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高調波対策付新形保護継電装置の開発

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小特集・最近の電力系統保護継電装置

U・D・C・占21.31る.925.4:[る21.372.54:る21.372.57]:る21.311.014.7.018.3

高調波対策付新形保護継電装置の開発

Development

of

New

Protective

Relays

with

lmproved

Performance

against

High

Harmonics

電力系統の事故時に発生する高調波は,ケーブル系統・調相用コンデンサなどの 適用拡大により増加の一途をたどっており,保護継電装置に対しても動作遅延など の悪影響を与えることが懸念されている。今回これらの問題に対処するため,実系 統の高調波解析を行ない,これに基づき,高調波対策付新形保護継電装置の開発を 行なった。 この論文では,実系統での高調波発生機構・発生量の解析を行ない,ケーブル系 統で第3∼20調披,調相用コンデンサについて第2.5∼3調波が発生することを明ら かにし,保護継電装置の高調波対策の必要性と,各継電器の高調波対策の考え方を 明白にした。この結果に基づき,継電器入力部に非振動形の高精度アクティブフィ ルタを適用し,所期の高調波性能をもつ新形保護継電装置を開発した。また同時に 新形保護継電装置では,入力変成器として小形トロイデルコアを開発し,1ボード 継電器を実現するとともに,装置の仝IC化を図r),30%の小形化(当社従来比)を 図った。 l】

言  ̄最近,電力系統の垂負荷に対する調相用コンデンサ,及び 超高圧地中ケーブル送電線は増加の一途をたどり,更に周波 数変換所などの電力用フィルタの設置も手伝って,系統事故 時に発生する電圧・電子元高調波成分は著しく増大しておr), しかも,その次数も基本波に近い第2-3調披近傍のものが 発生するケースが多くなってきている。 このような高調波の発生に対し,従来の静止形(トランジス タ形)保護継電装置は,その影響により特性ひずみを起こし, 動作遅延又は最過酷ケースでは誤不動作に至るおそれがある ことが明らかになってきた。 これらの問題点に対処するため,実系統の高調波発生機構 を解明し,発生量の解析を行ない,この結果に基づき高精度 アクティブフィルタを適用した高調波対策付新形保護継電装 置の開発を行なった。以下,その結果について述べる。 国

電力系統事故時の高調波解析

電力系統に事故が発生した場合,系統のインダクタンスエ と調相用コンデンサ,又はケーブル送電線などの対地静電容 量Cに蓄えられたエネルギーの放電によって過渡振動が生じ, 基本披成分(50Hz又は60Hz)とは異なった高調波の周波数成分 が発生する。このような高調波の保護継電装置に及ぼす影響 を解明するため,ディジタル計算機によるシミュレーション 及び高調波の発生メカニズムを考慮したアナログ解析手法を 用いて高調波解析を行なった。特に,アナログ解析手法では 非整数高調波についても,発生量,周波数が比較的精度良く 解析でき,保護継電装置に対する影響を検討するのに有効な 手段といえる。このアナログ解析手法は,図lに示す一般的

なモデル系統の高調波が(1)式-(4)式で表わされることに着目

し解析したが,この結果は,ディジタル計算機によるシミュ レーション結果とよく一致した。

図1のA端での高調波(各定数は図1参照。)

久保隆生*

岩谷二三夫*

牧野淳一** 小野イ安雄*** ∬祉ムo mんα0 J礼Ⅶ吉α7エゴ♪もmgo Aオα丘JれP J址几'gcんJ OれO Tb5ん∼0

JA=仙A・CA・E七髭)2si…月才・‥‥付

ここに ん:A端からi売人する高調波電i先 山A:A端からi充入する高調波電流の角速度 CA:A端背後の調相用コンデンサ容量 E:電源電圧 上G:A端背後の電源インダクタンス エA:Aラ端から事故点Fまでの送電線のインダクタンス ∼:時間 lん=仙月2・Cノl・E

(志)2

ここに l㌔:A端での高調波電子充 図1のB端での高調波 Jβ=仙月・CβE sin(り月∼・・ (発電機) ムc J′l (架空系送電線) 上月 エβ g 調柏用 コンテ F(事故点) COS αJAJ

