピ ュ ー タ に 保 存 す る ③ ス ク リ ー ン に 投 影 す る ① 後 継 者 F が 踊 る 所 作 の デ ー タ を 送 る 図 4 調 査 の 基 本 的 な 流 れ

A

④ 継 承 者 た ち が 所 作 の 出 来 を 振 り 返 る

B

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22 ( ○ が 継 承 者 A~ E の 5 名 、 ◇ が 後 継 者 F と G の 2 名 ) 図 5 投 影 し た 映 像 の イ メ ー ジ 左 上 : 上 面 か ら 見 た イ メ ー ジ 左 下 : 側 面 か ら 見 た イ メ ー ジ 右 上 : 正 面 か ら 見 た イ メ ー ジ 図 6 人 お よ び 機 材 の 配 置 図

A

B

C

D

E

F

G

ス ク リ ー ン コ ン ピ ュ ー タ

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23 本 調 査 で は 、保 存 し た 所 作 の デ ー タ を 投 影 す る た め に 、ス ク リ ー ン を 用 い て い る 。 ス ク リ ー ン に は 、上 面 ・ 正 面 ・ 側 面 の 3 方 向 か ら 見 た 映 像( 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン ) が 投 影 さ れ る ( 図 5 参 照 )。 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で の 撮 影 中 は 、 そ の 様 子 を コ ン ピ ュ ー タ の 画 面 上 で 確 認 す る こ と が で き る 。こ の 時 、コ ン ピ ュ ー タ と ス ク リ ー ン を 接 続 す れ ば 、ス ク リ ー ン 上 に 踊 り 手 の 所 作 を 映 し な が ら 、 保 存 す る こ と が で き る 。 本 調 査 の 提 示 方 法 2 を 用 い た 調 査 で は 、こ の 原 理 を 応 用 し て 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で 撮 影 し た 後 継 者 の 所 作 の デ ー タ を 、リ ア ル タ イ ム で ス ク リ ー ン 上 に 投 影 し て い る ( 詳 細 は 後 述 )。 一 連 の 過 程 を 、 IC レ コ ー ダ ー を 用 い て 録 音 し た 後 、 文 章 化 し 、 稽 古 の 場 面 で の モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の 活 用 方 法 を 記 録 し た 。

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24 < 提 示 方 法 1> 本 調 査 で は 、所 作 の デ ー タ を ス ク リ ー ン に 投 影 す る 際 、2 通 り の 提 示 方 法 を 用 い て い る 。 1 つ は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 撮 影 し た 映 像 を 、一 旦 保 存 し た 後 、時 間 を 置 い て か ら ス ク リ ー ン に 投 影 す る 方 法 で あ る 。 詳 細 な 手 続 き は 、 以 下 の 通 り で あ る 。 ① モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 、 後 継 者 の 所 作 を 撮 影 ・ 保 存 す る 。 ② 保 存 し た デ ー タ を 、 時 間 を 置 い て か ら ス ク リ ー ン に 投 影 す る 。 ③ 映 像 を 見 な が ら 、 改 善 点 を 出 し 合 う 。 こ の 提 示 方 法 は 、ビ デ オ カ メ ラ で 撮 影・保 存 し た 映 像 を 、時 間 を 置 い て か ら 見 直 す の と 同 じ 要 領 で 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 使 用 し て い る 。

所 作 の 撮 影 ・ 保 存

ス ク リ ー ン に 投 影

振 り 返 り

図 7 提 示 方 法 1 の 流 れ

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25 < 提 示 方 法 2> も う 1 つ は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で 撮 影 し た 映 像 を 、時 間 を 置 か ず に 、直 接 ス ク リ ー ン に 投 影 す る 方 法 で あ る 。 詳 細 な 手 続 き は 、 以 下 の 通 り で あ る 。 ① モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 、 後 継 者 の 所 作 を 撮 影 ・ 保 存 す る 。 ② 保 存 し た 映 像 を 、 リ ア ル タ イ ム で ス ク リ ー ン に 投 影 す る 。 ③ 後 継 者 F が 実 際 に 舞 う 所 作 と 、 後 継 者 F の 所 作 が 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン と し て ス ク リ ー ン に 投 影 さ れ た も の を 、 同 時 に 見 比 べ な が ら 稽 古 を 実 施 す る 。 ④ 映 像 を 見 な が ら 、 改 善 点 を 出 し 合 う 。

