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実践的・体験的活動を中核とする家庭科教育実践事例の考察 : 「家庭の仕事や家族との触れ合い」「発酵」「染色」の授業

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はじめに

現行の学習指導要領への改訂にあたり,教育課程審議会は家庭科の改善の基本方針として,「衣食住やものづ くりなどに関する実践的・体験的な活動を通して,家族の人間関係や家庭の機能を理解し,生活に必要な知識・ 技術の習得や生活を工夫し創造する能力を育成するとともに,生活をよりよくしようとする意欲と実践的な態度 を育成することをより一層重視する観点から,小学校の家庭科,中学校の技術・家庭科及び高等学校の家庭科に ついて,その領域構成や内容の改善を図る。」1)ことを示した。 家庭科では,従来から実践的・体験的な学習を中核とした授業実践がなされてきたものの,現在の児童・生徒 の生活体験の不足を背景に,「生きる力」の育成をめざし実践的・体験的な活動のさらなる充実が求められたと いえる。 本研究では,小学校「家庭の仕事や家族との触れ合い」,「発酵」および「染色」に関する実践的・体験的な学 習に焦点をあて,その授業実践事例の分析を通して,その傾向を把握し,今後の課題を明らかにすることを目的 とする。

! 小学校「家庭の仕事や家族との触れ合い」に関する学習と授業実践事例

1.実践的・体験的活動の重要性 鈴木は,「行為,行動,活動を起こすことによってつくられる環境,あるいは変化する環境がさらなる意味あ る思考,認識や行為,より活動性の高い行動を引き起こす契機になる」2)と指摘している。「行為,行動,活動を 起こす」ことが,家庭科の学習で重視している実践的・体験的活動といえよう。児童が家庭で役割をもつことや 家族と何らかの触れ合いをもつことも,この場合における「行為,行動,活動を起こす」ことにあたるといえる。 家庭で役割をもつということは,その行為を継続的に担うことであり,家庭という環境に与える影響も持続する ことになり,それによって児童の思考や認識も影響を受けると考えられる。 現行の学習指導要領実施以前の調査3)によれば,家庭でお手伝いをしている児童の数と範囲は限られたものに なっており,また,休日における家庭での過ごし方として,家庭で仕事をすることがほとんどないことが報告さ れた。これは,子どもは勉強をしていればよいという分業観としてもみることができ,子どもも家族の一員とし てこれだけはさせるべきという考えが薄れていることを反映するものと思われる。子どもが家庭の仕事をしない という状況は,子どもの家庭における成長の機会を奪っている可能性があることになる。 2.児童のコミュニケーションに関する現職教員へのヒアリング 小学校家庭科の学習内容「家庭の仕事や家族との触れ合い」における「家族との触れ合い」の基本はコミュニ ケーションである。そこで,学校生活における児童のコミュニケーションの実態について現職教員8人に2007年 6月にヒアリングを行った。その結果,児童は,すべてが言葉になっていなくても相手の表情やその場の雰囲気

実践的・体験的活動を中核とする家庭科教育実践事例の考察

――「家庭の仕事や家族との触れ合い」「発酵」「染色」の授業 ――

,乾

**

,藤

***

** **** (キーワード:家庭科,実践的活動,家族と家庭生活,発酵,染色) ***鳴門教育大学生活・健康系(家庭)教育講座 ***鳴門教育大学大学院教育学研究科教科・領域専攻生活・健康系コース(家庭) ***鳴門教育大学大学院教育学研究科学校教育専攻総合学習開発コース ―369―

