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魚肉の新鮮度とミオグロビンの関係について

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Academic year: 2021

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(1)

魚 肉 の 新 鮮 度 と

ミ オ グ ロ ビ ン の 関 係 に つ い て

砦 →←

今←今← 1 緒

魚 肉に は,ほ と ん ど無 色 の い わ ゆ る白 身 の 魚 と赤 色 や 暗 赤 色 を した 赤 身 魚 等 が あ る。 これ ら魚 類 の 筋 肉 を 見 るに,普 通 に 我 々が 肉 とい って い る他 に,暗 赤 色 の 部 分 い わ ゆ る血 合 肉 を見 る こ と が 出来 る。 こ れ は,魚 類 に 特 有 とみ られ る筋 肉 で あ る。 運 動 の 活 発 な 赤 身 の 魚 は 多 く,底 棲 型 の活 発 で な い 白 身 の 魚 は 少 い 傾 向が あ る 。 こ の 普 通 肉,血 合 肉 の一 般 成 分 に つ い て み る と,血 合 肉 は 普 通 肉に 比 し て 水 分 が や や す くな く,全 窒 素 非 蛋 白 窒 素 も少 な い 。 これ に 反 し,脂 肪 が 多 い 。 ア ミノ酸 組 成 に つ い て は,普 通 肉,血 合 肉 は 本 質 的 に ほ と ん ど差 が な い 。 強 い て 言 え ば 血 合 肉が,グ リシ ン,ロ イ シ ン,お よ び ブ ェ ニ ール ア ラ ニ ンな どに や や 富 む に 対 し,リ ジ ン,ヒ ス チ ジ ン,グ ル タ ミ ン酸,ア ス パ ラ ギ ン酸,ス レナ ニ ンお よ び チ ロ ジ ンな どに や や 劣 る 。 ま た 血 合 肉 は エ キ ス 成 分 が 少 な い 。 魚 肉 エ キ ス の 主 成 分 で あ る ク レア チ ン,ト リメチ ・一ル ア ミ ンオ キ サ イ ド,イ ノシ ン酸 の 少 な い 点 が 指 摘 で き る 。非 窒 素 エ キ ス 分 に つ い て は,糖 質 は 血 合 肉 の方 が 多 く,乳 酸 は普 1) 通 肉 の方 が 多 い 。Blaekkenは 血 合 肉 の方 が 普 通 肉 よ りグ リ コ ー ゲ ンが 少 な い と報 告 し てい る。 こ の こ とか ら血 合 肉 の 解 糖 作 用 が 普 通 肉 よ り劣 る こ と が 考 え られ る 。 脂 肪 の 合 量 は 血 合 肉が 普 通 肉 よ りは るか に 多 い 。 これ は 血 合 肉が 脂 質 の貯 蔵 器 官 的 役 目を 持 つ こ とを 示 す 。

Vitaminに つ い て は, Vitamin Aは 血 合 肉 の 方 が 多 く,Vitamin BはBlaekkenの 報 告 に よ る と ナ イ ア シ ンを の ぞ い た す べ て が 普 通 肉 よ り多 い 。Vitamin Cに つ い て も血 合 肉が 多 い 。 無 機 成 分 に つ い て み る と,カ ル シ ウ ム,鉄,リ ン,硫 黄,銅,コ バ ル トな ど の有 機 型 の も のが 血 合 肉 に 多 い 。 以 上 の よ うに 血 合 肉 と普 通 肉 は 成 分か らみ る相 違 点 の 多 く あ る こ とが 認 め られ る。 生 理 作用 の 面 か ら酵 *本 学 教 授 **教 務 員 ***昭 和38年 度 卒 業 生 素 に つ い て比 較 し てみ るに,リ パ ー ゼ,ア ミラ ー ゼ, ア ル ギ ナ ー ゼ の い ず れ も,血 合 肉 の 方 が 活 性 度 が ま さ る 。 カ タ ラー ゼに つ い て も血 合 肉 の 方 が よ り活 性 で あ る。 チ トク ロ ー ム酸 化 酵 素 も血 合 肉 が ま さ り,コ ハ ク 酸 脱 水 素 酵 素,リ ン ゴ酸 脱 水 素 酵 素 に つ い て も肝 臓 と 匹 敵 で き る強 大 な 活 性 度 を持 つ 。 以 上 の こ とか ら,血 合 肉 は,普 通 肉 よ りは るか に 組 織 の酸 化,還 元 能 が 強 く活 発 な 呼 吸 組 織 で あ る。 ま た 血 合 肉 は 普 通 肉 に 比 し,赤 色 色 素 で あ る ヘ モ グ ロ ビ ン,ミ オ グ ロ ビ ン,チ トク ロ ー ムに 富 む 。 各 々組 織 呼 吸 に 重 要 な 役 目を は た して い る もの で あ るが,筋 肉 の色 は,主 に ミオ グ ロ ビ ンに よ る もの で あ る。 脱 血 した 魚 に い た っ て は,ヘ モ グ ロ ビ ンは無 視 して も よい く らい で あ る 。 ヘ モ グ ロ ビ ンは,グ ロビ ン とい わ れ る蛋 白 質 と,ポ ル フ ィ リ ン色 素 と 結 合 した もの で あ る。 ミオ グ ロ ビ ンは,一 分 子に 一 原 子 の 鉄 を 含 む ヘ モ グ ロ ビ ンの 最 小 構 成 単 位 に 匹 敵 す る も ので あ る。 酸 素 との 親 和 度 は 大 で あ るが,温 度 に敏 感 で,温 度 が 上 が る と酸 素 と の 親 和 度 が 急 激 に 落 ち る。 また そ の機 能 は,ヘ モ グ ロ ビ ン の運 ん で きた 酸 素 を 貯 蔵 す る こ とに あ る 。 ま た ヘ モ グ ロ ビ ン,ミ ナ グ

