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超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプ

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(1)

超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプ

BoilerFeedPump

forSupercriticalPowerPlant

彰*

Akira Suzuki

火力発電所の単機出力ほ,電力需要の増加と経済性の面から著しく増大の憤向を示し,最近でほわが国iこお いても,熱効率のよい超臨界圧火力発電所が次々と計画され・その一部はすでに営業運転を開始している。 本文ほ,アメリカにおける超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプの憤向と,わが国における現状について 述べ,さらにボイラ給水ポンプの問題点についての検討を加えたものである。

1・緒

□ 超臨界圧火力発電所は,アメリカにおいて1957年にその第1号扱 が稼働して以来,すでに十年余りが経過した。当初建設された Pbilo#6,Eddystone♯1ほ,特に高い温度と圧力を持つ蒸気条件の もとでの技術開発を目的として建設されたもので,超臨界圧火力発 電所の発達に果たした役割は,高く評価されている。特にEddy-StOne♯1は,現在世界最高の蒸気条件(351kg/cm2,糾9℃)を持つ プラントとして注目されている。しかしこれらのプラントは技術開 発を目的として建設されたものであるために,経済性の面では必ず しも最適でなかったとの批判があり,その後,プラント熱効率と建 設費の総合的経済性に関する検討が加えられ,現在では蒸気条件と して246kg/cm2,538℃のものが多く採用されている(1)ようであ る0 このような考え方の変化に伴って,ボイラ給水ポンプの設置方 式にも,超臨界圧火力発電所の初期のころのものと現在のものとで は著しい差が見受けられる。われわれは,アメリカにおけるこれら 発展途上になされた種々の試みを詳細に検討し,われわれ自身の技 術を国情に応じて確立していく必要があろう。 本文ではその一端として,アメリカにおける超臨界圧火力発電所 用ボイラ給水ポンプの頓向を検討し,わが国の現状について述べ, さらに,そのボイラ給水ポンプの問題点についての検討を加えるも のである。

2・アメリカにおける超臨界圧火力発電所用

ボイラ給水ポンプ アメリカにおける超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプの傾向 を見るために,Power誌に掲載された発電所の要目の中から該当す るものを選んで,ボイラ給水ポンプに関連する仕様を抜粋したのが 表lである(2)。この表からいえることほ,アメリカにおける発電所 の単機出力は,ここ数年横ばい状態にあること,ボイラ給水ポンプ の流量制御方式は速度制御が圧倒的に多く,その速度制御ほ主とし て別置タービン駆動により行なわれている。また主タービン軸駆動 で流体継手付のものもかなり製作されているが,最近でほあまり数 が多くなくしかも中容量のプラントに使用されている傾向がある。 この裏からうかがい知ることはできないが,超臨界圧火力発電所が 製作され始めた初期のころのボイラ給水ポンプほ,2′∼3台のポンプ を直列に接続して所要の圧力が得られるようにし,しかもそれらポ ンプの中間に高圧ヒータを配した例が多く,そのため高圧側ポンプ のサクショソ圧力および水温は著しく高くなり,軸封装置の特殊な くふうが必要になっている点が顕著な特長である。その典型的な例 として図1にEddystone#1ボイラ給水ポンプの系統図(8),図2に 日立製作所亀有工場 その軸封部の系統図(3)を示す。この例でほ現在広く利用されている フローティソブリングシールを用いている。特に中圧,高圧ポンプ に対しては,高圧の軸封を行なうためにその段数を多くして,1・ソ ゼクションとブリードオフを組み合わせ,ポンプ内部の熱水の漏れ を防ぐようにしており,そのため系統ほかなり複雑なものとなって いる。最近ではこのような配列をすることはほとんどなく,ブース タポンプは設けるが,それはあくまでも主給水ポンプの所要NPSIi を満たすために必要な圧力を提供するにとどまっている。したがっ て主給水ポンプのサクショソ圧ほそれほど高くする必要はなく,軸 封装置に課せられる条件は,当初のものに比較すると,楽なものと なっている。 ごく概略にポンプの構造上の特長を知るた桝こ,1964年5月から 1966年4月までの問で,アメリカにおいて発注された超臨界圧火力 発電所用ボイラ給水ポンプの仕様要目を示したのが表2である。こ の表はAEICレポートに基づくもので,表1と一部重複し,しかも 内容的に多少異なる点があるが,これらの相違は概略の傾向を知る うえでの妨げにはならないと考えるし,違った面からの傾向を知る うえでの参考になるためあえてここに引用したものである。表2か ら判断する限f)において,超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプ ほ,すべてがバーレル形2重ケーシング構造を取っており,軸推力 平衡方式,軸封装置などは,それぞれのメーカーの特色を生かした ものが採用されている。 すなわち,軸推力平衡装置としてほ,バランスドラム方式,バ ランスディスク方式,およぴインベラ半数対向方式が使用されてお り・それぞれ一長一短はあろうが,バランスドラム方式が多く使用 されている点は注目に値する。また軸封装置としてほ,いずれも封 水注入を必要とする固定ブッシュ方式,またはフローティソグリン グ方式が使用されており,メカニカルシールは,わずかに起動用横 に使用されているにすぎない。 駆動方式ほ,その多くが1/2容量の別置タービン駆動であり,主 ターピソ軸駆動は,前にも述べたように,最近でほ中容量のプラン トに,まれ己・こ使用されている程度の模様である。これら駆動方式に ついての経済比較は,興味ある問題であろうが,系統全体の問題と して検討する必要があるので,ここではふれないこととする。 また,流量制御方式は,ほとんどすべてが回転数制御方式を採用 しており,高圧流量調整弁の摩耗に基づく寿命の問題や,運転動力 費の節約に対処しているものと思われる。給水温度も図2に比べて かなり低下しており,高圧ヒータの設置場所は主としてポンプの吐 出側に設けられているもようである。ヒータをサクショソ側に設け ることの利点は,ヒータの耐圧を減じてコストを下げることである が,ポンプの水量(t/h)と全揚程(kg/cm2)を一定にすると高温の場

