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全文

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懲戒処分書 (被処分者) 事務所 熊本市大江四丁目1番16号 司法書士 西川正城 昭和39年10月23日生 上記の者に対し、次のとおり処分する。 主文 司法書士法第47条の規定により、被処分者を平成19年3月17日から 業務停止10か月に処する。 理由 第1 処分の事実 1 司法書士西川正城(以下「被処分者」という。)は、平成4年11月2 6日司法書士試験に合格し、平成6年5月23日登録番号熊本第522号をも って司法書士の登録を受け、同日熊本県司法書士会に入会し、現在、肩書地所 在の事務所において司法書士の業務に従事している者であるが、次に掲げると おり、司法書士法、司法書士法施行規則及び熊本県司法書士会会則に違反する 行為を行ったものである。 2 被処分者は、平成○年○月○日、数年前から取引関係にあったA会社の代 表取締役Bから「根抵当権移転の登記をしてほしいので、事務所に来てほしい。」 旨の電話連絡を受け、翌○日午後○時頃にA会社の事務所に赴いた。 3 同日、A会社の事務所では、根抵当権者C会社からA会社への債権譲渡 契約書及び根抵当権移転登記に必要な書面の決済及び関係書類の受領等の手続 が関係人の立会いの下で行われ、この決済後、被処分者は、A会社の代表取締 役Bから債権譲渡契約書の提示を受けるとともに、X市○字○○番の土地(X

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登記所平成○年○月○日受付第○号順位番号乙区○番根抵当権、極度額*千* **万円)外土地○筆、建物○個(以下、これらを合わせて「X市の物件」と いう。)及びY市○町○番の土地(Y登記所昭和○年○月○日受付第○号順位 番号乙区○番根抵当権、極度額*億円)(以下「Y市の物件」という。)の各 物件に係るC会社からA会社への根抵当権移転登記申請の依頼を受け、根抵当 権移転登記に必要な登記申請委任状、登記原因証明情報及び履歴事項全部証明 書(C会社分)の各書面を受領したが、この時、当該登記申請委任状の「受任 者」、「登記権利者」及び「委任の日付」の各部分並びに登記原因証明情報の 「作成日付」の部分は、いずれも空白であった。 そこで、被処分者は、登記申請委任状の「受任者」の空白部分には、被処分 者の住所・氏名の印判を押印し、「登記権利者」及び「委任の日付」の各空白 部分並びに登記原因証明情報の「作成日付」の部分には、被処分者が自ら手書 きで必要事項を記載して完成させた。なお、印判の押印及び手書きの詳細な時 期については不明である。 4 その後、被処分者は、根抵当権移転登記申請の準備を進めていたところ、 根抵当権の極度額(X市の物件金*千***万円、Y市の物件金*億円)が大 きく、登録免許税が高額(金**万円程度)になることをA会社に告げたとこ ろ、根抵当権移転登記の前提として、極度額減額のための根抵当権変更登記を して欲しい旨の依頼を受けた。 なお、当該不動産の所有者(根抵当権の極度額減額の登記権利者)は、A会 社ではなく、D会社であるが、A会社とD会社の実質的なオーナーは同一人で あったことから、根抵当権の減額すべき極度額の具体的な金額は、このオーナ ーの了承を得た上で行うこととなった。 5 そこで、A会社が登録免許税を安く抑えたい意向であると考えた被処分 者は、A会社及びD会社に対し、減額する具体的な金額を確認することなく、 X市の物件について、被処分者の自らの判断により、債権譲渡契約書記載の譲 渡代金***万****円に基づいて、登記の目的「共同根抵当権変更」、原 因「平成○年○月○日変更」、極度額「金***万****円」、登記権利者 「D会社」、登記義務者「C会社」とする委任状及び登記原因証明情報の各書 面を作成した。

