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あらまし 本研究では, 高速道路の走りやすさを 道路構造 と 内部景観 に着目して評価する. 道路構造は昭文社の MAPPLE ルーティングデータを使って数値化し, 内部景観は主に Google ストリートビューを用いてデータを収集し, 数値化する. これらの数値を用いて各 IC,JCT 間の走りや

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卒業研究論文

走りやすさを考慮した

高速道路の経路探索

09D8101029D 越水 俊介

中央大学理工学部情報工学科 田口研究室

2013 年 3 月

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あらまし

本研究では,高速道路の走りやすさを「道路構造」と「内部景観」に着目して評価する. 道路構造は昭文社の MAPPLE ルーティングデータを使って数値化し,内部景観は主に Google ストリートビューを用いてデータを収集し,数値化する.これらの数値を用いて各 IC,JCT 間の走りやすさを評価する.さらにその評価に基づき,走りやすさを考慮した高 速道路の経路探索を行う. キーワード:高速道路,走りやすさ,曲線半径,縦断勾配,内部景観,経路探索

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目次

第1 章 序論 ... 1 第2 章 道路構造による走りやすさ ... 2 2.1 道路の車線数 ... 3 2.2 道路の線形 ... 3 曲線半径 ... 3 2.2.1 縦断勾配 ... 5 2.2.2 第3 章 MAPPLE ルーティングデータ ... 6 3.1 MAPPLE ルーティングデータの概要 ... 6 オブジェクトタイプ ... 6 3.1.1 図郭割り ... 7 3.1.2 3.2 MRXV ... 8 平面直角座標系 ... 9 3.2.1 出力データ ... 10 3.2.2 3.3 道路の線形による走りやすさの数値化 ... 12 遠心力の仕事 ... 12 3.3.1 勾配抵抗の仕事 ... 12 3.3.2 第4 章 道路の内部景観による走りやすさ ... 13 4.1 道路の内部景観とは ... 13 側方勾配 ... 14 4.1.1 表面材料 ... 14 4.1.2 4.2 使用するデータ ... 15 Google ストリートビュー ... 15 4.2.1 車載動画 ... 16 4.2.2 4.3 道路の内部景観による走りやすさの数値化 ... 17 第5 章 走りやすさの評価 ... 18 5.1 評価方法 ... 18 5.2 結果 ... 19 5.3 経路探索 ... 24 第6 章 結論 ... 29 6.1 まとめ ... 29

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6.2 今後の課題 ... 29 謝辞 ... 30 参考文献 ... 30

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1章 序論

現在でも,日本の高速道路の建設は続いており,路線が延長されたり,新規路線によっ て路線同士が結ばれたりと,高速道路網は発達している.それにより高速道路を利用した 長距離の移動において,出発IC から到着 IC まで複数の経路で走行が可能な場合がある. その際,経路を決定するのに一番簡単な方法は最短距離の経路を選択することである.し かし,最短ルートであっても,急カーブが多かったり,対面通行の区間が存在したりと, 運転しにくい区間を通る経路である場合も考えられる.実際には,多少遠回りであっても, 車線数が多く急カーブの少ない経路を選択する人も少なくはないだろう.2012 年 4 月に関 越自動車道の高崎JCT 付近で発生した高速ツアーバスの事故では,運転手は「走りやすい」 からと,約30km 距離の長い経路を走行していた. そこで本研究では以下の7 路線 ・中央自動車道(西宮線) ・東名高速道路 ・新東名高速道路(清水連絡路,引佐連絡路も含む) ・長野自動車道 ・関越自動車道(練馬IC-長岡 JCT 間) ・上信越自動車道 ・北陸自動車道(上越JCT-長岡 JCT 間) を対象に,高速道路の「道路構造」と「内部景観」の 2 つを考え,それぞれを数値化し, 各高速道路のIC・JCT 間の「走りやすさ」を評価する.この評価に基づき,最も走りやす い経路の探索を行う.

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2章 道路構造による走りやすさ

道路構造による走りやすさとして,道路の「車線数」と「線形」に着目して評価する. 線形について曲線半径と縦断勾配を考える.これらの値に対して,走行に無理が出ないよ うに,道路構造令ではそれぞれに制限値が定められている.道路構造令とは,道路を新設 し,又は改築する場合における道路の一般的基準を定めたものであり,表2.1,表 2.2 の通 り設計速度によって曲線半径や縦断勾配などの制限値がそれぞれ定められている.東名高 速道路などの一般的な都市間高速道路の設計速度は主に120[km/h]となっている. 表2.1 曲線半径の最小値 設計速度 [km/h] 曲線半径[m] 最小値 ※ 120 710 570 100 460 380 80 280 230 60 150 120 (ただし,地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない箇所については,同表の曲 線半径の欄の右欄に掲げる値まで縮小することができる) 表2.2 縦断勾配の最大値 設計速度 [km/h] 縦断勾配[%] 最大値 ※ 120 2 5 100 3 6 80 4 7 60 5 8 (ただし,地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては,同表の縦 断勾配の欄の右欄に掲げる値以下とすることができる)

