世界の大規模統合
CCS
プロジェクトの動向
“GLOBAL STATUS OF LARGE-SCALE INTEGRATED CCS PROJECTS: December 2011 update” has been translated from English into Japanese for convenience. The Global CCS Institute does not warrant the accuracy, authenticity or completeness of any content translated in the Japanese version of the Report. 「世界の大規模統合 CCS プロジェクトの動向:2011 年 12 月更新版」は、利用者の便宜のために “GLOBAL STATUS OF LARGE-SCALE INTEGRATED CCS PROJECTS: December 2011 update”を英語から日本 語に翻訳したものです。グローバル CCS インスティテュートは日本語版のいかなる内容について もその正確性、信頼性又は完全性について保証しません。
序文
序文
序文
序文及び
及び
及び目的
及び
目的
目的
目的
グローバル CCS インスティテュートは、世界各地の当インスティテュートの代理人(representatives)から得 られる報告や最新情報を定期的に確認することにより、世界の大規模統合 CO2回収貯留(CCS: CarbonCapture and Storage)プロジェクト(LSIP: Large-Scale Integrated Project1)の動向について追跡調査を行って いる。LSIP に関する一連の公開データは当インスティテュートが管理しており、プロジェクトの状況及びプロ ジェクトの詳細の変更を反映するため、週 1 回更新されている。さらに、当インスティテュートは、現在、 2012年の LSIP 年次調査の準備をしている。一連の公開データはこちらから入手可能である。また、CCS プロジェクトの地図はこちらから閲覧できる。 本報告書は、LSIP の現状をまとめ、2011 年 10 月に当インスティテュートが公表した報告書「世界の CCS の動向:2011 年(Global Status of CCS: 2011)」の結果との比較を示すことを目的とする。
最新のプロジェクト開発に関する概要
最新のプロジェクト開発に関する概要
最新のプロジェクト開発に関する概要
最新のプロジェクト開発に関する概要
グローバル CCS インスティテュートは、全世界で 74 件の LSIP を特定した。このうち 15 件は、現在操業又 は建設段階にあり、確認済み CO2回収能力は合計で年間 3,540 万トン (35.4Mtpa)である。さらに、59 件 の LSIP が開発の計画段階にあり、122Mtpa を超える潜在的回収能力をもつ。 「世界の CCS の動向:2011 年」の公表以降、LSIP の総数に変化はないが、2011 年度の第四四半期に 当インスティテュートの LSIP リストに大幅な変更が加えられた。比較的進展していた二件の欧州のプロ ジェクトの中止が決定的となり、一方で、二件の新規プロジェクトが中国と米国で特定された。 また、「世界の CCS の動向:2011 年」に記載されていなかった一件の LSIP は、建設が開始された。こ のプロジェクトは、2010 年以降に建設が開始された四番目のプロジェクトである。2011 年の終盤において、 操業又は建設段階の LSIP の確認済み CO2回収能力は 2010 年時点と比較して 7.6Mtpa 増加しており、 わずか一年間で確認済み CO2回収能力が 25%増加したことは注目に値し、記念すべき事実である。欧州でのプロジェクト中止について
欧州でのプロジェクト中止について
欧州でのプロジェクト中止について
欧州でのプロジェクト中止について
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一般市民による支持の重要性
一般市民による支持の重要性
一般市民による支持の重要性
一般市民による支持の重要性
Longannetプロジェクトプロジェクト(スコットランド)の建設費用を助成しないという英国政府の決定を受けて、プロジェクトプロジェクト 2011年 10 月に Longannet プロジェクトの中止が発表された。基本設計(FEED: Front End Engineering Design)調査の結果は英国エネルギー・気候変動省(Department of Energy and Climate Change)のウェブサイトに公開された。
また、Vattenfall Jänschwalde プロジェクト(ドイツ)も、ドイツ国内における CCS をめぐる規制問題、特に CO2の恒久的地層隔離に関わる問題の解決に進展が見られないため、2011 年 12 月に中止された。
これらの決定はいずれも想定外ではなかったが、これらのプロジェクトの中止は欧州における CCS の技術展開を後退させた。また、これらの中止にはいくつかの共通点がある。
・ Longannet プロジェクト及び Vattenfall Jänschwalde プロジェクトはいずれも、開発の後期段階にある 先駆的な発電プロジェクトであり、これまで多くの技術的障害を克服してきた。