合,ポソプの運転動力費が増加し,かつポンプの軸封に特殊なくふ

(2)

---78-超臨

界仕

発電所用

給水

ポ 表1 アメリカにおける超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプ(その1)(二Power誌より抜粁 発 電 所 名

プ子品ふ㌢カー述開予定l芯諾針乍孟石悪賢と諾濃監2畠lメーカーl流量制御方式l原

動 機 馬 力 (kW) Philo#6 Eddystone‡1 Eddystone#2 Breed‡1 Philip Sporn#5 Avon‡8 Hudsonき1 Bu11Run壬11 Chalk Point尊1 Cbalk Point#2 Moss Londing郎∼7 Herbert A Wagner有3 Sioux#1 Keystone♯1∼2 Fortmartinさ1 Sioux#2 Bacli庁#1 Bacli打者2 Alamitos卓5∼6 Redondo Beach‡【7∼8 Haynes#5∼6 BrunnerIsland#3 Valley‡2 Mountain Creek#8 W A Parish‡4 Canal#1 Baxter Wilson#1 Michoud#3

Nine mile Paint#4

Fort Martin‡2 Robert E Ritcbie#2 Bailly#8 James H Cambell‡2 Cbalk Point♯2 Homer City‡1∼2 Hudson‡2 Sibley#3 22 006530 77 0 爪U O (U 5 2 <U 5 6 5 5 3 1 n入U 〔バ) 6 4 ・一丁・4 3 7 5 5 5 0 爪Ul10(U4 0 5306 56 555353505041 38 366662謎 表1の記号説明 DL柑W。BJPPA。SHyRMTTS M d+打 ケメ J口) 耶乙1ミ旨昌 DelavalTurbine,Inc. Ingersoll-Rand Co. Wortbington Corporation. Byron-Jackson PulnpS,Inc. Paci丘c Pumps,Inc. A11js-Cbalmers Mtg.,Co. Speed ControI Hydraulic Coupling Regulator Motor Drive Turbine Drive

