メニーコアアクセラレータに対するファイルI/O機構
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(2) 先進的計算基盤システムシンポジウム SACSIS2012 Symposium on Advanced Computing Systems and Infrastructures. SACSIS2012 2012/5/16. る際である。. 式と OS コア委譲方式では、最後に sync を実行し、. 3.1.2 OS コア委譲方式の read/write. ファイルキャッシュの内容をホストにページ単位で同. 本方式では、まず計算コアから OS 機能専用コア. 期させる。一方、ホスト委譲方式では実行するごとに. へ、リクエストキューを通じて I/O リクエストを出. 同期が行われる。単位サイズが比較的小さい領域では、. し、OS 機能コアは、リクエストを出したプロセスの. ページ単位で同期を行う計算コア方式と OS コア委譲. 仮想アドレス空間をロードすることで、計算コア方式. 方式がわずかに良い。一方、大きなサイズでは、相対. と同一のファイル I/O 処理を行う。処理完了の後、リ. 的に処理が高速になるホストプロセッサで実行するホ. クエストキューに結果と完了通知を書き込み、プロセ. スト委譲方式がはるかに性能が高い。. スはシステムコールから復帰する。. 5. 関 連 研 究. 3.1.3 ホスト委譲方式の read/write 本方式では、まず計算コアからホストに、リクエス. Shimizu et al.2) では、計算ノードと管理ノードで. トキューを通じて I/O リクエストを出し、ホスト I/O. 構成されるヘテロジニアスなクラスタシステムにおけ. サーバはメニーコア上のプロセスのユーザバッファと. るリモートファイル I/O の設計と実装を行った。その. ホストとの間で直接データ転送を行う。その際、ホス. 結果、小さなデータでは低いバンド幅、大きなデータ. ト I/O サーバは、プロセスのページテーブルを参照. では高いバンド幅と、本論文におけるホスト委譲方式. し、仮想アドレスと物理アドレスの変換を行う。処理. と同様の結果を得ている。. FlexSC3) では、マルチコアプロセッサにおいて、シ. 完了の手続きは、OS コア委譲方式と同様である。. 3.2 ホストファイル I/O サーバ. ステムコールを別のコアに委譲する機構の設計と実装. ホストファイル I/O サーバは、リクエストキュー. を行った。また、システムコールによるユーザコード. を通じて、メニーコアからホストプロセッサに要求さ. 実行への影響を、モードスイッチングによるコストと. れるファイル I/O 処理を行うマルチスレッドプロセ. キャッシュ汚染の 2 点から考察している。. スである。ファイルディスクリプタごとにリクエスト. 6. お わ り に. キューがあり、それぞれのキューに対する処理を 1 つ のスレッドが担当する。従って、スレッドがキューを. 本論文では、ホストプロセッサに接続された Intel. アクセスする際にロックを必要とせず、異なったファ. MIC Architecture (Knights Ferry) 上でのファイル. イルディスクリプタに対する同時 I/O 要求に対して. I/O 機構の設計と実装、および評価を行った。その結. スケーラビリティを発揮する。. 果、小さな単位でのアクセスが頻繁にある場合には、 ホストプロセッサと I/O バスを通じて通信をする回. 4. 性 能 評 価. 数の少ない、メニーコア上で実行されるシステムコー. 本論文では、Intel MIC Architecture の一つであ る、Knights Ferry. 1). ル (計算コア方式、OS コア委譲方式) が性能が良く、. を実装、評価に用いる。本機は、. 大きな単位でアクセスする場合には、メニーコア上の. 32 コアで構成され、1 コアあたり 256KB のコヒーレ. プロセスのユーザバッファとホストとの間で直接 I/O. ント L2 キャッシュを持つ。Intel との NDA により、. を行うホスト委譲方式が良いことが判明した。. 評価結果は定性的に記述する。学会開催時点で公表が. 参. 認められれば、その際に結果を提示する予定である。. 考. 文. 献. 1) Architecture Support for HPC Applications, Intel Developer Forum, Session HPCS001 (2011). 2) Remote Process Execution and Remote File I/O for Heterogeneous Processors in Cluster Systems, CCGrid, pp. 145–154 (2010). 3) FlexSC: flexible system call scheduling with exception-less system calls, OSDI, Vol. 1 No.8 (2010). 4) メニーコア向けシステムソフトウェア開発のた めの実行環境の設計と実装, 情報処理学会研究報 告. [システムソフトウェアとオペレーティング・ システム] (2011).. 4.1 read システムコールのバンド幅 16MB のファイルを単位データサイズに分割して read する際のバンド幅の測定を行った。単位サイズ がファイルキャッシュのページサイズ (2MB) よりも 小さい領域では、ファイルキャッシュを通じてデータ を読む計算コア方式、OS コア委譲方式が良い。それ よりも大きいサイズでは、ユーザバッファとの間で直 接 I/O を行うホスト委譲方式が性能が良い。. 4.2 write システムコールのバンド幅 16MB のファイルを単位データサイズに分割して write する際のバンド幅の測定を行った。計算コア方. 29. ⓒ 2012 Information Processing Society of Japan.
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