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LS1-A Present and future of managing As patient -Clinical experience of Avalus aortic bioprosthesis Ottavio R. Alfieri San Rafael Hospital, Italy 876

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Academic year: 2021

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-876-

LS1-A

Present and future of managing As patient -Clinical experience

of Avalus aortic

bioprosthesis-○Ottavio R. Alfieri

(2)

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LS1-B

Why AFX2 with VELA is my Go To Device

○Zachary M. Arthurs

San Antonio Military Medical Center, USA

Objectives: The success of endovascular aneurysm repair (EVAR) is often stratified in terms of proximal neck morphology. Irrespective of traditional aortic neck definitions, detailed imaging analysis of endograft-aortic wall apposition may elucidate the effect of the seal zone extension on aneurysm-related outcomes.

Methods: Core laboratory analysis of computed tomographic (CT) scans was performed in patients undergoing EVAR with the AFX™ endograft (Endologix, Irvine, CA). AFX incorporates highly conformable ePTFE material external to the stent frame, moving independently to facilitate endograft-aortic wall apposition (ActiveSeal™). Aortic neck length was defined as the infrarenal aortic length where the aortic diameter remained within 10% of infrarenal reference. The effective seal length and apposition surface area were determined based on the area with 360○ apposition between the graft material and the aortic wall. In addition, AFX 3 and 5 year data will be utilized to support clinical points.

Results: After implantation, the endograft was circumferentially apposed to the aortic wall over a mean length of 28±17mm, averaging 5mm more than the aortic neck length. Using standard definition and over 12±5 months of follow-up, 98% of patients exhibited sac regression or stabilization. Sac regression was positively correlated with effective seal length (P=.033) and apposition surface area (P=038). Sac regression was not associated with aortic neck length, diameter, angulation, or thrombus/calcium composition. In addition, aortic limb patency and low incidence of type II endoleaks contributed to clinical success of EVAR.

Conclusions: Sac regression during EVAR using the AFX endograft with ActiveSeal appears to correlate with the effective seal length and the surface area of circumferential apposition between the aorta and the graft material. When effective seal length and apposition are considered, traditional anatomic variables are not associated with aneurysm sac outcomes. The ability of ActiveSeal to extend effective seal length beyond the anatomic neck may constitute an additional consideration in planning of EVAR procedures.

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LS1-C-1

IBE:EVARの新たな治療オプション 本邦での初期経験

○高山 利夫

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LS1-C-2

IBE:EVARの新たな治療オプション 本邦での初期経験

○坂野 比呂志

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LS1-D

MICS手術におけるこだわり ~セットアップから創閉鎖まで ~

○藤田 知之

国立循環器病研究センター病院 心臓外科

MICS(minimally invasive cardiac surgery)は国内でも盛んにおこなわれるようになって きたが、視野や手技上の制限があり依然ハードルの高い手術手技である。患者の安全確保と 成功率の向上、患者満足度の向上のためにいかに簡便なセットアップを行い、簡略化できる ところを簡略化するかが重要である。MICSで比較的feasibleな手術手技はAVR, MVP(R), Cryo-Mazeである。OPCABは可能であるがqualityを考えるならば症例を厳格に選ぶ必要 がある。当院ではおよそAVR50例、MVP(R)160例、Maze40例、OPCAB(MIDCAB)70例施 行したが、手術死亡なく、正中切開へのConversionはMVPで2例、OPCABで3例であった。 人工心肺装置はupper partial sternotomy(部分正中切開)であれば上行送血が可能である が右肋間開胸で手術を行う場合大腿動静脈を推奨する。AVRであればやや正中よりの第3 肋間、MVPであれば外側よりの第4肋間からアプローチし、MICS専用の道具で手術を行 う。心筋保護液はantegradeをroot cannulaまたはselective cannulaから投与する。当院では 全例カメラは挿入するもののアシストの役割でしかなく、da Vinciを用いる手術手技以外 は直視下で行う。そのため視野展開が鍵となる。AVRの場合は心膜および大動脈壁の traction sutureが重要である。RCCからの糸かけが最も簡単な方法である。MVPの場合は 心房リトラクターのかけ方以外には弁輪の糸をかけてから弁尖の切除縫合などの工夫を行 うと容易となる。MazeはAtricure社のCryo-ICEにより施行可能となった。 MICSにおいては手術手技を簡略化することが重要で、創閉鎖においてもエチコン社から発 売されたStratafix Spiralを用いることで術後のトラブルの減少が期待でき、早期退院、早期 社会復帰を実現することが可能となる。

