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使用済み燃料の処理 処分の観点からの核燃料サイクルにおける高速炉の意義と 高速炉使用済み燃料再処理の 技術動向と課題 資料 2 鈴木達也 長岡技術科学大学 1

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(1)

使用済み燃料の処理・処分の観点からの

核燃料サイクルにおける高速炉の意義と

高速炉使用済み燃料再処理の

技術動向と課題

鈴木達也

長岡技術科学大学

1 資料2

(2)

発表の概要

・核燃料サイクルにおける高速炉の意義 ・軽水炉使用済み燃料、高速炉使用済みMOX燃料の特性比較 と高速炉MOX燃料の課題 ・MOX燃料再処理の現状 ・我が国における高速炉MOX燃料再処理技術開発の現状 ・高速炉燃料再処理の人材育成と技術伝承の課題 2

(3)

再処理の目的

①ウラン及びプルトニウムを核燃料として再利用するため回収。 ②上記の核燃料から核分裂生成物(FP)を除去し、 発生した高レベル廃液を長期貯蔵に適した安定な形態に変換。 更なる廃棄物処理・処分問題の高まり MAリサイクル、群分離、分離・変換、有用元素利用。 → 新たな目的! 再処理の高度化!

近年期待される再処理の役割

3

核燃料サイクルにおける高速炉の意義

(4)

4

核燃料に使うウランとプルトニウムの流れ

天然ウラン Pu : 5~20% U-235 : 0.7% U-238 : 99.3% ウラン濃縮 濃縮ウラン U-235 : 3~5% U-238 : balance 劣化ウラン U-235 : 0.2% U-238 : 99.8% 原子炉(軽水炉) LWR 使用済燃料 回収ウラン (減損ウラン) U-235 : 1~2% U-238 : balance 再濃縮 re-enrichment MOX燃料 MOX fuel U-235 : 1~2% U-238 : balance 再処理 Reprocessing 高速炉 Fast Reactor ブラケット blanket 再処理 Reprocessing Natural Uranium Enriched Uranium Depleted Uranium Uranium enrichment

(5)

5 U Pu MA FP

使用済燃料の組成

Minor Actinides U-235 8.6 7.0×108 y U-236 6.4 2.3×107 y U-238 972 4.5×109 y kg/MTU T1/2 Pu-238 0.32 87.7 y Pu-239 6.12 2.4×104 y Pu-240 2.80 6564 y Pu-241 1.38 14.4 y Pu-242 0.81 3.8×105 y kg/MTU T1/2 Np-237 816 2.1×106 y Am-241 431 432 y Am-242m 1.2 144 y Am-243 190 7370 y Cm-243 0.78 28.5 y Cm-244 61.9 18.1 y Cm-245 3.50 8265 y Cm-246 0.52 4655 y g/MTU T1/2 PWR 濃縮度 4.5% 燃焼度50GWd/t 5年冷却 使用済み燃料の大半を ウランが占める。 ウランとPuを回収すると 廃棄物量は大幅に低減する。 また、ウランには天然にはない U-236が含まれる。 核分裂生成物

アクチノイド(U, Np, Pu, Am, Cm)

(6)

Total Minor Actinides "Uranium Ore" Fission Products Uranium Natural Uranium Plutonium

M. Salvatores, G. Palmiotti, Prog. Particle & Nucl. Phys. 66(2011)144.

使用済み燃料の潜在的有害度

6 使用済み燃料の 潜在的有害度はPuが占める。 PuとMAを回収すると 有害度は大幅に低減する。

(7)

M. Salvatores, G. Palmiotti, Prog. Particle & Nucl. Phys. 66(2011)144. 中性子吸収反応における核分裂反応の比率 PWRとSFRの比較 7 高速炉を導入することで アクチノイドの多くを 核分裂性の物質として 利用できるようになる。

(8)

使用済み燃料の処理・処分の観点からの核燃料サイクルに

おける高速炉の意義のまとめ

・核燃料サイクルは、資源の有効利用のみならず、

廃棄物の減容の観点からも重要である。

・高速炉を加えることによって、

アクチノイドの有効利用が可能となり、

更なる廃棄物の減容化や有害度低減が可能となる。

8

(9)

9

使用済み燃料の比較

計算の前提条件 再処理ハンドブック第2版 JAEA-Review 2008-037による。

軽水炉(LWR)と高速炉(FR)の使用済み燃料の組成を ORIGEN 2コードで計算。

(10)

10 使用済み燃料中の アクチノイド核種の 重量組成 0.0E+00 2.0E+04 4.0E+04 6.0E+04 8.0E+04 1.0E+05 1.2E+05 1.4E+05 1.6E+05 1.8E+05 2.0E+05

