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日本甲殻類学会・日本貝類学会共催シンポジウム「捕食・被食と殻の役割」開催報告

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Academic year: 2021

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131

日本甲殻類学会 Symposium Report

Carcinological Society of Japan

シンポジウム報告

Cancer 27: 131–132 (2018)

日本甲殻類学会・日本貝類学会共催シンポジウム

「捕食・被食と殻の役割」開催報告

狩野泰則

日本甲殻類学会と日本貝類学会は,2017年10月6 日,東京大学柏キャンパス大気海洋研究所講堂に て,両学会の第2回共催シンポジウムを開催しまし た(実行委員:狩野泰則,猿渡敏郎・大土直哉・中 野智之・福森啓晶・高野剛史・矢萩拓也).翌7日 から行われた甲殻類学会大会にあわせての実施で, 一般に無料公開,事前申し込みも不要としました. 甲殻類と貝類は,その名の示す通り,甲殻もしく は貝殻,すなわち硬い外骨格をもつ種を多く含んで います.両者の外骨格は,成長様式こそ根本的に異 なり,前者は脱皮,後者は付加成長により大きくな りますが,体を保持し,捕食者あるいは非生物的な 破壊から身を守るために機能する点で共通していま す.また,カラッパ,シャコ,アクキガイ類など, 硬い外骨格を自らの捕食に用いるものもあります. 海洋生物の進化における外骨格の重要性について は,1970年代から90年代にかけて,特に古生物学 的な観点から極めて多くの研究成果が発表されまし たが,ここでも甲殻類と貝類は研究対象の中心的存 在でした. 本シンポジウムでは,その後の約20年間になさ れた外骨格研究の進展を俯瞰するとともに,甲殻類 と貝類の捕食・被食関係,殻を利用した被食回避な どについて,両学会の内外よりお招きした演者の皆 様にご講演いただきました(図1,演題は下記参 照).シンポジウム前半は本課題に共通する大きな テーマを,後半には個別の自然史研究から全体に迫 る話題を提供頂き,また最後に特別講演としてヤド カリの宿貝替え行動を用いたアート作品の制作につ いても紹介が行われました. シンポジウムの参加人数は計88名,うち学生22 名と盛況で,甲殻類学会員が25名,貝類学会員が 24名(うち2名は両学会に所属)でした.いずれの 学会にも所属していない41名の参加があったこと になり,日頃,材料系の学会に縁遠い方に甲殻類・ 貝類両学会の存在をアピールできたと考えられま す.シンポジウム後の懇親会も大いに盛り上がり, 演者を交えた情報交換や,新規共同研究の打ち合わ せなども行われた様子でした. 開会挨拶 朝倉 彰・大越健嗣(両学会長) シンポジウム趣旨紹介 狩野泰則(東京大学大気海 洋研究所) 誘導防御:いまさら訊けない蟹と貝のカンケイ 入江貴博(東京大学大気海洋研究所) カニのハサミのかたちと使い方の関係~形態から見 積もるハサミの破壊力と壊されにくさ 藤原慎一(名古屋大学博物館) シャコの殻割り行動の制御機構 加賀谷勝史(京都大学白眉センター) 太古の攻防を垣間見る:生痕から見る貝・ヤドカリ への捕食圧 石川牧子(ヤマザキ学園大学動物看護学部) 大型甲殻類および肉食性巻貝類によるサザエの捕食 とその痕跡 早川 淳○・大土直哉(東京大学大気海洋研究所) 捕食回避に見るカサガイの巻貝への付着行動 中山 凌○・中野智之(京都大学瀬戸臨海実験所) イソダニ類の摂餌生態と貝形虫の被食痕 許 晃○・狩野泰則(東京大学大気海洋研究所) 巻貝の殻を背負って生きるタナイス 角井敬知(北海道大学理学部) 東京大学大気海洋研究所 〒277–8564 千葉県柏市柏の葉5–1–5

Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo, 5–1–5, Kashiwanoha, Kashiwa-shi, Chiba 277– 8564, Japan

(2)

132

Cancer 27 (2018) 狩野泰則 寄生性フジツボ・トサカエボシのアグレッシブな摂食 遊佐陽一(奈良女子大学理学部) 特別講演:ヤドカリの宿貝替え行動を用いたアート 作品の制作 AKI INOMATA(現代美術家) 図1. シンポジウム「捕食・被食と殻の役割」での講演と会場の様子

参照

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