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2.1 道路の車線数

日本の高速道路の車線数は片側2 車線が一般的だが,路線によっては片側 1 車線や 3 車 線以上の区間も存在する.通常,高速道路は上下線の間にガードレールなどの中央分離帯 が設置され,上下線が分離されている.しかし,暫定2 車線の区間(計画では 4 車線だが, 当面の交通量が少ないときなどを考えて暫定的に 2 車線のみを開通させた区間で,片側 1 車線の区間)では,中央分離帯がセンターポールで代用された対面通行であり,通常より 注意して運転する必要がある.また大型車が前方を走行している場合は見通しが悪くなる. 片側 2 車線以上の区間では,交通量によるが,車線数が多いほど見通しが良くなるため, 走りやすいと考える. したがって,2 車線の道路の走りやすさの値を 1.0 とした場合の車線数による走りやすさ を表2.3 のように定める.ただし,東名高速道路の大井松田 IC-御殿場 IC 間(下り線)の ように2 ルートある場合はそれぞれのルートの車線数とし,また IC や SA などの流出入車 線は含まない.各IC,JCT 間の最も合計距離の長い車線数をその区間の車線数とする. 表2.3 車線数による走りやすさ 1 車線 0.8 2 車線 1.0 3 車線以上 1.2

2.2 道路の線形

一般的に,道路は直線のみではなく,直線と曲線の組み合わせで構成されている.市街 地や地形が複雑な場所を通る道路では曲線が多くなる.また,特に山間部など高低差のあ る場所を通る道路には,縦断勾配が設けられる.このような道路の形状のことを線形と呼 ぶ. 曲線が多い道路ではハンドル操作が多くなり,また縦断勾配が大きいと,平坦な道路に 比べてアクセルを強く踏む必要や,ブレーキを踏む必要がある.道路が直線に近く平坦で あるほど,走りやすい道路と考える.

曲線半径

2.2.1

図2.1 に示すように,道路の曲線部を大きな円の一部とみなしたとき,その円の半径を曲

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線半径と呼ぶ.この曲線半径の値が小さいと急なカーブであり,大きいほど直線に近い道 路である. 図2.1 曲線半径 曲線半径は道路上の3 点が与えられた時,以下のようにして計算できる. 与えられた3 点をP𝑖−1(𝑥𝑖−1, 𝑦𝑖−1),P𝑖(𝑥𝑖, 𝑦𝑖),P𝑖+1(𝑥𝑖+1, 𝑦𝑖+1)とし,この 3 点を通る円の中 心の座標を(𝑥0, 𝑦0)とおく(図 2.2 参照).それぞれの中点をP𝑚1(𝑥𝑚1, 𝑦𝑚1),P𝑚2(𝑥𝑚2, 𝑦𝑚2)と おくと, 𝑥𝑚1=𝑥𝑖−12+𝑥𝑖,y𝑚1=𝑦𝑖−12+𝑦𝑖 𝑥𝑚2=𝑥𝑖+𝑥2𝑖+1,𝑦𝑚1=𝑦𝑖+𝑦2𝑖+1 であり,この中点と(𝑥0, 𝑦0)を通る直線𝑙1,𝑙2の傾きをそれぞれ𝛼1,𝛼2とおくと, 𝛼1= −𝑥𝑖𝑦− 𝑥𝑖−1 𝑖−𝑦𝑖−1 ,𝛼2= −𝑥𝑖+1𝑦 − 𝑥𝑖 𝑖+1− 𝑦𝑖 𝑙1:𝑦 − 𝑦𝑚1= 𝑎1(𝑥 − 𝑥𝑚1) 𝑙2:𝑦 − 𝑦𝑚2= 𝑎2(𝑥 − 𝑥𝑚2) と表せる.この2 式に𝑥0,𝑦0を代入して連立方程式を解くと, 𝑥0=𝑎2𝑥𝑚2− 𝑎1𝑥𝑚1− 𝑦𝑚1+ 𝑦𝑚2 𝑎2− 𝑎1 𝑦0= 𝑎1(𝑥0− 𝑥𝑚1) + 𝑦𝑚1 となる.ゆえに点P𝑖(𝑥𝑖, 𝑦𝑖)における曲線半径R𝑖は, 𝑅𝑖= √(𝑥𝑖− 𝑥0)2+ (𝑦𝑖− 𝑦0)2 (= √(𝑥𝑖−1− 𝑥0)2+ (𝑦𝑖−1− 𝑦0)2) (= √(𝑥𝑖+1− 𝑥0)2+ (𝑦𝑖+1− 𝑦0)2) で求められる.

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図2.2 曲線半径の計算イメージ

縦断勾配

2.2.2

縦断勾配とは,図 2.3 に示すように水平に𝑑[m]走行した時の高低差がℎ[m]とするとℎ 𝑑[%] で表される.例えば,水平に100[m]進んだ時高低差が5[m]ある場合,その区間の縦断勾配 は5[%]である.縦断勾配の値が正で大きいと急な上り坂であり,負で大きいと急な下り坂 である.この縦断勾配の値が0[%]であると平坦な道路である. 図2.3 縦断勾配

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3章 MAPPLE ルーティングデータ

3.1 MAPPLE ルーティングデータの概要

本研究では,高速道路の線形を計算するのに昭文社の MAPPLE ルーティングデータ 25000[1]を使用した.MAPPLE ルーティングデータは道路の中心線のみによって構成され ている(図3.1 参照).データは昭文社独自の MRX 形式のバイナリデータであり扱いづら いため,テキストデータに変換するのに,MAPPLE ルーティングデータ用ビューワー[2] (以下,MRXV とする)を使用した. 図3.1 MAPPLE ルーティングデータのイメージ

オブジェクトタイプ

3.1.1

MAPPLE ルーティングデータは,表 3.1 のようにオブジェクトタイプと称するノード, リンク,グループ情報によって構成されている.

