第 47 号(2011)論 文 No.47(2011)Article
CSR および都道府県による「企業の森づくり」制度に対する地元企業の意識
−栃木県の事例より−
Trend and view of local companies toward CSR and ‘joint forest
management’ program by local government
− a case study of Tochigi Prefecture −
吉岡俊知1・山本美穂2
Toshinori YOSHIOKA1 Miho YAMAMOTO2
1
横浜国立大学大学院環境情報学府環境イノベーションマネジメント専攻 〒 240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台 79-1
1
Department of Innovation Management and Environmental Sciences, Graduate School of Environment and Information Sciences, Yokohama National University, 79-1Tokiwadai, Hodogaya, Yokohama, 240-8501, Japan
2
宇都宮大学農学部森林科学科 〒 321-8505 宇都宮市峰町 350 2
Department of Forest Sciences, Faculty of Agriculture, Utsunomiya University, 350 Mine-machi, Utsunomiya, 321-8505, Tochigi, Japan
要 旨 CSR および都道府県による「企業の森づくり」制度に関する地元企業の動向・ 意向について、栃木県を事例にアンケートおよびインタビュー調査を通して明ら かにした。調査結果から、地元企業の 85%が栃木県による「企業の森づくり」制 度に「興味がある」と回答し、うち7社は「ぜひ参加したい」と回答した一方、 25%の地元企業しか「企業の森づくり」制度一般の存在を知らなかったという認 知度の低さも明らかになった。地元企業の当制度への参加の可能性は十分にある と考えられる一方、こうした制度の設計に際して、県としては、事業の目的を明 確にし、多様な企業の論理に応えていくことが求められる。 キーワード:CSR,「企業の森づくり」制度,地元企業,アンケート調査,栃木県 Summary
This paper aims to clarify the corporate trend and view toward CSR and ‘joint forest management’ program by local government, focused on local companies, with questionnaire and interview survey. More than 85% local companies are interested in ‘joint forest management’ program by Tochigi Prefecture, and 7 companies have strong willingness to participate. On the other hand, only 25% local companies know about this kind of program. Toward successful development of the program, it is requested to make clear the project’s object and to meet the needs of local companies.
Keywords: CSR, ‘joint forest management’ program by local government, local companies,
1. はじめに 本研究の目的は、CSR および都道府県による「企 業の森づくり」制度1)に関する地元企業2)の動向・ 意向を把握することである。本研究ではまず、①「企 業の森づくり」制度の捉え方と先行研究を整理した後、 ②地元企業へのアンケート、インタビュー調査から森 づくりの動向・意向などを明らかにし、③都道府県に よる「企業の森づくり」制度に地元企業の参加を促す 方策について検討する。 利益至上主義に陥った企業が起こした不祥事への反 省から世界的な CSR3)の動きが生まれ(田坂,2009)、 現在の CSR 活動は不祥事の未然防止と企業価値の増 大を狙い(古賀,2005)、さまざまな活動が行われて いる。森づくりはこうした CSR 活動の一環であり、 このような企業の活動と地域との調整役を主に都道府 県が担うようになった。都道府県による「企業の森づ くり」制度は、1998 年に神奈川県で最初に創設され て以降、2008 年 12 月時点で 38 都道府県に広がって いる(全国林業改良普及協会,2008)。都道府県にと って、必要とされる森林管理費用の一部を企業が負担 することによって、費用軽減と同時に様々な主体間の パートナーシップを形成することができるという利 点がある。一方、企業にとって、これら制度に参加 するメリットは、第一に、CO2吸収証書を示すなどし て CSR 活動としての評価に活用できること、第二に、 従業員の環境教育やレクリエーション、地元住民との 交流ができること、第三に、森づくりによる CO2吸 収量を温室効果ガスの排出削減対策などに利用できる 4)こと、などが指摘されている(小林,2008)。 企業の森づくりに関しては、少なくない調査がなさ れているが、多くは全国展開の大企業を対象にしたも ので、地域経済に密着したいわゆる地元企業の森づく りに対する動向・意向については、未だ調査が不足し ている。都道府県による「企業の森づくり」制度へ地 元企業が積極的に参加している事例や、大企業によっ ては「森林所在地の地元企業と森づくりを進めたい」 との意向5)もみられ、これらの動きを個別の事業体 レベルで把握する意義は大きい。 2.「企業の森づくり」制度の捉え方 企業の森づくりは、ある程度の参入の容易さと持続 性が重要である(企業の森林整備活動に関する検討会, 2006)。その実現には、「企業の森づくり」制度におい て森づくりが多様な方向に展開していく方が良いと考 えられる(木俣,2008)。 例として図−1のように、企業が物理的に CSR と いう切り口で森づくりをスタートさせると、地域社会 にとって地域づくり、商品開発等に繋がれば地域産業 振興と捉えられる。