Main Turbine Sbaft Drive

ポンプ 〕小ン 「 ★† 9 .′r OU ク ー 指加 ♯ ホ (LU 〕十 5 一一一一一一 6 一一一一∼ (hU " ∼ 【一一 【 6 6 ∼ ∼一一一一一 65鵬6668676767 一一一 )一一一一∼ 【 8 6 7 9 9 8 00 7 5 9 Q 6 氏U 6 6 6 6 6 6 6 6 広 5 9 8 9 6 6 6 6 媚 5846媚 46 46 鵬鵬4658534646 58 4646鵬舶4658 鳩 4667… 2 ∩∠ ワ】 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 ‥ 3 nリ 0 3 3 ∧U 9nU 3 5 【ヽ) 7-【-2 (U7 2 4 4 3 3 5 4(ソ】 453030134547403038幻1017 0 1 1 1 0 6 3・4-6 2 1 9 hh ′ノ′/

409270…紺640仙詔961923923113…似棚434740972972100535720㈹137995045130130113045647310榔638湖110

L‥ l l l l 1 . 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 3 0 0 1 1 2 04 ‖ 8 8 7 81 1 1 0‥ 1 1 5 5 8 3 2 8 3 6 4 8 8 3 3 0 30 8 2 6 1 3841舶3232 32 2633…3131312530 33 3432 小 35 35 29292831303031 30 312727323134263131333231 L R R R R O D I I I I W 0 0 0 0… O W W W W…W … O L R L …W D I D L -J TJ L O P P I L D B B D W P P B D L O O L L P CL O L O O D W W D D P AD W D W W y HSHy Hy Hy 州 〔一¶[〓ニ‥声卜∴半)下讃 ホン。「 〕小ン7 フ m 一 p 帖糾抑 叫軸3、X 止. m プ恥 ン60 ポ3, こ × バ一r-

\■-■■・■-附粁

ン Uし 【 タ ノ小ン。7 プ ン 図1 Eddystone超臨界圧発電所 ♯1用ボイラ給水ポンプ配置系統図 SS‥ yyA …SSSS ㌢ ㌢…SSH H y H H H… S 臥H S・ S S S S S S y Uu R R y H 2M 4M 2T 4M 2T IM IT IM IT IM 2T IM MTS 2T 2T 2T IT MTS IM MTS IM MTS IT MTS 2T IM MTS IM MTS IM MTS T T T T 221T T I T M M M22M2 2M MTS 2T 2T 2T 2T 2T IM 2T T M 汀丁汀汀 16,400 16,400 M 6,560 T 5,750 3,360 15,500 14,900 7,胡0 7,460 14,900

ふ2。。1。。85。1。。85。紺64。棚55。95。0。。州禦2。。2。。2004。0㌫98。㌫仙

‥104616880490‥5…11101011…72‥7… ・ 1 2 1 1 1 1 1 ‥ 2.8k 脱気器 15駄g/々・m2142℃ 2.8kg/々m21398c 162kgメm2142℃ 9.8

糾槽、。。爪一々〃

低圧給水ポンプ し N仇8加熱器N().9加熱旨.羊 u ⊂n N 155kg/加2263℃ ∈ 2▲眺g/々m2

30駄g/石m匂297℃

9蜘227IC糾田。。。喜机カ

槽へ 中庄給水ボン70 162kg/々m2 142C 438kg/イmク302勺C

8カ

ノ々m21180C lコ臼 ・g′イm22アC 【コ 試圧給水ポンプ 図2 Eddystone超臨界圧発電所 #1用ボイラ給水ポンプ軸封系統図

(3)

昭和43年10月 立

表2 アメ プラント 出 力 (MW) カiこおける超臨界圧火力発電所用ポイ ラ給水ポンプ(その 第50巻 第10号 2)(AEICレポートより抜粋) 発 電 名 Stuart♯2 Genoa#3 Marshall♯3∼4 Harllee Brancb#3 Sabine#4 Wi110W Glan#3 Parlsll#4 Big Sandy♯2 Sibbey#3 Braiton Point#3 Bailly#8 Sam皿is#6 Muskingum River菩5 Hudson煮2 Paradise♯3 Hele11a#2 Campbell#2 丸tountain Creek#8 Bacliff#2 Redondo#7∼8 Valley#2 Sioux#2 l ハU 〔∧) 4 AT 3 6 5 9 1 5 7 3 「〇 4 386 531 477 476 531 472 発注月 66-4