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表3.1 オブジェクトタイプ 名称 内容 ノード 道路の交差点、行き止まり点、属性変化点など リンク 道路のノードとノードを接続するデータ,道路種別や幅員値の情報, また道路形状を表現するための形状点座標を保有 グループ情報 道路の路線情報を線の属性として保有

図郭割り

3.1.2

MAPPLE ルーティングデータ 25000 の図郭割りは,経緯度を基準とした標準地域メッシ ュ(第2 次地域区画)と同一であり,メッシュ番号も標準地域メッシュ(第 2 次地域区画) のコードと同一である(図3.2 参照).またメッシュサイズは経度方向 450 秒(約 12[km]), 緯度方向300 秒(約 10[km])となっている. 図3.2 メッシュ番号例

3.1.2.1 第 1 次地域区画

第1 次地域区画を示す数字(1 次メッシュコード)は,区画の南端緯度を 1.5 倍した 2 桁 の数字と,西端経度から100 を引いた 2 桁の数字をこの順に組み合わせた 4 桁の数字であ る.例として1 次メッシュ 5438 は, 54 / 1.5 = 36° 38 + 100 = 138° であり,北緯36°,東経 138°が南西端原点となる.

3.1.2.2 第 2 次地域区画

第2 次地域区画を示す数字(2 次メッシュコード)は,第 1 次地域区画を経線方向及び緯 線方向に8 等分して得られる各区画に,経線方向は南から,緯線方向は西から,それぞれ 0 5438 23 標準地域メッシュ(第 2 次地域区画) 標準地域メッシュ(第 1 次地域区画)

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から 7 までの数字を付し,これを経線方向に付した数字,緯線方向に付した数字の順に組 み合わせた2 桁の数字である(図 3.3 参照).これに 1 次メッシュコードを合わせて用いる. 図3.3 2 次メッシュコード

3.2 MRXV

MRXV は MRX 形式のファイルを読み込み,設定した表示項目のデータを図 3.4 のよう に表示させることが出来る. 図 3.5 は表示項目を高速道路に設定し,MRX データを読み 込ませた場合の表示画面である.また図3.6 のように,データを読み込む際に平面直角座標 系を設定することで,設定した系番号の座標に変換してテキストデータとして出力するこ とが出来る.MRXV を使用し,各路線の座標が含まれるメッシュ番号のデータを読み込ま せ,路線毎の座標データを抽出する.

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図3.5 表示項目の設定画面 図3.6 平面直角座標系の設定画面

平面直角座標系

3.2.1

MAPPLE ルーティングデータの座標は経緯度で示されているが,経緯度のままだと球体 の地球の表面上で計算することになるので,より簡単に計算を行うために,座標を平面に 投影する.そこで用いられるのが平面直角座標系である. 日本における平面直角座標系は,原点をX=0.000[m],Y=0.000[m]とし,座標系原点にお いて子午線に一致する軸をX 軸とし,X軸に直交する軸を Y 軸とする.原則としてそれら の基準子午線から東西130[km]の範囲で,離島を除く各都道府県が 1 つの座標系でカバー できるように19 の座標系が定められている(表 3.2 参照).

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表3.2 日本における平面直角座標系(一部抜粋) 系番号 座標系原点の経緯度 適用区域 経度(東経) 緯度(北緯) 6 136 度 0 分 0 秒 0000 36 度 0 分 0 秒 0000 京都府,大阪府,福井県,滋賀県, 三重県,奈良県,和歌山県 7 137 度 10 分 0 秒 0000 36 度 0 分 0 秒 0000 石川県,富山県,岐阜県,愛知県 8 138 度 30 分 0 秒 0000 36 度 0 分 0 秒 0000 新潟県,長野県,山梨県,静岡県 9 139 度 50 分 0 秒 0000 36 度 0 分 0 秒 0000 東京都(14 系、18 系及び 19 系に 規定する区域を除く),福島県 栃 木県,茨城県,埼玉県,千葉県,群 馬県,神奈川県 10 140 度 50 分 0 秒 0000 40 度 0 分 0 秒 0000 青森県,秋田県,山形県,岩手県, 宮城県 本研究では,各路線について表3.3 の座標系を用いる. 表3.3 各路線の座標系 路線名 座標系 中央自動車道 8 東名高速道路 8 新東名高速道路 8 長野自動車道 8 関越自動車道 9 上信越自動車道 8 北陸自動車道 8

出力データ

3.2.2

読み込んだMRX データを変換して出力したテキストデータは,レコードヘッダとレコー ド座標からなる.表3.4 のように,レコードヘッダはオブジェクトコード,図式分類コード, エレメントラベル,形状点総数,幅員,リンク長,勾配からなり,図式分類コードは表3.5 のように分類されている.またレコード座標は19 座標系 Y 座標と X 座標からなる.出力 例は図3.7 のようになる.このテキストデータを用いて道路の線形の解析を行う.