T

スス ンン

熟脚

・(2)

・(3)

(ケーブル系送電線)

(:β千(対地静電

よ容量)

図l超高圧ケーブル系統例 系統事故時,調相用コンデンサ(C。)や ケーブル送電線の対地静電容量Cノブと系統のインダクタンスLc,+ん+月に蓄え られたエネルギーの充放電により高調フ皮が発生する。 *日立製作所人みか工場 ** 口立製作所日立研究所 *** 日立製作所那珂工場

(2)

220kV ′ヽ

(ケwプル系送電線15km) OF2,500mm2×3条.′`相 も′■F C(2恥F)

PD (架空系送電線) CT▼▼・◆Jfl ---継電器 F(事故点) ここに J月:B端からi元入する高調波電i充 山β:B端からi売人する高調波電流.の角速度 Cβ:B端背後のケーブル送電線の対地静電答量

lち=山名・エβ・Cβ・Ecos`”β∼

・(4)

0 0 5 0 0 0 0 月 ■b (訳)昌祢蛸柳津鰐伸也紆 O rnJ 0 ∩) 0 5 (訳)hへh 掛軸側溝鰐雌蝶脚 り`=(高調波電涜).■`(基本波電涜) 小=(高調波電圧トー(基本濾電圧)

∠プ

りさ≒10′上 2・≒10几2 0 1 2 3 4 高調波次数 注:略語説明 t′r♪・(保護継電器設置点の電圧) J♪1(保護継電器設置点の電流) CT(電洗変成器) PD(電圧変成器) 5 6 7 8 9 10 1112 (基本波に対する倍数) 図2 ケーブル系統の高調三度発生例(計算値) nと高調波重量率〝にはほぼ一定の関係がある。 (kV) 37.0 18.7 (kV) 37.0 18フ 1サイクル 発生する高調波次数 電圧V月(篇17高調波) 0 0.5 1 1サイクル Z ]〓 旗 本 基 0 電流J月(第17高調波) 0.5 1・0 基本波(Hz) 区13 実系統の高調ラ皮発生例(計算値) ディジタルシミュレーション による高調i皮解析例を示す。 ここに l勺:B端での高調波電圧 エβ:B端から事故点Fまでの送電線のインダクタンス

仙。=1/初

山β=1/ノ砧

以_Lのアナログ解析手法及びディジタルシミュレーション による実系統の高調波解析結果を図2∼4に示す。これらの 解析結果から,ケーブル系統の対地静電容量による高調波は

ほぼ次の(5),(6)式で表わされることが明らかとなった。

電流高調波重畳率甲吉=10れ

‥…‥‥‥‥‥‥‥‥……・・・…・・(5)

電圧高調波重畳率恥=10γ12・・‥…・・・

‥……・(6)

ここに れ=高調波次数 また,調相用コンデンサから発生する高調波はほぼ第2.5∼ 第3高調波,発生量は電流で2∼6kA程度で,事故点による 周波数の変化はほとんどない。図3にはディジタル計算機に よるシミュレーション結果の一例としてケーブル系統の高調 波波形の具体例を示す。 田

従来形継電器に対する高調波の影響

以__Lのような高調波の発生に対して,入力電圧・電流を方 形波に変検して位相比較を行なう直接位和比較J京理の継電器 では,高調波による波形ひずみの影響を受けやすい傾向にあ る。その例として,図5に従来形距離継電器の高調波含有時 の応動を示すが,高調波の含有により,位相特性に』βの遅 T 960 MVA り20 MVA 650MVA T 560MVA 500MVA 270MVA T 330MVA T T 3 2 (嶽郎芯中萩=義解柚)だ東塔無稽惟

才≡

事故点A 事故点B 事故点C 事故点D 事故点E

章一--雪空苧ンサ

いずれも3繚 短牌事故 0 2 4 6 8 10 高調波電流の大きさ ノダ(kA) 図4 調相用コンデンサによる高調波電流発生例(計算値) 調相 用コンデンサによる高調ラ皮は,ほぼ第2.5調漉から第3高調)皮の間に分布L,事 故点による周三度数の変化はほとんどない。

(3)