LWR-45G LWR-60G LWR-MOX FR-MOX FR-MA

取出後5年冷却 重量 / g t-H M -1 240Pu 239Pu 242Pu 241Pu 238Pu U, Np 244Cm 243Am 241Am 235U 236U 237Np 注) 238Uを除く 使用済み燃料中の アクチノイドの量と組成は、 装荷燃料に大きく依存する。 高速炉燃料は、 Pu富化度が高いので PuやMA含有量が多くなる。 高燃焼度化により、 アクチノイド量は減少する。

(11)

使用済み燃料中のプルトニウム同位体重量組成 11 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

LWR-45G LWR-60G LWR-MOX FR-MOX FR-MA

取出後5年冷却 Pu 重量割合 / -238Pu 239Pu 240Pu 241Pu 242Pu 0.575 0.022 0.226 0.120 0.057 0.505 0.036 0.244 0.126 0.089 0.364 0.040 0.318 0.151 0.127 0.580 0.022 0.275 0.052 0.071 0.584 0.014 0.327 0.0370.038 軽水炉では、高燃焼度化および MOX使用により核分裂性Puの割合が減少する。

(12)

12 使用済み燃料中のマイナーアクチノイドの重量組成 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000

LWR-45G LWR-60G LWR-MOX FR-MOX FR-MA

取出後5年冷却 N p , A m , C m 重量 / g t-H M -1 246Cm 245Cm 243Am 241Am 237Np 242mAm 244Cm 高燃焼度、MOX燃料使用により高次化が進む(MA量は増加する)。

(13)

13 使用済み燃料中の 核分裂生成物の 重量組成 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000

LWR-45G LWR-60G LWR-MOX FR-MOX FR-MA

取出後  5年冷却 重量 / g ・t -H M -1 その他 Gd Eu Sm Nd Pr Ce La Ba Cs Xe I Te Cd Ag Pd Rh Ru Tc Mo Zr Y Sr Rb Kr Se FPの総量は、 燃焼度に依存する。 MOX燃料を用いると 白金族元素の割合が 増加する。 白 金 族 元 素 Pd Rh Ru

(14)

14 使用済み燃料中の 放射能組成 0.0E+00 1.0E+16 2.0E+16 3.0E+16 4.0E+16 5.0E+16 6.0E+16 7.0E+16 8.0E+16 9.0E+16

LWR-45G LWR-60G LWR-MOX FR-MOX FR-MA

取出後5年冷却 放射能 / B q t-H M -1 90Sr 85Kr 90Y 106Ru 106Rh 134Cs 137Cs 137mBa 147Pm 144Pr 144Ce 155Eu 154Eu 151Sm 241Pu 244Cm 241Am 238Pu 240Pu 239Pu FPによる放射能は Sr-90 (Y-90は短半減期娘核種) と Cs-137 (Ba-137mは短半減期娘核種) の影響が大きい。 MOX燃料はアクチノイド、 特にPu-241の影響が 大きくなる。

(15)

15 使用済み燃料の発熱とその推移 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50

LWR-45G LWR-60G LWR-MOX FR-MOX FR-MA

取出後冷却期間 / 年 発熱量 / W t-H M -1 核分裂生成物 アクチノイド MOX燃料を用いるとアクチノイドの影響が 大きく増加する。 アクチノイドは冷却期間による減衰が少ない。

(16)

16 核分裂生成物の発熱とその推移 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 11,000 12,000 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50

LWR-45G LWR-60G LWR-MOX FR-MOX FR-MA

取出後冷却期間 / 年 発熱量 / W t-H M -1 144 Pr 144 Ce 137m Ba 137 Cs 125 Sb 等 106 Rh 90 Y 90 Sr 134 Cs 137m Ba 137 Cs 154 Eu 147 Pm FPの発熱は冷却期間をおくことにより、 減衰する。 Cs-137(Ba-137m)、Sr-90(Y-90)が熱源。

(17)

17 アクチノイド核種の発熱とその推移 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50 2 5 10 20 50

LWR-45G LWR-60G LWR-MOX FR-MOX FR-MA

取出後冷却期間 / 年 発熱量 / W t-H M -1 244Cm 241Am 242Cm 238Pu 239Pu 240Pu MOX燃料では、Pu-238、Am, Cmからの 発熱の影響が大きい。

(18)

18

高速炉使用済みMOX燃料再処理の課題

燃焼度が高くなると、発生する核分裂生成物、MAの量が増える。 → 発生する放射線や熱量が増加する。 白金族元素、Mo, Zr等の増加により、 不溶解残渣が生成しやすくなる。 ・燃焼度 ・MOX燃料 Puの含有率が増えるとMAの発生量が増える。 高速炉使用済み燃料の特徴は、 Pu含有率の高いMOX燃料の使用と高燃焼度である。 ・放射線による溶媒劣化対策。 ・不溶解残渣除去のための清澄工程の高度化・効率化 ・線量や熱量の増加によるプロセス負荷等の対策。 ・Pu含有量の増加や同位体組成の影響による臨界管理の強化、 溶解性能の維持、および核拡散抵抗性の強化。

(19)

