累積客数
9
:
0
0
1
0
:
0
0
図 B スキー場のリフト待ち時間
らの図をマイコンで描けるようにしておけば,可能な退
去や発注の方策について検討することが容易にできるだ
ろう.
このお正月 10年ぶりにスキーに出かけた.スキー場は
かなり込んでいたが, リフトに並ぶ行列の長さは 1 日中
ほぼ一定していた(図 6 ).待つ時間にして 10-15分くら
いであったろうか.これはリフトの利用客が,山の上か
ら行列を見て,今すいているぞとか,少し込んできたか
らゆっくりしていようとかするために,自然と到着の仕
れて退去曲線をコントロールすることを考えた.在庫の 方がコントローんされるからであろう .λ (t) 宇 μ で,必
場合は,退去に相当する需要曲線がまず推定されて,そ ずしもラッシュ的ではないのだが,流体近似がうまく使
の上で発注による品物の到着曲線を決定している.これ える例となっている.
¥11111111111111111111111111111111111111111111111¥111¥11¥111111¥11111111111111111111111111111111¥1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111
累積分布関数の図的利用
若山邦紘法政大学
11川川11叩川11川川11川川11川川11川川11川11川11川川11川11川11川川11川11川川11川川111川11川111川11川川1111川11川川11川11川11叩111川11聞111川川11川川11川川11川川11川川11川11川11川附11川111川川11川附11川11川川11附川11川11川川11川11川11川11川川11川11川11川川11叩川1自川11川聞川11111川11川川11川11川川11聞111\川川11剛11川11川川11川川11川川111111川11川11川11川11川川11川川11川111川川11川11川11川1\川11川川111川11川11川111111川\111\川11川11川11川川11川11川川11川川11聞11川11川川11川川111川11川川l川11川11川川11聞11111\川11川11川11川111川11聞川11川11川11川111聞川11川1111川11川川11川川1川11川川11聞川11川11川111川川11川川111川11111川聞川111l川川111川111川11川川11川川11川川11川川11川川11聞川l目川111川11川11川1111川11川111川川11聞11川11川川11川11川聞11聞11川川11川11川11川11川11川11川川11川川11聞川11川川11川11川川11川川11川11聞11川川11川11川11川11川1111\111刷11111川川11川川111川l川川11川11川11川11刷11川川11川川l川11聞111川11川川11川附11附11刷\111川111111聞川l川川11川11剛川11川川11川川11山川11川川11川川11川聞11剛11川1111川11川111川11川11川11川111111聞l目川11川川11川11川川11川111\川\11川川\11川11川11111l
累積曲線の効用についてはこの特集号で‘いくつかのテ
ーマがとりあげられているが,この稿では確率分布の累
積曲線である累積分布関数の図的利用法について,①一
様乱数から任意の分布にしたがう乱数への変換法,②標
本分布から理論分布の当てはめ, にスポットを当てよ
う.
図 1 を見られたい.乱数をいじったことのある人なら
ほし数の変換の説明だな j とすぐに気づくことと思う.
実際,分布関数 F(x) が連続関数であるとき,変数 z
と u , 確率変数 X と U の聞に次のような関係を考える.
u=F(x),
U=F(X)
すると , U が u 以下である確率は,
Pr{U;;;;u}=Pr{X 豆 x}
=F(x)=u
となり , U は一様分布にしたがうことがわかる.このこ
とから,区間 (0 , 1) の一様乱数 u を発生して,
u
。
X
[\ゾ~一
図 1 乱数の変換(連続分布の場合)
Pr{X=k}=Pk(k=O, 1.2 ,・・)としたとき,一様乱数 u
に対して,
L
:
Pk<u 亘L: Pk
k=o k=O
となる z を見つければよい.
以上の方法は逆関数法と呼ばれ,一般的な乱数変換法
u=F(x)
の l つとして利用されている.この他には,棄却法,合
となる z を求めれば x は分布関数 F(x) をもっ確率変
成法などがある. また,いくつかの理論分布に対して
数の実現値とみることができる・
は,その分布の特別な性質を利用した方法が考えられて
この原理は,離散分布の場合で考えた方がより直観的 いる.
に理解できょう.図 2 のように累積分布関数の縦軸の値 [指数分布] 指数分布の分布関数は F(x)=I-e-''''で、
u をランダムに決め,どの階段に当たるかで、 z の値が決 あるから,
まる x それぞれの値が出現する確率は対応する階段の u=F(x) = 1-e-''''
高さに等しいのであるから理解しやすい.一般的には, の対数をとって整理すると,
1987 年 6 月号
© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず. (99)
3
9
3
7
u
1 2
3
4
5
6
図 2 乱数の変換(離散分布の場合)
x= ー(1/.ì )ln(l-u)
ここで, I-u もまた (0, 1) の一様乱数であるから,
あらためて,
x= ー (Ij.ì )lnu
として指数割激を得る.
