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Improvement of the POLIS
~ルール解説書~ プレイ人数2~4 人 プレイ時間 45 分 対象年齢 12 歳以上
・内容物
全体ボード(勝利点ボード・植民都市ボード・総合ボード) 各 1 枚 個人ボード 4 枚 ドラクマ硬貨 計 45(30+15)枚 マイルストーンチップ 5 枚 知識トークン 計55 枚 特別な知識トークン 計 20 枚 政治カード 40 枚 イベントカード 16 枚 アクションカード 28 枚 ポリスカード 7 枚 哲学カード 20 枚2 木製キューブ 24 個 木製ディスク 12 個 ダイス 12 個 サマリー 4 枚 スタートプレイヤーマーカー 1 個
1. ゲームの目的
舞台は紀元前9 世紀。プレイヤーは古代ギリシャにおける各ポリスの有力者となり、自分のポリスを成長させ ることを目指します。2. ゲームの準備
①全体ボード、勝利点ボード、植民都市ボードをテーブルの中央に配置して、個人ボードを各プレイヤーに配 ります。 ②ポリスカードをランダムに一枚ずつ配り、個人ボードの所定の位置(右下)に置きます。 ③各プレイヤーは自分の色を1 色ずつ選び、その色のディスクを個人ボードの各レベル(文化、経済、軍事)の 一番左の円の中に置き、自分の色のキューブ1 つをポリスカードの初期能力の枠のすぐ横に配置します。 ④各プレイヤーは自分の色のダイスを2 つずつ、7 枚のアクションカード (哲学、立法、文化、交易、軍拡、 政治、進歩の7 種)と 4 ドラクマ(貨幣。ゲーム中の「₯」表記はこのドラクマを指します)を受け取ります。 ⑤各プレイヤーは自分の色のキューブを勝利点ボードの勝利点(VP)トラックと、総合ボードの兵力、栄誉、税 収の各ゲージの0 の位置に、市民ゲージの 3 の位置に配置します。また、総合ボードのマイルストーン欄(全 体ボード右上にある5 つの丸)にマイルストーンチップ(税収 1/栄誉 1)を 5 枚配置します。3 ⑥各プレイヤーに政治カードをランダムに5 枚配り、ドラフトを行います。各プレイヤーは配られた 5 枚のカ ードの中から1 枚を選び、残りの 4 枚のカードを伏せた状態で左隣のプレイヤーに回します。次に右隣のプレ イヤーから回ってきた4 枚のカードから同様に 1 枚取り、残りのカードを左隣に回す手順を、最終的に自分の 選んだカードが5 枚になるまで繰り返します。この 5 枚のカードが政治カードの手札となります。なお、この 手札は公開せず、他のプレイヤーに見えないようにしてください。 ⑦残りの政治カードを山札にして全体ボードの近くに置いておきます。 ⑧イベントカードの中からランダムに裏向きで7枚選び、シャッフルします。その後、1 番上にイベントカー ド「集住」を、1 番下に「大王の出現」を重ね全体ボードの近くに置きます。 ⑨植民都市ボードに各色の特別な知識トークンと通常の知識トークンを配置します(星の描かれた植民都市に は特別な知識トークンを配置します)。 ⑩哲学カードと余りの各種知識トークン、ドラクマを全体ボードの近くにまとめて置いておきます。 ⑪各プレイヤーは自分の個人ボードの初期能力を確認し、能力に従ってキューブやディスクの初期位置の変更 や哲学カードの獲得を行います。 ⑫適当な方法でスタートプレイヤーを決定し、スタートプレイヤーはマーカーを受け取ります。
3. ゲームの流れ
Improvement of the Polis は 9 ラウンドかけて行われるゲームです。9 ラウンド目の終了時に得点計算を行い、 最も勝利点(VP)が高いプレイヤーがゲームに勝利します。
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4. ラウンドの流れ