また、人づくりの観点から「企業 の森づくり」制度は森林環境教育になり、地域住民に とっては都市山村交流、更に発展すればツーリズムと も捉えられる。 以上のように、「企業の森づくり」制度は行政のコ ーディネート次第で多様な展開が可能になる。企業に とっては、CSR という入り口だからこそ比較的参加 しやすく、後に多様な展開が期待できることも魅力と なる。更に地域を巻き込む形になれば、持続性が確保 され易くなる。 ただし、「企業の森づくり」制度は都道府県によっ て目的、体制、担い手が異なる6)。どれが良いという ことではなく、企業の森づくりというスキームを使っ て地域の何を活性化させたいのかが体制を決める(木 俣,2008)。地域の状況を踏まえ、行政が「企業の森 づくり」制度の目的を定めることも重要になる。 3. 先行研究の整理 企業の森づくりに関する調査は、企業に対するアン ケートによる動向・意向の把握(国土緑化推進機構, 2006)や、企業のウェブサイトや報告書などを参考に した動向の把握(伊藤ら,2004;上田,2010)が実施 されている。だが、これら調査対象はいずれも大企業 であり、幅広い層を含む調査が実施されたとは言い難 い。 表 − 1 は、 国 土 緑 化 推 進 機 構(2006) の 従 業 員 1,000 名以上の企業を対象にしたアンケート調査の主 な結果である。50%以上の企業が、森づくりに興味・ 関心があり、森づくりで実現したい目的として「社会 貢献としての環境保全・改善」、「地域社会への貢献」、 「従業員の環境教育、意識向上」を挙げている。配慮 するステークホルダーとしては、「地域社会」、「顧客・ 消費者」、「従業員」を挙げている。 地元企業を対象にしたものとして、青森県での調査 ડᬺ䈏㪚㪪㪩䈫䈚䈩䇮䈋䈳䇸䂾 䂾䈱䇹䉕⸳ቯ䈜䉎䈫䇮䈠䉏䈲 䇺ડᬺ䈱䈨䈒䉍䇻䈪䈅䉎䇯 䈨䈒䉍䉕ၞ␠ળ䈱ⷞὐ䈎 䉌䇮ၞ⾗Ḯ䈱ᨋ䈱ౣ⹏ଔ 䉇䇮ᣂ䈢䈭ਥᒻᚑ䈫䉏䈳䇮 䇺ၞ䈨䈒䉍䇻䈫ᝒ䈋䉌䉏䉎䇯 䈘䉌䈮䇮ડᬺ䈱䊉䊔䊦䊁䉞䊷䉫䉾 䉵䈱ᚑ䇮ᧄᬺ䈪䈱ᧁຠ䈱 ຠ㐿⊒╬䈪ද䈪䈐䉏䈳䇮 䇺ၞ↥ᬺᝄ⥝䇻䈫ᝒ䈋䉌䉏䉎䇯 䈨䈒䉍䈮ᓥᬺຬ䉇৻⥸䈱ሶଏ 䈭䈬䈏ෳട䈜䉏䈳䇮䇺ᨋⅣႺ ᢎ⢒䇻䈫ᝒ䈋䉌䉏䉎䇯 䈠䉏䉌䈱ข䉍⚵䉂䉕ၞ᳃╬ 䈱ⷞὐ䈎䉌䇮ᓥᬺຬ╬䈫䈱ᵹ 䈮ଔ୯䉕⟎䈔䈳䇮䇺ㇺᏒጊ ᵹ䇻䈫ᝒ䈋䉌䉏䉎䇯 ⸰䉏䉎ᓥᬺຬ䉇ㇺᏒ᳃䉕䊝 䊆䉺䊷䈫䈩䇮䊒䊨䉫䊤䊛䉍䉕 ຠൻ䈜䉏䈳䇮䇺䉿䊷䊥䉵䊛䇻䈫 ᝒ䈋䉌䉏䉎䇯 ⾗ᢱ䋺ᧁୀ䋨㪉㪇㪇㪏䋩䉕৻ㇱᡷ ၞ䈨䈒䉍 ၞ↥ᬺᝄ⥝ ੱ ⊛ 䈭 ⷐ ⚛ ᨋⅣႺᢎ⢒ ㇺᏒጊᵹ 䉿䊷䊥䉵䊛 ⥄ὼⅣႺ ␠ળⅣႺ ⚻ᷣⅣႺ ‛ ℂ ⊛ 䈭 ⷐ ⚛ ડᬺ䈱䈨䈒䉍 図−1 企業の森づくりの展開例 䋨㪥㪔㪉㪏㪌䋩 䈨䈒䉍䈻䈱⥝䊶㑐ᔃ 䇸㕖Ᏹ䈮⥝䈏䈅䉎䇹㩷㪈㪌㪅㪈㩼 䇸⥝䈏䈅䉎䇹㩷㪊㪍㪅㪍㩼 䈨䈒䉍䈪ታ䈚䈢䈇⋡⊛ 䇸␠ળ⽸₂䈫䈚䈩䈱ⅣႺో䊶ᡷༀ䇹㩷㪌㪐㪅㪍㩼 䇸ၞ␠ળ䈻䈱⽸₂䇹㩷㪌㪋㪅㪇㩼 䇸ᓥᬺຬ䈱ⅣႺᢎ⢒䇮ᗧ⼂ะ䇹㩷㪋㪌㪅㪍㩼 ㈩ᘦ䈜䉎䉴䊁䊷䉪䊖䊦䉻䊷 䇸ၞ␠ળ䇹㩷㪍㪈㪅㪋㩼 䇸㘈ቴ䊶ᶖ⾌⠪䇹㩷㪌㪎㪅㪐㩼 䇸ᓥᬺຬ䇹㩷㪋㪇㪅㪋㩼 ⾗ᢱ䋺࿖✛ൻផㅴᯏ᭴䋨㪉㪇㪇㪍䋩 䇸ᓥᬺຬ䈱䈨䈒䉍䊗䊤䊮䊁䉞䉝䇹 㪎␠ 䇸ᓥᬺຬ䈱䈨䈒䉍䊗䊤䊮䊁䉞䉝䇹 㪍␠ 䇸⥄␠ᢝౝ䈱✛ൻ䇹 㪋␠ 䇸㑆બ᧚╬䉕ᵴ↪䈚䈢↪ຠ⾼䇹 㪋␠ 䇸㑆બ᧚╬䉕ᵴ↪䈚䈢↪ຠ⾼䇹 㪋␠ 䇸⥄␠ᢝౝ䈱✛ൻ䇹 㪊␠ 䇸ⅣႺ㗴䈮⽸₂䇹 㪍␠ 䇸ᓥᬺຬ䈱ᗧ⼂ะ䇹 㪍␠ 䇸⥄␠䈱䉟䊜䊷䉳䉝䉾䊒䇹 㪌␠ ⾗ᢱ䋺↰䋨㪉㪇㪇㪏䋩 㪚㪦㪉ๆ㊂䈱⸽䇮⹏ଔ䈻䈱㑐ᔃ 䋨㪥㪔㪉㪍䋩 䇸ᄢ䈇䈮㑐ᔃ䈏䈅䉎䇹㩷㪍␠䋨㪉㪊㩼䋩 䇸ዋ䈚㑐ᔃ䈏䈅䉎䇹㩷㪈㪎␠䋨㪍㪌㩼䋩 䈨䈒䉍䉕ታᣉ䈚䈩䈇䈭䈇ડᬺ䈱 䈨䈒䉍䈱ᗧะ䋨㪥㪔㪉㪎䋩 䇸ታᣉ䈚䈢䈇䇹㩷㪎␠䋨㪉㪍㩼䋩 䈨䈒䉍ታᣉડᬺ䋨㪥㪔㪐䋩 䈨䈒䉍ታᣉᗧะડᬺ䋨㪥㪔㪎䋩 䈨䈒䉍䈱ౝኈ 䈨䈒䉍䈱ലᨐ 㪚㪪㪩ᵴേ䈱ታᣉ䋨㪥㪔㪊㪍䋩 䇸ታᣉ䈚䈩䈇䉎䇹㩷㪉㪐␠䋨㪏㪈㩼䋩 㪚㪪㪩䈮䉋䉎䈨䈒䉍䈱ታᣉ䋨㪥㪔㪉㪐䋩 䇸ታᣉ䈚䈩䈇䉎䇹㩷㪐␠䋨㪊㪈㩼䋩 表−1 大企業の森づくりに関する主な調査結果 表−2 青森県内企業の森づくりに関する主な調査結果
報告(田村,2008)がある。この調査では、青森県の 環境問題に意識の高い 117 社を対象にアンケート調査 を実施し、36 社から回答を得た。標本数の少なさや、 環境問題に意識の高い企業のみを対象にしている点で 幅広い調査とは言えないが、主な結果を表−2に示す。 CSR 活動は 29 社(81%)の企業で実施され、その うち森づくりを実施している企業は9社(31%)であ る。一方、森づくりを実施していない企業のうち7社 (26%)が、森づくり活動を実施したいという意向を 持っている。森づくりを実施している企業の活動内容 は「従業員の森づくりボランティア」が最も多く、実 施意向企業でも興味のある活動内容として「従業員の 森づくりボランティア」が最も多い。また、森づくり による CO2吸収量の認証、評価には 88%の企業が関 心を持っている。これら結果をもとにして、上記調査 は、青森県による「企業の森づくり」制度の仕組みと して、第一に、主な対象を県内中小企業にすること、 第二に、事業内容は社員ボランティアによる森づくり 活動にすること、第三に、森づくりによる CO2吸収 量の認証・評価制度と連携すること、第四に、企業へ の普及啓発活動と積極的な働きかけを継続すること、 などを提言している。 4. 方法とデータ 調査対象地域は栃木県に設定した。栃木県は 2008 年 12 月時点で都道府県による「企業の森づくり」制 度を実施していない9県のうちの1つ7)である。 アンケート調査は CSR および「企業の森づくり」 制度の動向・意向に関して、自記式アンケートによる 郵送方式で 2008 年 10 月 13 日に一斉郵送し、2008 年 10 月末日までの返信を有効回答とした。 調査対象企業は、表−3のように栃木県本社企業、 群馬県本社企業、栃木県関連大企業、「緑の募金」企 業の4つの区分の企業、計 451 社である8)。群馬県本 社企業は中小企業の標本数を増やすために、栃木県関 連大企業は栃木県内での森づくり活動を把握するため に加えた。「緑の募金」企業は、環境に対する意識が 高く、栃木県内での森づくりに積極的に関わる可能性 が高いと考えリストに加えた。回収率は 26.8%(121 社) であった(表−4)。 質問項目は、会社概要、CSR 活動、森づくりの動向・ 意向、の大きく3つに区分される(表−5)。 更に、より詳しく企業の考えを把握するため企業担 当者に対する対面インタビュー調査を実施した。対象 企業は、アンケート調査結果の表− 17 のように、栃 木県による「企業の森づくり」制度への興味、参加の 可能性で、「興味があり、ぜひ参加したい」と回答し た7社のうちの地元企業2社である。