ロ1ノソ肝 ゲL'-quit由L一 「《r, "r ノfy I 唱一4) デ軟 ∼y 醸 事 淀r^一 、 L-, 卜杁フ「「「ミ¶㌧●d㌧ ノ 、H医8u一 プ西倉ル・弐 あN ),

(ヘモグロビン

ミオグロビン)一(駕

笥 郷;)一

(1に 彰 二齢

と変 化 し,色 は 暗褐 色 を お び て く る。そ こで 著 者 等 は 新 鮮 度 と ミオ グ ロ ピ ン含 量 と の 関 係 を 知 りた い と思 い, ミオ グ ロ ビ ンの定 量 を 行 っ た 。 畜 産 動 物 肉 の ミオ グ ロ ラ ビ ン含 量 に つ い て は,Drabkin等 が 測 定 し て い る 。 魚 類 筋 肉 中 の ミオ グ ロ ビ ン 含 量 に つ い て は,松 浦, 3)4) 橋 本 が 測 定 し報 告 して い る。 報 告 に よれ ば ミオ グ ロ ビ ンは一 般 に 血 合 肉 に 著 し く多 く,マ グ ロ類 で は,新 鮮 肉 の2°o,カ ツオ で は1%に も 上 が る 。 普 通 肉 は ミ ォ グ ロ ビ ン量 が 少 ない が 赤 色 の 濃 い マ グ ロ,カ ツ オ は か な りの ミオ グ ロ ビ ンを 含 有 して い る 。 表 面 血 合 は ミ

(2)

昭 和39年7月(1964) オ グ ロ ビ ン含量 の点 に お い て は,深 部 血 合 肉 と普 通 肉 5) の 中 間 に 位 す る とい っ て い る。 藤 巻,大 倉 は,食 肉 の 熟 成 中 の ミオ グ ロ ビ ンの 変 化 に つ い て 報 告 して い る。 報 告 に よ る と,肉 熟 成 中 の ミオ グ ロ ビ ンを 中 心 と す る 肉 色 の 変 化 は,化 学 的 定 量 に よる よ り も肉 の水 抽 出 液 の最 大 吸 収 の位 置 お よ び,そ の吸 収 の 強 さか ら追 求 さ れ,特 に アス コル ビ ン酸 添 加 の肉 色 固 定 に お け る 効 果 を 水 抽 出 液 の吸 収 曲線 の 結 果 か ら認 め て い る。 藤 巻, 6} 長 谷 川 は,塩 漬 加 熱 肉 の 発 色 の 変化 を 抽 出 液 吸 収 曲線 よ り求 め て い る 。 そ こ で 著 者 等 は,以 上 の定 量 法か ら,魚 肉 の ミオ グ ロ ビ ン 含量 の 変 化 と 新 鮮 度 と の関 係,加 熱 肉 の 発 色 量,塩 漬 肉 の場 合 に つ い て ミオ グ ロ ビ ン含量 定 量 実 験 を 行 った 。

n 実 験 の 部

1.魚 肉 中 の ミ オ グ ロ ビ ン含 有量 測 定 〔1〕 実 験 方 法 ミオ グ ロ ビ ン の量 定 は,「 ミオ グ ロ ビ ン の新 定 量 法 (Cyamet型)」 に よ った 。 〔2〕 試 薬 10%塩 基 性 酢 酸 鉛 pH 6.7(1M)Phosphate buffer KCN 1°oフ ェ リシ ア ン化 カ リウ ム水溶 液 〔3〕 実 験 操 作 磨 砕 肉 の 一定 量 を 三 角 フ ラ ス コに取 り,同 量 ∼10倍 量 の 蒸 溜 水 を加 え て充 分 撹 伴 の 後,冷 蔵 庫 に て1晩 抽 出 す る。 抽 出 液 を,ガ ー ゼで 炉 過 す る 。こ の炉 液 の 一 定 量 を 秤 量 し,炉 液2m1あ た り一 滴 の 赤血 塩 の 水 溶 液 を 撹 伴 しつ つ 加 え,さ らに 微 量 のKCNを 加 え て 色 素 蛋 白をCyallmet型 とす る 。 こ れ にt3容 の 塩 基 性 酢 酸 鉛 液 を加 え て よ く撹 伴 の後,10分 間 放 置 す る。沈 殿 を 遠 心 分 離 して 除 去 す る 。上 澄 液 の一 定 量 を 秤 取 し,pH(6.7)のPllospllate bufferを 撹 拝 しつ つ 加 え,bufferの 最 終濃 度 を0.2Mと な る ご と くにす る。 上 澄 液5mlを 試 験 管 に 秤 取 し KCNを3mg加 え る。 ゴ ム 栓 を して 定 温 の 湯 浴 中 に5分 間 加 熱 を 行 な う。 加 熱 後 は 流 水 で 冷 却 し,源 紙 に て 沈 殿 を 除 去 す る。 こ こに 得 られ た 水 抽 出 液 に っ い て,A・K・A光 電 比 色 計 を 用 い,波 長54伽 μ に お け る吸 光 値 を 測 定 した 。 なお 加 熱 温 度 に つ い て は,マ グ ロの70。Cを の ぞ い ては,68。Cを 加 熱 温 度 と した 。 一17一 〔4〕 実算方法 7) Drabkinの 報 じ て い る 吸 光 系 数=11.3(Cyamnet mioglobin,分 子 量.16450)を 用 い た 。 黙 野 ・645・×抽 出液1緻 ×110 ミオ グ ロ ビ ン(]mgo/) 〔5〕 本 実 験 に 関 す る予 備 実 験 (a)水 抽 出 倍 数 に よ る ミオ グ ロ ビ ン含 量 に つ い て測 定 結 果 は 第1表 に 示 す 。 第 1 表