各ラウンドは以下のフェイズに分かれています。 A:イベント告示フェイズ B:税収フェイズ C:ダイスフェイズ D:アクションフェイズ E:発展フェイズ F:イベント解決フェイズ G:マイルストーンフェイズ 上記の全てのフェイズが終わったならスタートプレイヤーマーカーを左隣のプレイヤーに回し、次のラウンド が始まります(第 9 ラウンドであれば得点計算を行います)。 A. イベント告示フェイズ スタートプレイヤーはイベントカードの山から1 枚を表にして読み上げます。ここではイベントカードの効果 の解決は行われません。第1 ラウンドでは「集住」が、第 9 ラウンドでは「大王の出現」が告示されます。つ まり、その時点でめくられていないイベントカードの数がその時点での残りのラウンド数となります。 B. 税収フェイズ 全プレイヤーは税収ゲージを参照し、自分の税収に等しいドラクマを獲得します。また、一部の政治カードは このタイミングで効果が発動します。 C. ダイスフェイズ ダイスフェイズは以下の順序で全員同時に進めていきます。 ①全プレイヤーは自分の手元にあるダイスを振ります。 ②各プレイヤーは各ダイスの下にこのラウンドに実行したいアクションのアクションカードを伏せて置きま す。 ③全プレイヤーがアクションカードを伏せたなら一斉に表にします。 ④もし、伏せていたアクションカードの数字が、その上に乗せていたダイスの出目よりも大きかった場合は、 その差分だけ自分の市民の数を減らします(減らすことができない場合はそのアクションは無効となります)。 ダイスの出目よりも小さい数字のアクションカードを伏せていても、特に市民の数を減らす必要はありません (つまり、ダイスの出目が大きい方が有利ということになります)。 ダイスフェイズの例:M 君はダイスを振り、2 と 3 の出目を出しました。M 君はこのラウンドに 1 の立法アク ションと、本来実行できない5 の政治アクションをどうしても実行したいと考えていたため、2 の出目のダイ スの下に立法のアクションカードを、3 の出目のダイスの下に政治のアクションカードを伏せて置きました。 全員がアクションカードを伏せたため、M 君は伏せていたアクションカードを表にしました。ここで、M 君は 3 の出目のダイスの下に 5 のアクションである政治アクションのアクションカードを伏せていたため、その差 分である2 だけ市民の数を減らします。 ダイスフェイズの例: M 君はダイスを振り、2 と 3 の出目を出しました。M 君はこのラウンドに 1 の立法アクションと、本来実行 できない5 の政治アクションをどうしても実行したいと考えていたため、2 の出目のダイスの下に立法のア クションカードを、3 の出目のダイスの下に政治のアクションカードを伏せて置きました。全員がアクショ ンカードを伏せたため、M 君は伏せていたアクションカードを表にしました。ここで、M 君は 3 の出目の ダイスの下に5 のアクションである政治アクションのアクションカードを伏せていたため、その差分である 2 だけ市民の数を減らします。5 D. アクションフェイズ 全プレイヤーはダイスフェイズで表にしたアクションを実行します。実行する順番は哲学、立法、文化、交易、 軍拡、政治、進歩の順番です。基本的には全員同時にプレイして構いませんが、プレイ順が重要となるときは スタートプレイヤーから時計回りにアクションを実行していきます。 (※全員が哲学のアクションを実行し、その後に全員が立法アクションを実行し、全員が文化アクションを実行 し…というように進んでいきます)。 アクションフェイズの例;M 君、K 君、S 君、T 君の 4 人プレイにおいて、M 君は立法と政治を、K 君は哲学 と軍拡を、S 君は文化と軍拡を、T 君は哲学と交易を行います。この場合、まず K 君と T 君が哲学アクション を実行します。次にM 君が立法アクションを実行します。次に T 君が交易アクションを実行します。次に K 君とS 君が軍拡アクションを実行しますが、ここではプレイ順が重要だと判断されたためスタートプレイヤー から時計回りに考えてK 君が軍拡アクションを行った後に S 君が軍拡アクションを実行しました。最後に M 君が政治アクションを実行します。 E. 発展フェイズ 全プレイヤーはスタートプレイヤーから時計回りに好きなレベル(文化、経済、軍事)を 1 つだけ上げることが できます。この際、レベルを上げる先の円の中に記載されている数字だけコストとしてドラクマを支払う必要 があります。