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などで状況をつかむことができているが,他者理解の姿勢の面では,特定の気の合う仲間とだけつき合うといっ た殻にこもってしまいがちな実態が指摘された。また,学校教育において,言葉の指導を重視する傾向があるが, 共通体験等を通じて相手のことをより深く知ろうとする力の育成の手法が求められていた。 3.授業実践事例の考察 小学校学習指導要領解説家庭科編によれば,「家庭生活に関心をもつ」について,「これまで過ごしてきた家庭 生活を改めて見つめ直したり,疑問等を意識したりするようになる。」4) と述べられている。児童が,このような 関心をもって家庭の仕事や家族との触れ合いができるようになるためには,どのような力が育成されなければな らないであろうか。 ここでは,家族とともに生活に伴う種々の活動に参画することで,体験を共有し得,その体験の共有が自分以 外の家族のことを推し量ることができるようになり,また家族が担っている自分や家族の生活を支える仕事や, その他の家庭生活を構成している要素について知ろうとする姿勢や能力について考察したい。 西敦子の実践5)によれば,創意工夫する能力や関心・意欲・態度の評価のための実践研究として,家族の会話 を作りかえ,それをもとによりよいコミュニケーションの方法を探らせることを実施した。ある家族の会話に対 して,コミュニケーションが十分に図れた会話として描き直すという課題を与え,3人グループとなって会話を 創作させる。創作に当たっての留意点として,相手の言葉を正しく聞き取る,質問に応答する,相手の気持ちを 推し量る,視線を合わせる,を提示した。その結果を報告させ,それぞれの会話について全員で意見交流を行っ たところ,例えば食器洗いやゲーム機の片付け,風呂の用意といった会話に出てくる内容について,グループの 意見は分かれ,話し合いは活性化したという。 なお,この実践では,児童の達成度の評価を,自らの生活を結びつけて意思を表明する,他のものと比較し, 批判的思考を経て意見を表明する,過去の経験から導き出された意見を表明する,事実の認識,と段階的に示し ている。 この実践では,コミュニケーションを通してそれぞれの立場を推し量り,他者を理解しようとする能力を育成 しようとしたものといえる。ところが,言葉以外の様々な要素が盛り込まれている実践や体験がもつ教育的価値 を完全に補うには至っていないと考える。すなわち,会話だけでは解決しないように思われることでも,とにか く家庭で自分のことや家族のために何か行動をすることで,無言のメッセージとなってそれが家族に伝わること もあるであろうし,またそれが自分自身についての認識を高めることになるということである。 従来は,家族との触れ合いということは,言葉のコミュニケーション中心に取り上げられてきた。しかし,言 葉以外にもコミュニケーションの手段は存在し,その言葉にならない多くのメッセージは,子どもが家庭や家族 のことを見つめ直し,何かに取り組んでいこうとする姿勢や能力にこそあるというべきである。今後は,その具 体的な指導内容について研究を深めていきたい。 児童が家庭や家族との接点をもつ場面において,体験活動を通して児童が表面に現れないものに気付き,その 意味を感じ取っていく力の意義を考察し,教育実践を参考にその力を育成する方法を提案する。

! 「発酵」に関する実践事例

家庭科教育は生活と密接した教科であり,生きる力に繋がる知を主体的に学び追求する機会をつくり出すこと ができる。普段何気なく食べているものの中には生きているものの力を借りているものがあり,そのような「発 酵」に関する学習が家庭科教育において現在どのように位置づけられ,どのように授業が展開されているのかを 把握し,さらに,生きる力の育成と学習意欲の向上に繋げるために,より生活と密着した「発酵」教材を開発す ることが重要だと考える。 そこで,日本家庭科教育学会50周年記念家庭科教育教材データベースVer.2(2007年発行)を用い,小学校, 中学校,高校でそれぞれどのような教材を用い,発酵における教育実践がなされているかをまず検討した。それ から,それぞれの教材によって得られるメリットとデメリットを考察し,教材開発をする上で考えられる留意点 などを検討することとした。 1.「発酵」学習の教材 まず,どのような食材を用い,発酵における授業実践がなされていたかを検討した。全体でみると,17事例あ ―370―

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り,そのうち,大豆食品が53%,小麦食品が35%,牛乳食品が12%と大豆を使った発酵食品を実践する学校が多 いことがわかった(図1)。校種別でみると小学校では大豆食品が67%,小麦食品が33%,牛乳食品が0%と大 豆食品を多く取り扱っているのに対し,牛乳食品を取り扱う小学校はなかった(図2)。中学校では,大豆食品 が63%,小麦食品が25%,牛乳食品が12%と全件数に比例して大豆食品が多く牛乳食品が少ないという結果が得 られたが,発酵食品に関して学校別で様々な食品を用い,独自の授業展開を広げていた(図3)。高校では,大 豆食品が0%,小麦食品が67%,牛乳食品が33%と小学校,中学校とは異なり大豆食品を実践する学校がなかっ た(図4)。 次に,それぞれの食品を用いてどのような発酵食品を作成しているかであるが,一番多かったのはやはり大豆 食品である「みそ」で41%,続いて小麦食品である「パン」で35%であった。同じパンでも普段食べているパン やインドのパンなど様々で発酵方法に関しても抱きしめ法で行うなど工夫されていた。次いで「チーズ・ヨーグ ルト」が12%,「豆腐とみそ両方」が6%,「納豆」が6%であった(図5)。また,今回資料とした家庭科教育 学会データベースで取り扱われていた発酵食品を用いた授業実践によると小学校,中学校,高校にわたり特に熊 本,東京で多く実践されていることがわかった。 ―371―

