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滋賀県における現状(一般公開シンポジウム「外来ザリガニ類のシンポジウム-環境省指定の特定外来生物,ウチダザリガニを中心に-」

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Academic year: 2021

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(1)

白血: e r21: 9

5-96

(2012) Carcinological Society

01

Japan

滋賀県における現状

Present status o f the alien signal crayfish

P a

c.抑

stacus leniusculus

in Shiga Prefecture

J a p a n

中川雅博

l Masahiro N a k a g a w a いわゆる「タンカイザリガニ」は, 北 アメリカの 水産庁が優良水族導入の目的で日本各地に移植した 外来種で,現在は滋賀県高島市にある人造湖の淡海 湖に生残している. 滋賀県水産試験場研究報告によ ると ,1926 年 10月17 日に 150 個体, 1927 年 9月23 日に79 個 体, 1930年 8月2 日に 198 個 体 が 淡 海 湖, 石寺内湖,大正溜池および県の試験池に放流され, 淡海湖のみで定着した( 松田 ・関, 2002). この淡 海湖の個体群はウチダザリガニの近縁種として扱わ れ て き た が (三宅, 1973, 1982; 斎藤,2002),現在 は同種と見なされている( 川井ほか, 2002; 自然環 境研究センタ ー, 2008). この個体群については, 生息地が山奥にあることもあって,生息状況の報告 例はほとんどない. タンカイザリカ。ニの生息状況を把握することを目 的に, 2001 川でタモ網を用いて行なった採集調査では,次のこ とがわかった( 中川, 2005). すなわち, 1) 淡海湖 では,捕食者で特定外来生物であるオオクチパスの 定 着 が 確 認 さ れ,少なくとも1996年には生息して いたタンカイザリガ、ニは全く得られなかった. 2) 谷川での6 回の調査ではあわせて 67 個体の本種を採 集 し た が , そ の 最 大 体 長 は 雌 で74.2 m m, 雄 で 67.0 m m にと どまり , 大型個体は得られなかった. 3) 抱卵した雌 l個体が得られ,その腹肢には既報 1 日本国際湿地保全連合 干103--{)013 東京都中央区日本橋人形町3-7-3 N C C 人形町ビル6F

Wetlands lnternational Japan, 6F N C C Ningyocho Build-ing, 3-7-3 Ningyo-cho, Nihonbashi, Chuo-ku, Tokyo 103-0013, Japan

E-mai1: masahiro _ nakagawa@ wi-japan.org

よりも少ない68 個体の卵および第 l期若 エビが認め られた . 4) 湖内で本種が採集されなかったことと , 大きさや産卵数が既報に比べると減少していること から,本種の個体群規模にはオオクチパスの捕食に よる外的要因と近交弱勢による内的要因が関与して いる可能性がある. 本講演では, 2011 年に実施し た追加調査の結果も合わせて報告した. なお,タンカ イザリカ。ニは特定外来生物であるウ チダザリガ ニ と同種であるものの,保全対象にな る,あるいは保全対象にしたいという誤解や意見が ある. 特に ,滋賀県小中学校教育研究会理科部会編 谷川 図1 . 滋賀県淡海湖の位置図. 図2. 採集されたタンカイザリガニの雌個体. 日本甲鍛類学会 S抑

tpOBI

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I

95

(2)

図3. 雌個体の腹肢に見られた第l期若エビ. 集の「滋賀の自然観察シリ ーズN o.5滋賀の水生動 物

J

(1996) では, タンカイザリカーニをアメリカ原 産の外来種 と明記したうえで 「近年数が激減し ,絶 滅させないための方策が必要な種です」と書かれて おり,改訂のないまま再版されている点と,判断能 力に乏しい低年齢層を対象にした読み物である点に いささか問題がある .

園 語 辞

びわ湖サテライトエリア研究会の浅香智也氏およ び鈴木誉士博士には. 2011年度の現地調査にご同

96

I

Cancer 21 (2012)

行いただき,有益なご助言もいただいた. 記して感 謝します.

薗 支 爾

川井唯史 ・中田和義 ・小林弥吉. 2002. 日本における 北米産ザリガニ類( タンカイザリガニとウチダザ リガニ) の分類および移入状況に関する考察. 青 森自然誌研究. 7: 59-71. 松田征也 ・関慎太郎. 2002. 滋賀県における外来水生 生物の記録 魚類 ・淡水性員類 ・甲殻類 ・両生 類 ・艇虫類. 魚類自然史研究会会報「ボテジャ コ

J.

6: 29-42. 三宅貞祥. 1973. ザリ ガニ類. 日本淡水生物学( 上野 益三編) . 北隆館,東京. pp. 496-501. 三宅貞祥. 1982. 原色日本大型甲殻類図鑑( I). 保 育社,大阪. 261 pp. 中川雅博. 2005. 滋賀県淡海湖におけるタンカイザリ ガニの生息状況. 魚類自然史研究会会誌「ボテ ジ ャ コJ. 9: 1-7. 斎藤和範. 2002. ウチダザリガニ. 外来種ハンドブッ ク( 日本生態学会編) . 地人書館,東京. p.168. 滋賀県小中学校教育研究会理科部会. 1996. 滋賀の自 然観察シリーズNo.5. 滋賀の水生動物[ 貝 ・エビ ・ その他の小動物たち] ・図解ハンドブック . 新学 社,京都. 56 pp. 自然環境研究センター. 2008. ウチダザリカ、ニ. 日本 の外来生物( 自然環境研究センター編) . 平凡社, 東京. pp.212-2 13.

図 3. 雌個体の腹肢に見られた第 l 期若エビ. 集の「滋賀の自然観察シリ ーズ N o.5 滋賀の水生動 物 J (1996) では, タンカイザリカーニをアメリカ原 産の外来種 と明記したうえで 「近年数が激減し ,絶 滅させないための方策が必要な種です」と書かれて おり,改訂のないまま再版されている点と,判断能 力に乏しい低年齢層を対象にした読み物である点に いささか問題がある

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