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LS1-E

心大血管術後周術期心不全体液管理におけるTolvaptanの有用性

○中村 嘉伸 鳥取大学医学部 器官再生外科学分野 心大血管手術では、人工心肺装置使用とその手術侵襲の影響で、周術期において尿量の減少 が起こり間質への水分の貯留を来す。これに対し、これまでループス利尿剤を主に使用し体 液管理を行ってきたのが現状である。ループ利尿剤のFurosemideは、血中でアルブミンと結 合して、近位尿細管まで運ばれ ここでアルブミンと分離された後、ヘンレ上行脚でNa再吸 収を抑制することにより利尿作用を発揮する。しかしながら、人工心肺装置使用後の急性期 では血中アルブミン濃度は極端に低下しているため、腎機能の程度に関わらず体液管理の 為には通常より多くのフロセミドが必要となり、その結果腎機能悪化を招いていた。また、 ループス利尿薬の大量使用により、レニンーアンギオテンシンーアルドステロン系 (RAAS)の亢進と交感神経系の興奮による発作性心房細動(pAf)が多く起こることが知られ ている。pAfは開心術後に起こる頻度の高い合併症であり、循環動態不安定化に伴い心不全、 他臓器障害を来すだけでなく、脳梗塞などの塞栓症発症も危惧される合併症である。これが Furosemideの大量使用に伴い惹起されていた可能性があると考えられる。 一方、抗利尿ホルモンのバゾプレッシンV2受容体拮抗薬のtolvaptan (TV)は、低アルブミン 血症下でも優れた利尿作用を有すため、低アルブミンの環境下である心大血管周術期でも 有効と推測される。また、TVは内科領域の急性及び慢性心不全の体液管理において、腎機 能の悪化を招くことなく速やかな利尿が得られることが既に多く報告されている。 一般的に開心術後周術期管理において、様々な合併症を防止しつつ速やかに体液管理を行 うことが、ADL保持の観点から重要と考えられる。我々は、TVは開心術後周術期のvolume overloadの早期是正、血清電解質濃度異常(低Na血症、低K血症)や腎機能悪化回避の可能 性及びRAAS系を刺激せず交感神経系の興奮を惹起しにくい特性により、開心術後周術期 のpAf発生率を減少させる可能性を秘めていると考えた。そこで、当科で施行した開心術後 患者を無作為に、TV投与例(Furosemide併用)とTV非投与例(既存利尿剤投与)の2群に分 け、体液管理・腎機能・pAf発生率の観点からTVの有効性・安全性について検討する目的で、 前向き研究(RCT)を行った。今回のセミナーでは、その結果を供覧し、更に腎機能別にTVの 有効性についても検討したので報告する。

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LS1-F-1

まねる技術、ぬすむ力

○山中 一朗

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LS1-F-2

心臓外科医となるために準備しておくことは?

○金 一

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LS1-G

開心術後患者での脳出血に対するプロトロンビン複合体製剤の使用

経験

○戸田 宏一 大阪大学大学院 外科学講座 心臓血管外科

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LS1-H

Tips / Pitfalls and Outcomes on EDWARDS INTUITY Elite

Valve System from Initial Experiences

○John R. Doty

Cardiovascular Surgery, Intermountain Medical Center, USA

The EDWARDS INTUITY Elite Valve system has combined the proven pericardial valve technology of Magna Ease with the innovation in transcatheter heart valves to create a new category of surgical valves designed to streamline procedures and facilitate smaller incision surgery.

The EDWARDS INTUITY Elite Valve System has already shown its benefits for the appropriate patients in many published articles.

I have implanted more than 10 units of the INTUITY Elite Valves system since being trained early in 2017. I found that the valve has unique characteristics and will share tips / pitfalls at implantation, in addition to sharing early result of the EDWARDS INTUITY Elite Valve System, such as Cross-Clamp Times, Hemodynamics, and mortality rates.