賢引

65-12 651 6 66-3 66-2 64-10

64仙121

…三二1喜r

…三二言㌻

64-12; 表2の記号説明(蓑1と同じものほ省略) BDR BDI OI B バランスドラム方式 バランスディスク方式 インベラ対向式・ バーレルケーシング 蓑3 給水丑 :t/h) 1,100 575 1,107 890 955 955∃ 1,000 241 2,570 557 1,840 648 393 1,214 1,930 977 1,860 932 1,295 322 1,000 1,570 393 820 907 1,675 866

(畠鳥篭)F詣完芸者

水 温 (℃〕 QU ハU OO 3 0 0 1 ハリん 2 2 ∩∠ 2 3 3 3 3 3 3 309 ワ一 2 4 34 4 1 (‖8 1 5 14 1 2 1 2 13 2 3 2 3 1 1亡U 3 3 3 3 33 3 3 3 3 3 3〔/】 3 290 3 2 21 1 (=lU 30 3 2 33 CIR CIB MS 4 4 6 0 9 9 6 0 5 7 9 0 ∧U <U 4 1 07 〈占 9 2 2 46 1 9 5 5 ∧U O 8 3 3 9 1 4 2 ∩) 4 6 14 (U 1 2 (U 59 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 1 2 1 6 1 3 3 1 9 フローティソグリング方式 固定プッシュ方式 メカニカルシール 回転 (rpm

賢卜馬(-kⅥr)力

5 0 〈U ハリ O <U OO ∧U O O nUハリ O 〈U O O ∧U OハU O (UO O O (UnU 6 0 5 ハU (古 史U OO 5 5 0 〈U<U O 6 3 5 ∧U 9∧U O 90 (U ハリ 44 6 5 只) 9 7 7 ∧U<U 9 2 5 <U<U 7 5 1 4・4 43 8 41 ∩凸 9 56 , , , , , , , , , , I -J , , -' , l l -4 5 5 5 5 5 67・4 5 5 67 5 4 6 5 5 26 5 36 5 5 45 0 0 <U ハU O 〈U O〈U O O O OO O O O O O ハUO O ハUO O ハリ OO ∧U 6 ∧U 5 ハU <U QU3 ∧U 7 ハリ 62 ハリ O 5 〈U 5 5ハ凸 ハU O只U 5 (U (U5 1 3 5 2 只U 8 67 0 5 3 亡U2 6 4 2 4 JT 59 0 24 9 1 5・4 , , , , , , I -I I -J -, I -I -' l l _ 3 6 2 1 <U O O3 8 6 0 75 4 2 1 ハU O 42 0 64 RU O 9(U

原動枚l三言;主】;一夏r

軸封′流量制御!メ_カー

2T 2T 4T 2T 2T 2T 2T IM IT 2T IT 2T IM 2T IT 2T 2T 2T l九1TS

一骨

1甲

日本における超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプ R I D D B B 0I OI R R D D B B 0I OI R R R RR R R R R I l: R ll D D D DD D D一D D D DD D nD B B B Bロリ B B B B B BB B BB 0Ⅰ R RR nリ DD B BB B B B B B B BB B B B BB B B B B B BB B BB B B B

………㍍………㍍

yy SSSSSSSRSSSS恥RSSSSHSSSHSS S S S O C I J R R I R O R P P二R O R L LC P L J P R W A B B I I B I W I P P I W I D DA P D B P : 発 電 所 名 調西電力株式会社姫路第2 #41 関西電力株式会社海南 岩1+ 】 調西芯力株式会社海南 #2. 中部御株式会社知多

#3l

l 凍京電力株式会社姉ヶ崎 #11 東京電力株式会社姉ヶ崎 #21 紺E力株式会社鹿島

昔11

プラント出力 (MW) 450 450 450 500 600 6()0 600 連関予定 給 水 丑 … 吐出圧力 ≠ 給水温度 l(t/h)i(kg/cm2g) (℃) 68-2 70-- 4 70-8 68¶3 67-12 69-12 70-4 945 400 ‖ ハリハU 84 05 05 05 ・ 30 63 36 36 36 306* 308* 308.5 318.5 317.6m卓 323.4m* 305.9 304.5 305.3 310.7 305.3 311.1 注(1)*印は生揚程を示す。 (2)表中に使用した記号の意味こよ蓑1の説明と同 うを要するなどの欠点が出て来るので,これら両者の経済比較のう えで,上記のような方向に向かったものと考えられる。

