-2- People & Environ. 46(1) 2020
京都府立大学生命環境科学研究科,〒 606-8522 京都市左京区下鴨半木町 1-5 *連絡責任者:[email protected] [原 著]
気候変動対策の捉え方と脱炭素社会への態度の関係
―心理的気候パラドックスの視点からの現状分析―
木原浩貴 *・羽原康成・金 悠希・松原斎樹The relationship between how to grasp countermeasures for climate change
and the attitude necessary for a decarbonized society
Hirotaka KIHARA *, Yasunari HABARA, Yuhui KIM and Naoki MATSUBARA
摘 要 気候変動問題に関する科学的解明が進みその情報が伝わっても,社会変革の重要性の認識は高まらな い。この状態は「心理的気候パラドックス」と呼ばれており,これを生み出す心理的障壁に応じて気候 コミュニケーションの在り方を再考することが求められている。障壁は国や文化によって異なることか ら,それぞれの実情を把握することが必要である。 本研究では,日本における気候変動問題や対策の捉え方に関するインターネット調査を行い,構造方 程式モデリング及び非階層クラスタ分析の結果から,日本の現状を整理した。特に,障壁のひとつとさ れる認知的不協和に着目して考察を行った。 結果,下記の点が明らかとなった。第 1 に,居住地域や性別に関係なく,多くの人が気候変動対策を 「室内の暑さ寒さなどの我慢を伴うもの」と捉えている。第 2 に,脱炭素社会への態度は倫理観に基づ く責任感や,対策の経済への影響の受け止め方に規定される。暮らしの快適さや便利さの向上と脱炭素 社会は連想されていない。第 3 に,障壁のうち「拒否」を抱える群が一定数存在する。この群は 30 代・ 男性が有意に多い。第 4 に,危機感はあるが対策の影響をネガティブに捉える群が最大の割合を占めて おり,40 代が有意に多い。ポジティブに捉える群よりも脱炭素社会の支持度は有意に低く,フレーミン グや認知的不協和が心理的気候パラドックスにつながっていることが確認できる。 障壁を抱えたまま危機感を高めるコミュニケーションを行っても,脱炭素社会づくりの社会的重要性 の認識は高まらず,逆に拒否が強まる可能性もある。心理的気候パラドックスの理論と日本の実情を踏 まえて気候コミュニケーションを行う必要があると考えられる。 Abstract
Even if there is sufficient information on climate change issues, the importance of social change will not increase. This state is called the “psychological climate paradox”, and it is required to reconsider the way climate communication works in response to the psychological barriers that create it. Since barriers differ depending on the country and culture, it is necessary to grasp the actual situation.
-3- -2- 人間と環境,46巻1号,2020 1997 年の地球温暖化防止京都会議の折の最新 の科学的知見は,気候変動に関する政府間パネル (IPCC)が発表した第 2 次評価報告書であり,同 報告書は「地球温暖化の進行を止めるためには温 室効果ガスの排出量を将来的に 1990 年の排出量 を下回るまで削減する必要がある」としていた。 これを受けた京都議定書の目標は,「先進国全体で 90 年比 5%削減」であった。 一方,2013 年の第 5 次評価報告書は,気温上昇 が CO2等の累積排出量と比例すること,つまり, CO2等の排出量を実質的にゼロにしなければ気候 変動は止まらないことを示した。これを受けて 2015 年に採択されたパリ協定は,温室効果ガスの 人為的排出と吸収を均衡させた「脱炭素社会」を 目標に掲げた。 現在は,日常の生活や事業活動における身近な 環境配慮行動によって温室効果ガス排出を数%抑 えることが目指されていた京都議定書のフェーズ から,「排出量実質ゼロ」を目指すパリ協定の フェーズへの大きな移行期にある。 加えて,IPCC は 2018 年に「1.5℃特別報告書」 1.はじめに 気候変動の影響は,すでに目に見える形で現れ てきている。例えば日本における 2018 年 7 月の熱 中症死亡者数は 1,000 人を超え,同年の猛暑日日 数は延べ 6,000 地点を超えて過去最高を更新した。 Imada, et al(2018)は,工業化以降の人為起源に よる温室効果ガスの排出に伴う地球温暖化を考慮 しなければこの猛暑は起こりえなかったことを明 らかにしている。 気候変動問題は,日常の生活とも強く関わる問 題である。そこで,個人に着目し,意識や態度, 行動の関係について,現状を把握し分析する研究 が積み重ねられてきた(澤島ら 2004,小田ら,2007; 松原ら,2012; 松原,2013; 高田,2015; 白澤ら, 2015; 森ら,2016; 福坂ら,2016; 小野寺ら,2018; 松原ら 2018; 金ら,2019)。生活者目線でのこうし た研究が,生活に根ざした対策を推進する力と なってきた。 しかし,現在,気候変動問題を取り巻く状況は 急速に変化している。
and organized the current state of Japan from the results of structural equation modeling and non-hierarchical cluster analysis. In particular, we focused on cognitive dissonance that is one of the barriers.
As a result, the following points became clear. First, regardless of the area of residence or gender, many people view climate change measures as “with patience such as indoor heat and cold”. Second, the attitude toward a decarbonized society is defined by a sense of responsibility based on ethics and how to take into account the impact of measures on the economy. Improving the comfort and convenience of living and decarbonizing society is not associated. Third, there are a certain number of groups that have barriers “denial”. This group has significantly more 30s and men. Fourth, the group that has a sense of climate crisis but the group that perceives the negative impact of countermeasures accounts for the largest proportion, and the group has significantly more 40s. The support of decarbonized society is significantly lower than the positive group, the psychological climate paradox is linked with the framing or cognitive dissonance.
Even if communication that raises the sense of crisis with barriers is held, the recognition of the social importance of creating a decarbonized society will not increase, and conversely, refusal may increase. We think that it is necessary to conduct climate communication based on the psychological climate paradox theory and the actual situation in Japan.