,」.C普

置嵯 ヒ1普遍

」ユ 樋 肉チ

抽蹴1・{2・51[2.551・

含 オノ 劃1.761・.5413・ ・912.26i22.・349.36 1望 血 合肉5ミ 抽出倍数 5 ・・12・51 マ グ ロ (普 通 肉) 5

1

ノ・ ・マ チ (普 通 肉)

`1'2.5

菖 グ 量1・33.3・1・5& ・413ユ3358・9・2.9・1・ ・2・ 測 定 結 果 よ り,本 実 験 に お い て 水 抽 出 の 蒸 溜 水 の 量 は,普 通 璽肉 の ご と く筋 肉 色 の 淡 い もの の場 合 は,同 量 ∼5倍 量,血 合 肉 の ご と く筋 肉 色 の 濃 い も の の場 合 は,10倍 量 を 使 用 す る こ と と した 。 {b}抽 出時 間 数 に よ る吸 光 値 に つ い て,測 定 した 結 果 を 第2表 に 示 す 。 第 2 表 数 間 数1カ ツオ(吸 光 値)[マ グ ・(吸 光 値) 6 9 12 15 18 21 24 0.0166 0.0132 0.0132 0.0144 0.0132 0.0033 0.0077 0.0235 0,0212 0.0269 0.0223 0,0212 0.0235 0.0246 測 定 結 果 よ り,吸 光 値 に は ほ とん ど差 が 見 られ なか っ た の で 本 実 験 に お い て1晩 抽 出 の方 法 を 採 った。 〔6〕 試 料 可 及 的 新 鮮 は 魚類 筋 肉 を 血 合 肉 と普 通 肉 を 別 々に 採 取 し結 締 組 織,脂 肪 組 織 を 出 来 る だけ 除 去 した 後, 乳 鉢 中で 徹 底 的 に 紛 砕 し,こ れ を 試 料 と した 。 〔7〕 実 験 結 果 お よ び考 案 各 種 魚類 に つ い て 血 合 肉,普 通 肉 に 分 け,ミ オ グ ロ ピ ン含 量 を 測 定 した 。

(3)

結 果 を 第3表 に 示 す 。 な お 松 浦 は 魚 類 の側 線 に 沿 っ た表 面 の 肉 を表 面 血 合,脊 椎 骨 に 近 い 部 の 肉 を 深 部 血 合 と血 合 肉 を二 つ に 分 け て い る。 しか しBlaek-kenは,こ の 表 面 血 合 と普 通 肉 との 境 界 が あ ま りは っ き り して い な い の で,松 浦 の い う表 面 血 合 を 認 め て い な い 。 本 実 験 に お い て は,血 合 肉 は 脊 椎 骨 に 近 い 部 の 肉 を 採 取 した.マ グ ロ等 表 面 血 合 肉 と深 部 血 合 肉 の 境 界 が 区 別 しや す い もの は これ を わ け た。 第 3 表