3・日本における超臨界圧火力発電所用

ボイラ給水ポンプ

日本における超臨界圧火力発電所の運転開始は,アメリカに比べ て約10年遅れてスタートした。当初は各電力会社とも,主として信 頼性の面から輸入プラントとして建設が実施された。すでにその一 部は営業運転にはいっており,今後も引き続いて多くの超臨界圧火 力発電所の建設が予定されている。 表3に日本における超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプの 仕様要目を示す。アメリカにおける最近の傾向は,そのままわが国 における傾向と類似したものとなっているが,一つの相違点は,日 本の発電所でほ,いずれも起動楼兼予臓枚が十分な容量で準備され ている点である。このことは,両国における電力の需給関孫および 発展段階における歴史的差異に基づくものと考えられるが,アメリ カにおける現状は日本において将来指向すべき一つの方向であると 173 147.1 147.1 147.1 回 転 数 (二rpm) 6,020 7,060 65 0ハU Oハリ ハUO nUO 47 〇.爪】 50 51 5nD

メーカーi原動機卜馬(kⅥr)力書流量制御方式

0 菱 立 0 0 原 立 W 三 日 W W 荏 日 TT TM TM TM TM TM TM 21 21 21 22 22 22 りん2 11,300 2,250×2 8,700 2,500×2 10,000 2,800×2 11,900 3,360×2 SR SR SR SR SR SR SR もいえよう。 両国iこおけるもう一つの相違点ほ,アメリカにおいては全容量の 給水ポンプが,別匿タービンもしくは主タービンにより駆動される ケースが散見されるが,日本にほそれが見あたらないことである。 これもやほり電力の需給関係とプラント運転の信煩性のからみ合 った問題と考えられ,これらの採用は,さらに経済性の問題も 含めて総合的に換討を加えるべきであり,またアメリカにこおい てその数がさほど多くない理由も合わせて考究する必要があろ つっ

4・超臨界庄火力発電所用ボイラ給水ポンプ

日本においてほ,現在のところ450MW級以上の火力発電所は, いずれも超臨界圧で建設されているが,アメリカにおいては必ずし もそうではなく,その発展途上において,大容量の亜臨界肝火力発 電所が数多く建設されている。また1プランの所要給水量を1台で まかないうる全容量のボイラ給水ポンプも製作されてきたため,容 量的に言えば亜臨界圧のポンプといえども超臨界圧用とほぼ同程度

(4)

ー80-超臨界圧火

力 発電所用

ボ イ ラ

給水

ポ ン プ 表4 超臨界圧,亜臨界圧ボイラ給水ポンプ仕様例 納 プ ×周

㌔ロロ

揚外周″絹欄間

水掠転水位込出㌔申レルソ部

段限根㌔7受

付 TM 給全回給原吸吐段1羽羽パ 締り軸 力量程数度力径径教程径速径数速速 先 I A I B (MW) (t/b) (kg/cm2) (rpm) (℃) (kⅥr) (mm) (mm) (kg/cm2) (mml (m/s) (mm〕 350(こ亜臨界圧) 596 219 7,120 143.5 4,850 300 250 4 50.48 292 109 736 3Bx18本

;:ク;二:1;言:…

600(超臨界上王 1,130 300.2 4,500 147.1 11,900 400 350 8 36.64 393 92.5 1,225 4Bx24車 63 33 のものが多数製作されている。したが って超臨界圧火力発電所用ボイラ給水 ポンプに特別に課される条件として は,亜臨界圧のそれに比べて一般的に 約1.5倍の高圧となる点である。日本 においてはアメリカのような歴史的背 景を持たないため,高圧になると同時 に,大容量化の問題が含まれる。この ような条件のもとにおける超臨界圧用 ボイラ給水ポンプについて,亜臨界圧 のそれと比較しながら,以下に項を追 って検討を加えることiこしたい。 4.】高圧に対するポンプの選定 ポソプで高圧を得るためには,主と して次の三つの条件から検討が加えら 14〃 RS-BFI5真空1,140mりbx333kg/cm2・gX5,800rpmxlO,000kⅥr l真一3 Mountain Creek#8(550MW) 超臨界匠火力発電所用ボイラ給水ポンプ