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-886-

LS2-A-1

心不全管理をアートする~今どきの心不全治療戦略とASV ~

○猪又 孝元 北里大学北里研究所病院 循環器内科  群盲象を撫でるという格言がある。自分が関わる部分のみに固執して、全体像が見渡せな い喩えである。限局された領域の匠が最高にパフォーマンスしても、必ずしも最終的な成功 を掴めないのが心不全管理の特徴と言える。各治療パーツが持つ重みや意義を正確に把握 し、移ろいゆく時間軸の中で適材適所にパズルを組み立てる作業、すなわち、脚本書きこそ が心不全管理の神髄であり、まさにアートする世界である。  心不全への治療効果はいま、頭打ち状態にある。なかでも、退院後の早期再入院率が一向 に改善しない。再入院を予防するには、入院中に心不全を十二分に改善させる方策と、退院 後の悪化の進行を緩める方策とがある。心不全急性期において最も予後改善を狙えるのは、 実は慢性心不全治療の徹底である。しかし、導入時の副次作用-血圧低下、腎機能障害、心不 全悪化などで、入れたくても入れられない現場がいる。ASVは、導入リスクの少ない血行動 態改善薬、かつ、神経体液性因子調整薬として期待され、薬物至適化の導入サポートにも使 える。つまり、ASVは再入院を防ぐ2つの方法のいずれにも目配せできる「名脇役」である。

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LS2-A-2

心臓血管外科領域におけるASVの可能性

~利便性・簡便性から~

○森崎 晃正 大阪市立大学大学院医学研究科 心臓血管外科 心不全の呼吸循環動態の改善が期待できる治療オプションとしてオートセットCSの有用性 が報告されるようになり、その使用頻度は増加の一途である。しかしながら、心臓血管外科 領域ではその使用報告はほとんどないのが現状である。心大血管術後では術中体外循環使 用に伴い体液のサードスペースへの貯留や、サイトカインストーム等からの呼吸障害、心不 全からの肺水腫など種々の呼吸器合併症に遭遇することがあり、人工呼吸器離脱後の呼吸 不全に対しその有益性が考慮される。オートセットCSは従来のNPPVによるBIPAPと違い、 患者の呼吸様式を学習し、その呼吸パターンに同調して滑らかに圧力を供給する独自の機 能を装備することにより、陽圧呼吸療法に対する忍容性の向上が期待されることから、従来 のものより優れていると考えられる。それ以上に実臨床において利便性、簡便性は患者への スムーズな導入を可能にすることは勿論のことコメディカルの負担の軽減などに繋がり、 オートセットCSの大きな利点と考えられる。また、簡便性は間欠的使用を容易にし、リハビ リの合間での使用、さらにはオートセットCS装着のままリハビリを進めることもでき、心臓 血管外科術後領域での貢献に期待が持たれる。

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LS2-B

Utility of Sutureless Aortic Prosthetic Valve in the era of

TAVR

○高山 博夫

Division of Cardiac, Vascular & Thoracic Surgery New York Presbyterian Hospital/Columbia University Medical Center, USA TAVRの発展に伴い、大動脈弁疾患における外科的大動脈弁置換術(SAVR)の役割は大きく 変化してきており、今後も益々流動性が増す一方だと思われます。単純なSAVRの対象患者 は若年化し小切開手技の要請が大きくなるかもしれません。また、SAVRの長所である、多 様な解剖への対応性、複合疾患への同時対応性が必要となる症例の増加が予想され、より複 雑な手術の割合が増えていくのではないでしょうか。実際に米国ではそういった傾向が認 められます。このような症例に対応するために、より手技が簡便な人工弁の必要性が高まる でしょう。現在米国では2種類の生体弁がRapid Deployment Aortic Prosthetic Valveとし てこのような用途への対応のために臨床利用されています。今回はそのうちでも唯一の sutureless valveであるPerceval valve(LivaNova PLC, UK)について発表させていただきま す。

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LS2-C

What every surgeon should know about AVR in the TAVI era :