副 筋肉維

ア ジ ハ マ チ マ グ ロ ホ ン ダ イ カ ツ オ サ ワ ラ ブ リ サ バ ク ジ ラ 血 合 肉 普 通 肉 血 合 肉 普 通 肉 深部血 合 肉 表面血 合 肉 普 通 肉 血 合 肉 普 通 肉 深部血 合 肉 普 通 肉 血 合 肉 普 通 肉 血 合 肉 普 通 肉 血 合 肉 晋 趨 肉 普 通 肉 SarPlelSa翌Ple Sa雪P'e 45.86 19.58 179.82 9.36 527.07 70.18 35.82 ユ2.81 0.32 553.28 59.00 73.53 5.24 141.09 28.10 99.0ユ 544.50 135.12 5.61 110.22 7.99 741.10 70.02 3$.66 8.01 0,48 355.41 16.24 104.54 2.00 289.74 .. 137.ユ6 59.70 '1 126.38 2.91 480.48 36.76 341.72 66.61 177.78 5.47 1$2.$5 47.68 131.19 各 種 魚 類 の ミオ グ ロ ビ ン 含 量 の 測 定 結 果 よ り ミオ グ ロ ビ ンは,ど の 魚 類 に つ い て も 普 通 肉 よ り も,暗 赤 色 の 部 分,い わ ゆ る血 合 肉 に 多 く含 まれ て い る。 血 合 肉 の 量 は,回 遊 性 の 魚や 運 動 の活 発 な 赤 身 の 魚 は 多 く,底 棲 型 の運 動 の 活 発 で な い 白 身 の 魚 は 少 な い 傾 向が あ るが,ミ ォ グ ロ ビ ン含 量 も また マ グ ロ,カ ツオ 等 の 運 動 の 活 発 な 魚 類 が 大 で あ る 。 ま た 水 中 を 長 く深 く潜 る海 獣 や ク ジ ラの 筋 肉 に も 多 い こ とが 知 られ て い る 。 これ は ミナ グ ロビ ンが 酸 素 を 組 織 呼 吸 に必 要 の 時 期 まで 貯 蔵 す る 役 目す るゆ え に,こ れ ら運 動 の 活 発 な 魚 類 や,海 底 深 く も ぐ る ク ジ ラ等 に 多 く含 有 す る もの と思 わ れ る。 測 定 結 果 よ り,ミ オ グ ロ ビ ン含 量 は,マ グ ロ,カ ツオ,魚 類 で は な い が ク ジ ラが 多 く,ハ マ チ,ブ リ,サ バ,サ ワ ラ,ア ジ の 順 に 減 少 して お り,大 体 中 間 に 位 置 し,タ イ は 微 量 で あ る。 この よ うに 魚 肉 ミオ グ ロ ビ ン の 多 少 は 感 能 に よ る筋 肉 色 の濃 淡 と ほ ぽ一 致 して い る こ とが わ か る。 同 一 魚 類 で あ っ て も異 っ た測 定 値 を 示 して い る 。 これ は,魚 類 の成 長 度,季 節,雌 雄,大 小 等 に よ る差 と考 え られ るが 主 に 漁 獲 直 後 の 魚 を 使 用 す る事 が 出 来 な い 故 に 鮮度 が ま ち ま ち で あ る事 が 原 因 だ と考 え られ る 。 2 魚 類 の 新 鮮 度 と ミ オ グ ロ ビ ン含 量 の 変 化 。 〔1〕 貯 蔵 日数 に よ る ミオ グ ロ ビ ン含 量の変 化 。 (a)冷 蔵 庫 貯 蔵 に よ る ミオ グ ロ ビ ン含 量 の変 化 。 ① 材 料 メバ チ マ グ ロ,ハ マ チ ② 実 験 操 作 魚 肉 を 細 か く切 り よ く混 和 して ポ リエ チ レン袋 に 入 れ,さ らに ガ ラス ビ ン に 入 れ 冷 蔵 庫 中 に 貯 蔵 す る 。 こ の もの に っ い て ミオ グ ロビ ン含 量 の測 定 お よび 揮 発 性 塩 基 窒 素 量 測 定 と タ ンパ ク質 沈 殿 反 応 に よ る 鮮 度 判 定 を 行 う。 〔揮 発性塩 基窒 素量測 定 法〕 (1)試 薬 20%過 塩 素 酸 液 2%過 塩 素 酸 液 10%Na2CO呂 ケ ロシ ン(消 泡 剤) メ チ ル レ ッ ド(指 示薬) 1/50N H2SO4液 1/50N NaOH液 (2)試 料 の 調 製 よ くす り まぜ た 検 体 か ら10gの 試 料 を ビ ー カに は か り取 り50m1の 蒸 溜 水 を 加 え て よ くか き ま ぜ30 分 間 浸 出 す る 。 次 に20%HCIO4液IOmlを 加 え て よ くか き まぜ 約 ユ0分間放 置 後 な る べ く肉 片 を ビ ー カに 残 す よ うに して 炉 過 す る 。次 に2%HC104 液10m1を 加 え,肉 片 を全 部 ロ紙 の 上 に 移 し,ビ ・一力 の 中 の残 留 物 は 少 量 の2°oHC104液 と蒸 溜 水 を 用 い て 洗 い こ み 充 分 こ しわ け 源 液 全 部 は メス フ ラス コ に受 け 蒸 溜 水 を 加 え て100m1に し,供 試 液 に す る。 (3)実 験 方 法

(4)