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れる。すなわち, (1)段数を多くすること (2)回転数をあげること (3)羽根車径を大きくすること などである。 同じ羽根車を使用するならば,揚程ほ段数に比例して増減し給水 量は変わらない。また幾何学的に相似なポンプの場合には,揚程お よび給水量と,羽根車直径および回転数の間には次の関係式が成り 立つ。 〟1/〟2=(β1/β2)2(凡/∧ち)2 ¢1/¢2=(β1/β2)3(Ⅳ1/A㌔) ここで,Q:給 水 量 ガ:全 揚 程 β:羽根車直径 ∧r:回 転 数 である。 幾何学的な基本形状は,各メーカーによって効率および製作費な どの面から最も経済的に選ばれるわけであり,比速度の選定いかん によってほぼ形はきまってくる。 こjlら三つの条件を適宜組み合わせて要求仕様を満足するポンプ が選定される。ここで注意すべきことば,駆動棟として取り扱いの 便利な復水タービンの使用されることが比較的多く,そのため450 ∼600MW級の1/2容量ポソプでは,回転数が5,500∼4,500rpm程 度に限定されることである。 表4は350MWの亜臨界圧およぴ600MWの超臨界圧用ボイラ 給水ポンプの仕様例であるが,大容量高圧化にもかかわらず,単段 国4 ボイラ給水ポンプ断面図 当たりの揚程および羽根車周連などほ,回転数の制約をうけてむし ろ減少しており,羽根車直径および段数によって高圧をカ/ミーして いる例である。段数の点i・こついて言えば亜臨界圧用ポンプでも段数 の多いものは多く使われているので,両者において本質的な技術上 の相違はないと言っても過言ではない。 4.2 高圧化の問題点 ボイラ給水ポンプとして高圧に対して最も考慮を払うべきもの ほ,バーレルケーシング,ヘッド,同用締付ボルト,エラステック パッキンなどであり,内ケーシソグなどは,水圧が内外両面から作 用するので,亜臨界正用ポンプの部品強度と大幅な変更を必要とし ない。バーレル形ボイラ給水ポンプにおける高圧の受圧部であるバ ーレルケーシングおよびヘッドについては,両者とも単純な形状で あるので,圧力の増加分に対する強度の検討ほ容易になし得るもの である。図3ほ日立製作所の技術提携先であるアメリカパシフィッ クポンプ社が超臨界圧用として製作納入したボイラ給水ポンプの外 観写真を,図4ほその構造断面図を示したものであるが,その基本構 造において亜臨界圧用大容量ボイラ給水ポンプと同等である。ただ し写真から見られるように,そのヘッド締付ボルトは,千鳥状の複 列配置を取るなど,高圧に対する考慮の一端がうかがえよう。 ん3 軸 封 装 置 初期の超臨界圧プラントにおいては,前にも述べたよう己・こ,ヒー タの設備費節約のため,2∼3台のポンプを直列に接続し,その中問 1こ高圧ヒータを設けたため,高圧側ポンプ軸封装置は,きわめて過 酷な条件下にさらされることとなったが,現在では主給水ポンプに

(5)

昭和43年10月 日 立

ポンプ内部 子宝水注八 イご

菱]

生水 ブイ三1、こ惜へ 図5 フローティングリこ/グ式 軸封装置 \\■、、.\ 復水ポンプよl) ぐ / 卜 †\ 1与 らユ ニO u 第50巻 第10号 ▼1)■ ̄一 ̄