Treating Failed Surgical Bioprostheses

○Michael P. Caskey

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LS2-D-1

OPCAB時の左心耳マネジメント:AtriClipの使用経験

○新浪 博士

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LS2-D-2

AtriClipの使用経験

○福井 寿啓

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LS2-E

Art of latest clinical practice for TBAD

○朝倉 利久 埼玉医科大学国際医療センター 心臓血管外科  近年, 急性A型大動脈解離に対する外科治療法が確立し良好な成績が得られるようになっ た一方でB型大動脈解離(TBAD)の慢性期成績が極めて不良であることがクローズアップさ れるようになりその治療法は大きく変遷しつつある.  “大動脈解離に仁義なし”と言われるように, その病態は複雑かつ一人一人の患者で異なる ため, われわれは最新の技術と知恵を絞って患者にとって最善の治療法を考え遂行する. そ れはまるで“Art”が完成するまでの苦渋に満ちた過程と完成した時の喜びに通じるものがあ るのではないかと考え, 本講演のタイトルを“Art of latest clinical practice for TBAD: Golden standard is not safe and individual solutions should be known”とした.

 講演内容としては, 1) Complicated TBAD: (a) complicateの定義の注意点は? , (b) static malperfusionとdynamic malperfusionで 治 療 法 は 異 な る の か? , (c) Zenith Dissection Endovascular System(TX-D)のknock & pitfallsは? , (d) TX-Dによるリモデリングは腹部 分枝血管を閉塞しないのか? 2) Uncomplicated TBAD: (a) High risk groupとは? , (b) type 1a endoleakを予防する方法は? , (c) リモデリングを想定した末梢径をどうやって決 めるのか? , (d) TX-Dはdistal SINEを抑制するのか? (e) RTADを予防する方法は? , (f) Paraplegiaをどうやって予防するのか? , (g) LSA partial occlusion techniqueとは? , 3) Chronic TBAD: (a) 偽 腔 に 対 す るintervention(Candy-Plug technique, Vascular Plug technique他)の実際は? , (b) reentryを閉鎖する方法は? , (c) STABILISE techniqueと は? , 4) 急性A型大動脈解離術後残存TBAD: 亜急性期2期的TEVARの有用性は?等につい て論じたい.

また, 最後に2017年12月1日に本邦で保険収載されたばかりのZenith Thoracic Alpha(ZTA) の使用経験について報告する.

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LS2-F

心臓も内視鏡を使えばよく見える! 直視下から内視鏡下MICSへ

のステップ

○田端 実 東京ベイ・浦安市川医療センター 心臓血管外科 内視鏡下手術は肺や腹部領域では一般的な手術であるが、心臓領域においてはまだマイ ナーである。内視鏡下MICSが直視下MICSに比してアウトカムを向上するというエビデン スはないが、開胸器を使用しないことや創を小さくすることで術後の疼痛軽減や整容上の 利点はあると考えられる。また、内視鏡を利用することで直視下よりもターゲットがよく見 えることがあるのは事実である。完全鏡視下にこだわらずとも心臓手術で内視鏡を使用す ることで得られるメリットや内視鏡操作のコツ、極小切開における視野展開や運針テク ニックなどを紹介する。

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LS2-G-1

TAVR時代に目指すべき生体弁AVR

-Clinical OutcomesとDurabilityへの弁口面積の影響-

○畝 大 大和成和病院 心臓血管外科 高リスク患者だけではなく中等度リスク患者までTAVRの適応が広がってきている一方で 耐久性の問題も指摘されており今後もsurgical AVRは必要とされている。 最新のAHA/ ACCのガイドラインにて生体弁の適応が若年化していることもあり外科的に耐久性のある 至適サイズの生体弁を植え込むことに我々外科医は注意しなければならない。

Surgical AVRでは Prosthesis-Patient Mismatch (PPM)を避けることで術後生存率や心不 全発生率が低くなると報告されてきた。さらにはPPMを避けることによりDurabilityも改善 されるという報告もあり徹底した脱石灰化の後に至適サイズのAVRを行うことが重要であ る。

Clinical Outcomesに 関 し てPPMを 中 心 に 低 心 機 能AS症 例 の 予 後 予 測 因 子 を 検 討、 Durabilityに関しても若年者AVR後の生体弁機能不全(SVD)の予測因子をPPMを中心に検 討して報告する。