昭 和39年7月(1964) 受 器 に 正 確 に1/50NH2SO420mlを 入 れ,メ チ ル レ ッ ド1∼2滴 を加 え,こ れ に10°oNayCO3 液 を ほ ぽ 赤 色 が 消 失す る まで滴 下 した後,装 置 を くみ,た だ ちに 通 気 で き る状 態 に して お い て,さ らに10%Na2CO3液5m1を 注 入 し,栓 を して, た だ ち に 通 気 を 始 め る 。 通 気 は45Q土10C,100分 間 と した 。 分 解 ビ ン中 に 泡 の きつ い 場 合 は ケ ロシ ン を2∼3滴 加 え た 。 通 気 が 終 った ら受 器 の 栓 を 外 し,通 気 管 の 先 端 を 蒸 溜 水 で 受 器 中 に 洗 い 落 し,そ の ま ま1/50N NaOHで 滴 定 す る。 (4)揮 発 性 塩 基 窒 素 量 の 計 算 空 試 験 値 xml 供 試 液 に つ い て の測 定 値 yml 供 試液20mlは 始 め の 検 体29に 相 当 し1/50N NaOH lm1=0.28mgN で あ るか ら検 体100gあ た りの 揮 発 性 塩 基 窒 素 量 は1/50N NaOHの 力 価Fと す る と, 0.28x(x-y)xFx100/2mg°o (5)鮮 度 判 定 は 次 表 の 基 準 に よ っ た 。 魚 肉 の 鮮 度 き わ め て 新 鮮 普 通 の 新 鮮 初 期 腐 敗 腐 敗 揮 発 性 塩 基 窒 素 量 5^-10 mg° ° 15^-25 30^-40 50以 上 〔タ ンパ ク質 沈 殿 反 応 〕 (1)試 液 A液:1°o昇 禾 液 B液:酢 酸 酸 性 昇 禾 液 A液 に0.05%の 割 合 に 氷 酢 酸 を 混 ぜ た もの 。 ② 実 施 方 法 乳 鉢 内 で 細 砕 した 検 体 を ビ ー カ ー 内 に59秤 取 し,50mlの 蒸 溜 水 を 加 え よ く撹 拝 混 和 して,30 分 間 放 置 後 炉 過 す る。 こ の 間 あ らか じめ 小 試 験 管 に 試 液A液 お よ びB液 の 各2mlを お の お の 用 意 して,前 述 の 炉 液 を 徐 々 に 滴 下す る。 滴 下 量 ユ.Omlの 範 囲 で 行 い 混 濁 沈 殿 の 状 態 を 観 察 す る。 (3)鮮 度 の 判 定 は 次 表 の タ ンパ ク質 沈殿 反 応 判 定 表 に よ っ た 。

1嘉わ騒

稽々繍

A 液 B 液 土 初期 腐敗 十 土 腐 敗 十 〇r{十 一19一 (3)実 験 結 果 お よ び 考 察 メ バ チ マ グ ロ,ハ マ チ の 冷 蔵 庫 貯 蔵 に よ る ミオ グ ロ ビ ン 含 量 の 変 化 は 第4表,第5表 お よ び グ ラ フ ー1,グ ラ フ ー2に 示 す 。 第4表 〔冷 蔵 庫 貯 蔵 に よ る ミオ グ ロ ビ ン含 量 の 変 化 〕 (メ バ チ マ グ ロ) 〔貯 蔵 温 度oo∼7QC) 日 数 0 2 4 6 8 10

含箔 量 色素残存率

mg° ° 181.85 1 100 1$1.85 1 100 121.58 1 66.9 80.81 1 44.3 52.71 ! 30.0 50.51 i 27.8 00 A液 土 十 一f一

B液 鷹 轟 繁

土 rxlg°0 14.80 16,60 21.12 26.35 29.16 40.37 ク ラ フ ー1 〔冷 蔵 庫 貯 蔵 に よ る ミオ グ ロ ビ ン 含 量 〕 メ バ チ ・マ グ ロ 第5表 〔冷 蔵 庫 貯 蔵 に よ る ミナ グ ロ ビ ン含 量 の 変 化 〕 (ハ マ チ) (貯 蔵 温 度oo∼5。C)

畷 吾箔 量

0 2 4 s 8 10 m蚕 °o 6.29 6.03 5.78 1:1 0 色素 残存 率 100 95.9 91.9 12.6 0 00

液騰 難

土 一}一 一}一 / 十 土 一f-十 / 十 ア ーmg° ° 15.37 23.91 27.32 33.34 103.33 ★ 肉色 が 黄 変 した

(5)

グ ラ フー2 〔冷 蔵 庫 貯 蔵 に す る ミオ グ ロビ ン含 量 〕 ハ ・マ チ 第4表,第5表,グ ラ フー1,グ ラ フー2に み る ご と く貯 蔵 日数 が 増 す に 従 い 揮 発性 塩 基 窒素 量 は 次 第 に 増 加 し,鮮 度 の低 下 を 示 す 。 これ に従 い ミ ナ グ ロ ビ ン含 量 は 次 第 に 減 少 して い く ことが わ か った 。 (b)冷 暗 所 貯 蔵 と室 内 放 置 の ミオ グ ロ ピ ン含 量 と鮮 度 の 関 係 に つ い て 。 〔1〕 試 料 ホ ン マ グ ロ,カ ジ キ マ グ ロ 〔2〕 実 験 操 作 試 料 の 魚 肉 を こ ま よ く切 り,よ く混 和 し て(1)ガ ラス 皿 に 入 れ 室 内 に 放 置 。 (2)ポ リエ チ レ ン袋 に 入 れ さ らに 褐 色 ビ ンに 入 れ 冷 蔵 庫 中 に 貯 蔵 。 この(1), (2)に つ い て ミオ グ ロ ビ ン含 量 の測 定 お よび 揮 発 性 塩 基 窒 素 量 測 定 と タ ンパ ク質 沈 殿 反 応 に よ る鮮 度 判 定 を 行 う。 〔3〕 実 験 結 果 お よび 考 察 ホ ンマ グ ロ,ヵ ジ キ マ グ ロ の 冷暗 所 貯 蔵 と室 内 放 置 した もの の ミオ グ ロ ビ ン 含 量 を測 定 した 結 果 は 次 の 第6表,第7表,グ ラ フー3,グ ラ フー4の ご と く で あ る。 第6表 〔冷 暗 所 貯 蔵 と室 内 放 置 の ミオ グ ロ ビ ン 含 量 〕 〔 鮪 〕 冷 暗 所 貯 蔵 )