キーワード:気候変動,脱炭素社会,心理的気候パラドックス,認知的不協和,アンケート調査 Key words:Climate change, Decarbonized society, Psychological climate paradox, Cognitive dissonance,
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を発表し,産業革命以降の気温上昇を 1.5℃未満に 抑えるためには,2050 年頃までに脱炭素社会を実 現する必要があることを明らかにした。この急速 な変化を実現するためには,パラダイムシフトが 必要である。 しかし,気候変動問題の認知と危機感が高まっ たとしても,人々の認識の中で気候変動問題の重 要性は必ずしも高まるわけではない(Lorenzoni & Pidgeon, 2006)。この原因は,情報不足ではなく, 心理的障壁であると指摘されている(Lorenzoni, et al, 2007; Gifford, 2011; Pidgeon, 2012)。
Stoknes(2014)は,気候変動に関する科学的解 明が進み,その情報は充分に存在するにも関わら ず,変化の必要性を心が受け入れられずに社会的 重要課題として認識されない状態を「心理的気候 パラドックス(Psychological climate paradox)」 と呼び,これを引き起こす障壁(Barriers)を, 下 記の 5 つの「D」に整理した。そして,現行の気 候コミュニケーションは心理的気候パラドックス を強める可能性があり,コミュニケーションの在 り方を再考する必要があると主張している。 障 壁の第 1 は距 離 が あると捉えられること (Distant)である。気候変動問題は,時間的・空間 的に自分から遠い問題だと捉えられている。距離 がある問題は割り引いて認識されることから,これ が大きな障壁となる(Swim et al, 2009; Pidgeon, 2012)。日本における調査でも,気候変動の被害は 自らから遠いところほど大きいと認識されている ことが明らかとなっており1),この障壁の影響は 大きいと言える。 第 2 は 運 命(Doom) を 含 む フ レ ー ミ ン グ (Framing)の問題である。気候コミュニケーショ ンは,障壁を強めるフレームを提供している可能 性がある。例えば,気候変動対策はコストの増大 を招く問題だとフレーミングされた場合,野心的な 対策は支持されない(Newell & Pitman, 2010)。こ れには,人には損失回避性があること(Kahneman, 2012)が関係している。また,気候変動による自 然災害のリスクを強調し恐怖を抱かせる気候コ ミュニケーションは,関心を高めることはできる が,対策の重要性の認識を上げる効果は無く,逆 にマイナスに働く(O’Neill & Nicholson, 2009)。
第 3 は認知的不協和1)(Dissonance)である。例 えば移動で車を使うべきではない,肉食を減らす べきだといった認識が,欲求との不協和を生み, これが気候変動対策をしないための言い訳を探す ことにつながると指摘される(Stoll-Kleemann et al, 2001)。 第 4 は拒否(Denial)である。人は,対処可能 であると認識してはじめて,その問題を重大な問 題と認識することから,気候変動問題が解決不能 な問題だと捉えられた場合,問題の存在自体が否 定される可能性がある(Krosnick et al, 2006)。拒 否は,いわゆる「懐疑論」という積極的な形で表 現されることもあるが,多くの場合,気候変動に 関するニュースや会話を飛ばすという方法で行わ れる(Hamilton & Kasser, 2009)。拒否は,他の 障壁とも密接に関連するが,Stoknes(2014)は, これを独立したより強い障壁と定義している。 第 5 はアイデンティティ(iDentity)である。例 えば,アメリカでは,民主党と共和党の支持者間 で,気候変動に対する意識の差が拡大している。 環境問題が民主党による主張と捉えられると,保 守にアイデンティティを感じる人からは受け入れ られ難いことが示されている(Hamilton, 2011)。 運命については背景にキリスト教的概念が存在 すると考えられ,この宗教観をベースとしない人 にはイメージが難しいかもしれない。また,アイ デンティティに関しては,日本においてはアメリ カほど支持政党による差があるとは考えにくい。 Stoknes による 5 分類のうち,日本においてどの 障壁がどの程度効いているかは,あらためて検証 する必要があるが,ここで筆者らが注目するのは, 第 2~3 の障壁,とりわけ 3 の認知的不協和であ る。なぜならば,日本で一般的に行われている, 生活の中での身近な対策の実践を促すコミュニ ケーションが,パラドックスを強める方向に働く 可能性があることを示しているからである。 認知的不協和には,気候変動「問題」だけではな く,気候変動「対策」の捉えられ方が大きく影響す る。World Wide Views on Climate and energy に よる調査結果2)によれば,「気候変動対策はあな
たにとってどのようなものか」という設問におい て「多くの場合,生活の質を高めるものである」 と回答した人の割合は,世界平均が 66%であった のに対し,日本は 17%であった(図 1)。木原
-5- -4- 人間と環境,46巻1号,2020 (2016),上園(2017),的場(2017),的場ら(2018), 久保田(2018)などにより,気候変動対策が地域 の諸課題解決,生活の質の向上につながる可能性 を示す報告がなされているが,図 1 からは,少な くとも日本においては,こうした認識を持つ人は 少数であると言える。ニスベット(2004)は,西 洋と東洋では情報の認識の仕方に大きな差異があ り,西洋が分析的,要素還元的に物事を捉えるの に対し,日本,中国,韓国は共通して,単独では なく周囲との関係の中で物事を捉えることを,豊 富な調査結果をもとに論じている。しかし,図 1 では,中国及び韓国の数値は世界平均と類似して おり,日本は明らかに異質であって,ニスベット の理論では説明できない。日本では,「我慢の省エ ネ」が強調されており,これにより他国よりも強 い認知的不協和が発生し,心理的気候パラドック スを増大させている可能性があると考えられる。 この点が,筆者らが注目するところである。 Gifford(2011)は,心理的気候パラドックスを 生み出す障壁は,背景や文化によって異なること から,集団ごとの障壁を調査する必要があると指 摘している。したがって,日本における心理的気 候パラドックスを検討するためには,日本におい て調査を行い,上記のような特殊性が生まれる背 景を明らかにすることが不可欠である。 これまで日本では,広瀬(1994)や,これに続 く三阪(2004),大友(2004)などにより,個人の 環境配慮行動の意思決定プロセスに関する分析が 行われてきた。また,気候変動問題に対する国民 の認識の変化を国際比較した研究(青柳 ,2005)や, 気候変動の影響の認知が緩和策や適応策の心理的 障壁解消につながることを明らかにした研究(白 井,2014)も行われている。政府も,関連する世 論調査3)や実態調査4)を行っている。しかし,対 策の捉え方と社会変革の支持度の関係を心理的気 候パラドックスの観点から調査した研究はほとん ど見当たらない。