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旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

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Academic year: 2021

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平 成 2 7 年 9 月 2 日 判 決 言 渡 平 成 2 6 年 ( 行 コ ) 第 4 8 8 号 不 動 産 取 得 税 還 付 不 許 可 決 定 処 分 取 消 請 求 控 訴 事 件 ( 原 審 ・ 東 京 地 方 裁 判 所 平 成 2 5 年 ( 行 ウ ) 第 7 0 5 号 ) 主 文 1 原 判 決 を 取 り 消 す 。 2 処 分 行 政 庁 が 控 訴 人 に 対 し て 平 成 2 4 年 8 月 9 日 付 け で し た , 別 紙 1 土 地 目 録 記 載 の 不 動 産 の 取 得 に 係 る 不 動 産 取 得 税 を 還 付 し な い 旨 の 処 分 ( 2 4 税 セ 還 第 1 2 8 号 ) を 取 り 消 す 。 3 訴 訟 費 用 は , 第 1 , 2 審 を 通 じ , 被 控 訴 人 の 負 担 と す る 。 事 実 及 び 理 由 第 1 控 訴 の 趣 旨 主 文 と 同 旨 第 2 事 案 の 概 要 等 1 事 案 の 要 旨 本 件 は , 別 紙 1 土 地 目 録 記 載 の 土 地 ( 以 下 「 本 件 土 地 」 と い う 。 ) を 取 得 し た 控 訴 人 が , 東 京 都 立 川 都 税 事 務 所 長 ( 以 下 「 本 件 課 税 庁 」 と い う 。 ) に よ る 平 成 2 3 年 5 月 1 1 日 付 け 不 動 産 取 得 税 賦 課 処 分 ( 以 下 「 本 件 賦 課 処 分 」 と い う 。 ) に 基 づ き , 本 件 土 地 に 係 る 不 動 産 取 得 税 ( 7 9 2 6 万 6 1 0 0 円 。 以 下 「 本 件 不 動 産 取 得 税 」 と い う 。 ) を 納 付 し た 後 , 本 件 土 地 上 に 建 築 さ れ た 別 紙 2 建 物 目 録 記 載 1 な い し 6 の 各 建 物 ( 以 下 , 併 せ て 「 本 件 各 建 物 」 と い い , 個 別 に は 「 A 棟 」 , 「 B 棟 」 な ど と い う 。 ) は , 地 方 税 法 7 3 条 の 2 4 第 1 項 1 号 及 び 東 京 都 都 税 条 例 ( 昭 和 2 5 年 東 京 都 条 例 第 5 6 号 。 以 下 「 本 件 条 例 」 と い う 。 ) 4 8 条 1 項 を 適 用 さ れ る べ き 特 例 適 用 住 宅 に 当 た り , 本 件 不 動 産 取 得 税 が 減 額 さ れ る べ き で あ る と し て , 同 法 7 3 条 の 2 7 第 1 項 及 び 本 件 条 例 4 8 条 の 4 に 基 づ き , 本 件 不 動 産 取 得 税 の 還 付 を 求 め る

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旨 の 申 告 ( 以 下 「 本 件 申 告 」 と い う 。 ) を し た と こ ろ , 処 分 行 政 庁 か ら , 本 件 不 動 産 取 得 税 を 還 付 し な い 旨 の 処 分 ( 以 下 「 本 件 処 分 」 と い う 。 ) を 受 け た た め , 処 分 行 政 庁 が 所 属 す る 東 京 都 を 被 告 と し て , 本 件 処 分 の 取 消 し を 求 め る 事 案 で あ る 。 原 判 決 は , 控 訴 人 の 請 求 を 棄 却 し た の で , こ れ を 不 服 と す る 控 訴 人 が , 原 判 決 を 取 り 消 し , 本 件 処 分 を 取 り 消 す こ と を 求 め て , 控 訴 し た 。 