Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design“
地 域の
「
華 」づく り とテザイン”
は、
いま魅
力
あ る
集落
づ く
り
Making
Amenity
in
(ゐ uni妙山 北 町観 光 開発基 本 計 画実 践
の現 場
から
佐藤
庄平 (
Sato
Shohei
)
新 潟県 岩船 郡
凵」北 町 企 画観
光 課1
,
山 北 町の概 況 と現 状
山北
田∫
は、
新 潟県
の最北 端
に位
置す
る、
人rl9,
00G
入余
りの町 で、
日本 海
に注 ぐ大
川、
勝 木
川、
葡
萄 川 の 河 川 流 域 と海
岸沿
線
に48
の集 落
が点在
している。
総 面積
は、
2
万8
,
390ha
で、
その932
%を山林
が占
め、
ま た、
海
岸線
は26
に 及び
5
つ の漁
港 を有
してい る。山 北 町の海 ノ
・
yi
線 全 体 が 新 潟県
立自然
公 園に、
ま た、
南部 海岸
ll
は、
国の名 勝 天 然 記 念物
「笹 川 流 れ」
と して指 定
を受 け
、
また、
歴史
とロ マ ンを秘
め る山
「日本 国 」
、
鮭
の遡
上す
る大
川、勝 木
川 など、海
・
凵
」・
川
の自然
に恵
ま れ た景勝 地
であ
る。
山北 町
には、
海 水 浴
や登 山
、
釣 り
、
自然
探索
な ど を 目 的 に、
県
内 は も と より関東 圏
や東北 方 面
から、
年
間31
万 人 程 が 訪 れて おり
、
特
に夏 季 間
は、
町 内
の ω軒 余 り
の旅館
と民 宿
が 賑わ
いを
みせ る。
産
業
は、
水 稲単
作 経 営 を 主 と した 農 業、
スギの育林
を 卞 とし た林 業
、
沿 爆
漁
業
を主
と した水 産 業
の第
・
次
産業
が中核
を な し、
第
1
次産 業
は建 設
・
建 築業
と製 造業
、
第
三次 産 業
は観
光
客
を受 け人
れ る旅館
や民 宿
な どを主
と した サー
ビス業
で あ る。
山 北 町 は
、
若 年 者の町外 流 出による過 疎 化
が進
み、
若 者
の定
着
が大
き
な 課 題 と なっ てい る。
ま た、
第 次 産 業 を基調 とす
る産 業
部 門におい ては、
いず
れ の業 種
も経営
規 模が零 細であ り、
咋 今
の産 業構 造
の変 化
に対
す る有
効 な 対策
が必 要
とさ れ てい る。
ま
た、
住
民意
識の変
化 によ り連帝感
や地
域づく り
に対 す
る 関 心 も薄 れてきており
、
町の活性 化
を進
め る た め に は、
住
民意
識
の高揚
が 重要
な要件
と なっ てい る。
2 .
山北 町観 光開発 基 本 計
画の策 定
このよ
う
な現状
のな
かで、
アンケー
ト調 査
に よる 住民
の意 向
は、
「
観 光」
を 主要
な産 業
の一
つと して町の振
興 が 図 られる こ とに、
大
き な期 待
を寄
せ ている との 結 果であっ た。
こ の
意
向
を踏
ま え、
山 北 町の観
光振
興 を 進 め る た めの基本 的
な指針
と し て、
平 成 元 年3
月
に「
山
北町観 光 開発 基 本計 画 」 を
策 定
した。
計
画
は、千葉
大学
工学
部教 授 宮崎 清氏 を
チー
フとす
る有 識者
6
人で構 成
し た 「III
北町観光 開発研 究機 構
」 と 町 内の若 者10
人 で構
成 した「
LI
.
1
北 町観光 地
づく り推 進
プロ ジェ ク トチー
ム」
が主 体
と なっ て、
住 民
との懇 談会
や 来訪者
へ のアンケー
ト調
査
な どの実 施、
ま た、
精 力 的 な検討
・
協
議によっ て、
策 定
さ れ たも
の であ
る。
本計
画で は、
観光
開発
の基本理 念
を、
次
の5
項 巨
とし
た。 ユ)48
集 落
の日常
生活
を基 本 的資 源
とす
る観 光 地
づく
り山
北 町 な らではの日常 的
な 生活 文化
のな かに こそ、
他の地域 で は
真似
の でき ない独 自性 が あ
る、
そ して、
そ れ ぞ れの集
落の生活
に即 し た観 光 地づ く りを 目指す
ことに より
、
終
局 的
に町民
の心
に ふれ た 生 き がい がll亅.