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LS2-G-2

MICS MitralにおけるPitfallとValve選択

○坂口 太一 心臓病センター榊原病院 心臓血管外科  弁膜症MICSでは、限られたworking spaceでの運針結紮操作が求められるため、入念な術 前画像評価と手術手技の工夫、および適切なデバイス選択が重要になる。手技上のトラブル による正中コンバージョンなどを回避するために我々が気をつけていることを紹介した い。  まず術前胸部レントゲンやCTにより、胸郭の形態とサイズを把握する。心尖部と僧帽弁 輪中心を通るラインを延長して、開胸肋間を決定する。ほとんどの症例が第4肋間となる が、第3肋間を選択する場合もある。TAPを行うときは第4肋間を選択することが多い。胸 郭が縦長で心尖-僧帽弁ラインが縦方向に近い症例(若年に多い)では、下位肋間で開胸する と後乳頭筋の視野が悪くなる場合がある。逆に胸郭が縦に短い症例では、僧帽弁の左右方向 が潰れたような視野になる場合がある。経験的に胸骨椎体間距離が7cm未満の症例では僧帽 弁の視野が上下方向に潰れ正面視が困難になる場合がある。特にTAPを同時に行う場合は 視野が不良になる場合があるので注意を要する。  手術中においては、心膜の吊り上げと、左肺PEEPにより僧帽弁を術野に近付けることが できる。僧帽弁輪の糸を牽引することで、ほとんどの症例で弁全体の視野を確保することが 可能であるが、前述のように弁下組織、特に後乳頭筋の視野が不良になる症例もあるので、 人工腱索再建を予定している症例では術前画像所見に留意する。弁輪の糸かけは正中切開 時と違った運針方法を取らざるを得ない場合があり、隣接する大動脈弁、回旋枝、肝静脈洞 を損傷しないよう最大限注意を払う必要がある。  弁膜症MICSにおけるピットフォールとその回避法などについて、実際の症例を供覧しな がら解説したい。

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LS2-H

心臓大血管手術における術後急性腎障害:ハプトグロビン投与の根

拠を今一度考える

○久保田 健太 神戸大学医学部附属病院 麻酔科  心臓大血管手術後における急性腎障害(AKI)の頻度は10-40%と報告されている。心臓大血 管手術後のAKIの発生は、他の合併症発生率の上昇や生存率低下と関連し長期予後悪化の 一因となりうるため、その予防が重要と考えられてきた。過去の研究において、年齢、性別、 術前合併症などのリスク因子が報告されているが、そのリスク因子の中で予防介入が可能 なものは少ない。  人工心肺を使用する手術では、ずり応力などにより溶血が起こることで遊離ヘモグロビ ンが生じる。通常、遊離ヘモグロビンは血中ハプトグロビンと結合し代謝される。しかし、長 時間人工心肺使用などの原因でハプトグロビンが減少し、相対的に遊離ヘモグロビンが増 加すると、遊離ヘモグロビンが一酸化窒素の減少による微小循環障害、産生したメトヘモグ ロビンによる尿細管閉塞、酸化ストレスなどを引き起こし、術後AKIの一因になるとされて いる。  溶血による臓器障害の予防法としてハプトグロビン製剤の投与が長年行われてきた。血 中ハプトグロビンの増加により遊離ヘモグロビンを減少させることで、腎機能障害を緩和 しAKIを予防できる可能性があるが、その有効性を検討した報告は数少なく、未だ根拠を もってハプトグロビン製剤を投与するに至っていない。  我々は、1326名の心臓血管手術患者を対象として、術中ハプトグロビン投与が術後48時 間以内のAKI発生率に与える影響を検討した。Propensity score matchingにより、ハプト グロビン投与患者および非投与患者を各249名抽出した。術後AKIの発生率がハプトグロビ ン投与群で22.5%であり、非投与群では30.9%と比較して有意に低かった(p=0.03, odds ratio=0.65)。 

 本講演は、心臓大血管手術における急性腎障害の発生機序などについて概説し、心臓大血 管手術の周術期におけるハプトグロビン投与の是非と根拠を再考する。

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-897-

LS3-B

Endurant has changed the chronic prognosis in EVAR?