2 関 係 法 令 等 の 定 め , 前 提 事 実 及 び 争 点 並 び に 争 点 に 関 す る 当 事 者 の 主 張 (1) 関 係 法 令 等 の 定 め , 前 提 事 実 及 び 争 点 並 び に 争 点 に 関 す る 当 事 者 の 主 張 は , 下 記 (2) の と お り 原 判 決 を 補 正 し , 下 記 (3 ) の と お り 控 訴 人 の 当 審 に お け る 補 充 主 張 を 摘 示 す る ほ か は , 原 判 決 の 「 事 実 及 び 理 由 」 中 の 「 第 2 事 案 の 概 要 」 の 1 な い し 3 ( 原 判 決 7 頁 2 行 目 の 「 2 」 は 「 3 」 の 誤 記 と 認 め る 。 ) 及 び 「 第 3 争 点 に 関 す る 当 事 者 の 主 張 」 に 記 載 の と お り で あ る か ら , こ れ を 引 用 す る 。 (2) 原 判 決 の 補 正 ア 4 頁 2 行 目 の 「 遵 守 す る こ と 」 を 「 遵 守 す る こ と を 」 に 改 め る 。 イ 6 頁 1 5 行 目 の 「 原 告 に 対 し , 」 の 次 に 「 本 件 条 例 4 8 条 の 4 の 規 定 に 該 当 し な い と し て 」 を 加 え る 。 ウ 同 2 5 行 目 の 「 審 査 請 求 を し た が , 」 か ら 同 2 6 行 目 末 尾 ま で を 以 下 の と お り 改 め る 。 「 審 査 請 求 ( 以 下 「 本 件 審 査 請 求 」 と い う 。 ) を し た 。 本 件 審 査 請 求 に お い て , 控 訴 人 は , 本 件 処 分 の 理 由 が 抽 象 的 で あ る の で 具 体 的 に 説 明 す る よ う 求 め た 。 こ れ に 対 し , 処 分 行 政 庁 は , 本 件 施 行 令 附 則 6 条 の 1 7 第 2 項 に い う 「 居 住 の 用 に 供 す る た め に 独 立 的 に 区 画 さ れ た 部 分 が 1 0 0 以 上 あ る 共 同 住 宅 等 」 は , 1 棟 ご と に 把 握 さ れ る べ き で あ る か ら , 本 件 各 建 物 は い ず れ も

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上 記 の 戸 数 要 件 を 満 た さ な い と の 弁 明 を し た ( や む を 得 な い 事 情 要 件 に つ い て は 双 方 い ず れ か ら も 主 張 が な か っ た 。 ) 。 [ 甲 1 4 な い し 1 6 ] 東 京 都 知 事 は , 平 成 2 5 年 5 月 1 6 日 , 本 件 審 査 請 求 を 棄 却 す る 旨 の 裁 決 ( 以 下 「 本 件 裁 決 」 と い う 。 ) を し た 。 本 件 裁 決 の 理 由 の 骨 子 は , 共 同 住 宅 等 に お い て , 戸 数 要 件 は 1 棟 の 建 物 ご と に 判 断 す べ き で あ る と こ ろ , 本 件 各 建 物 は い ず れ も 1 0 0 戸 未 満 で あ っ て 戸 数 要 件 を 満 た し て い な い か ら , 本 件 減 額 規 定 は 適 用 さ れ な い と い う も の で あ る 。 な お , 本 件 裁 決 も , や む を 得 な い 事 情 要 件 の 充 足 の 有 無 に つ い て は 具 体 的 に 判 断 し て い な い 。 [ 甲 1 7 ] 」 エ 7 頁 2 行 目 の 「 2 」 を 「 3 」 に 改 め る 。 オ 同 1 1 行 目 , 同 1 2 行 目 及 び 9 頁 1 行 目 の 各 「 共 同 住 宅 」 を , い ず れ も 「 共 同 住 宅 等 」 に 改 め る 。 カ 1 0 頁 1 5 行 目 の 「 こ と も 」 を 「 こ と 」 に 改 め る 。 (3) 当 審 に お け る 控 訴 人 の 補 充 主 張 ア 本 件 各 建 物 の う ち , D 棟 と E 棟 は , 構 造 上 及 び 利 用 上 の 一 体 性 が 認 め ら れ る 。 す な わ ち , D 棟 及 び E 棟 は , 両 棟 の み の 共 用 エ ン ト ラ ン ス を 有 し て お り , ま た , こ の 共 用 エ ン ト ラ ン ス は , E 棟 と の 一 体 性 及 び 外 気 遮 断 性 を 備 え , 建 物 の 一 部 と な っ て い る 。 