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(1)

平成

27

年度

学士学位論文

シソーラスを用いたノウハウ検索タグの

自動付与に関する研究

The automatic extract

of know-how search tag using a thesaurus

1160374

横山 拓磨

指導教員

清水 明宏

2016

2

26

(2)

要 旨

シソーラスを用いたノウハウ検索タグの

自動付与に関する研究

横山 拓磨

近年,多くの組織でIT技術を用いた情報共有システムが運用し,生産性の向上を図る事 例が増加している.特に,個人の持つ経験則よノウハウといった暗黙知と第三者が理解可能 な構造化された情報である形式とのスパイラル型の変換関係を構築することにより組織の成 長に繋がると期待されている.しかし,共有システムを長期運用した場合や,多数の人間で 利用した場合などに,共有システムに登録されているコンテンツが増加し,検索や情報推薦 効率が低下してしまう. そこで本研究では,検索タグを用いて効率的に検索を行う検索システムを開発した.入 力された情報の内容を解析し,検索タグの使用率を求めることにより,検索効率の向上を図 る.また,提案したシステムの検索精度を評価した. キーワード ノウハウ,情報共有,シソーラス

(3)

Abstract

The automatic extract

of know-how search tag using a thesaurus

In recent years, a number of organizational information sharing system using the IT technology operating in, case to improve the productivity has increased. In particular, are expected to lead to the growth of the organization by building a spiral type conver-sion relationship of the form rule of thumb by tacit knowledge and a third party, such as know-how is the information that has been structured as possible understanding with the individual . However, and when the long-term operation of the shared system, such as when utilized in a number of human, increases the contents registered in the shared system, a search and information recommendation efficiency decreases.In this study, we have developed a search system for performing efficient searches using search tags. It analyzes the contents of the input information, by determining the utilization of search tags, to improve the search efficiency. In addition, to evaluate the search accuracy of the proposed system.

(4)

目次

1章 はじめに 1 1.1 背景と目的 . . . 1 1.2 本論文の概要 . . . 2 第2章 組織における情報共有と知識創造プロセス 3 2.1 組織における情報共有 . . . 3 2.2 知識創造プロセス . . . 4 第3章 既存方式 6 3.1 当研究室で運用されている情報共有システム . . . 6 3.2 検索タグを用いた情報を整理する方式 . . . 7 3.2.1 検索タグとは . . . 8 3.2.2 形態素解析. . . 8 3.2.3 tf-idf法 . . . 8 3.2.4 問題点 . . . 9 第4章 提案方式 11 4.1 提案方式の概要 . . . 11 4.1.1 提案方式の構成 . . . 11 4.1.2 形態素解析. . . 12 4.1.3 tf-idf法 . . . 12 4.1.4 シソーラス. . . 12 4.1.5 検索タグ需要率の算出 . . . 13 4.1.6 データベースへ登録 . . . 13 4.1.7 実験環境 . . . 13

(5)

目次 第5章 評価 15 5.1 実験. . . 15 5.2 評価. . . 15 第6章 おわりに 17 謝辞 18 参考文献 19

(6)

図目次

2.1 SECIモデル . . . 4

3.1 中島方式 . . . 7

(7)

表目次

4.1 実験環境 . . . 14

5.1 再現率 . . . 16 5.2 適合率 . . . 16

(8)

1

はじめに

本章では,本研究における社会的な背景と目的について述べ,本研究の概要について述 べる

1.1

背景と目的

組織の活動において,個人が所持している主観的な経験から得られた知識や物事に対する 客観的な情報を組織全体で共有することにより,生産性の向上や管理コストの削減などを図 ることはナレッジマネジメントの有用な手段である.近年では,IT技術を用いた情報共有 システムが普及している.また,IT 関連企業以外の職種においても導入される事例が増え てきている.情報共有する情報は,組織が蓄積してきた業務資料などのことを差す形式知 と,個人の持つ経験や知識といった暗黙知の2種類があり,特に暗黙知の共有は組織全体の 成長に繋がるものとして期待されている[1]. しかし,情報共有システムを用いた暗黙知の共有において,利用者の自由な情報入力によ り検索効率の低下が問題となっている.入力する情報に,同類語や同義語が存在した場合, 似た情報でもキーワードやタグが分散してしまい,システムの利用者が効率的に情報収集を 行えなくなる. そこで,本研究では,組織の生産性の向上と管理コストの削減を目的とし,暗黙知共有に おける検索効率の低下を軽減する手法について検討を行う.