能
と なる。2
)
目常
生活
を分
か ちあ
え る開
か れ た観光 地
づくり
山 北 町
の観 光
の姿 勢
やイメー
ジ を外
に向 け
てはっき り
と打
ち
出
したう
えで、
さ
らに、
本 町
の魅力 を分 か ち合 え
る観 光
客
を 選 択し増や してい こう
。
3
)
どの集
落も
・
人ひ とりが主役
になれ る観 光 地づ く り山 北 町の
・
人ひ とりが観
光の姿
勢 を 理 解 し、
それぞれの 生活
の 、ン
揚 か ら、
ま
さに主
役
となっ て、
観 光
推 進の実践
に参
加
していく
。
4
)暮 ら
しを支 え
てき
た自然
と楽
しく
つき
あえ
る観
光
地づ く り山
北 町 を訪
れ た 入々が、
単
.
に眺
めて帰
る だけ
に止
まる の では な く
、
自然
や風
± とか かわり
あっ て生 きて きた 人 々 と のふれ 合い を通 して
、
ま た、
体験
し な が ら知
っ ても らう
。
5
)郷
土の培
っ た知 恵
や伝
統
が息
づいている観
光
地づ くり
tlIA
匕町の習慣
や伝 統
な ど の資
源を活か し、
また、
これらのことに
携
わっ てき
た 人々とふれあ
いな が ら、
お 互いが楽
しみ
合
う
。海
・
山
・
川の恵
ま れ た自然
と そこか ら産す
る資源
、
そ して、
産 業
や由 北 町 固 有の文 化 を有
機 的に結
びつ け た観 光
地づ く りに より、
活
気
と魅 力
に富
む 町づ くり
を進
め る こと を標 榜
し、
こ の5
項
ト{を 設定
した もの である。今
、
山 北 町で は、
本 計 画に基づ き多 様 な 実 践 活 動 を着 実
に進 め てい る、
3 ,
魅 力 あ る集 落
づ くり事 業
の取 組
みな かで
も
、
平 成 元年
にスター
ト した 「
魅 力 あ
る集
落 づく
り事
業 」
につ いては、
本計 画
の骨 格 事 業
と して位
置付
けていること か ら、
こ こ で紹 介
をし て み たい:
.
本
事
業
の ねらいは、
町の組織
の基 盤 を な す 集 落 を、
住 民 自 ら の創
意工夫
と実
践に より
、
地域
環境
そのも
の の整 備 と と も に、
これ ら計 画
づくり
や事
業
の実
践活動
を通 して、 住民 相
ij
/の協 調
心
の醸 成
と とも
に、
地 域づ く りへ の関
心 を高
め、
終 局 的
には、
活 力 あ
る町づく りを進
め よう
という
もので あ る。「
魅
力
あ
る集
落
づ くり
事
業 」
は、
次
の手順
で進
め た。
1
)
魅力
ある集 落
づ くり推 進
座談会
の開催
2
)魅
力 あ る集
落づ く り委
員 会の設
置3
)
「
生活 文化資 源 調査 」
の実施
4
)魅 力
ある集
落づ く り事業
計画
の策 定
・
魅 力 あ
る特 色
づく り
に 関す
る事業
(
例え ば
、史跡
な どの説
明板
の設
置
、
遊
歩道
や広
場
の整備
、花
の植 栽
な ど)
・
生活 文化
や遊
びに関
する事 業 (
例 え
ば、
祭 り
や 郷 上料
理の復 活
と創 造
、
民謡
や民話
の保存
、
ミニ 郷 土 史の作 成、
イベン トの
開催
な ど)
・
環境
の改 善
に関す
る事
業 (
例
え ば、
ゴ ミ焼 却炉
、
ゴ ミ集 積
40SPECIAL
ISSUE OF JSSDVo「
.
2No
.
11994
デザイン学研究 特 集 号 N工 工
一
Eleotronio LibraryJapanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design図
1
魅 力
あ る 集落
づ く り推
進 町 民フ ォー
ラムの様
子場の整 備 など
)
・
その他
、
集 落
の創
意
豊 か な事業
で町長
の認
め るも
の5
)魅 力 あ
る集落
づくり
事
業計 画 内容
につ い ての、
住 民合 意
の形成
6
)魅 力 あ
る集 落
づ くり
事
業計 画
の実 践
4
.