高調波対策付新形保護継電装置の開発 769 パルス変換 位相比較 電圧Ⅴ

≠\オー(づ

戸諾わ

電流波形 JZ JZ--r

母君

萄才

(a)動作ブ仁トソク図 基本法 高調波含有時

./

パルス波形

一lト』β位相が進む。

高調波含有 基本波 / 電流波形 ヽ

パルス波形

l

+ト』β位相が遅れる。

/

時 (b)高調波重畳時の位相特性 β 。パー

(β>90度判定)

′/

ハリU ″d ワ∠ 出力 注二略語説明 JZ(動作電圧) JZ-V(測距電圧) β(判定角) 』β(高調波による位相誤差) ∠5(継電器整定値) 基本波特性 動作開始領域 (白抜き部) 完全動作領域 (斜線部)

〕悪習波

図5 高調波重畳時の継 電器の応動(距離継電器 の例) 高調波の影響によ り位相特性が±』β変動する とともに,最大感度(75度)上 では不動作となる領土或が発生 する。 れこえは進み方向の誤差を生ずるとともに,最大感度(60度又は 75度)上の整定値Z5付近では不動作の傾向となる。図6に第 3高調波を電i先に10%,電圧に30%重畳させたときの位相特 性の具体例を示すが,高調波の発生量が更に増加した場合、 位相比較のための方形波がi皮形割れを生じ継電器としては不 動作の傾向となる。 【】

新形保護継電器の高調波対策

以上のような従来形継電器の問題点を解7失するため,高性 能アクティブフィルタを伐用した高調波対策付新形保護継電 第3高調波重畳 電流:10% 電圧:30% 基本濾特性 750 ズ / X J X ㌔1Xl

トー動作開始

完全動作 高調波 特性 8(S之)R 図6 従来形モー特性距離継電器高調波特性例(実測値) 高調波 を非同期で重畳した場合の特性を示す。図5で説明Lた傾向が昆頁著に表われている。 装置の開発を行なったが,これに先だち各種継電器の高調波 対策の考え方を明らかにした。 4.一 高調波対策の考え方 保護継電器の高調波対策を実施するに当たっては,各継電 器の整定条件から高調波に対する許容誤差の制約を受ける。 このため,各種継電器の整定条件から許容誤差の検討を行な い,その高調波対策の考え方を表lに示すように決定し,高 調波影響に対する目標性能とした。またこのときの高調波発 生条件としては,先の高調波解析の結果図2,3に基づき, 第3高調波電i充30%,電圧90%重畳の最も厳しいと想定され る条件を設定した。なお,調相用コンデンサからの高調波は 第2.5調波と更に低次の高調波が発生するが,高調波の発生量 が比較的少なく,保護継電器への厳しさは,第3高調波電流30 %重畳とほぼ同程度とみなすことができる。 4.2 アクティブフィルタの構成と性能 保護継電器の高調波対策を行なうに当たっては,動作時間 特件を阻害せず,また系統事故発生及び除去時の過i度現象の 影響を受けないよう十分な配慮か必要である。このため,高 調波対策付新形保言壁継電器で,周波数特性及び過i度特性の十 分な検討を行ない,ロ川パスフィルタ2段+バンドパスフィ ルタ1段柿成の高精度アクティブフィルタを適用した。図7, 8にその構成,周波数特件及び過妻度特′性を示す。特に,2入 力の位オ目比較を行なう直接位相比較形継電器では高精度のガJ -一な特性を必要とするため,フィルタの構成素子は精密級の ものをデバ、ソギングして他用し,高精度・高信根性のフィル タを実現した。図8の過亨度特性からも明らかなように,フィ ルタ出力l勺は非批動減衰となっており,これを適月]した足巨離 継電器で,オーバリーチが数パーセント以下の極めて少ない安

(4)