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表3.4 出力データ形式 データ形式 分類 内容 レコードヘッダ オブジェクトコード 41:高速道路 図式分類コード 路線グループの種別を分類するコード エレメントラベル ※未整備 形状点総数 以下に続く形状点の総数 (始終点ノードも形状点に含める) 幅員 [m] 道路の幅 リンク長 [m] ノード間の長さ 勾配 [%] 始終点ノードの標高値とリンク長より算出 レコード座標 19 座標系 Y 座標(横軸) ※形状点総数繰り返し 19 座標系 X 座標(縦軸) 表3.5 図式分類コード(一部抜粋) 図式分類コード 参考幅員値[1/10m] リンク種別 baaaa@@ 210 道路/高速道路/車線別/地上/多車線 baaab@@ 140 道路/高速道路/車線別/地上/4 車線 baaac@@ 70 道路/高速道路/車線別/地上/2 車線 baaba@@ 210 道路/高速道路/車線別/トンネル/多車線 baabb@@ 140 道路/高速道路/車線別/トンネル/4 車線 baabc@@ 70 道路/高速道路/車線別/トンネル/2 車線 babad@@ 105 道路/高速道路/幅員別/地上/幅員 4 babae@@ 70 道路/高速道路/幅員別/地上/幅員 3 図3.7 MRXV の出力例 レコードヘッダ レコード座標 41,babaf@@,8,5,271,2 -138183.9578,-78649.42526 -138151.1663,-78638.80049 -138128.1899,-78630.39868 -138085.0519,-78605.93857 -138061.7941,-78587.40021 -138029.1716,-78558.06302 -138003.1333,-78519.65556 -137981.4663,-78482.81478

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3.3 道路の線形による走りやすさの数値化

まずMAPPLE ルーティングデータを各路線の上下線,左右ルートごとに分類する.そし てそれぞれのデータにおいて,道路の線形による走りやすさを車体に働く「遠心力の仕事」 と「勾配抵抗の仕事」の和とする.この値が小さいほど走りやすいと考える.

遠心力の仕事

3.3.1

曲線半径が小さいほど車体にかかる遠心力が大きくなるため,遠心力の仕事を求める. まず2.2.1 項の計算方法で,各形状点における曲線半径𝑅[m]を求める.車体にかかる遠心 力をF1[N]とすると, 𝐹1=𝑚𝑣 2 𝑅 [N],m:質量[kg],v:速度[m/s] となる.各形状点で遠心力を計算し,その値に各形状点の前後のリンクとの距離の半分を かけた値(=遠心力の仕事)を求める.ただし,m = 1000[kg],v = 22.2[m/s](=80[km/h]) とする.

勾配抵抗の仕事

3.3.2

縦断勾配が大きいほど車体に働く勾配抵抗が大きくなるため,勾配抵抗の仕事を求める. まず勾配抵抗をF2[N]とすると, F2= mg sin 𝜃,g:重力加速度[m/𝑠2],θ:斜面の傾き角 となる.このθが小さい時はsin 𝜃 ≒ tan 𝜃と近似できる.よって縦断勾配をG[%]とすると tan 𝜃 =100𝐺 であるため, F2=𝑚𝑔𝐺 100 となる.各ノード間において,このF2に距離をかけた値(=勾配抵抗の仕事)を求める.た だし,g = 9.8[m/𝑠2]とする.

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4章 道路の内部景観による走りやすさ

4.1 道路の内部景観とは

道路を走行する車両からの眺めを道路の内部景観と呼ぶ.この内部景観を構成する要素 として,道路の左側の「側方勾配」と「表面材料」の 2 つを考える.この2つの組み合わ せとトンネルについて考える.表4.1 に側方勾配と表面材料の組み合わせの例を挙げる.た だし勾配A,B,C に関しては 4.1.1 項以降で説明する.各組み合わせにおける走りやすさ は4.3 節に示す. 表4.1 内部景観の構成例 写真 模式図 説明 道路の左側の法面に 植樹されていて,その 木が路面に対して垂 直に生えている 法面が全てコンクリ ートで覆われている 盛土によって路面が 周辺より高い位置に あり,周りが見渡せる

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側方勾配

4.1.1

道路の側方勾配とは,道路の側方の外形線が創り出す視覚的な傾斜角度である.以下の3 段階に分類して評価する(図4.1 参照).ただし勾配 C については表面材料はなしとする. 勾配A:垂直 勾配B:緩勾配 勾配C:路面位置が周辺地形より高い場合 図4.1 側方勾配 首都高速に多く見られるような防音壁で囲まれた道路では,側方からの圧迫感が強くて 非常に走りにくい.したがって走行中に感じる開放感が大きいほど走りやすいと考えると, 走りやすさは勾配C,勾配 B,勾配 A の順に大きい.