○加藤 雅明 森之宮病院 心臓血管外科 メーカー製造のEVARデバイスが本邦の薬事承認を得て10年が経過した。一方で腹部大動 脈瘤に対するEVAR治療の長期予後(10年予後)が多く報告されるようになり、瘤の予後と いう観点から、明らかに外科手術治療に劣ることも判明している。EVAR術後の瘤・慢性期 予後を悪くしている原因は何なのか?どのような方法・デバイスを用いれば瘤予後がよく なるのか? Evidenceを無視して低侵襲治療という御旗のもとにこれらの治療を漫然と継 続施行するのは、SYNTAXなど数多くのEvidenceを無視して、左主幹部/多枝病変にPCI を行う良識のない循環器内科医の如し、とされてもしかたがない。

当院での腹部大動脈瘤・EVAR症例;1,174例中、6 ヶ月以上のfollow upとエンドリーク・瘤 径の評価が可能であった1,038例を対象に、上記・瘤予後に関する問題点への当院での取り組 みについて説明する。まず、EVARの慢性期瘤予後を悪くしている因子は、解剖学的要因(術 前瘤径)とエンドリーク(6 ヶ月時点でのpersistent typeⅡ)であった。このpersistent typeⅡ エンドリークの発生率を低減するため、当院では①IMA塞栓(開存例では全例)、②メインデ バイスの変更、③トランサミンの術中・術後6 ヶ月間の投与(ランダマイズ試験)を行ってい る。またpersistent typeⅡエンドリークが残在し、5mm以上の瘤径拡大を来した症例は、④ trans arterial embolizationを施行している。本ランチョンセミナーでは、これらの4つの項 目に関し、それぞれの効果について報告したい。

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LS3-C

こだわりの僧帽弁形成術

~理論と実証に基づく術式の工夫~

○荒井 裕国 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 心臓血管外科学分野 本セミナーでは、機能性僧帽弁閉鎖不全(FMR)に対する乳頭筋吊り上げ術と後尖逸脱に対す る新しい形成手技の2つのトピックを講演する。 ① FMRに対する乳頭筋吊り上げ術の有効性と限界  FMRに対する弁輪縫縮 (MAP)は、術後の後尖Tethering悪化によるMR再発と、前尖開放 角制限によるfunctional MS(FMS)が問題となる。そこで、様々な追加手技が提唱されている が、我々はMAPに加えて乳頭筋吊り上げ術を積極的に行ってきた。当初は、手技的に容易な 後尖弁輪方向への牽引としたが、術後に前尖開放角減少によるFMSの悪化をきたしたため、 牽引方向を前尖弁輪方向に変更した。前尖弁輪方向への乳頭筋吊り上げ術は、前尖のsystolic tetherの改善のみならず特にdiastolic tetherの改善効果が大きく、術前後で前尖の可動域が 約20°広がった。一方で、MAPは後尖のsystolic tetherを悪化させるが、MAPに乳頭筋吊り 上げを加えても、依然として術後の後尖閉鎖角は約20°増加した。乳頭筋吊り上げ術による 後尖Tetheringの改善効果は弱く、これが乳頭筋吊り上げ術の限界と考えられた。後尖 Tetheringが極めて著しい症例(後尖閉鎖角70°以上)には、後尖のパッチ拡大を追加施行す べきと考えている。 ② 後尖逸脱に対する病理所見に基づいた新しい切除・縫合法(Mt. Fuji Repair法)  当科における後尖逸脱に対するMVPの長期成績では、切除・縫合法に比して人工腱索再建 術の方が遠隔期のMR再発率が高く、我々は後尖に対する術式として、切除・縫合法が確実な 術式と考えている。一般的に後尖P2の拡大を伴う広範囲逸脱に対する切除・縫合法では、 SAMの予防のために弁尖の減高が必要であり、Sliding Plastyないしその亜型(Butterfly等) の術式が行われる。しかし、これらの術式では、病理学的に正常なclear zoneが切除され、病 的な弁尖組織の一部を利用して弁尖が再建される。そこで我々は、これとは逆にclear zone の組織を温存し、病的な弁尖組織を切除することによって再建する新しい切除・縫合法を開 発し、その縫合ライン形状からMt. Fuji Repair法と命名した。本法の理論的背景と術式を解 説する。