そ し て , D 棟 又 は E 棟 に 出 入 り す る た め に は , 上 記 共 用 エ ン ト ラ ン ス に よ る し か な い ( 非 常 用 出 入 口 等 , 日 常 的 に 使 用 さ れ る こ と を 予 定 し て い な い も の を 除 く 。 ) 。 イ D 棟 は 7 1 戸 , E 棟 は 6 9 戸 あ り , そ の 合 計 は 1 4 0 戸 で あ る 。 本 件 土 地 の 地 積 は 2 5 7 5 0 . 2 3 ㎡ ( ① ) で あ り , 本 件 各 建 物 の 1 階 の 床 面 積 の 合 計 は 4 4 5 4 . 3 2 ㎡ ( ② ) , D 棟 と E 棟

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の 床 面 積 の 合 計 は 1 4 0 3 . 6 7 ㎡ ( ③ ) で あ る 。 し た が っ て , D 棟 及 び E 棟 の 敷 地 に 相 当 す る 8 1 1 4 . 5 7 1 ㎡ ( = ① × ③ ÷ ② ) の 取 得 に 係 る 不 動 産 取 得 税 に つ い て は , 本 件 減 額 規 定 に 基 づ き 不 動 産 取 得 税 の 還 付 が 認 め ら れ る べ き で あ る 。 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 1 当 裁 判 所 は , 本 件 各 建 物 が 戸 数 要 件 を 満 た し た 特 例 適 用 住 宅 に 該 当 し な い と し て 本 件 不 動 産 取 得 税 の 還 付 を し な い 本 件 処 分 は 誤 っ て お り , 本 件 処 分 は 取 り 消 す べ き と 判 断 す る 。 そ の 理 由 は , 下 記 の と お り で あ る 。 2 本 件 各 建 物 の 一 体 性 に つ い て (1) 原 判 決 が 説 示 し て い る と お り , 本 件 各 建 物 は 不 動 産 登 記 簿 上 6 棟 の 建 物 と し て 登 記 さ れ て い る こ と , 本 件 各 建 築 確 認 及 び 本 件 各 完 了 検 査 も 本 件 各 建 物 ご と に 行 わ れ て い る こ と , 本 件 各 建 物 は 構 造 上 独 立 し て お り , 共 用 階 段 や 廊 下 等 に よ っ て 物 理 的 に 結 合 さ れ て い な い こ と , 建 築 基 準 法 8 6 条 1 項 の 一 団 地 認 定 は , 区 域 内 の 各 建 築 物 が 同 一 敷 地 内 に あ る と み な す 制 度 で あ り , 各 建 築 物 の 一 体 性 を 認 め る も の で な い こ と か ら は , 本 件 各 建 物 が 一 体 で あ る と は 認 め ら れ な い 。 な お , 本 件 各 建 物 の 敷 地 の 外 部 か ら , 内 部 に 入 る た め の 共 通 の エ ン ト ラ ン ス が あ る と し て も , 本 件 各 建 物 に は そ れ ぞ れ 独 立 し た ( 他 の 建 物 を 通 過 す る こ と な く 利 用 で き る ) 出 入 口 が あ る 以 上 , 構 造 上 は も ち ろ ん , 利 用 上 の 一 体 性 を 認 め さ せ る も の で は な い 。 共 通 の 管 理 員 室 や 福 利 施 設 ( コ ン シ ェ ル ジ ュ カ ウ ン タ ー , ミ ニ シ ョ ッ プ , ゲ ス ト ル ー ム 等 ) が あ り , そ れ ら が 本 件 各 建 物 の 共 同 住 宅 等 と し て の 利 便 性 や 魅 力 を 増 す も の で あ る と し て も , 利 用 上 不 可 欠 な も の と は い え ず , 一 体 性 を 認 め さ せ る も の で は な い 。 (2) 控 訴 人 は , 当 審 に お い て , 少 な く と も D 棟 と E 棟 は 一 体 で あ る 旨