表面材料

4.1.2

表面材料とは,道路の側方の表面を構成している素材及び物体である.以下に示す 3 種 類に分類して考える.走りやすさは草木類,直立壁,コンクリートの順に大きい. 表面材料a:コンクリート主体の法面保護工など 表面材料b:植生吹付工,低木植栽,樹林など 表面材料c:遮音壁,投物防止柵など 勾配A 勾配B 勾配C 路面

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4.2 使用するデータ

各路線について,4.1 節で述べた道路の内部景観のデータ収集を行う.データ収集には主 にGoogle ストリートビュー[6]を使い,Google ストリートビューのデータがない区間につ いては,動画共有サイト(ニコニコ動画[5],YouTube[7])に投稿された車載動画を用いて データ収集を行う. データ収集は側方勾配と表面材料の組み合わせを色分けし(図4.2 参照),地図上にそれ ぞれの色の線を引く方法で行う.図4.3 は東名高速道路下りの静岡 IC 付近の内部景観のデ ータである. 表面材料 a 表面材料 b 表面材料 c 勾配 A 勾配 B 勾配 C トンネル 図4.2 内部景観の色分け 図4.3 東名静岡 IC 付近の内部景観

Google ストリートビュー

4.2.1

Google ストリートビューとは,Google が提供している Web サービスの1つであり,図 4.4 のように,世界各地のある地点の周りの風景を 360°見渡すことができる.Google マッ プの地図と連携しているため,これを利用して内部景観のデータを収集する.

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図4.4 Google ストリートビュー

車載動画

4.2.2

車載動画とは,車にビデオカメラなどを取り付けて走行し,走行中の前方の風景などを 撮影した動画のことである.図4.5 は YouTube に投稿された車載動画の1つである.Google ストリートビューと異なり地図と連動している訳ではないため,地図や衛星写真と見比べ, どの地点を走行しているか類推してデータを収集する. 図4.5 YouTube に投稿された車載動画

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4.3 道路の内部景観による走りやすさの数値化

各路線について,3.1.2 項で述べた第二次地域区画をさらに経線方向及び緯線方向に 10 等分した区画(第三次地域区画,図4.6 参照)に分割し,図 4.7 のように,各区画について 4.2 節のデータの中で一番含まれる側方勾配と表面材料の組み合わせを設定する.各組み合 わせの走りやすさの数値は表4.2 のように定める. 図4.6 第三次地域区画 図4.7 区画毎の道路の内部景観 表4.2 内部景観による走りやすさ 表面材料a 表面材料 b 表面材料 c 勾配A 40 60 50 勾配B 60 80 70 勾配C 100 トンネル 30

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5章 走りやすさの評価

5.1 評価方法

まず道路構造による走りやすさを以下の式で求める. 道路の線形による走りやすさ 車線数による走りやすさ これを各 IC,JCT 間毎に求め,その区間の距離[m]で割った値によって,表 5.1 に定めた 通りにランク付けをする. 表5.1 道路構造のランク ランク 範囲 A 200.0 未満 B 200.0 以上 400.0 未満 C 400.0 以上 600.0 未満 D 600.0 以上 また道路の内部景観による走りやすさは以下の手順で求める. I. それぞれの区間において,通過する区画分の表 4.2 の通りに定めた数値の和を求める. II. I で求めた値を通過する区画数で割った値を,その IC,JCT 間の内部景観による走 りやすさの値とする. この手順で求めた値によって,表5.2 に定めた通りにランク付けをする. 表5.2 内部景観のランク ランク 範囲 a 80.0 以上 b 60.0 以上 80.0 未満 c 60.0 未満

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ただし,中央自動車道の下りの上野原IC-大月 JCT 間は右ルート,東名高速道路の下りの 大井松田IC-御殿場 IC 間は左ルート,東名高速道路の上りの焼津 IC-静岡 IC 間は左ル ートを通るように評価する.

5.2 結果

5.1 節の方法で各路線の主な IC,JCT 間の評価を行った結果を表 5.3 に,中央自動車道 の結果を表5.4 に,東名高速道路の結果を表 5.5 に示す. 表5.3 各路線の主な区間の走りやすさ 路線 出発IC,JCT 到着 IC,JCT 距離[km] 道路構造による 走りやすさ 内部景観による 走りやすさ 新東名 御殿場JCT 長泉沼津IC 13.2 388.2 69.5 浜松IC 浜松浜北IC 6.1 160.2 61.3 長野 岡谷IC 塩尻IC 7.2 460.0 65.8 松本IC 塩尻北IC 8.2 315.2 62.5 関越 大泉IC 所沢IC 8.6 195.0 57.7 湯沢IC 水上IC 26.0 748.0 55.4 上信越 藤岡IC 吉井IC 9.4 500.6 72.0 長野IC 更埴JCT 6.0 595.1 76.7 北陸 上越JCT 上越IC 4.4 175.3 66.7 長岡JCT 西山IC 13.6 400.3 83.3 表5.4 中央自動車道の走りやすさ 出発IC,JCT 到着IC,JCT 距離[km] 道路構造による 走りやすさ 内部景観による 走りやすさ 高井戸 調布 7.7 235.2 54.4 調布 稲城 2.3 213.1 50.0 稲城 国立府中 7.0 172.3 61.1 国立府中 八王子 8.8 322.6 87.1 八王子 八王子JCT 10.2 365.0 60.8 八王子JCT 相模湖東出口 6.4 733.9 72.5 相模湖東出口 相模湖 3.0 816.8 66.7 相模湖 上野原 4.9 567.6 55.7