(9)

1.2 本論文の概要

1.2

本論文の概要

本論文では,情報共有システムにおける暗黙知共有の検索手法について検討する.第2章 では,組織における情報共有について記し,知識創造プロセスについて述べる.第 3章で は,運用されている既存のシステムについて説明し,問題点について述べる.第4章では, 提案システムについて全体構成と入力情報の解析手法について述べる.第5章では,提案シ ステムを評価し,評価結果からの考察を述べる.本論文のまとめと今後の課題を述べる.

(10)

2

組織における情報共有と知識創造プ

ロセス

本章では,まず組織における情報共有について述べる.そして,新たな知識創造を行うプ ロセスについて説明する.

2.1

組織における情報共有

個人の持つ経験からくる知識や物事に対する客観的な情報は組織の生産性の向上を図る上 で重要である.古くから組織において様々な方法で情報共有は行われている.業務中で同じ 作業を行うチーム内で,直接的なコミュニケーションを通してノウハウを教えあう手法や, 業務マニュアルなどを用いた間接的なコミュニケーションによって情報共有を行う手法があ る.また,近年では情報共有をIT技術によってシステム化することにより効率的な情報共 有が行われている.中小企業庁による情報技術の活用の調査によれば,従業員規模300人 以上の企業において,社内の情報共有を目的としたシステムの導入率が,2012年の時点で 85.7%をしめる[2].また,2014年にキーマンズネットが行った「ITによる情報共有の取り 組み状況」に関するアンケートのITツールを用いたことによるメリットを調査したところ, 有効件数433件のうち,51.3%の企業で「業務知識やノウハウの共有や活用がしやすくなっ た」と答えている.しかし,同調査においてITツールを用いたことによるデメリットを調 査したところ,38.2%の企業で「情報量が多すぎて必要な情報にたどり着くまでに時間がか かる」と答えている[3].

(11)

2.2 知識創造プロセス

2.2

知識創造プロセス

組織の生産性の向上を目的とした知識は,暗黙知と形式知という2つの状態にそれぞれ分 類されると野中らによって提唱された[4].野中らは,暗黙知は組織に属する個人で経験し たことあるいは直感的に内在するものであり,暗黙知を保持している本人ですら曖昧として いるような知識を指す.暗黙知は組織においてノウハウと表現されることがあり,特定の組 織下,もしくは特定の状況下において知識の真価を発揮するものとされている.形式知は表 や図などを用いて言語化された知識であり,第三者にとって理解可能な形となった知識であ る.他者への知識移転において必要不可欠な状態といえる.知識創造においては暗黙知と形 式知の二律背反的関係をそれぞれ理解する必要がある.暗黙知から形式知への変換,形式知 から暗黙知への変換を行い繰り返すことによって,組織の知識創造を行うことができる.こ の知識創造のプロセスをSECIモデルという.図2.1にプロセスを示す. 図2.1 SECIモデル SECIモデルでは,「共同化」,「表出化」,「連結化」,「内面化」の4つフェーズからなる.4

(12)

2.2 知識創造プロセス つのフェーズの説明を下記に記す.  共同化(Socialization) 共同化フェーズでは,仕事や業務を通じることにより,他人の持つ暗黙知を自分は,ま た,自分の持つ暗黙知を他人へ共有することにより,先達が持つ技能や知識などを身に つけるフェーズである.  表出化(Externalization) 表出化フェーズでは,個人で持つ暗黙知を第三者が理解できる形へと言語化するフェー ズである.この本来言語化されることのない知識を意識的に形式知へと変換を行わなけ ればならないフェーズである.表出化の際には個人の主観や,状況,立場,また語彙力 の違いなどによって同様の形式知であっても,表現が異なってしまうケースがある.そ のため,知識共有において,検索を行った際に目的の形式知を発見できない原因になる.  連結化(Combination) 連結化フェーズは,表出化フェーズによって第三者から理解できる形になった形式知を 組み合わせたり関係性を明確にし,整理することによって,新たな形式知を創造する フェーズである.  内面化(Internalization) 内面化フェーズでは,形式知を新たな自分の知識として吸収し,実践などを通じて,経 験を経ることにより新たな暗黙知を形成するフェーズである. この4つのフェーズを繰り返すことにより,組織における知識創造が行われる.連結化と 内面化によって蓄積された個人の知識を共同化と表出化によって他者に理解できる形に還元 し,他者が還元した知識を再び個人で吸収し昇華を繰り返し,ノウハウの移転と定着を行 う.正確な連結化を行うことにより,組織の人員は効率的な知識の収集を行うことができ, 業務に役立てることができる.しかし,効率的に知識の収集には,前段階である表出化にお いて,正確な知識情報の分類と整理が必要である.