所 作 の 撮 影 ・ 保 存

ス ク リ ー ン に 投 影

振 り 返 り

図 8 提 示 方 法 2 の 流 れ 同 時 進 行

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26 3-3 . 結 果 調 査 2 で は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 撮 影 し た 所 作 の デ ー タ が 、稽 古 の 場 面 で ど の よ う に 活 用 さ れ る の を 調 査 し た 。 そ の 結 果 、 主 に 2 通 り の 活 用 方 法 が な さ れ て い た 。 1 つ 目 は 、 体 幹 の バ ラ ン ス を 確 認 す る た め に 活 用 さ れ て い た 。 具 体 的 に は 、「体 幹 が 決 ま っ て ね ~ ん だ な( 体 幹 が 決 ま っ て い な い ん だ )」「 体 幹 が ず れ て ん だ な 」( 継 承 者 C)、「 膝 折 っ て ね ~ ん だ( 膝 を 折 っ て い な い ん だ )」 ( 継 承 者 E)、「 膝 折 っ て ね ~ ん だ ね ( 膝 を 折 っ て い な い ん だ ね )」( 継 承 者 A)、 「 あ ~ 、や っ ぱ 上 半 身 倒 し て る ね 」( 継 承 者 C)、「 ち ょ っ と( 重 心 が )低 い 」( 継 承 者 B)、「 や っ ぱ 重 い な ~ 」( 継 承 者 D)と い っ た 発 言 が あ っ た 。5 名 の 継 承 者 全 員 が 、 体 幹 の バ ラ ン ス に 言 及 し て い た 。 ま た 、質 問 者 が「 腕 を 外 側 に 開 く 癖 が あ る よ う だ 」と 指 摘 し た と こ ろ 、「 あ ら ら 、 も う わ か ら れ ち ゃ っ た よ 」「 も う 出 ち ゃ い ま し た よ 」( 継 承 者 C) と い う 発 言 が あ っ た 。 2 つ 目 は 、 足 の 位 置 を 確 認 す る た め に 活 用 さ れ て い た 。 例 え ば 、所 作 の 出 来 を 振 り 返 る 際 、「 近 く の コ マ か ら す る と 、ま る っ き り ず れ て る か ら な 。ま ず わ か る っ ち ゃ( わ か る よ ね )。手 前 の 白 黒 の あ る べ っ ち ゃ( 手 前 に 白 黒 の 目 印 が あ る よ ね )、オ セ ロ の と こ ろ さ 」、「 本 来 真 っ 直 ぐ だ っ た ら 、あ れ と 同 じ よ う に な る … 」、「 ず れ て る な 、す っ か り 。最 初 立 っ て る 位 置 と 違 う し 」 ( い ず れ も 継 承 者 A) と い っ た 、 足 の 動 き に 関 す る 発 言 が 3 名 の 継 承 者 か ら 挙 げ ら れ た 。 こ こ で は 、 後 継 者 の 所 作 を 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン で 映 し 出 す 際 に 表 示 さ れ る 、 碁 盤 の 目 状 に 並 ん だ マ ス 目 ( 図 5 参 照 ) が 、 足 の 位 置 を 示 す 目 印 と し て 利 用 さ れ て い た 。 後 継 者 F が 実 際 に 踊 る 所 作 と ス ク リ ー ン に 投 影 さ れ た 所 作 の 映 像 を 、同 時 に 見 比 べ な が ら 稽 古 を 実 施 し た 際 に は 、 足 の 動 き を 修 正 で き て い る の か を 、 ス ク