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LS3-D-1

戦略的NPWT:PICO / RENASYSの当科での活用術

○丸山 隆史 手稲渓仁会 大動脈血管内治療センター 1. 単なる転ばぬ先の杖じゃない….戦略的NPWT:PICOの使用経験。 昨今、肥満、糖尿病、COPD (喫煙)、透析、高齢、低栄養など心臓血管外科領域においても、周 術期SSI発症のHigh Risk患者は増加しています。この様なHigh Risk患者の手術創に対して 戦略的にNPWTを用いることで、周術期SSI発症を有意に抑えられることが報告されており ます。そこで、今回の発表の前半は、新しいNPWT system : PICOの当科での使用経験を報 告致します。 2. SSI 発症してしまったら….NPWT :RENASYSで反撃! 当科では、術後胸部正中創のSSIに対して、10年程前よりNPWTを積極的に導入してきまし た。当時よりNPWTの使用によって、mortalityは、持続洗浄を行っていた時期に比べ、一気 に改善しました。今回の発表の後半は、実際に周術期SSI発症を発症してしまった場合の当 科でのNPWT : RENASYSの使用経験を報告します。 3. その他、NPWTの有効利用方など。

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LS3-D-2

心臓血管外科領域における陰圧閉鎖療法の新しい試み

○堂前 圭太郎 大阪大学 心臓血管外科 【背景】心臓血管外科領域における創感染は重篤な患者背景、重要臓器の存在や多様な創形 状からその治療に難渋することが多く、重症化した場合には致命的な合併症となりうる。近 年、局所陰圧閉鎖療法(NPWT)が導入され、その治療成績は向上したが、cavityの形成など 複雑な創によりNPWTが有効でない症例が散見され、これらの対策が重要な課題である。今 回、当科における様々なデバイスを用いたNPWTによる治療経験と、特殊な状況における創 感染に対する新しい試みを報告する。 【方法】従来のNPWTにおいてはスポンジ型の充填物とポート型デバイスによる吸引が主流 であるが、より簡便なガーゼ型の充填物(コットンフィラー)とともドレーン型デバイスに よる吸引を用いてNPWTを施行した。 【症例1】LVAD装着中、ドライブライン(DL)深部感染に対してDL経路変更を行った症例。 感染部に対してデブリードマンを施行したが、cavityを伴う複雑な形状の創であり、一部に 腹直筋の露出も認めた。従来のスポンジ型では吸引による出血が危惧されたため、コットン フィラーを充填することとし、粘調な浸出液に対してポート型での吸引では不十分と考え、 フラットタイプのドレーンアクセサリーを用いた吸引によるNPWTを施行。これにより創 全体からの確実な吸引ができ、NPWT開始後1か月で培養陰性となり閉創した。 【症例2】心臓移植後、正中創感染に対して皮弁充填を施行したが、半年後に皮弁下端からの 排膿を認めた。CTで皮弁下に膿瘍形成を認めたため、皮弁を翻転するようにドレナージを 行った。皮弁温存と退縮防止のため、欠損孔に対してコットンフィラーとドレーンアクセサ リーを併用してNPWTを施行し、現在継続中である。 【症例3】人工心臓感染に対して人工心臓離脱、IMPELLA補助中に、抜去後の欠損孔と縦隔 の感染を併発し、デバイス交換までの感染コントロール目的にNPWTを使用することとし た。縦隔に対しては大網充填を行い、フォームフィラーを縦隔に充填し、その間にドレーン アクセサリーを挿入することでNPWTを施行。これにより創全体からの確実な吸引と皮膚 の退縮が予防でき、感染のコントロールとスムーズに次回手術への橋渡しが可能となった。 【結論】NPWTは創感染に対して有効な治療であるが、創部や浸出液の性状に応じたデバイ スの選択と組み合わせによる確実な充填と吸引が重要であり、これらが治療成績の向上と 適応の拡大を可能とすると考えられる。