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今回取り上げたデータベースでは大豆,小麦と我が国で自給率が低いとされている食品を使っているものが多 かった。6)このことから,食糧自給の問題や我々が何気なく食べるという動作をしているが,世界のあらゆる国か らの協力があってこそ食事が満たされているということ,地産地消についての学習も展開できる。また,地産地 消と関連付けて健康教育や環境問題も実践と結びつけて理解を深めることができる。7)さらに,現代社会において 豊かなあまりに簡便化などが進む中,子どもたちは出来上がった商品は知っているもののその商品が何からでき ているのか原材料を知らない子どもたちが増えてきている。これはアレルギーの問題を考えても含まれる食品が 何なのかを知らなければ,自分自身を守ることができない。よって,取り上げられる頻度が高い食品を利用した 教材は発酵に関してだけではなく,生きる力を養うという分野においても意味のある学習だと考える。しかし, これらの食品はアレルギー食品として表示を義務付けられているものであり,アレルギーを持つ子どもにとって はリスクが大きく,授業に参加できないため,他の教材を考えたり,選択制にしたりするなどの配慮が必要であ る。 小学校,中学校,高校と全ての校種で多く実践されていたのは小麦を使った発酵食品であった。中でも,パン 作りの例は多く,この教材におけるメリットとデメリットについて検討した。まず,普段私たちが食べているパ ンだけでなく,様々な国で食べられているパンを取り扱っていたが,これは世界の食文化に興味・関心を湧かせ, 理解することに繋がる。また,小学校でよく実践されていた発酵方法で抱きしめ法がある。これは,パンを発酵 させるとき,インキュベーター・発酵機を利用するのではなく自分のお腹で抱きかかえ体温で発酵させる方法で ある。この方法は,イースト菌は生きているということや実際に発酵し膨らむ様子を体で体験させることができ, 意義や理論を実践と結びつけることができるという点で有効な実践8)であろう。しかし,どの食品にもいえるこ とだが,捏ね方が足りなかったり,材料を間違えたりすると膨らまず,失敗する可能性がある。失敗することも 学習ではあるが,発酵という学習を中心に持ってくる場合,失敗のないよう順を追って説明したり,一緒に実習 をしたりする配慮が必要である。 少ない実践例ではあったが,納豆を作った学校9)もあった。納豆を教材とすることはとても有効ではあるが作 るのは大変難しく,あまり教育実践されていない。そこでこのデータベースにおける実践は地域の方や祖母をゲ ストティーチャーに招いた授業実践がなされていた。これは,地域・家庭と連携した教育を実践することができ, 取り扱った加工法だけではなく,様々な加工法や食品の歴史,また生活の知恵など教科書だけでは学習できない 内容まで深めることができるということも大きなメリットであろう。 小学校,中学校,高校で発酵食品を取り扱っているのは,特に熊本,東京に多かった。このことから,小学校, 中学校,高校と一貫した教育がなされているのではないかと考えられる。例えば小学校ではみそ,中学校ではパ ン,高校ではチーズ・ヨーグルトと関連性を持たせることで発酵について理解を深めることができる。このよう に一つの学習で終わるのではなく,経験を繰り返していくことは知識を深め習得するために必要で大切なことで ある。しかし,子どもによっては学習が重複する可能性もあるので,同じ食材を使って別の発酵食品を作ったり, できるだけ他の食材を用いるなど配慮が必要で,同じ発酵食品でも,知識を発展させたり,発酵食品の商品化へ と発展させたり,子ども自身が主体的に活動をするなどの工夫が求められる。 発酵は私たちにとって微生物のよい面のはたらきであるが,微生物はよい面だけではない。細菌やウイルスな どの微生物は人体に悪影響を及ぼし,また食品を腐敗させる。このことも発酵と結びつけて学習し,食中毒の怖 さ,また自分たちの少しの工夫で食中毒は防げるということ,防ぐ方法など体験を通して習得させることが重要 である。 学校によってはみそを作るときに大豆から作って実践するという傾向もしばしば見受けられる。このことか ら,食べるということの意義や感謝の念,そして偏食の改善など様々な分野において深く追求できるのではない か。また,ただ一つ発酵を取り扱うだけでなく広範囲にわたり関連を持たせた学習展開ができる。さらに,子ど も自身が知識を深めるために調べ学習をし,そのままで終わらず,みんなの前で発表するという効果的な学習も 取り入れることができる。この資料はみそ作りの実践例であるが,子どもたちの積極的な取り組みや姿勢を汲み 取ることができる。子どもたちの学習意欲を向上させるためには,知識だけではなく,子ども自身が学習したこ とを発表する機会や地域の人の協力を得ること等により体験的に学習させることが必要だと考える。 実践事例より,発酵をどのように捉え教材化しているのか,子どもたちがどのような取り組みをしているのか など知ることができた。また,小学校,中学校,高校を通じて,発酵をテーマとした教育実践がなされているこ とがわかり,さらに発展した教材開発の検討が望まれる。教材開発における留意点であるが,意欲的に取り組ま せるためには既存の教材について,子どもたち自身が検討し,実際に実践可能かどうかをみんなで見極められる ―372―

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ような配慮が必要である。また,地域の人への協力依頼や授業者の事前の実践と指導能力向上も欠かすことはで きない。