木原ら(2018)は,大学生を対 象とした調査をもとに,多くの人が気候変動対策 は我慢を伴うものと捉えており,これが脱炭素社 会の支持度を弱める原因となっている可能性を示 しているが,大学生以外の状況は不明である。 2020 年にパリ協定が実施期間を迎えるという大 きな転換期にある今,日本においても気候コミュ ニケーションのあり方を検討する必要性がますま す高くなっている。検討のためには,現状を把握 することが不可欠である。そこで本研究は,日本 における気候変動対策の捉え方について全世代を 対象とする実態調査を行い,「脱炭素社会への態 度」の規定因を分析して「対策の捉え方」の影響 を明らかにし,ここから心理的気候パラドックス の存在を確認することを試みた。また,気候変動 問題や対策の捉え方の個人差に着目して回答者を 類型化し,居住地域,年代,性別等との関係を分 析することにより,どのような人がどのような障 壁を抱えているかを明らかにすることを狙った。 2.方法 2018 年 12 月 28 日から 2019 年 1 月 4 日に,リ サーチ会社に登録するモニターを対象としてイン ターネットによるアンケートを実施した。 本調査のサンプルは,モニター登録者であり, 母集団の代表性には注意を要する。ただし,総務 省5)によれば,インターネット利用率は 10 代後半 から 50 代では 90%以上,60~64 歳でも 81.2%で ある。また,アンケート配信時には,回答の早い 登録者にサンプルが偏らないよう調査会社によっ て配慮されている。これらから,本研究において は,母集団を広く一般市民と設定し,結果を母集 団の推定に利用することとした。なお,二段階抽 出法等による質問紙調査ではなくインターネット 図 1 気候変動対策の捉え方の国際比較 (注 1 のデータより作成) 1 図 1 気候変動対策の捉え方の国際比較 (注1のデータより作成) 0 20 40 60 80 100 世界平均 アメリカ ドイツ 中国 韓国 日本 多くの場合、生活の質を脅かすものである 多くの場合、生活の質を高めるものである 生活の質に影響を与えないものである わからない/答えたくない
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調査を採用した理由は,調査コストの制約の他,回 答者に追加調査を行い,動画での情報提供による 態度変容を調べることを想定したことによる。 設問は,気候変動の知識,気候変動対策の捉え 方,気候変動問題の捉え方,脱炭素社会への態度, 政策の支持度,対策の実践度,その他に関する全 46 問とした。その他には,澤島ら(2004)や福坂 ら(2016)が使用した価値観の尺度を盛り込んだ。 気候変動対策の捉え方部分の設問も,これら先行 研究の設問を参照して作成した。これらの尺度を 間隔尺度とみなせるかどうかには議論の余地があ るが,ここでは,回答のヒストグラムの形状及び 歪度から正規分布とみなせると判断し,4 件法も しくは 5 件法の回答(1~4 または 1~5)を便宜的 に間隔尺度とみなして,水準ごとの平均値の比較, 構造方程式モデルの構築,クラスタ分析等に用い ることとした。解析には IBM SPSS statistics 25 及び IBM SPSS AMOS 25 を使用した。有意差の 判定は基本的に 5%水準で行った。 なお,調査票では,多くの人に馴染みが深いと 考えられる「地球温暖化」という語を用いたが, 本論文中では「気候変動」を用いる。 3.結果 3.1 単純集計結果及び属性との関係 事前に予備調査を行い回答の意思を示した 3,210 人に本調査を配信したところ,有効回答数6) は 2,024(有効回答割合 63.1%)であった。回答者 の属性を表 1 に示す。回答者の属性を表 1 に示す。 なお 10 代の回答者は 15~19 歳である。 設問の内容と単純集計結果を表 2 に示す。 「①–1 人為的影響」は多くの人が認識していた ものの,「①–4 パリ協定目標」を「ある程度知っ ていた」または「よく知っていた」は 40.3%,「① –5 日本目標」は 33.1%であった。 気候変動対策の捉え方を尋ねた設問では,「② –1 暑さ寒さ」「②–2 便利不便」において「我慢を 伴う」側の選択率がそれぞれ 65.5%,69.3%であ り,逆に「我慢から開放される」側は 14.3%,10.8% であった。同様に「②–6 高齢者暮らし」,「②–7 低所得者暮らし」も「苦しくなる」側がそれぞれ 43.0%,42.6%であり「楽になる」側の 18.6%, 18.4%の 2 倍以上であった。 気候変動の捉え方は,「③–1 被害深刻」及び「③ –2 未来心配」において「そう思う」側の回答がい ずれも 68.2%であり,「そう思わない」側は 13% 未満であった。「③–6 損をしても」,「③–7 基本的 人権」も,「そう思う」側の回答が多かった。 脱炭素社会への大きな変化を受け入れるつもり かどうかを尋ねた「④–1 変化受け入れ」において 「そう思う」側を選択した人は約半数であったが, 「④–3 達成可能」では 33.4%であり,達成可能と 考える人の方が少なかった。 政策の支持度では,「⑤–3 公共交通支援」,「⑤ –4 再エネ支援」など多くの設問で「賛成」側の回 答が多かったが,「⑤–5 原発支援」は回答が別れ た。なお,政策の支持度の設問では,政策の推進 により個人の負担が増える可能性があることを踏 まえて回答するよう注意を求めている。 対策の実践度については,「⑥–1 照明テレビ」, 「⑥–2 シャワー洗面」など個人が日常的にできる 対策の実践度は高かったが,「⑥–4 電力小売選択」 は,「実践している」側の回答が 16.5%であった。 「⑦–6 エコ好き」,「⑦–7 温暖化関心」では,「そ う思わない」側の回答がそれぞれ 12.2%,15.9% と,少ないながらも一定数存在した。 単純集計結果に偏りがあった「②–1 暑さ寒さ」 「②–2 便利不便」「③–1 被害深刻」「③–2 未来心 配」「④–3 達成可能」の 5 項目について,性別及 び居住地域との関係を以下のように分析した。 表 1 回答者の属性
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表 1 回答者の属性
10代 20代 30代 40代 50代 60代~ 男性 155 162 167 170 178 184 1016 女性 170 149 168 170 175 176 1008 325 311 335 340 353 360 2024 合計 年代 合計 性別-7- -6- 人間と環境,46巻1号,2020 表 2 設問の内容及び単純集計結果 まず,性別について Welch の t 検定を行ったと こ ろ,「 ②–1 暑 さ 寒 さ 」(t(2020.505)=–0.148, p=.882),「②–2 便利不便」(t(2019.622)=–0.125, p=.901)では有意差は無かった。「③–1 被害深刻」 では,統計上の有意差は確認されたものの,その 差 は ほ と ん ど 無 か っ た(t(2009.095)=–4.347, p=.000, d=0.19)。「③–2 未来心配」では,男性に 比べて女性の方が,気候変動が進む未来を強く心
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表 2 設問の内容及び単純集計結果