住 民 の 理 解本
事
業につ いて、
広 く町 民に理 解を し ても らう
た め、
ng
の全集 落
に おいて座 談
会を開催
し た。
こ の座 談 会
は、
町 三役
をは じ め「
山北 町観 光 開発研 究 機
構
」
と「
観 光 地
づくり推 進
プロ ジェ ク トチー
ム」 そ して事
務 局(
町 企 画観 光 課職 員)
で、
説 明 班
を 編 成 し、
48集
落
におい て延
べ23
日間
にわ たっ て開催
し た。 座談
会
では、
こ れま
で と異
な る地 域
づくり
のやり方
に、
住 民 か ら戸
惑
いや不
満 も聞
こえ
た。
「
本
来 行 政 が行う
べき仕 事 を何 故 自分
たち
が しなけ
れ ば な らない のか」
「
住
民の手
づくりを原 則
という
が その よう
な 暇はない」
「
こ こ には観 光資 源
は何
も ない、
何
をす
れば よい のか」
。
また、
・
方
で は、
「
何
に で も行
政に頼 る こ とは良
く ない、
自
分 たち
でも何
か やっ てみては どう
か」
「
何
ができ る か分
か ら ないが、
助
成金 もあ
ると
いう
いう
こと だ か ら取敢
えず検 討
を して み て は」
という
、
積極 的
な意見 を述
べ る人
もあ
っ た。と
もあ
れ、
ひ と と お り懇
談
会 は 終え
たも
の の、
参 集者
の皆 さ
ん が事 業
の趣 旨
を 十分
に理 解 したのか、
そ して、
委 員 会
の設 置を
は じめ とした次
なる ス テ ップに進 んで くれ るのか、
説
明 班の誰
も
が 不安
でい っぱ
い であ
っ た。
5 .
集 落
づ く り委
員会
の 結成
し か し
、
町やメ ンバー
の心
配を
よそに、
座 談会
の終
r
し た集
落
か ら、
委員会
を
設
置 す
る旨
の報 告
や事 業
の取 組 み
を前提
と し細 部
説
明
の開催
を求
め る声
が、
随 時 出 さ れ、
関 係 者.
伺 が安 堵
した。
集落住
民の話
し合
い の 上で決
めら
れた、
委 員 会
の名称
は実
に ユ ニー
クであ
る。
例 え
ば、
碁 石
という集 落
の名称
にち
なん で、
碁
盤
の 目が361
あ
ることか ら名
づけ ら
れ た「
361
委 員 会」
。
21 世 紀 に通 じる夢 を描こうとの想いから、
大 代集
落で は「
ユー
ト ピア21
委 員
会 」、
,
集
落 が 県 境に位
置 してい る中 浜集 落
で は「
境
の壁振 興 会」
。 ま た、
集 落
づく り
の テー
マにおいて も同様
に、
戸 数
5
戸
と一
番 少
ない遅郷 集 落
では 「自然
を愛
しふれ あい多
い小 さな
ふ るさ
と」
。沿 道
に アジ サ イの花
を植栽
し集 落
の環
境 美化 を と
いう
ド大蔵 集 落
では「
あ じさ
いの駐
下大蔵 」
。この よ
う
に、
そ れ ぞ れの集 落
の特 性
や地 域
づくり
へ の想
い を 込め た名 称
やテー
マ が 設定
された。
委
員 会は、
集
落 戸 数の多
少
に応
じ統
合ま
た は分 割 を行
い、
4g の委 員 会
と し た、委員 数
は延
べ640
名余 り
にも達
し、
そのな かの構 成員
は、
日頃 地域
づく り
へ の参 加
の機 会
が少
ない肖
二年
や婦
人 まで幅 広
い層
に及
び、
名 実
と もに魅力
あ る集
落づ く り事
業
の推進母体 が 整
っ た。
6 ,
集 落 資
源の再確 認
委
員 会 設 置後
、
先ず
取 り組んだのが、
集 落
の自然
や産物
、
料
理
、
ま た、
現 在
埋 もれてい る芸
能 などのあらゆる資
源 を洗
いだ しす
る「
生 活文
化資
源 調査
」である。
町 か らの
調査様 式
に 基 づき
、
各委 員 会
で は幾度
とな く会合
を開
き、 ま た、
占
老へ の聞 き
取りを行
いな がら 「
生 活 文化 資源
リ ス ト票 」 を作 成 した。
日頃
、
慣
れ ない調査
や とり
ま とめ作 業
であ
る こ と か ら、
各委
員 会
と も相 当
な苦
労
があ
っ たよう
で、
本調 査
だけ
でほ ぼ1
年
の月
日 を 要 した 集 落 も あっ た が、
この調 査
を通
じ、
自分
の地
域 を あ ら た めて見 直す
こと ができ たよう で あ る。
こ の
貴
重 な資 料
は、
現 在
、
町
でとり
ま と め を しており
、
今後
の地域
づくり
の参 考
にし な が ら、
活用
したい と考
えてい る。7
.