墜 ト オグ・ピン含副 色轍 倒A

0 2 4 6 99.01rng°0 77.31 45.86 52.71 100°0 78.1 46.3 53.2 ± 十 B 揮 発性塩 基窒素 量 貯蔵 温度 土 18.16 rng°0 19.58 25.45 28.75 oo∼70C 室 内 放 置 )

日剃

・オグ・ビン鐘

色羅 馨A

B隔 発性塩 基窒 素劇 貯 蔵温 度 I i 0 2 4 6 99.01mg%0 64.94 37.42 25.77 100°0 65.6 42.2 26.0 十 ± 十 18,16mg°0 27.47 44.05 72.10 20 °C 22 21.5 21.5 第7表 〔冷 暗 所 貯 蔵 と室 内 放 置 の ミオ グ ロ ビ ン含 量 〕 〔カ ジ キ マ グ ロ〕 冷 暗 所 貯 蔵 ) 日数 0 2 4 6

1

ミオ グ ロ ビ ン含 量 幽 9.60mg°o .. 5.61 6.41 色素残存 率 ユ00% 91.S 58.4 66.8 A液 十 B液 土 揮発性 塩基 窒素 量 13.50mg°0 17.73 19.52 27.22 貯蔵 日数 oo∼5。C

(6)

昭 和39年7月(1964) 一21一 室 内 放 置 u 日数 0 2 4 6 ミナ グ ロ ビ ン 含 量 9.60mgo/ 7.21 4.00 3.20 色素 残存 率 100°0 75.1 41.7 32.3

lA液

土 十 B液 十 揮発 性塩基 窒素量 13.50mg°0 21.05 48.14 ・11: 貯 蔵 日数 15.3°C 14.9 13.8 13.5 グ ラ フー3 冷 暗 所 放 置 と室 内 放 置 の ミオ グ ロ ビ ン含 量 と鮮 度 の 関 係 ガ ラス 皿 に 入 れ た もの と さ らに ポ リチ レ ン袋 で つ つ ん だ も の とに つ い て も暗室 平 均15。C以 下 に 放 置 し た 場 合 に つ い て も,ミ オ グ ロ ビ ン含 量 の 測 定 を 行 っ た 。 結 果 は 第8表 に 示 す。 ・マ グ ロ 一一一一 邑棄残存率 室 鰍 置 _.輝 難 塩 盤 趨 冷暗 所放 置===== 第 8 表 (ポ リエ チ レン袋 に 入 れ な い) マ グ ロ

畷 昌 鴛

0 1 2 3 4 44.26mg°0 34.22. 34.22 24.17 色素残 存率 100,0ho 77.3 77.3 54.7 カ ジ キ マ グ ロ

1含箔 副 螺 残存率

66.68mg% 100.0% 44.26 1 66.4 5.13 1 76.7 22.57 1 33.8 (ポ リエ チ レン袋 包 装) マ グ ロ カ ジ キ マ グ ロ 日数

1

ミ ナ グuビ ン 含 量 グ ラ フー4 冷 暗所 放 置 と室 内放 置 の ミオ グ ロ ビ ン含 量 と鮮 度 の 関 係 ジキ マ グ ロ 0 1 2 3 44.28mg% 37.42 32.47 31.87 4132・47 色素 残存率

1

ミ オ グ ロビ ン 含 量 loo.o,0 84.3 73.4 72.0 66.68mg% 61.44 49.36 色素残 存率 一鵬一一琶素残 存率 室内放置 一一一一一揮 発性 塩 基窒素量 冷暗 所放置、一 73・4{24・7・ 100.0% 92.1 73.0 37.0 表m,7,8の 測 定 値 よ り(1)冷 暗 所 貯 蔵,室 内 放 置 のい ず れ の 場 合 に お い て も鮮 度 の低 下 に 従 い ミ オ グ ロ ビ ン含 量 は減 少 した 。 ② 室 内放 置 した方 が 冷 暗 所 貯 蔵 した 場 合 よ り ミオ グ ロ ビ ン含 量 の減 少 が い ち じ る しい 。 これ は 魚 肉が 空 気,気 温 の変 化 に 直 接 触 れ て い る ため に ミオ グ ロ ビ ン が 化 学 的 変 化 を 受 け た もの と考 え られ る。(3)第8表 の 測 定 値 に 見 ら れ る よ うY'ポ リエ チ レ ン袋 に 入 れ た 場 合 が そ うで な い 場 合 よ り ミオ グ ロビ ン含 量 が よ く保 持 され た 。 (c)魚 肉 の塩 漬 貯 蔵 に よ る ミオ グ ロ ビ ン含 量 と鮮 度 の 関 係 。 〔1〕 試 料 マ グR

(7)