1 2 3 4 5 ①気候変動の知識 (1.全く知らなかった 2.少し知っていた 3. ある程度知っていた 4.よく知っていた) ①-1 人為的影響 人間活動によるCO2等が地球温暖化を引き起こしている可能性が極めて高い 7.5 30.4 39.2 22.8 - ①-2 実質ゼロ 温暖化を止めるためには、人間が出すCO2等の量をゼロにしなければならない 19.7 30.6 36.7 13.0 - ①-3 パリ協定存在 「パリ協定」という世界の約束ができて、世界のあらゆる国が参加している 17.7 30.2 36.1 16.0 - ①-4 パリ協定目標 世界は今世紀の後半の温室効果ガス排出実質ゼロを目指すことに合意している 27.6 32.1 28.1 12.2 - ①-5 日本目標 日本は、2050年までの温室効果ガス排出80%削減を目標としている 33.4 33.5 23.3 9.8 - ②気候変動対策の捉え方 (1.Aだと思う 2.ややAだと思う 3.どちらでもない 4.ややBだと思う 5.Bだと思う) ②-1 暑さ寒さ 多くの場合、A.室内の暑さ寒さの我慢を伴う / B.我慢から開放される 19.1 46.4 20.3 12.5 1.8 ②-2 便利不便 多くの場合、A不便さの我慢を伴う / B.我慢から開放される 18.4 50.9 19.9 9.6 1.2 ②-3 こまめ方法 日常生活のこまめな対策のA,やり方がわからない / B.やり方がわかる 6.6 28.3 25.5 33.0 6.6 ②-4 こまめ損得 日常生活のこまめな対策はA,金銭的に損になる/ B.得になる 4.3 17.5 30.2 37.6 10.3 ②-5 投資損得 省エネ型の家電・住宅など投資を伴う対策はA.金銭的に損になる/ B.得になる 4.5 20.4 30.2 36.0 8.9 ②-6 高齢者暮らし 温暖化対策の推進によりA.高齢者の暮らしは苦しくなる / B.楽になる 9.1 33.9 38.4 16.1 2.5 ②-7 低所得者暮らし 温暖化対策の推進によりA.低所得者の暮らしは苦しくなる / B.楽になる 9.4 33.2 39.0 15.8 2.6 ②-8 地域経済 温暖化対策の推進によりA.地域の経済は疲弊する / B.活性化する 6.0 24.1 42.7 23.2 4.1 ②-9 国経済 温暖化対策の推進によりA.国の経済は疲弊する / B.活性化する 5.5 24.8 41.6 24.4 3.8 ③気候変動問題の捉え方 (1.そう思わない 2.ややそう思わない 3.どちらでもない 4.ややそう思う 5.そう思う) ③-1 被害深刻 地球温暖化の被害は今後ますます深刻になる 3.3 9.6 18.9 39.1 29.1 ③-2 未来心配 地球温暖化が進む未来がとても心配だ 3.8 8.6 19.3 37.9 30.3 ③-3 生活が要因 自分自身の生活が地球温暖化の要因になっている 4.6 9.8 37.1 38.2 10.3 ③-4 対処有効 自分自身が行う対策は温暖化防止に有効だ 4.6 14.1 47.3 27.2 6.8 ③-5 社会から期待 温暖化防止につながる自分の行動は、周りや社会から期待されている 9.4 16.6 46.9 21.6 5.4 ③-6 損をしても 金銭的に損をしても地球温暖化対策に取り組むべきだ 5.4 10.7 39.5 32.6 11.7 ③-7 基本的人権 地球温暖化問題は、途上国に住む人や未来世代の基本的人権に関わる問題だ 3.8 9.6 35.8 35.1 15.7 ④脱炭素社会への態度 (1.そう思わない 2.ややそう思わない 3.どちらでもない 4.ややそう思う 5.そう思う) ④-1 変化受け入れ 温室効果ガス排出ゼロの社会への大きな変化を受け入れるつもりだ 4.0 10.0 39.2 34.6 12.2 ④-2 達成必須 「温室効果ガス排出 実質ゼロ」は、必ず達成すべきだ 4.5 12.2 39.4 30.9 13.0 ④-3 達成可能 「温室効果ガス排出 実質ゼロ」は、今後の対策次第では達成可能だ 7.4 17.7 41.6 25.1 8.3 ⑤政策の支持度 (1.反対 2.やや反対 3.どちらでもない 4.やや賛成 5.賛成) ⑤-1 住宅省エネ義務 住宅新築時の断熱基準達成を義務化する 2.5 8.0 39.3 32.0 18.1 ⑤-2 公営住宅断熱 主に低所得者等が入居する公営住宅の断熱改修を公的な資金で行う 3.7 10.6 39.0 30.5 16.2 ⑤-3 公共交通支援 電車やバスなどの公共交通機関の充実のための公的な支援を行う 2.3 5.5 32.4 40.5 19.3 ⑤-4 再エネ支援 再生可能エネルギー利用促進のための公的な支援を行う 2.6 7.3 32.9 35.3 21.9 ⑤-5 原発支援 原子力発電の利用促進のための公的な支援を行う 17.8 12.8 37.3 21.3 10.8 ⑤-6 石炭火発規制 燃料費は安いがCO2排出の多い石炭火力発電所の建設を規制する 3.9 9.2 45.3 28.2 13.5 ⑤-7 CO2課税 CO2排出の量に応じて税金をかける 6.5 12.7 41.1 27.7 12.0 ⑤-8 途上国支援 途上国の地球温暖化対策・災害対策に資金援助を行う 4.9 10.0 43.6 29.4 12.1 ⑥対策の実践度(1.実践していない 2.どちらかというと実践していない 3.どちらでもない 4.どちらかというと実践している 5.実践している) ⑥-1 照明テレビ 照明やテレビをつけっぱなしにしない 2.8 8.1 15.0 36.6 37.5 ⑥-2シャワー洗面 シャワーや洗面の時にお湯を出しっぱなしにしない 3.5 8.8 15.8 33.0 38.9 ⑥-3 温熱環境工夫 冬は断熱マット、夏はすだれなどを使い、暑さ寒さを緩和する 7.8 14.9 26.7 29.3 21.2 ⑥-4 電力小売選択 CO2排出の少ない電力小売会社から電気を買う 51.1 16.1 16.8 10.7 5.2 ⑥-5 家電等選択 省エネ性能の高い家電製品や車を選択する 37.5 15.1 31.8 10.6 5.0 ⑥-6 断熱住宅 断熱性能の高い住宅に住む 14.2 15.9 30.4 29.5 10.0 ⑥-7 自宅太陽光 自宅に太陽光発電システムを設置する 21.8 16.1 34.4 19.0 8.7 ⑦その他(志向や住宅の状況) (1.Aに近い 2.ややAに近い 3.どちらでもない 4.ややBに近い 5.Bに近い) ⑦-1 物質/精神 A.物質的な豊かさを重視する / B.精神的な豊かさを重視する 4.0 18.8 28.6 38.1 10.5 ⑦-2 都会/農村 A.都会的な生活を好む / B.農村的な生活を好む 12.0 31.6 28.8 21.5 6.1 ⑦-3 寒がり A.寒がりではない / B.寒がりである 5.9 16.6 22.1 31.5 23.8 ⑦-4 暑がり A.暑がりではない / B.暑がりである 5.8 18.8 21.9 33.3 20.2 ⑦-5 公共交通 自宅がある場所は A.公共交通が不便だ / B.公共交通が便利だ 12.5 20.1 20.0 26.3 21.1 ⑦-6 エコ好き A.「エコ」という言葉が嫌いだ / B.「エコ」という言葉が好きだ 3.0 9.2 38.7 36.3 12.7 ⑦-7 温暖化関心 A.温暖化問題への関心は低い / B.温暖化問題への関心は高い 3.9 12.6 31.4 37.2 14.9 論文中の表記 質問内容 結果(%) n=2024-8- People & Environ. 46(1) 2020