(13)

3

既存方式

情報を共有する手段として,IT技術を用いた情報共有システムがある.情報共有システ ムでは知識の蓄積,獲得,検索の3つの基本的な機能を保持しているものを呼ぶ.データ ベースにより形式知に変換された知識を効率よく管理することができる.節2.1で述べた通 り,情報共有システムの利用は多くの企業でなされている. しかし,情報の整理が適切に行われなかった場合,知識の取得を行う際に時間がかかって しまう.その結果,情報の情報の取りこぼしが起こり,連結化を適切に行うことができない. 本章では,一例として実際に当研究室で導入されている情報共有システムについて紹介す る.また,情報の整理を適切に行い,検索効率を向上させる東京工科大学の中島によって提 案された,情報へ自動タグ付けを行う方式を紹介する.

3.1

当研究室で運用されている情報共有システム

当研究室では2007年9月から,掲示板とblogを組み合わせた形式の情報共有システム が学生同士のノウハウ共有を目的として運用されており,2016年12月の段階で604件の情 報を蓄積している.このシステムでは,キーワードを用いて検索を行う.大学の研究室では 毎年人員の入れ替わりがあり,学生が在籍している期間は2年から4年となっている.各人 員の持つノウハウを,口頭で伝達することや業務体験のみで在籍期間中に全て伝えることは 困難であるため,IT技術を用いた情報の蓄積と共有が必要になる.また,研究室では毎年 行われる定期イベントなどがあり,過去の資料を残しておくことにより,生産性の向上を図 ることができる.蓄積されている情報としては以下のようなものがある.

(14)

3.2 検索タグを用いた情報を整理する方式 論文の書き方やパワーポイントの作り方など研究に必要となるノウハウ 合宿や卒業祝賀会などイベントの企画運営に関わるノウハウ サーバの設定方法などの技術的な知識・経験 研究室特有の文化的情報 情報の中には「問題解決型プレゼンテーションのまとめ」や「議事録の取り方」などの社会 に出てからも有用な知識があり,学生からの需要は少なくない. しかし,システムの利用者が情報を検索する際の精度は高くない.キーワードのみによる 検索では,利用者の必要とする情報の20%程度しか推薦できていないのが現状である.原 因としては,情報共有システムを運用していく中で,蓄積されている情報数と種類が増加す る.また,情報の言語化を行う際に,キーワードとなる単語に多くの類義語や同義語が存在 した場合,入力者によってキーワードの表現が異なってしまう. これらのことにより,システムの利用者は登録された最新の情報のみを閲覧するか,最初 に使用した検索のキーワードから推薦された検索結果のみを閲覧する傾向にある.このこと から情報が増加していくなかで,利用者が必要な情報を効率的に収集することができないこ とが,情報共有システムの課題である.

3.2

検索タグを用いた情報を整理する方式

情報の適切な検索を行う方式として投稿する情報を解析し,自動で検索タグを付与するこ とにより,検索タグを目印として情報の整理,検索を行う方式が中島により提案された[5]. 方式の概要図を図2.1に示す.中島方式では形態素解析を用いて投稿される文章を単語に分 図3.1 中島方式

(15)

3.2 検索タグを用いた情報を整理する方式 解し,名詞を抽出する.その後,抽出された名詞をtf-idf法を用いて特徴量を算出し,特徴 量の高いものからタグ付けを行う.タグ付けを行うことにより,タグを目印にすることによ り,情報を整理することによって高い検索精度を得ることができる.