質問内容は業務 内容から CSR 活動、「企業の森づくり」制度に関して など幅広く質問した。インタビュー時期と対応者は、 A社が 2008 年 12 月で対応者は業務部庶務グループマ ネージャー、B 社が 2009 年 1 月で対応者は代表取締 役である。 5. アンケート調査結果 5. 1 企業概要 回答企業の業種(表−6)は、「製造業」が 41.3%(50 社)で最も多く、次いで「サービス業」が 16.5%(20 社)、「卸売業」が 12.4%(15 社)である。 資本金(表−7)は、「5000 万円未満」が 42.1%(51 社)で最も多く、次いで「10 億円以上」が 23.1%(28 社)、「5000 万円∼1億円」が 18.2%(22 社)である。 業績、景況感(表−8)は、「厳しい」が 59.0%(69 社)で最も多く、「非常に厳しい」を合わせると 71% (83 社)が業績、景況感を厳しいと捉えている。ただし、 アンケートを配布した時期が 2008 年 10 月で、経済環 境が急転した時期であることを踏まえる必要がある。 䉝䊮䉬䊷䊃ኻ⽎ડᬺ ቯ⟵ ␠ᢙ ᩔᧁ⋵ᧄ␠ડᬺ ᩔᧁ⋵䈮ᧄ␠䈱䈅䉎ડᬺ 㪈㪌㪈␠ ⟲㚍⋵ᧄ␠ડᬺ ⟲㚍⋵䈮ᧄ␠䈱䈅䉎ડᬺ 㪈㪌㪌␠ ᩔᧁ⋵㑐ㅪᄢડᬺ ᩔᧁ⋵ౝ䈮Ꮏ႐䊶ᬺᚲ䈏䈅䉎⾗ᧄ㊄㪌㪇ంએ䈱ᄢડᬺ 㪈㪇㪇␠ 䇸✛䈱㊄䇹ડᬺ 㪉㪇㪇㪎ᐕ㪋䌾㪉㪇㪇㪏ᐕ㪏䉁䈪䈱㑆䈮ᩔᧁ⋵ౝ䈻䇸✛䈱㊄䇹䉕ⴕ䈦䈢ડᬺ 㪋㪌␠ ㇷㅍᢙ ࿁ᢙ ࿁₸䋨䋦䋩 ᩔᧁ⋵ᧄ␠ડᬺ 㪈㪌㪈 㪋㪐 㪊㪉㪅㪌 ⟲㚍⋵ᧄ␠ડᬺ 㪈㪌㪌 㪋㪇 㪉㪌㪅㪏 ᩔᧁ⋵㑐ㅪᄢડᬺ 㪈㪇㪇 㪈㪎 㪈㪎㪅㪇 䍀✛䈱㊄䍁ડᬺ 㪋㪌 㪈㪌 㪊㪊㪅㪊 ว⸘ 㪋㪌㪈 㪈㪉㪈 㪉㪍㪅㪏 㪈䇭ડᬺⷐ 䋨䋱䋩ᬺ⒳ 䋨䋲䋩⾗ᧄ㊄ 䋨䋳䋩ᬺ❣䇮᥊ᴫᗵ 㪉䇭㪚㪪㪩ᵴേ 䋨䋱䋩㪚㪪㪩ᵴേ䈱ታᣉ 䋨䋲䋩㪚㪪㪩ᵴേ䈮ข䉍⚵䉃ℂ↱ 䋨䋳䋩ⅣႺ䈮㑐ㅪ䈜䉎㪚㪪㪩ᵴേ䈱ౝኈ 䋨䋴䋩㪚㪪㪩ᵴേ䈱䉝䊏䊷䊦ᣇᴺ 㪊䇭䈨䈒䉍䈱േะ䊶ᗧะ 䋨䋱䋩䈨䈒䉍䈱ታᣉ 䋨䋲䋩䈨䈒䉍䈱ౝኈ 䋨䋳䋩䈨䈒䉍䈱⺖㗴 䋨䋴䋩䇸ડᬺ䈱䈨䈒䉍䇹ᐲ䈱⍮ 䋨䋵䋩ᩔᧁ⋵䈮䉋䉎䇸ડᬺ䈱䈨䈒䉍䇹ᐲ䈻䈱⥝䇮ෳട䈱น⢻ᕈ 䋨䋶䋩ᩔᧁ⋵䈮䉋䉎䇸ડᬺ䈱䈨䈒䉍䇹ᐲ䈮ෳട䈜䉎䊜䊥䉾䊃 䋨䋷䋩ᩔᧁ⋵䈮䉋䉎䇸ડᬺ䈱䈨䈒䉍䇹ᐲ䈮䈍䈇䈩᳇䈮䈭䉎䈖䈫 න䋺␠䇮㩿㩼㪀 ᳓↥䊶ㄘᨋᬺ 㪉 㩿 㪋㪅㪈 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪌㪅㪐 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪋 㩿 㪊㪅㪊 㪀 ㋶ᬺ 㪈 㩿 㪉㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪇㪅㪏 㪀 ᑪ⸳ᬺ 㪈 㩿 㪉㪅㪇 㪀 㪋 㩿 㪈㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪉 㩿 㪈㪊㪅㪊 㪀 㪎 㩿 㪌㪅㪏 㪀 ㅧᬺ 㪈㪊 㩿 㪉㪍㪅㪌 㪀 㪈㪍 㩿 㪋㪇㪅㪇 㪀 㪈㪍 㩿 㪐㪋㪅㪈 㪀 㪌 㩿 㪊㪊㪅㪊 㪀 㪌㪇 㩿 㪋㪈㪅㪊 㪀 㔚᳇䊶䉧䉴ᬺ 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪉㪅㪌 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪇㪅㪏 㪀 ㆇャᬺ 㪈 㩿 㪉㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪉㪅㪌 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪉 㩿 㪈㪅㪎 㪀 ᖱႎ䊶ㅢାᬺ 㪈 㩿 㪉㪅㪇 㪀 㪊 㩿 㪎㪅㪌 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪋 㩿 㪊㪅㪊 㪀 ᄁᬺ 㪌 㩿 㪈㪇㪅㪉 㪀 㪎 㩿 㪈㪎㪅㪌 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪊 㩿 㪉㪇㪅㪇 㪀 㪈㪌 㩿 㪈㪉㪅㪋 㪀 ዊᄁ䇮ᄖ㘩↥ᬺ 㪏 㩿 㪈㪍㪅㪊 㪀 㪋 㩿 㪈㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈㪉 㩿 㪐㪅㪐 㪀 ㊄Ⲣ䊶㒾ᬺ 㪉 㩿 㪋㪅㪈 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪉 㩿 㪈㪅㪎 㪀 ਇേ↥ᬺ 㪈 㩿 㪉㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪉 㩿 㪈㪅㪎 㪀 ක≮䇮 㪈 㩿 㪉㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪇㪅㪏 㪀 䉰䊷䊎䉴ᬺ 㪈㪊 㩿 㪉㪍㪅㪌 㪀 㪋 㩿 㪈㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪊 㩿 㪉㪇㪅㪇 㪀 㪉㪇 㩿 㪈㪍㪅㪌 㪀 ว⸘ 㪋㪐 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪋㪇 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪎 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪌 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪉㪈 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 ᵈ䋺䋨㩼䋩䈲䇮ฦ࿁╵ᢙ䋯ฦ❑ว⸘ ᩔᧁ⋵ ᧄ␠ડᬺ ᩔᧁ⋵ 㑐ㅪᄢડᬺ 䇸✛䈱㊄䇹 ડᬺ ว⸘ 㩿㪥㪔㪈㪉㪈㪀 ⟲㚍⋵ ᧄ␠ડᬺ න䋺␠䇮㩿㩼㪀 㪌㪃㪇㪇㪇ਁᧂḩ 㪉㪉 㩿 㪋㪋㪅㪐 㪀 㪉㪇 㩿 㪌㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪐 㩿 㪍㪇㪅㪇 㪀 㪌㪈 㩿 㪋㪉㪅㪈 㪀 㪌㪃㪇㪇㪇ਁ䌾㪈ం 㪈㪇 㩿 㪉㪇㪅㪋 㪀 㪈㪈 㩿 㪉㪎㪅㪌 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪉㪉 㩿 㪈㪏㪅㪉 㪀 㪈ం䌾㪊ం 㪈㪇 㩿 㪉㪇㪅㪋 㪀 㪋 㩿 㪈㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪈㪌 㩿 㪈㪉㪅㪋 㪀 㪊ం䌾㪈㪇ం 