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上野原 大月 20.1 557.0 78.0 大月 大月JCT 1.0 374.4 100.0 大月JCT 勝沼 19.1 703.3 70.4 勝沼 一宮御坂 6.1 454.8 70.0 一宮御坂 甲府南 9.6 251.4 62.9 甲府南 甲府昭和 7.6 248.4 72.0 甲府昭和 双葉 4.7 323.4 62.5 双葉 双葉JCT 1.9 228.8 73.3 双葉JCT 韮崎 4.6 403.1 82.9 韮崎 須玉 6.4 326.2 92.7 須玉 長坂 9.3 741.3 78.2 長坂 小淵沢 8.2 560.0 70.0 小淵沢 諏訪南 12.6 453.1 76.9 諏訪南 諏訪 11.1 471.8 67.5 諏訪 岡谷JCT 10.1 425.9 76.4 岡谷JCT 伊北 14.0 467.0 78.0 伊北 伊那 9.5 177.0 82.0 伊那 駒ヶ根 15.2 395.6 66.3 駒ヶ根 松川 15.3 316.5 78.4 松川 飯田 15.5 408.1 71.8 飯田 飯田山本 5.2 518.8 55.0 飯田山本 園原 9.6 761.1 60.0 園原 中津川 21.9 1158.4 56.4 中津川 恵那 9.4 555.5 69.3 恵那 瑞浪 18.1 581.0 73.9 瑞浪 土岐 4.5 602.8 70.0 土岐 土岐JCT 2.5 472.6 52.5 土岐JCT 多治見 6.3 670.2 53.0 多治見 小牧東 8.1 747.1 72.7 小牧東 小牧JCT 7.1 626.7 76.4

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表5.5 東名高速道路の走りやすさ 出発IC,JCT 到着IC,JCT 距離[km] 道路構造による 走りやすさ 内部景観による 走りやすさ 東京IC 東名川崎IC 7.6 224.1 57.0 東名川崎IC 横浜青葉IC 5.7 203.8 57.5 横浜青葉IC 横浜町田IC 6.4 273.8 60.0 横浜町田IC 海老名JCT 14.2 156.3 67.5 海老名JCT 厚木IC 1.1 280.8 50.0 厚木IC 秦野中井IC 15.1 119.7 58.3 秦野中井IC 大井松田IC 7.8 345.9 72.0 大井松田IC 御殿場IC 25.8 606.2 68.3 御殿場IC 御殿場JCT 4.6 224.1 57.0 御殿場JCT 裾野IC 5.5 434.3 56.7 裾野IC 沼津IC 9.5 370.6 70.8 沼津IC 富士IC 18.2 318.0 73.0 富士IC 富士川IC 6.0 204.3 72.5 富士川IC 清水JCT 18.9 430.4 66.8 清水JCT 清水IC 1.4 246.5 50.0 清水IC 静岡IC 14.0 241.6 64.3 静岡IC 焼津IC 11.8 184.8 64.1 焼津IC 吉田IC 12.0 107.8 68.2 吉田IC 相良牧之原IC 11.4 388.5 85.3 相良牧之原IC 菊川IC 4.8 758.4 82.9 菊川IC 掛川IC 6.0 214.2 87.1 掛川IC 袋井IC 11.6 149.2 72.1 袋井IC 磐田IC 3.9 277.1 75.0 磐田IC 遠州豊田IC 1.9 278.2 80.0 遠州豊田IC 浜松IC 4.8 182.8 78.6 浜松IC 浜松西IC 10.5 108.8 70.8 浜松西IC 三ヶ日IC 10.6 411.4 80.0 三ヶ日IC 三ヶ日JCT 4.7 607.2 88.6 三ヶ日JCT 豊川IC 13.2 432.0 80.0 豊川IC 音羽蒲郡IC 11.2 270.6 72.0 音羽蒲郡IC 岡崎IC 13.2 328.0 74.4 岡崎IC 豊田JCT 10.7 194.9 70.0

(26)

豊田JCT 豊田IC 6.7 250.6 69.1 豊田IC 東名三好IC 5.0 219.4 68.8 東名三好IC 日進JCT 6.5 339.9 72.2 日進JCT 名古屋IC 3.2 419.5 60.0 名古屋IC 春日井IC 12.1 295.8 58.2 春日井IC 小牧JCT 2.2 189.5 52.5 小牧JCT 小牧IC 6.9 291.9 62.5 また X 軸方向を内部景観による走りやすさの値,Y 軸方向を道路構造による走りやすさ の値としてグラフにすると図 5.1 のようになる.関越自動車道は道路構造による走りやす さの値が全体に広がっている.関越自動車道は関東平野を過ぎると関越トンネル前後は山 間部を通過するためであると考える.東名高速道路は道路構造による走りやすさの値はほ とんどが200 から 400 の範囲に入っている.内部景観による走りやすさの値は中央自動車 道,東名高速道路,関越自動車道は全体に広がっているが,新東名高速道路はトンネルが 多いため全体的に低い値となっている. 図 5.1 走りやすさのグラフ 0.0 200.0 400.0 600.0 800.0 1000.0 1200.0 30.0 50.0 70.0 90.0 道路構造 による 走りやすさ 内部景観による走りやすさ 中央 東名 関越 新東名