配していることが確認された。ただしその差は小 さかった(t(1994.562=–6.154, p=.000, d=0.27)。 「④–3 達成可能」では,性別による有意差は無かっ た(t(2001.644)=–0.973, p=.331)。 居住地域(北海道,東北,関東,中部,関西, 中国,四国,九州・沖縄)を要因とする Welch の 一元配置分散分析を行ったが,「④–3 達成可能」 以外の 4 項目において,要因の効果は有意ではな かった。(「②–1 暑さ寒さ」:(F(7, 357.015)=1.123, p=.285),「②–2 便利不便」:(F(7, 355.915)=0.884, p=.519),「③–1 被害深刻」:(F(7, 358.414)=1.098, p=.364),③–2「未来心配」(F(7, 358.819)=1.733, p=.100))。また「④–3 達成可能」は,統計上の有 意差は確認されたものの,その効果はほとんどな かった(F(7, 356.607)=2.391, p=.021, η2=.008)。 3.2 脱炭素社会への態度の規定因 脱炭素社会への態度が,どのような認識や態度 によって規定されているのかを明らかにするた め,構造方程式モデリングによる分析を行った。 仮説段階では,「脱炭素社会への態度」が,個人 の金銭的損得感情による「個人的損得」,地域の経 済や社会的弱者の暮らし,温熱環境などを含む「生 活の質」,そして気候変動対策をどれだけ自身の問 題として深刻に受け止めているかを表す「責任感」 の 3 つの潜在変数及び残差によって規定されるこ とを想定した。そして,「個人的損得」は重要な規 定因にはならず,「生活の質」と「責任感」が規定 因になると考えた。この仮説に基づいて構築した モ デ ル が 図 2 で あ る( 以 下, 仮 説 モ デ ル )。 G F I =. 9 5 0 ,A G F I =. 9 2 4 ,A I C =8 2 7 . 3 5 6 , RMSEA=.065 であり,ある程度の適合度を持つモ デルと言える。ただし,仮説では「生活の質」か ら「快適生活」へのパス係数が大きいことを想定 していたが,実際には .47 に留まった。また「快 適生活」の決定係数は .23 であった。これらから, 仮説モデルは改良の可能性があると判断した。 改良方法を探るため,アンケート調査項目の② 気候変動対策の捉え方及び③気候変動問題の捉え 方の 16 項目を用いて因子分析(最尤法,プロマッ クス法)を行った。初回の分析の後,共通性が .114 と極端に低い「② -3 こまめ方法」を除いて再び分 析を行ったところ,固有値が 1 を超える 3 因子が 抽出された。表 3 に各項目の因子負荷量を示す。3 因子の累積寄与率は 45.305%であった。 第 1 因子は,気候変動問題の捉え方に関する項 目の因子負荷量が高く,問題を自分自身に関わる 問題として重く受け止めているかどうか重視され ている。そこで第 1 因子を「責任感」因子と名付 けた。第 2 因子は,気候変動対策の推進が国や地 域経済,個人の金銭的損得,低所得者や高齢者の 暮らしに与える影響に関する負荷量が高い。よっ て第 2 因子を「経済性」因子と名付けた。第 3 因 子は,気候変動対策の推進が住宅の温熱環境や生 活の便利さに与える影響に関する項目の因子負荷 量が高い。また,負荷量が 0.4 以下であるが,「② –7 低所得者の暮らし」や「②–6 高齢者の暮らし」 の因子負荷量も比較的高い。そこで第 3 因子を「生 図 2 脱炭素社会の受容度の規定因 仮説モデル 4 図 2 脱炭素社会の受容度の規定因 仮説モデル
-9- -8- 人間と環境,46巻1号,2020 活の質」因子と名付けた。 抽出された 3 因子を潜在変数として採用し,仮 説モデルと同じ観測変数を用いてモデルを再構築 した(図 3)。GFI=.966,AGFI=.948,AIC=581.097, RMSEA=.052 であり,全ての指標が仮説モデル よりも改善された(以下,採用モデルとする)。 仮説モデルと採用モデルの主な違いは,第 1 に 社会経済と個人的損得がともに「経済性」の影響 を受けるモデルとなり,「生活の質」から切り離さ れた点である。第 2 に,「生活の質」から「脱炭素 社会への態度」へのパスが無い点である。これは, 当該パスを描いた状態でモデルを構築したもの 表 3 因子分析結果
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表 3 因子分析結果
第1因子 第2因子 第3因子 ③-3 生活が要因 .693 -.053 .000 .461 ③-6 損をしても .679 -.016 .110 .440 ③-2 未来心配 .660 .117 -.262 .607 ③-7 基本的人権 .634 .003 -.093 .432 ③-4 対処有効 .631 -.027 .222 .386 ③-5 社会から期待 .630 -.131 .341 .379 ③-1 被害深刻 .577 .133 -.342 .555 ②-9 国経済 -.042 .789 .045 .628 ②-8 地域経済 -.036 .764 .059 .599 ②-4 こまめ損得 .018 .490 -.144 .225 ②-5 投資損得 .015 .478 -.076 .217 ②-7 低所得者暮らし .019 .436 .301 .363 ②-6 高齢者暮らし .024 .423 .384 .429 ②-1 暑さ寒さ .025 -.050 .751 .537 ②-2 便利不便 .047 .020 .734 .539 寄与率(累積寄与率) 22.378 16.484 6.443 (45.305) 因子相関 第2因子 .331-
-
行列 第3因子 -.170 .302-
最尤法、プロマックス法で得られたパターン行列 共通性 質問項目 因子と因子負荷量 図 3 脱炭素社会の受容度の規定因 採用モデル 6 図 3 脱炭素社会の受容度の規定因 採用モデル-10- People & Environ. 46(1) 2020
の,パスが有意にならなかったので(p=.077)削 除したことによる。 「脱炭素社会への態度」の決定係数は .86 であり, これを規定するパス係数は,「責任感」からが .89, 「経済性」からは .12 であった。また「生活の質」 から「快適生活」へのパス係数は .94 であり,「快 適生活」の決定係数は .88 であった。 3.3 捉え方の個人差と影響 気候変動問題や気候変動対策の捉え方の違いが 脱炭素社会への態度や政策の支持度に与える影響 を明らかにするためにクラスタ分析を行った。前 節の因子分析による因子得点を用いて,k-means 法による非階層クラスタ分析により回答者を 4 つ のクラスタに分類した。最終クラスタ中心位置を 表 4 に示す。 属性とクラスタの関係を表 5 に示す。性別とクラ ス タ に は 有 意 な 関 連 が あ っ た(χ(3)=27.680, 2 p<.000, Cramer’s V=.117)。残差分析を行ったとこ ろ,クラスタ 2(以降 C–2。他のクラスタも同様) は男性が,C–4 は女性が有意に多い結果が得られ た。特に C–2 では男性が女性の 2 倍に達していた。 年代とクラスタには有意な関連が確認された (χ(15)=132.954, p<.000, Cramer’s V=.148)。残2 差分析を行ったところ,C–1 は 20 代が,C–2 は 30 代が,C–3 は 40 代が,C–4 は 50 代及び 60 代 以上が 1%水準で有意に多い結果となった。 なお,表には示していないが,居住エリアとク 表 4 最終クラスタ中心位置
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表4 最終クラスタ中心位置