㪉 㩿 㪋㪅㪈 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪊 㩿 㪉㪇㪅㪇 㪀 㪌 㩿 㪋㪅㪈 㪀 㪈㪇ంએ 㪌 㩿 㪈㪇㪅㪉 㪀 㪌 㩿 㪈㪉㪅㪌 㪀 㪈㪎 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪉㪏 㩿 㪉㪊㪅㪈 㪀 ว⸘ 㪋㪐 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪋㪇 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪎 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪌 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪉㪈 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 ᵈ䋺䋨㩼䋩䈲䇮ฦ࿁╵ᢙ䋯ฦ❑ว⸘ ᩔᧁ⋵ ᧄ␠ડᬺ 䇸✛䈱㊄䇹 ડᬺ ว⸘ 㩿㪥㪔㪈㪉㪈㪀 ᩔᧁ⋵ 㑐ㅪᄢડᬺ ⟲㚍⋵ ᧄ␠ડᬺ 表−3 4つの区分の企業の定義 表−4 アンケート回収率 表−5 アンケート質問項目 表−6 業種 表−7 資本金
5. 2 CSR 活動 CSR 活動を推進している企業(表−9)は、81.0%(98 社)である。「緑の募金」企業は、緑の募金を実施し ているので、これが CSR に該当すると考えられるが、 2社が CSR を推進していないと回答した。 CSR 活動に取り組む理由(表− 10)は、「企業とし て当然のこと、経営理念、社長の意向」 が 86.6%(84 社)で最も多く、「利益に結びつくことを期待して(将 来に向けての投資)」は 18.6%(18 社)にとどまった。 栃木県関連大企業は、「取引先などステークホルダー からの要請、社会の流れを受けて」 が 88.2%(15 社) であった。 CSR 活動を推進する企業のうち環境に関連する CSR活動を行っている企業は 75.5%(74 社)で、そ の内容(表− 11)は「温室効果ガスの排出削減」が 78.4%(58 社)で最も多く、次いで「ISO14001 など 環境関連の認証、認定取得」が 71.6%(53 社)、「環 境イベントなどの主催、共催、後援、参加」が 48.6% (36 社)となった。 CSR 活動のアピール方法(表− 12)は、「自社 HP 上でアピール」が 54.1%(53 社)で最も多く、次い で「CSR 報告書や会社案内等でアピール」が 38.8%(38 社)、「特にはアピールしていない」が 32.7%(32 社) となった。栃木県関連大企業以外は、あまりアピール していない傾向がある。 5. 3 森づくりの動向・意向 森づくりは表− 13 のように、31.7%(38 社)が実 施している。「緑の募金」企業は、緑の募金を実施し ているため 100%である。 森づくりの内容(表− 14)は、「緑の募金」企業の 回答を反映して、「緑の募金や植林などへの寄付」が 57.9%(22 社)で最も多く、次いで「従業員が森林ボ ランティアへ参加」が 47.4%(18 社)となった。 森づくりの課題(表− 15)は、「活動の成果を実感 しづらい」が 48.4%(15 社)で最も多く、次いで「本 業と結び付かない」、「資金や手間がかかる」が 29.0% (9社)となった。 「企業の森づくり」制度という存在を認知している 企業は表− 16 のように、36.2%(42 社)である。「企 業の森づくり」制度が存在する群馬県本社企業の方が、 制度が無い栃木県本社企業よりも「知っていた」と回 答した企業が 14.6 ポイント高い結果となった。 栃木県による「企業の森づくり」制度が創設された と仮定して、栃木県による「企業の森づくり」制度へ の興味、参加の可能性(表− 17)は、「興味はあるが、 参加には慎重になる」が 77.9%(60 社)で最も多く、「興 味があり、ぜひ参加したい」を合わせると 87%(67 社) が興味を持っている。 栃木県による「企業の森づくり」制度に参加するメ リット(表− 18)は、「広報、企業のイメージアップ」 න䋺␠䇮㩿㩼㪀 㕖Ᏹ䈮⦟䈇 㪉 㩿 㪋㪅㪊 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪉 㩿 㪈㪅㪎 㪀 ⦟䈇 㪈㪊 㩿 㪉㪎㪅㪎 㪀 㪈㪊 㩿 㪊㪋㪅㪉 㪀 㪋 㩿 㪉㪊㪅㪌 㪀 㪉 㩿 㪈㪊㪅㪊 㪀 㪊㪉 㩿 㪉㪎㪅㪋 㪀 ෩䈚䈇 㪉㪏 㩿 㪌㪐㪅㪍 㪀 㪈㪐 㩿 㪌㪇㪅㪇 㪀 㪈㪈 㩿 㪍㪋㪅㪎 㪀 㪈㪈 㩿 㪎㪊㪅㪊 㪀 㪍㪐 㩿 㪌㪐㪅㪇 㪀 㕖Ᏹ䈮෩䈚䈇 㪋 㩿 㪏㪅㪌 㪀 㪍 㩿 㪈㪌㪅㪏 㪀 㪉 㩿 㪈㪈㪅㪏 㪀 㪉 㩿 㪈㪊㪅㪊 㪀 㪈㪋 㩿 㪈㪉㪅㪇 㪀 ว⸘ 㪋㪎 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪊㪏 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪎 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪌 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪈㪎 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 ᵈ䋺䋨㩼䋩䈲䇮ฦ࿁╵ᢙ䋯ฦ❑ว⸘ ᩔᧁ⋵ ᧄ␠ડᬺ 䇸✛䈱㊄䇹 ડᬺ ว⸘ 㩿㪥㪔㪈㪈㪎㪀 ᩔᧁ⋵ 㑐ㅪᄢડᬺ ⟲㚍⋵ ᧄ␠ડᬺ න䋺␠䇮㩿㩼㪀 䈲䈇 㪍 㩿 㪈㪉㪅㪌 㪀 㪎 㩿 㪈㪎㪅㪌 㪀 㪈㪇 㩿 㪌㪏㪅㪏 㪀 㪈㪌 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪊㪏 㩿 㪊㪈㪅㪎 㪀 䈇䈇䈋 㪋㪉 㩿 㪏㪎㪅㪌 㪀 㪊㪊 㩿 㪏㪉㪅㪌 㪀 㪎 㩿 㪋㪈㪅㪉 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪏㪉 㩿 㪍㪏㪅㪊 㪀 ว⸘ 㪋㪏 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪋㪇 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪎 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪌 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 㪈㪉㪇 㩿 㪈㪇㪇㪅㪇 㪀 ᵈ䋺䋨㩼䋩䈲䇮ฦ࿁╵ᢙ䋯ฦ❑ว⸘ ว⸘ 㩿㪥㪔㪈㪉㪇㪀 ᩔᧁ⋵ ᧄ␠ડᬺ ᩔᧁ⋵ 㑐ㅪᄢડᬺ 䇸✛䈱㊄䇹 ડᬺ ⟲㚍⋵ ᧄ␠ડᬺ න䋺␠䇮㩿㩼㪀 䊶䇸ડᬺ䈱䈨䈒䉍䇹ᐲ䈻䈱ෳട 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪉 㩿 㪉㪏㪅㪍 㪀 㪌 㩿 㪌㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪏 㩿 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が 63.3%(50 社)で最も多く、次いで「森林整備に 貢献した満足感、CSR の達成」が 53.2%(42 社)、「体 験・交流活動」が 41.8%(33 社)であった。 