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27 リ ー ン の 映 像 で 確 認 し て い た 。そ し て 、2 名 の 継 承 者 が 改 善 点 を 指 摘 し て い た 。 具 体 的 に は 、「 こ の 時 点 で 、も う 、四 角 で ね ~ べ っ ち ゃ( 四 角 形 に な る よ う に 動 け て い な い だ ろ )。角 さ 来 て ね ~ べ っ ち ゃ( 足 が 角 に 来 て い な い よ ね )」( 継 承 者 A) と い う よ う に 、 稽 古 を 始 め た 段 階 で は 、 足 の 動 き を 修 正 す る 必 要 が あ る と 認 識 し て い た 。 そ の 後 、 稽 古 の 途 中 で は 、「 あ ~ 、 い い の い い の 」「 う ん 、 そ れ で い い ん だ 」 ( 継 承 者 A) と い う よ う に 、 足 の 動 き が 徐 々 に 修 正 で き て い る と 述 べ て い た 。 そ し て 、 最 後 に は 、「 あ ~ 、 い い ん で ね ~ の ( い い と 思 う よ )」( 継 承 者 A)、 「 う ん 」( 継 承 者 D)、「 OK だ ね 」( 継 承 者 A) と い う 発 言 が あ り 、 足 の 動 き が 修 正 で き た と 判 断 し て い た 。 そ し て 、 稽 古 終 了 時 に は 、「 正 方 形 に 歩 い て み ろ 、 ま ず な 」( 継 承 者 D) と い う ア ド バ イ ス を 寄 せ て い た 。 ま た 、稽 古 の 開 始 直 後 に は 、「 あ っ ち( ス ク リ ー ン )も 、や っ ぱ 気 に な る も ん だ な 。ど っ ち 見 て い い も ん だ か よ( ど っ ち を 見 れ ば い い も の か )」、「 あ っ ち も こ っ ち も 見 て る と 、訳 わ か ん な く な る 」( い ず れ も 継 承 者 A)と い う 発 言 が あ っ た 。 そ れ で も 、 稽 古 を 進 め て い く う ち に 、 こ の よ う な 違 和 感 を 述 べ る こ と は な く な っ た 。

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28 3-4. 考 察 調 査 2 の 結 果 を 通 じ て 、 以 下 の よ う な 傾 向 が 読 み 取 れ た 。 ① 体 幹 の バ ラ ン ス や 足 の 動 き を 確 認 す る た め に 有 効 だ と 認 識 し て い る 。 稽 古 の 場 面 に お い て 継 承 者 た ち は 、 体 幹 の バ ラ ン ス と 足 の 動 き を 確 認 す る た め に 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 活 用 し て い た 。こ う し た 活 用 方 法 が で き た の は 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の 持 つ メ リ ッ ト が 発 揮 さ れ た か ら だ と 考 え る 。 渡 部(2007)で は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 撮 影 し た 映 像 を 指 導 者 に 提 示 し た 際 、 以 下 の よ う な 発 言 が な さ れ て い る 。 そ し て 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い る こ と で 、 身 体 の 動 き が わ か り や す く な る こ と を 示 唆 し て い る 。 「 権 現 様 の 幕 の 中 の 動 き が 見 え て よ い 」( 神 楽 会 A氏 の 発 言 ) 普 段 は 衣 装 に 隠 れ て 見 る こ と が で き な い 身 体 の 動 き が 、セ ン サ ー を 身 体 に 直 接 つ け る モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で は 明 ら か に な る 。 ま た 、佐 藤 ら( 2009)で は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の CG が 、身 体 の 位 置 や 動 き を 見 る の に 有 効 だ と 述 べ て い る 。 つ ま り 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 活 用 す る メ リ ッ ト と し て 、身 体 の 動 き や 位 置 が 確 認 し や す く な る 点 が 挙 げ ら れ て い る 。 今 回 の 調 査 を 通 じ て 、 中 野 神 楽 の 事 例 に お い て も 、 先 行 研 究 で 示 唆 さ れ て い た メ リ ッ ト が 活 か さ れ て い る こ と が 、 改 め て 確 認 さ れ た 。 こ の 背 景 に は 、 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 用 い た こ と が 関 係 し て い る と 推 測 す る 。 今 回 の 調 査 で は 、 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 用 い て 後 継 者 の 動 き を ス ク リ ー ン に 表 示 し て い る 。 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン は 、 筋 肉 や 衣 装 が な い 最 も シ