・ 両プロジェクトは、開発の後期段階に到達するまでに相当額の公的資金援助を受けていた。 (Longannetプロジェクトは、第一回英国 CCS 実証のためのコンペ(UK CCS Demonstration competition)において英国エネルギー・気候変動省によって選ばれた二件のプロジェクトのうちの 一つで、4,500 万英ポンドが授与された。一方、Vattenfall Jänschwalde プロジェクトは、「回復のた めの欧州エネルギープログラム」(European Energy Programme for Recovery)の一環として欧州委 員会から 1 億 8,000 万ユーロの援助を受けた。)
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LSIPは、石炭火力発電所については年間 800,000 トン以上又は(天然ガス火力発電所などの)その他の排出量が多い産業
・ 両プロジェクトは、CO2排出量の多い大型発電所の更新を計画していたもので、従来型の石炭火 力発電所への低排出技術の適用可能性の実証中であった。 ・ それぞれのプロジェクトからは多くの教訓を学ぶことができる。英国エネルギー・気候変動省は、 Longannetプロジェクトの FEED 調査の結果を既に公開している。 また、明らかな相違点もある。Longannet プロジェクトでは、資金的問題がプロジェクト中止の原因となっ た。一方、Vattenfall Jänschwalde プロジェクトは、選定した貯留サイトが地元自治体から反対され、さらに、 政策に基づく明確な規制枠組みが欠如していたため事態が悪化した。 英国政府が CCS プロジェクトに対する支援を講じ続けるという姿勢に変わりはない。英国エネルギ ー・気候変動省によると、同省は「Longannet プロジェクトの中止」を決断したが、代わりに Longannet プ ロジェクトに割り当てられた 10 億英ポンドを他の CCS 実証プロジェクトに充てることを決定した。CCS が 「英国の長期エネルギー計画に必要な主要技術」であることを再確認する一方で、可能な限り「最も効率 的な方法」で必要な資金を投入すれば、「10 億ポンドでこの極めて重要な新技術を英国で十分実証できる」 とエネルギー・気候変動省の Chris Huhne 大臣は述べている。 現在、ドイツには LSIP は存在しない。企業は、ドイツ内での新たな CCS プロジェクトへの投資の前に、政 策及び規制環境の好転を求めていくと考えられる。しかし、多くのドイツ企業は、様々な役割で CCS プロジ ェクトの開発に関与しており、特にオランダでの LSIP に対する投資を本格的に検討している企業もある。現 在の事例として、E.ON 社が Rotterdam Opslag en Afvang Demonstratieproject (ROAD)プロジェクトに、 LindeGas社が Pegasus Rotterdam プロジェクトにそれぞれ投資を検討している。
EOR
の発展と拡大
の発展と拡大
の発展と拡大
の発展と拡大
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米国で推進されるプロジェクト
米国で推進されるプロジェクト
米国で推進されるプロジェクト
米国で推進されるプロジェクト
Air Products社の水蒸気メタン改質 EOR プロジェクトは、2011 年 8 月に建設を開始したことによって、
プロジェクトライフサイクルの実施段階に移行した。Air Products 社の発表によると、新設の水素発電所 は早ければ 2012 年に操業が開始され、石油増進回収(EOR: Enhanced Oil Recovery)事業者に約 1Mtpa の CO2を提供可能である。
NRG Energy社の Parish 発電所における当初の CO2回収計画が最近拡張されたため、このプロジェクト
は現在、当インスティテュートの LSIP リストに追加される条件を満たしている。CO2回収処理される排ガ
ス量が 60Mwe 相当から 240Mwe 相当へ拡張され、発電所で回収される CO2量は 375,000tpa から
1.5Mtpaに増加した。NRG Energy 社がこのプロジェクトの規模を拡大したのは、大量の CO2を使用する EOR市場の需要に対応するためである。比較的進展しているこのプロジェクトは精査段階にあり、FEED 調 査が間もなく終了し、許認可手続が現在行われている。最終投資判断(FID)は、2012 年末までに行われ る見込みである。また、本プロジェクトにおいては、2015 年前半に回収された CO2の EOR への利用が開 始される予定である。 両プロジェクトは共に、成熟して将来を見越せる EOR 市場が主要な決定要因となっている米国の CCS 市場の動向(特に、Air Products 社と NRG Energy 社の両プロジェクトが位置するテキサス州ではこれが顕 著である。)を表している。
Air Products社のプロジェクトは、Boundary Dam統合 CO2回収隔離実証プロジェクト、Lost Cabinガス施 設、ADM 社のイリノイ州産業向け CO2回収隔離(ICCS: Illinois Industrial Carbon Capture and