栃木県による「企業の森づくり」制度において気に なること(表− 19)は、「必要な資金」が 48.1%(38 社) で最も多く、次いで「体験・交流活動の内容」、「森林・ 林業に対しての貢献度」が 35.4%(28 社)、「費用対効果」 が 31.6%(25 社)であった。 6. インタビュー調査結果 6. 1 A 社 A 社は、本社を東京都、本部を栃木県佐野市に置き、 佐野市葛生地区を中心に山から石灰石、ドロマイト等 を採掘し、大手鉄鋼メーカーに販売している。資本金 約2億円、従業員数 290 名、売上高 248 億円で東日本 を中心に事業を展開している。栃木県経済同友会に所 属し、栃木県内の有力企業のひとつである。 CSR、環境関連の活動に関しては、本業で大量に CO2を排出していることから、CO2排出の削減に取り 組んでいる。社内には公害防止委員会等があり、主に この委員会を通して地元住民と意見交換をしながら地 域環境への配慮に努めている。採掘した山は、必ず緑 化することにしている。A 社は、自社有林を約 300ha 所有しているが、これらの山林は、新たな採掘場所を 取得する際に、その土地所有者が売却後の代替地とし て森林の所有を希望する場合に備えたものである。し かし過去数十年間、そのような使途で自社有林を処分 したことはないため、森林組合に管理を委託し、組合 側から作業の提案があった際に随時、手入れをしてき た。 A 社は、栃木県による「企業の森づくり」制度に関 しては、「協力できることがあれば協力したい」と考 えている。制度への関わり方として、「体験・交流活 動に従業員を送り出す余裕は無く、社内にボランテ ィアの動きも無いので資金的な協力が有力ではない か」との考えである。本業で大量に CO2を排出して いることから、森づくりによる CO2吸収量の排出削 減対策への利用には関心を持っている。ただ、A 社は CSR活動を広報しておらず、あまり見返りを求めず に制度に貢献したいとの控えめな姿勢である。 6. 2 B 社 B 社は、本社が栃木県宇都宮市で、ハガキ、ポスタ ー、書籍などの印刷、製作を行う印刷メーカーである。 資本金は 9,900 万円、従業員数 101 名、関東近県を中 心に事業を展開している。栃木県経済同友会に所属し、 こちらも栃木県内の有力企業のひとつである。 CSR、環境関連の活動として、温室効果ガスの排 出削減はもちろん、ISO14001 の取得を予定している。 CSR活動としては、地域の情報誌の発行や、市民に よる緑地買い取りおよび保全活動の取り組みである 「グリーントラストうつのみや」の運営に立ち上げ当 初から積極的に関わるなど、地域に密着した活動を続 けている。 B 社は、栃木県による「企業の森づくり」制度に関 しては、「ぜひ協力したい」と考えている。その理由は、 社長が幼少から県内の自然に囲まれた場所で育ち、県 内の自然を守りたいという想いを持っているためであ る。制度においては、体験・交流活動に従業員を連れ ていきたいと考えている。しかし、地域社会への貢献 度と意識の高さにも関わらず、森づくりによる自社の アピールや CO2吸収量には積極的な関心を持ってい るとは言いがたい。A 社と同様に、企業活動への積極 的な見返りを求めない純粋なボランティア的要素が強 く受け取られる。地元との関係が深い企業におけるこ のような姿勢は、注目に値する。 7. まとめと考察 7. 1 まとめ アンケート調査の結果より、地元企業の森づくりに 関する動向・意向が明らかになった。 第一に、CSR 活動に関しては、地元企業の 80%が CSR活動を実施している。CSR 活動を実施している 地元企業のうち、75%が環境に関連する CSR 活動を 実施している。CSR 活動のアピールに関しては、地 元企業はあまり積極的な取組は見られず、大企業との 違いが鮮明に表れている。 第二に、森づくりの動向は、地元企業の約 15%が 実施しており、その内容は従業員による森づくりボラ ンティアや、寄付が多い。課題として、成果の実感の しづらさなどを挙げている。「企業の森づくり」制度 という存在の認知度は、栃木県本社企業は 25%、群 馬県本社企業で 40%、大企業で 60%であった。 第三に、栃木県による「企業の森づくり」制度に対 する意向は、80%以上の企業が興味を持ち、ぜひ参加 したいと回答した地元企業が7社あった。制度に参加 する企業のメリットとして、「広報、企業のイメージ アップ」、「CSR の達成」、「体験・交流活動」、制度に おいて気になることとして、「必要な資金」、「体験・ 交流活動の内容」、「森林・林業に対しての貢献度」が 上位に挙がった。 更に、インタビュー調査より地元企業の動向・意向 の一端を窺うことができた。インタビュー対象となっ た2社の共通点として、「企業の森づくり」制度への න䋺␠䇮㩿㩼㪀 㛎䊶ᵹᵴേ 㪉㪈 㩿 㪋㪋㪅㪎 㪀 㪈㪇 㩿 㪌㪏㪅㪏 㪀 㪉 㩿 㪈㪊㪅㪊 㪀 㪊㪊 㩿 㪋㪈㪅㪏 㪀 ᐢႎ䇮ડᬺ䈱䉟䊜䊷䉳䉝䉾䊒 㪉㪏 㩿 㪌㪐㪅㪍 㪀 㪈㪈 㩿 㪍㪋㪅㪎 㪀 㪈㪈 㩿 㪎㪊㪅㪊 㪀 㪌㪇 㩿 㪍㪊㪅㪊 㪀 㪚㪦㪉㩷ๆ⸽ᦠ䈱⊒ⴕ 㪏 㩿 㪈㪎㪅㪇 㪀 㪊 㩿 㪈㪎㪅㪍 㪀 㪉 㩿 㪈㪊㪅㪊 㪀 㪈㪊 㩿 㪈㪍㪅㪌 㪀 㪚㪪㪩㩷䈱㆐ᚑ 㪉㪍 㩿 㪌㪌㪅㪊 㪀 㪈㪇 㩿 㪌㪏㪅㪏 㪀 㪍 㩿 㪋㪇㪅㪇 㪀 㪋㪉 㩿 㪌㪊㪅㪉 㪀 ․䈮䊜䊥䉾䊃䈲ή䈇 㪌 㩿 㪈㪇㪅㪍 㪀 㪋 㩿 㪉㪊㪅㪌 㪀 㪊 㩿 㪉㪇㪅㪇 㪀 㪈㪉 㩿 㪈㪌㪅㪉 㪀 ࿁╵ડᬺᢙ 㪋㪎 㪈㪎 㪈㪌 㪎㪐 ᵈ䋺䋨㩼䋩䈲䇮ฦ࿁╵ᢙ䋯ฦ࿁╵ડᬺᢙ䇯ⶄᢙ࿁╵น䇯 ᩔᧁ⋵ ᧄ␠ડᬺ ᩔᧁ⋵ 㑐ㅪᄢડᬺ 䇸✛䈱㊄䇹 ડᬺ ว⸘ 㩿㪥㪔㪎㪐㪀 න䋺␠䇮㩿㩼㪀 㛎䊶ᵹᵴേ䈱ౝኈ 㪈㪏 㩿 㪊㪏㪅㪊 㪀 㪍 㩿 㪊㪌㪅㪊 㪀 㪋 㩿 