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29 ン プ ル な CG ア ニ メ ー シ ョ ン で あ る 。 そ の た め 、 身 体 の バ ラ ン ス や 位 置 関 係 が 容 易 に 理 解 で き る 。 そ の た め 、 中 野 神 楽 の 事 例 に お い て も 、 こ の よ う な 特 徴 を 活 か し た 指 導 が な さ れ た の だ と 考 え る 。 ② 普 段 の 稽 古 と は 違 っ た 独 自 の 視 点 で 指 導 で き る 。 今 回 の 調 査 で は 、 後 継 者 の 踊 り を 振 り 返 る 際 、2 通 り の 提 示 方 法 を 用 い た 。 1 つ は 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で 撮 影 し た 映 像 を 一 旦 保 存 し 、 時 間 を 置 い て か ら ス ク リ ー ン に 投 影 す る 方 法 で あ る 。 こ の 方 法 に は 、 後 継 者 自 身 が 、 自 ら の 踊 り を 客 観 的 な 視 点 で 振 り 返 ら れ る と い う メ リ ッ ト が あ る と 考 え る 。 普 段 の 稽 古 に お い て 後 継 者 は 、 継 承 者 の 指 導 を 頼 り に 、 自 分 の 踊 り を イ メ ー ジ し 、 動 き を 修 正 し て い る 。 こ こ で は 、 い か に 自 分 の 踊 り を 的 確 に イ メ ー ジ し 所 作 に 反 映 さ せ ら れ る の か が 、 所 作 の 熟 達 化 に お い て 重 要 だ と 推 測 す る 。 こ の 提 示 方 法 を 活 用 す れ ば 、 自 分 の 所 作 を 客 観 的 に 振 り 返 る こ と が で き 、 継 承 者 の 指 導 と 自 分 の 所 作 の イ メ ー ジ を 、 よ り 効 率 よ く 関 連 づ け ら れ る 可 能 性 が あ る 。 一 方 で 、 こ の 提 示 手 法 で は 、 一 旦 コ ン ピ ュ ー タ 上 に 保 存 し た デ ー タ を ス ク リ ー ン に 表 示 し て い る た め 、 指 導 に 時 間 差 が 生 じ て し ま う 。 そ の た め 、 振 り 返 り の 際 に は 、 自 分 の 踊 り を 思 い 出 し な が ら 映 像 を 見 て 、 改 善 点 を 次 回 以 降 の 稽 古 に 反 映 さ せ る こ と に な る 。 も う 1 つ の 提 示 方 法 で は 、後 継 者 が 実 際 に 踊 る 所 作 と ス ク リ ー ン に 投 影 さ れ た 所 作 の 映 像 を 、 同 時 に 見 比 べ な が ら 稽 古 を 実 施 し た 。 こ の 方 法 に は 、 後 継 者 が そ の 場 で 所 作 を 修 正 で き る と い う メ リ ッ ト が あ る と 考 え る 。 調 査 の 中 で も 、 足 の 位 置 を 指 導 す る 際 に 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ が 活 用 さ れ

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30 て い た 。 継 承 者 は 、 ま ず 、 後 継 者 の 足 の 動 き を 見 て 問 題 点 を 指 摘 し 、 改 善 方 法 を 提 示 し た 。 続 い て 、 ス ク リ ー ン 上 の 所 作 の 映 像 を 見 な が ら 稽 古 を 実 施 し 、 足 の 動 き が 徐 々 に 改 善 さ れ て い る こ と を 確 認 す る と 同 時 に 、 そ れ を 後 継 者 に フ ィ ー ド バ ッ ク し て い た 。 そ し て 、 さ ら に 稽 古 を 続 け 、 最 終 的 に は 、 足 の 動 き が 修 正 で き た と 判 断 し た 。 一 連 の 過 程 で は 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い て 撮 影 し た 所 作 の 映 像 を 参 考 に し な が ら 、 逐 次 後 継 者 へ の フ ィ ー ド バ ッ ク が な さ れ て い た 。 そ の フ ィ ー ド バ ッ ク を 手 掛 か り に 、 後 継 者 は 自 身 の 動 き を 修 正 し 、 最 終 的 に は 継 承 者 の 求 め て い た 動 き を 会 得 で き た 。 整 理 す る と 、 生 身 の 人 間 ( 後 継 者 ) の 所 作 と モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ に よ る 所 作 の 映 像 ( 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン ) を 同 時 に 提 示 し た こ と で 、 後 継 者 の 動 き を よ り シ ン プ ル に 表 示 し た 映 像 を 見 な が ら 、 リ ア ル タ イ ム で 後 継 者 に フ ィ ー ド バ ッ ク を 与 え る こ と が 可 能 と な っ た 。 こ れ ら 2 点 を 踏 ま え る と 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 稽 古 に 活 用 す る こ と で 、 普 段 の 稽 古 で は 確 認 し づ ら い 体 幹 の バ ラ ン ス や 足 の 位 置 に つ い て 、 即 時 的 な フ ィ ー ド バ ッ ク を 与 え ら れ る と い う 効 果 が 期 待 で き る 。