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主 張 す る 。 し か し , D 棟 に は , 控 訴 人 の 主 張 す る 共 用 エ ン ト ラ ン ス の ほ か , D 棟 の 一 部 を 構 成 す る 独 立 し た 出 入 口 が あ る と 認 め ら れ る ( 甲 3 0 ) 。 し た が っ て , D 棟 と E 棟 は , 建 物 の 出 入 り に 関 し て , 構 造 上 は も ち ろ ん , 利 用 上 も 一 体 の 建 物 と は い え な い 。 (3) 以 上 の と お り で あ る か ら , 本 件 各 建 物 は , 一 体 の 建 物 ( 1 棟 の 建 物 ) で あ る と は い え な い 。 3 本 件 減 額 規 定 の 戸 数 要 件 の 解 釈 に つ い て (1) 本 件 施 行 令 附 則 6 条 の 1 7 第 2 項 に よ れ ば , 戸 数 要 件 は , 地 方 税 法 附 則 1 0 条 の 2 第 2 項 の 規 定 に よ り 読 み 替 え て 適 用 さ れ る 同 法 7 3 条 の 2 4 第 1 項 1 号 に 規 定 す る 「 特 例 適 用 住 宅 」 ( 本 件 条 例 4 8 条 1 項 1 号 の 「 特 例 適 用 住 宅 」 と 同 じ 。 ) に つ い て 問 題 と な る も の で あ る 。 地 方 税 法 7 3 条 の 2 4 第 1 項 1 号 は , 土 地 を 取 得 し た 日 か ら 2 年 以 内 に 当 該 土 地 の 上 に 「 特 例 適 用 住 宅 」 が 新 築 さ れ た 場 合 に は , 当 該 土 地 の 取 得 に 対 し て 課 す る 不 動 産 取 得 税 を 減 額 す る 旨 を 定 め て い る 。 こ の 特 例 適 用 住 宅 と は , 本 件 施 行 令 3 9 条 の 2 の 3 第 1 項 各 号 に 定 め る 住 宅 を い い , 同 項 は , 住 宅 ( 「 人 の 居 住 の 用 に 供 す る 家 屋 又 は 家 屋 の う ち 人 の 居 住 の 用 に 供 す る 部 分 で , 政 令 で 定 め る も の 」 を い う 〔 地 方 税 法 7 3 条 4 号 〕 。 ) を , ① 共 同 住 宅 等 以 外 の 住 宅 と , ② 共 同 住 宅 等 ( 「 共 同 住 宅 , 寄 宿 舎 そ の 他 こ れ ら に 類 す る 多 数 の 人 の 居 住 の 用 に 供 す る 住 宅 」 を い う 〔 本 件 施 行 令 3 7 条 の 1 6 第 1 号 , 地 方 税 法 7 3 条 の 1 4 第 1 項 〕 。 ) と に 区 分 し た 上 で , そ れ ぞ れ に つ い て , 特 例 適 用 住 宅 に 該 当 す る た め の 要 件 を 定 め て お り , 後 者 に つ い て は , 本 件 施 行 令 3 9 条 の 2 の 3 第 1 項 2 号 に よ れ ば , 「 居 住 の 用 に 供 す る た め に 独 立 的 に 区 画 さ れ た 一 の 部 分 の い ず れ か の 床 面

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積 が , 5 0 ㎡ ( 当 該 独 立 区 画 部 分 が 貸 家 の 用 に 供 さ れ る も の で あ る 場 合 に あ っ て は , 4 0 ㎡ ) 以 上 2 4 0 ㎡ 以 下 の 住 宅 」 と さ れ て い る 。 ま た , 地 方 税 法 附 則 1 0 条 の 2 第 2 項 及 び 本 件 施 行 令 附 則 6 条 の 1 7 第 2 項 は , 当 該 土 地 の 取 得 が 平 成 1 6 年 4 月 1 日 か ら 平 成 2 6 年 3 月 3 1 日 ま で に 行 わ れ た 場 合 で , 独 立 区 画 部 分 が 1 0 0 以 上 あ る 共 同 住 宅 等 で あ る と き は , 当 該 土 地 を 取 得 し て か ら 特 例 適 用 住 宅 の 新 築 ま で の 期 間 ( 以 下 「 新 築 期 間 」 と い う 。 ) を 2 年 以 内 か ら 3 年 以 内 に 伸 長 し , さ ら に , 同 期 間 が 3 年 を 超 え る と 見 込 ま れ る こ と に つ い て や む を 得 な い 事 情 が あ る と 道 府 県 知 事 が 認 め た 場 合 は , 更 に 4 年 以 内 に 伸 長 し て い る 。 (2) そ こ で , 共 同 住 宅 等 で あ る 特 例 適 用 住 宅 に つ い て , 法 令 の 規 定 上 , そ れ が 1 棟 で あ る こ と が 要 件 と さ れ て い る か 否 か に つ い て 検 討 す る 。 こ の 点 , 特 例 適 用 住 宅 の 新 築 に 係 る 不 動 産 取 得 税 還 付 の 制 度 は , そ の 要 件 に 照 ら す と , 土 地 を 取 得 し て か ら 一 定 の 期 間 内 に , 一 定 範 囲 の 床 面 積 ( た だ し , 居 住 の 用 に 供 せ ら れ る 部 分 ) を 有 す る 建 物 を 新 築 し た 場 合 に , 徴 収 済 み の 不 動 産 取 得 税 の う ち 所 定 の 金 額 を 還 付 す る と い う も の で あ り , こ れ は , 居 住 の 用 に 供 せ ら れ る 部 分 の 床 面 積 に 着 目 し て , 一 定 の 居 住 性 を 備 え た 住 宅 を 数 多 く 建 築 さ せ て , そ の 供 給 を 促 進 す る こ と を 目 的 と す る も の と 解 さ れ る 。 そ の よ う な 制 度 趣 旨 に 鑑 み る と , そ の 土 地 の 上 に 建 築 さ れ る 共 同 住 宅 等 に つ い て , 1 棟 で 独 立 区 画 部 分 を 1 0 0 以 上 有 す る 場 合 と , 複 数 棟 で 合 計 1 0 0 以 上 有 す る 場 合 と で 違 い が あ る と は い え な い 。 ま た , 前 記 地 方 税 法 附 則 1 0 条 の 2 第 2 項 に よ り , 共 同 住 宅 等 で あ る 特 例 適 用 住 宅 に 限 っ て 新 築 期 間 が 伸 長 さ れ て い る の は , 一 定 規 模 以 上 の 共 同 住 宅 等 を 建 設 す る 場 合 に は , 費 用 の 調 達 や 工 期 の 観 点 か ら 時 間 が か か る こ と に 加 え , 行 政 機 関 に 対 す る 各 種 申 請 手 続 や 近

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隣 住 民 と の 調 整 な ど に も 時 間 を 要 す る こ と が 通 常 で あ る こ と を 考 慮 し た も の で あ る と 認 め ら れ る 。 そ し て , 共 同 住 宅 等 が 1 棟 で あ る 場 合 に 加 え , 複 数 棟 を 建 築 す る 場 合 も , 戸 数 が 多 く 大 規 模 な 開 発 と な れ ば , 行 政 上 の 規 制 を 満 た す た め の 調 査 や 行 政 機 関 と の 調 整 事 務 等 が 増 大 し , ま た , 関 係 す る 近 隣 住 民 の 数 が 増 え て 説 明 等 が 難 航 す る こ と は 珍 し く な い 。 そ う す る と , 複 数 棟 を 建 築 す る 場 合 で あ っ て も , 新 築 期 間 を 伸 長 す る 必 要 が あ る と い う べ き で あ る 。 以 上 か ら は , 不 動 産 取 得 税 を 軽 減 す る こ と に よ っ て 一 定 の 居 住 性 を 備 え た 住 宅 の 供 給 を 促 進 す る と い う 本 件 減 額 規 定 の 趣 旨 等 を 考 慮 す る と , 取 得 し た 土 地 上 に 建 築 さ れ る 共 同 住 宅 等 が 1 棟 で あ る 場 合 と 2 棟 以 上 で あ る 場 合 と で 違 い は な い の で あ り , こ の 規 定 は , 取 得 し た 土 地 上 に 1 棟 の 共 同 住 宅 等 が 建 築 さ れ る 通 常 の 場 合 を 想 定 し て 定 め ら れ て い る も の で あ る が , 2 棟 以 上 の 共 同 住 宅 等 が 建 築 さ れ る 場 合 に 適 用 さ れ る こ と を 排 除 す る も の で は な く , む し ろ , そ の よ う な 場 合 に も 同 様 に 適 用 さ れ る べ き も の で あ る と 解 さ れ る 。 本 件 減 額 規 定 は , 共 同 住 宅 等 で あ る 特 例 適 用 住 宅 に つ い て , そ れ が 1 棟 で な け れ ば な ら な い と す る も の で は な く , 複 数 の 棟 の 共 同 住 宅 等 で 合 計 1 0 0 以 上 の 独 立 区 画 部 分 が あ る 場 合 に も 適 用 さ れ る と 解 す る の が 相 当 で あ る 。 (3) 被 控 訴 人 は , 文 理 上 , 本 件 減 額 規 定 は 1 棟 の 共 同 住 宅 等 で 1 0 0 以 上 の 独 立 区 画 部 分 が あ る 場 合 に の み 適 用 さ れ る 旨 主 張 す る 。 こ の 点 , 共 同 住 宅 等 以 外 の 住 宅 に つ い て は , 地 方 税 法 7 3 条 の 1 4 ( 不 動 産 取 得 税 の 課 税 標 準 の 特 例 ) 第 2 項 及 び 本 件 施 行 令 3 9 条 の 3 ( 法 7 3 条 の 2 4 第 1 項 の 規 定 の 適 用 に 関 し 必 要 な 事 項 ) が , 共 同 住 宅 等 以 外 の 住 宅 の 建 築 後 1 年 以 内 に 当 該 住 宅 と 一 構 と な る べ き 住 宅 を 新 築 し た 場 合 に , こ れ ら の 前 後 の 住 宅 の 建 築 を も っ て 1 戸

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の 住 宅 の 建 築 と み な し て い る こ と か ら , 建 物 が 1 戸 で あ る こ と を 前 提 と し て い る こ と が 明 ら か で あ る 。 し か し , 共 同 住 宅 等 に つ い て そ れ が 1 棟 で あ る べ き こ と は 法 令 の 文 言 上 明 示 さ れ て い な い 。 そ も そ も , 床 面 積 の 要 件 が 充 足 さ れ て い る か 否 か の 判 断 に お い て , 共 同 住 宅 等 以 外 の 住 宅 に つ い て は , 当 然 に 1 戸 で あ る と の 判 断 が 前 提 と な る が , 共 同 住 宅 等 に つ い て は , 独 立 区 画 部 分 で あ る と の 判 断 が 前 提 と な る の で あ っ て , そ れ に 加 え て , 共 同 住 宅 等 が 1 棟 で あ る こ と は , 床 面 積 の 要 件 の 判 断 に 本 質 的 な も の と は い え な い 。 な お , 建 物 の 完 成 に 関 し て , 建 物 と し て 構 造 上 独 立 し た も の が 完 成 し た か 否 か の 観 点 か ら 判 断 す べ き で あ る か ら , 「 共 同 住 宅 等 以 外 の 住 宅 」 に つ い て は 1 戸 を 単 位 に す る の と 同 様 , 「 共 同 住 宅 等 」 に つ い て は 「 1 棟 ご と 」 に 判 断 す る こ と に な る と し て も , そ の こ と は , 本 件 減 額 規 定 に お け る 1 0 0 以 上 の 独 立 区 画 部 分 を 有 す る 共 同 住 宅 等 を 「 1 棟 」 に 限 定 す る 理 由 に は な ら な い 。 ま た , 固 定 資 産 税 に い う 家 屋 が , 不 動 産 登 記 法 に お け る 「 家 屋 」 と 同 義 で あ る と し て も , 本 件 減 額 規 定 は そ れ ら と 制 度 趣 旨 が 異 な る も の で あ る か ら , 不 動 産 登 記 法 に お け る 「 家 屋 」 と 同 義 に 解 す る 必 要 は な い 。 前 記 の と お り , 本 件 減 額 規 定 は , 戸 数 要 件 に つ い て は , 共 同 住 宅 等 の 「 独 立 区 画 部 分 」 を 単 位 と し て い る こ と が 明 ら か で あ っ て , 更 に 「 1 棟 」 で あ る こ と が 要 件 と な っ て い る と は 解 さ れ な い 。 以 上 の と お り で あ る か ら , 被 控 訴 人 の 上 記 主 張 は 理 由 が な い 。 (4) 被 控 訴 人 は , 本 件 減 額 規 定 に お い て , 共 同 住 宅 等 が 1 棟 で あ る こ と を 要 件 と し な い と , 複 数 の 建 物 の ど れ を 対 象 と す る か , 敷 地 の 範 囲 を ど う す る か , 建 築 時 期 を い つ と す る か が 問 題 と な り , 実 務 上 混 乱 が 生 じ る お そ れ が あ る と 主 張 す る 。 し か し , 複 数 の 建 物 の う ち ど れ を 対 象 と す べ き か , ま た , 敷 地 の