㪉㪍㪅㪎 㪀 㪉㪏 㩿 㪊㪌㪅㪋 㪀 ᐢႎ䈱ലᨐ䇮ᣇᴺ 㪏 㩿 㪈㪎㪅㪇 㪀 㪌 㩿 㪉㪐㪅㪋 㪀 㪍 㩿 㪋㪇㪅㪇 㪀 㪈㪐 㩿 㪉㪋㪅㪈 㪀 㪚㪦㪉㩷ๆ⸽ᦠ䇮㪚㪦㪉㩷㑐ㅪ㗄 㪎 㩿 㪈㪋㪅㪐 㪀 㪊 㩿 㪈㪎㪅㪍 㪀 㪊 㩿 㪉㪇㪅㪇 㪀 㪈㪊 㩿 㪈㪍㪅㪌 㪀 ⴕ䈱䉰䊘䊷䊃 㪈㪈 㩿 㪉㪊㪅㪋 㪀 㪌 㩿 㪉㪐㪅㪋 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪈㪎 㩿 㪉㪈㪅㪌 㪀 ⾌↪ኻലᨐ 㪈㪊 㩿 㪉㪎㪅㪎 㪀 㪌 㩿 㪉㪐㪅㪋 㪀 㪎 㩿 㪋㪍㪅㪎 㪀 㪉㪌 㩿 㪊㪈㪅㪍 㪀 ၞ䇮㪥㪧㪦䈭䈬䈱දജ 㪊 㩿 㪍㪅㪋 㪀 㪌 㩿 㪉㪐㪅㪋 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪏 㩿 㪈㪇㪅㪈 㪀 ᔅⷐ䈭⾗㊄ 㪉㪈 㩿 㪋㪋㪅㪎 㪀 㪈㪇 㩿 㪌㪏㪅㪏 㪀 㪎 㩿 㪋㪍㪅㪎 㪀 㪊㪏 㩿 㪋㪏㪅㪈 㪀 ઁ␠䈱ෳടേะ 㪎 㩿 㪈㪋㪅㪐 㪀 㪉 㩿 㪈㪈㪅㪏 㪀 㪊 㩿 㪉㪇㪅㪇 㪀 㪈㪉 㩿 㪈㪌㪅㪉 㪀 ᨋ䊶ᨋᬺ䈮ኻ䈚䈩䈱⽸₂ᐲ 㪈㪊 㩿 㪉㪎㪅㪎 㪀 㪏 㩿 㪋㪎㪅㪈 㪀 㪎 㩿 㪋㪍㪅㪎 㪀 㪉㪏 㩿 㪊㪌㪅㪋 㪀 ․䈮᳇䈮䈭䉎䈖䈫䈲ή䈇 㪊 㩿 㪍㪅㪋 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪋 㩿 㪌㪅㪈 㪀 ࿁╵ડᬺᢙ 㪋㪎 㪈㪎 㪈㪌 㪎㪐 ᵈ䋺䋨㩼䋩䈲䇮ฦ࿁╵ᢙ䋯ฦ࿁╵ડᬺᢙ䇯ⶄᢙ࿁╵น䇯 ᩔᧁ⋵ ᧄ␠ડᬺ ᩔᧁ⋵ 㑐ㅪᄢડᬺ 䇸✛䈱㊄䇹 ડᬺ ว⸘ 㩿㪥㪔㪎㪐㪀 表− 18 栃木県による「企業の森づくり」制度に参加するメリット 表− 19 栃木県による「企業の森づくり」制度において気になること
参加を一般にアピールしたいという強い考えは無く、 あくまでも今までの活動の延長として協力できればと 考えている。ただ、制度への関わり方に関する考えに は違いがあり、A 社の場合は体験・交流活動に従業員 を派遣することは難しいとの理由で金銭的な支援が軸 になると考えている一方、B 社は社長が体験・交流活 動に従業員を連れて行きたいと考えている。2社の背 景として、A 社は本業で森林と深い関係があること、 B社は社長の生い立ちが「企業の森づくり」制度への 興味に影響を与えていると考えられる。そして、2社 とも栃木県内では有力な企業であり、県内における立 場が CSR を推進する力になっているとも考えられる。 7. 2 考察 7. 2. 1 栃木県による「企業の森づくり」制度への 地元企業の参加の可能性 地元企業の栃木県による「企業の森づくり」制度 への参加の可能性は高いと考える。その理由に、① CSR活動を実施する地元企業が 80%を占める(表− 9)、②栃木県による「企業の森づくり」制度に 85% 以上の地元企業が興味を持ち、うち7社はぜひ参加し たいと考えている(表− 17)、などの理由が挙げられ る。図−1のように森づくりのスタートとして企業の 森を設置する企業が出てくる可能性は十分にあると考 えられる。 しかし現状では、森づくりを実施する地元企業は少 なく(表− 13)、「企業の森づくり」制度というもの が存在することを認知している地元企業は 25%(表 − 16)など、森づくりはまだまだ馴染みが薄い。そ の一方で、アンケートを実施した 2008 年 10 月以降、 急激に経済環境が悪化し、「企業の森づくり」制度へ 参加する余裕が無くなっているとも考えられるが、企 業の業績、景況感との関係をクロス表(表− 20)で 見てみると、業績、景況感が厳しいと回答しているに も関わらず「企業の森づくり」制度への興味を示して いることも注目すべきであろう。 7. 2. 2 「企業の森づくり」制度に企業の参加を促 す方策 田村(2008)の青森県による「企業の森づくり」制 度への提言を参考に、栃木県による「企業の森づくり」 制度に企業の参加を促す方策について考える。 まず制度の内容は、従業員によるボランティア活動 に限定する必要は必ずしもないと考えられる。各企業 の論理や規模が異なる中でも、企業にとってメリット と感じる内容は、アピールはもちろんだが、地域・社 会・環境への貢献、社員教育であると考えられる(表 −1、2、18、19)。行政は図−1のような多様な展 開を企業に提示し、各企業の要望に応じてコーディネ ートできる仕組みを作るべきである。インタビュー調 査から、地元企業にとってこのような制度を経営戦略 上の事項として意識するという視点は特に見られなか った。行政のコーディネート力が、成功の鍵を握って いるとも言える。 次に、CO2吸収量の認証・評価制度であるが、栃木 県の地元企業はあまり関心が高くなかった(表− 18、 19)。しかし、インタビュー調査の A 社のような中堅 規模のメーカーにはメリットがあり、認証・評価制度 に取り組むべきであると考えられる。 そして、行政が情報発信を行う必要は大いにある。 「企業の森づくり」制度で特に気になること(表− 19)として、「必要な資金」、「体験・交流活動の内容」、「森 林・林業に対しての貢献度」が上位に挙がった。企業 にとっては「企業の森づくり」制度において、どのく らいの費用でどの程度の貢献度がなされるのかが、企 業戦略上の関心事項となっていることがうかがえる。 行政側としては、これまでの事例紹介などを通して、 費用、活動内容、森林・林業への貢献度などを分かり やすく提供する必要がある。それらの大前提として、 行政が地域の状況を踏まえて、「企業の森づくり」制 度の目的を明確に定めることが不可欠である。 7. 2. 3 栃木県の動きと今後の展望 栃木県は、2008(平成 20)年度より、県内の個人・ 法人を対象にした「とちぎの元気な森づくり県民税」 を導入した。これによって法人は均等割額の7%が徴 収されることとなった。年間約 8 億円の税収が見込ま れ、課税期間は 2008 年度から 10 年間である。2009 (平成 21)年度の当税による事業実績は約 10 億 1000 万円で、県による奥山林整備事業と市町による里山林 整備事業、および人材育成や広報、事業の評価・検証 などが実施されている。この税によるソフト事業のな かで、「とちぎ森づくり情報センター」事業が実施さ れ、県内の森づくり活動を支援するポータルサイトが 設けられ、森づくりの活動場所を探す企業の窓口とし て機能し始めた。アンケートの自由記入欄にみるよう に、「森林環境税を納めているので二重の活動になる」、 「『企業の森づくり』制度における森林環境税の資金の 流れや運用方法が特に重要」などの意見もみられ、「企 業の森づくり」制度と森林環境税との制度設計上の目 的、成果、課題等を納税者と関係者によりわかり易く 示す必要がある。 