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第 4 章 . ま と め と 今 後 の 課 題

4-1. ま と め 本 研 究 で は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い た南 部 神 楽 の 所 作 保 存 手 法 を 検 討 す る と い う 目 的 で 、 中 野 神 楽 を 対 象 に 調 査 を 実 施 し た 。 1 つ 目 の 調 査 で は 、 CG キ ャ ラ ク タ ー の デ ザ イ ン と い う 視 点 か ら 、 中 野 神 楽 の 特 色 を 反 映 さ せ た 所 作 の 保 存 方 法 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 、肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 評 価 さ れ て い る 、衣 装 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 目 が 散 ら さ れ て し ま う こ と を 懸 念 し て い る 、南 部 神 楽 の 速 い 動 き を 再 現 で き る CG を 求 め て い る と い う 、 3 つ の 傾 向 が 見 ら れ た 。 こ れ ら を 踏 ま え る と 、生 身 の 人 間 の よ う な 親 し み や す い 外 見 で あ り 、 南 部 神 楽 の 速 い 所 作 を 的 確 に 再 現 ・ 継 承 で き る 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 、 最 も 中 野 神 楽 の 特 色 を 反 映 で き る 所 作 の 保 存 方 法 だ と 結 論 づ け た 。 2 つ 目 の 調 査 で は 、稽 古 の 場 面 で の モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の 活 用 方 法 と い う 視 点 か ら 、 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 活 用 し た 所 作 の 継 承 支 援 の 在 り 方 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ が 、体 幹 の バ ラ ン ス や 足 の 位 置 を 確 認 す る た め に 活 用 さ れ て い る こ と が わ か っ た 。 こ れ は 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ( 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン )が 、体 幹 の バ ラ ン ス や 足 の 位 置 を 確 認 す る 上 で 有 効 だ と い う 先 行 研 究 で の 言 及 が 、中 野 神 楽 に お い て も 当 て は ま る 可 能 性 を 示 唆 し て い る 。 ま た 、生 身 の 人 間 の 所 作 と 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ で 撮 影 し た 所 作 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 同 時 に 提 示 す る と 、普 段 の 稽 古 で は 確 認 し づ ら い 要 素 に つ い て 、即 時 的 な フ ィ ー ド バ ッ ク を 与 え ら れ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 こ れ ら を 踏 ま え る と 、普 段 の 稽 古 で は 確 認 し づ ら い 要 素 に 対 し て 、 即 時 的 な フ ィ ー ド バ ッ ク を 与 え る た め に モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 活 用 す る こ と が 、 中 野

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32 神 楽 に と っ て 効 果 的 な 所 作 の 継 承 支 援 の 在 り 方 だ と 結 論 づ け た 。 南 部 神 楽 に 属 す る 他 の 団 体 に お い て も 、 神 楽 を 継 承 す る 上 で 、 所 作 の 継 承 は 不 可 欠 な 要 素 だ と 考 え ら れ る 。 モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 活 用 す れ ば 、 所 作 を 記 録 ・ 保 存 で き る だ け で な く 、 よ り 多 角 的 な 視 点 で 稽 古 を 実 施 で き る と い う 効 果 が 期 待 で き る 点 は 、 南 部 神 楽 の 所 作 の 継 承 を 支 援 す る 上 で 大 い に 役 立 つ 知 見 だ と 考 え る 。