3.2.1

検索タグとは

検索タグとは,投稿されるデータに関するメタデータのことである.タグ付けを行うこと により,同じタグが付けられているものを集合させることにより,情報を整理し,検索の効 率を向上させることができる.また,タグを用いることにより,関連記事として同時に表示 させたり,利用者が欲しい情報のタグを登録しておき,他者がそのタグを付けた情報を投稿 した際に推薦を受けることができるなど効果がある.

3.2.2

形態素解析

形態素解析とは,文章を意味のある単語に区切り,品詞や内容の判断を行えるようにする ものである.形態素解析では,形態素と呼ばれる文章を構成する要素の中の意味を持つ最小 単位に分解を行う.英語では文章を分かち書きで記すため,形態素への分解は容易である. しかし,日本語では基本的に単語ごとの区切りが存在しないため,形態素への分解が難し い.形態素への分解が難しい反面,日本語には,漢字などの意味のある単語が多く存在する ため,正確に文章を分解することにより,内容の解析に役立てることができる.

3.2.3

tf-idf

tf-idf法[6]とは,文書中における特徴的な単語を抽出することができるアルゴリズムで ある.ある文書中の単語の出現頻度をtf(term frequency),投稿されデータベースに登録

されている文書中に単語が出現する割合をidf(inverse document frenqency)とし,両者 の積が文書中の単語の特徴量となる.

(16)

3.2 検索タグを用いた情報を整理する方式 る単語Tの出現頻度tfreq(T,D),単語Tを含む文書数をdfreq(T),全文書数をM とする と,単語Tの文書Dにおける特徴量w(T,D)は式 3.3のように定義される. tf (T, D) = log(tf req(T, D) log(tnum(D) (3.1) idf (T ) = log( M def req(T )) (3.2) w(T, D) = tf (T, D)· idf(T ) (3.3)

3.2.4

問題点

中島方式では,重要な名詞を形態素解析によって抽出し,tf-idf法によって特徴量を算出 することによって適切に検索タグを付与することができ,情報をタグを用いて整理すること によって検索精度を向上させることができる.しかし,この方式には,問題点が2つあり, その問題を以下に示す. 文書中から単語を抜き出すため,タグの表現が文書に依存する この方式では,特徴量を求めることにより,重要な名詞をタグとして付与することがで きる.しかし,文書中の名詞に,同類語や同義語が存在した場合,付与されるタグが同 じ意味あっても,違う表現の異なる検索タグが用いられてしまう.その結果,情報の整 理を行う際に,同類の文書であって異なる種類の文書であるとはんだんされてしまい, 整理を適切に行うことができない. 重要な単語が,事前に登録した文書に多用されていた場合,タグとして使用されない 同様の事柄について記述した文書が多く登録されている場合,データベースに登録さ れている文書と投稿する文書で,重要な名詞が重要語となる場合がある.しかし,登録 された文書で重要な名詞が多用されている場合,idfの算出の際のdefreq(T)が大きく なってしまい,idfが低下する.その結果,重要な名詞の特徴量が低下してしまい,重 要な名詞が検索タグとして付与されなくなってしまう.

(17)

3.2 検索タグを用いた情報を整理する方式

このような問題から,情報の整理が適切に行われていない.そのため,表現が異なる名詞に 対応し,重要な名詞が他の文書で多用されている場合でも検索タグとして付与される方式が 必要となる.

(18)

4

提案方式

情報共有システムを利用し,情報共有を行うことは,多くの情報を蓄積できるため組織の 生産性の向上において有用である.しかし,情報の整理が必須となるため,節3.2で紹介し た中島の提案した方式によって情報を整理することができる.しかし,中島の方式には表現 の異なる名詞や,重要な名詞の他の文書との被りへの対応ができていない. 本研究では,同類語,同義語辞書であるシソーラスを用いて表現の異なった名詞に対応し, 名詞の他の文書との被りに対応した情報の整理,検索方式を検討する.

4.1

提案方式の概要

情報共有システムにおいて情報の収集を適切に行えるようには,入力された情報の表現の 違いに対応することが必要である.提案方式では,単語の同類語や同義語を同様の意味のも のとして紐付けを行い,検索タグの使用割合を算出し,特徴量は加算を行うことにより適切 な検索タグの付与を行い情報の整理を行い,検索の精度を向上させることができる.