1

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l Z杉※桝グ ∵\ヾこべ斗こ十二\.二ヾ\汁ト\、\トこ十,ニ、、丁\ニ\Mファア l (′差圧制御方式) 図7 水 配 管 系 統 図 表5 高温高圧大容量ボイラ給水ポンプ主要部材質 口U 名 l 材 質 図6 固定プッシュ式軸封装置 必要な利用可能NPSHをカバーする程度のブースタポンプを取り 付けることが一般的であるため軸封装置に課される条件は,亜臨界 圧用ポンプのそれとほとんど相違はない。表2から明らかなよう に,軸封装置として使用さオ1ているものは,そのほとんどが復水注 入によって内部の熱水の漏れを防止するフローティングリング方式 のものか,固定ブッシュ方式のものが採用されている。その代表的 な例を図5および図dに示す。 ポンプの大容量仙こ伴って,当然軸径ほ太くなり,軸封装置から 注入する復水の外部漏えい量およぴポンプ内部への漏れ込み量が多 くなるため,大容量ボイラ給水ポンプi・こついては,軸封部に対する 封水の注入量を必要最小限に保ち,プラントの熱効率の向上と,冷 水封如こよるポンプへの悪影響を避けるた軌封水の自動制御を行 なう例が多くなつてきた。この方式には大別して二つの方法があり, その一つほ,封水の外部漏えい水の温度を検出してこの温度を一定 に保つよう封水制御弁の自動開閉操作を行なう方式であり,他の一 つは,封水注入圧力と,ポンプ内圧を検出してその差圧を′臥二一定 に保つように封水制御弁の自動開閉操作を行ない,封水圧の変化, 負荷変軌こよるポンプ内圧の変化,ポンプ停止時の条件などに即応 して自動的に差圧が一定になるよう作動する方式である。差圧制御 方式による代表的な系統図は図7に示すとおりである。 これらほ,軸封装置に課せられる条件から考えれば,超臨界圧用 ボイラ給水ポンプに限ったことではなく,亜臨界圧用大容量ボイラ 給水ポンプiこも使用されているものである。 4・4 超臨界圧用ボイラ給水ポンプに課せられる条件ほ,前述のように 高圧であること,大容量となることの二点であり,主として強度上 の問題として解決されるため,材質選定上特に変わった点はない。 /、一ンルケーシング ノ 羽 睨 車 シ ャ フ :、 内 ケ ー シ ン グ 案 内 羽 ウェアリングリング パラ/スプ シュ バランススリ ープ シャフト スリ ー プ 炭素鋼鍛造品(安部ステンレス肉感り) 炭素鋼鍛造品(要部ステンレス肉感り) 高炭素13Cr鋳鋼(しゅう動面特殊表面焼入,振動研摩) 13Cr鋼(要部特殊クロームメッキ) 13Cr鋳鋼 13Cr鋳鋼 17Cr鋳鋼(硬†ヒ焼入) 17Cr鋳鋼(硬化焼入) 17Cr鋳鋼(硬化焼入) 13Cr鋼(クロームメッキ) ただ超臨界圧,亜臨界圧の差ということではなく,大容量機特有の 問題として考慮すべき問題は次の点である。 (1)駆動タービン側からの要求として,低速ターニングが行な われるが,この期間中にポンプ内部の細げきしゅう動部の かじり付き防止を十分検討する必要があること (2)軸受周速の増加に伴って,13%クローム軸と,プレーン軸 受問に発生する摩擦電気によるアークや,炭化クロームの 生成などから軸受の適切な保護方策を検討しておく必要が あること (3)バーレル内部の高流速部分に対して必要に応じてステンレ ス鋼の肉感りをすること 上記3項は,すでに亜臨界圧ポンプにおいて実蹟を有するもので, (1)ほしゅう動性のよい金属の組合せ,(2)は軸受部の潤滑性を よくし,軸受内部で部分的に高温となる部分をなくす処置,(3)は 従来ほめ合面に実施されてきたが,さらにその範囲を拡張する場合 があるなどである。表5ほ超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプ に使用される材質の一覧表である。これは上記問凰如こ対する対策 が取り入れられたものである。 4.5 最低給水量とバランス管の接続 小水量運転時にポンプを温度上昇による高温から保護するための 最低バイパス流量(通常ミニマムフローと呼ぶ)はポンプの容量が 大きくなれ:ご,相対的に増加し多量のバイパス量を必要とするよう になる。・ミニマムフローの決め方の目安として,温度上昇値を10℃ 程度に押える考え方が取られる場合もあるが(この方法は給水温度 カ;比較的低い場合には簡単に求められるため便利である),別の考

(6)