これらの動きとほぼ並行して、2009(平成 21)年 度からは「企業等による森づくり推進事業」が制度化 された。この制度は、企業等、栃木県、市町、森林所 有者の4者が協定を締結するもので、①企業等は、森 林の保全・整備活動に必要な人員や資金等を提供、② 市町は、地域との交流促進をはかり、③森林所有者は 活動場所を提供し、④栃木県・森づくり情報センター は、森林所有者と企業との斡旋・仲介、および両者の 森林整備方針の調整、森林の保全・整備活動のための 技術支援、活動状況の PR などを行う、というもので න䋺␠䇮㩿㩼㪀 㛎䊶ᵹᵴേ䈱ౝኈ 㪈㪏 㩿 㪊㪏㪅㪊 㪀 㪍 㩿 㪊㪌㪅㪊 㪀 㪋 㩿 㪉㪍㪅㪎 㪀 㪉㪏 㩿 㪊㪌㪅㪋 㪀 ᐢႎ䈱ലᨐ䇮ᣇᴺ 㪏 㩿 㪈㪎㪅㪇 㪀 㪌 㩿 㪉㪐㪅㪋 㪀 㪍 㩿 㪋㪇㪅㪇 㪀 㪈㪐 㩿 㪉㪋㪅㪈 㪀 㪚㪦㪉㩷ๆ⸽ᦠ䇮㪚㪦㪉㩷㑐ㅪ㗄 㪎 㩿 㪈㪋㪅㪐 㪀 㪊 㩿 㪈㪎㪅㪍 㪀 㪊 㩿 㪉㪇㪅㪇 㪀 㪈㪊 㩿 㪈㪍㪅㪌 㪀 ⴕ䈱䉰䊘䊷䊃 㪈㪈 㩿 㪉㪊㪅㪋 㪀 㪌 㩿 㪉㪐㪅㪋 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪈㪎 㩿 㪉㪈㪅㪌 㪀 ⾌↪ኻലᨐ 㪈㪊 㩿 㪉㪎㪅㪎 㪀 㪌 㩿 㪉㪐㪅㪋 㪀 㪎 㩿 㪋㪍㪅㪎 㪀 㪉㪌 㩿 㪊㪈㪅㪍 㪀 ၞ䇮㪥㪧㪦䈭䈬䈱දജ 㪊 㩿 㪍㪅㪋 㪀 㪌 㩿 㪉㪐㪅㪋 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪏 㩿 㪈㪇㪅㪈 㪀 ᔅⷐ䈭⾗㊄ 㪉㪈 㩿 㪋㪋㪅㪎 㪀 㪈㪇 㩿 㪌㪏㪅㪏 㪀 㪎 㩿 㪋㪍㪅㪎 㪀 㪊㪏 㩿 㪋㪏㪅㪈 㪀 ઁ␠䈱ෳടേะ 㪎 㩿 㪈㪋㪅㪐 㪀 㪉 㩿 㪈㪈㪅㪏 㪀 㪊 㩿 㪉㪇㪅㪇 㪀 㪈㪉 㩿 㪈㪌㪅㪉 㪀 ᨋ䊶ᨋᬺ䈮ኻ䈚䈩䈱⽸₂ᐲ 㪈㪊 㩿 㪉㪎㪅㪎 㪀 㪏 㩿 㪋㪎㪅㪈 㪀 㪎 㩿 㪋㪍㪅㪎 㪀 㪉㪏 㩿 㪊㪌㪅㪋 㪀 ․䈮᳇䈮䈭䉎䈖䈫䈲ή䈇 㪊 㩿 㪍㪅㪋 㪀 㪇 㩿 㪇㪅㪇 㪀 㪈 㩿 㪍㪅㪎 㪀 㪋 㩿 㪌㪅㪈 㪀 ࿁╵ડᬺᢙ 㪋㪎 㪈㪎 㪈㪌 㪎㪐 ᵈ䋺䋨㩼䋩䈲䇮ฦ࿁╵ᢙ䋯ฦ࿁╵ડᬺᢙ䇯ⶄᢙ࿁╵น䇯 ᩔᧁ⋵ ᧄ␠ડᬺ ᩔᧁ⋵ 㑐ㅪᄢડᬺ 䇸✛䈱㊄䇹 ડᬺ ว⸘ 㩿㪥㪔㪎㪐㪀 表− 20 業績、景況感と栃木県による「企業の森づくり」制度への興味、参加の可能性のクロス集計
ある。 2009(平成 21)年 10 月に、社団法人栃木県トラッ ク協会、栃木県、矢板市の3者が森づくりに関する協 定を締結し、栃木県による「企業の森づくり」制度が 本格的に動き出した。初年度には、矢板市の県有地に てスギ 14 年生 1.66ha の間伐と、コナラ、ミズナラな ど広葉樹 0.50ha の植栽が行われた9)。同協会が「企業 の森づくり」制度に参加した理由は、中央団体の社団 法人全日本トラック協会をはじめ、他の都道府県のト ラック協会も積極的に森づくりを進めている背景があ るからである。制度への参加に関して会員からの反対 は特になく、森づくり活動には積極的に参加する会員 もいる。制度への参加や森づくり活動は、地元紙にも 取り上げられるなど注目されている10)。 7. 3 今後の研究課題 本研究は、「企業の森づくり」制度に関する動向・ 意向を把握するにとどまっている。これまでの各種調 査で企業の動向・意向がある程度明らかになってきて おり、今後は受け入れる地域の状況を把握し、「企業 の森づくり」制度を森林・林業、地域の問題にどのよ うに位置づけるかを議論する必要がある。 併せて、事例を通して「企業の森づくり」制度のプ ロセスを追い、その過程で生じた問題やその問題の解 決方法などを明らかにし、企業が参加しやすい仕組み を考える必要がある。最近では、企業の森づくり活動 の評価方法(鳥越ら,2008)や、「企業の森づくり」 制度への法的ルールづけ(神山,2009)の検討など、 制度を適切に促進させるための多方面からの具体的な 研究も出てきている。企業や地域の多様性を前提に、 「企業の森づくり」制度の多様な展開(図−1)によ る新規参入と継続性の確保について検討することが、 今後の研究課題として求められる。 注 1) 本研究における 「企業の森づくり」制度 とい う言葉は、例えば全国林業改良普及協会(2008) の 企業等の森林づくり活動支援制度 と同様の 意味で用いている。また、本研究での 森づくり とは、森林整備、森林保全活動など森林に関わ る幅広い活動を指すことにする。ちなみに上田 (2010)は 企業の森づくり を、「企業が CSR の一環、社会貢献活動として資金や社員ボラン ティアを提供して行う森林整備活動、ならびに それらと共に行われる森林環境教育や普及啓発 活動、森林ボランティア団体支援など」である としている。 2) 地元企業とは、県内に本社がある企業で、大半 は地域に密着して事業を展開する中小企業であ る。本稿のアンケート調査では、栃木県本社企 業と、「緑の募金」企業のうち栃木県に本社のあ る企業が、地元企業に該当する。
3) CSR と は Corporate Social Responsibility の 略 で、 企業の社会的責任と訳される。CSR の議論につ いては古賀(2005)などを参照されたいが、筆 者は企業の CSR への流れを利用して、多くの企 業を森づくりに取り込むべきではないかと考え ている。 4) 大阪府では条例で特定事業者への温暖化対策計 画と報告の提出を義務付けており、そこに「企 業の森づくり」制度による CO2吸収量を削減対 策の1つとして評価できる(小林,2008)。 5) 現代林業編集部(2005)において、サントリー ㈱の環境部部長は、協議会方式の森づくりを進 めるスタンスを以下のように語っている。「未来 永劫私たちだけで森づくりが支えられるもので はありません。多くの地元企業さんにも参画し ていただくことも必要です。そして地域の皆さ ん、地域の企業さん、そして自治体を含め、地 域の森を大事にしていくという心を一つにして みんなが参画して行かないと、持続性というと ころでたちどころに壁にぶつかると思います。」 6) 例えば、和歌山県は造林未済地対策を目的に森 林整備課が担当しており、高知県は間伐による 公有林整備と地域交流に焦点を当て、地元市町 村が主体になっている。 7) 全国林業改良普及協会(2008)による。ただし、 栃木県では 2005 年度より「協働水源の森づくり 推進事業」が創設され、2007 年度まで表− 21 の 企業、団体が森づくりを実施している(栃木県 環境森林部へのインタビューより)。 8) 4つの区分の企業の各抽出方法と特徴は、表− 22 の通りである。