4.1.1

提案方式の構成

入力者から入力された情報はデータベースに登録される.提案方式では,システムに情報 が入力される際に内容解析を行う.解析した内容から検索タグを自動付与し,情報の整理を 行うことができるよう支援を行う.構成の概要図を図4.1に示す.

(19)

4.1 提案方式の概要 図4.1 提案方式の構成

4.1.2

形態素解析

形態素解析では,中島方式と同様に入力者に入力された情報を分解し,名詞の抽出を行 う.形態素解析には,MeCab[7]を用いて行う.

4.1.3

tf-idf

tf-idf法では,特徴量の算出を行う.算出を行う際に,名詞の同類語や同義語の有無をシ ソーラスを用いて調べ,同類語などがあった場合には,紐付けを行う.その後,同じ意味を 持った文書をidfの算出の際に加えることにより,正確な特徴量の算出を行う.特徴量の算 出後,シソーラスの見出し番号を利用し,番号の小さい表現に変換を行うことにより,文書 内の名詞の表現により,検索タグの表現が異なってしまうことに対応する.

4.1.4

シソーラス

類義関係や同義関係にある単語同士を紐付けするためにシソーラスを用いる.シソーラス は類語辞書の一種である.通常の類語辞典では,単語が五十音順の項目立てであるの対し,

(20)

4.1 提案方式の概要 語に達するものである.シソーラスを用いることにより,単語の類義,同義,包括関係にあ るものに対応することができる.シソーラスには,分類語彙表[8]を用いて行う.

4.1.5

検索タグ需要率の算出

検索タグが登録されている文書により,重要な名詞を自動付与することができない問題に 対応するために,検索タグが登録されている全文書中に使用されている割合を算出し特徴量 へ加算する.検索タグが使用されている割合を検索タグ需要率とする.検索タグ需要率は式 4.1を用いて算出を行い,算出された検索タグ需要率を,tf-idf法で算出された特徴量に加 算することにより,重要な名詞を検索タグとして付与されやすくする. 検索タグ需要率= 特徴語の検索タグとしての使用数 全記事数 (4.1)

4.1.6

データベースへ登録

検索タグ需要率を加算した特徴量の,上位5個を文書の特徴語する.特徴語を登録する情 報の検索タグとして付与し,情報の登録を行う.また,登録の際に,付与された検索タグを カウントし,次の情報入力が行われた際のタグ需要率の算出に利用する.

4.1.7

実験環境

表4.1に実験環境を示す.

(21)

4.1 提案方式の概要

表4.1 実験環境

CPU 1.3GHz Intel Core i5

OS CentOS 6.4

データベース MySQL 5.6.22

開発言語 Python 2.6.6

形態素解析 MeCab

(22)

5

評価

本章では,提案したシステムの評価を行い,その結果と考察を述べる.

5.1

実験

提案システムの検索精度を評価するために事前に登録されている情報として,50件の情 報をデータベースに登録しておいた.その後,登録を行う情報として10件用意し,中島方 式と提案方式によって検索タグ付けを行い評価を行った. 10件の記事に対して8名の被験者にあらかじめ5個の検索タグを任意で付与してもらっ た.中島方式と提案方式で検索タグを自動付与し,付与された検索タグの一致率を求めた. 次に自動付与された検索タグを被験者へ提示し,情報と関連があるかを「1:情報と関連性 が低い 5:情報と関連性が高い」の5段階で評価してもらった.

5.2

評価

検索精度の向上が図れたかを検証するために再現率と適合率の観点で評価を行った.中島 方式と提案方式の再現率と適合率は,表5.1,表5.2に示す. 再現率 再現率は,任意で付与された検索タグと自動付与された検索タグの一致率である.登録 した情報の検索タグを,推薦されたい情報の検索タグとして登録する場合,入力者が推 薦をされたい情報とのカバー率となる.被験者が付与した検索タグと自動付与された検

(23)