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6 ところが、被処分者は、登記義務者C会社に対して、根抵当権の極度額 減額登記に関する一切の確認を行わず、しかも委任状及び登記原因証明情報に ついては、当該登記義務者C会社の印鑑ではなく、被処分者の事務所に所持し ていた「E会社」という登記義務者とは何ら関係もない会社の印鑑を被処分者 自らが委任状及び登記原因証明情報にそれぞれ押印して、これらの書面を完成 させた。 なお、被処分者は、「E会社」がいかなる会社であるか、なぜ同社の印鑑を 自分の事務所に所持していたかは不明であるとしており、現在、その会社の印 鑑は、自分の事務所にはない旨述べている。 7 そして平成○年○月○日、被処分者は、①これらの委任状及び登記原因 証明情報等を添付した共同根抵当権変更、及び②根抵当権移転の各登記申請書 をX登記所に連件申請したが、後日、登記義務者C会社の本店が移転していた ことが判明し、C会社につき、登記名義人表示変更登記が必要となったことか ら、これらの登記申請は、一旦取り下げることとなった。 8 被処分者は、登記義務者C会社に係る登記名義人表示変更登記の委任状 の書面作成に際しても、C会社に対して、登記名義人表示変更登記に関する一 切の確認を行わず、再び、被処分者の事務所に所持していた「E会社」という C会社とは何ら関係もない会社の印鑑を被処分者自らが委任状に押印して完成 させ、X登記所に既に提出済みの前記7①、②の各登記申請書の取下げ及び再 提出を平成○年○月○日に行っている(後記11参照)。 9 被処分者は、Y市の物件についても、X市の物件と同様にA会社が登録 免許税を安く抑えたい意向であると考えたが、A会社及びD会社(当該不動産 の所有者)から減額する具体的な極度額の金額の指示を受けないまま、自らの 判断により、委任状及び登記原因証明情報の各書面を作成した。 ところが、Y市の物件の各書面については、登記権利者D会社の印鑑をもら うことさえもせず、D会社の部分には、被処分者の事務所に所持していた「F 会社」という登記権利者とは何ら関係もない会社の印鑑を被処分者自らが委任 状及び登記原因証明情報にそれぞれ押印して完成させた。また、被処分者は、 X市の物件と同様に、登記義務者C会社に対して、根抵当権の極度額減額登記 に関する一切の確認を行わず、登記義務者の部分には、「E会社」という登記

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義務者とは何ら関係もない会社の印鑑を被処分者自らが再び押印して完成させ た。 なお、「F会社」は、平成○年○月○日に被処分者が申請代理人として解散 及び清算人選任登記を行った会社であり、現在、登記上は清算中の会社である。 このことから、被処分者は、平成○年○月○日以降少なくとも平成○年○月○ 日まで「F会社」の印鑑(登記所届出印)を所持していたことになるが、被処 分者は、現在は、「F会社」の印鑑は所持していない旨述べている。 10 ところで、被処分者は、Y市の物件の委任状及び登記原因証明情報の 各書面を作成する際、なぜか根抵当権の極度額を金***万円と記載し、平成 ○年○月○日、Y登記所に、①根抵当権登記名義人表示変更、②根抵当権変更 及び③根抵当権移転の各登記申請書を連件申請した。これらの登記は、同日受 付第○号、同第○号及び同第○号をもってそれぞれ受け付けられ、根抵当権変 更の登記は、極度額金***万円として完了した。 11 その後平成○年○月○日、被処分者は、X登記所に赴き、平成○年○ 月○日に提出していたX市の物件の登記申請書を一旦取り下げの上、同日、X 登記所に、①根抵当権登記名義人表示変更、②共同根抵当権変更及び③根抵当 権移転の各登記申請書を連件申請した。これらの登記は、同日受付第○号、同 第○号及び同第○号をもってそれぞれ受け付けられ、根抵当権変更の登記は、 極度額金***万****円として完了した。 12 被処分者は、これらY市及びX市の各物件の登記完了後、A会社及び D会社に対し、根抵当権変更の内容(極度額減額の金額)を報告したところ、 A会社及びD会社から、減額すべき極度額の金額は、Y市の物件については金 ****万円とすべきであり、また、X市の物件については、減額の必要はな かったと言われ、すぐに更正登記手続等をするように指示された。 13 そこで、被処分者は、この登記を是正するために、X登記所を訪れ、 根抵当権変更登記の更正登記又は抹消登記ができないか登記官に相談したもの の、このとき当該不動産には複数の差押登記がなされていたため、利害関係人 の承諾書の添付がなければ、本件更正登記等をすることはできなかった。 14 被処分者は、被処分者が申請代理人として行ったこれらの登記の内、 X市の物件については、債権譲渡の金額である金***万****円で登記し