〔2〕 実 験 操 作 a:3%NaCl十1%KNO3 b:3°oNaCI十1°o KNO3十 〇.2%ア ス コ ル ビ ン 酸 ソ ー ダ c:3ioNaCl十 〇.5%NaNO2十 〇.2%ア ス コ ル ビ ン 酸 ソ ー ダ d:対 照 肉 (塩 漬 し な い 肉) 試 料 上 記 方 法 に よ り塩 漬 し た も の を,ポ リエ チ レ ン 袋 に 入 れ さ ら に ガ ラ ス ビ ン に 入 れ た も の を 冷 蔵 庫 中 に(0∼50C)貯 蔵 した も の に つ い て ミオ グ ロ ビ ン 含 量 の 測 度 を 行 っ た 。 〔3〕 実 験 結 果 及 び 考 察 a,b, cの 各 塩 濱 法 に て 塩 漬 し た も の の ミオ グ ロ ビ ン 含 量 の 測 定 結 果 は 第9表 に 示 す 。 第9表 マ グ ロ塩 漬 肉 の ミナ グ ロ ビ ン含 量 (mg°o) 塩漬 法 貯蔵 日数 3 5 7 11 13 a 3.20 11.28 10.48 18.71 19.58 b 10.48 17.11 17.11 21.26 2a.4s C 9.61 7.01 13.64 12.08 8.01 d 27.23 26.35 24.03 20.46 18.71 塩 漬 肉 の 発 色 過 程 は 次 の よ うに 考 え ら れ て い る 。 NaNO3十reducing condition-→NaNO2 NaNO3十acid condition->HONO HONO十reducillg condition-一 →NO NO ・十myoglobin -→NO-Mb (nitro oxide myoblobin)

硝 酸 塩(硝 酸 カ リウ ム,亜 硝 酸 カ リウ ム)は 塩 漬 中 に 存 在 す る 細 菌 の作 用 に よ って 亜 硝 酸 塩 に 遷 元 せ ら れ,次 に 肉 中 の 乳 酸 と反 応 して亜 硝 酸 と な り,さ ら に 還 元 状 態 で 分 解 して 酸 化 窒 素 と な る。 こ のNOが ミオ グ ロ ビ ン と結 合 して,ニ トロ ソ ミオ グ ロ ビ ン と な り肉 色 に 鮮 赤 色 を あ た え る。 これ を 肉色 の 固 定 と い い,こ の 肉 を 加 熱 す る と,ニ トロ ソ ミオ グ ロモ ー ゲ ン とな り,桃 赤 色 を あ た え る。 この 反 応 が 進 む に は 肉 は 還 元 状 態 で あ る こ とが 必 要 で,実 際 に 還 元 剤 で あ る ア ス コル ビ ン酸 ナ トリ ウ ムを 塩 漬 に 添 加 す る と 肉色 の 固 定 が 良 好 に 行 わ れ る。 しか し肉 色 の 固 定 を行 な わ な い 肉を 加 熱 す る と,鮮 肉 の 赤 色 は 灰 褐 色 に 変 化 す る 。 第9表 よ り,(魚 肉 にCの 塩 漬 剤 を 添 加 した もの は 次 第 に 肉 色 が 変 化 した 。) (1)塩 漬 剤 の 組合 せ に よ り ミナ グ ロ ビ ン含 量 は 異 な って い る 。 (2)a:は ミオ グ ロ ビ ン含 量 は 日 々増 加 を 示 し13日 に 最 大 と な っ て い る 。 b:は11日 目に 最 大 値 を 示 して い る 。 c:は7日 目に 最 大 値 を 示 して い る 。 肉 色が 黄 灰 緑 色 に 変 じた 。 (3)bの アス コ ル ピ ン酸 ソ ー ダ を 加 え た もの が ミナ グ ロ ビ ン含 量 も多 く肉 色 も よか っ た 。 (4)b,cの ごと くアス コ ル ビ ン酸 ソ ー ダを 加 え た もの は,加 え ない もの よ り速 く ミオ グ ロ ビ ン含 量 に 最 大 値 を 示 した 。 (5)対 照 肉 の ミオ グ ロ ビ ン 含 量 は 貯 蔵 日数 の 増 加 と と もに減 少 して い るが,塩 漬 肉 の 方 は 増 加 して い る。 {d)塩 漬 肉 の 加 熱 に よ る発 色 量 〔1〕 実 験 方 法 塩 漬 加 熱 肉 の 色 素 で あ る ニ トロ ソ ミオ グ ロモ ー ゲ ン は ア セ トン,エ ー テ ルに よ っ て よ く抽 出 され る こ と ラ を Anderton, Lockeが 報 告 して い る 。 本 実 験 に お い て は藤 巻,長 谷 川 の方 法 に 準 じた 。 〔2〕 試 料 マ グ ロを 塩 漬 に して 冷 蔵 庫 貯 蔵 した も の を 試 料 と し た 。 〔3〕 a b C a, 取 り1000Cで30分 間 加 熱 冷 却 後,乳 鉢 中 で 磨 砕 し,一 ・定 量 を 着 色試 験 管 に 取 り,試 料 の5倍 量 の アセ トン を加 え て氷 水 中 に30分 間 放 置 後,エ ー テ ル を 同 量 加 え て30分 間 放 置 後,遠 心 分 離(3500 回 転,10分 間)を 行 い 抽 出 液 をA,K, A光 電 比 色 計 の540伽 μに お け る 吸 光 値 を 測 定 し,塩 漬 加 熱 肉 の 発 色 量 と した 。 〔4〕 実 験 結 果 お よ び 考 察 塩 漬 加 熱 肉 の ア セ トン ・エ ー テ ル 抽 出 液 の 吸 光 値 を 第10表 に 示 すg 実 験 操 作 3°oNaCl十1° °KNOB