C-1 C-2 C-3 C-4 判断 保留群 気候変動 懐疑群 高危機感・ ネガティブ群 高危機感・ ポジティブ群 責任感 -0.557 -1.580 0.276 0.753 経済性 0.135 -1.321 -0.480 0.890 生活の質 0.845 -0.202 -0.746 0.117 表 5 属性とクラスタの関係 8 表 5 属性とクラスタの関係 度数 304 123 ** 333 256 * 調整済残差 1.2 4.7 -1.6 -2.5 度数 278 61 ** 364 305 * 調整済残差 -1.2 -4.7 1.6 2.5 度数 102 16 ** 119 88 調整済残差 1.1 -2.9 0.9 -0.3 度数 135 ** 29 78 ** 69 * 調整済残差 6.2 0.2 -3.8 -2.4 度数 111 52 ** 102 70 ** 調整済残差 1.9 4.5 -1.7 -3.1 度数 95 37 141 ** 67 ** 調整済残差 -0.4 1.3 3.0 -3.6 度数 67 ** 30 130 126 ** 調整済残差 -4.5 -0.4 1.0 3.7 度数 72 ** 20 ** 127 141 ** 調整済残差 -4.0 -2.6 0.4 5.4 *:5%水準で有意 **:1%水準で有意 網掛けは有意に多いセル 年代 性別 男性 女性 10代 30代 20代 40代 50代 60代~ C-1 C-2 C-3 C-4 判断 保留群 気候変動 懐疑群 高危機感・ ネガティブ群 高危機感・ ポジティブ群
-11- -10- 人間と環境,46巻1号,2020 ラ ス タ に は 関 連 が 見 ら れ な か っ た(χ(21)2 =31.347, p=.068)。また,職業とクラスタには, 統計上の有意な関連が確認されたが,実質的な差 はほとんどなかった (χ2(30)=49.778, p=.013, Cramer’s V=.013)。 5 件法を用いた設問②~⑦の平均得点をクラス タ別に比較したのが表 6 である。クラスタを要因と する Welch の一元配置分散分析を行ったところ, 全ての項目で有意な効果が認められたが,⑤–5 原 発支援,⑦–3 寒がり,⑦–4 暑がり,⑦–5 公共交 通に関しては実質的な差がほとんど無かった。 続いて Games-Howell 法による多重比較を行っ た。特徴的な結果を以下に記す。 「③–1 被害深刻」では,C–3,C–4 間のみに有 意差が無く(p=.230),「③–2 未来心配」では,全 ての水準間に有意差が確認されたものの C–3 と C–4 の差は小さかった(p=.000, d=0.31)。「③–3 生活が要因」及び「③–7 基本的人権」においても 同様で,全ての水準間に有意差が確認されたが, C–3 と C–4 の差は小さかった(いずれも p=.000, d=0.32)。ただし「③–6 損をしても」では C–3, C–4 間に中程度(p=.000, d=0.57)の有意差があっ た。全体として,C–3 と C–4 は気候変動を自身 に関わる深刻な問題と捉えており,C–2 はその逆 で,C–1 はどちらにも偏らない回答をしていた。 「②–1 暑さ寒さ」では,全水準間に有意差が見 られたものの,C–1 を除き,全体に気候変動対策 は暑さ寒さを我慢するものと捉える傾向にあっ た。同様に,「②–2 便利不便」においても,C–1 以外は,便利さを我慢するものと捉える傾向に あった。なお,この 2 つの設問で平均点が有意に 最も低かったのは,C–3 であった。 「②–6 高齢者暮らし」及び「②–7 低所得者暮ら し」では,いずれも C–1,C–4 間では有意差が無 く(それぞれ p=.503, p=.190),ネガティブ側に もポジティブ側にも偏らない回答であった。C–2 及び C–3 は,気候変動対策により高齢者や低所得 者の暮らしは苦しくなると捉えていた。C–3,C–4 間には,いずれの項目でも大きな有意差(②–6 高 齢者暮らし:p=.000, d=1.18, ②–7 低所得者暮ら し:p=.000, d=1.04)があった。 「②–8 地域経済」及び「②–9 国経済」では,ク ラスタごとに有意に異なる傾向を示しており,ポ ジティブに捉えている順に,C–4,C–1,C–3, C–2 であった。ここでも C–3 はネガティブ側を 選ぶ傾向があり,C–3,C–4 間には大きな有意差 (②–8 地域経済:p=.000, d=1.63, ②–9 国経済: p=.000, d=1.73)があった。 ④脱炭素社会への態度に関する項目では,「④ –1 変化受け入れ」においては,C–4 が最も平均 値が高く,次いで C–3 であった。C–1 はどちら にも偏らず,C–2 は「受け入れられない」側の回 答が多かった。いずれの水準間にも中程度以上 (d>0.5)の有意な差があった。「④–3 達成可能」 の平均値は,全てのクラスタで「④–1 変化受け入 れ」に比べて低かったが,差がとりわけ大きかっ たのは C–3 であった。全ての水準間で有意差が確 認され,達成可能と捉える傾向にあったのは C–4 のみであった。C–3,C–4 間には中程度(p=.000, d=0.57)の差があった。 ⑤政策の支持度に関する項目では,「⑤–1 住宅 省エネ義務」において,C–1 及び C–2 は賛否どち らにも偏らない回答を示した。C–3 及び C–4 は賛 成側の回答が多く,回答には小さな有意差(p=.000, d=0.33)が見られた。「⑤–6 石炭火発規制」でも 同様に C–3 及び 4 は賛成側の回答が多く,その間 には小さな有意差(p=.000, d=0.26)が見られた。 4.考察 4.1 気候変動対策の捉え方 本調査結果によれば,多くの人は気候変動対策 を「住宅の暑さや寒さを我慢するもの」と捉えて おり,夏はできるだけ冷房を使わず,冬は設定温 度を抑えて寒さに耐えるような対策がイメージさ れていると言える。なお,C–1 は,全ての項目で ネガティブ側にもポジティブ側にも偏らない回答 をしており,中庸的な選択肢を好む,あるいは判断 を避ける傾向にある層と考えられる。この特性を 踏まえて表 6 を見れば,実質的にはほとんどの人 が対策を「我慢を伴うもの」と捉えていると解釈 できる。回答には,地域による差異は無い。北海 道や東北など,厳しい寒さにさらされ住宅の断熱 性能の価値が理解されやすい地域と,関東以西と で回答の差がなかったことは,注目すべきである。 一方,パリ協定の採択を受けて 2016 年に閣議決 定された日本の地球温暖化対策計画では,「4.『国
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表 6 クラスタ別の平均値と一元配置分散分析の結果
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表 6 クラスタ別の平均値と一元配置分散分析の結果