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33 4-2. 今 後 の 課 題 今 後 の 課 題 に は 、 以 下 の 2 点 が 挙 げ ら れ る 。 1 つ は 、後 継 者 の 意 見 や 考 え を 、CG ア ニ メ ー シ ョ ン に 反 映 さ せ る こ と で あ る 。 今 回 実 施 し た 2 つ の イ ン タ ビ ュ ー 調 査 で は 、後 継 者 か ら の 発 話 は ほ と ん ど 得 ら れ な か っ た 。 後 継 者 は 、 継 承 者 に 比 べ 年 齢 が 若 く 、 コ ン ピ ュ ー タ や CG ア ニ メ ー シ ョ ン に も 馴 染 み が 深 い と 思 わ れ る 。 そ の た め 、 後 継 者 の 意 見 や 考 え を 反 映 さ せ る こ と で 、 新 た な 視 点 か ら 南 部 神 楽 の 継 承 手 法 を 検 討 で き る と 考 え る 。 も う 1 つ は 、 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 用 い て 稽 古 を 実 施 し た 場 合 、 ど の よ う な 効 果 が 期 待 で き る の か を 検 討 す る こ と で あ る 。 今 回 、 調 査 1 で は 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン が 最 も 評 価 さ れ て い る と 結 論 づ け た 。 そ の 一 方 、 調 査 2 で は 骨 格 の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 用 い て 、 稽 古 の 場 面 で の モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ の 活 用 方 法 を 検 討 し て い る 。 つ ま り 、 調 査 1 と 調 査 2 は そ れ ぞ れ 独 立 し た も の で あ り 、調 査 1 の 結 果 は 調 査 2 に 反 映 さ れ て い な い 。 肉 付 き の CG ア ニ メ ー シ ョ ン を 稽 古 の 場 面 で 活 用 す れ ば 、 今 回 の 調 査 と は 違 っ た 効 果 が 得 ら れ る 可 能 性 も あ る 。 こ れ ら の 2 点 を 考 慮 す れ ば 、モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ を 用 い た 南 部 神 楽 の 所 作 の 継 承 手 法 に つ い て 、 よ り 実 用 的 な 知 見 が 得 ら れ る と 考 え る 。

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参 考 文 献 ・ 引 用 文 献

参 考 文 献 池 内 克 史 , 中 澤 篤 志 , 小 川 原 光 一 , 高 松 淳 , 工 藤 俊 亮 , 中 岡 慎 一 郎 , 白 鳥 貴 亮 ( 2004) 民 俗 芸 能 の デ ジ タ ル ア ー カ イ ブ と ロ ボ ッ ト に よ る 動 作 提 示 , 日 本 バ ー チ ャ ル リ ア リ テ ィ 学 会 誌 第 9 巻 2 号 , pp.14-19. 北 川 博 美 , 磯 本 征 雄 ( 2002) 伝 統 芸 能 の 保 存 と 継 承 の た め の 動 画 像 デ ジ タ ル 化 と そ の 活 用 技 術 , 電 子 情 報 通 信 学 会 技 術 研 究 報 告 102 巻 139 号 , pp.31-36. 小 島 一 成 , 稲 葉 光 行 , 金 子 貴 昭 , 赤 間 亮 , 八 村 広 三 郎 , 瀬 尾 訓 生 , 長 村 玄 ( 2003) SMIL 技 術 を 用 い た 伝 統 芸 能 コ ン テ ン ツ の 制 作 , 情 報 処 理 学 会 研 究 報 告 2003 巻 107 号 , pp.57-64. 佐 藤 克 美 , 海 賀 孝 明 , 渡 部 信 一 ( 2009) 舞 台 役 者 の 「 わ ざ 」 熟 達 化 を 支 援 す る モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ 活 用 に 関 す る 教 育 学 的 検 討 , 教 育 情 報 学 研 究 第 8 号 , pp.11-20. 佐 藤 克 美 , 沼 倉 弘 幸 , 海 賀 孝 明 , 渡 部 信 一( 2010) 舞 踊 教 育 に お け る モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ 活 用 に 関 す る 研 究 , 教 育 情 報 学 研 究 第 9 号 , pp.1-9. 千 葉 雄 市( 2001) 南 部 神 楽 の 謎 を 解 く , か ぐ ら の「 わ 」 デ ー タ 編 2, pp.47 -52, 平 泉 郷 土 館 , 岩 手 県 . 千 葉 雄 市 ( 2002) 南 部 神 楽 , か ぐ ら の 「 わ 」 デ ー タ 編 3, pp.2-12, 平 泉 郷 土 館 , 岩 手 県 . 八 村 広 三 郎 ( 2007) モ ー シ ョ ン キ ャ プ チ ャ に よ る 舞 踊 の デ ジ タ ル ア ー カ イ ブ , 情 報 処 理 学 会 研 究 報 告 2007 巻 1 号 , pp.1-8. 平 泉 郷 土 館 編 著 ( 2000) か ぐ ら の 「 わ 」 デ ー タ 編 1, 平 泉 郷 土 館 , 岩 手 県 . 文 化 庁 ( 2001) 文 化 芸 術 振 興 基 本 法 , http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/kihonhou/kihonhou.html