集 落
づ く り計
画書
の作成
本
事
業
につ い て は、
町 が各 委員 会
に対
しア ドバイスを行 う
た めに必 要 な 人 的 な 体 制 や 財 源 を考 慮
し、
ス ター
トを平 成 元年度
と平 成2
年 度に し、
平 成 元年
度に は中俣
・
黒
川俣
・
ド海 府
の3
地区
20
集 落
が、
ま た、平成
2
年度
に は大
川谷
・
八幡
の2
地 区
28
集 落 が
、
そ
れぞ
れ計 画
づくり
に取 り組
ん だ。各委 員 会
では、
前 記
の「
生活 文化 資源 調
査
」
を参
考
に し な がら
、
自分
の集落
が光 輝 く
た めの計 画
づくり
が開始
さ れ た。計 画
づ く りにあ たっ て は、
「
単
に計画 書
.
を作 成 す
る の では な く、
集 落 内での多
様 な 角 度か らの協議
を 十分
に行
い、
自
分の集
落 に 合っ た実 行 可能
な等 身大
の計画
であ
る こと、
ま た、
楽
しい計 画
であ
る こ と」
を前提
に した。当
然
、
事
業 計
画が集落 全体 会
デザ イン学研 究 特集 号 SPECIAL ISSUE OF JSSD VoL 2 No
.
1 199441Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Soolety for the Solenoe of Deslgn表
1
魅 力 あ る 集 落 づ くり事 業
実
施 状 況・
抜 粋(
平成 元 年 度 計
画策 定
・
2
年 度 事 業
開始 )
平
成
5
年
3
月31
日 現在
集 落 名 委員会 の名称 委員 数 集 落づく りの テー
マ 平 成 2 年 度−
平 成 3 年 度 平 成 4 年 度 小俣 小俣魅力ある集落 づ く り推進委員会 10人 「日本 国 」ロマ ン の里 蔵 王 堂の改修 /ふる さ と 日 本国 市 場 (無 人 市場 )の新 装 白山 神 社休 憩所整備/ 集 落 案 内 看 板 設 置 花い っぱい 運 動 /小俣口留 番 所 看 板設置 / 水 辺 公園広 場整備 雷 雷集 落づくり委 員 会 9人 し な職り と塩 木の 歴史 の里 ぎ雷 の れ き し』資 料 収 集國
『雷のれきし』 編 集 等 / 雷 観 光 栗 園 整備 雷の歴 史 刊 行 継 続 / 雷 観 光 栗 園 休 憩 小屋 整備 /しな織 り後 継 者 育成 /ゴミ置 き場の設 置 中 継 中継ふ る さとづ く り 16人 「ホ タ ル の 里」づ く り 中 継 川の美 化 整備 /清 水 整 備 / ゴミ 置 き場の設 置 /ホタ ル の生 態調 査 と看板整備/ ホ タ ル祭 り 中 継 川の美 化 整備 /ホ タ ル祭 り /ホ タル の養殖 池 整 備 等 / 集 落 案 内 看 板 設 置/ 花いっぱい運 動 ホ タ ル祭り/ 自 然愛護の啓蒙活 動 /ホ タルの 里 づ く り視察/中 継 川 美 化 整備 / 花いっ
ぱい運 動 山熊田 山熊田・
ド リー
ム 14入1 今 も 息づ く日本 古 来の
1
里 神社 周 辺整 備/歴史調 査 /遊歩 道 現 地 調 査 /イ ワ ナ保護看 板の 詮 置1
遊歩道整備/集 落 案 内 看 板 設 置 / 花い っぱい 運 動 ブ ナ林 遊 歩 道 等 継 続 整 備図
2
城 山 公 園 木 道 整 備 (
北 黒
川〉
図3
雷
観
光 栗 園休 憩
舎(
雷 )
図
4
海
浜祭
り宝 探 し風景 (
寒 川 )
42
図
5
茂
の植 栽 を共 同 作 業
で(
岩 崎 )
図6
か じか の養 殖 池
づ くり(
中
津
原)
図7
山 ゆ り 公
園 展
望台 (
越 沢 )
SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol
、
2 No 1 1994 テ ザ イン学研 究 特 集 号Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Soolety for the Solenoe of Deslgn図
8
吉 祥 嶽
の登 山 道 整備風 景 (
大毎 )
図
10
集 落標 示 看 板 (
遅 郷 〉
図9
集 落
の歌
の制
作(
中
津
原)
図11
清 水 の 里 (湧 水 場 ) 整
備
(大 毎 )議
の開催
や意 向
調
査 等
の方 法
に より
、
地域 住
民の理解
と合 意
を得
た もの であ
ること を条 件
と し た, ま た、計 画期
間につ い て は平 成
7
年度
まで と し、
年 次 計画
に よっ て ま とめ られ た。
8 .