! 「染色」に関する授業実践事例

1.染色に関する授業実践事例 日本家庭科教育学会50周年記念家庭科教育教材データベースVer.2(2007年発行)において,「藍染め 染色 絞り染め たたき染め 生葉染め 抜染 媒染染め 染 あい アイ 染め ろうけつ染め 糊抜き」とういう 染色に関するキーワードで検索し,重複したデータを整理した結果,染色に関する授業実践事例が71例みられた。 校種別では表1のように,中学校の授業実践事例が最 も多く,小学校と高等学校は同数であった。 2.藍染に関する授業実践事例 表2は,前項の事例のうち,藍染を取り扱っている 18事例を校種別と都道府県別に示したものである。藍 染を取り扱っている割合は,約25%と比較的よく取り 上げられる教材であることがわかる。 表3は,表2の事例のうち,詳細な資料が入手できた11事例について,校種,藍染の染色方法の種類,特徴, 授業科目・分野をまとめたものである。子どもたちが藍の葉を実際に栽培して,その葉を用いて染色実習を行っ ている事例が多く見られた。 小学校 中学校 小学校・ 中学校 高等学校 大 学 小学校・ 大 学 17 30 1 17 5 1 地 域 高等学校 小 学 校 大 学 中 学 校 総 計 愛 知 県 1 2 3 宮 城 県 1 1 1 3 熊 本 県 1 1 佐 賀 県 1 1 埼 玉 県 1 1 長 野 県 2 2 東 京 都 1 1 2 徳 島 県 1 1 2 栃 木 県 1 1 不 明 1 1 北 海 道 1 1 総 計 3 5 2 8 18 対象者 染色の種類 特 徴 科目・分野 1 中学生 生葉染め たたき染め 栽培した藍の葉で染める 2 中学3年 インド藍 人へのプレゼントとして作成する 被服分野 3 小学2年 生葉染め 絞り染め 栽培した藍の葉で染める 生活科 4 全学年 生葉染め たたき染め 乾燥葉染め 栽培した藍の葉で染める 総合的な 学習の時間 5 中学3年 たたき染め 家庭科 6 全学年 乾燥葉薬品立て染め 栽培した藍の葉で染める 選択家庭 7 中学2年 不明 家庭と美術 8 高校3年 正藍染 栽培した藍の葉で染める 生活教養 9 中学3年 不明(合成藍ではない) 栽培した藍の葉で染める 選択家庭 10 中学3年 生葉染め インド藍 栽培した藍の葉で染める すくもをつくり家庭科クラブで染める 家庭科 11 中学生 たたき染め 生葉染め 乾燥葉染め 栽培した藍の葉で染める 家庭科 表1 染色に関する授業実践事例 表2 藍染に関する授業実践事例 表3 藍染の授業実践事例の概要 ―373―