C-1 C-2 C-3 C-4 判断 保留群 気候変動 懐疑群 高危機感・ ネガティブ群 高危機感・ ポジティブ群 1 暑さ寒さ 3.08 2.03 1.73 2.34 .000 .312 2 便利不便 2.90 1.90 1.69 2.36 .000 .296 3 こまめ方法 3.05 2.53 2.86 3.44 .000 .070 4 こまめ損得 3.20 2.65 3.17 3.84 .000 .124 5 投資損得 3.18 2.59 3.03 3.79 .000 .131 6 高齢者暮らし 3.08 1.98 2.18 3.15 .000 .272 7 低所得者暮らし 3.03 1.99 2.24 3.13 .000 .231 8 地域経済 3.13 1.94 2.48 3.69 .000 .378 9 国経済 3.15 1.90 2.47 3.72 .000 .413 1 被害深刻 3.04 2.40 4.34 4.41 .000 .480 2 未来心配 3.10 2.25 4.30 4.50 .000 .500 3 生活が要因 3.01 2.25 3.63 3.89 .000 .270 4 対処有効 3.01 2.27 3.14 3.69 .000 .190 5 社会から期待 2.91 2.08 2.88 3.44 .000 .140 6 損をしても 3.05 2.16 3.43 3.93 .000 .250 7 基本的人権 2.97 2.47 3.76 4.03 .000 .290 1 変化受け入れ 3.00 2.38 3.54 4.01 .000 .270 2 達成必須 2.94 2.21 3.51 3.98 .000 .284 3 達成可能 2.89 2.26 3.05 3.63 .000 .148 1 住宅省エネ義務 3.20 2.94 3.67 3.97 .000 .134 2 公営住宅断熱 3.17 3.04 3.56 3.73 .000 .063 3 公共交通支援 3.33 3.29 3.85 4.00 .000 .102 4 再エネ支援 3.20 3.02 3.88 4.10 .000 .173 5 原発支援* 3.05 2.89 2.92 2.88 .043 .003 6 石炭火発規制 3.04 2.88 3.51 3.75 .000 .109 7 CO2課税 2.95 2.56 3.39 3.65 .000 .111 8 途上国支援 3.02 2.64 3.48 3.72 .000 .127 1 照明テレビ 3.68 3.68 4.09 4.25 .000 .053 2 シャワー洗面 3.62 3.63 4.06 4.26 .000 .061 3 温熱環境工夫 3.24 2.94 3.41 3.75 .000 .043 4 電力小売選択 2.62 1.89 2.06 2.43 .000 .047 5 家電等選択 2.86 2.52 3.01 3.48 .000 .063 6 断熱住宅 2.77 2.42 2.62 3.07 .000 .028 7 自宅太陽光 2.29 1.66 1.72 2.02 .000 .035 1 物質/精神 3.28 3.06 3.23 3.57 .000 .025 2 都会/農村 2.91 2.58 2.65 2.88 .000 .014 3 寒がり* 3.36 3.49 3.61 3.54 .001 .008 4 暑がり* 3.35 3.38 3.58 3.34 .001 .009 5 公共交通* 3.16 3.05 3.21 3.40 .003 .007 6 エコ好き 3.24 2.67 3.48 3.94 .000 .153 7 温暖化関心 3.18 2.68 3.51 3.97 .000 .145 *ほとんど差がない項目(η2<.01) η2 ③気候変動問題 の捉え方 ④脱炭素社会 支持度 ⑤政策の支持度 ⑥対策の実践度 ⑦その他 p ②気候変動対策 の捉え方-13- -12- 人間と環境,46巻1号,2020 民』の基本的役割」に「冷暖房時の室温の適正化 を図る」という文言は存在するものの,直後には 「健康面への配慮や快適性など豊かさのある低炭 素住宅の選択」,「省エネルギー機器への買換え」 が謳われている。住宅及び住宅設備の省エネル ギー化が気候変動対策の柱とされており,少なく とも文言上は我慢を強いる対策は盛り込まれてい ない。そして,住宅の高断熱化は,様々な共便益 をもたらすことが明らかとなっており(伊香賀ら , 2011),逆に,過度な我慢を伴う省エネルギーのリ スクが指摘されているところである。つまり,現 在国や専門家が想定する気候変動対策と,国民が 抱くイメージとの間には乖離があると言える。 「②–2 便利不便」においても,多くの人が「我 慢を伴うもの」と捉える傾向は同じであった。こ うした「気候変動対策は個人が我慢によって行う もの」という認識が,気候変動対策が高齢者や低 所得者の暮らしを苦しくすると捉えることにつな がっていると考えられる。 Stoknes(2014)が整理したとおり,気候変動対 策に関する認知的不協和は社会づくりにおける気 候変動対策の重要性の認識を弱める方向に働く。 総じて,日本では気候変動対策はネガティブに捉 えられており,これが心理的気候パラドックスを 強めることにつながっていると推察される。 また,脱炭素社会に関する質問においては,「実 現可能だ」と捉える人よりも「変化を受け入れら れる」と捉える人の方が多い。つまり,「よくわか らないが,受け入れる」と回答する人が一定数存 在する。脱炭素社会は,具体的なイメージをもと に,現実的なものとして積極的に支持されている わけではなく,責任感から,いわば,しかたなく 「変化は受容すべきもの」と捉えられている可能性 があると推察される。 4.2 脱炭素社会への態度の規定因 脱炭素社会への態度の規定因について,構造方 程式モデルをもとに考察する。 まずは仮説モデルから得られる知見について。 「個人的損得」から「脱炭素社会への態度」のパス 係数は,有意にマイナスであった。つまり「気候変 動対策は金銭的に得をする」と認識しても,この認 識が脱炭素社会への態度の積極性向上にはつなが らず,逆に低下する可能性がある。現状の気候コ ミュニケーションにおいては,行動変容を促すため に個人の金銭的メリットが強調されることが多々 あるが,仮に行動変容につながったとしても,脱炭 素社会への態度の変容につながるかどうかは疑問 である。金銭的インセンティブが道徳的な価値観を 損なうことが指摘されており(Sandel, 2012),意図 とは逆の効果を生む危険性に注意すべきである。 採用モデルにおいては,気候変動対策が「生活 の質」に与える影響に関する認識のポジティブさ は,「脱炭素社会への態度」と結びついていないこ とが重要な知見である。ただし,すでに指摘した とおり,そもそも住宅の断熱性能の向上や公共交 通中心のまちづくりが気候変動対策としてイメー ジされていない点には注意が必要である。こうし た対策が気候変動対策の中心であることが認識さ れ,対策の好影響がイメージされれば結果は異な る可能性もあり,これは今後の研究課題としたい。 「責任感」から「脱炭素社会への態度」へのパス 係数は .89 であり,「脱炭素社会への態度」の決定 係数は .86 であって,基本的には「責任感」が主 要な規定因である。なお,本モデルにおいて「責 任感」は気候変動のリスクの認知に基づく「危機 感」のみを意味するものではない。気候変動問題 を基本的人権の問題として捉え,場合によっては 自己の利益よりも他者の権利を優先する「倫理観」 へのパスを含む。「危機感」へのパス係数が .74, 「倫理観」へのパス係数が .99 であることから,倫 理観を背景とする責任感が強い人ほど,脱炭素社 会への態度が積極的であると結論付けられる。逆 に言えば,脱炭素社会への態度の積極性の向上の ためには,気候変動を人権の問題として捉えるこ とが不可欠である。そして,日本においてこの点 が不足していることが指摘されている(明日香, 2015, p.148, 155)。 「経済性」からのパスも有意にプラスであるが, 本調査によれば,気候変動対策が地域経済や国の 経済に好影響を与えると捉える人の割合は 30% を下回っており少数派である。一方で,村上 (2014), 枝廣(2018)らは,膨大な化石燃料輸入 費を,省エネルギーと再生可能エネルギー利用に よって国内・地域内で循環させることが社会経済 へ好影響を与えると指摘している。ここにも認識