さらに、レベルを上げる先の円に下に書かれているボーナス(税収 1、栄誉 1、市民 3 など)があれ ばコストを支払った後に獲得します。獲得した税収や栄誉、市民は総合ボードの各ゲージにおいてある自分の 色のディスクを動かすことで表現し、その数がわかるようにしてください。なお、文化レベルを3 から 4 に上 げた際には追加のダイスを1 個受け取り、次ラウンドからダイスフェイズに 3 つのダイスを振って、アクショ ンカードを3 つ選択できるようになります。 F. イベント解決フェイズ ラウンド開始時のイベント告示フェイズにめくれていたイベントカードの効果を解決します。兵力が最も高い プレイヤーなどを参照する効果の場合、該当するプレイヤーが複数いる場合は全員にその効果が適用されます。 G. マイルストーンフェイズ マイルストーンとは、総合ボード右上に書かれている5 つの目標の事を指し、それぞれに書かれている条件を 一番初めに達成した人に報酬として栄誉1 もしくは税収 1 が与えられるというものです。 このフェイズに入ったときにマイルストーンに記載されている条件を満たしているプレイヤーが存在する場 合は、そのプレイヤーはマイルストーンを達成することができます。マイルストーンを達成したプレイヤーは 栄誉1 か税収 1 の好きな方を得ることができます。ただし、同じ条件のマイルストーンを複数のプレイヤーが 同時に達成した場合は達成したプレイヤー全員が税収1 を得ます(栄誉 1 を選ぶことはできません)。達成され たマイルストーンは、全体ボードのマイルストーンチップを裏返して×の面を表にすることで示し、もうこの ゲームで再び達成されることはありません。 アクションフェイズの例; M 君、K 君、S 君、T 君の 4 人プレイにおいて、M 君は立法と政治を、K 君は哲学と軍拡を、S 君は文化 と軍拡を、T 君は哲学と交易を行います。この場合、まず K 君と T 君が哲学アクションを実行します。次 にM 君が立法アクションを実行します。次に T 君が交易アクションを実行します。次に K 君と S 君が軍 拡アクションを実行しますが、ここではプレイ順が重要だと判断されたためスタートプレイヤーから時計 回りに考えてK 君が軍拡アクションを行った後に S 君が軍拡アクションを実行しました。最後に M 君が 政治アクションを実行します。
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5. 各アクションについて
哲学 哲学カード1 枚を得ます。得た哲学カードは自分の個人ボードの近くにまとめて置いておきます。 立法 政治カードを山札の上から2 枚見て 1 枚を手札に加え、1 枚を山札の底に戻します。さらに市民 3 を得ます。 このとき、得た市民の数だけ全体ボードの市民ゲージにおいてある自分の色のキューブを動かし、その数がわ かるようにします。 文化 文化レベルに等しい勝利点を獲得します。獲得した勝利点の分だけ勝利点ボードの自分の色のキューブを動か し、その数がわかるようにします。 交易 経済レベル+1 に等しいドラクマを獲得します。その後、1 ラウンドに 1 回だけ、5 ドラクマを支払って任意の 知識トークン1 枚を購入して手元に加えることができます。入手した知識トークンは個人ボードの右上にある 知識トークン置き場に並べていきます。各色最大5 枚ずつの知識トークンを保持可能です。また、知識トーク ンはいつでも廃棄可能です。 軍拡 軍事レベルに等しい数の兵力を得ます。その後、1 度だけ植民を行うことができます。植民とは好きな植民都 市を征服してその上に置かれている知識トークンを手元に加え、報酬を得る行為です。この植民アクションは スタートプレイヤーから順番に行います。また、すでに知識トークンが置かれていない植民都市には誰も植民 することはできません (つまり早い者勝ちということです)。植民する際には、自分の兵力数が植民したい植民 都市に記載されている必要兵力(右側の数字)以上である必要があり、植民した場合は記載されている消費兵力 (左側の数字)に等しい数値分だけ自分の兵力を減らす必要があります。 