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範 囲 を ど う す る か に つ い て は , 建 築 計 画 の 内 容 , 建 物 及 び 敷 地 の 位 置 関 係 , 建 ぺ い 率 及 び 容 積 率 等 か ら 判 断 す る こ と が で き る と 解 さ れ る 。 な お , 敷 地 の 範 囲 の 判 断 は , 新 築 す る 共 同 住 宅 等 が 1 棟 で あ っ て も 問 題 と な り 得 る も の で あ る 。 ま た , 建 築 時 期 の 認 定 に つ い て は , 独 立 区 画 部 分 の 合 計 数 が 累 計 で 1 0 0 以 上 と な る 最 終 の 建 物 の 完 成 時 期 を 基 準 と す る こ と な ど で 的 確 に 判 断 す る こ と が 可 能 で あ り , そ れ が 困 難 で あ る と は 必 ず し も い え な い 。 こ れ ら の 点 に つ い て , 複 数 の 建 物 を 対 象 と す る 場 合 に , 1 棟 に 限 定 し た 場 合 に は な か っ た 判 断 を す る こ と に な り , こ れ ま で に な か っ た 多 少 の 困 難 が 生 じ る お そ れ が あ る と し て も , そ の こ と を も っ て , 法 令 上 明 文 の 規 定 も な い の に , 本 件 減 額 規 定 を , そ の 制 度 趣 旨 に 反 し て 制 限 的 に 適 用 す る こ と が 正 当 化 さ れ る も の で は な い 。 し た が っ て , 前 記 の 被 控 訴 人 の 主 張 も 理 由 が な い 。 4 結 論 以 上 の と お り , 処 分 行 政 庁 は , 戸 数 要 件 に つ い て , 法 令 上 明 文 の 規 定 が な い の に , 本 件 減 額 規 定 の 制 度 趣 旨 に 反 す る 制 限 的 な 解 釈 に 基 づ い て 本 件 処 分 を し た も の で あ る か ら , 本 件 処 分 は 違 法 と し て 取 り 消 さ れ る べ き で あ る 。 な お , 本 件 訴 訟 に お い て は , や む を 得 な い 事 情 要 件 に つ い て も 双 方 が 主 張 立 証 を し て い る も の の , 前 記 前 提 事 実 に よ れ ば , 本 件 処 分 は 戸 数 要 件 を 満 た さ な い と の 理 由 で さ れ た も の で あ り , 本 件 裁 決 で も や む を 得 な い 事 情 要 件 に つ い て 実 質 的 な 判 断 は さ れ て い な い も の と 認 め ら れ る 。 そ う す る と , 行 政 庁 の 第 1 次 判 断 権 の 尊 重 の 観 点 か ら , そ の 充 足 の 有 無 に つ い て 当 裁 判 所 が 判 断 す る こ と は 相 当 で な い 。 ま た , や む を 得 な い 事 情 要 件 を 充 足 し な い と す る 余 地 が 仮 に あ る と し て も , そ れ

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を 理 由 に 本 件 処 分 を 維 持 す る こ と は 違 法 な 理 由 の 差 替 え と し て 許 さ れ な い 。 し た が っ て , や む を 得 な い 事 情 要 件 を 満 た す か 否 か に つ い て は 判 断 を し な い 。 第 4 以 上 に よ れ ば , 本 件 控 訴 は 理 由 が あ る か ら , 原 判 決 を 取 り 消 し て 本 件 処 分 を 取 り 消 す こ と と し , 主 文 の と お り 判 決 す る 。 東 京 高 等 裁 判 所 第 1 2 民 事 部 裁 判 長 裁 判 官 杉 原 則 彦 裁 判 官 高 瀬 順 久 裁 判 官 朝 倉 佳 秀

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