栃木県本社企業と群馬県本社 企業の中に零細企業は含まれず、地元の有力企 業はほぼ網羅できたと考えている。栃木県関連 大企業は、抽出方法により大半が製造業である。 「緑の募金」企業は、規模や本社所在地はさまざ まである。 9) 前述「協働水源の森づくり推進事業」では私有 林での事業実績もみられるが、栃木県の「企業 の森づくり」制度では今のところ県有林や市町 有林が中心となっている(栃木県への電話イン タビューより)。 ❣ ታᣉ࿅ฬ ታᣉ႐ᚲ ᬺታᣉᤨᦼ ᬺ▎ᚲ㕙Ⓧ㩿㪿㪸㪀 ෳടੱᢙ ᬀᩱᧄᢙ Ⴎ⼱ਛቇᩞ㪧㪫㪘 Ⴎ⼱↸ 㪉㪇㪇㪍ᐕ㪊 㪇㪅㪊㪇 㪏㪎 㪌㪈㪊 ᣣᧄ䉮䊛䉲䉴䊺 ᩔᧁᡰᐫ ᣣశᏒ 㪉㪇㪇㪍ᐕ㪐 㪇㪅㪈㪉 㪐㪎 㪉㪋㪇 䉲䊞䊷䊒䊺 ⍫᧼Ꮢ 㪉㪇㪇㪎ᐕ㪊 㪇㪅㪏㪍 㪈㪇㪉 㪉㪇㪇 䉲䊞䊷䊒䊺 ⍫᧼Ꮢ 㪉㪇㪇㪎ᐕ㪈㪈 㪈㪅㪉㪋 㪌㪇 㪈㪃㪌㪇㪇 ን჻ㅢ䊺 ㇊㗇Ꮏ႐ Ⴎ⼱↸ 㪉㪇㪇㪎ᐕ㪈㪈 㪇㪅㪈㪈 㪊㪇 㪈㪌㪇 ⾗ᢱ䋺ᩔᧁ⋵ⅣႺᨋㇱ䈱⾗ᢱ䉋䉍 䉝䊮䉬䊷䊃ኻ⽎ડᬺ ᣇᴺ䊶․ᓽ ᩔᧁ⋵ᧄ␠ડᬺ ⟲㚍⋵ᧄ␠ડᬺ 䇭㵰䊙䉟䊅䊎㪉㪇㪇㪐䇮䊥䉪䊅䊎㪉㪇㪇㪐䇮ᣣ⚻䊅䊎㪉㪇㪇㪐䇮㪲㪼㫅㪴ቇ↢䈱ዞ ⡯ᖱႎ㪉㪇㪇㪐䇮䈚䉅䈧䈔㪗㪥㪘㪭㪠㪉㪇㪇㪐㵱䈱ฦዞ⡯ᖱႎ䉰䉟䊃䉋䉍ᧄ ␠䉕⛉䉍ㄟ䉖䈪䊥䉴䊃䉝䉾䊒䈚䈢䇯ᣇᴺ䈱㑐ଥ䈪䇮ⵍડ ᬺ䈲ᄢඨ䈏⾗ᧄ㊄㪈㪃㪇㪇㪇ਁએ䈱ડᬺ䈪䈅䉍䇮㔖⚦ડᬺ䈲 䉁䉏䈭䈇䇯 ᩔᧁ⋵㑐ㅪᄢડᬺ 䇭ᐔᚑ㪈㪏ᐕ ᩔᧁ⋵↥ᬺ࿅┙ડᬺ৻ⷩ䉋䉍䇮Ꮐ⸥䈱᧦ઙ 䈱ડᬺ䉕ో䈩䊥䉴䊃䉝䉾䊒䈚䈢䇯ᣇᴺ䈱㑐ଥ䈪䇮ⵍડᬺ 䈲ㅧᬺ䈏ᄢඨ䉕භ䉄䈩䈇䉎䇯 䇸✛䈱㊄䇹ડᬺ 䇭㩿␠㪀ᩔᧁ⋵✛ൻផㅴᆔຬળ䉋䉍䇮㪉㪇㪇㪎ᐕᐲ䈫㪉㪇㪇㪏ᐕᐲ㪏䉁 䈪䈱䍀✛䈱㊄䍁৻ⷩ䉕ᚻ䈚䇮ડᬺ䊶࿅㊄䇮⡯႐㊄䉕 ⴕ䈦䈢ో䈩䈱ડᬺ䉕䊥䉴䊃䉝䉾䊒䈚䈢䇯 表− 21 協働水源の森づくり推進事業の実績 表− 22 アンケート調査対象企業の抽出方法
10) 社団法人栃木県トラック協会への電話インタビ ューより。 引用文献 1) 現代林業編集部:インタビュー 水を使う企業 の森林づくりの考え方 サントリー㈱環境部部 長 公文正人さん,現代林業,471,p18-22(2005) 2) 伊藤涼子・佐藤宣子・堺正紘:企業による森林・ 林業支援−森林整備負担多様化の中で−,九州 森林研究,57,p10-13(2004) 3) 企業の森林整備活動に関する検討会:企業の森 林整備・保全活動の促進について,p7-8(2006) 4) 木俣知大:各都道府県の「企業の森づくり」支 援制度・プログラムの特色,森づくりコミッシ ョン中央研修会報告書,p78-81(2008) 5) 小林紀之:温暖化と森林 地球益を守る−世界と 地域の持続可能ビジョン,日本林業調査会,東京, 226pp(2008) 6) 古賀純一郎:CSR の最前線,NTT 出版,東京, (2005) 7) 神山智美:環境 CSR としての森づくり事業への 法的規制を考える−環境 CSR がより的確に行わ れるための手法の一考察−,人間環境学研究, 7(2),p137-142(2009) 8) 国土緑化推進機構:「企業の森づくり」に係るア ンケート調査結果,(2006) 9) 田村早苗:企業参加の森づくり活動推進に向け た調査研究報告書,(2008) 10) 田坂広志:目に見えない資本主義,東洋経済新 報社,東京,(2009) 11) 栃木県商工労働観光部産業政策課監修:平成 18 年版栃木県産業団地立地企業一覧,栃木県工業 団地管理連絡協議会,栃木県,(2006) 12) とちぎの元気な森づくり県民税事業評価委員会: 平成 21 年度 とちぎの元気な森づくり県民税事業 評価報告書,p1-15(2010) 13) 鳥越悠佑・興梠克久・木俣知大:企業の森林保 全活動の評価,九州森林研究,61,p5-8(2008) 14) 上田ゆかり:2006 年度東証一部上場企業の森づ くり活動,木材情報,225,p5-8(2010) 15) 全 国 林 業 改 良 普 及 協 会: 企 業 等 に よ る 森 林 づ くり活動に対する都道府県の支援等調査結果, (2008) 参考資料:アンケート自由記入欄 ● 弊社の規模では、資金・時間・人員的に無理。 大企業がリーダー的存在になって、巻き込んで くれた方が参加しやすいのかも。 ● 多くの方が気軽に参加できる仕組みづくりが必 要だと感じた。企業のみならず、各種団体のネ ットワークが必要ではないか。 ● CSR や環境保全・森林整備は、社会や自然との 共生の意味で大変重要と考えている。ただし、 制度として税や拠出金で事業運営された場合、 資金の流れや運用方法の透明性が特に重要と考 える。地方行政や天下り法人による不適切な資 金運用や不正会計処理が次々と明らかになって いる現状では、一般社会の環境保全に対する良 いイメージを利用されかねないと危惧している。 ● 企業、県民から税金として徴収し、それを原資 として森林整備を進めていくという森林環境税 が同様の役目を果たしているのではないか。二 重の活動と受け止められる。 ● 森林環境税を国税とすべきである。 ● 森林の手入れは緊急の課題なので、行政が中心 になって進めるべきだ。山を守る林業の皆様へ の公的支援は当然のことだと思う。 ● 身の丈に合った CSR 活動を心がけている。「お金 を出す・使う」だけのメセナや社会貢献ではなく、 「知恵・技術・経験・人・時間」などソフトとハ ード両面から CSR 活動を捉えるべきだ。林業を 守ることと、森林を守ることが同一とは思わな い。また、林業を守ることが CSR とは思わない。 ● 森林整備において、杉、ヒノキへの偏重には疑 問を持っている。現在、林業に大量の税が投入 されているが、産業としては価格競争力、品質 において成立していないと思う。政策の転換を はかり、コナラなどの雑木を植え、保水、海洋 資源の育成、野生生物の保護に力を傾けるべき だ。 ● 先日、エコもりフェアに参加した。そこで、森 林整備の必要性・重要性を学び、共感した。当 社は、光学部品を製造するので純水を使用し、 水資源には特に関心があり、上流の森林が重要 な役割を果たしていることも認識している。行 政が主体になって、民間企業にも参加できる環 境が整えられたならば、前向きに検討したい。 ● 森林整備については、水源確保、漁業への貢献 等で非常に興味のあるテーマ。 ● 私は、社有林及び社長家の森林を管理する役目 を負っている。間伐や下草刈りなどの実務は全 て森林組合などに依頼している。ここで気にな るのが、企業はお金を出すだけで、実際に作業 する森林組合の人達は年寄りばかりで後継者が いるのか不安である。 ● 森林組合は、今のままの補助金制度では、本当 の意味で森林の保護・育成になっていない。土 木業者化してしまっている。