3;oNaCI十1°oKNOB十 〇.2°o ascorbin 酸 ソ ー ダ

3%NaC1十 〇.5%NaNO2十 〇.2%ascorbin 酸 ソ ー ダ

(8)

昭 和39年7月(1964) G x;10表 塩 漬 加 熱 肉 の ア セ トン ・ニ ーテ ル 抽 出 液 の 吸 光 値 塩 漬 日数 吸光値la 2 4 6 8 10 0.0132 0.0235 0.077 0.0144 0.0110 b 0,0235 0.0269 0.0212 0.0235 0.0132 C 0,0505 0.0177 0,0155 0,0200 0.0144 d 0 0 0 0 0 dは 対 照 肉(塩 漬 しな い 肉) 以 上 の 結 果 よ り,ア ス コル ビン酸 ソ ー ダを 加 え た もの は 加 え な い もの よ り発 色 量 は大 ぎ く,速 く発 色 が あ らわ れ る結 果 を 得 た 。 皿 総 括 及 び 考 察 1)鮮 魚 を血 合 肉 と普 通 肉 に 分 け て,ミ オ グ ロ ビ ンを 測 定 した 。 {a}血 合 肉 は 普 通 肉 よ りは る か に 多 く ミオ グ ロ ビ ン を 含 有 して お り,血 合 肉 は普 通 肉 の5倍 か ら10倍 量 多 く含 有 され て い た 。 (d)赤 身 の 魚 は 白 身 の 魚 よ り著 し く多 く ミオ グ ロ ビ ンを 含 有 しえ い る 結 果 を 得 た 。 (c}ミ オ グ ロ ビ ン 含 量 の 多 少 は 官 能 に よ る肉 色 の濃 度 と ほ ぽ 一 致 す る こ とが わ か った 。亀 2)冷 蔵 庫貯 蔵 に お け る ミオ グ ロ ビ ン含 量 の測 定 の結 果 。 貯 蔵 日数 が 増 す と と もに揮 発 性 塩 基 窒 素 量 は 増 加 し 鮮 度 の低 下 状 態 を 示 した 。 ミオ グ ロ ビ ン含 量 は 減 少 して い る。 3)室 内放 置 した もの と 冷 暗 所 貯 蔵 した もの の ミオ グ ロ ピ ン含 量 を測 定 した 。 (a)冷 暗 所 貯 蔵,室 内 放 置 の いず れ の場 合 に お い て も鮮 度 の 低 下 に従 い,ミ オ グ ロ ビン含 量 は 減 少 し た 。 室 内 放 置 した 方 が,ミ オ グ ロ ビ ン含 量 の減 少 が 著 しい 。 1ω ポ リエ チ レ ン袋 に 入 れ た もの と入れ ない もの を 温 度 を 等 し く放 置 した 場 合,ポ リエ チ レン袋 に 入 一23一 れ た場 合 の方 が よ りよ く ミオ グ ロ ビ ンが 保 持 され た 。 従 っ て,空 気(酸 素)に よ る影 響 は大 きい も の と思 わ れ る。 4)鮪 肉 を 塩 漬 貯 蔵 した もの に つ い て ミオ グ ロ ビ ン含 量 を測 定 した 。 (a)ア ス コル ビ ン酸 ソー ダを 加 え た ものが ミオ グ ロ ビ ン含 量 も多 く肉 色 もよか っ た 。 加 え ない もの よ り速 く ミオ グ ロ ビ ン含 量 に最 大 値 を 示 した 。 5)塩 漬 加 熱 肉 の 発 色 量 を 色 素 抽 出 液 の 吸 光 値 か ら求 め た 。 la}塩 漬 日数 の 長 短 に よ っ て 発 色 量 は 異 な り塩 漬2 日か ら4日 に 最 大 値 を 得 た 。 Idlア ス コ ル ビ ン酸 ソ ー ダを 加 え る と 発 色 量 が 多 く,速 く発 色 が あ らわ れ る結 果 を 得 た 。 {c}塩 漬 を 行 わ な い 肉 を 加 熱 す る と色 素 は ほ とん ど 失 わ れ た 。従 っ て 塩 漬 の 加 熱 肉 の 発 色 に お け る効 果 を 明 らか に した 。 参 考 文 献 1}D,R. Biaekkan:Nature 178,747^-748 (1956) 2)D.L. Drabkin.:ノ. Biochem.182,317∼333 (1950) 3)松 浦 交 雄,橋 本 彫:日 本 水 産 学 会 誌20(4), 3+08^312 (1954) 4) :日 本 水 産 学 会 誌20(10), 809^819 (1959 5)藤 巻 正 生,大 倉 礼 子:日 本 農 芸 化 学 会 誌33 (10) 101^-104 (1959) 6)藤 巻 正 生,長 谷 川 雅 子:日 本 農 芸 化 学 会 誌33 (11) 104^110 (1959) 7)JOHNA. ULRICH, H.O.HALVORSON

Advances in Food Reseach 3, 314 8)7.T, Andertan, D,7. Locke:Nature 175, 818 (1955)

参照

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