(27)

さらに各路線(下り)のIC,JCT 間のランクの割合を図 5.2,図 5.3 に示す. 中央自動車道 東名高速道路 新東名高速道路 関越自動車道 長野自動車道 上信越自動車道 北陸自動車道 図5.2 道路構造による走りやすさのランクの割合 中央自動車道 東名高速道路 新東名高速道路 関越自動車道 長野自動車道 上信越自動車道 北陸自動車道 図5.3 内部景観による走りやすさのランクの割合

(28)

図5.2 より,中央自動車道,上信越自動車道はランク C,D の割合が大きいが,これは主 に山間部を通過するため,曲線区間が長く,勾配も大きいからと考えられる.比較的平地 を通過する東名高速道路はランクA,B の割合が大きくなっている.また図 5.3 より上信越 自動車道や北陸自動車道はランク a の割合が大きくなっているが,これは盛土構造(土砂 を盛り上げて路面を高くしてあること)の区間が多いためと考えられる.

5.3 経路探索

5.1 節の方法で評価した結果に基づき,以下の区間で走りやすさを考慮した経路探索を行 う.図5.4 は本研究の対象路線図である. ①東京IC(東名)- 小牧 IC(東名) ②高井戸IC(中央)- 小牧 IC(東名) ③上越JCT(上信越,北陸)- 藤岡 JCT(関越,上信越) 長野自動車道 中央自動車道 北陸自動車道 東名高速道路 関越自動車道 新東名高速道路 上信越自動車道

(29)

まず各ランクの重み係数を表5.6 のように定める.この値を各 IC,JCT 間の距離にかけ ることで走りやすさを考慮した経路探索を行う.探索にはDijkstra 法を用いる. 表5.6 各ランクの重み係数 ランクa ランクb ランクc ランクA 1.0 1.0 1.1 ランクB 1.0 1.1 1.1 ランクC 1.1 1.1 1.2 ランクD 1.1 1.2 1.2 以上の方法で①の区間の経路探索をした結果の数値を表5.9 に示す. 表5.7 区間①の経路探索結果 経由するIC,JCT 東京 IC からの距離[km] 東京 IC からの走りやすさ 東京IC 0.0 0.0 御殿場JCT 88.3 99.7 新清水JCT 145.6 162.2 浜松いなさJCT 233.0 259.8 三ヶ日JCT 245.7 273.8 豊田JCT 294.0 325.8 小牧IC 336.6 372.5 区間①では,東名高速道路のみを走行か,新東名高速道路を経由するかの二つの経路が 存在する(図5.5 参照).東名高速道路のみの場合は距離が 346.7[km],走りやすさの値が 378.4 となり,新東名高速道路経由の方が距離は約 10[km]短く,走りやすさの値も小さい. よって走りやすさを考慮しても最短経路となる.

(30)

図5.5 区間①の経路 区間②の探索結果は表5.8 の通りとなる.この区間は主な経路が一つしかないため,このよ うな結果となった(図5.6 参照). 表5.8 区間②の経路探索結果 経由するIC,JCT 高井戸 IC からの距離[km] 高井戸 IC からの走りやすさ 高井戸IC 0.0 0.0 八王子JCT 36.0 38.7 大月JCT 71.4 76.6 双葉JCT 120.4 132.2 岡谷JCT 182.7 201.7 土岐JCT 323.4 352.8 小牧JCT 344.9 378.6 小牧IC 351.8 386.2 東名高速道路 新東名高速道路 東京IC 小牧IC 三ヶ日JCT 御殿場JCT 浜松いなさJCT 新清水JCT 豊田JCT

(31)

図5.6 区間②の経路 区間①と②の探索結果を比較すると,距離の差より走りやすさの値の差のほうが小さく なっている.したがって東京都心から愛知県小牧市方面へ向かう場合,走りやすさを考慮 した場合でも,どちらの経路ともほとんど変わらない結果となった. そして区間③の経路探索結果は表5.9 の通りとなる. 表5.9 経路探索結果 経由するIC,JCT 上越 JCT からの距離[km] 上越 JCT からの走りやすさ 上越JCT 0.0 0.0 更埴JCT 85.2 92.6 佐久小諸JCT 131.5 144.1 藤岡JCT 204.3 227.0 この区間は上信越自動車道のみの経路となった(図5.7 参照).第 1 章でも述べたように, 2012 年の高速ツアーバスの事故では,運転手は約 30[km]距離の長い,長岡 JCT を経由し た経路を走行していた(図5.7 参照).この区間は走りやすさを考慮しても最短経路である 上信越自動車道経由となるが,長岡JCT 経由の経路であると,距離が 237.7[km],走りや すさの値が254.3 となり,走りやすさの値の差は距離の差よりは小さくなっている. 中央自動車道 東名高速道路 高井戸IC 小牧IC 大月JCT 双葉JCT 土岐JCT 岡谷JCT 小牧JCT 八王子JCT