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LS3-E

私がOn-X弁を使う理由

-On-X弁による大動脈弁置換術後の若年女性における妊娠出産-

○内田 徹郎 山形大学医学部附属病院 第二外科 心臓血管外科 はじめに  弁置換術後の妊娠出産は、ワーファリンによる胎児の催奇形性、血栓弁や分娩時の母体出 血が危惧される。  On-X弁は、大動脈弁位での低用量ワーファリン管理がAHA/ACCガイドラインに収載さ れた唯一の機械弁である。本稿ではOn-X弁を使用した大動脈弁置換術(AVR)術後の若年女 性の妊娠出産経過を提示する。 症例 症例:30歳、女性 既往歴:23歳時に大動脈弁閉鎖不全症に対してAVR(生体弁)、27歳時にパンヌス増生と生体 弁機能不全に対して再AVR(生体弁)を受けた。30歳時に再度の生体弁機能不全のため、 On-X弁による再々 AVRを施行された。 現病歴:術後5 ヶ月で自然妊娠した。妊娠判明時はワーファリンを4mg内服し、PT-INR 2.16 であった。ハイリスク妊娠であることを十分に説明し、妊娠継続の強い希望を確認した。妊 娠経過中の抗凝固療法を計画的に行う方針とした。 妊娠経過:受診翌日(4週1日)に入院し、ワーファリンを中止、ヘパリン持続点滴を開始した。 日本循環器学会ガイドラインを参考にヘパリンを14週まで行う方針とした。ヘパリンは 10000単位/日で開始し、APTT 比2.0(1.5-2.5)を目標に調整した。数日を経て、16000単位/日 でAPTT 比2.0前後の安定したコントロールが可能となった。心機能、人工弁機能とも問題 なく、母子ともに安定して経過した。15週1日からワーファリン内服(4mg)を再開した。15 週4日にPT-INR 2.5下にヘパリンを中止し、退院した。外来でのワーファリン内服と妊娠経 過は問題なかった。36週1日で再入院し、37週0日でヘパリンの持続点滴を開始、ワーファ リンを中止した。38週1日に全身麻酔下に帝王切開で出産し、3042g、女児、Apgar score 8/9であった。翌日からワーファリンを4mgで再開した。出産から1年を経過した現在、母子 ともに健康である。 考察  弁置換術後の妊娠では、妊娠初期のワーファリンによる胎児の催奇形性と抗凝固療法お よび妊娠中期から分娩時までの厳格かつ計画的な抗凝固療法が問題となる。ヘパリン使用 時も妊娠中の凝固能亢進や線溶系抑制と相俟って、抗凝固療法の不安定化、すなわち血栓弁 や大出血などの致死的合併症を招く危険性がある。  2017年のAHA/ACCガイドラインでは、On-X弁のAVR術後の抗凝固療法はINR値を1.5-2.0に低減した低用量ワーファリン管理が適切であるとの指針が追加された。これは出血性 合併症回避のみならず、やむを得ず不安定化した抗凝固効果に対する安全域が大きいこと も意味する。生体弁は構造的劣化による再手術が不可避であり、若年者に機械弁を使用でき る利点は大きい。On-X弁は妊娠出産を希望する若年女性の人工弁選択の有力な選択肢にな り得る。

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成人心臓手術における一酸化窒素療法(iNO)の使い道

○坂口 太一 社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院  一酸化窒素吸入療法 (iNO)は新生児の肺高血圧症に対する治療法として広く使用されて きたが、成人においても特に心移植やLVAD装着術後の右心不全に対して、その有用性が広 く認知されるようになり、我が国でも2015年10 月に一般心臓手術の周術期肺高血圧に対し てもiNOの使用が保険償還された。  iNOは選択的に肺血管を拡張させるが、肺血管内でヘモグロビンと結合して不活化され体 循環にほとんど影響を与えないため、肺高血圧症を伴う重症心臓手術の手術期管理に有効 である。また肺内の換気が良好な部位により多く取り込まれ、局所の血流を改善するため、 換気血流不均衡を伴うような重症酸素化障害に対して有効とされる。さらにNOそのものの 抗炎症作用により、肺の虚血再灌流障害を抑制するという報告もされており、体外循環後肺 障害の予防効果も期待される。  iNOは言うなれば良いこと尽くめの治療法かもしれない。以前は医療用NOガスおよびそ の吸入装置がなかったため、LVADなど限られた症例に対して一部の施設で使用されるの みであった。しかし2015年にNOガス管理システムアイノベントおよびアイノフロー DSが 我が国で使用可能となり、この2年で成人症例1200例近くに使用されるなど、その使用が急 速に拡大してきている。  演者は以前LVAD、心移植患者などの管理を通してiNOの有用性を多く経験していること もあり、保険償還後早期から一般心臓手術症例に対してもiNOを積極的に使用している。肺 高血圧症を伴う重症弁膜症患者の術後管理のみならず、肋間開胸MICSの再膨張性肺水腫や 胸部大血管手術後の肺障害に対しても、iNOは有用かもしれない。このセミナーでは、我々 の経験を通してiNOの可能性について解説したい。

参照

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