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3.藍染の11授業実践事例の考察 ! 藍を育てて染める−養護学校中等部の実践−10)(生葉染め・たたき染め,北海道) この事例は,発達障害児の指導として,自分たちで育てられる楽しさ,育てた植物に触れながら遊ぶ,ものづ くり,また,手軽にできることから,藍の生葉染めが授業に取り入れられたものである。 授業は,カップ麺の空き容器を再利用して一人ひとりのプランター(空き容器にボンドをぬり麻ひもを巻く→ 上に紙粘土をくっつけおはじき,ビー玉,ガラス石などを埋め込み飾りをつける→耐水性を出すためニスをぬる) を作り,種まき,収穫(刈り取り,葉をちぎり,葉と茎にわけて水で洗う),染色(葉をミキサーにかけ薄い白 い木綿のハンカチをその中に漬ける。→空気にさらす),たたき染め,仕上げ(アイロンかけ)の順序で展開さ れた。 授業実践の効果として,ものづくりを通して,身近に使用する道具に触れる機会の少ない障害のある子どもた ちに触れさせることにより多くの経験をさせることができた,すなわち,道具の役割,技術の発明・発展への気 づきや生産・労働―技術―生活のつながりを学ぶことができたと述べられている。 この事例では,藍を栽培するにあたって,まずプランターから製作していることに特色がある。栽培は,移植, 毎日の水やりなど,大変な事が多い。しかし,子ども自身で作ったお気に入りのプランターで育てることにより, より愛着がわくと推察される。 " 男女共学教材作り−3年生の被服を中心に−11)(インド藍による染色,中学3年生,全14時間,埼玉県) 発見や喜びが見通せるような教材として設定され,染色をして大判のハンカチをつくり家族にプレゼントする 授業実践である。 指導計画は,染色の歴史と種類(2時間),絞りの特徴と技法(2時間),実習「食事用の膝掛けを作ろう」(10 時間)で,実習の展開は,ハンカチに絞りを入れる(2時間),藍染の歴史と染め方(2時間),染めの実習(2 時間),ハンカチにレースを付ける(2時間),まとめ(2時間)である。さらに,夏休みに染め物の制作という 課題を選択として出し,作品を文化祭に展示していた。 この事例では,染色時の黄緑から紺色への布の色の変化,絞りの糸をほどいた時に見える白い模様を子どもが 体験すること,布に糸を入れる(絞る)時から結果を予想しながら活動するものだから必然的に緊張感を持って 授業に参加できることが特長としてあげられていた。家族への日頃の感謝の気持ちを表現するプレゼントとして 作成することにより,藍染をする活動を発展させる学習として中学段階に適したものである。 # 小学生も体験できるアイの生葉染め−栽培しないと分からないアイの神秘−12)(生葉染め・絞り染め,小 学校2年,生活科,1∼2学期,宮城県) アサガオのたたき染めよりも色が濃く子どもたちの関心も高まること,また,育てることにより藍への思いが 高まると考え,夏休みの親子での草取り作業を経た,藍の生葉による絞り染めの事例である。絞りはハンカチに ビー玉やおはじきなどを包み7∼10箇所輪ゴムで縛ることにより模様となる。子どもの感想文から,藍の貴重な 色を感じたり,玉葱染色と比べ思いもよらない色に染まった,緑色の葉から青色に染まるのか不思議に思う子ど もが多くいたと述べられている。 他の染色と比べての藍の生葉染めの長所は,火を使わず,安全に,そして簡単に染められること,子どもの手 が真っ青になり強烈な体験として印象深いこと,藍の独特な臭いをかぐことにより嗅覚も働かせる活動となるこ と,別の草にも興味を持つようになり自然を見る目の広がりが予想される。染色したハンカチが劇で役立ったこ と,子どもたちのはくジーンズと結びつけることにより生活の中にある色を意識させ生活を楽しむ豊かな心を育 むことが可能であると報告されている。 $ アイを栽培して生活に生かす−プランター栽培からたたき染・絞り染・乾燥葉染まで−13)(生葉染め・た たき染め・乾燥葉染め,総合的な学習の時間,全学年,愛知県) 藍の栽培後にたたき染め,生葉染め,乾燥葉染色を行っている。失敗のないことや1時間で出来る,小学校低 学年から出来るので応用範囲が広いことが述べられている。この事例より藍の栽培が容易で,いろいろな染色方 法があるため,染める物のデザインや防染方法の工夫により,幼・小・中・高等学校・大学と幅広い教育現場で 取り上げることが可能あることが分かる。低学年では,栽培を中心として,自然と自分たちの生活を結び付ける 事の出来るような指導が良いのではないかと思われる。そして高学年になるにつれて,高度な作品を作る事を重 視した指導へと発展させることが望まれる。 % 手軽に出来る手芸領域の学習教材−藍の生葉の染色作品−14)(たたき染め,中学校3年,全4時間,愛知県) 被服の学習時間が大幅に削られている現状において,子ども一人ひとりが短時間で手軽に出来る手芸領域の学 ―374―