Sequestration)プロジェクトに続く、2010 年以降に建設が開始された 4 番目の LSIP である。これらすべ ての新たに確認されたプロジェクトは北米で実施されている。また、ADM 社の ICCS プロジェクト以外のプ ロジェクトは EOR 事業にもリンクしている。 世界全体の大規模 CCS プロジェクトによる確認済み CO2回収能力のうち、80%以上を北米が占めており、 米国内だけで約 68%を占めている。開発中の LSIP の潜在的 CO2回収能力は、北米が 50%以上、米国内 だけで 44%を占めるため、北米の CO2回収能力の割合が高い状態は中期的に続くと考えられる。
中国で新たに特定された
中国で新たに特定された
中国で新たに特定された
中国で新たに特定された
LSIP
Datang Daqing酸素燃焼 CCS 実証プロジェクトが、2011 年 12 月に当インスティテュートの LSIP リス
トに追加された。
Datang Heilongjiang Power Generation社(China Datang 社の子会社)は、黒竜江省大慶市近郊に新 設の超臨界石炭火力発電所を計画中である。この発電所の 350MWe 級の熱電併給ユニット 2 機のう ちの 1 機から、酸素燃焼によって約 1Mtpa の CO2が回収される予定である。CO2貯留の選択肢には、 深部塩水層への貯留及び近郊油田での EOR への CO2の利用がある。 Datang社及び Alstom 社は、酸素燃焼ユニットの開発に向けたフィージビリティスタディに関する協定 を 2011 年 11 月に締結した。このプロジェクトは 2015 年に操業開始予定である。
その他
その他
その他
その他
SCS Energy社は、2011 年 9 月に米国のHydrogen Energy California (HECA)プロジェクトの買収を決定し
た。HECA プロジェクトの要素はほとんど変更されていない中で、当初の計画からの主な変更点は、肥料生 産が追加されたことである。この新しいポリジェネレーション(電力、水素、合成ガス、液体燃料などの 併産)システムは、石炭ガス化複合発電(IGCC: Integrated Gasification Combined Cycle)で生成された水素を 使用してピーク時には発電し、それ以外の時間帯には肥料を生産することを可能にする。操業開始予定 時期は 1 年遅れの 2017 年となったが、この IGCC プラントから回収される CO2量は、約 2Mtpa から 2.3Mtpa以上へ微増となった。 2014年に操業が開始されるSleipner CO2圧入プロジェクトにおける CO2の回収及び圧入量は、1Mtpa から 1.1~1.2Mtpa に拡大される予定である2 。現在開発中の Gudrun ガス田から生産される天然ガスは、 余剰 CO2を除去するために既存の Sleipner T プラットフォームへ送出される予定である。Sleipner West 地
域の未処理の天然ガスには通常約 9%の CO2が含まれており、天然ガス中の CO2濃度レベルは輸出仕様
や顧客仕様を満たすため Sleipner T プラットフォームで 2.5%に削減される。その後、回収された CO2は貯
留層上部の深部塩水層に再圧入される。
2011年 10 月、Texasクリーンエネルギープロジェクトに配分された資金についての決定記録(ROD:
Record of Decision)が米国エネルギー省(Department of Energy)から発行された。この ROD は、国家環境 政策法(NEPA: National Environmental Policy Act)の許認可手続きにおける最終段階に相当し、これにより、 事前にプロジェクトに割り当てられた公的資金を工学調査や設計調査以外にも投入することができる。こ れは、プロジェクトが最終投資判断を行う直前であることを意味しており、2012 年初めにはプロジェクトの建 設が行われる見込みである。
2011年 12 月 5 日に、スペインの Fundación Ciudad de la Energía (CIUDEN)社は、30MWth の循環流動 層(CFB)ボイラーを用いた酸素燃焼試験に初めて成功したと発表した。これは、酸素燃焼技術の商業規模 での利用を進展させる上で画期的な出来事であり、CIUDEN 社の大規模なOXYCFB 300 Compostillaプロジ ェクトにとって非常に大きな進展である。CIUDEN 社の酸素燃焼試験に関するプレスリリースはこちらで公開 されている。 2 12 月の掲載では 1.7Mtpa まで拡大されるとしていたが、その後、当インスティテュートは、1.1~1.2Mtpa に訂正する よう指示された。
添付
添付
添付
添付
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2011
年のプロジェクトの進捗概要―確認済み回収能力は
25%
増
現在操業又は建設段階にある LSIP は 15 件あり、CO2回収能力の総計は 35.4Mtpa である。これは、スロバキア共和国やノルウェーの現在の年間 CO2排出量
にほぼ等しい。この確認済み CO2回収能力は、グローバル CCS インスティテュートの 2010 年調査以来、7Mtpa 以上増加しており、わずか 1 年の間に 25%増加し
ている。
一方、2011 年に中止されたプロジェクトにより、開発中のプロジェクトに関する潜在的 CO2回収能力は約 25Mtpa 減少した。精査(Define)段階にあった 5 件のプ
ロジェクト(CO2量 10Mtpa)が中止され、評価(Evaluate)段階にあった 4 件の小規模プロジェクト(CO2量 6Mtpa)及び特定(Identify)段階にあった 3 件の大規模プロジ