事 業
の スター
ト計
画書
が できあ
がり
、
町の審査
も終
え、
い よい よ年次 計 画
に基
づく
事
業
の ス ター
トであ
る。あ
る集
落
で は、住
民
総 出 で遊 歩道
の整備 を
、
ま た、
公 園
に休
憩 施 設
を整 備す
る集
落 や集
落表示
看 板の設 置、
環境 美化
の た め に 河 川を清 掃 す
る集 落
、
ま
た、
地元 産
の魚
の直 売
や船
ヒ体 験
を内
容
と し た イベン トを
開催 す
る集 落
、
さら
に、
集落 沿 革 史
の作
成
に取 り組
む集
落
な ど、
ハー
ド・
ソフ トを
問 わず
、
いろいろい な事
業
が展 開
さ れ た。
9 .
町からの支 援
木 事 業
に対 す
る町か らの支援
は、
委 員 会の活 動や生 活文
化 資源調 査
、
ま
た、
魅 力 あ
る集 落
づく り事業 計 画
の策定
に要す
る経
費助 成
とし
て、
委 員 会 当 り均等
に3
万 円
と一
世帯 当 り
3
百
円を加 算 し
た補 助 金
を交付
した。ま
た、
計
画 に基
づく
亊
業
に対 し
ては、
委 員 会
de
万 円
を限度
に補
助金 を交付 す
ること
と し、2
年度
凵以降
か ら は100万 円
に増
額
し た。本
事
業
は、
あ く まで も集落
の自
主 的 な取組
み に よ るも
の とし、
町 が計
画づくり
や事
業 実施
に直接
か かわる こと なく実
施 され た。
10
.
事 業実施
の中 間
的評 価
前
述 したよう
に、
本
事業
は、
住 民自
らの手
に よ る計 画づくり
や手
づ くり作
業
等
を通 じ、
地 域住 民
の協 調
心 を醸
成 し、
町 づく
り
へ の関心
と参 画
を促 す
こ と を ね らいと してき た もの であ る。
全集 落
で の説 明 会
や「
魅力
あ る集
落づ く り推
進 町 民 フオー
ラ ム」 開催 時
に「
本 来 町
が行
う
べ き地
域づくり
を何
故自
分
た ち が 行わな ければな ら ないの か」と不満
をう
っ た え た 入 も、
「住
民
一
一
一
入ひとり
が ネ役
と なっ て地 域づ く りを 進 めてい こう」 とい う本
事
業
の主旨
を理解 す
る よう
になっ た。
多
くの住 民 が 知 恵 を 出 し汗
し な が ら・
生懸
命
に努力
している姿 を見
る につけ
、
地域
づく りを
進める に あ たっ ての確
か な于応 え を感
じてい る。い
ず
れ に しても
、
先
人 が営
々と して守 り育
ててきた本 町
の自
然
と歴史
は町民
のかけ
がい のない財
産で、
町 民の生 活 は、
こ の自然
のめ ぐみ と貴
重 な 歴 史のな かには ぐくま
れてお り、
これ か ら もこれ を保 全・
育 成 し、
活 用 しな が ら、
個 性 ある まちづ く り を 町 民一
丸
と なっ て進 めていき
たい と考え
ている。
デザ イン学 研 究 特 集 号 SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol 2 NQ 1 199443