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習教材として,藍の生葉を使った染色作品を取り上げている。染色方法が簡単なため,初めての経験となる生徒 でも抵抗なく取り組むことが出来たこと,デザインをあらかじめ考えさせておくことが望ましいこと,葉の表と 裏とでは染まり方が微妙に違うこと,型による染めをする際は,トレーシングペーパーを使用するとよいこと, 葉をたたく強さは,葉がちぎれずに形が残る程度が望ましいことが報告されている。 たたき染めは小学校低学年の教材と捉えられがちであるが,本事例のように,葉の置き方を工夫させる事や型 を使用することで,ただ葉を打ち付けるという単純な模様ではなく,オリジナリティーあふれた作品となること が分かり,創造性を養うことも可能となり十分中学の教材としても適切なものとなると考えられる。 現在,教育現場では家庭科の授業が大幅に削減されつつある。このように短時間で,生徒の創造性を身につけ る教材はこれから必要性が高まると思われる。 ! 中学校選択教科「家庭科」における教材開発−藍染めの教材化とその指導計画案−15)(乾燥葉薬品建て染 め,全19時間) 藍染の教材化の利点として,文化的,科学的の両面を持ち,絞り染め染色を行うことで芸術的要素が付加し, 更に栽培からはじめれば労働学習にも通じることが述べられている。調べ学習,実験学習,製作学習などの多様 な学習方法を盛り込む事が可能で,選択授業として適切であるとし,授業実践の報告ではなく,授業案のみが示 されている。 授業は,!藍の栽培,"「乾燥葉薬品建て法」による染色と展開され,日程的に作成しやすく,前年度に栽培 した葉(あく抜き後に冷凍保存又は冷蔵保存)を用いることも可能であることが利点とされる。 この授業案は選択授業の前半を染色に使う。また,乾燥葉にすることにより,2学期にまで染色を持ち越すこ とが可能となる。また,栽培した葉を乾燥させ,1番刈り葉と2番刈り葉を合わせて使用することにより,染料 をより多く採取することができ,Tシャツなど繊維量の多いものも染める事が可能となる。明示されてはいなか ったが,仕上げに酢酸水溶液に浸すことにより,色落ちを防ぐ効果があることが推察される。 " 「技術・家庭」における被服の授業内容と評価−藍染作品の制作と教具の工夫−16)(養護学校中等部2年) 病弱養護学校の子どもたちが主体的な学習活動ができるようにコントローラーで動く上げ下げ器を利用する等 の教具の工夫により,手を使った活動が制限される生徒の染色が可能となったと報告されている。藍染は,布を 染めるという行為を子ども自身に行わせることにより,事例に述べられているように「自分で出来る」ことを増 やすこととなる。このような経験を経る事は子どもたちの今後の生活に大きく影響を及ぼし,さまざまな活動へ の可能性が広がるであろう。 # 地域の生活文化をとりいれた授業作りをめざして−藍染・郷土料理を通して−17)(正藍染,高校3年,4 月∼翌年の6月,宮城) 本授業実践は,約1年半という非常に長い時間をかけ,栗原・登米地区で伝統技術として受け継がれている「正 藍染め」について知るために,地元の生活文化科の3年生が実際に藍を栽培し,藍染を体験した報告である。す くもを作るということを授業中に行っている。これは,高校で,また,生活文化科という専門コースであるから 出来たのであろう。しかし,専門コースでなくても,地元にそういった伝統技術が受け継がれているなら,藍染 をしている人を調べて,その人の話を実際に聴くことは,どの学年,どのコースの子どもたちにも可能である。 そういった地元の人の話を聴く行為は,子どもたちに地域に目を向け,愛着を持たせる機会になる。 すくもを作るには非常に高度な技術が必要とされる。指導する授業者がそれらの技術を持つ必要があるが,地 域によってはすくもを作っている地域の職人の方の協力を得て授業を進めることが可能である。すくもを作って 藍染をするという授業展開は,低学年では難しいが,地域の人と触れ合い,地域の伝統工芸にも触れる授業とし て,今後の展開が期待できる。 $ 生徒が楽しく意欲的に取り組む技術・家庭科の学習指導(中学3年)18)−基礎・基本の定着と楽しさを味 わわせる教材・指導法の工夫を通して− 3年生の家庭科の選択学習として藍染を取り扱った実践例である。 「自分らしく服を着よう」の題材の中の一つの製作実習として,藍を子ども自身の手で育て,それを用いTシ ャツを絞り染めしている。藍を水やりなどを当番制で行い,育てるため,意欲的に藍と関わり,作品を製作して いる。そうして製作した藍染のTシャツを文化発表会で展示している。 % 日本の染色文化「藍の栽培から藍作りで学ぶ“藍染め”」と「地場産“絞り”」を取り入れて19)(生葉染め・ インド藍・すくも建て,中学校3年,全11時間) 藍で染色実習をさせるねらいを「人類は何千年も前から自然に働きかけ色を創り出し,日常生活に用いてきた ―375―