表l 新形保護継電装置(K5シリーズ)の高調三度対策の考え方 各種継電器の整定条件から高調波 に対する許容誤差が)夫定される。 No. デイバスN8. 高調波対策の考え方 高調波対策の説明 1 44S】 短絡方向 XZ5 β (1)保護区間インピーダンスZlの300%程 高調波含有率30%(at/3)で 最大感度β上 (1)保護区間インピーダンスZlがリーチ 度以上 ∠5>3Zl でリーチ誤差-15%以内とする。 の40%以内に入ることを目標に, (2)次区間の遠議事故の後備保護を行な (高調波含有時のリーチZ5=(1-0.15)Zl Zl′/′z′5=Zl/′(1-0.15)Z5=Zl/ 距離継電 うため,150%(自区間+次区間)以上 =0.85Z.1) (1-0.15)×3Z=0.39<40%R の整定を考え, (2)高調波含有時Z's>(Zl+Z2)になる 0

◎+ZllZ2プIZs>1・5(Z】+Z2)

ことを目標に,Zs=(1-0.15)∠s=1.275(Zl+Z2)>(Zl+Z2) 2 44G】 距離継電短絡方向 器 ×/.っ 〟R 0 44Slと同一の考え方に下記零相補償を行 なわないためのアンダリーチを考慮し, Zs>(1.6∼2)×3Zl≒5へ6Zl 零相補偶の考え方 zl=t'†Jt'rノー▼佗 ん+3仙(1十り(1,6へ2)J√∫ 同 上 同 上 3 44SX 短絡距離 X Z5 /′′/′′′/′′/′/′′

こ0▼rl--ゴR

保護区間インピーダンスの80、85%程度 の整定を考え, Z5=(0.8∼0.85)Zl 高調波含有峯30%(atノ3)で,最大感度β上 でリーチ誤差-15%以内とする。 高調波含有時,整定インピーダンスZ′5 が保護区間の60%程度以上になることを 継電器 (高調波含有時のリーチZs=(ト0.15)Zゴ =0.85/s) 目標に,Z′5=(1-0.15)Z5=(1-0.15) ×0.8Zl=0.68Zl 4 44GX 地絡距離 保護区問インピーダンスの70∼75%程度 の整定を考え, 高調波含有時,整定インピーダンスZ'5 が保護区間の60%程度以上になることを 継電器 ZJ=(0.7∼0.75)Zl 且標に,Z′s=(1-0.15)Zs=(1-0,15) ×0,7Zl=0,60Zl 5 6 78 51 各相位相 比較キャ リヤ継電 器 過電流 継電器 (1)J川レベルは最小事故電流J♪(二対し ナナ、>(1.5∼2)J仙また内部充電電流 (1)J川レベルは高調波含有率30%(aり3) で誤差+15%以内 高調波含有時の感度低下があっても動作 時間遅延が少な〈なるよう ん〃く1.3J♪-程度とするため, J〃=(ト0,15)〃一〃<1.5Jflより J⊥〃<1.27JF (高調波含有時の位相誤差は±5以内 とする。) タップ値の150%電流で動作復帰とも15 ms以下と高速であり,ストソパとLての

ノ/が\

J〔、に対し上川>Jrとする。 (2)J比レベルは内部2甲-S時の流出電流 Jsr‖二対し,J⊥⊥>J5りとする。また JいJと協調をとり,J上〃>1.4JJ+⊥とする 事故電流J♪1がタップ値Jrに対L (2)J⊥ルベルは非電源端より流入する 電涜J⊥⊥をレベルに引っかけないよう, Jいノ>αJI・(フィルタによる減衰率 をαとする。) 第5高調波で,整定借の3倍以上で動作 Jfう(1.5∼2)けとする。 (第3高調波30%含有で感度ばらつき ±25%) 用途を考慮Lたときは,フィルタによる 時間遅延はなるペく少ないほうが好まし い。またJf・>2Jrが確保できれば左記の 管王里値での15msの動作が可能である。 引 40 30 20 10 0 d 一 一 一 】 (榊僻奨無籍梱)八†もG≠ユ、†卜 P B H P ト 】 P + 1 2 3 4 6(倍) 周波数(基本波に対する倍数71) 注:略語説明 LP(ロー′ミスフィルタ),日P(バンドパスフィルタ) 図7 アクティブフィルタの構成と周三皮数特性(距離継電器用) 第3高調波で一柑dBの減衰特性を実現Lている。 走した過i度特性を得ることができた。なお、周波数特性について は,表1の目標性能を満足させるため,第3高調波で一19dB のさ成衰特性とした。 4.3