(32)

図5.7 区間③の経路 北陸自動車道 関越自動車道 藤岡JCT 長岡JCT 上越JCT 上信越自動車道 更埴JCT 佐久小諸JCT

(33)

6章 結論

6.1 まとめ

本研究では高速道路の走りやすさを道路構造(車線数,曲線半径,縦断勾配)と内部景 観(側方勾配,表面材料)に着目し評価した.またこの評価に基づき,各路線の IC,JCT 間を道路構造,内部景観それぞれについてランク付けを行い,ランクの組み合わせ毎に重 み係数を設定し,距離にかけることで経路探索を行った.通常,高速道路の経路探索では 最短距離の経路を探索するが,走りやすさも考慮した経路探索を行うことができた. また新東名高速道路は最小曲線半径 3000[m],最大縦断勾配 2[%]と,東名高速道路の最 小曲線半径300[m],最大縦断勾配 5[%]に比べて高規格であるが,内部景観を考慮するとト ンネルの割合が多いため,他の路線と比べて特に走りやすい結果とはならなかった.

6.2 今後の課題

本研究では,高速道路の走りやすさを「道路構造」と「内部景観」の2つで評価したが, その他に交通量やトラックの割合などが走りやすさに関係していると考える.いくら車線 数が多くても,トラックの交通量が多いと非常に走りにくい.また雪の降る冬は,チェー ン規制や通行止めが度々行われる中央自動車道を避けて,比較的規制の少ない東名高速道 路に迂回する車も少なくない.このように季節(天候)も走りやすさに関係すると考える. これらも走りやすさの要因の一つとして評価すると,より運転手の感覚に近い経路探索が 行えるのではないかと考える. また本研究の対象路線では複数の経路が存在する区間が少ないため,対象路線を増やす 必要があると考える.

(34)

謝辞

本研究を進めるにあたり,大変多くのご指導,ご助言を頂いた中央大学理工学部情報工 学科の田口東教授,高松瑞代助教に心から感謝いたします.また,多くのご助言,ご協力 を頂いた田口研空室の皆さまには大変お世話になりました.心から感謝いたします.

参考文献

昭文社,MAPPLE ルーティングデータ 25000,株式会社 昭文社,東京,2012. [1] 鳥海重喜,MAPPLE ルーティングデータ用ビューワー,2006 年. [2] 八馬智,杉山和雄,高速道路における内部景観評価尺度の構築,デザイン学研究,Vol.50, [3] No.6,2004. 国土地理院,“平面直角座標系(平成十四年国土交通省告示第九号)”,(オンライン), [4] 入手先< http://www.gsi.go.jp/LAW/heimencho.html >,(参照 2012 年 12 月 12 日). ニワンゴ,“ニコニコ動画”,(オンライン),入手先< http://www.nicovideo.jp/ >, [5] (参照2012 年 12 月 20 日) Google,“Google ストリートビュー”,(オンライン),入手先 [6] < https://maps.google.co.jp/ >,(参照 2012 年 12 月 20 日).

Google,“YouTube”,(オンライン),入手先< http://www.youtube.com/ >, [7]

図 2.2  曲線半径の計算イメージ  縦断勾配 2.2.2 縦断勾配とは,図 2.3 に示すように水平に
表 3.1  オブジェクトタイプ  名称  内容  ノード  道路の交差点、行き止まり点、属性変化点など リンク  道路のノードとノードを接続するデータ,道路種別や幅員値の情報, また道路形状を表現するための形状点座標を保有 グループ情報  道路の路線情報を線の属性として保有  図郭割り 3.1.2 MAPPLE ルーティングデータ 25000 の図郭割りは,経緯度を基準とした標準地域メッシ ュ(第 2 次地域区画)と同一であり,メッシュ番号も標準地域メッシュ(第 2 次地域区画) のコードと同一である(図
図 3.5  表示項目の設定画面  図 3.6  平面直角座標系の設定画面  平面直角座標系 3.2.1 MAPPLE ルーティングデータの座標は経緯度で示されているが,経緯度のままだと球体 の地球の表面上で計算することになるので,より簡単に計算を行うために,座標を平面に 投影する.そこで用いられるのが平面直角座標系である.  日本における平面直角座標系は,原点を X=0.000[m],Y=0.000[m]とし,座標系原点にお いて子午線に一致する軸を X 軸とし,X軸に直交する軸を Y 軸とする.原則とし
表 3.2  日本における平面直角座標系(一部抜粋)  系番号  座標系原点の経緯度  適用区域  経度(東経)  緯度(北緯)  6  136 度  0 分 0 秒 0000  36 度 0 分 0 秒 0000  京都府,大阪府,福井県,滋賀県, 三重県,奈良県,和歌山県  7  137 度 10 分 0 秒 0000  36 度 0 分 0 秒 0000  石川県,富山県,岐阜県,愛知県  8  138 度 30 分 0 秒 0000  36 度 0 分 0 秒 0000  新潟県,長野県,山梨県,静
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参照

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