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事を理解させる。」と設定し,藍を自主的に栽培した後,次のように学習が展開されている。 ・藍染自習(2時間)染色の歴史,染め法の種類と特徴,染料の種類と特徴,私たちが実習する染め法と染料(絞 り染め・藍) ・板締め絞りの特徴を理解させデザインを考えさせる。生葉染めの染液作り(1時間) ・染色をする前日の授業後に各班から2名ずつ募り染め液作りを行う。(課外) ・板締め絞りの実習(2時間)水中の酸素とインディゴが反応して酸化発色することを理解させる。 ・作品発表(1時間) ・折り縫い絞りの特徴を理解させ,デザインを考えさせる。なぜ,屏風だたみにするのか理解させる。縫う(2 時間) ・インド藍の説明と染液作り。藍染実習(インド藍を用いて染色。藍の染め液の独特のにおいをかぐ。)(2時間) ・作品発表(1時間) ・すくも作り(課外) ・すくもから染液を作る(藍のハイドロ建て)。藍染実習。作品を文化祭に展示発表(部活動ですくもの活用) 藍を育てて,それで染色をすることは,植物の弱いところ強いところなど,植物,生物の生命力を感じ,それ らを利用して,人間は今まで工夫し生活してきたのだと実感することができる教材である。しかし,そのような 事を子どもたちに教えたいと考えても,授業者一人の力では,子どもたちに染色をさせることができるほどの藍 を育てることは非常に難しい。本事例のように子どもたちの協力と意欲が必要である。植物を育てることは簡単 ではない。育てる者が藍に愛着をもって育てないと中々育てられない。授業者がどのように子どもたちの意欲を 起こさせるかが重要である。 ! 藍を育てて染めよう20)(たたき染め・生葉染め・乾燥葉染め,中学校選択,全18時間) 授業の展開は,!布の色はどうやって付けているのだろう(1時間)"染料にする藍草を育てよう(2時間) #たたき染めに挑戦しよう(3時間)$生葉で染めてみよう(5時間)%乾燥葉で染めてみよう(6時間)&作 品を発表し,学習のまとめをしよう(1時間)である。指導のポイントとして,次のことが述べられている。 ・種まきから収穫までには2ヵ月程かかるので,その間に染色についての学習や,作品を縫製する作業をする。 ・初めは水やりがかかせないので,当番を決めておく等の,毎日の世話もさせる。 ・生葉染めは淡い色なので模様をつける事は出来ないが,乾燥葉染めは絞りやろうけつで模様を工夫させて染め ることができる。 本事例のように選択授業として,藍染を取扱う学校は多い。藍を育てることは簡単とはいうものの,やはり, 植物を育てることは大変である。育てる者の根気が必要である。選択授業で行えば,比較的興味をもった子ども たちが集まり,授業展開しやすい。 また,作品を作って満足するにとどまらずに発表し評価をもらうことにより,子どもの自信へもつながるので はないだろうか。 " 11の授業実践事例の傾向 藍染をとりあげる利点として,藍染めの色を普段子どもたちのはくジーンズ等と結びつけることにより生活の 中にある色を意識させることが出来,生活を楽しむ豊かな心を育むことが可能であること,また,手先を使う活 動のみならず,藍の独特な臭いをかぐことにより嗅覚も働かせる活動となる。緑色の葉から想像のつかない青色 に染まることにより,強い疑問を感じたり,考えたりする学びの姿勢が生じやすいことが報告されていた。なに よりも,染めた時に目に飛び込んでくる色の衝撃が大きい,などが考えられる。また,布を染液に漬けるだけで 染めるという行為が完了するため,教具等を工夫することにより,身体に障害をもっている子どもにも適した学 習活動である。また,藍染は白い布が劇的に藍色に変わることから染め上げたときの達成感が大きい。藍染を子 ども自身に行わせることにより,事例で述べられたいたように「自分で出来る」ことを増やすこととなる。この ような経験を経る事は子どもたちの今後の生活に大きく影響を及ぼすであろう。 特徴として多く見られたのは,実際に子どもたちが藍の葉を栽培して,その葉を用いて染色実習を行っている 事例である。藍の葉を実際に育てることのメリットとして,小さな植物にも命があることへの気づき,小さなも のへの優しさの育み,愛情をもって育てるということなど,子どもの精神面で大きな成長をもたらす。さらに, 愛着や興味をもって染色という最終目的に取り組むことができるという効果が期待できる。 1校だけではあったが,「藍染をした大判ハンカチを家族にプレゼントする」という事例があった。さらにそ のプレゼントには,「家族へむけたメッセージを添える」という条件がついていた。作品として染めるだけでな ―376―

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く,藍染の歴史をたどり,藍染がなお人々の郷愁を誘うものとして引き継がれていることを知るのみならず,家 族とのコミュニケーションをはかるきっかけとして作用しているという結果が得られていた。被服分野に加え て,家族との絆を深めるきっかけともなる家族分野へと発展した授業である。 子どもたちに藍の葉を栽培させる場合,いかに子どもたちの植物を育てるという行為に根気をもって取り組ま せることが出来るかが重要な課題である。事例の中には,子ども一人ひとりがオリジナルのプランターを作り, そこで藍を育てるという報告がみられたが,このように,子どもが愛着をもって,育てられるよう工夫をしなけ ればならない。 小学生までは,藍染をすることにより,染液に漬けて,取り上げたとき黄緑色から,青色に変わる変化を体感 し,そのことに疑問を持ち,感動することに十分な教育的効果がある。しかし,中学生になると,藍染をするだ けでは,不十分であると考える。藍染に加えて,家族分野と関連させた事例が見られたが,小学校段階よりも発 展的な学習を展開する必要がある。高校では,長い時間をかけてすくもを作る事例がみられたが,地域の専門の 方と連携し,すくもを活用した藍染の学習の展開の可能性も今後期待できる。 家庭科の授業としての藍染は,高校においては他の校種に比べて比較的取り入れやすいが,中学校,小学校に おいては,非常に取入れにくい教材となってきている。小学校では,生活科や,総合的な学習の時間などで取り 上げられることが多く,中学校では,総合的な学習の時間や他教科と関連させて取り上げられている。家庭科の 授業数が減っている現在,家庭科の時間だけで行うことは非常に難しい。選択の授業において,あるいは総合的 な学習の時間や他教科との連携により学習を進める必要があるであろう。 藍染は玉葱染色とは違い,藍の葉の入手が困難な点や,染色方法が玉葱染色と比べると難しい点などが授業で 取り入れにくい理由として考えられるが,衣生活文化の伝承として学校教育で取り扱うことが必要であると考え る。染色方法を学ぶこと,被服分野における技術向上の目的だけでなく,事例にもみられたように家族分野と結 びつける等により染色の教育的価値を見直し,家庭科の学習内容として新たな位置づけを検討したい。 報告された事例には,沈殿藍を取り扱っているものは見られなかった。沈殿藍の作り方の資料が多く出回って いないことや,染色の方法が生葉染めと比べると難しいということが原因の一つであろうと思われる。沈殿藍を 作る作業は大変ではあるが,藍染の価値を実感できる教材である。今後は,学校現場で藍染の染色が取り入れや すいように沈殿藍の教材化も検討したい。