新形継電器(K5シリーズ)の高調波性能

以上の検討結果に基づき,高精度アクティブフィルタを適 用した高調波対策付新形保護継電器シリーズ(K5シリーズ) の開発を行なった。図9に距離継電器の回路構成例を示すが. 極惟回路及び測距回路にアクティブフィルタの適用を図って 高調波対策を行ない,また極件回路についてはアクティブフ ィルタにメモリ効果をもたせ,至近端事故対策も兼ねている。 10 ⊥>NT n

圧 電 フ加 ソ ∩りl . ′トト テ ス P L L 〔「 BP tノ「2 l/3 しr3

+5ms【十

注:略語説明 Vl,も・r2,t′r3(各フィルタ出力電圧) 図8 アクティブフィルタの過三度応答例(距離継電器用) た過渡特性を得るため,フィルタ出力帖は非振動減衰特性とした。 安定L また特に,新シリーズの継電器では,高調波対策用アクティ ブフィルタの前段ですべてのベクトル演算処理を行なうこと を基本思想として取り入れ,大電流域でも安定した直線性が 得られるよう配慮した。 図10,11にそれぞれ新形シリーズの距離継電器の位相特性 吉式験結果,動特性試験結果を示す。高調波重畳時の位相特性 は第3高調波電流30%,電圧90%重畳の厳しい条件でも最大 感度のアンダリーチ9%を実現しており,表1の目標性能15% 以下を十分満足する良好な結果を得た。また,図‖の動特性 試験でも第3高調i度量畳時に正半波・負半彼のOR出力17ms,

(5)

AND出力27msの高速動作(50Hzベース)を実現Lている。 図12に同様な高精度アクティブフィルタを適用した各相位 相キャリヤリレーの動特性試験結果を,従来品(高調波対策な し)との比重交で示す。従来品ではB端送信波形にみられるとお PT (トロイグルコア) 電圧入・刀 電洩仙入力

方わ CT (トロイグルコア)

刀ア 整定タップ 極性回路 アクティフ フィルタ 測距回路 パ 変換回路 ベクトル 加算回路 アクティブ フィルタ パ 変換回路 位 相 上ヒ 卓交 回 路 出力 図9 新形継電器の回路構成(距離継電器の例) 高調波対策用アク ティブフィルタの前段でベクトル演算処理を行ない,大電;荒城でも安定Lた直 線性が弓等られるよう配慮してある。 Jダ 調相用コンデンサ模擬 電 圧 電 流 OR出力 AND出力 T 継電器 17ms

27ms

図I一 新形距離継電器の高調波重畳時の動作例 第3高調波重畳時 でもOR出力l了ms,AND出力27msの高速動作を実現Lている。 高調波対策付新形保護継電装置の開発 771 り高調波の影響により60msに動作時間が遅延しているが,ア クティブフィルタを適用したK5新シリーズの継電器では20ms と所期の目標性能(1.5Hz,30ms以下)を十分j満足しており, 高調波対策の効果が顕著である。 × ● X 第3高調波重畳 電流 30% 電圧90% .基本波特性

×xべ.芸芸芸諾高調波特性

.r

X 750 0 2 4 6 8(記)R 図柑 新形モー特性距離継電器高調波特性例 第3高調波重畳時最 大感度(75度)上のアンダリーチ9%を実現しており,目標性能15%以下を満足 Lている。 J▲4 JJタ (1A整定) 継電器 n〃 ∫ 末 流 電 電 ・1「 hβ

後 過 通 タ レ イ プ 端 端 卜川■+旧.し 榔州 歯〃 送信波形 (フィルタなし)

E…

新形継電器出力 (フィルタ付) 従来形継電器出力 (フィルタなし) (0.5A整定) 継電器 ケーブル系統横手穎 ⊥ T l あ l▲ 20ms

l 60ms ▼■ 図12_新形位相比較継電器の高調波重畳時の動作例(各相位相比較 キャリヤリレー) 高調波対策用フィルタなLの場合,送信波形(B端)が 高調う皮の影響を受け60msに動作遅延Lている。 11

(6)