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MOX燃料再処理の現状

使用済みMOX燃料の再処理は、フランス、ドイツ、日本、ロシ ア及びイギリスにてプラント規模で試験的に行われた実績は あるが、MOX燃料単独で大量処理された実績はない。 • フランスでは、段階的に処理量や燃焼度を増加させた MOX燃料再処理実績を積み重ね、その経験を多目的前 処理施設TCPにつなげている。ただし、燃焼度は高々 50GWd/t程度でウランによる希釈や処理量を制限しつつ 運転を行っている。 • ロシアでは、比較的高燃焼度の70~80GWd/t 使用済み 高速炉MOX燃料を再処理しているが、13~20年程度冷 却期間をおくと共に抽出剤濃度を下げてPuの濃度調整を 行っている。

(20)

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MOX燃料再処理の現状(つづき)

これまでの軽水炉MOX燃料の再処理では、ウラン燃料との希釈処 理や処理量を制限して実施しており、その範囲の運転処置において、 プロセスや安全上の大きな問題は報告されていないが、商業プラン トを考えると、軽水炉MOX燃料単独で大量処理を行うことが望ましく、 その場合は、放射線、熱、残渣発生量の増大、臨界管理等の面で 開発すべき課題を有する。 軽水炉高燃焼度MOXや高速炉MOX燃料の再処理を見据え、再処 理後の高レベル放射性廃液に含まれるMAや白金族元素が増加に よる、ガラス固化体の地層処分負担を軽減するためのMA分離技術 の開発や、ガラス固化プロセスの高度化が必要とされ、多くの国で 研究開発が行われている。 一部の国では高速炉MOX燃料再処理に向けた施設計画が進めら れているものの、現状では軽水炉使用済MOX燃料の継続的な再処 理計画は見られない。

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我が国における高速炉MOX燃料再処理技術開発の現状

集合体解体・せん断 燃料溶解 高速炉燃料集合体(PHENIX) 高速炉燃料は、燃料棒にワイヤを 螺旋状に巻いてラッパ管の中に 束ねられている。 燃料棒 ワイヤースペーサ ラッパ管 ラッパ管の取り外し技術の開発等を実施。 臨界管理上有効で且つ燃料 の溶解性能を維持出来る 装置の開発。 回転ドラム型連続溶解槽 上記溶解槽によるウラン試験を実施。 ビーカースケールで常陽照射済燃料を 用いたピン単位の溶解試験を実施済み。

(22)

22 抽出工程 MA分離 清澄工程 高燃焼度化によって、より 多く発生する不溶解残渣を 取り除くため、遠心清澄器 やフィルターの高度化を実 施している。 遠心清澄器 遠心抽出器 ・溶媒と核種の接触時間を最小 にし、溶媒の放射線劣化を 抑える遠心抽出器の開発。 ・核拡散抵抗性を高めるための U/Np/Puの同時抽出法の開発。 ・更なる効率化や2次廃棄物を おさえるための新規抽出剤の 開発。 ・その他 放射性廃棄物低減の観点から、 高レベル放射性廃液からのMAの分離、 AmとCmの相互分離などの 開発が行われている。 研究開発内容 ・新規抽出剤の開発。 ・分離手法の開発。 (抽出クロマトグラフィ等) 等 N N N O O O ヘキサオクチルニトリロ 三酢酸トリアミド(HONTA)

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高速炉燃料再処理の人材育成と技術伝承の課題

23 ・大学に於ける核燃料使用施設の減少。 特に + 核燃料とMAを含むRIが同時に使用できる施設は極少数。 + Puをマクロ量で使える大学関連の施設は皆無。 → 個別の大学で上記施設を運営することは困難になりつつある。 大学共同利用施設の設置が必要。 ・大学、研究機関(原子力機構)、メーカーの連携強化。 + 3者の役割分担、共同研究、相互利用、研究者の交流。 ・東海再処理工場で培われた技術の伝承。 (原子力機構と民間との協力強化) ・六ヶ所再処理工場の稼動と商業規模での再処理に係わるデータ蓄積。

(24)

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まとめ

・核燃料サイクルに高速炉を導入することにより、 廃棄物の更なる減容化が可能となる。 ・高速炉MOX燃料再処理では、不溶解残渣、放射線量、熱量の 増加による再処理工程プロセスへの負荷が問題になり、 また、Pu量の増加による臨界管理の強化も重要な課題となる。 ・MOX燃料再処理(軽水炉、高速炉共に)は、 各国でプラントレベルの試験は行っているものの、 商業レベルでの運営は行われておらず、更なる開発が必要である。 ・高速炉MOX燃料再処理に向けて、 MA分離を含むアクチノイド抽出・核種分離、再処理用機器開発等が 行われており、これらの技術開発では人材育成と技術伝承が重要、 且つ課題である。 商業用レベルでの使用済MOXの再処理の方策や利用方法等については、 六ヶ所再処理工場の稼働状況や技術的課題等も踏まえつつ、 引き続き検討および研究・開発を継続していくことが重要である。

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