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35 文 化 庁 ( 2011) 文 化 芸 術 の 振 興 に 関 す る 基 本 的 な 方 針 , http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/housin/kakugikettei_110208/02 -1-3. html 文 部 科 学 省 ( 2004) 平 成 16 年 度 文 部 科 学 白 書 , ( http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200401/hpab 200401_2_292.html ) 渡 部 信 一 編 著 ( 2007) 日 本 の 「 わ ざ 」 を デ ジ タ ル で 伝 え る , 大 修 館 書 店 , 東 京 都 . 引 用 文 献 渡 部 信 一 編 著 ( 2007) 日 本 の 「 わ ざ 」 を デ ジ タ ル で 伝 え る , 大 修 館 書 店 , 東 京 都 , pp.26.

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謝 辞

本 稿 を 執 筆 す る に あ た り 、 多 く の 方 々 に お 力 添 え を い た だ き ま し た 。 指 導 教 員 を 引 き 受 け て く だ さ っ た 渡 部 信 一 先 生 に は 、研 究 の 方 向 性 を 見 失 い 彷 徨 い か け て い た と き 、 局 面 を 打 開 す る 貴 重 な ご 助 言 を た く さ ん 賜 り ま し た 。 副 指 導 教 員 の 佐 藤 克 美 先 生 は 、細 部 に わ た り 本 稿 お よ び 発 表 資 料 を お 目 通 し く だ さ り 、 懇 切 丁 寧 に ご 指 導 く だ さ い ま し た 。 副 査 を お 願 い し た 中 島 平 先 生 は 、中 島 先 生 ら し い 独 創 的 な 視 点 で 、ご 助 言 く だ さ い ま し た 。 ま た 、宮 城 大 学 事 業 構 想 学 部 の 小 嶋 秀 樹 先 生 に は 、本 稿 の 結 果・考 察 を 整 理 す る に あ た り 、 格 段 の ご 協 力 を い た だ き ま し た 。 さ ら に 、渡 部 研 究 室 の 関 係 者 の み な さ ま 、合 同 セ ミ ナ ー で ご 助 言 く だ さ っ た 先 生 方 、教 育 情 報 学 教 育 部 の 同 士 に は 、研 究 を 含 む 学 生 生 活 全 般 で 、温 か く 、と き に 厳 し く 支 え て い た だ き ま し た 。 そ し て 、 苦 し み の ど ん 底 に い る と き 、 そ っ と 励 ま し て く れ た 母 。 寡 黙 な 性 格 な が ら 、 辛 抱 強 く 見 守 り 続 け て く れ た 父 。 自 分 の こ と 以 上 に 私 を 案 じ 続 け て い る で あ ろ う 、 心 配 性 の 祖 母 。 誰 か 一 人 で も 欠 け て い た ら 、こ う し て 本 稿 を 完 成 す る こ と は で き な か っ た と 思 い ま す 。 と て も 言 葉 で は 言 い 尽 く せ ま せ ん が … 末 筆 な が ら 、 深 く 深 く 感 謝 申 し 上 げ ま す 。

図 3  提 示 し た 見 本 CG ア ニ メ ー シ ョ ン

参照

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