パッケージ (電子回路部品) Elコア 入力変成器フレーム (a)従来形継電器の構成 「  ̄ ̄「

+_竺聖竺聖+

◎㊥

Elコア(外鉄形) ■ ̄ ̄ ̄ ̄ 「 継電器外ケース

トロイグルコア(内鉄形) トロイダルコア(入力変成器) (b)新形継電器の構成(1パッケージ構成) 匡113 継電器のハードウェア構成の改良 トロイグルコアの開発によ り,入力変成器が電子回路部品とともにパッケージ搭載が可能となり.1ボー ド(トパッケージ)継電器の実現が可能となった。 l司

新形継電装置の装置構成

5.1継電器単体のハードウェア構成 高調波対策付新形保護継電器の開発に当たっては,高調波 件能の向上に合わせ,継電器単体ハードウェアについても種 種の改良を行なった。まず入力変成器については,従来形で は図13(a)に示す外鉄形EIコアを使用していたため,ハード ウェア的に占める体積も大きく,その自己負担も継電器全体 の50%程度を占めていた。このため,今回才滋気材料の見直し を図るとともに,内鉄形トロイグルコアを開発し適用した。 このトロイデルコアでは,磁気材料の改善とともにコア全体 に対し,一次コイル,二二大コイルを均一に分布させて巻くた めに,従来形の外鉄形EIコアに対し次のような特長をもつ。

(1)実効透磁率を1.5倍に向上できる。

(2)入力変成器間の磁気誘導を-i諒に低減できる。

(3)入力変成器負担を20∼30%に低減できる。

(4)占有体積を50%程度に低減できる。

(5)入力変成器のプリント板搭載が可能である。

以上のような特長をもつ入力変成器の開発・適用により, 新シリーズの継電器単体のハードウェア構成を図13(b)に示す ように改良した。すなわち,従来形では,外鉄形EIコアを使 用していたため,電子回路部品用のパ、ソケージとは別に入力 変成器用フレームを設け,継電器外ケースに収納していたの に対し,新K5シリーズでは,′ト形の内鉄形トロイグルコア j采用により,入力変成器が電子回路部品とともに1枚のパッ ケージに搭載することが可能となり,1ボード(1パ、ソケージ) 継電器を実現した。図14に実際の新シリーズ継電器の構成を 示す。 5.2 保護継電装置の構成 高調波対策付新シリーズの継電器を使用した保護継電装置 の構成例(275kV各相位相比較キャリヤリレー装置)を匡lほに 示す。この装置では,継電器単体の入力変成器にトロイデル 12 冬空 甑加鶏 ●金串

ノ雷雨類句珊邪

l

図14 新形継電 器の構成 入力変成器をトロ イダルコア形とL, パッケージ搭載を 可能とした。 図15 新形保護 継電装置の構成 (220kV標本量位 相比較キャリヤ リレー装置の例) 継電器単体を単要 素・単機能構成と し,装置もブロッ クビルディング方 式の盤構成とし, システム信頼性を 向上させた。 コアを採用するとともに,装置の仝IC化を図り,入力変成 昔旨負担を従来の20∼30%(当社比)に低減するとともに,30% (当社比)の盤面縮小を図った。また,継電器の1ボード化(1 パ、ソケージ化)に合わせ単要素・単機能構成として取扱い時, 保守時及び試験時の便宜を図るとともに,これらの継電器を 組み合わせたブロックビルディ ング方式の盤構成としてシス テム信束緋Lを向上させ,予備品との交換なども容易にした。 また,ブロックビルディング方式をj采用することにより,あら ゆる保護方式の構成も簡単にでき,方式変更に対する柔軟性 をもたせた。 また継電器単体を全シリーズ統一し,超々高圧系統から高 圧系統まで一貫したシリーズの継電器が適用できるようにした。 B

言 以上,高調波対策付新形保護継電装置の高調波性能,過渡 特件及び装置の構成について説明したが,この開発により, 超々高圧から高圧系統に至るまでの一貫した新形保護継電装 置を完成することができた。この新形保護継電器シIノーズの 開発により,あらゆる電圧階級,保護方式に対応できる継電 装置を実現することが可能となった。 最後にこの開発に当たり,終始御指導・御協力をいただい た電力会社の関係各位に対し,深く感謝する次第である。

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