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のギャップが確認でき,経済的影響に関する認知 的不協和が存在すると考えられる。 最後に,モデルの限界性をあらためて確認して おく。このモデルは,現状の数値を分析したもの に過ぎない。現状では,脱炭素社会への態度が積 極的な人は少数派であり,そもそも脱炭素社会が イメージされていないと推察されることから,本 モデルによって得られたパス係数が,そのまま多 数派への働きかけに応用できるとは断言できず, 今後,実証的な研究を重ねることが必要と考える。 4.3 クラスタ別の脱炭素社会への態度 表 5 に示したとおり,所属クラスタは,性別や 年代によって明確な差が見られた。逆に,居住地 域や職業,暑がりか寒がりか,居住場所の公共交 通機関が便利かどうか等にはほぼ無関係であっ た。以下,あらためてクラスタの特徴を整理して 考察する。 C–1 は,あらゆる項目において偏りの無い選択 肢を選んでおり,判断を保留している層と考えら れる。よって C–1 を「判断保留群」と呼ぶ。20 代に有意に多く,10 代や 30 代も含めて一定数が 存在する。 C–2 は,気候変動の被害を心配しておらず,未 来もさほど心配していない。いわば,気候変動そ のものを懐疑的に捉えている層である。よってこ れを「気候変動懐疑群」と呼ぶ。対策の推進は様々 な悪影響を及ぼすとネガティブに捉えており,脱 炭素社会は受け入れられないと捉える人が多い。 30 代に有意に多く,10 代と 60 代以上は有意に少 ない。男性が 3 分の 2 を占める。人数は全体の 1 割ほどである。気候変動懐疑群は,Stoknes が整 理した第 4 の障壁「拒否」を抱えており,他の群 に比べて強い心理的気候パラドックスの状態にあ ると言える。気候コミュニケーションを行うにあ たり,「気候変動懐疑群」が一定割合存在すること を認識しておく必要がある。 筆者らが特に注目するのは,C-3 及び C-4 の差 異である。 C–3 は,40 代で有意に多く,20 代で有意に少 ない。合計で全体の 34.4%を占めており,最も人 数が多い。このクラスタは,気候変動問題に対し て危機感を有しているが,対策は暮らしや社会に 悪影響を及ぼすと捉えている。C–3 を「高危機感・ ネガティブ群」と呼ぶこととする。 C–4 は,全体の 27.7%を占める。高い危機感や 倫理観を持ち,気候変動対策の影響をポジティブ に捉えている。そして,唯一,脱炭素社会を実現 可能と捉える傾向にあり,脱炭素社会への態度が 積極的といえるクラスタである。C–4 を「高危機 感・ポジティブ群」と呼ぶ。 表 6 の通り,C–3「高危機感・ネガティブ群」 と C–4「高危機感・ポジティブ群」では,危機感 にはあまり差が無い。しかし,脱炭素社会への態 度には中程度の有意差がある。ここにフレーミン グや認知的不協和による心理的気候パラドックス の存在が見える。 C–4「高危機感・ポジティブ群」は,50 代と 60 代以上で有意に多く,20~40 代で有意に少ない。 今後の脱炭素社会づくりを担う世代が少ない点は 気がかりである。なお,なぜ年配者に多いのかは 不明である。エネルギーをさほど使わなかった時 代をイメージできるからなのか,次世代を意識す ることが未来志向につながるのか,金銭的,時間 的,心理的に余裕があるからなのかなど,理由は いくつか想像できるが現段階では判断できず,こ れは今後の研究課題としたい。 なお,C–4「高危機感・ポジティブ群」に属す る人であっても,その多くが,気候変動対策を,住 宅の暑さ寒さを我慢するものと捉えていることを 重ねて強調しておきたい。多くの文献で指摘され ているように,暑さや寒さの我慢は,熱中症やヒー トショックのリスクを高める。責任感が強い人ほ ど脱炭素社会に向けて積極的な態度をとるのであ れば,危機感や倫理観のみを強調する気候コミュ ニケーションは,年配者の健康被害を引き起こす ことにつながる恐れがあるので好ましくない。 5.おわりに 本研究から得られた知見を整理する。 第 1 に,居住地域や性別に関係なく,多くの人が 気候変動対策を「室内の暑さ寒さなどの我慢を伴 うもの」と捉えており,「我慢から開放されるもの」 と捉える人はほとんどいない。これは,現在の国や 専門家の態度とは乖離している。捉え方のネガティ ブさは,認知的不協和を生み,心理的気候パラドッ
-15- -14- 人間と環境,46巻1号,2020 クスの強化につながっている可能性がある。 第 2 に,脱炭素社会への態度の規定因は,主に 倫理観に基づく責任感であり,気候変動対策推進 による社会経済への影響の受け止め方のポジティ ブさも関係している。暮らしの快適さや便利さの 向上と脱炭素社会は連想されていない。 第 3 に,心理的気候パラドックスを生み出す障 壁のうち「拒否」を抱える群が一定数存在する。 本調査のクラスタ分析によれば,全体の 1 割ほど である。この群は 30 代・男性が有意に多い。 第 4 に,高危機感・ネガティブ群(危機感は有し ながらも気候変動対策の影響をネガティブに捉え る群)が最大の割合を占めており,とりわけ 40 代 が有意に多い。高危機感・ポジティブ群(危機感を 有し気候変動対策の影響をポジティブに捉える群) に比べて,脱炭素社会の支持度は有意に低く,「フ レーミング」や「認知的不協和」が心理的気候パ ラドックスにつながっていることが確認できる。 脱炭素社会の実現のためには合意形成が不可欠 であるが,日本においては,心理的気候パラドッ クスを生み出す障壁が強く存在することが明らか となった。この状況のまま危機感を高めるコミュ ニケーションを行っても,脱炭素社会づくりの社 会的重要性の認識は高まらない可能性が高い。逆 に「拒否」が強まる可能性もある。今後の気候コ ミュニケーションの在り方について考察する際に は,心理的気候パラドックスの理論とこうした日 本の現状を踏まえ,障壁を緩和しポジティブな生 活や社会の姿を共有することを重視する必要があ ると考えられる。 なお,特徴は相対的なものであり,日本の特徴 を明らかにするためには,海外で同様の調査を 行って比較する必要がある。また,人々は脱炭素 社会をどの程度,どのようにイメージしているの か,どのような要因で意識や態度が変容するのか, 年配者ほど脱炭素社会に積極的な態度を示す傾向 にあるのはなぜかといった点は,本研究では明ら かになっていない。これらは今後の研究課題であ る。また,現状では脱炭素社会のイメージが曖昧 なため,調査結果は今後変化していくと考えられ, 継続的に研究する必要がある。 謝辞 アンケート調査の協力者に深く感謝を申し上げ る。なお,本研究は,平成 30 年度京都府立大学地 域貢献型特別研究の成果の一部である。 注 1 )認知的不協和は,アメリカの社会心理学者である フィスティンガーが提起した概念である。作田ら (2011)によれば,「不協和を増大させる傾向のある 新しい情報に,強制的にかあるいは偶然にさらされ ると,その人は不協和の増大を避けようとしてしば しば新しい情報を誤解または誤認することになる」 と説明される。イソップ物語の,キツネがどうしても 手が届かないブドウを「あのブドウはすっぱいに違 いない」として立ち去る話に象徴的に現れている。 2 )“WORLD WIDE VIEWS ON Climate and
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