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ており相当と考えているが、Y市の物件については、少なくとも債権譲渡の金 額である金***万****円にすべきであり、極度額***万円としたのは 何の根拠もない金額であり、この点については非を認めている。 15 ところで、平成○年○月○日、被処分者は、Y市の物件について、「D 会社」から「G会社」(A会社とD会社の実質的なオーナーが社長を務める会 社)への所有権移転登記を受託の上提出し、この登記は、同日受付第○号をも って完了しているが、この所有権移転登記申請書に添付された委任状及び登記 原因証明情報についても、いずれも被処分者が書面を作成したものである。こ の内、登記原因証明情報の登記権利者及び登記義務者の各印鑑は、被処分者の 事務所に所持していた「F」及び「E」という申請当事者とは何ら関係もない 会社の印鑑を被処分者自らがそれぞれ押印し、完成させたものである。 16 被処分者は、前記15のY市の物件に係る所有権移転登記については、 事件簿への登載を行っていない。 第2 処分の理由 以上の各事実は、当局の調査及び被処分者の供述から明らかである。 被処分者の行為は、自ら当事者の登記申請意思の確認を行い、その真実性の 確保に努められなければならないとう、司法書士が登記申請の受託に際して当 然に行うべき注意義務を怠っていることは明らかであり、また、司法書士とし て当然遵守しなければならない登記事項の内容確認、すなわち根抵当権の減額 すべき極度額の具体的な金額を申請当事者に意思確認をすることなく、自己の 思い込みによる金額により登記申請書類等を作成するとともに、委任状及び登 記原因証明情報の印鑑の一部については、申請当事者とは何ら関係もない会社 の印鑑を、あたかも当事者の印鑑であるかのように装って自ら押印して各書面 を作成し、更には、数年前に受託した有限会社の解散及び清算人選任登記で使 用した印鑑(登記所届出印)を、その登記完了後も数年にわたって所持してい た等の行為は、司法書士の社会的信用を失墜させる行為であるのみならず、国 民の登記制度及び司法書士制度に対する信頼をも著しく損なわせるものであ る。

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以上のとおり、被処分者の各行為は、司法書士法第2条(職責)、同第23 条(会則の遵守義務)及び司法書士法施行規則第30条(事件簿)並びに熊本 県司法書士会会則第81条(品位の保持等)、同第90条(書類の作成)、同 93条(事件簿)及び同第100条(会則等の遵守義務)の規定にそれぞれ違 反するものであって、これらの行為に対しては、厳しい処分を行わざるを得な い。 そこで、被処分者に対し、平成○年○月○日付け総秘第○号により、司法書 士法第47条に基づいて「業務の停止」の懲戒処分を行う予定である旨を通知 し、同法第49条第3項の規定により、本年○月○日、当局において聴聞を実 施した結果、前記第1の処分事実と異なる事実は認められなかった。 なお、聴聞において、被処分者から、被処分者とA、D及びGとの間におい て、被処分者が解決金を支払う旨等の合意が平成○年○月○日成立したとする 文書が提出された。 よって上記の事実等を総合的に判断し、司法書士法第47条の規定により主 文のとおり処分する。 なお、この処分に不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌 日から起算して60日以内に福岡法務局長に対し審査請求をすることができ る。 おって、この処分につき取消しの訴えを提起する場合には、この処分があっ たことを知った日の翌日から起算してから6月以内に、国を被告として(訴訟 において国を代表する者は法務大臣となる。)、提起しなければならない(処 分があったことを知った日から6月以内であっても、処分の日から1年を経過 すると取消しの訴えを提起することができなくなる。)。ただし、処分があっ たことを知った日の翌日から起算して60日以内に審査請求をした場合には、 処分の取消しの訴えは、その審査請求に対する裁決の送達を受けた日から6月 以内(送達を受けた日の翌日から起算する。)に提起しなければならない。裁 決の日から1年を経過すると処分の取消しの訴えはできない。 平成19年3月16日 熊本地方法務局長

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