5.2 評価 索タグが一致している数をAとすると再現率=A/5で計算される.提案方式では任意 付与された検索タグと自動付与された検索タグの表現が異なる場合でも,シソーラスの 変換を行うことができる場合,一致しているものとみなす. 適合率 適合率とは,システムにより自動付与された検索タグが情報に対して適切に付与されて いるかの割合である.適切でない検索タグをノイズとみなすと情報に対する検索精度と 考えられる.関連性が高いと判断されている4もしくは5であったタグの数をBとす ると適合率=B/5で計算される. 表5.1 再現率 情報1 情報2 情報3 情報4 情報5 情報6 情報7 情報8 情報9 情報10 平均適合率 中島方式 0.38 0.33 0.35 0.30 0.38 0.28 0.35 0.48 0.33 0.40 0.36 提案方式 0.78 0.68 0.75 0.75 0.73 0.83 0.70 0.80 0.78 0.73 0.75 表5.2 適合率 情報1 情報2 情報3 情報4 情報5 情報6 情報7 情報8 情報9 情報10 平均適合率 中島方式 0.73 0.75 0.60 0.73 0.68 0.70 0.75 0.70 0.78 0.73 0.71 提案方式 0.85 0.78 0.85 0.83 0.80 0.90 0.83 0.80 0.85 0.88 0.85 10件の平均再現率と平均適合率を,既存方式と提案方式で算出したところ,既存方式の 平均再現率は0.36,平均適合率は0.71であった.提案方式の平均再現率は 0.75,平均適合 率は0.85であった.既存方式よりも平均適合率が0.14向上しており,検索の精度が向上し たといえる.また,平均再現率では,0.39の向上があり,検索タグによる推薦精度も向上 した.

(24)

6

おわりに

本論文では,情報共有を行う際の検索精度の向上を目的として,シソーラスを用いた検索 タグの自動付与を行う方式について提案・実験を行い,再現率と適合率の観点で中島方式と の比較を行った. 中島方式では,同類語・同義語による表現の違いに対応していない,また,事前に登録さ れている情報により,重要な名詞がタグとして付与されないなどの問題があった.これらの 問題に対し,シソーラスを用いて同類語・同義語を紐付けを行い,検索タグの需要率を求め ることにより解決を行った. 評価としては,平均適合率が0.14向上し,平均再現率が0.39の向上があった.この結果 から,情報共有において,検索精度が向上したと判断できる. 今後の課題として,情報の内容には関係の薄い文章が例文などに使われており,その文章 にある名詞のタグ需要率が高く,情報に適さない名詞が検索タグとして使用されてしまう場 合があったため,情報の解析の際に検索タグの需要率の加算を行う名詞と行わない名詞を判 断する方式を検討する必要がある.また,長期的な運用試験と検証を行い,提案方式の有用 性を定量的に判断する必要がある.

(25)

謝辞

に大本研究の遂行と論文作成にあたって,言葉では言い表せないほどの御指導,御助言を いただきました高知工科大学情報学群学群長 清水明宏教授に心より感謝し暑く御礼申し上 げます.また,本研究の副査を担当していただきました高知工科大学 情報学群 妻鳥 貴彦教 授,吉田 真一教授に深く感謝いたします.最後に本研究にご協力いただきました,高知工科 大学 セキュリティシステム研究室 関係者各位に心から感謝いたします.

(26)

参考文献

[1] 中村 雅章,“ナレッジ・マネジメントの研究と実践のフレームワーク,” 中京ビジネス ビュー第 2 号,2006. [2] 中小企業庁,“第4章 情報技術の活用,”http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/ hakusyo/H25/PDF/0EHakusyo\_part2\_chap1\_web.pdf,2016/2/24. [3] キーマンズネット,“IT による情報共有の取り組み状況に関するアンケート(2014),” http://www.keyman.or.jp/at/30007495/,2016/2/24. [4] 野中 郁次郎,“知識創造企業,” 東洋経済新報, 1996. [5] 中島 祐介,“自動タグ付けによるニュースサイト記事の分類と検索手法,” 東京工科大 学 35 回ファジィワークショップ講演論文集 pp5-8,2009.7. [6] 大谷 紀子,“ 情報検索におけるべクトル空間モデルの応用,” 武蔵野工業大学環境情報 学部研究論文 pp.3-6,2004. [7] MeCab,http://mecab.sourceforge.net/,2016/2/24. [8] 国立国語研究所,“分類語彙表増補改訂版データベース,” http://pj.ninjal.ac.jp/ corpus_center/archive.html,2016/2/24.

表 4.1 実験環境

参照

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