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Academic year: 2021

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A14

自然風中の風圧の特性とその解析方法

河井宏允・奥田泰雄 1.はじめに 自然風において観測された建物に作用する風圧変 動は,風洞実験によって得られた風圧変動に比べて 極めて非定常性が大きいことが,従来から指摘され てきた。これは,自然風そのものの持つ非定常性が, 風洞では十分に再現することができないためである 考えられる。したがって,風洞実験の風圧変動を自 然風中に建設される実建物に応用しようとする場合, 自然風で観測される観測結果を,自然風自体の持つ 非定常性によるものと,建物周りの流形形成に伴う ものとに適切に分け,後者のみに風洞実験結果を適 用することが望ましい。この為には,自然風の観測 データを分ける適切な評価時間を見いだす必要があ る。本研究では,潮岬風力実験所で観測された大ス ケールの建物模型(2×2×8m,実物の約 1/10)の壁 面に作用する同時風圧測定結果を用いて,適切な観 測時間の定め方を述べるととともに,それに基づい た風圧力の評価結果を報告する。 2.自然風の風圧変動の定式化 自然風において観測された風圧変動を観測すると, 速度圧変動に準定常的に追従する長周期成分と,建 物周りの流形形成に伴って生じる短周期成分より成 り立っていることが分かる。即ち,風圧変動は,

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)

2 1 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 2 p p t = p t +p t = ρV t C θ t + p t で表すことができる。上式の右辺第1項が自然風の 非定常性を表す準定常成分,第2項が流形形成に伴 う風圧力成分である。 ( ) ,p t V t( ) ,θ( )t は,それぞれ 評価時間 に対する平均風圧,平均風速,平均風向 を表し,時間とともにゆっくりと変動する。 T 3.評価時間の決定方法 観測された速度圧変動と風圧変動データに様々な 評価時間で移動平均を施した後,それらの相互相関 を計算し図1に示した。評価時間10秒以上では, 側面及び背面を含めて,速度圧変動との相関は 0.8 以上と大きく,10秒以上の風圧変動は,どの面に おいても速度圧変動に準定常的に追従して生じると 考えてられる。どの面とも,相互相関は10秒から 1秒の間で急激に減少する。なお,図に示した評価 時間は,実物建物に換算したものである。 0.1 1.0 0.01 0.1 1 10 100 1000 Averaging Time Cr o ss C o rr e la ti o n West 8 North 8 East 8 図1 風圧変動と速度圧変動の相互相関の評価時間によ る変化(長周期成分) 図2は,流形形成に伴う風圧変動成分と短周期の 速度圧変動成分との相互相関を調べたものである。 解析は,評価時間に対応する平均速度圧や平均風圧 を差し引いた残りのデータに対して,相互相関を求 めている。したがって,この図の最も大きい評価時 間の相互相関値は,図1の最も小さい評価時間の相 互相関とほぼ一致する。図から分かるように,この 場合も,評価時間が10秒以下では,相互相関は急 速に減少し,1秒以下では相互相関はどの面とも 0.1 以下となる。即ち,1秒以下の高周波数成分は, 速度圧変動とはほとんど関係がない。 0.0 0.1 1.0 0.01 0.1 1 10 100 1000 Averaging Time Cr o ss C o rr e la ti o n West 8 North 8 East 8 図2 風圧変動と速度圧変動の相互相関(短周期成分) 3.結論 以上の解析により,速度圧変動に伴って準定常的 変化する成分と,流形形成に伴う成分とを分ける適 切な評価時間は,約3秒程度であると考えられる。

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