ペルセポリスも1 つの植民都市であり、征服した場合は 3 つの特別な知識トークンを全て獲得します。 植民都市の例 左の植民都地に植民アクションを行う場合自分の兵力が 8 以上必要で、植民 後自分の兵力を 7 下げる必要があります。植民した場合は 3 ドラクマと 3 勝利点、1 つの黒の 特別な知識トークンを得ることができます。 政治 手札の政治カード1 枚を自分の場に出します。政治カードには条件として知識トークンが記載されている場合 があり、その場合はその条件を満たすように知識トークンを持っている必要があります。また、政治カードに ドラクマが記載されている場合は場に出す際にそれだけのドラクマを支払う必要があります。政治カードには 「単発(黄色のカード)」「永続(茶色のカード)」「得点(青色のカード)」の 3 種類があり、「単発」は場に出した 瞬間に効果が発動し、「永続」は永続的な能力が発揮され、「得点」はゲーム終了時に特定の条件に応じた勝利 点を得ることができます。「単発」の政治カードも場に出されたならそのまま場に残り続けます。 植民都市の例; 左の植民都地に植民アクションを行う場合自分の兵力が8 以上必要で、植民後自分の兵力 を7 下げる必要があります。植民した場合は 3 ドラクマと 3 勝利点、1 つの黒の特別な知 識トークンを得ることができます。7 進歩 自分のポリスカード横のキューブを1段階下に下げ、その能力を開放します。能力には政治カード同様「単発 (黄色)」「永続(茶色)」「得点(青色)」の 3 種類があり、条件やコスト、効果に関しても政治カードと同じです。 また、これらの能力は累積し、進歩したからといって今までの能力が無くなる訳ではありません。
6. 哲学カードについて
哲学カードには3 つの効果があります。 ①ダイスフェイズのアクションカードをオープンする際に任意の枚数をストックに戻すことで 1 枚につき市 民3 を得ることができます。この効果はダイスフェイズのこのタイミングでしか発動できず、また市民を消費 しない場合でも発動可能です。 ②発展フェイズ時に任意の枚数をストックに戻すことで1 枚につき 1 回追加の発展をすることができます。な お、追加で発展を行う場合にも通常の発展と同じようにコストを支払う必要があります。2 枚以上ストックに 戻した場合はその枚数分だけ追加の発展が可能です。 ③政治アクションや進歩アクション時に 2 枚をストックに戻すことで一時的な任意の知識トークンとして扱 うことができます。これは2 枚をストックに戻すたびに、1 回の知識トークン参照時に任意の知識トークンを 1 個追加で持っていることにするというものであり、知識トークンが増えるわけではないので注意が必要です。7. 得点計算
第9 ラウンドのイベント解決フェイズが終わり次第勝利点の集計を行います。 各プレイヤーはゲーム中に貯まった勝利点に以下の数値を加えて最終勝利点とします。 ①ポリスの能力で「ゲーム終了時に勝利点」の効果をもっているもの ②政治カードの「勝利点」の効果をもっているもの ③「栄誉」×「特別な知識トークンの数」(例 栄誉 7×特別な知識トークン数 8=72 点) これらの勝利点を計上した上で最も勝利点が多いプレイヤーがゲームに勝利します。勝利点が同じだった場合 は最終時点でより多くのドラクマを持っている方がゲームに勝利します。・補足
ドラクマ硬貨や知識トークン、哲学カードに上限はありません。無くなってしまった場合は別のもので代用して ください。一方、総合ボードの各ゲージには上限が存在し、それ以上の数値にはなりません。 (※軍拡アクション時に兵力が 15 を超えてしまう場合は、植民後に 15 以下になるのであれば一時的に超えても 構いません。)・箱表面について
本ゲームの外箱表面に使用している絵画は、ルネサンス期イタリアの画家ラファエロ・サンティによって描か れた「アテネの学堂」です。この絵画には古代ギリシャにおける有名な哲学者たちが多く描かれており、ギリ シャの文明の進歩に多くの貢献をした彼らこそ、都市国家ポリスの進歩をテーマとする本ゲームを象徴するに ふさわしいと考え、使用させていただきました。 ・奥付8