このように解析的に F(x) の逆関数 F-l(U) が得られ
ない場合が多い . F(x) を折れ線近似したり, F-l(U) を
関数近似したりして逆関数法を適用する.
[正規分布] 一様乱数 u に対して,
日 (x)=J:才-t
2
/2dt
となる X=F-l(U) を求めるには,山内の近似式がよい.
すなわち,
百=ー ln[4u(l-u)J
とおいて,
X=F-l(U)
5
.
7262204
=[y(2.0611786 ー
y+
)J 1I 2
1
1.
6
4
0
5
9
5
で計算する.相対誤差は 4.
89x
\0-'である u が 0.5 よ
り大き L 、かどうかによって,得られた z の債に正負の符
号をつける . x は平均 μ=0 ,標準偏差 σ=1 の擬似正規
乱数である.周知のように,正規乱数発生には,中心極
限定理を利用する方法, Box-Muller 法,渋谷の棄却法
などがある.
シャボン玉の寿命を 1 , 000回測定したところ, 図 3 の
ようなヒストグラムが得られた.寿命が長くなるにした
がし、度数が減少していることはわかるが,データはパラ
ツイているように見える.ところが,このデータの累積
をとって眺めると,図 4 のように驚くほど滑らかな曲線
が浮かび上がってきた.累積をとると,偶然の変動が除
去されるからである,この効果を累積による smoothing
効果という.
観測データが指数分布 f(x) =.ìe-l.x にしたがっている
3
9
4
(1
0
0
)
30 I
X
。
。
20
40
60
干少
図 3 シャボン玉の寿命の度数分布
1
0
0
0
積度累
5
0
0
数|
/
一一 一一.., ... . . .
~-・・"・・・・ ...r ー 一一 一 一
。
。
2
0
40
60 秒、
図 4 シャボン玉の寿命の累積度数
1
0
0
0
巣
\旬、、
数
10
、園、、.・",
I
。
2
0
40
6
0
平歩
図 S 寿命の長い方からの累積度数
場合,寿命の長い方から累積をとると,図 4 を 50% の線
で折り返した図 5 が得られ, これが指数曲線 e-l.x とな
るはずである.このグラフを片対数グラフ用紙にプロッ
トすれば直線になるわけで,図 B がその結果である.み
ごとに直線になった.図から得られる情報は説得力が大
きいことがわかるであろう.
このように,ある種の曲線を描くと直線になる特殊な
グラフ用紙が市販されている.雨対数グラブ用紙,正規
確率紙,対数正規確率紙 2 項確率紙, ワイフ勺L 確率紙
などがある.大いに利用していただきたい.
きて,独立な乱数をいくつか発生し,その和をとると
近似的に正規分布にしたがうことが知られている.これ
は中心極限定理によって説明される性質である. 区間
(0 , 1) の乱数 12個の和の分布を調べてみた.図 7 がその
結果であるがどうやら正規分布のような形をしている.
平均 μ=6.04,標準偏差 σ= 1. 04である.累積をとると,
図 S のように滑らかな S 字カープが観察できる.このグ
オベレーションズ・リサーチ
© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.
1
0
0
0
f
.
累
積
度
500
1\
数 l\
OL-一一一一一一一ニニニ--占品出」 目
。 20
4
0
60 秒
図 S 片対数グラフ用紙での累積度数
ラフを正規確率紙にプロットすると,図自のように一直
線に並んだ.このグラフ用紙は正規分布の分布関数を描
くと直線になるようにグラフ用紙の上と下の部分のスケ
ールを引き伸ばしたものである.分布の母数 μ と σ もこ
のグラフから読み取ることができる便利なグラフ用紙で
ある.
このような用紙を使えば,定規 l 本で累積曲線が描け
るので,正規乱数も指数乱数も簡単に作り出すことがで
きる.
参芳文献
<
1
J
山内二郎編:統計数値表.日本規格協会(1 972)
[2J
関根,高橋,若山:シミュレーション.日科技連
(
1
9
7
6
)
[3
J
森村英典:おはなし OR. 日本規格協会 (1983)
%
9
9
.
9
9
9
9
0
80
5
0
2
0
1
0
1
0
.
1
x
x
•
x
x
x
x
x
.
メ
x
x
x
x
3ぽ
x
•
x
3 4 5 6 7 8 9
S
図 S 累積分布(正規確率紙)
1987 年 6 月号
%
1
0
5
0
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
S
函 7 乱数 12個の和の分布
%
1
0
0
1
5
0
。
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
S
図 S 乱数 12個の和の累積分布
(
1
0
1)
3
9
5
© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.