! おわりに

本研究では,小学校「家庭の仕事や家族との触れ合い」,「発酵」および「染色」に関する実践的・体験的な学 習に焦点をあて,その授業実践事例の分析を試みた。その結果,次の課題があがった。小学校「家庭の仕事や家 族との触れ合い」においては,児童が家庭や家族との接点をもつ場面において体験活動を通して児童が言葉に現 れないものに気づき,その意味を感じ取っていく力の意義を考察しその力を育成する学習方法の開発,「発酵」 においては新たな発酵教材の開発と地域の人びとと連携し相互交流しながら幅広い食の学習に広げること,「染 色」においては沈殿藍の教材化である。今後はこれらの内容に関して,現代の子どもの生活実践に密接に結びつ く実践的・体験的な学習活動をめざした学習開発を進めたい。

1)文部科学省,小学校学習指導要領解説一部補訂家庭編,開隆堂,2004,p.3 2)鈴木明子,子どもの学びを方向づける直接体験―布を素材とした制作実習から―,生活実践と結ぶ家庭科教 育の発展,大学教育出版,2004 3)例えば,ベネッセ小学生モノグラフ「休日」,vol.11−7,1991,ベネッセ小学生モノグラフ「手伝い」,vol.4 −4,1984 4)前掲書1),p.22 5)西敦子,「学び続ける力」の育成と評価のあり方,広島大学附属小学校『研究紀要』第32号,2004 6)農林水産省,食料自給率データ 7)全国調理師養成施設協会,何を食べる?誰と食べる?どう食べる?−食育の実践に向けて−,2005,pp.60 −82 ―377―

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8)食品加工学,2003,pp.76−77,pp.95−101 9)山田綾ほか,男女共学で行った「みその研究」の授業と教材・教具,愛知教育大学家政学教室 平成6,7 年度特定研究報告書,1996,pp.55−67 10)佐藤教子,藍を育てて染める 養護学校中等部の実践,技術教室,587,20012,pp.3−27 11)大越イチ,男女共学教材作り3年生の被服を中心に,家庭科研究,128,1995,pp.44−49 12)真山栄子,小学生も体験できるアイの生葉染め 栽培しないと分からないアイの神秘,技術教室,573,2000, pp.8−13 13)日下部信幸,アイを栽培して生活に生かす プランター栽培からたたき染・絞り染・乾燥葉染まで,技術教 室,571,2000,pp.10−15 14)水谷有里/日下部信幸,手軽に出来る手芸領域の学習教材 藍の生葉の染色作品,家庭科教育,66,15,1992, pp.55−59 15)鈴木洋子,中学校選択教科「家庭科」における教材開発 藍染めの教材化とその指導計画案,家庭科教 育,67,5,1993,pp.56−61 16)多田こずえ,「技術・家庭」における被服の授業内容と評価 藍染作品の制作と教具の工夫,家庭学会 誌,36,2002,pp.9−16 17)栗原/登米地区,地域の生活文化をとりいれた授業作りをめざして 藍染・郷土料理を通して,宮城県高等 学校家庭科研究会研究収録 あしあと,32,1999,pp.2−16 18)牟田口博之・馬場崎佐代美,生徒が楽しく意欲的に取り組む技術・家庭科の学習指導 基礎・基本の定着と 楽しさを味わわせる教材・指導法の工夫を通して,佐賀市立城西中学校佐賀大学文化教育学部代用附属中学校 研究概要 第23回研究公開2004年度「確かな学力の向上」をはかる教育の研究と実践∼主体的に学ぶ心を持 ち,基礎・基本を確実に習得する子どもの育成を目指して∼,2004,pp.95−114 19)荒木佳代子,日本の染色文化「藍の栽培から藍作りで学ぶ“藍染め”」と「地場産“絞り”」を取り入れて, 家庭科授業の誕生,愛知家教連授業研究会,1992,pp.54−64 20)長野県技術・家庭科教育研究会,藍を育てて染めよう,長野県技術・家庭科教育研究会,研究推進委員会報 告書,平成14年度,2003,pp.58−60 ―378―

(11)

The purpose of this study is to analyze core practical activities on housework and communication with family, fermentation, dyeing with indigo in Home Economics education.

The results were as follows.

1,On housework and communication with family, practical activities by nonverbal communication are necessary.

2,On fermentation, it is necessary to instruct with people at community and to cooperate in food life.

3,On dyeing, teaching materials on the deposited indigo are necessary.

On Practical Activities, Housework and Communication with Family, Fermentation, Dyeing with Indigo

TORII Yoko

, INUI Sachi

**

, FUJIWARA Ryohei

***

and OKAJIMA Yumiko

**

***Department of Home Economics Education, Naruto University of Education

***

Graduate School of Education (Home Economics Education), Naruto University of Education ***

Graduate School of Education (Basic Human Science for Integrated Studies), Naruto University of Education

参照

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