-82-超臨界圧火力発電所用

ボ イ ラ

給水

ポ プ え方としてバランス室内(バランスディスクや/ミランスドラムを使 用しているポンプで高圧水が漏れ出る部屋)で漏えい水がフラヅシ ソグを起こさない条件から温度上昇値を決める方法もあり,給水温 度が高い場合には後者の方法によるべきである。その理由ほ給水温 度が高くなってくると,飽和蒸気圧の変化率は急激に増加するため, 10℃の温度上昇を取ることができない場合があるためである。ポン プ内で最も温度上昇の高くなる部分は,バランス室内であり,通常 バラソス室からの漏えい水ほ,脱気器に導かれるため,バランス重 圧力は,ポンプのサクション圧(ブースタポンプ件の場合はブース タポンプのサクショソ圧)に配管抵抗を加えた圧力となり,温度の

上がった水の飽和蒸気圧が,バランス重圧力より低くな考ようiこ温

度上昇値を押える必要がある。.ノミランス室内での温度上昇値は次式 で示される。

』J=些_

427ワ ニこで,Jf:温度上昇値 。打:全 揚 程 r:ボ ン′ プ効率 ℃ m 〝ル である。 この式ほ,ポンプから吐き出される水の温度上昇値を示す次式と は,異なる点に注意する必要がある。 +才= (100一り)〃 427T ただし,フラッシソグを起こさない条件が満足されるからといっ て,温度上昇値を無制限にとれるということでほなく,機械的条件 から15∼16℃程度に押えるのが安全である。フラッシソグを起こさ ない条件から考えれば,ノミランス窒の漏えい水ほ,軸スラストパラ ソスとの関連において許されるならば,なるべく圧力の高いライン に戻したほうが,ミニマムフローを小さく取ることができることに なり,その意味でブースタポンプ付の場合にほ,ブースタポンプの 吐出側に戻したほうがよい。ブースタポンプ不付の場合iこは,従来 のプラクティスどおり脱気器に接続すべきであろう。 4.d 水 並臨界圧プラントの場合;・こほ,再熱器減温用の江水ほ通常ボイラ 給水ポンプの吐出水を減圧して佐相してきたが,超臨界凪二なると 圧力が高くなり減圧弁の寿命に問題が出てくるため,ボイラ給水ポ ンプの中間段から抽水することが要求される。ポンプの構造は図4 に示すように,バーレルケーシングの内面中間部にシール面を設け て低圧抽水を取り出すようにするため,やや複雑となり,バーレル ケーシングは一まわり大きなものとなる。亜臨界圧プラントの場合 でも,類似構造で中間抽水を取り出すようにした例もあるので,こ のことは,超臨界圧特有の問題と言えるものではない。 中間抽水を行なうことによって,高圧水を減圧して使用する必要 がないため,それだけ動力費が節約されることになるが,ポンプは 道に割高となるので,減圧弁の摩耗の問題と合わせて経済比較を行 なうべきであるということになる。 以上 主要な問題と考えられる項目についての検討を行なってき た。上記以外にも種々の問題点はあろうが,特に超臨界圧特有の問 題は見あたらない。大容量という点から言えば,主タービン軸駆動 の全容量ボイラ給水ポンプの問題があげられるが,ここでは対象外 ということで,ほかの棟会にゆずることにする。

5.結

口 超臨界圧火力発電所用ボイラ給水ポンプについて,アメリカおよ び日本の現状を述べるとともに,亜臨界圧用ボイラ給水ポンプと比 較しつつその問題点についての検討を述べたが,現在では両者にお いて基本的問題に関しての本質的な相違はないといっても過言では ない。日本においては,現在運転またほ建設中の超臨界圧火力発電

所に匹敵する亜臨界匠火力発電所がないため,アメリカにおける事

情とは異なるが,日立製作所は,大形ボイラ給水ポンプとしての国 産第1号依を製作して以来十数年にわたって大容量化の要求に応じ て,多数の大形ボイラ給水ポンプを製作してきた。今後とも可能な 隈F)外国の技術も取り入れ,信板性の高い高性能のボイラ給水ポン プの製作に努力を傾注し,絶え間なく進歩を続けるわが国火力発電 技術の発展の歴史に悔いを残さないよう心がけている。 参 男 文 献 宮岡,火力発電1る,20(昭40-11)

Design Survey ofCentralSta.,Power(1957∼1誹娼)

参照

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理由:ボイラー MCR範囲内の 定格出力超過出 力は技術評価に て問題なしと確 認 済 み で あ る が、複数の火力

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